(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-23
(45)【発行日】2022-05-31
(54)【発明の名称】連結部が隠れている連結式ブレスレット
(51)【国際特許分類】
A44C 5/00 20060101AFI20220524BHJP
A44C 5/10 20060101ALI20220524BHJP
A44C 11/00 20060101ALI20220524BHJP
【FI】
A44C5/00 501D
A44C5/00 C
A44C5/10 513C
A44C11/00
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019189141
(22)【出願日】2019-10-16
【審査請求日】2019-10-16
(32)【優先日】2018-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】599044744
【氏名又は名称】コマディール・エス アー
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】シルヴァン・ブカール
(72)【発明者】
【氏名】アラン・ガイザー
【審査官】村山 達也
(56)【参考文献】
【文献】実開昭56-022007(JP,U)
【文献】登録実用新案第3149703(JP,U)
【文献】中国実用新案第2896971(CN,Y)
【文献】実開昭55-057314(JP,U)
【文献】実開昭60-117709(JP,U)
【文献】特開昭60-261405(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A44C 5/00
A44C 5/10
A44C 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
連結駒(2)を有するブレスレット(1)であって、少なくとも第1の駒(3)および第2の駒(4)を備え、前記第1の駒(3)と前記第2の駒(4)との間に少なくとも1つの連結部(10)を備え、前記第1の駒(3)はその側部フランジ(5;6)の間にある開口(90)に向けて該側部フランジ(5;6)から延びる一対の外トラニオン(73)を有し、前記第2の駒は、前記第1の駒(3)の前記開口(90)内で回動するように前記一対の外トラニオン(73)を受ける一対の
内ハーフベアリング(84)を有する舌片(9)を有し、前記一対の外トラニオン(73)と前記一対の
内ハーフベアリング(84)は二重リンクを形成し、さらに、前記第1の駒(3)の一対の外トラニオン(73)は、前記第2の駒(4)の前記
一対の内ハーフベアリング(84)で回動するように構成され、前記第2の駒(4)は、少なくとも1つの上部(48)および少なくとも1つの下部(49)を有し、前記少なくとも1つの上部(48)および少なくとも1つの下部(49)は、両者の間に各々の前記外トラニオン(73)を閉じ込めて隠すように構成されたブレスレットであり、かつ、少なくとも1つの前記連結部(10)において、前記一対の外トラニオン(73)は、前記第1の駒(3)と一体の部品であることを特徴とする、ブレスレット(1)。
【請求項2】
少なくとも1つの前記上部(48)および少なくとも1つの前記下部(49)は、互いに取り外せないように組み合わされ、各々の前記外トラニオン(73)周りで分解できないことを特徴とする、請求項1に記載のブレスレット(1)。
【請求項3】
連結駒(2)を有するブレスレット(1)であって、少なくとも第1の駒(3)および第2の駒(4)を備え、前記第1の駒(3)と前記第2の駒(4)との間に少なくとも1つの連結部(10)を備え、前記第1の駒(3)はその側部フランジ(5;6)の間にある開口(90)に向けて該側部フランジ(5;6)から延びる一対の外トラニオン(73)を有し、前記第2の駒は、前記第1の駒(3)の前記開口(90)内で回動するように前記一対の外トラニオン(73)を受ける一対の内ハーフベアリング(84)を有する舌片(9)を有し、前記一対の外トラニオン(73)と前記一対の内ハーフベアリング(84)は二重リンクを形成し、さらに、前記第1の駒(3)の一対の外トラニオン(73)は、前記第2の駒(4)の前記一対の内ハーフベアリング(84)で回動するように構成され、前記第2の駒(4)は、少なくとも1つの上部(48)および少なくとも1つの下部(49)を有し、前記少なくとも1つの上部(48)および少なくとも1つの下部(49)は、両者の間に各々の前記外トラニオン(73)を閉じ込めて隠すように構成されたブレスレットであり、かつ、少なくとも1つの前記連結部(10)において、少なくとも1つの前記外トラニオン(73)は、前記第1の駒(3)に設けられたハウジング内に配置されることを特徴とする、
ブレスレット(1)。
【請求項4】
前記第1の駒(3)は、前記側部フランジ(5;6)を接合する横材(91)を備えている外側のH字型駒であることと、前記第2の駒(4)は、前記横材(91)に重なって配置されるか前記横材(91)の延長上に配置されるように構成される内駒であることとを特徴とする、請求項1
または3に記載のブレスレット(1)。
【請求項5】
前記第1の駒(3)および前記第2の駒(4)は、同じもので、Y字型であることを特徴とする、請求項1
または3に記載のブレスレット(1)。
【請求項6】
少なくとも1つの前記上部(48)および/または少なくとも1つの前記下部(49)は、セラミック製であることを特徴とする、請求項1
または3に記載のブレスレット(1)。
【請求項7】
少なくとも1つの前記上部(48)はすべてセラミック製であることを特徴とする、請求項6に記載のブレスレット(1)。
【請求項8】
少なくとも1つの前記下部(49)はすべてセラミック製であることを特徴とする、請求項6に記載のブレスレット(1)。
【請求項9】
少なくとも1つの前記上部(48)および少なくとも1つの前記下部(49)はすべてセラミック製であることを特徴とする、請求項6に記載のブレスレット(1)。
【請求項10】
請求項2に記載のブレスレット(1)を備えている腕時計(100)。
【請求項11】
請求項2に記載のブレスレット(1)を備えている宝飾片(200)。
【請求項12】
請求項1に記載の連結式ブレスレット(1)を組み立てる方法であって、
-連結軸を画定する少なくとも1つのハーフベアリングを有する第2の駒の下部を設け、
-第1の駒であって、回転ベアリング構成でハーフベアリングと協働でき、前記ハーフベアリングに挿入される少なくとも1つの外トラニオンを備えている前記第1の駒を前記下部の上に配置し、
-連結軸を画定し、回転ベアリング構成で前記外トラニオンと協働するように構成された少なくとも1つのハーフベアリングを有する、前記下部の補完片である同じ前記第2の駒の上部を設け、
-前記第1の駒の各々の外トラニオンを、少なくとも前記連結軸に沿って、前記下部と前記上部との間で閉じ込め、
-前記下部と前記上部とを互いに固定し、
-前記作業を前記ブレスレットの各々の連結式接合部に対して繰り返す
ことを特徴とする方法。
【請求項13】
前記下部および前記上部は、取り外せないよう互いに接合され、分解できないことを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連結駒のブレスレットであって、少なくとも第1の駒および第2の駒を備え、かつ上記第1の駒と上記第2の駒との間に少なくとも1つの連結部を備え、第2の駒は、上記第1の駒の側部フランジの間にある開口で回動するように構成された舌片を有し、側部フランジは共に二重リンクを形成する、連結駒のブレスレットに関する。
【0002】
本発明は、この種のブレスレットを備えている腕時計にも関する。
【0003】
本発明は、この種のブレスレットを備えている宝飾品にも関する。
【0004】
本発明は、この種のブレスレットを組み立てる方法にも関する。
【0005】
本発明は、時計および宝石、さらに詳細には、腕時計または宝飾品を着用するための連結式ブレスレットの分野に関する。
【背景技術】
【0006】
腕時計または宝飾品用の連結式ブレスレットは、通常、側面に挿入されるピンを備えており、ピンは、圧入および/または粘着性接着によって組み立てた後も見えたままである。多くの場合、ピンの直径は大きいため、そのようなピンは見苦しくなり、ピンの寸法をどれだけ小さくしても組み立ておよび分解が困難になる。さらに、これらのピンのハウジングは、粉塵およびグリースが蓄積する領域となり、これは超音波洗浄以外では除去することが困難である。
【0007】
CHATELAINの名による欧州特許出願第0243315A1号(特許文献1)は、特に腕時計用の連結駒のブレスレットを開示している。駒は、極めて硬い材料でできている要素上で連結され、特にこの極めて硬い要素はルビーである。連結部は、第1の駒と一体化した極めて硬い要素内で回転できる軸を備えている。軸は、第1の駒に隣接している第2の駒と一体化し、第2の駒にある突出部と協働する軸方向に位置するスロットを有する。この軸の端部は、極めて硬い要素内で自由に回転するピボットの両側である。駒は、特に垂直方向に二部構成になっていて、これらの部分は、軸が極めて硬い要素と共に適所に配置された時点で互いに溶接される。
【0008】
日本国特許文献の実開昭55-057314(特許文献2)は、駒を備え、各々の駒が上下2つの補完し合う半分の駒で形成されて連結軸を閉じ込める連結式ブレスレットを開示している。
【0009】
CASIO COMPUTER(カシオ計算機)の名による日本国特許文献の特開2015-29806(特許文献3)は、使用者がバンドまたは駒の材質および色彩を自由に選択して組み合わせられるように設計された連結バンドを開示している。
【0010】
LEWISの名による米国特許第1405851A号(特許文献4)は、取り外し可能な駒が駒どうしを一つに保持するための屈曲可能なアームを有しているブレスレットチェーンを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】欧州特許出願第0243315A1号
【文献】実開昭55-057314
【文献】特開2015-29806
【文献】米国特許第1405851A号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、多種多様な材料でできた機能的かつ/または装飾性の構成要素からなり、ブレスレットの側面にはっきりと見えるピン、ネジなどの組み立て構成要素、または連結要素を挿入した後に閉じられるボアなどの挿入孔がない、またはこの連結部に特有の構成がない、組み立て式ブレスレットを製造することを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
そのために、本発明は、請求項1に記載の連結駒のブレスレットに関する。
【0014】
本発明は、この種のブレスレットを備えている腕時計にも関する。
【0015】
本発明は、この種のブレスレットを備えている宝飾品にも関する。
【0016】
本発明は、この種のブレスレットを組み立てる方法にも関する。
【0017】
本発明の他の特徴および利点は、添付の図面を参照して以下の詳細な説明を読むことで明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明によるブレスレットの一部の概略平面図であり、このブレスレットは、大文字のHの形をした外駒を備え、外駒は、2つの二重
リンクを有し、各々の二重
リンクは、「外トラニオン」と称する完全体のトラニオンを2つ有し、トラニオンは、駒の中央を向いて互いに逆向きで、各々が、内駒の下部の舌片端部に設けられたハーフベアリングと協働し、内駒は、図の左部では、H字型駒とは別の形で、この2つの外トラニオンを有する二重
リンクに挿入される。内駒のこの下部は、この場合はブレスレットの半分の厚みにわたって延在し、連結軸を通る平面が境界であり、2つのハーフベアリングの軸はこの連結軸に沿って整列する。
【
図2】
図1と同様に、大文字のH字型をした別の駒の下部が2つの二重
リンクを有しているが、
図1の構成とは逆の構成を示す図であり、各々のU字鍵状取付部は、「内トラニオン」と称する完全体のトラニオンを受け入れるように構成されたハーフベアリングを有し、トラニオンは、別の内駒の舌片端部に設けられ、内駒は、図の左部では、H字型駒とは別の形で、この2つのハーフベアリングを有する二重
リンクに挿入される。この場合は、ブレスレットの半分の厚みにわたって延在しているのはH字型駒の下部であり、この下部は、連結軸を通る平面が境界であり、2つのハーフベアリングの軸はこの連結軸に沿って整列する。
【
図3】
図2の構成によるブレスレット区分の概略斜視図であり、2つの内駒は、非限定的にこの場合はブレスレットの厚みになっていて、完全体のトラニオンを備え、トラニオンは、H字型駒の下部のそれぞれのハーフベアリングの内部に収容され、H字型駒は、内側に軽量にするためのチャンバを有する。
【
図4】
図3と同様に同じブレスレット区分を示す図であり、この区分は、H字型駒の上部によって完成し、上部は、ハーフベアリングを有し、このH字型駒の下部の上に載せられ、粘着性接着などによって、または使用者がブレスレットを着用したときは見えない下面からの付属品を用いて下部に固定されて、2つの内駒のトラニオンを見えないように閉じ込める。
【
図5】
図4と同様に、
図1の変形例に該当する別のブレスレット区分を示す図であり、この区分は、H字型駒を備え、非限定的にこの場合はブレスレットの厚みになっていて、内駒の上下のハーフベアリングの間に見えないように閉じ込められるトラニオンを有する。
【
図6】中間の留め金、および腕時計のケースなどに取付るための端部の駒を有しているような、外側のH字型駒と内駒からなる代替構成を含むブレスレットの概略斜視図である。
【
図7】このようなブレスレットを備えている腕時計の部分概略平面図である。
【
図8】このようなブレスレットを備えている宝石の部分概略平面図である。
【
図9】2つの二重
リンクを有する別の外駒の変形例を有するブレスレット区分の概略平面図であり、二重
リンクは、2つの側部フランジを接合する横断連結材を備え、中間内駒の上部および下部の上下のハーフベアリングと協働する接続横材を有し、内駒は、横材に重なって配置されるか横材の延長上に配置されるように構成される。
【
図10】さらに別の駒の変形例を有するブレスレット区分の概略平面図であり、駒はすべてY字型で、上部と下部の2つでできている。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の目的は、少なくとも旧来の見えている面、すなわち上面および側部縁面に連結部が見えないブレスレットを製造することである。さらに詳細には、本発明は、使用者の肌または衣服と接触していることが想定される下面に一切の取付要素または連結要素をなくすことも可能にする。
【0020】
本発明は、従来の連結部を使用してさらに詳細に説明され、各々の連結部は、連結軸周りで、ベアリング内で回転するピボットまたはピボット周りに回転するベアリングと結合する。
【0021】
本発明の原理は、複数の部分、特に、連結軸を通る平面の両側に実質的に延在している上下2つの部分に特定の駒を作製することからなる。さらに全般的には、このような二部構成の駒は、少なくとも1つのチャンバ、例えばベアリングを各々のケース内に画定して、駒と嵌合する雄型部品、例えばトラニオンを閉じ込める。
【0022】
この駒が、各々の端部に連結部を含んでいる中間駒である場合、各々の上部または下部は、この駒の連結部の2つの軸を通る平面の両側に実質的に延在する。この駒が、一方の端部のみに1つの連結部のみを有する駒である場合、各々の上部または下部は、この駒の連結部の軸と上部と下部との間の接合面とを通る平面の両側に実質的に延在する。駒は湾曲していてよく、その場合、各々の上部または下部は実質的に駒の湾曲に沿った形で、その場合、上部と下部との間の接合面は必ずしも平面ではないことを理解すべきである。
【0023】
図は、特定の非限定的変形例を示し、ピボットは筒状トラニオンで、ベアリングも筒状である。当然ながら、多くの他の構成が可能であり、特に、筒状トラニオンが、2つのハーフベアリングで形成されたベアリングと協働し、その各々のハーフベアリングがV字型の支持体を含んでいる構成、あるいはこれと似ているが逆の方法で、規則的な多角形のトラニオンが立体的にシリンダ内で内接し、筒状の輪郭をした2つのハーフベアリングで形成された筒状ベアリングと協働する構成が可能である。これらの例は、限定するものではなく、とりわけ機械加工が困難な材料でできている特定の駒の場合、機械加工作業が最も簡易であることが好ましいことがある。
【0024】
よって、以下の説明で使用する「トラニオン」という用語および「ハーフベアリング」という用語は、筒状の形状に限定されない。この観点から、各連結部の各端部の先細り方向が逆であれば、円錐形の実施形態を実現することも可能であることに注意されたい。
【0025】
駒が複数の部分、特に上下2部になっているという原理は、あまり一般的でない他の種類の連結部、例えば、連結部が実質的にブレスレットの長さに沿って延在し、ピンの端部にボールを備え、ボールが球状ハウジングの内部で動くという連結部などにも適用できる。
【0026】
そのため、本発明は、連結駒2を有するブレスレット1に関する。このブレスレット1は、少なくとも第1の駒3および第2の駒4を備え、この第1の駒3とこの第2の駒4との間に少なくとも1つの連結部10を備えている。この第2の駒4は舌片9を備え、舌片は、第1の駒3の側部フランジ5と6との間にある開口90で回動するように構成され、側部フランジは共に二重リンクを形成する。
【0027】
本発明によれば、少なくとも1つの連結部10では、第1の駒3あるいは第2の駒4はそれぞれ、少なくとも1つの外トラニオン73あるいは少なくとも1つの内トラニオン74を備え、外トラニオンあるいは内トラニオンはそれぞれ、第2の駒4に設けられた少なくとも1つの内ハーフベアリング84、あるいは第1の駒3に設けられた少なくとも1つの外ハーフベアリング83で回動するように構成される。また、第2の駒4あるいは第1の駒3はそれぞれ、少なくとも上部48、38、および下部49、39を有し、上部および下部は、両者の間に各々の外トラニオン73あるいは各々の内トラニオン74を閉じ込めて隠すように構成される。
【0028】
このブレスレット1の特定の実施形態では、上部48、38および下部49、39は、互いに取り外せないように組み合わされ、各々の外トラニオン73あるいは各々の内トラニオン74の周りで分解できない。この変形例により、ブレスレットの下面から目に見える装着要素をなくすことが可能になる。
【0029】
ブレスレット1の図示していない別の特定の実施形態では、上部48、38、および下部49、39はそれぞれ、各々の外トラニオン73、あるいは各々の内トラニオン74の周りで互いに取り外し可能に組み合わされる。この変形例では、例えば、ブレスレットの下面からアクセスできるネジで、下部49、39で支えられ、上部48、38に設けられた見えない内ねじ山と係合するネジ、またはこれと同様の何らかの他の種類の取付手段を備えていてよい。
【0030】
本発明の特定の実施形態では、部品数および機械加工作業数を減らすため、少なくとも1つの連結部10で、外トラニオン73あるいは少なくとも1つの内トラニオン74はそれぞれ、第1の駒3あるいは第2の駒4と一体の部品である。同じく、一変形例では、内ハーフベアリング84、あるいは外ハーフベアリング83はそれぞれ、第2の駒4あるいは第1の駒3と一体の部品である。
【0031】
別の実施形態では、少なくとも1つの連結部10で、外トラニオン73、あるいは内トラニオン74はそれぞれ、第1の駒3あるいは第2の駒4に設けられたハウジング730、740内に配置される。同じく、一変形例では、内ハーフベアリング84あるいは外ハーフベアリング83はそれぞれ、第2の駒4あるいは第1の駒3に配置される。
【0032】
特定の実施形態では、少なくとも1つの連結部10で、外トラニオン73あるいは少なくとも1つの内トラニオン74は、十字型トラニオンであり、側部フランジ5と6との間で互いに接合する。
【0033】
図1は、本発明によるブレスレット1の断面を示している。このブレスレットは、大文字のH字型をした外駒である第1の駒3を備え、第1の駒は、2つの二重
リンクを有し、各々の二重
リンクは、「外トラニオン」と称する完全体のトラニオン73を2つ有し、前記トラニオンは、回転面を有し、この場合は駒の中央を向いて互いに逆向きであり、各々のトラニオンは、内駒である第2の駒4の下部49の舌片端部9に設けられたハーフベアリング84と協働し、第2の駒は、図の左部では、H字型の駒とは別の形で、この2つの外トラニオンを有する二重
リンクに挿入される。第2の内駒4のこの下部49は、ここではブレスレットの半分の厚みにわたって延在し、連結軸Aを通る平面が境界であり、2つのハーフベアリングの軸はこの連結軸に沿って整列する。
【0034】
図2は、
図1の構成と逆の構成を示し、別のH字型をした第1の駒3の下部39が2つのU字鍵状取付部を有している。各々のU字鍵状取付部は、「内トラニオン」と称する完全体のトラニオン74を受け入れるように構成されたハーフベアリング83を有し、トラニオンは、回転面を有し、この場合は別の第2の内駒4の舌片端部9に設けられ、第2の駒は、図の左部では、H字型駒とは別の形で、この2つのハーフベアリングを有する二重
リンクに挿入される。この場合は、ブレスレットの半分の厚みにわたって延在しているのはH字型の駒の下部39であり、この下部は、連結軸を通る平面が境界であり、2つのハーフベアリングの軸はこの連結軸に沿って整列する。
【0035】
図3は、
図2のこの構成を示している。2つの第2の内駒4は、非排他的にこの場合はブレスレットの厚みになっていて、完全体のトラニオン74を備え、トラニオンは、第1のH字型駒3の下部39のそれぞれのハーフベアリング83の内部に収容され、第1の駒は、この場合は見えない内側の軽量にするためのチャンバを有するか、あるいは開口または追加の構成要素、特に宝石、カメオ、追加の装飾品などの要素一式を有していてよい。
【0036】
図4は、同じブレスレット区分を表している。この区分は、第1のH字型駒3の上部38によって完成した時点で閉じられる。この上部は、同じくハーフベアリングを有し、このH字型駒の下部39の上に載せられ、粘着性接着などによって、または使用者がブレスレットを着用したときは見えない下面からの付属品を用いて下部に固定されて、2つの内駒のトラニオンを見えないように閉じ込める。この
図4は、第1の駒3の上部38と下部39との間の接合平面Pを示している。この非限定的な変形例は、図の右に、トラニオン74を形成する追加のピンを受け入れるように構成された第2の駒4のボア740も示している。
【0037】
図5は、
図1の変形例に該当する別のブレスレット区分を示し、この区分は、第1のH字型駒3を備え、第1の駒は、非排他的にこの場合はブレスレットの厚みになっていて、第2の内駒4の上部48と下部49の上下のハーフベアリングとの間に見えないように閉じ込められるトラニオンを有する。第1の駒の接合平面Pは図で見えていて、図の左には、ベアリングが2つのハーフベアリング84で形成されている。
【0038】
図9に見られる特定の実施形態では、第1の駒3は、側部フランジ5と6とを接合する横材91を備えている外側のH字型駒であり、第2の駒4は、横材91に重なって配置されるか横材91の延長上に配置されるように構成される内駒である。この第1の駒3は、この場合、他の変形例の2つのトラニオンの代わりとなって第2の内駒4の上下のハーフベアリングと協働する単一の接続横材を備えている。
【0039】
図10に見られる特定の実施形態では、第1の駒3および第2の駒4は同じもので、Y字型である。さらに詳細には、駒はすべてY字型で、上部と下部の2つでできている。
【0040】
特定の実施形態では、少なくとも1つの上部48、38および/または少なくとも1つの下部49、39は、セラミック製である。
【0041】
さらに詳細には、上部48、38はすべてセラミック製である。
【0042】
さらに詳細には、下部49、39はすべてセラミック製である。
【0043】
さらに詳細には、上部48、38および下部49、39はすべてセラミック製である。
【0044】
本発明は、
図7に見られるようなブレスレット1を備えている腕時計100にも関する。
【0045】
本発明は、
図8に見られるようなブレスレット1を備えている宝飾品200にも関する。
【0046】
本発明はさらに、連結式ブレスレットを組み立てる方法であって、
連結軸を画定する少なくとも1つのハーフベアリングを有する二部構成の雌型駒の下部を設け、
別の雄型駒であって、回転ベアリング構成でハーフベアリングと協働でき、ハーフベアリングに挿入される少なくとも1つのトラニオンを備えている雄型駒をこの下部の上に配置し、
連結軸を画定し、回転ベアリング構成でトラニオンと協働するように構成された少なくとも1つのハーフベアリングを有する、下部の補完片である同じ二部構成駒の上部を設け、
雄型駒の各々のトラニオンを、少なくとも連結軸に沿って、下部と上部との間で閉じ込め、
下部と上部とを互いに固定し、
この作業をこのブレスレットの各々の連結式接合部に対して繰り返す
方法に関する。
【0047】
さらに詳細には、この下部および上部は、取り外せないよう恒久的に互いに接合される。
【0048】
要約すると、本発明は、単純な方法で連結部が見えなくなっている連結式ブレスレットを製造するものである。
【0049】
特定の実施形態では、二部構成の駒、特に中央の駒は、ピン、またはトラニオンなどの雄型ベアリング部材を閉じ込める。
【0050】
2つの部品は、粘着性接着、圧入、誘導溶接、誘導はんだ付けなどで固定され得る。
【0051】
本発明は、セラミックなどの機械加工が困難な材料でできたブレスレットを作製するのに特に適している。
【0052】
本発明の利点は、何らかの見えるピン、または何らかの見える連結部の機械加工がない点である。これによって、特に、ブレスレットの縁部を装飾に使うことが可能になる。
【符号の説明】
【0053】
1 ブレスレット
2 連結駒
3 第1の駒
4 第2の駒
5、6 側部フランジ
9 舌片
10 連結部
38、48 上部
39、49 下部
73 外トラニオン
74 内トラニオン
83 外ハーフベアリング
84 内ハーフベアリング
90 開口
91 横材
100 腕時計
200 宝飾片
730、740 ハウジング