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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-23
(45)【発行日】2022-05-31
(54)【発明の名称】可変圧縮機入口を有する圧縮機
(51)【国際特許分類】
   F04D 29/46 20060101AFI20220524BHJP
   F04D 29/66 20060101ALI20220524BHJP
   F02B 39/00 20060101ALI20220524BHJP
   F02B 37/16 20060101ALI20220524BHJP
【FI】
F04D29/46 D
F04D29/66 H
F02B39/00 G
F02B37/16 Z
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019530075
(86)(22)【出願日】2017-12-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-12-19
(86)【国際出願番号】 US2017064580
(87)【国際公開番号】W WO2018106620
(87)【国際公開日】2018-06-14
【審査請求日】2020-12-05
(31)【優先権主張番号】102016123989.5
(32)【優先日】2016-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102017209223.8
(32)【優先日】2017-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】500124378
【氏名又は名称】ボーグワーナー インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100093861
【弁理士】
【氏名又は名称】大賀 眞司
(74)【代理人】
【識別番号】100129218
【弁理士】
【氏名又は名称】百本 宏之
(72)【発明者】
【氏名】サーシャ・カルステット
(72)【発明者】
【氏名】ウァルデマール・ヘンケ
(72)【発明者】
【氏名】ユルゲン・ワーナー
(72)【発明者】
【氏名】ステファン・ミュンツ
(72)【発明者】
【氏名】サーシャ・ヴェイスク
(72)【発明者】
【氏名】ゲルト・スピナー
(72)【発明者】
【氏名】ウーベ・トム
(72)【発明者】
【氏名】パトリック・ヘッカー
【審査官】大瀬 円
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第04122668(US,A)
【文献】特表2016-537565(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0308110(US,A1)
【文献】特開2016-173051(JP,A)
【文献】国際公開第2016/041024(WO,A2)
【文献】米国特許出願公開第2016/0177956(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 29/46
F04D 29/66
F02B 39/00
F02B 37/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電装置用圧縮機(10)であって、
圧縮機ホイール(200)が配置されている圧縮機ハウジング(100)と、
圧縮機入口(110)の領域において圧縮機ハウジング(100)内に配置されているカートリッジ(300)と、を備える圧縮機(10)であり
前記カートリッジ(300)は、圧縮機入口(110)の断面を可変的に変化させるように設計され
前記カートリッジ(300)は、軸受リング(320)、調整リング(330)及び複数のダイヤフラム要素(310)を含み、前記ダイヤフラム要素(310)は、シャフト(340)を介して前記軸受リング(320)内に回転可能に取り付けられ、前記シャフト(340)は、前記圧縮機(10)の回転軸(400)に平行な軸を中心に回転可能である、圧縮機。
【請求項2】
前記ダイヤフラム要素(310)は、調整リング(330)に機械的に結合され、そのため、調整リング(330)の回転がダイヤフラム要素(310)の変位を引き起こすことを特徴とする、請求項に記載の圧縮機。
【請求項3】
レバーアーム(350)がダイヤフラム要素(310)ごとに設けられ、前記調整リング(330)と作動的に連結され、前記レバーアーム(350)は、前記調整リング(330)の運動を対応するダイヤフラム要素(310)に伝達することを特徴とする、請求項に記載の圧縮機。
【請求項4】
前記レバーアーム(350)及び前記ダイヤフラム要素(310)は、軸受リング(320)の同じ側面に配置されることを特徴とするかまたは
前記レバーアーム(350)及び前記ダイヤフラム要素(310)は、軸受リング(320)の異なる側面に配置され、前記シャフト(340)が軸受リング(320)を通って延びることを特徴とする、請求項に記載の圧縮機。
【請求項5】
充電装置用圧縮機(10)であって、
圧縮機ホイール(200)が配置されている圧縮機ハウジング(100)と、
圧縮機入口(110)の断面を可変的に変化させるために、圧縮機入口(110)の領域において圧縮機ハウジング(100)内に配置されている調整機構(30)と、を含み、
前記調整機構(30)は、シャフト(340)を介して圧縮機ハウジング(100)内に、または、圧縮機カバー(120)内に回転可能に取り付けられている複数のダイヤフラム要素(310)、及び調整リング(330)を含み、前記シャフト(340)は、前記圧縮機(10)の回転軸(400)に平行な軸を中心に回転可能である、圧縮機。
【請求項6】
前記ダイヤフラム要素(310)は、調整リング(330)に機械的に結合され、そのため、調整リング(330)の回転がダイヤフラム要素(310)の変位を引き起こすことを特徴とする、請求項に記載の圧縮機。
【請求項7】
前記調整リング(330)は、圧縮機ハウジング(100)内に回転可能に取り付けられ前記調整リング(330)が圧縮機カバー(120)内に回転可能に取り付けられまたは
前記調整リング(330)がダイヤフラム要素(310)上に取り付けられる請求項またはに記載の圧縮機。
【請求項8】
前記ダイヤフラム要素(310)は、調整リング(330)と圧縮機ハウジング(100)との間に軸方向に配置されることを特徴とするか、または
前記調整リング(330)は、ダイヤフラム要素(310)の半径方向外側に配置されることを特徴とする、請求項のいずれか一項に記載の圧縮機。
【請求項9】
前記ダイヤフラム要素(310)は、第1位置と第2位置との間で変位可能であり前記ダイヤフラム要素(310)は、それらがともに第2位置で圧縮機入口(110)の円形断面境界を形成するように構成されることを特徴とする、請求項のいずれか一項に記載の圧縮機。
【請求項10】
前記ダイヤフラム要素(310)の半径方向内側に配置された側壁(318)は、第2位置で圧縮機入口(110)の断面を画定し、圧縮機ホイール(200)の方向に増加または減少するように傾斜するか、丸くなるか、又は、凸状の曲率を有する流れ最適化幾何学的形状を有することを特徴とする、請求項に記載の圧縮機。
【請求項11】
前記ダイヤフラム要素(310)は、第2位置で互いに接触する側方表面(312、314)上に、ダイヤフラム要素(310)の第2位置で互いに重なり合うか、または互いに噛み合う対応する係合幾何学的形状(315)を有することを特徴とする、請求項または10に記載の圧縮機。
【請求項12】
前記係合幾何学的形状(315)は、対応する凹部を備える円錐形、円形または三角形の突出部を含むことを特徴とする、請求項11に記載の圧縮機。
【請求項13】
前記カートリッジ(300)または前記調整機構(30)と作動的に連結される調整アクチュエータがさらに設けられることを特徴とする、請求項1~12のいずれか一項に記載の圧縮機。
【請求項14】
前記調整アクチュエータのコントローラーは、調整アクチュエータを作動させて、その結果、カートリッジ(300)または調整機構(30)を作動させるように設計され、これにより、圧縮機入口(110)の断面は、少なくとも部分的には、下流エンジンの速度、下流エンジンのトルク、圧縮機(10)の速度、圧縮機(10)を通る体積の流れ、圧縮機(10)における圧力比、排気ガスタービン用ウエイストゲートの位置、排気ガスタービンの可変タービン幾何学的位置、及び/または排気ガス戻りを通る質量流れから選択された1つ以上の制御変数に基づいて変化することを特徴とする、請求項13に記載の圧縮機。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか一項に記載の圧縮機(10)を有する、充電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可変圧縮機入口を有する圧縮機及び対応する圧縮機を有する充電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
より最近世代の車両はますます多くの充電装置が取り付けられる。目標需要及び法的要件を達成するためには、完全なドライブトレインの開発を促進し、個々の構成要素のみならず、それらの信頼性及び効率性に対してシステム全体を最適化することが必須的である。
【0003】
排気ガスターボチャージャーは、例えば、タービンホイールを有するタービンが内燃機関の排気ガス流れによって駆動されると公知されている。相互のシャフト(mutual shaft)上にタービンホイールとともに配列される圧縮機ホイールを備えた圧縮機はエンジンに取り込まれた新鮮な空気を圧縮する。この手段によって、燃焼のためにエンジンに利用可能な空気量または酸素量が増加し、その結果、内燃機関の出力向上を誘導する。
【0004】
圧縮機はまた、排気ガスターボチャージャーを支持するために使用され得るか、または、例えば機械的または電気的に駆動される圧縮機において、または例えば燃料電池エンジン用の空気供給と組み合わせて排気ガスターボチャージャーから分離され得る。
【0005】
公知の圧縮機は、圧縮機ホイールが配置された圧縮機ハウジングを含む。新鮮な空気は、圧縮機入口によって取り込まれ、圧縮機ホイールによって加速され、ボリュートを介して圧縮機を出る。各圧縮機は、圧縮機固有の圧縮機特性マップを有し、圧縮機の作動は、サージ限界(surge limit)とチョークライン(choke line)との間の圧縮機特性マップの範囲に制限される。圧縮機のサイズ及び構成に応じて、サージ限界が達成されないため、圧縮機による低体積の流れでの作動が非効率的であるかまたはこれ以上不可能であり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明の目的は、より有用な圧縮機特性マップを有するより効率的な圧縮機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、請求項1及び請求項6に記載の充電装置用の圧縮機並びに請求項15に記載の充電装置に関する。
【0008】
本発明による圧縮機は、圧縮機ホイールが配置されている圧縮機ハウジング、及び圧縮機入口の断面を可変的に変化させるために圧縮機入口の領域で圧縮機ハウジング内に配置されている調整機構を含む。調整機構は、圧縮機ハウジング内に回転可能に取り付けられている複数のダイヤフラム要素、及び調整リングを含む。したがって、圧縮機入口の断面が可変的に変化可能であるので、前記入口は圧縮機のそれぞれの作動範囲に対応して適合させることができる。圧縮機のサージ限界がさらに左側に、したがって圧縮機特性マップにおける低体積の流れの方向に変位し得るので、したがってより大きな圧縮機特性マップを全体的に1つの単一の圧縮機とともに使用することができる。この手段によって、圧縮機入口の断面の減少は、流れの加速をもたらすことが達成される。また、断面の狭小化により、圧縮機ホイールのハブ領域における流れの分離が減少または回避され得るので、均一な流入が生じ得る。全体として、圧縮機入口の断面の可変構成を可能にする調整機構は、圧縮機の効率の増加をもたらし、これは次に、下流の内燃機関の燃料消費及び/またはトルクビルドアップに好影響を及ぼす。
【0009】
構成において、調整機構は、圧縮機入口の断面のサイズを可変的に変化させることができる。
【0010】
上述のすべての構成と組み合わせ可能な構成において、圧縮機入口の最大断面は調整機構の第1位置に提供され得、圧縮機入口の最小断面は調整機構の第2位置に提供され得る。調整機構は、圧縮機入口の断面が最大断面と最小断面との間にある少なくとも1つの中間位置に移動可能である。
【0011】
上述のすべての構成と組み合わせ可能な構成において、ダイヤフラム要素は、調整リングに機械的に結合され得、そのため、調整リングの運動、特に回転がダイヤフラム要素の変位を引き起こす。ダイヤフラム要素は、調整機構の第1位置に対応する第1位置と調整機構の第2位置に対応する第2位置との間で変位可能であり得る。ダイヤフラム要素は、それらがともに第2位置で圧縮機入口の円形断面境界を形成するように構成され得る。ダイヤフラム要素の半径方向内側に配置された側壁は、第2位置における圧縮機入口の断面を画定し、流れ最適化幾何学的形状を有することができる。ダイヤフラム要素は、第2位置で互いに接触する側方表面上に、ダイヤフラム要素の第2位置で互いに重なり合うか、または互いに噛み合う対応する係合幾何学的形状を有することができる。シールは、ダイヤフラム要素の側方表面の少なくとも一部分に提供され得、これは第2位置で接触ダイヤフラム要素の反対の側方表面と係合する。特に、シールは、シールプロファイルに接着されたものを含み得る。
【0012】
上述のすべての実施形態と組み合わせ可能な実施形態において、調整リングは、圧縮機ハウジング内に回転可能に取り付けられ得る。
【0013】
上述のすべての構成と組み合わせ可能な構成において、調整リングは、圧縮機カバーに回転可能に取り付けられ得る。特に、圧縮機カバーの軸方向突出部が調整リング内に配置され得る。代案的に、調整リングはダイヤフラム要素上に取り付けられ得る。これは、調整リングと圧縮機ハウジングとの間に摩擦が生じないという利点を有している。
【0014】
上述のすべての構成と組み合わせ可能な構成において、調整リングは、圧縮機カバーによって軸方向に配置され得る。
【0015】
上述のすべての構成と組み合わせ可能な構成において、ダイヤフラム要素は、シャフトを介して圧縮機ハウジングまたは圧縮機カバーに回転可能に取り付けられ得る。調整リングと作動的に連結されるレバーアームがダイヤフラム要素ごとに設けられ得、レバーアームは上記調整リングの運動を対応するダイヤフラム要素に伝達することができる。ダイヤフラム要素のうちの1つとレバーアームのうち1つをそれぞれ含む一体のワンピース型構成要素が設けられ得る。一体のワンピース型構成要素はそれぞれ、シャフトのうち1つを含み得る。レバーアームは、半径方向外側端部で調整リングと作動的に連結され得る。
【0016】
上述のすべての構成と組み合わせ可能な構成において、ダイヤフラム要素は、調整リングと圧縮機ハウジングとの間に軸方向に配置され得る。代案的に、調整リングは、ダイヤフラム要素の半径方向外側に配置され得る。特に、調整リングは、ダイヤフラム要素とほぼ同じ半径方向平面に配置され得る。
【0017】
上述のすべての構成と組み合わせ可能な構成において、調整機構と作動的に連結される調整アクチュエータがさらに設けられ得る。調整アクチュエータは、調整リングと作動的に連結され得、圧縮機入口の断面を変化させるために圧縮機ハウジングに対して調整リングを回転させるように設計され得る。調整アクチュエータは、ダイヤフラム要素のうち1つ及び/またはダイヤフラム要素のうち1つのシャフトと作動的に連結され得、圧縮機ハウジングに対して調整リングを回転させるように設計され得、これにより、圧縮機入口の断面を変化させるために残りのダイヤフラム要素が作動し得る。調整アクチュエータのコントローラーは、調整アクチュエータを作動させて調整機構を作動させるように設計され得、これにより、圧縮機入口の断面は、少なくとも部分的には、下流エンジンの速度、下流エンジンのトルク、圧縮機の速度、圧縮機を通る体積の流れ、圧縮機における圧力比、排気ガスタービン用ウエイストゲートの位置、排気ガスタービンの可変タービン幾何学的位置、及び/または排気ガス戻りを通る質量流れから選択された1つ以上の制御変数に基づいて変化する。
【0018】
別の構成において、本発明は、圧縮機ホイールが配置されている圧縮機ハウジングを有する圧縮機を含む。圧縮機は、圧縮機入口の領域において圧縮機ハウジング内に配置されているカートリッジをさらに含む。カートリッジは、圧縮機入口の断面を可変的に変化させるように設計される。したがって、圧縮機入口の断面は可変的に変化可能であるので、これは圧縮機のそれぞれの作動範囲に対応して適合させることができる。圧縮機のサージ限界がさらに左側に、したがって圧縮機特性マップにおける低体積の流れの方向に変位し得るので、したがってより大きな圧縮機特性マップを全体的に1つの単一の圧縮機とともに使用することができる。この手段によって、圧縮機入口の断面の減少は、流れの加速をもたらすことが達成される。また、断面の狭小化により、圧縮機ホイールのハブ領域における流れの分離が減少または回避され得るので、均一な流入が生じ得る。全体として、圧縮機入口の断面の可変構成を可能にするカートリッジは、圧縮機の効率の増加をもたらし、これは次に、下流の内燃機関の燃料消費及び/またはトルクビルドアップに好影響を及ぼす。
【0019】
構成において、カートリッジは、圧縮機入口の断面のサイズを可変的に変化させることができる。圧縮機入口の最大断面は第1カートリッジ位置に提供され得、圧縮機入口の最小断面は第2カートリッジ位置に提供され得る。カートリッジは、圧縮機入口の断面が最大断面と最小断面との間にある少なくとも1つの中間位置に移動可能である。
【0020】
上述のすべての構成と組み合わせ可能な構成において、カートリッジは、軸受リング、調整リング及び複数のダイヤフラム要素を含み得る。ダイヤフラム要素による圧縮機入口の断面の減少により、例えば圧縮機入口領域の壁に沿って発生し得る戻り流れは、特に圧縮機特性マップの左側領域(したがって、低体積の流れ)で減少または防止され得る。ダイヤフラム要素は、軸受リングに回転可能に取り付けられ得る。ダイヤフラム要素は、調整リングに機械的に結合され得、そのため、調整リングの運動、特に回転がダイヤフラム要素の変位を引き起こし得る。ダイヤフラム要素は、第1カートリッジ位置に対応する第1位置と第2カートリッジ位置に対応する第2位置との間で変位可能であり得る。ダイヤフラム要素は、それらがともに第2位置で圧縮機入口の円形断面境界を形成するように構成され得る。ダイヤフラム要素の半径方向内側に配置された側壁は、第2位置における圧縮機入口の断面を画定し、流れ最適化幾何学的形状を有することができる。
【0021】
上述のすべての構成と組み合わせ可能な構成において、ダイヤフラム要素は、第2位置で互いに接触する側方表面上に、ダイヤフラム要素の第2位置で互いに重なり合うか、または互いに噛み合う対応する係合幾何学的形状を有することができる。閉じた状態において、係合幾何学的形状は、カートリッジ、特にカートリッジのダイヤフラム領域に、より高い安全性を与え、隣接したダイヤフラム要素間のより良好なシール性を保証する。
【0022】
上述のすべての構成と組み合わせ可能な構成において、シールは、ダイヤフラム要素の側方表面の少なくとも一部分に提供され得、これは第2位置で接触ダイヤフラム要素の反対側面と係合する。特に、シールは、シールプロファイルに接着されたものを含み得る。
【0023】
上述のすべての構成と組み合わせ可能な構成において、調整リングは、軸受リングに対して回転可能に配置され得る。カートリッジは、軸方向及び半径方向に配置され、軸受リングを介して圧縮機ハウジングに固定され得る。
【0024】
上述のすべての構成と組み合わせ可能な構成において、圧縮機入口の断面は、第1カートリッジ位置の軸受リングによって画定され得る。
【0025】
上述のすべての構成と組み合わせ可能な構成において、ダイヤフラム要素は、シャフトを介して軸受リングに回転可能に取り付けられ得る。調整リングと作動的に連結される1つのレバーアームが、ダイヤフラム要素ごとに設けられ得る。レバーアームは、上記調整リングの運動を対応するダイヤフラム要素に伝達することができる。
【0026】
構成において、レバーアーム及びダイヤフラム要素は、軸受リングの同じ側面に配置され得る。軸受リングの同じ側面にレバーアーム及びダイヤフラム要素を配置するので、全体カートリッジの軸方向の延びが減少され得、これによって圧縮機ハウジング内のカートリッジに必要な設置空間が減少され得る。設置空間の節約の可能性に加えて、圧縮機の重量減少も生じ、最終的にそれから生じる製造コストも節減される。ダイヤフラム要素のうちの1つとレバーアームのうち1つをそれぞれ含む一体のワンピース型構成要素が設けられ得る。一体のワンピース型構成要素はそれぞれ、シャフトのうち1つを含み得る。したがって、カートリッジの全体は、3つの異なる部品のみ、すなわち、軸受リング、調整リング及び一体型構成要素を含み、これらはダイヤフラム要素、レバーアーム及びシャフトを組み合わせる。この手段によって、カートリッジの組み立てが簡素化され、製造時にコスト上の利点が生じ得る。
【0027】
代案的に、レバーアーム及びダイヤフラム要素は、軸受リングの異なる側に配置され得る。このような構成において、シャフトは、軸受リングを通って延び得る。シャフトは、レバーアームまたはダイヤフラム要素とワンピース型として設計され得る。代案的に、シャフト、ダイヤフラム要素及びレバーアームは、それぞれ別の構成要素であり得、上記ダイヤフラム要素は、上記シャフトを介して上記レバーアームに連結される。レバーアームは、少なくとも部分的に軸受リングの半径方向側方表面の凹部に配置され、そのため、このような側面にカートリッジの最大軸方向延びが軸受リングの半径方向側面の領域から凹部なしで決定され得る。
【0028】
上述のすべての構成と組み合わせ可能な構成において、レバーアームは、それらの半径方向外側端部で調整リングと作動的に連結され得る。
【0029】
上述のすべての構成と組み合わせ可能な構成において、カートリッジと作動的に連結される調整アクチュエータがさらに設けられ得る。調整アクチュエータは、調整リングと作動的に連結され得、圧縮機入口の断面を変化させるために、軸受リングに対して調整リングを回転させるように設計され得る。さらに、調整アクチュエータのコントローラーは、調整アクチュエータを作動させてカートリッジを作動させるように設計され得、これにより、圧縮機入口の断面が変化し、上記コントローラーは、少なくとも部分的には、下流エンジンの速度、下流エンジンのトルク、圧縮機の速度、圧縮機を通る体積の流れ、圧縮機における圧力比、排気ガスタービン用ウエイストゲートの位置、排気ガスタービンの可変タービン幾何学的位置、及び/または排気ガス戻りを通る質量流れから選択された1つ以上の制御変数に基づいて制御される。
【0030】
本発明は、上記構成中いずれかによる圧縮機を備えた充電装置をさらに含む。充電装置は、排気ガスターボチャージャーであり得、さらにタービンを含み得る。排気ガスターボチャージャーは、電気的に支持される排気ガスターボチャージャーであり得、電気モーターを含み得る。排気ガスターボチャージャーは、軸受ハウジングをさらに含むことができ、電気モーターは、タービンと圧縮機との間の軸受ハウジング領域に配置される。代案的に、電気モーターは、圧縮機ホイールの軸方向上流に配置され得、上記調整機構は、上記電気モーターと上記圧縮機ホイールとの間に軸方向に配置される。
【0031】
充電装置はまた、電気モーターを含むことができ、圧縮機は、純粋に電気的に駆動され得る。また電気モーターは、この場合に圧縮機ホイールの軸方向上流に配置され得、調整機構は、電気モーターと圧縮機ホイールとの間に軸方向に配置される。
【0032】
本発明のさらなる詳細および特徴は、引き続き図によって説明される。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1図1は、本発明による圧縮機の第1実施形態の断面図を示す。
図2A図2Aは、調整機構の閉位置における第1実施形態の斜視図を示す。
図2B図2Bは、調整機構の開位置における第1実施形態の斜視図を示す。
図3図3は、本発明による圧縮機の第2実施形態の断面図を示す。
図4図4は、本発明による圧縮機の第3実施形態の斜視図を示す。
図5図5は、本発明による圧縮機の第4実施形態の断面図を示す。
図6図6は、本発明による圧縮機の調整機構用のダイヤフラム要素の複数の実施形態の断面図を示す。
図7図7は、本発明による圧縮機の第5実施形態の断面図を示す。
図8図8は、本発明による圧縮機のカートリッジの第1実施形態の第1図を示す。
図9図9は、カートリッジの第1実施形態の部分拡大図を示す。
図10A図10Aは、カートリッジの第1実施形態の第2図を示す。
図10B図10Bは、カートリッジの第1実施形態の第3図を示す。
図11A図11Aは、本発明による圧縮機のカートリッジの第2実施形態の第1図を示す。
図11B図11Bは、カートリッジの第2実施形態の第2図を示す。
図12図12は、カートリッジの第2実施形態の部分拡大図を示す。
図13図13は、ダイヤフラム要素の半径方向内側部の構成に対する複数の実施形態の断面図を示す。
図14図14は、本発明による圧縮機の別の実施形態の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明による圧縮機10の実施形態が図に基づいて後述されるであろう。後述されるすべての詳細及び利点は、圧縮機10及び対応する圧縮機を有する充電装置の両方に適用される。本出願の範囲において、半径方向表面/平面は、圧縮機10の回転軸400に対して実質的に垂直に配置されている表面/平面を意味する。
【0035】
図は、本発明による圧縮機10の異なる実施形態を示す。最初に、圧縮機10の一般的な構成要素について説明される。次に、異なる実施形態の特定の構成上の特徴を図に基づいてさらに詳細に説明する。図1を参照すると、本発明による圧縮機10は、圧縮機ホイール200が配置されている圧縮機ハウジング100を含む。圧縮機10は、圧縮機入口110の断面を可変的に変化させるために圧縮機入口110の領域において圧縮機ハウジング100内に配置された調整機構30をさらに含む。調整機構30は、圧縮機ハウジング100内に回転可能に取り付けられた複数のダイヤフラム要素310、及び調整リング330を含む。例えば、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも6つ、または少なくとも8つのダイヤフラム要素310が設けられ得る。ダイヤフラム要素310は、流れ方向において圧縮機ホイール200の上流に配置される。したがって、圧縮機入口110の断面は可変的に変化可能であるので、圧縮機10のそれぞれの作動範囲に対応して適合させることができる。圧縮機10のサージ限界がさらに左側に、したがって圧縮機特性マップにおける低体積の流れの方向に変位し得るので、したがってより大きな圧縮機特性マップを全体的に1つの単一の圧縮機10とともに使用することができる。この手段によって、圧縮機入口110の断面減少は、流れの加速をもたらすことが達成される。また、断面の狭小化により、圧縮機ホイール200のハブ領域における流れの分離が減少または回避され得るので、より均一な流入が生じ得る。全体として、圧縮機入口110の断面の可変構成を可能にする調整機構30は、圧縮機10の効率の増加をもたらし、これは次に、下流の内燃機関の燃料消費及び/またはトルクビルドアップに好影響を及ぼす。
【0036】
既に上述したように、調整機構30は、圧縮機入口110の断面のサイズを可変的に変化させることができる。圧縮機入口110の最大断面は調整機構30の第1位置に提供されることができ(例えば、図2A参照)、圧縮機入口110の最小断面は調整機構30の第2位置に提供され得る(例えば、図2B参照)。調整機構30は、圧縮機入口110の断面が最大断面と最小断面との間にある少なくとも1つの中間位置に移動可能であることがさらに提供され得る。代案的に、調整機構30の2つの位置のみ、すなわち、圧縮機入口110の最大断面を有する完全に開いた位置及び圧縮機入口110の最小断面を有する完全に閉じた位置が提供され得る。
【0037】
調整機構のダイヤフラム要素310は、調整リング330に機械的に連結されることができ(特に、図2A図2Bまたは図4参照)、そのため、調整リング330の運動、特に回転がダイヤフラム要素310の変位を引き起こす。機械的結合は、ポジティブロック及び/または摩擦ロッキであり得る。示された実施形態において、ポジティブロック連結は、変位時に使用される。
【0038】
調整機構30の第1位置はダイヤフラム要素310の第1位置に対応し(図2A参照)、調整機構30の第2位置はダイヤフラム要素310の第2位置に対応する(図2B参照)。図2A及び図4からかなり明らかなように、ダイヤフラム要素310は、それらがともに第2位置で圧縮機入口110の円形断面境界を形成するように構成され得る。ダイヤフラム要素310の半径方向内側に配置された側壁318(例えば、図13参照)は、第2位置で圧縮機入口110の断面を画定し、流れ最適化幾何学的形状を有することができる。適用領域に応じて、または圧縮機10残りの幾何学的形状に応じて、または圧縮機10のサイズに応じて、内側に配置された側壁318の流れ最適化は、例えば、圧縮機ホイールの方向にますます増加または減少するように傾斜するか、丸くなるか、凸状の曲率を有することができる。ダイヤフラム要素310の半径方向内側に配置された側壁318に対する複数の可能な構成が図13に示されている。
【0039】
ダイヤフラム要素310は、第2位置で互いに接触する側方表面312、314上に対応する係合構造315をさらに有することができ(図10A及び図11A参照)、前記係合幾何学的形状は、ダイヤフラム要素310の第2位置で互いに重なり合うかまたは互いに噛み合う。係合幾何学的形状315に対する複数の例が図6に示されている。例えば、対応する段部または縁部、対応する突出部、円錐形、三角形または円形の突出部を有する凹部、及び対応する凹部が提供され得る。閉じた状態において、係合幾何学的形状315は調整機構30に、より高い安全性を与え、隣接したダイヤフラム要素310間により良好なシール性を保証する。
【0040】
同様に、ダイヤフラム要素310の実施形態の変形例が図6に示されており、これは接触ダイヤフラム要素310の反対の側方表面312、314が第2位置で相互作用する側方表面312、314の少なくとも一部分にシール316を有する。シール316は、例えば、シールプロファイルに接着されたものを含み得る。また、図6に示したように、シール316を係合幾何学的形状と組み合わせることも可能である。
【0041】
調整リング330は、圧縮機ハウジング100に回転可能に取り付けられる。調整リング330は、例えば、圧縮機カバーまたは吸気マニホールド120に回転可能に取り付けられ得る。この場合、圧縮機カバー120の軸方向突出部は、調整リング330内に半径方向に配置され得る。このような類型の実施形態は図5に示す。代案的に、調整リング330は、圧縮機ハウジング100に直接回転可能に取り付けられ得る。このような取り付けは、図1図4の例に対して可能である。調整リング330は、圧縮機ハウジング100または圧縮機カバー120内の半径方向外周に取り付けられることもできる。代案的に、調整リング330は、圧縮機カバー120の突出部上のその半径方向内周に取り付けられ得る。構成に応じて、調整リング330の半径方向内周または圧縮機カバー120の半径方向内周面のうちいずれかは、調整機構30の第1位置における流れを案内する。別の代替形態において、調整リング330は、ダイヤフラム要素310上に直接取り付けることができる(圧縮機ハウジング100または圧縮機カバー120内には取り付けることができない)。図1図5から明らかなように、ダイヤフラム要素320の半径方向外側端部は、調整リング330の対応する凹部332内に突出する軸方向に延びるヘッド352(例えば、図1図3及び図5参照)及び/または半径方向に延びるヘッド352(例えば、図4参照)を有する。軸受リング330は、前記ヘッド352に直接取り付けられ得る。代案的に、レバーアームは、例えば、その端部で分岐するように構成され得、上記分岐部は、調整リング上に配置された対応するピンを囲む(この代替案は図に示されていない)。
【0042】
図1図3及び図5から明らかなように、調整リング330は、圧縮機カバー120によって軸方向に配置されるかまたは案内され得る。構成に応じて、これは、圧縮機カバー120(図5参照)または圧縮機ハウジング100と組み合わせた圧縮機カバー120(図1及び図3参照)を介して実行され得る。第2の代替案として、圧縮機ハウジング100の内壁上の突出部及び/または保持リング(図示せず)は、調整リング330の軸方向位置決めのために圧縮機カバー120とともに機能することができる。
【0043】
図1図3及び図5を参照すると、ダイヤフラム要素310は、シャフト340を介して圧縮機ハウジング100に回転可能に取り付けられるということが明らかである。また、調整リング330と作動的に連結されるレバーアーム350は、ダイヤフラム要素310ごとに設けられ、作動的連結は、上述のヘッド352を介して確立され、レバーアーム350は、調整リング330の運動を対応するダイヤフラム要素310に伝達する。また、他の方向への運動の伝達も可能である。これは、調整機構30が作動してダイヤフラム要素310のうち1つが変位する場合を意味する。この場合、調整リング300は、前記ダイヤフラム要素310のレバーアーム350を介して回転され、調整リング300の回転により、残りのダイヤフラム要素310は、それらのレバーアーム350を介して作動して変位する。このような類型の力または運動伝達のための実施形態は、例えば、図3に示されており、結合部材500の回転運動は、シャフト340を介して圧縮機ハウジング100に回転可能に取り付けられた対応するダイヤフラム要素310に伝達される。
【0044】
図14は、図1図5の実施形態と比較して、ダイヤフラム要素310の代替の取り付けを示す。図14の実施形態において、ダイヤフラム要素は、圧縮機ハウジング100に回転可能に取り付けられず、代わりに圧縮機カバーまたは吸気マニホールド120に取り付けられる。この実施形態において、調整リング330の軸方向案内は、ダイヤフラム要素310と組み合わせて圧縮機カバー120上のカラー122を介して実行され得る。代案的に、軸方向案内は、カラー122及び軸受ハウジング100を介して実行されることもできる。
【0045】
上述のすべての実施形態において、ダイヤフラム要素の軸方向案内は、圧縮機カバー120と組み合わせた軸受ハウジング100を介して実現することができる(図1図3図5及び図14参照)。
【0046】
ダイヤフラム要素は、それぞれ対応するレバーアーム350を有するダイヤフラム要素310のうち1つを含む一体のワンピース型構成要素360に一体化され得る。一体のワンピース型構成要素360は、それぞれシャフト340のうち1つを含み得る。代案的に、例えば、ダイヤフラム要素310の対応する凹部/穴に配置されるかまたは圧入される別個のシャフト340が設けられ得るか、またはそうでなければダイヤフラム要素310に(固定的にまたは回転可能に)連結される。代案的に、シャフト340は、例えば、圧縮機ハウジング100で予め組み立てられ得、次にダイヤフラム要素310は(また対応する凹部/穴によって)予め組み立てられたシャフト340上に配置される。
【0047】
ダイヤフラム要素と調整リングとを互いに対して位置決めする多くの可能性がある。図1図3及び図5に示した実施形態において、ダイヤフラム要素310は、調整リング330と圧縮機ハウジング100との間に軸方向に配置される。より具体的に、ダイヤフラム要素310は、調整リング330と圧縮機ハウジング100の半径方向側壁との間に配置される。図4の代替実施形態において、調整リング330は、ダイヤフラム要素310の半径方向外側に配置される。特に、この実施形態における調整リング330は、ダイヤフラム要素310とほぼ同じ半径方向平面内に配置され得る。このような類型の配置により、追加的な設置空間が(軸方向に)節約される。
【0048】
調整機構30を作動させるために、調整機構30に作動的に連結される調整アクチュエータがさらに設けられ得る。調整アクチュエータは、例えば、調整リング330と作動的に連結され得、圧縮機入口110の断面を変更するために圧縮機ハウジング100に対して調整リング330を回転させるように設計され得る。代案的に、調整アクチュエータは、ダイヤフラム要素310のうちの1つ及び/またはダイヤフラム要素310のうち1つのシャフト340と作動敵に連結され得、圧縮機ハウジング100に対して調整リング330を回転させるように設計され得、これによって残りのダイヤフラム要素310が圧縮機入口110の断面を変化させるために作動し得る。既に上述したように、このようなタイプの作動において、1つのアクチュエータは1つのダイヤフラム要素310を変位させるために1つのシャフト340に純粋な回転を伝達するのに十分であり得る。これは、例えば、図3に示した結合部材500を介して対応するダイヤフラム要素310のシャフト340に回転運動を伝達することができる。
【0049】
特に、図7図12を参照して、本発明による圧縮機の追加の実施形態を以後に説明する。これら実施形態において、調整機構30はカートリッジ300で置き換えられる。対応する構成要素は、同じ参照番号で図面に記載され示される。
【0050】
図7を参照すると、圧縮機ホイール200が配置される圧縮機ハウジング100を含む圧縮機10が再び示される。圧縮機はさらにカートリッジ300を含む。カートリッジ300は、圧縮機入口110の領域において圧縮機ハウジング100内に配置される。これは、カートリッジ300が流れ方向から見るとき、圧縮機ホイール200の上流に配置されることを意味する。カートリッジ300は、続いて、圧縮機入口110の断面を可変的に変化させるように設計される。上述したように、圧縮機入口110の断面を可変的に変化させることができる可能性に関しても同じ利点が得られる。
【0051】
既に上述したように、本発明によるカートリッジ300はまた、圧縮機入口110の断面のサイズを可変的に変化させることができる。圧縮機入口110の最大断面は第1カートリッジ位置に提供さられ(図10A及び図11A参照)、圧縮機入口110の最小断面は(図7に示したように)第2カートリッジ位置に提供される。カートリッジ300は、圧縮機入口の断面が最大断面と最小断面との間にある少なくとも1つの中間位置に移動可能であることがさらに提供され得る。代案的に、専ら2つのカートリッジ位置、すなわち、圧縮機入口110の最大断面を有する完全に開いた位置及び圧縮機入口110の最小断面を有する完全に閉じた位置が提供され得る。
【0052】
図8図12は、カートリッジ300の2つの例示的な実施形態の異なる図を示し、図8図10Bは、カートリッジ300の第1例の異なる図を示し、図11A図12は、カートリッジ300の第2例の異なる図を示す。両方の場合に、カートリッジ300は、軸受リング320、調整リング330及び複数のダイヤフラム要素310を含む。例えば、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも6つ、または少なくとも8つのダイヤフラム要素310が設けられ得る。
【0053】
ダイヤフラム要素310は、軸受リング320に回転可能に取り付けられる(例えば、図9及び図12参照)。また、ダイヤフラム要素310は、円周方向に軸受リング320を横切って均一に分布される。ダイヤフラム要素310は、調整リング330に機械的に連結され、そのため、調整リング330の運動、特に回転がダイヤフラム要素310の変位を引き起こすことが図に示したカートリッジ300の両方の実施形態に適用される。この手段によって、ダイヤフラム要素310は、第1カートリッジ位置または調整機構30の第1位置に対応する少なくとも1つの第1位置と、第2カートリッジ位置または調整機構30の第2位置に対応する第2位置との間の変位であり得る。図7図10B及び図11Bに示したように、ダイヤフラム要素310は、これらがともに第2位置で圧縮機入口110の円形断面境界を形成するように構成される。第1カートリッジ位置において、圧縮機入口110の断面は軸受リング320によって画定される。
【0054】
ダイヤフラム要素310の半径方向内側に配置された側壁318(例えば、図9参照)は、第2位置で圧縮機入口110の断面を画定し、流れ最適化幾何学的形状を有することができる(図13参照)。ダイヤフラム要素310は、第2位置で互いに接触する側方表面312、314上に、ダイヤフラム要素310の第2位置で互いに重なり合うかまたは互いに噛み合う対応する係合幾何学的形状315をさらに有することができる。図7図12において、前記係合幾何学的形状315は、互いにオフセットされるように構成された段状の突出部として構成される。図6には、このような可能性に加えて、上述された係合幾何学的形状315に対する追加の例が示されている。
【0055】
同様に上述したように、ダイヤフラム要素310の実施形態の変形例が図6に示されており、これは接触ダイヤフラム要素310の反対の側方表面312、314が第2位置で相互作用する側方表面312、314の少なくとも一部分にシール316を有する。シール316は、本明細書に記載されたすべてのダイヤフラム要素310及び係合幾何学的形状315と組み合わせることができる。
【0056】
調整リング330は、軸受リング320に対して回転可能であるように配置される。また、カートリッジ300は、軸受リング320を介して軸方向及び半径方向に配置され、圧縮機ハウジング100に固定され得る。カートリッジ300は、例えば、軸受リング320を介して、及び圧縮機10の入口領域で圧縮機カバー120と組み合わせて、圧縮機カバー120と圧縮機ハウジング100の半径方向表面との間にクランプされ得る(図7参照)。
【0057】
ダイヤフラム要素310がシャフト340を介して軸受リング320に取り付けられるという点でダイヤフラム要素310の回転可能性が促進される。次いで、レバーアーム350は、各ダイヤフラム要素310に設けられ、前記レバーアームは、調整リング330と作動的に連結される。調整リング330が作動すると、レバーアーム350は、この実施形態において調整リング330の運動を対応するダイヤフラム要素310に、またはその逆に伝達する。
【0058】
図7図10Bに示したカートリッジ300の実施形態において、レバーアーム350及びダイヤフラム要素310は、軸受リング320の異なる側に配置される。このような構成において、シャフト340は、軸受リング320を介して延びる。シャフト340は別個の構成要素であり得るか、レバーアーム350またはダイヤフラム要素310とワンピース型として設計されることもできる。このような類型のすべての実施形態において、ダイヤフラム要素310は、シャフト340を介してレバーアーム350に連結される。ワンピース型として構成されない場合、ダイヤフラム要素310またはレバーアーム350は、例えば、シャフト340に熔接、ねじ止めまたはリベット止めされるか、または圧入を介してシャフト340に連結され得る。既に上述したように、シャフト340は、軸受リング320の対応する穴に回転可能に取り付けられ、レバーアーム340の運動がシャフト340を介してダイヤフラム要素310に伝達される。
【0059】
図8及び図9に示したカートリッジ300の実施形態において、レバーアーム350は、軸受リング320の半径方向側方表面322の凹部324内に少なくとも部分的に配置される。この凹んだ配置により、この側面上のカートリッジ300の最大軸方向延びは、凹部324のない軸受リング320の半径方向側方表面322の領域から決定され得る。レバーアーム350及びシャフト340が(圧縮機10の回転軸400に対して)、軸方向に凹部324に配置され、したがって、軸受リング320の側方表面322に突出しないという事実により、凹部324を有さない側面322の領域は、圧縮機ハウジング100内でのカートリッジ300の軸方向位置決め及び固定のための接触領域として機能し得る。
【0060】
調整リング330は、レバーアーム350を介して半径方向に支持される。この手段によって、調整リング330と軸受リング320との摩擦接触を防止することができる。調整リング330は、突出部326を介して軸方向に軸受リング320上に保持される(図8参照)。突出部326は、シャフト340が組み立てられた状態で配置されている軸受リング320の領域に配置される。図8及び図9に示したように、凹部324が設けられる場合、突出部は凹部324の領域に配置される。調整リング330は、突起334を有し、これは、凹部332の領域において半径方向内側に向かって配置され、調整リング330を軸方向に配置するために、組み立てられた状態において突出部326と相互作用する。したがって、調整リング330は、レバーアーム350を介して半径方向に枢動可能かつ低摩擦で取り付けられ、調整リング330の突出部326及び突起334を介して軸方向に取り付けられる。軸方向に作用する荷重とその結果生じる摩擦は比較的低い。半径方向の摩擦は、調整リング330をレバーアーム350に枢動可能に取り付けることによって最小限に減少される。したがって、レバーアーム350は、2つの機能、すなわち、調整リング330の半径方向の取り付けと、調整リング330とダイヤフラム要素310との間の作動的連結の発生を有する。
【0061】
図11A図12に示したカートリッジ300の実施形態において、レバーアーム350及びダイヤフラム要素310は、軸受リング320の同じ側面上に配置される。軸受リング320の同じ側面上にレバーアーム350及びダイヤフラム要素310の配置によって、カートリッジ300全体の軸方向延びが減少され得、これによって圧縮機ハウジング100内のカートリッジ300に必要な設置空間が減少され得る。設置空間の節約の可能性に加えて、圧縮機10の重量減少ももたらされ、また最終的にそれから生じる製造コストを節減することができる。カートリッジ300のこのような実施形態において、ダイヤフラム要素310及びレバーアーム350のうち1つをそれぞれ含むワンピース型構成要素360が設けられる。一体のワンピース型構成要素360は、それぞれシャフト340のうち1つを含み得る。したがって、カートリッジ300の全体は、3つの異なる部品のみ、すなわち、軸受リング320、調整リング330及び一体型構成要素360を含み、これらはダイヤフラム要素310、レバーアーム350及びシャフト340を組み合わせる。この手段によって、カートリッジの製造及び組み立てが単純化され、製造時にコスト上の利点が生じ得る。
【0062】
カートリッジ300とともに図に示した本発明による圧縮機10のすべての実施形態において、レバーアーム350は、その半径方向外側端部で調整リング330と作動的に連結されている。したがって、次いでレバーアーム350の半径方向外側端部は、調整リング330の対応する凹部332内に突出する軸方向に延びるヘッド352を有する(図7図9及び図11A図12参照)。既に上述したように、上記レバーアームは、代わりに、例えば、その端部に分岐されるように構成され得、ここで、上記分岐部は、調整リング上に配置された対応するピンを囲む(この代替案は、図に示されていない)。
【0063】
カートリッジ300を作動させるために、カートリッジ300と作動的に連結される調整アクチュエータがさらに設けられ得る。調整アクチュエータは、例えば、調整リング330と作動的に連結され得、圧縮機入口110の断面を変化するために軸受リング320に対して調整リング330を回転させるように設計され得る。
【0064】
コントローラーは、本明細書において複数回引用され、すべての実施形態と組み合わせ可能な調整アクチュエータのために設けられ得、前記コントローラーは、調整アクチュエータを作動させて調整機構30を作動させるように設計され、これによって圧縮機入口110の断面が変化する。コントローラーは、少なくとも部分的には特定の制御変数を介して制御され得る。これらの調整変数は、例えば、下流エンジンの速度、下流エンジンのトルク、圧縮機10の速度、圧縮機10を通る体積の流れ、圧縮機10における圧力比、排気ガスタービン用ウエイストゲートの位置、排気ガスタービンの可変タービン幾何学的位置、及び/または排気ガス戻りを通る質量流れを含む群から選択され得る。
【0065】
圧縮機入口110の領域において低温により、カートリッジ300を有する実施形態を含む調整機構30のすべてまたは個々の構成要素は、より低温のためのプラスチック及び/または材料から製造することができる。
【0066】
本発明は、上記構成中いずれかによる圧縮機10を備えた充電装置をさらに含む。充電装置は、排気ガスターボチャージャーであり得、さらにタービンを含み得る。排気ガスターボチャージャーは、電気的に支持される排気ガスターボチャージャーであり得、電気モーターを含み得る。排気ガスターボチャージャーは、軸受ハウジングをさらに含むことができ、電気モーターは、タービンと圧縮機10との間の軸受ハウジングの領域に配置される。代案的に、電気モーターは、圧縮機ホイール200の軸方向上流に配置され得、調整機構30は、電気モーターと圧縮機ホイール200との間に軸方向に配置される。言い換えると、圧縮機ホイール200の軸方向上流に電気モーターの配置することは、電気モーターが流れ方向において圧縮機ホイール200の前方/上流に配置されることを意味する。
【0067】
代案的な充電装置も電気モーターを含むことができ、圧縮機10は純粋に電気的に駆動され得る。また電気モーターは、この場合に圧縮機ホイール200の軸方向上流に配置され得、調整機構30は、電気モーターと圧縮機ホイール200との間に軸方向に配置される。
【0068】
本発明が以上説明され、添付された特許請求の範囲に定義されているが、本発明はまた、以下の実施形態によって代案的に定義されてもよいことが理解されるべきである:
【0069】
実施形態1
充電装置用圧縮機(10)であって、
圧縮機ホイール(200)が配置されている圧縮機ハウジング(100)と、
圧縮機入口(110)の断面を可変的に変化させるために、圧縮機入口(110)の領域において圧縮機ハウジング(100)内に配置されている調整機構(30)と、を含み、
上記調整機構(30)は、圧縮機ハウジング(100)内に回転可能に取り付けられている複数のダイヤフラム要素(310)、及び調整リング(330)を含むことを特徴とする、圧縮機。
【0070】
実施形態2
上記調整機構(30)は、圧縮機入口(110)の断面のサイズを可変的に変化させることができることを特徴とする、実施形態1に記載の圧縮機。
【0071】
実施形態3
上記圧縮機入口(110)の最大断面は調整機構(30)の第1位置に提供さられ、上記圧縮機入口(110)の最小断面は調整機構(30)の第2位置に提供されることを特徴とする、実施形態1または2に記載の圧縮機。
【0072】
実施形態4
上記調整機構(30)は、圧縮機入口(110)の断面が最大断面と最小断面との間にある少なくとも1つの中間位置に移動可能であることを特徴とする、実施形態3に記載の圧縮機。
【0073】
実施形態5
上記ダイヤフラム要素(310)は、調整リング(330)に機械的に結合され、そのため、調整リング(330)の運動、特に回転がダイヤフラム要素(310)の変位を引き起こすことを特徴とする、先行する実施形態のうちいずれかに記載の圧縮機。
【0074】
実施形態6
上記ダイヤフラム要素(310)は、調整機構(30)の第1位置に対応する第1位置と、調整機構(30)の第2位置に対応する第2位置との間で調節可能であることを特徴とする、実施形態3~5のうちいずれかに記載の圧縮機。
【0075】
実施形態7
上記ダイヤフラム要素(310)は、それらがともに第2位置で圧縮機入口(110)の円形断面境界を形成するように構成されることを特徴とする、実施形態6に記載の圧縮機。
【0076】
実施形態8
上記ダイヤフラム要素(310)の半径方向内側に配置された側壁(318)は、第2位置で圧縮機入口(110)の断面を画定し、流れ最適化幾何学的形状を有することを特徴とする、実施形態6または7に記載の圧縮機。
【0077】
実施形態9
上記ダイヤフラム要素(310)は、第2位置で互いに接触する側方表面(312、314)上に、ダイヤフラム要素(310)の第2位置で互いに重なり合うか、またはお互いに噛み合う対応する係合幾何学的形状(315)を有することを特徴とする、実施形態6~8のうちいずれかに記載の圧縮機。
【0078】
実施形態10
上記ダイヤフラム要素(310)の側方表面(312、314)の少なくとも一部分にシール(316)が提供され、これは、第2位置で接触ダイヤフラム要素(310)の反対の側方表面(312、314)と相互作用し、特に、上記シール(310)は、シールプロファイルに接着されたものを含むことを特徴とする、実施形態6~9のうちいずれかに記載の圧縮機。
【0079】
実施形態11
上記調整リング(330)は、圧縮機ハウジング(100)内に回転可能に取り付けられることを特徴とする、先行する実施形態のうちいずれかに記載の圧縮機。
【0080】
実施形態12
上記調整リング(330)は、圧縮機カバー(120)に回転可能に取り付けられ、特に上記圧縮機カバー(120)の軸方向突出部が調整リング(330)内に配置されることを特徴とする、先行する実施形態のうちいずれかに記載の圧縮機。
【0081】
実施形態13
上記調整リング(330)は、ダイヤフラム要素(310)上に回転可能に取り付けられることを特徴とする、実施形態1~10のうちいずれかに記載の圧縮機。
【0082】
実施形態14
上記調整リング(330)は、圧縮機カバー(120)によって軸方向に配置されることを特徴とする、先行する実施形態のうちいずれかに記載の圧縮機。
【0083】
実施形態15
上記ダイヤフラム要素(310)は、シャフト(340)を介して圧縮機ハウジング(100)または圧縮機カバー(120)に回転可能に取り付けられることを特徴とする、先行する実施形態のうちいずれかに記載の圧縮機。
【0084】
実施形態16
上記レバーアーム(350)は、ダイヤフラム要素(310)ごとに設けられ、調整リング(330)と作動的に連結され、上記レバーアーム(350)は、調整リング(330)の運動を対応するダイヤフラム要素(310)に伝達することを特徴とする、先行する実施形態のうちいずれかに記載の圧縮機。
【0085】
実施形態17
上記ダイヤフラム要素(310)のうち1つとレバーアーム(350)のうち1つをそれぞれ含む一体のワンピース(one-piece)型構成要素(360)が設けられることを特徴とする、実施形態16に記載の圧縮機。
【0086】
実施形態18
上記一体のワンピース型構成要素(360)は、それぞれシャフト(340)のうち1つを含むことを特徴とする、実施形態17に記載の圧縮機。
【0087】
実施形態19
上記レバーアーム(350)は、半径方向外側端部で調整リング(330)と作動的に連結されることを特徴とする、実施形態16~18のうちいずれかに記載の圧縮機。
【0088】
実施形態20
上記ダイヤフラム要素(310)は、調整リング(330)と圧縮機ハウジング(100)との間に軸方向に配置されることを特徴とする、先行する実施形態のうちいずれかに記載の圧縮機。
【0089】
実施形態21
上記調整リング(330)は、上ダイヤフラム要素(310)の半径方向外側に配置され、特に、上記ダイヤフラム要素(310)とほぼ同じ半径方向平面に配置されることを特徴とする、実施形態1~19のうちいずれかに記載の圧縮機。
【0090】
実施形態22
上記調整機構(30)と作動的に連結される調整アクチュエータがさらに設けられることを特徴とする、先行する実施形態のうちいずれかに記載の圧縮機。
【0091】
実施形態23
上記調整アクチュエータは、調整リング(330)と作動的に連結され、圧縮機入口(110)の断面を変化させるために圧縮機ハウジング(100)に対して調整リング(330)を回転させるように設計されることを特徴とする、実施形態22に記載の圧縮機。
【0092】
実施形態24
上記調整アクチュエータは、ダイヤフラム要素(310)のうち1つ及び/またはダイヤフラム要素(310)のうち1つのシャフト(340)と作動的に連結され、圧縮機ハウジング(100)に対して調整リング(330)を回転させるように設計され、これによって圧縮機入口(110)の断面を変化させるために残りのダイヤフラム要素(310)が作動することを特徴とする、実施形態22に記載の圧縮機。
【0093】
実施形態25
上記調整アクチュエータのコントローラーは、調整アクチュエータを作動させて調整機構(30)を作動させるように設計され、これにより、圧縮機入口(110)の断面は、少なくとも部分的には、下流エンジンの速度、下流エンジンのトルク、圧縮機(10)の速度、圧縮機(10)を通る体積の流れ、圧縮機(10)における圧力比、排気ガスタービン用ウエイストゲートの位置、排気ガスタービンの可変タービン幾何学的位置、及び/または排気ガス戻りを通る質量流れから選択された1つ以上の制御変数に基づいて変化することを特徴とする、実施形態22~24のうちいずれかに記載の圧縮機。
【0094】
実施形態26
充電装置用圧縮機(10)であって、
圧縮機ホイール(200)が配置されている圧縮機ハウジング(100)と、
圧縮機入口(110)の領域において圧縮機ハウジング(100)内に配置されているカートリッジ(300)を特徴とし、上記カートリッジ(300)は、圧縮機入口(110)の断面を可変的に変化させるように設計される、圧縮機。
【0095】
実施形態27
上記カートリッジ(300)は、圧縮機入口(110)の断面のサイズを可変的に変化させることができることを特徴とする、実施形態26に記載の圧縮機。
【0096】
実施形態28
上記圧縮機入口(110)の最大断面は、第1カートリッジ位置に提供され、上記圧縮機入口(110)の最小断面は、第2カートリッジ位置に提供されることを特徴とする、実施形態26または27に記載の圧縮機。
【0097】
実施形態29
上記カートリッジ(300)は、圧縮機入口の断面が最大断面と最小断面との間にある少なくとも1つのうち中間位置に移動可能であることを特徴とする、実施形態28に記載の圧縮機。
【0098】
実施形態30
上記カートリッジ(300)は、軸受リング(320)、調整リング(330)及び複数のダイヤフラム要素(310)を含むことを特徴とする、実施形態26~29のうちいずれかに記載の圧縮機。
【0099】
実施形態31
上記ダイヤフラム要素(310)は、軸受リング(320)に回転可能に取り付けられることを特徴とする、実施形態30に記載の圧縮機。
【0100】
実施形態32
上記ダイヤフラム要素(310)は、調整リング(330)に機械的に結合され、そのため、調整リング(330)の運動、特に回転がダイヤフラム要素(310)の変位を引き起こすことを特徴とする、実施形態30または31に記載の圧縮機。
【0101】
実施形態33
上記ダイヤフラム要素(310)は、第1カートリッジ位置に対応する第1位置と、第2カートリッジ位置に対応する第2位置との間で調節可能であることを特徴とする、実施形態30~32のうちいずれかに記載の圧縮機。
【0102】
実施形態34
上記ダイヤフラム要素(310)は、それらがともに第2位置で圧縮機入口(110)の円形断面境界を形成するように構成されることを特徴とする、実施形態33に記載の圧縮機。
【0103】
実施形態35
上記ダイヤフラム要素(310)の半径方向内側に配置された側壁(318)は、第2位置で圧縮機入口(110)の断面を画定し、流れ最適化幾何学的形状を有することを特徴とする、実施形態33または34に記載の圧縮機。
【0104】
実施形態36
上記ダイヤフラム要素(310)は、第2位置で互いに接触する側方表面(312、314)上に、ダイヤフラム要素(310)の第2位置で互いに重なり合うか、または互いに噛み合う対応する係合幾何学的形状(315)を有することを特徴とする、実施形態30~35のうちいずれかに記載の圧縮機。
【0105】
実施形態37
上記ダイヤフラム要素(310)の側方表面(312、314)の少なくとも一部分にシール(316)が提供され、これは、第2位置で接触ダイヤフラム要素(310)の反対の側方表面(312、314)と相互作用し、特に、上記シール(316)は、シールプロファイルに接着されたものを含む、実施形態30~36のうちいずれかに記載の圧縮機。
【0106】
実施形態38
上記調整リング(330)は、軸受リング(320)に対して回転可能に取り付けられることを特徴とする、実施形態30~37のうちいずれかに記載の圧縮機。
【0107】
実施形態39
上記カートリッジ(300)は、軸受リング(320)を介して軸方向及び半径方向に配置され、上記圧縮機ハウジング(100)に固定されることを特徴とする、実施形態30~38のうちいずれかに記載の圧縮機。
【0108】
実施形態40
上記圧縮機入口(110)の断面は,第1カートリッジ位置の軸受リング(320)によって画定されることを特徴とする、実施形態30~39のうちいずれかに記載の圧縮機。
【0109】
実施形態41
上記ダイヤフラム要素(310)は、シャフト(340)を介して軸受リング(320)に回転可能に取り付けられることを特徴とする、実施形態30~40のうちいずれかに記載の圧縮機。
【0110】
実施形態42
レバーアーム(350)が、ダイヤフラム要素(310)ごとに設けられ、上記調整リング(330)と作動的に連結され、上記レバーアーム(350)は、上記調整リング(330)の運動を対応するダイヤフラム要素(310)に伝達することを特徴とする、実施形態41に記載の圧縮機。
【0111】
実施形態43
上記レバーアーム(350)及び上記ダイヤフラム要素(310)は、軸受リング(320)の同じ側面に配置されることを特徴とする、実施形態42に記載の圧縮機。
【0112】
実施形態44
上記ダイヤフラム要素(310)のうち1つとレバーアーム(350)のうち1つをそれぞれ含む一体のワンピース型構成要素(360)が設けられることを特徴とする、実施形態43に記載の圧縮機。
【0113】
実施形態45
上記一体のワンピース型構成要素(360)は、それぞれシャフト(340)のうち1つを含むことを特徴とする、実施形態44に記載の圧縮機。
【0114】
実施形態46
上記レバーアーム(350)及び上記ダイヤフラム要素(310)は、軸受リング(320)の異なる側に配置されることを特徴とする、実施形態42に記載の圧縮機。
【0115】
実施形態47
上記シャフト(340)は、軸受リング(320)を通って延びることを特徴とする、実施形態46に記載の圧縮機。
【0116】
実施形態48
上記シャフト(340)は、レバーアーム(350)またはダイヤフラム要素(310)とワンピース型に設計されることを特徴とする、実施形態46または47に記載の圧縮機。
【0117】
実施形態49
上記シャフト(340)、上記ダイヤフラム要素(310)及び上記レバーアーム(350)は、それぞれ別個の構成成分であり、上記ダイヤフラム要素(310)は、シャフト(340)を介してレバーアーム(350)に連結されることを特徴とする、実施形態46または47に記載の圧縮機。
【0118】
実施形態50
上記レバーアーム(350)は、少なくとも部分的に軸受リング(320)の半径方向側方表面(322)の凹部(324)に配置され、そのため、このような側面にカートリッジ(300)の最大軸方向延びが軸受リング(320)の半径方向側面の領域から凹部なしで決定され得ることを特徴とする、実施形態46~49のうちいずれか一つに記載の圧縮機。
【0119】
実施形態51
上記レバーアーム(350)は、それらの半径方向外側端部で調整リング(330)と作動的に連結されることを特徴とする、実施形態30~50のうちいずれかに記載の圧縮機。
【0120】
実施形態52
上記カートリッジ(300)と作動的に連結される調整アクチュエータがさらに設けられることを特徴とする、実施形態26~51のうちいずれかに記載の圧縮機。
【0121】
実施形態53
上記調整アクチュエータは、調整リング(330)と作動的に連結され、圧縮機入口(110)の断面を変化させるために軸受リング(320)に対して調整リング(330)を回転させるように設計されることを特徴とする、実施形態52に記載の圧縮機。
【0122】
実施形態54
上記調整アクチュエータのコントローラーは、調整アクチュエータを作動させてカートリッジ(300)を作動させるように設計され、これにより、圧縮機入口(110)の断面は、少なくとも部分的には、下流エンジンの速度、下流エンジンのトルク、圧縮機(10)の速度、圧縮機(10)を通る体積の流れ、圧縮機(10)における圧力比、排気ガスタービン用ウエイストゲートの位置、排気ガスタービンの可変タービン幾何学的位置、及び/または排気ガス戻りを通る質量流れから選択された1つ以上の制御変数に基づいて変化することを特徴とする、実施形態52または53に記載の圧縮機。
【0123】
実施形態55
先行する構成のうちいずれかによる圧縮機(10)を有する充電装置。
【0124】
実施形態56
上記充電装置は、排気ガスターボチャージャーであり、さらにタービンを含むことを特徴とする、実施形態55に記載の充電装置。
【0125】
実施形態57
上記排気ガスターボチャージャーは、電気的に支持される排気ガスターボチャージャーであり、電気モーターを含むことを特徴とする、実施形態56に記載の充電装置。
【0126】
実施形態58
上記排気ガスターボチャージャーは、さらに軸受ハウジングを含み、上記電気モーターは、タービンと圧縮機との間の軸受ハウジング領域に配置されることを特徴とする、実施形態57に記載の充電装置。
【0127】
実施形態59
上記電気モーターは、圧縮機ホイール(200)の軸方向上流に配置され、上記調整機構(30)は、電気モーターと圧縮機ホイール(200)との間に軸方向に配置されることを特徴とする、実施形態57に記載の充電装置。
【0128】
実施形態60
上記充電装置は、電気モーターを含み、上記圧縮機(10)は、純粋に電気的に駆動されることを特徴とする、実施形態55に記載の充電装置。
【0129】
実施形態61
上記電気モーターは、縮機ホイール(200)の軸方向上流に配置され、上記調整機構(30)は、記電気モーターと圧縮機ホイール(200)との間に軸方向に配置されることを特徴とする、実施形態60に記載の充電装置。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11A
図11B
図12
図13
図14