(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-23
(45)【発行日】2022-05-31
(54)【発明の名称】太陽電池の取付装置
(51)【国際特許分類】
G07F 9/10 20060101AFI20220524BHJP
【FI】
G07F9/10 F
(21)【出願番号】P 2018177675
(22)【出願日】2018-09-21
【審査請求日】2021-06-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103975
【氏名又は名称】山本 拓也
(72)【発明者】
【氏名】森田 健晴
(72)【発明者】
【氏名】宇野 智仁
(72)【発明者】
【氏名】早川 明伸
(72)【発明者】
【氏名】梶間 幹弘
【審査官】永安 真
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-146159(JP,A)
【文献】特開2009-163401(JP,A)
【文献】特開2011-22684(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07F 9/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体の上部一側面に当接させる当接板に太陽電池の一側端縁部を挟持する挟持フレームを上方に向かって突設してなる一方の取付治具と、筐体の上部他側面に当接させる当接板に太陽電池の他側端縁部を挟持する挟持フレームを上方に向かって突設してなる他方の取付治具と、両端部にこれらの両側取付治具の当接板をそれぞれ互いに接離する方向に移動可能に取り付ける水平棒状体と、この水平棒状体の両端部に取り付けた上記両側の当接板を筐体の両側面にそれぞれ圧着、固定させる締付手段とを備えてなることを特徴とする太陽電池の取付装置。
【請求項2】
挟持フレームは前側フレームと後側フレームとからなり、後側フレームの下端は当接板の上端に一体に接続している一方、前側フレームは後側フレームに蝶番によって開閉自在に枢着してあり、さらに、対向する前後フレームの上下端部間をボルト・ナットによって締め付けるように構成していることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池の取付装置。
【請求項3】
太陽電池は可撓性を有するシート状太陽電池であり、このシート状太陽電池の背面に支持板を重ね合わせて支持板と共に両側の取付治具の対向する挟持フレームにその両側端部を挟持させるように構成していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の太陽電池の取付装置。
【請求項4】
シート状太陽電池の表面に、太陽電池素子の電極に接続した集電用導電テープを貼着していると共にこの集電用導電テープを挟持フレームの前側フレームの内面に設けた導電体層を介してリード線に接続してあり、このリード線を自動販売機又は上記自動販売機に設けている表示パネルに接続するように構成していることを特徴とする請求項1または請求項3に記載の太陽電池の取付装置。
【請求項5】
水平棒状体は、両側の取付治具の前端部に設けている挿通孔に両端部を挿通している前側水平棒状体と、両側の取付治具の後端部に設けている挿通孔に両端部を挿通している後側水平棒状体とからなり、上記前側水平棒状体を筐体の上面に載せる一方、上記後側水平棒状体を筐体の背面に当接させた状態にして締付手段により対向する両側の当接板を筐体の一側面と他側面とにそれぞれ圧着させるように構成していることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池の取付装置。
【請求項6】
締付手段は、水平棒状体の両側端部に設けて螺子部と、この螺子部に進退自在に螺合したナットとからなることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池の取付装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池の取付装置、特に、飲料水などの自動販売機や衣服などの商品展示販売機等の本体である筐体上に取り付けて自動販売機側に電力を供給するための太陽電池の取付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、飲料水等の自動販売機の本体である筐体に太陽電池を配設して太陽電池からの電力を自動販売機に必要な電力の一部として使用するように構成した自動販売機が知られている。
【0003】
このように自動販売機としては、例えば、特許文献1には自動販売機の本体キャビネット(筐体)の天面にこの天面を覆うようにして太陽電池を取り付けている飲料用自動販売機が記載されてあり、特許文献2には、タバコ自動販売機の直方体形状の筐体上面にこの筐体上面を被覆するようにして太陽電池を配列して、この太陽電池からの電力を広告情報に使用することが記載されている。
【0004】
また、特許文献3、4には、自動販売機の外箱(筐体)の天板上に、商品の照明装置に電力を供給するための太陽電池を斜め上方に向かって立設している自動販売機が記載されている。
【0005】
さらに、上記特許文献4には、自動販売機の天板上に太陽電池(ソーラパネル)を斜め上方に向けた状態に固定するための具体的な装置が開示されている。この装置は太陽電池を取り付けた矩形枠状の載置台(以下、矩形枠とする)と、この矩形枠の前端側を自動販売機の筐体の天板における前端部にボルト・ナットによって固定し、矩形枠の後部背面に固定脚の上端を固着してこの固定脚の下端を自動販売機の筐体の背面に螺子止めすることにより、矩形枠を前端から後端に向かって斜め上方に傾斜させた状態で天板上に取り付けるように構成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2013-200634号公報
【文献】特開2003-346232号公報
【文献】特開平4-312198号公報
【文献】特開2011-186882号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1、2に記載されているように、太陽電池を自動販売機の筐体の天板上にこの天板を被覆した状態、即ち、受光面を上方に向かって垂直に向けた状態となるように取り付けると、太陽電池の受光面上に塵埃等が付着、堆積して発電効率が著しく低下する虞れがある。
【0008】
一方、上記特許文献3、4に記載されているように、自動販売機の筐体上に太陽電池をその前端から後端に向かって斜め上方に傾斜するように取り付けると、その傾斜度が大きい場合には、塵埃を傾斜した受光面に沿って下方に移動させて排除することが可能となるが、太陽電池は一定の大きさを有する矩形枠内に取り付けられているため、横幅の広い大型の自動販売機の天板上に配設すると、面積の広い天板の両側部に太陽電池が配設されない部分が発生して大型の自動販売機に要求される消費電力を充分の供給することができなくなるといった問題点がある。
【0009】
また、横幅の狭い小型の自動販売機の天板上に配設すると、太陽電池の両側端部が天板の両側端から外側方にはみ出すといった問題点が発生する。従って、大小の自動販売機に適応した大きさを有する太陽電池を採用するには、横幅が大小の自動販売機の天板の横幅となるように形成した矩形枠を作製しておく必要があるといった問題点が生じる。
【0010】
さらに、矩形枠によって囲まれた太陽電池を自動販売機の天板上に斜め上方に傾斜させた状態で固定する手段として、矩形枠の前端縁部を自動販売機の筐体の天板の前端部にボルト・ナットによって固定し、矩形枠後部背面に取り付けた固定脚の下端を自動販売機の筐体の背面に螺子止めする手段を採用しているため、予め、自動販売機の筐体に矩形枠を固定するためのボルト挿通孔を穿設しておく必要があり、取付作業に手間を要すると共に自動販売機がボルト挿通孔によって損傷するといった問題点がある。
【0011】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、自動販売機などの筐体上にこの筐体の横幅に応じた大きさを有する太陽電池を立設した状態となるように簡単且つ確実に取り付けることができ、その上、組立てや解体、取扱いが容易で構造も簡易な太陽電池の取付装置を提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために本発明の太陽電池の取付装置は、筐体の上部一側面に当接させる当接板に太陽電池の一側端縁部を挟持する挟持フレームを上方に向かって突設してなる一方の取付治具と、筐体の上部他側面に当接させる当接板に太陽電池の他側端縁部を挟持する挟持フレームを上方に向かって突設してなる他方の取付治具と、両端部にこれらの両側取付治具の当接板をそれぞれ互いに接離する方向に移動可能に取り付ける水平棒状体と、この水平棒状体の両端部に取り付けた上記両側の当接板を筐体の両側面にそれぞれ圧着、固定させる締付手段とを備えてなることを特徴とする。
【0013】
上記のように構成した太陽電池の取付装置において、請求項2に係る発明は、上記挟持フレームは前側フレームと後側フレームとからなり、後側フレームの下端は当接板の上端に一体に接続している一方、前側フレームは後側フレームに蝶番によって開閉自在に枢着してあり、さらに、対向する前後フレームの上下端部間をボルト・ナットによって締め付けるように構成していることを特徴とする。
【0014】
請求項3に係る発明は、上記太陽電池は可撓性を有するシート状太陽電池であり、このシート状太陽電池の背面に支持板を重ね合わせて支持板と共に上記両側の取付治具の対向する挟持フレームにその両側端部を挟持させるように構成していることを特徴とする。
【0015】
さらに、請求項4に係る発明は、上記シート状太陽電池の表面に、太陽電池素子の電極に接続した集電用導電テープを貼着していると共にこの集電用導電テープを上記挟持フレームの前側レームの内面に設けた導電体層を介してリード線に接続してあり、このリード線を自動販売機の筐体に設けている表示パネル等に接続するように構成していることを特徴とする。
【0016】
また、請求項5に係る発明は、上記両側の取付治具を互いに接離する方向に案内する水平棒状体は、両側の取付治具の上端部に設けている挿通孔に両端部を挿通している前側水平棒状体と、両側の取付治具の後端部に設けている挿通孔に両端部を挿通している後側水平棒状体とからなり、上記前側水平棒状体を筐体の上面に載せる一方、上記後側水平棒状体を筐体の背面に当接させた状態にして締付手段により対向する両側の当接板を筐体の一側面と他側面とにそれぞれ圧着させるように構成していることを特徴とする。
【0017】
請求項6に係る発明は、上記締付手段は、水平棒状体の両側端部に設けて螺子部と、この螺子部に進退自在に螺合したナットとからなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
請求項1に係る発明によれば、太陽電池の取付装置における一方の取付治具と他方の取付治具との当接板を水平棒状体に沿って移動させて自動販売機などの筐体の一側面と他側面とにそれぞれ当接させるように構成しているので、筐体の横幅寸法に応じて両側当接板間の間隔を変化させることができ、従って、横幅寸法が異なる筐体に対しても両取付治具の当接板を筐体の両側面に当接させて締付手段によりこれらの当接板を筐体の両側面に圧着させることにより、本発明の太陽電池取付装置を筐体上に簡単且つ強固に取り付けることができる。
【0019】
さらに、両取付治具の当接板から太陽電池の側端部を挟持する挟持フレームを上方に向かって突設しているので、筐体の後端部上方の空間部を利用して筐体の横幅寸法に応じた大きさを有する太陽電池を筐体の上面から上方に向かって立設した状態に配設することができ、従って、太陽電池上に塵埃等が付着するのを極力少なくして太陽光を効率よく受光しながら、筐体側に必要な電力を供給することができる。
【0020】
また、上記筐体上に対する太陽電池の取付装置は、上記のように、当接板に太陽電池の一側端縁部を挟持する挟持フレームを上方に向かって突設してなる一方の取付治具と、当接板に太陽電池の他側端縁部を挟持する挟持フレームを上方に向かって突設してなる他方の取付治具と、これらの両取付治具を互いに接離する方向に案内する水平棒状体と、両当接板をそれぞれ筐体の両側面に圧着、固定させる締付手段とからなるものであるから、構造が簡単で取扱いが容易であり、筐体上への組立てや筐体上からの解体も能率よく行うことができる。
【0021】
請求項2に係る発明によれば、太陽電池の側端部を挟持する上記挟持フレームは前側フレームと後側フレームとからなり、後側フレームの下端は当接板の後端部の上端面に一体に接続している一方、前側フレームは後側フレームに蝶番によって開閉自在に枢着しているので、両挟持フレーム間に配設可能な形状に形成している矩形状の太陽電池を、筐体の上面空間部を利用して両挟持フレームの後側フレームの前面間に簡単に配設することができ、この太陽電池の両側端部を両側の後側フレームの前面に当接させた状態にして前側フレームを閉じることにより、太陽電池を筐体の上面から上方に向かって立設した状態となるように取り付けることができる。
【0022】
その上、挟持フレームの対向する前後フレームの上下端部間をボルト・ナットによって締め付けるように構成しいるので、太陽電池の両側端部を対向する挟持フレームに強固に挟着させた状態にして取り付けておくことができ、挟持フレームから太陽電池が不測に外れたり、取り外されたりするのを阻止することができる。
【0023】
請求項3に係る発明によれば、上記太陽電池は可撓性を有するシート状太陽電池であり、このシート状太陽電池の背面に支持板を重ね合わせて支持板と共に上記両取付治具の対向する挟持フレームに両側端部を挟持させるように構成しているので、シート状太陽電池が可撓性を有するにもかかわらず、風圧等によって変形することもなく、緊張した状態で正確に挟持フレーム間に配設することができる。
【0024】
請求項4に係る発明によれば、上記太陽電池の取付装置の両側の挟持フレーム間に取り付けられて自動販売機などの筐体上に立設した状態で配設された太陽電池からの電力を、リード線を介して太陽電池直下の自動販売機側に簡単に供給し得る給電構造を提供することができ、自動販売機などの筐体に設けた表示パネルに電力を供給して広告や非常時における緊急情報などの表示を行うことができる。
【0025】
請求項5に係る発明によれば、挟持フレームの下端に当接板を一体に設けてなる一対の取付治具を自動販売機などの筐体の横幅間隔を存して筐体に配設するための上記水平棒状体は、対向する当接板の上端部に設けた挿通孔にその両端部を挿通している前側の水平棒状体と、対向する当接板の後端部における上下部に設けた挿通孔に両端部を挿通している後側の水平棒状体とからなるので、上記前側の水平棒状体を筐体の上面に載せ、上記後側の水平棒状体を筐体の背面に当接させた状態にすることによって、両取付治具が妄動することなく、これらの取付治具における当接板から上方に突出した挟持フレームを太陽電池の取付位置に簡単且つ正確に対向させた状態に配設することができる。
【0026】
さらに、請求項6に係る発明によれば、両取付治具の当接板を筐体の側面に圧着させるための上記締付手段は、水平棒状体の両側端部に設けて螺子部と、この螺子部に進退自在に螺合したナットとからなるので、ナットを螺進させることによって当接板を筐体の側面に簡単に圧着させることができ、筐体に対して本発明太陽電池の取付装置を正確に且つ強固に取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】自動販売機の筐体上に取り付けた本発明太陽電池の取付装置の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の具体的な実施例を図面について説明すると、
図1、
図2において、自動販売機の本体であるボックス形状に形成された筐体A上に矩形状の太陽電池Bを立設状態で配設するための取付装置は、自動販売機の筐体Aの上部の一側面に当接させる当接板11とこの当接板11から上方に突設している挟持フレーム12とからなる一方の取付治具10と、自動販売機の上記筐体Aの一側面に平行な他側面の上部に当接させる当接板21とこの当接板21から上方に突設している挟持フレーム22とからなる他方の取付治具20と、これらの両側取付治具10、20を互いに接離する方向に案内する水平棒状体31と、両側取付治具10、20の当接板11、22を上記筐体Aの両側面にそれぞれ圧着、固定させる締付手段34とを備えている。
【0029】
上記一方の取付治具10における挟持フレーム12は、太陽電池Bの縦幅よりも長い長方形状の前側フレーム12a と後側フレーム12b とからなり、これらの前後フレーム12a 、12b
によって太陽電池Bの一側端部を挟持するように構成している。
【0030】
同様に、上記他方の取付治具20における挟持フレーム22も、太陽電池Bの縦幅よりも長い長方形状の前側フレーム22a と後側フレーム22b とからなり、これらの前後フレーム22a 、22b によって太陽電池Bの他側端部を挟持するように構成している。
【0031】
さらに、上記両側の取付治具10、20の挟持フレーム12、22における後側フレーム12b 、22b の下端はそれぞれ上記当接板11、12の後端部における上端に連なるように接続していて当接板11、21の後端部から上方に垂直に突設している。
【0032】
具体的には、後側フレーム12b 、22b の下端から前方に向かって後側フレーム12b 、22b と同一幅を有する水平フレーム13、23を突設していると共にこれらの水平フレーム13、23の外側端縁から上記当接板11、21の上端をそれぞれ下方に向かって直角に屈曲させることによってこれらの当接板11、21の後端部から上記挟持フレーム12、22の後側フレーム12b 、22b を上方に向かって突設させている。なお、当接板11、21の大きさ、形状は特に限定されないが、筐体Aの側面の上部に当接させた際に、その上端縁部が筐体Aの上面から突設し、後端部が筐体Aの背面から後方に突設するように形成している。
【0033】
上記当接板11や水平フレーム13及び後側フレーム12b を形成するには、
図5に示すように、後側フレーム12b を形成するための帯状板材12b'' の一端に上記水平フレーム13を形成するための帯状板材13''を一体に延設していると共に、この帯状板材13''の外側端に上記当接板11を形成するための板材11''を外側方に向かって延設してなる形状を有する平坦な金属板を作製しておき、上記連なった帯状板材12b'' 、13''の連設部を直角に折り曲げることによって後側フレーム12b と水平フレーム13をそれぞれ形成すると共に上記帯状板材13''の外側端に連設している板材11''を下方に直角に折り曲げることに当接板11を形成する。
【0034】
従って、上記当接板11の上端から水平フレーム13がそれぞれ内側方に向かって水平に屈折してこの水平フレーム13によって当接板11の上端フランジ部を形成している。他方の取付治具20の当接板21や水平フレーム23及び後側フレーム22b も上記同様にして形成することができる。
【0035】
なお、両側の取付治具10、20における後側フレーム12b 、22b と水平フレーム13、23とを
図6に示すように別体に形成し、この後側フレーム12b 、22b の下端部に該下端に対して直角に屈折した座板部12b'、22b'を設けると共にこの座板部12b'、22b'にボルト挿通孔17、27をそれぞれ設けておく一方、当接板11、21の上端フランジ部を形成している水平フレーム13、23に前後方向に一定間隔毎にボルト取付孔18、28をそれぞれ設けておき、後側フレーム12b 、22b の下端座板部12b'、22b'を水平フレーム13、23の上面における所望の部分に重ね合わせてボルト・ナットにより後側フレーム12b 、22b を着脱自在に取り付けるように構成しておいてもよい。その他の構成については上記実施例と同じであるので同一部分には同一符号を伏して詳細な説明を省略する。
【0036】
このように構成すると、太陽電池Bを筐体Aの天面における前部、中央部、後部のいずれの位置からでも上方に向かって立設させることができ、また、取扱いが容易となるといった利点を有する。
【0037】
なお、上記挟持フレーム12、22の後側フレーム12b 、22b を水平フレーム13、23に対して直角に設けて太陽電池Bの受光面を水平方向に向けるようにしているが、斜め後方に所定の角度でもって傾斜させて、太陽電池Bの受光面を斜め上方に向けるように構成していおいてもよい。
【0038】
上記挟持フレーム12、22の前側フレーム12a 、22a は、その外端縁に後方に向かって直角に屈折した一体幅を有するフランジ部12a'、22a'を設けてあり、このフランジ部12a'、22a'の後端部と前側フレーム12a 、22a の外端部との複数箇所を蝶番35によって連結して前側フレーム12a 、22aを後側フレーム12b 、22bに対してそれぞれ開閉自在に構成している。
【0039】
従って、一方の挟持フレーム12の前後フレーム12a 、12b の対向する内面間によって太陽電池Bの一側端部を挟持する縦溝が形成され、他方の挟持フレーム22の前後フレーム22a 、22b の対向する内面間によって太陽電池Bの他側端部を挟持する縦溝が形成されている。
【0040】
なお、本発明の実施例においては、上記太陽電池Bとしては可撓性を有するシート状太陽電池を用いており、このシート状太陽電池Bの背面に横幅がシート状太陽電池Bの横幅と同じで、縦幅がシート状太陽電池Bの縦幅よりも若干長い一定厚みを有する矩形状の支持板36を重ね合わせて支持板36と共に上記対向する挟持フレーム12、22にその両側端部を挟持させるように構成している。シート状太陽電池Bはその背面を支持板36の前面に貼着するか、或いは、両側端部を小螺子によって支持板36の両側端部に固定することによって支持板36の前面に装着されている。
【0041】
上記両挟持フレーム12、22における前側フレーム12a 、22a と後側フレーム12b 、22b
の上下端部は、太陽電池Bを挟持した際に太陽電池Bの両端部からそれぞれ上下方向に突出する長さに形成されてあり、これらの上下突出端部にボルト挿通孔37、38を設けて、これらの前後に対向するボルト挿通孔37、38にボルト39を挿通し、このボルト39にナット40を螺締することによってシート状太陽電池Bの両側端部を支持板36と共に挟持フレーム12、22によって挟着するように構成している。
【0042】
また、上記シート状太陽電池Bの表面の上下部には、太陽電池素子の電極に接続した集電用導電テープ41が貼着されている一方、上記両挟持フレーム12、22におけるいずれかの挟持フレーム(図においては他方の挟持フレーム22)の前側フレーム22a の背面には
図4に示すように、この前側フレーム12a 、22a を閉止した時に上記集電用導電テープ41のそれぞれの端部に接続する導電体層42が設けられてあり、この導電体層42のそれぞれから該導電体層42に接続したリード線43が引き出されている。
【0043】
上記両取付治具10、20を互いに接離する方向に案内するための上記水平棒状体31は、筐体Aの横幅に対応した同じ長さを有する前側水平棒状体31a と後側水平棒状体32b とからなり、前側水平棒状体31a は、その両端部を上記両取付治具10、20における当接板11、21の上端部の前部又は中央部にそれぞれ設けている挿通孔14、24に挿通することによって、両取付治具10、20をこの前側水平棒状体31の長さ方向に移動させ、左右に対向する当接板11、21間の間隔を自動販売機の横幅よりも大きい間隔から狭めるように構成している。
【0044】
さらに、上記後側水平棒状体31b としては、この実施例においては2本使用し、これらの後側水平棒状体31b 、31b を上下に間隔を存した状態にして、それぞれの両端部を対向する当接板11、21の後端部における上下部にそれぞれ設けている対向する上側挿通15、25と下側挿通孔16、26とに挿通することによって、両取付治具10、20をこれらの後側水平棒状体31b の長さ方向に沿って移動させて左右に対向する当接板11、21間の間隔を自動販売機の横幅よりも大きい間隔から狭めるように構成している。
【0045】
また、筐体Aの一側面と他側面に当接する両取付治具10、20の当接板11、21を筐体Aの両側面に圧着させた状態で固定させるための締付手段34は、当接板11、21の上端部に設けた挿通孔14、24に挿通している前側水平棒状体31a の両端部に設けた螺子部34a と、この螺子部34a に螺合するナット34b とから構成している。同様に、当接板11、21の後端部側に配設する上記後側水平棒状体31b 、31b の両端部に設けた螺子部34a'、34a'と、これらの螺子部34a'、34a'に螺合するナット34b'、34b'とによって当接板11、21の締付手段34を構成している。
【0046】
このように構成した太陽電池の取付装置によって自動販売機の筐体Aの天面上に太陽電池Bを立設状態に配設するには、まず、自動販売機の筐体Aの天面上に長さ方向を筐体Aの横幅方向に向けて前側水平棒状体31a を載置し、筐体Aの両側面の上端から外側方に突出するこの水平棒状体31a の両端部(長さ方向の両側端部)に、一方の取付治具10の当接板11の上端部に設けている挿通孔14と他方の取付治具20の当接板21の上端部に設けている挿通孔24とをそれぞれ挿通させると共に、対向する取付治具10、20の後端部の上部の対向する挿通孔15、25と、下部の対向する挿通孔16、26とにそれぞれ後側水平棒状体31b 、31b の両端部を挿通してこれらの後側水平棒状体31b 、31b を筐体Aの背面に当接させることにより、両側の取付治具10、20を筐体Aに配設する。
【0047】
なお、後側水平棒状体31b は、上下に2本、使用しているが、対向する両側の取付治具10、20の後端部における上下方向の中間部間を連結する一本の水平棒状体であってもよく、要するに、両側の取付治具10、20の上端部間を連結させる上記前側水平棒状体31a を筐体Aの上面に載置した状態で取付治具10、20の後端部間を連結させる後側水平棒状体31b
を筐体Aの背面に当接させて、両側の取付治具10、20の当接板11、21から上方に突設している挟持フレーム12、22を筐体Aの上面における所定の位置に正確に位置させるようにしておけばよい。
【0048】
次いで、上下前側水平棒状体31a と後側水平棒状体31b とにおける両側の当接板11、21から外側に突出している両端螺子部34a 、34a'にナット34b 、34b'を螺合させてこれらのナット34b 、34b'を両側の当接板11、21の外側面に当接させると共にその状態からさらに螺進させると、両側の当接板11、21が上記前後の水平棒状体31a 、31b に案内されながら互いに接近する方向に移動してその内側面を筐体Aの上部における両側面にそれぞれ当接させる。
【0049】
この状態にしてナット34b 、34b'を締め付けると、両側の取付治具10、20における当接板11、21が筐体Aの両側面にそれぞれ強固に圧着して両側の取付治具10、20を筐体Aにこの筐体Aの横幅間隔を存して対向した状態となるように装着することができる。
【0050】
このように、筐体Aに両側の取付治具10、20を装着すると、これらの取付治具10、20の当接板11、21から上方に突設している挟持フレーム12、22が筐体Aの横幅寸法に応じた間隔を存して対向する。
【0051】
次いで、上記両側の挟持フレーム12、22における前側フレーム12a 、22a を後側フーム12b 、22b に対して蝶番35を介して前方に開放した状態にし、背面が支持板36によって支持されているシート状太陽電池Bを上記両側の挟持フレーム12、22間に配してその両側端部を後側フーム12b 、22b の前面に当接させたのち、前側フレーム12a 、22a を閉じることによってシート状太陽電池Bの両側端部を支持板36と共に前後フレーム12a 、12b ;22a 、22b によって挟持させ、しかるのち、ボルト・ナット39、40によりフレーム12a 、12b ;22a 、22b の上下端部間を締め付けることにより、挟持フレーム12、21によってシート状太陽電池Bの両側端部を強固に挟着させる。
【0052】
なお、シート状太陽電池Bの横幅は、筐体Aの横幅間隔を存して対向する両側の取付治具10、20の挟持フレーム12、22にその両側端部を挟持させることができるように、シート状太陽電池Bを配設する筐体Aの横幅に応じた長さ(横幅)に形成されている。
【0053】
こうして、本発明の太陽電池の取付装置によって、自動販売機の筐体A上にこの筐体Aの横幅に略等しい横幅を有する矩形状の太陽電池Bを立設状態に配設したのち、シート状太陽電池Bから外部に引き出しているリード線43を自動販売機に設けている広告等の表示パネルC等に接続してシート状太陽電池Bからの電力をこの表示パネルC等に供給する。
【0054】
また、上記太陽電池の取付装置を筐体Aから取り外すには、まず、シート状太陽電池Bを挟着している両側の挟持フレーム12、22における前側フレーム12a 、22a を開いてシート状太陽電池Bを取り外すと共に、前後水平棒状体31a 、31b の両端螺子部34a 、34a'に螺合しているナット34b 、34b'を緩めて筐体Aの両側面に対する両側当接板11、21の圧着を解くと共にナット34b 、34b'を前後水平棒状体31a 、31b の両端螺子部34a 、34a'から取り外したのち前後水平棒状体31a 、31b から両側取付治具10、20の当接板11、21を取り外す。
【0055】
なお、以上の実施例においては、両側の取付治具10、20の当接板11、21の上端部間と後端部間とをそれぞれ前側水平棒状体31a と後側水平棒状体31b によって連結しているが、後側水平棒状体31b を使用することなく、両側の当接板11、21の後端部を内側に向かって直角に屈折させて筐体Aの背面両側部に当接させるフランジ部を形成しておき、このフランジ部を筐体Aの背面両側部にそれぞれ当接させた状態にして当接板11、21の上端部間を連結する水平棒状体(前後に2本設けおいてもよい)の両側螺子部に螺合したナットにより両側の当接板11、21を筐体Aの両側面に圧着、固定させるように構成してもよい。
【0056】
また、上記実施例においては両側の取付治具10、20の挟持フレーム12、22によってシート状太陽電池Bを取り付けているが、太陽電池パネルの取付装置として採用してもよい。
【符号の説明】
【0057】
A 筐体
B シート状太陽電池
10、20 取付治具
11、21 当接板
12、22 挟持フレーム
12a 、22a 前側フレーム
12b 、22b 後側フレーム
14~16、24~26 挿通孔
31 水平棒状体
31a 前側水平棒状体
32b 後側水平棒状体
34 締付手段