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特許7078413情報処理装置、情報処理システム、及び情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-23
(45)【発行日】2022-05-31
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 67/00 20220101AFI20220524BHJP
   G06K 7/10 20060101ALI20220524BHJP
   G06K 17/00 20060101ALI20220524BHJP
   G07G 1/00 20060101ALN20220524BHJP
【FI】
H04L67/00
G06K7/10 300
G06K17/00 022
G07G1/00 311E
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018017607
(22)【出願日】2018-02-02
(65)【公開番号】P2019133597
(43)【公開日】2019-08-08
【審査請求日】2021-01-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000001960
【氏名又は名称】シチズン時計株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】507351883
【氏名又は名称】シチズン・システムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100154003
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 憲一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100187078
【弁理士】
【氏名又は名称】甲原 秀俊
(72)【発明者】
【氏名】小関 章弘
【審査官】木村 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-081559(JP,A)
【文献】特開2016-201134(JP,A)
【文献】特開2017-156858(JP,A)
【文献】国際公開第2008/142774(WO,A1)
【文献】特開2013-240930(JP,A)
【文献】特開2016-103212(JP,A)
【文献】特開平07-225880(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 67/00
G06K 7/10
G06K 17/00
G07G 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信機能を有する情報処理装置であって、
読取装置によって読み取られた読取データを受信するたびに前記読取データを記憶部に蓄積し、前記記憶部に蓄積された複数の前記読取データを、端末装置から第1コマンドを受信すると、前記端末装置へ送信する制御部
を備え
前記制御部は、前記端末装置から第2コマンドを受信すると、前記複数の読取データの送信順序に関する動作設定として、前記記憶部に蓄積されたタイミングが早い前記読取データから順番に前記複数の読取データを送信する第1設定と、前記記憶部に蓄積されたタイミングが遅い前記読取データから順番に前記複数の読取データを送信する第2設定と、のいずれか一方を行う、情報処理装置。
【請求項2】
通信機能を有する情報処理装置であって、
読取装置によって読み取られた読取データを受信するたびに前記読取データを記憶部に蓄積し、前記記憶部に蓄積された複数の前記読取データを、端末装置から第1コマンドを受信すると、前記端末装置へ送信する制御部
を備え、
前記制御部は、
前記読取データを前記記憶部のバッファ領域に蓄積し、
前記端末装置から第4コマンドを受信すると、前記バッファ領域の空き容量が不足しているときに前記読取データを受信した場合の動作設定として、前記バッファ領域に蓄積された全ての前記読取データを消去する第3設定と、前記バッファ領域に蓄積されたタイミングが早い前記読取データから優先的に1つ以上の前記読取データを消去する第4設定と、前記バッファ領域に蓄積されたタイミングが遅い前記読取データから優先的に1つ以上の前記読取データを消去する第5設定と、のうちいずれか1つを行う、情報処理装置。
【請求項3】
通信機能を有する情報処理装置であって、
読取装置によって読み取られた読取データを受信するたびに前記読取データを記憶部に蓄積し、前記記憶部に蓄積された複数の前記読取データを、端末装置から第1コマンドを受信すると、前記端末装置へ送信する制御部
を備え、
前記制御部は、前記第1コマンドとともに時間を指定する情報を受信すると、前記第1コマンドの受信後前記時間が経過するまでの期間を設定し、前記期間内に前記記憶部に蓄積された前記読取データを少なくとも含む前記複数の読取データを前記端末装置へ送信する、情報処理装置。
【請求項4】
通信機能を有する情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
読取装置によって読み取られた読取データを受信するたびに前記読取データを記憶部に蓄積するステップと、
前記記憶部に蓄積された複数の前記読取データを、端末装置から第1コマンドを受信すると、前記端末装置へ送信するステップと、
前記端末装置から第2コマンドを受信すると、前記複数の読取データの送信順序に関する動作設定として、前記記憶部に蓄積されたタイミングが早い前記読取データから順番に前記複数の読取データを送信する第1設定と、前記記憶部に蓄積されたタイミングが遅い前記読取データから順番に前記複数の読取データを送信する第2設定と、のいずれか一方を行うステップと、
を含む、情報処理方法。
【請求項5】
通信機能を有する情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
読取装置によって読み取られた読取データを受信するたびに前記読取データを記憶部のバッファ領域に蓄積するステップと、
前記記憶部に蓄積された複数の前記読取データを、端末装置から第1コマンドを受信すると、前記端末装置へ送信するステップと、
前記端末装置から第4コマンドを受信すると、前記バッファ領域の空き容量が不足しているときに前記読取データを受信した場合の動作設定として、前記バッファ領域に蓄積された全ての前記読取データを消去する第3設定と、前記バッファ領域に蓄積されたタイミングが早い前記読取データから優先的に1つ以上の前記読取データを消去する第4設定と、前記バッファ領域に蓄積されたタイミングが遅い前記読取データから優先的に1つ以上の前記読取データを消去する第5設定と、のうちいずれか1つを行うステップと、
を含む、情報処理方法。
【請求項6】
通信機能を有する情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
読取装置によって読み取られた読取データを受信するたびに前記読取データを記憶部に蓄積するステップと、
前記記憶部に蓄積された複数の前記読取データを、端末装置から第1コマンドを受信すると、前記端末装置へ送信するステップと、
を含み、
前記情報処理装置は、前記第1コマンドとともに時間を指定する情報を受信すると、前記第1コマンドの受信後前記時間が経過するまでの期間を設定し、前記期間内に前記記憶部に蓄積された前記読取データを少なくとも含む前記複数の読取データを前記端末装置へ送信する、情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理システム、及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばバーコードスキャナ等の読取装置によって読み取られたデータを処理する技術が知られている。例えば、特許文献1には、バーコードスキャナの読み取り結果が、制御装置及びタブレット端末を介してPOSサーバへ送信されるPOSシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-146290号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、読取装置によって読み取られたデータを処理する情報処理装置において、当該データをメモリに蓄積しておき、例えばコンピュータ等の端末装置から要求に対して、メモリに蓄積されたデータを読み出して端末装置へ送信する構成が一般的に採用されている。しかしながら、従来の情報処理装置は、端末装置からの1回の要求に応じて1つのデータを送信する構成が一般的である。このため、例えばメモリに蓄積されたデータの数が多い場合、例えば情報処理装置と端末装置との間の通信回数が増加したり、端末装置を使用するユーザの操作負担が増加したりするという不都合が発生し得る。このため、読取装置からのデータを処理する従来技術の利便性は、必ずしも高くない。
【0005】
かかる事情に鑑みてなされた本発明の目的は、読取装置からのデータを処理する技術の利便性を向上させる情報処理装置、情報処理システム、及び情報処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態に係る情報処理装置は、
通信機能を有する情報処理装置であって、
読取装置によって読み取られた読取データを受信するたびに前記読取データを記憶部に蓄積し、端末装置から第1コマンドを受信すると、前記記憶部に蓄積された複数の前記読取データを前記端末装置へ送信する制御部を備える。
【0007】
本発明の一実施形態に係る情報処理システムは、
読取装置と、通信機能を有する情報処理装置と、を備える情報処理システムであって、
前記読取装置は、読取データを読み取ると、前記読取データを前記情報処理装置へ送信し、
前記情報処理装置は、前記読取データを受信するたびに前記読取データを記憶部に蓄積し、端末装置から第1コマンドを受信すると、前記記憶部に蓄積された複数の前記読取データを前記端末装置へ送信する。
【0008】
発明の一実施形態に係る情報処理方法は、
通信機能を有する情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
読取装置によって読み取られた読取データを受信するたびに前記読取データを記憶部に蓄積するステップと、
端末装置から第1コマンドを受信すると、前記記憶部に蓄積された複数の前記読取データを前記端末装置へ送信するステップと、を含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一実施形態に係る情報処理装置、情報処理システム、及び情報処理方法によれば、読取装置からのデータを処理する技術の利便性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態に係る情報処理システムのブロック図である。
図2】情報処理システムの第1動作を示すシーケンス図である。
図3】情報処理システムの第2動作を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0012】
(情報処理システムの構成)
図1を参照して、本発明の一実施形態に係る情報処理システム1の概要について説明する。情報処理システム1は、読取装置10と、情報処理装置20と、1つ以上の端末装置30と、を備える。図1では、2つの端末装置30を図示しているが、端末装置30の数は任意に定められてもよい。
【0013】
読取装置10は、情報媒体が有するデータを読み取る装置である。情報媒体は、例えばバーコード等の一次元コードを含んでもよい。かかる場合、読取装置10は、バーコードスキャナとして機能する。しかしながら、当該情報媒体は、一次元コードに限られず、例えば二次元コード等、データを有する任意の媒体を含んでもよい。以下、1つの情報媒体から読み取られるデータを、読取データともいう。また、読取装置10は、情報処理装置20と通信可能に接続される。読取装置10は、読取データを情報処理装置20へ送信する。
【0014】
情報処理装置20は、読取装置10によって読み取られた読取データを受信するたびに、当該読取データを蓄積する。また、情報処理装置20は、各端末装置30と通信可能に接続される。情報処理装置20は、端末装置30からの要求に応じて、蓄積した読取データを端末装置30へ送信する。
【0015】
ここで情報処理装置20は、後述するように、端末装置30からの1回の要求に対して複数の読取データを端末装置30へ送信可能である。このため、例えば1回の要求に対して1つの読取データが送信される構成と比較して、情報処理装置20に複数の読取データが蓄積されている場合であっても、例えば情報処理装置20と端末装置30との間の通信回数が増加したり、端末装置30を使用するユーザの操作負担が増加したりする等の不都合の発生する蓋然性が低減する。
【0016】
また、情報処理装置20は、印刷機能を有してもよい。かかる場合、情報処理装置20は、ネットワークプリンタとして機能する。例えば、情報処理装置20は、端末装置30から受信した印刷情報を印刷する。
【0017】
端末装置30は、情報処理機能を有する装置である。本実施形態において、例えばスマートフォン、タブレット端末、又はPC(Personal Computer)等の汎用の装置が、端末装置30として用いられる。しかしながら、情報処理システム1に専用の装置が、端末装置30として用いられてもよい。端末装置30は、読取データの取得要求として、所定のコマンドを情報処理装置20へ送信する。端末装置30は、当該コマンドに応じて情報処理装置20が送信した複数の読取データを受信し得る。情報処理装置20が印刷機能を有する場合、端末装置30は、印刷情報を生成して、情報処理装置20へ送信可能である。当該印刷情報は、例えば受信された複数の読取データに基づいて生成されてもよい。端末装置30の上記の各動作は、例えば端末装置30のメモリに記憶された汎用又は専用のソフトウェアを用いて実行される。汎用のソフトウェアは、例えばウェブブラウザ等を含むが、これに限られない。
【0018】
上述した情報処理システム1は、例えば商品の販売を行う店舗等で利用可能である。具体的には、各商品に、例えば商品の識別子等の文字列データを有する情報媒体が付されている。店舗の作業員は、読取装置10を用いて、例えば客が購入しようとする各商品の情報媒体から読取データを順次読み取る。各読取データは、情報処理装置20に蓄積される。作業員は、端末装置30を操作して、各読取データを情報処理装置20から端末装置30に送信させる。作業員は、端末装置30を操作して、例えば料金の支払い等を含む商品購入処理を行う。商品購入処理が完了すると、例えば各商品の金額及び客の支払金額等を含む印刷情報が端末装置30から情報処理装置20へ送信される。そして、当該印刷情報が記載されたレシートが、情報処理装置20によって印刷される。しかしながら、情報処理システム1の利用態様は、店舗におけるレシートの発行に限られず、例えば商品の在庫管理における帳票の発行等、任意の態様を含んでもよい。
【0019】
(読取装置の構成)
次に、読取装置10の構成について詳細に説明する。読取装置10は、読取部11と、通信部12と、制御部13と、を備える。
【0020】
読取部11は、情報媒体を読み取り可能な1つ以上のインタフェースを含む。例えば、読取部11は、情報媒体である一次元コード又は二次元コードを読み取り可能なインタフェースを含んでもよい。当該インタフェースは、例えば、光を照射する光源と、情報媒体で反射された当該光を受光する受光素子と、を有する。しかしながら、各インタフェースの構成は、対応する情報媒体に応じて任意に定められてもよい。
【0021】
通信部12は、任意の通信規格に対応する1つ以上の通信インタフェースを含む。例えば、通信部12は、USB(Universal Serial Bus)規格、イーサネット(登録商標)等の有線LAN(Local Area Network)規格、及びWi-Fi(登録商標)等の無線LAN規格のそれぞれに対応する通信インタフェースを含んでもよい。本実施形態において、読取装置10は、通信部12を介して情報処理装置20と通信可能に接続される。
【0022】
制御部13は、1つ以上のプロセッサを含む。本実施形態において、プロセッサは、汎用のプロセッサ、及び特定の処理に特化した専用のプロセッサを含んでもよい。制御部13は、読取装置10全体の動作を制御する。例えば、制御部13は、読取部11によって情報媒体から読み取られた読取データを、通信部12を介して情報処理装置20へ送信する。ここで、制御部13は、読取データが読み取られるたびに当該読取データを送信してもよく、或いは2つ以上の読取データが読み取られた後に当該2つ以上の読取データを送信してもよい。
【0023】
(情報処理装置の構成)
次に、情報処理装置20の構成について詳細に説明する。情報処理装置20は、通信部21と、記憶部22と、印刷部23と、制御部24と、を備える。
【0024】
通信部21は、任意の通信規格に対応する1つ以上の通信インタフェースを含む。例えば、通信部21は、USB規格、有線LAN規格、及び無線LAN規格のそれぞれに対応する通信インタフェースを含んでもよい。本実施形態において、情報処理装置20は、通信部21を介して読取装置10及び端末装置30のそれぞれと通信可能に接続される。なお、読取装置10及び端末装置30のそれぞれに対応するよう、複数の通信部21があってもよい。
【0025】
記憶部22は、1つ以上のメモリを含む。本実施形態において、メモリは、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、及び光メモリ等を含んでもよい。記憶部22に含まれる各メモリは、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部22は、情報処理装置20の動作に用いられる任意の情報を記憶する。また、本実施形態において、記憶部22の記憶領域の少なくとも一部がバッファ領域として用いられる。後述するように、バッファ領域には、読取装置10から受信された読取データが蓄積される。
【0026】
印刷部23は、印刷媒体に情報を印刷するための1つ以上の機構を含む。例えば、印刷部23は、ロール紙又は裁断済み印刷用紙等の印刷媒体を搬送する搬送機構と、搬送された媒体に情報を印字する印字機構と、を含んでもよい。印刷媒体がロール紙である場合、印刷部23は、印刷位置より下流の位置で媒体を切断する切断機構を更に含んでもよい。印刷部23の印字方式は、例えば熱転写方式又はドットインパクト方式等、任意に定められてもよい。
【0027】
制御部24は、1つ以上のプロセッサを含む。制御部24は、情報処理装置20全体の動作を制御する。例えば、制御部24は、読取装置10によって読み取られた読取データを受信するたびに、当該読取データを記憶部22のバッファ領域に蓄積する。
【0028】
また、制御部24は、端末装置30から第1コマンドを受信すると、記憶部22に蓄積された複数の読取データを端末装置30へ送信する。本実施形態において、情報処理装置20と端末装置30との間で送受信されるコマンド及び読取データは、例えばXML(Extensible Markup Language)等のマークアップ言語で記述されるが、任意の形式で記述されてもよい。制御部24は、端末装置30へ送信した複数の読取データを、記憶部22のバッファ領域から自動的に消去してもよい。
【0029】
ここで、制御部24は、端末装置30から第1コマンドとともに、読取データの条件を指定する情報を受信すると、記憶部22に蓄積された2つ以上の読取データのうち、指定された条件に適合する複数の読取データを端末装置30へ送信する。読取データの条件は、任意に定められてもよい。例えば、読取データの条件は、第1コマンドの受信に応じて情報処理装置20が送信する読取データの上限数又はデータサイズの上限値を含んでもよい。かかる場合、制御部24は、記憶部22に蓄積された2つ以上の読取データのうち、指定された数又はデータサイズを上限として、複数の読取データを端末装置30へ送信する。また例えば、読取データが目的の情報(例えば、商品の識別子等)に加えて属性を示す情報を更に含む場合、読取データの条件は、データの属性を含んでもよい。属性は、例えば商品の種別又は製造者名等、任意に定められてもよい。かかる場合、制御部24は、記憶部22に蓄積された2つ以上の読取データのうち、指定された属性の複数の読取データを端末装置30へ送信する。
【0030】
また、制御部24は、端末装置30から第2コマンドを受信すると、端末装置30へ送信すべき複数の読取データの送信順序に関する動作設定として、第1設定及び第2設定のいずれか一方を行う。第1設定は、例えばキュー形式等、記憶部22に蓄積されたタイミングが早い読取データから順番に複数の読取データを送信する設定である。一方、第2設定は、例えばスタック形式等、記憶部22に蓄積されたタイミングが遅い読取データから順番に複数の読取データを送信する設定である。かかる構成によれば、ユーザは、端末装置30を用いて情報処理装置20の上記の動作設定が可能である。ここで、制御部24は、複数の読取データの送信順序に関する上記の動作設定を、端末装置30から第2コマンドを受信するたびに第1設定と第2設定との間で切り替えてもよい。或いは、第2コマンドが、第1設定又は第2設定を指定する情報を含んでもよい。かかる場合、制御部24は、第2コマンドで指定された設定を行う。
【0031】
また、制御部24は、端末装置30から第3コマンドを受信すると、記憶部22のバッファ領域に記憶された一部又は全部の読取データを消去する。かかる構成によれば、ユーザは、端末装置30を用いて情報処理装置20に蓄積された読取データの消去が可能である。ここで、第3コマンドは、消去対象の読取データの数を示す情報、又は消去対象が全部の読取データであることを示す情報を含んでもよい。かかる場合、制御部24は、第3コマンドに含まれる当該情報に従って、記憶部22のバッファ領域に記憶された一部又は全部の読取データを消去する。
【0032】
また、制御部24は、端末装置30から第4コマンドを受信すると、記憶部22のバッファ領域の空き容量が不足しているときに読取データを受信した場合の動作設定として、第3設定から第5設定のうちいずれか1つを行う。第3設定は、バッファ領域に蓄積されている全ての読取データを消去する設定である。第4設定は、バッファ領域に蓄積されたタイミングが早い読取データから優先的に1つ以上の読取データを消去する設定である。第5設定は、バッファ領域に蓄積されたタイミングが早い読取データから優先的に1つ以上の読取データを消去する設定である。かかる構成によれば、ユーザは、端末装置30を用いて情報処理装置20の上記の動作設定が可能である。ここで、制御部24は、例えばバッファ領域の空き容量が基準値未満である場合、バッファ領域の空き容量が不足していると判定してもよい。当該基準値は、例えば予め定められた値であってもよいし、或いは受信した読取データのデータサイズを基準に定められた値であってもよい。
【0033】
また、制御部24は、端末装置30から印刷情報を受信すると、印刷部23を制御して当該印刷情報を印刷する。
【0034】
(情報処理システムの動作フロー)
図2を参照して、上述した情報処理システム1の動作のフローについて説明する。当該動作は、情報処理装置20に蓄積された複数の読取データが端末装置30へ送信される動作を含む。
【0035】
ステップS100:読取装置10は、情報媒体から読取データを読み取ると、当該読取データを情報処理装置20へ送信する。
【0036】
ステップS101:情報処理装置20は、読取装置10から受信した読取データを、記憶部22のバッファ領域に蓄積する。
【0037】
上記のステップS100及びS101が複数回繰り返し実行されることによって、情報処理装置20に複数の読取データが蓄積される。例えば、図2においては、ステップS100及びS101の組み合わせが2回実行される例を図示しているが、当該組み合わせが3回以上実行されてもよい。
【0038】
ステップS102:端末装置30は、例えばユーザ操作に応じて、第1コマンドを情報処理装置20へ送信する。
【0039】
ステップS103:情報処理装置20は、端末装置30から第1コマンドを受信すると、記憶部22のバッファ領域に蓄積された複数の読取データを端末装置30へ送信する。
【0040】
以上述べたように、本実施形態に係る情報処理システム1の情報処理装置20は、端末装置30から第1コマンドを受信すると、記憶部22に蓄積した複数の読取データを端末装置30へ送信する。このように、端末装置30からの1回の要求に対して複数の読取データが送信される。かかる構成によれば、例えば1回の要求に対して1つの読取データが送信される構成と比較して、情報処理装置20に複数の読取データが蓄積されている場合であっても、例えば情報処理装置20と端末装置30との間の通信回数が増加したり、端末装置30を使用するユーザの操作負担が増加したりする等の不都合の発生する蓋然性が低減する。したがって、読取装置10からのデータを処理する技術の利便性が向上する。
【0041】
本発明を諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び修正を行うことが容易であることに注意されたい。したがって、これらの変形及び修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各手段又は各ステップ等に含まれる構成又は機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段又はステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0042】
例えば、上述した本実施形態において、情報処理装置20の構成及び機能の少なくとも一部が、他の装置に実装されてもよい。例えば、通信部21の構成及び機能の少なくとも一部が、情報処理装置20に接続可能なインタフェースボードに実装されてもよい。また例えば、記憶部22の構成及び機能の少なくとも一部が、情報処理装置20に接続可能な外部記憶装置に実装されてもよい。
【0043】
また、上述した実施形態において、情報処理装置20が端末装置30から第1コマンドを受信した後、当該端末装置30に対応する待受期間が設定されてもよい。例えば、端末装置30は、第1コマンドとともに、時間を指定する情報を情報処理装置20へ送信する。情報処理装置20は、第1コマンドともに当該情報を受信すると、第1コマンドの受信後当該時間が経過するまでの期間を、当該端末装置30に対応する待受期間として設定する。情報処理装置20は、当該待受期間内に記憶部22のバッファ領域に読取データが蓄積されると、当該読取データも端末装置30へ送信する。ここで、複数の読取データのそれぞれが待受期間中に都度送信されてもよく、或いは複数の読取データが待受期間の終期に纏めて送信されてもよい。詳細には、待受期間内に記憶部22のバッファ領域に蓄積された各読取データは、当該読取データがバッファ領域に蓄積される度に端末装置30へ送信されてもよく、或いは待受期間の終了に応じて端末装置30へ送信されてもよい。
【0044】
図3を参照して、情報処理システム1の第2動作のフローについて説明する。第2動作は、上述した待受期間を利用して複数の読取データが端末装置30へ送信される動作を含む。
【0045】
ステップS200:読取装置10は、情報媒体から読取データAを読み取ると、当該読取データAを情報処理装置20へ送信する。
【0046】
ステップS201:情報処理装置20は、読取装置10から受信した読取データAを、記憶部22のバッファ領域に蓄積する。
【0047】
ステップS202:端末装置30は、例えばユーザ操作に応じて、第1コマンド及び時間を指定する情報を情報処理装置20へ送信する。情報処理装置20は、第1コマンドとともに当該情報を受信すると、第1コマンドの受信後当該時間が経過するまでの待受期間を設定する。
【0048】
ステップS203:待受期間内において、読取装置10は、情報媒体から読取データBを読み取ると、当該読取データBを情報処理装置20へ送信する。
【0049】
ステップS204:情報処理装置20は、読取装置10から受信した読取データBを、記憶部22のバッファ領域に蓄積する。
【0050】
ステップS205:待受期間内において、読取装置10は、情報媒体から読取データCを読み取ると、当該読取データCを情報処理装置20へ送信する。
【0051】
ステップS206:情報処理装置20は、読取装置10から受信した読取データCを、記憶部22のバッファ領域に蓄積する。
【0052】
ステップS207:例えば待受期間が終了すると、情報処理装置20は、記憶部22のバッファ領域に蓄積された複数の読取データA~Cを端末装置30へ送信する。
【0053】
図3においては、待受期間内に記憶部22のバッファ領域に蓄積された読取データB及びCのそれぞれが、当該待受期間の終了に応じて、ステップS207で纏めて送信される例について図示している。しかしながら、上述したように、読取データB及びCのそれぞれが、記憶部22のバッファ領域に蓄積される度に送信されてもよい。かかる場合、例えば、読取データBがステップS204で送信され、読取データCがステップS206で送信されてもよい。
【0054】
待受期間を利用する上述の構成によれば、ユーザは、端末装置30を用いて第1コマンドを送信した後であっても、待受期間内に読取装置10で情報媒体から読取データを読み取ることによって当該読取データを情報処理装置20から端末装置30に送信させることができる。したがって、読取装置10からのデータを処理する技術の利便性が更に向上する。
【0055】
また、情報処理装置20は、例えば他の端末装置30からの要求に応じて、上述した待受期間の終期を待つことなく、当該待受期間を終了してもよい。かかる構成によれば、端末装置30を使用するユーザの次に、他の端末装置30を使用する他のユーザが、情報処理装置20を迅速に利用可能となる。このため、読取装置10からのデータを処理する技術の利便性が更に向上する。
【符号の説明】
【0056】
1 情報処理システム
10 読取装置
11 読取部
12 通信部
13 制御部
20 情報処理装置
21 通信部
22 記憶部
23 印刷部
24 制御部
30 端末装置
図1
図2
図3