(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-23
(45)【発行日】2022-05-31
(54)【発明の名称】摺動遮へい体並びに摺動遮へい体用のガイド式及び伸張式格納機構を備えるシステム
(51)【国際特許分類】
E06B 9/54 20060101AFI20220524BHJP
E06B 9/58 20060101ALI20220524BHJP
【FI】
E06B9/54
E06B9/58 A
(21)【出願番号】P 2018556933
(86)(22)【出願日】2017-04-27
(86)【国際出願番号】 IB2017052435
(87)【国際公開番号】W WO2017195061
(87)【国際公開日】2017-11-16
【審査請求日】2020-04-17
(31)【優先権主張番号】102016000048201
(32)【優先日】2016-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】518377528
【氏名又は名称】エムブイ ライン エス.ピー.エー.
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】モンタナロ,パオロ
【審査官】砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-346578(JP,A)
【文献】特開2007-154425(JP,A)
【文献】特開2005-023578(JP,A)
【文献】特開2007-291689(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0053629(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0209767(US,A1)
【文献】特開2016-223245(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/54-9/92
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって:
-側部ボックス(204)と側板クロージャ(202)との間に、ハンドルバー(203)によって可動の水平摺動布(201)を備え付けている摺動遮へい体(200)と、
-
前記ハンドルバー(203)と前記側部ボックス(204)との間で連続して交互に連結される複数の第1のガイドモジュール(151)及び複数の第2のガイドモジュール(152)を含む、前記摺動遮へい体(200)用のガイド式及び伸張式格納機構(150)であって、前記第1のガイドモジュール(151)及び前記第2のガイドモジュール(152)が、前記ハンドルバー(203)内に折り畳み及び挿入可能なガイド本体を形成し
、前記ガイド本体は、前記側部ボックス(204)に固定可能
な第1の末端部と、前記ハンドルバー(203)内で自由に摺動することのできる第2の末端部(151t)とを含む、ガイド式及び伸張式格納機構(150)とを備え、
前記摺動遮へい体(200)は、少なくとも下部ポケット(201a)を備え、前記ガイド式及び伸張式格納機構(150)は
伸張部材(153)を備え、前記伸張部材(153)は、前記第2の末端部(151t)
に固定された第1の端部(153a)、及び
、前記下部ポケット(201a)内に挿入される第2の自由端部を備える
、ことを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記伸張部材(153)が、前記第1のガイドモジュール(151)の第1のハウジング(151a)内に配置され、前記下部ポケット(201a)が、前記第2のガイドモジュール(152)の第2のハウジング内に配置されることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記伸張部材(153)が金属材料でできていることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記伸張部材(153)がプラスチック材料でできていることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記伸張部材(153)が棒材であることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、摺動遮へい体並びに摺動遮へい体用のガイド式及び伸張式格納機構を備えるシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
公知であるように、移動折り畳み式ガイドがスクロールする遮へい体に存在することで、開閉操作において優れた安定性を保証する。このような遮へい体は、蚊帳又はカーテンであり、壁の区画内に据え付けられ、主に、一端部では巻取り式側部ボックスに取り付けられ、他端部ではハンドルバーに取り付けられた遮へい体;固定式上部ガイド;固定式下部ガイド;側板クロージャ;及び下部固定式ガイドを摺動し、ハンドルバーに挿入可能である下部折り畳み移動式ガイドによって構成される。
【0003】
側部ボックスとハンドルバーとの間の固定式下部ガイドに配置される下部移動式ガイドは、遮へい体が開放状態であるとき、補強要素として役立つ。実際に遮へい体の開口中には、下部移動式ガイドは、ハンドルバー内の静止位置から、下部固定式ガイド上で伸張される動作位置に移動し、このように、外部応力が生じた場合の損傷からの保護と同様に、不安定な動作の影響下での遮へい体の優れた安定性を保証する。
【0004】
反対に、閉鎖状態では、ハンドルバー内の下部移動式ガイドの挿入により、専有面積を小さくすることができる。
【0005】
第1の公知の解決策は、欧州特許第2312113号(特許文献1)に記載され、水平に摺動可能な蚊よけローラースクリーンに関するものである。その構成は、上部の横桟に接続して、ハンドルを備えた垂直に移動する縦框を有する。スクリーンの開閉時に、挿入され又は格納され、スクリーンの下部フレーム部品として役立つ縦框内に、フレキシブルなチェーンが収納される。特に、当出願よって、フレーム部品内に目に見えないように収納され、チェーンをスクリーンローラに接続するケーブルの配置及び予備伸張が記載される。
【0006】
第2の公知の解決策が、国際公開第2013015689号(特許文献2)に記載され、第1及び第2の実質的に平行な支柱、格納及び延長可能な実質的に矩形のスクリーン部材、並びに第1のフレキシブルなガイド部材を含む建築用開口部のための格納及び延長可能なカバー機構を開示している。第1のフレキシブルなガイド部材は、第1及び第2の支柱のうち一方に偏らせ、その中に摺動可能に受け入れることができる。各平行な支柱は中空の内部を有し、第1及び第2の支柱のうち少なくとも1つが、他方に対して向かって及び離れて移動することができる。格納及び延長可能なスクリーン部材は、第1及び第2の対向する一対の平行な縁部を有し、その第1の一対の平行な縁部にて第1及び第2の平行な支柱との間に装着される。第1のフレキシブルなガイド部材は、スクリーン部材の第2の平行な一対の縁部の一縁部に沿って、及びスクリーン部材の一縁部を保持するための第1及び第2の支柱との間に延在する。第1及び第2の平行な支柱は、基部側面部分及び補助部側面部分をそれぞれ含み、両方の間に第1のフレキシブルなガイド部材を摺動可能に受け入れるために、間を隔ててそこに中空内部を画定する。
【0007】
第3の解決策は、米国特許出願公開第2010252210号(特許文献3)に記載され、建築用開口部用の障害物、特に、スクリーン用品及び建築用開口部を仕切るための方法が開示されている。スクリーン用品は、細長い高架のフレーム部材、横向きの固定式サイドフレーム部材、移動可能なサイドフレーム部材、及び細長い関節式下部フレーム部材を含む。スクリーン部材は、フレーム部材との間に延在し、スクリーン部材は、スクリーンが開口した時の折り畳まれた状態と、移動可能なサイドフレーム部材の移動によってスクリーンが閉じたときの拡張状態との間で入替え可能である。
【0008】
第4の解決策は、簡単な長さ調整作業が可能なスクリーン機構に関する欧州特許第2487317号(特許文献4)に記載されており、上部摺動ガイドフレーム部分を構成する第1の剛体ユニットの大きさが下部摺動ガイドフレーム部分を構成する第2の剛体ユニットの大きさより小さく、上部摺動ガイドフレーム部分及び下部摺動ガイドフレーム部分が、スクリーン装着フレーム内部に格納される場合、第1の剛体ユニットの側壁部分は、第2の剛体ユニットの側壁部分との間に収められ、上部摺動ガイドフレーム部分は、スクリーン装着フレーム内部で下部摺動ガイドフレーム部分と交差し、第1の剛体ユニットの接続部は、スクリーンデバイスの長さを調整する際に、スクリーン装着フレーム内部の任意の位置で解除可能であり、上部摺動ガイドフレーム部分は、スクリーン装着フレームから取り出し可能であるため、当該分野の取付けにおいて長さの調整が容易になるような方法で構成される。
【0009】
最後の解決策は、円弧部、アンダーカット部、べべリング部、又は類似部に対して、完全に開口する位置と完全に閉鎖する位置との間で移動する蚊帳に関する欧州特許第2400105号(特許文献5)に記載されており、固定された末端部が、上記開口部と、第1のガイドに摺動しながら連結して、垂直に摺動可能な棒材を収容する移動式中空垂直材の側板に付随し移動する末端部との範囲を定め、フレームの第1の部分と完全に一体となる網部を備えており、棒材の上端部が、第2のガイドに摺動しながら連結して、上記移動式の側板内部及び上記第2のガイド内部で動作するのに適している伸張ケーブル自体を、固定された末端部がフレームの第2の部分と完全に一体となる補償ばねに取り付けるまで支持する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】欧州特許第2312113号
【文献】国際公開第2013015689号
【文献】米国特許出願公開第2010252210号
【文献】欧州特許第2487317号
【文献】欧州特許第2400105号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、機能的であるが、これらの移動折り畳み式ガイドは、風の影響下、又は、偶発的な現象が生じた場合、それらはこのような条件において容易に外れる可能性があるように、遮へい体で確実に塞がることを保証しない。
【0012】
本発明の目的は、摺動遮へい体、並びに、遮へい体を引き伸ばして、風又は偶発的な現象の作用下で自己の財産を保証することを可能にする摺動遮へい体用のガイド式及び伸張式格納機構を備えるシステム提供し、このように、前述の移動折り畳み式ガイドに影響する制限を超える特性を有することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明によれば、請求項1に記載の摺動遮へい体、並びに、摺動遮へい体用のガイド式及び伸張式格納機構を備えるシステムが提供される。
【0014】
本発明のより良い理解のために、単に非限定的実施例として、以下の添付の図面を参照して、好ましい実施形態がここに記載される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明による、摺動遮へい体並びに摺動遮へい体用のガイド式及び伸張式格納機構を備えるシステムの立体的な模式図を示す。
【
図2】本発明による、摺動遮へい体用のガイド式及び伸張式格納機構のガイドモジュールの模式的な立体図を示す。
【
図3】本発明による、
図2のガイドモジュール内に配置される摺動遮へい体用のガイド式及び伸張式格納機構の伸張部材の模式的な斜視図を示す。
【
図4】本発明による、
図3の伸張部材を含むシステムの模式的な正面図を示す。
【
図5】本発明による、摺動遮へい体並びに摺動遮へい体用のガイド式及び伸張式格納機構を備えるシステム下部の模式的な斜視図を示す。
【
図6】本発明による、
図3の伸張部材の立体的な模式図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
これらの図を参照すると、特に
図4に対しては、本発明により、摺動遮へい体並びに摺動遮へい体用のガイド式及び伸張式格納機構を備えるシステムが示されている。詳細には、本システムは、例えば蚊帳のような、水平に摺動する布201を含み、
図4及び5に示される下部ポケット201a、側板クロージャ202、
図2に示される下部滑り台203aを有するハンドルバー203、側部ボックス204、固定式上部ガイド205、及び図に示されない下部固定式ガイドを設けている摺動遮へい体200を備える。
【0017】
さらに、
図2に最もよく示されているように、本システムは、複数の第1のガイドモジュール(151)及び複数の第2のガイドモジュール(152)を備え、下部滑り台203aを通過するハンドルバー203内に折り曲げ及び挿入可能な単一のガイド本体を形成するために、お互いに連続して交互に連結される摺動遮へい体用のガイド式及び伸張式格納機構150を備える。
【0018】
互いに交互に連結される第1のガイドモジュール151及び第2のガイドモジュール152は、ハンドルバー203と側部ボックス204との間に配置され、それに対応して、図示されない折り曲げ可能な単一のガイド本体の第1の末端部がしっかりと連結されている。
【0019】
むしろ、
図3に示すように、単一のガイド本体の第2の末端部151tが、ハンドルバー203内に摺動することができる。さらに、ガイド式及び伸張式格納機構150は、第1の端部153aを有する伸張部材153を備え、それでも、有利には、単一のガイド本体の第2の末端部151tに取り付けられる。
【0020】
本発明の態様によれば、伸張部材153は、図に示されない、遮へい体200の下部ポケット201a内へ自在に挿入される第2の端部を有する。
【0021】
本発明の別の態様によれば、
図4に示すように、伸張部材153及び布201の下部ポケット201aは、第1のガイドモジュール151の第1のハウジング151a内、及び図に示されない第2のガイドモジュール152の第2のハウジング内に別々に配置される。
【0022】
有利には本発明によれば、ハンドルバー203を用いて遮へい体200を開口する間に、ハンドルバー203から退出する機構150は、
図5及び6に最もよく示されているように、機構に遮へい体200の下部ポケット201a内で摺動させている伸張部材153を引っ張り出す。この方法において、結果的には、下部ポケット201a内の伸張部材153の挿入に対して、布201は、第1のガイドモジュール151の第1のハウジング151a内で、及び第2のガイドモジュール152の第2のハウジング内で係止される。
【0023】
有利には本発明によれば、伸張部材153は、自動的に遮へい体の布201を管理して、それを伸張するように保つ。
【0024】
本発明の態様によれば、伸張部材153は金属材料からなる。
【0025】
本発明の別の態様によれば、伸張部材153はプラスチック材料からなる。
【0026】
本発明の別の態様によれば、第1のガイドモジュール151及び第2のガイドモジュール152は、プラスチック材料からなる。
【0027】
本発明の別の態様によれば、伸張部材153が棒材である。
【0028】
したがって、本発明による摺動遮へい体並びに摺動遮へい体用のガイド式及び伸張式格納機構を備える本システムは、布が常に、風の作用下でさえシステムに固定され続けることを可能にする。
【0029】
本発明による摺動遮へい体並びに摺動遮へい体用のガイド式及び伸張式格納機構を備える本システムの別の利点は、それに関する布を塞ぐことで、折り畳み周辺部が形成され、結果的に虫の侵入を防止するという事実にある。
【0030】
本発明による摺動遮へい体並びに摺動遮へい体用のガイド式及び伸張式格納機構を備える本システムの別の利点は、構造の単純性にある。
【0031】
本発明による摺動遮へい体並びに摺動遮へい体用のガイド式及び伸張式格納機構を備える本システムの別の利点は、最小限の空間にある。
【0032】
本発明による摺動遮へい体並びに摺動遮へい体用のガイド式及び伸張式格納機構を備える本システムの更なる利点は、実利的な事実にある。
【0033】
最後に、ここで図と共に説明された摺動遮へい体並びに摺動遮へい体用のガイド式及び伸張式格納機構を備える本システムが、添付の特許請求の範囲に規定される本発明の範囲をそれによって放棄せずに修正され変更することができることは明らかである。