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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-23
(45)【発行日】2022-05-31
(54)【発明の名称】半導体記憶装置
(51)【国際特許分類】
   G11C 16/24 20060101AFI20220524BHJP
   G11C 7/12 20060101ALI20220524BHJP
   G11C 16/04 20060101ALI20220524BHJP
   G11C 16/30 20060101ALI20220524BHJP
【FI】
G11C16/24 110
G11C7/12
G11C16/04 170
G11C16/30
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020067352
(22)【出願日】2020-04-03
(65)【公開番号】P2021163511
(43)【公開日】2021-10-11
【審査請求日】2020-04-03
(73)【特許権者】
【識別番号】511062254
【氏名又は名称】ウィンボンド エレクトロニクス コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100098497
【弁理士】
【氏名又は名称】片寄 恭三
(72)【発明者】
【氏名】岡部 翔
【審査官】堀田 和義
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-32455(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0299350(US,A1)
【文献】特開2010-170642(JP,A)
【文献】特開2020-205129(JP,A)
【文献】特開2020-205130(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11C 16/24
G11C 7/12
G11C 16/04
G11C 16/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
NAND型フラッシュメモリのビット線のプリチャージ方法であって、
第1のタイミングで、センスノードにプリチャージ用の電圧を印加するための第1のトランジスタを第1の制御信号により導通させ、
第2のタイミングで、前記センスノードに接続されたクランプ電圧を生成するための第2のトランジスタを第2の制御信号により導通させ、かつ第2のトランジスタとビット線側のノードとの間に接続された第3のトランジスタを第3の制御信号により導通させ、
第3のタイミングで、前記ビット線側のノードとビット線との間に接続された第4のトランジスタを第4の制御信号により導通させ、
前記第3のタイミング後の第4のタイミングで、第1のトランジスタに接続された電圧供給ノードの供給電圧レベルの駆動能力を低い駆動能力から高い駆動能力に切替える、プリチャージ方法。
【請求項2】
プリチャージ方法はさらに、
前記第1のタイミングで、前記電圧供給ノードをGNDレベルから供給電圧レベルに遷移させる、請求項1に記載のプリチャージ方法。
【請求項3】
前記第1のタイミングで、ビット線と仮想電源との間に接続された第5のトランジスタを第5の制御信号により非導通にする、請求項1または2に記載のプリチャージ方法。
【請求項4】
前記第1のタイミングで、NANDストリングのビット線側トランジスタを導通にする、請求項1ないし3いずれか1つに記載のプリチャージ方法。
【請求項5】
前記第1ないし前記第4の制御信号は、第1ないし第4のトランジスタを導通させるときHレベルに駆動される、請求項1に記載のプリチャージ方法。
【請求項6】
NAND型のメモリセルアレイと、
メモリセルアレイに接続されたページバッファ/センス回路と、
前記ページバッファ/センス回路に接続されたビット線選択回路と、
メモリセルアレイの選択ページを読み出す読出し手段とを含み、
前記ページバッファ/センス回路は、電圧供給ノードと、当該電圧供給ノードとセンスノードとの間に接続された第1のトランジスタと、前記センスノードに接続され、クランプ電圧を生成する第2のトランジスタと、第2のトランジスタと前記ビット線選択回路のノードとの間に接続された第3のトランジスタとを含み、
前記ビット線選択回路は、前記ビット線選択回路のノードとビット線との間に接続された第4のトランジスタを含み、
前記読出し手段は、
第1のタイミングで、第1の制御信号を介して第1のトランジスタを導通させ、
第2のタイミングで、第2の制御信号および第3の制御信号を介して第2のトランジスタおよび第3のトランジスタを導通させ、
第3のタイミングで、第4の制御信号を介して第4のトランジスタを導通させ、
前記第3のタイミング後の第4のタイミングで、前記電圧供給ノードの供給電圧レベルの駆動能力を低い駆動能力から高い駆動能力に切替える、半導体記憶装置。
【請求項7】
前記読出し手段は、前記第1のタイミングで、前記電圧供給ノードをGNDレベルから供給電圧レベルに遷移させる、請求項6に記載の半導体記憶装置。
【請求項8】
前記ビット線選択回路は、偶数ビット線と仮想電源との間に接続された第5のトランジスタと奇数ビット線と仮想電源との間に接続された第6のトランジスタとを含み、
前記読出し手段は、前記第1のタイミングで、第5の制御信号または第6の制御信号を介して選択ビット線と仮想電源との間の接続を遮断するために第5または第6のトランジスタを非導通にする、請求項6に記載の半導体記憶装置。
【請求項9】
前記読出し手段は、前記第1のタイミングで、選択ゲート線を介してNANDストリングのビット線側トランジスタを導通にする、請求項6に記載の半導体記憶装置。
【請求項10】
半導体記憶装置はさらに、内部電圧生成手段を含み、
前記内部電圧生成手段は、外部電源電圧に基づき内部電源電圧を生成する内部電源電圧生成回路と、前記外部電源電圧に基づき高電圧を生成するチャージポンプと、前記チャージポンプで生成された高電圧に基づきレギュレートされた電圧を生成するレギュレータとを含み、
前記読出し手段は、前記レギュレータで生成された電圧を使用して前記第1、第3および第4の制御信号を生成し、かつ前記内部電源電圧を用いて前記電圧供給ノードの供給電圧を生成する、請求項6に記載の半導体記憶装置。
【請求項11】
前記内部電圧生成手段は、前記外部電源電圧に基づき高電圧を生成する別のチャージポンプと、前記別のチャージポンプで生成された高電圧に基づきレギュレートされた電圧を生成する別のレギュレータとを含み、前記第2の制御信号は、前記別のレギュレータで生成された電圧を使用して生成される、請求項10に記載の半導体記憶装置。
【請求項12】
前記内部電源電圧生成回路は、前記読出し手段からの制御に基づき第3のタイミング後の第4のタイミングまでは駆動能力の低い内部電源電圧を生成し、前記第4のタイミング後は駆動能力の高い内部電源電圧を生成する、請求項10に記載の半導体記憶装置。
【請求項13】
前記読出し手段は、前記チャージポンプで生成された高電圧を使用して選択ゲート信号を生成する、請求項10に記載の半導体記憶装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フラッシュメモリ等の半導体記憶装置に関し、特にビット線のプリチャージ方法に関する。
【背景技術】
【0002】
NAND型フラッシュメモリの読出し動作では、偶数ビット線のページまたは奇数ビット線のページが交互に読出すことで隣接するビット線間の容量結合によるノイズを低減する、いわゆるシールド読出しが行われている(例えば、特許文献1)。また、読出し動作においてビット線をプリチャージするときのピーク電流を抑制するため、センスノードのプリチャージを複数回に分け、かつ選択ビット線へのプリチャージを複数回に分ける方法が特許文献2に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平11-176177号公報
【文献】特許第6164713号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図1(A)は、NAND型フラッシュメモリのページバッファ/センス回路の全体構成を示す図である。同図に示すように、1つのページバッファ/センス回路は、1つの偶数ビット線GBLeと1つの奇数ビット線GBLoによって共有され、ページバッファ/センス回路10は、1ページ分のn個のページバッファ/センス回路10_1、10_2、…、10_nを含む(nは、例えば32K個)。
【0005】
図1(B)は、1つのページバッファ/センス回路とこれに接続されるビット線選択回路の構成を示している。ページバッファ/センス回路10_1は、ビット線上に読み出されたデータを感知したり、あるいはビット線にプログラムすべきデータ「0」または「1」に応じた電圧をセットするセンス回路20と読み出されたデータやプログラムすべきデータを保持するラッチ回路30とを含む。
【0006】
ここでは、便宜上、ゲートに印加される信号をトランジスタの識別に用いる。また、全てのトランジスタはNMOSトランジスタである。センス回路20は、電圧供給ノードV1とセンスノードSNSとの間に接続され、プリチャージ用の電圧をセンスノードSNSに供給するトランジスタBLPRE、ノードTOBLにクランプ電圧を生成するトランジスタBLCLAMP、ノードTOBLとビット線選択回路40のノードBLSとの間に接続されたトランジスタBLCNを含む。センス回路20のセンスノードSNSは、電荷転送用のトランジスタを介してラッチ回路30に接続され、また、トランジスタBLCNがビット線選択回路40のノードBLSに接続される。
【0007】
ビット線選択回路40は、偶数ビット線GBLeを選択するためのトランジスタBLSe、奇数ビット線GBLoを選択するためのトランジスタBLSo、仮想電源VIRPWRを偶数ビット線GBLeに接続するためのトランジスタYBLe、仮想電源VIRPWRを奇数ビット線GBLoに接続するためのトランジスタYBLoを含んで構成される。偶数ビット線GBLeおよび奇数ビット線GBLoには、それぞれ図示しないNANDストリングが接続される。
【0008】
センス回路20およびビット線選択回路40の動作は、ページバッファ制御12が生成するページバッファ制御信号(図1(B)のBLPRE、BLCLAMP、BLCN、BLSe/o、YBLe/oのなどの信号)によって制御される。
【0009】
図2は、従来のビット線のプリチャージ動作を示すシーケンスであり(特許文献2)、ページバッファ/センス回路の各部の電圧波形が示されている。ここでは、ビット線選択回路40によって偶数ビット線が選択されるものとする。
【0010】
時刻t1:電圧供給ノードV1がGNDからVcc(例えば1.8V)に遷移される。
時刻t2:トランジスタBLPREのゲートにVccが印加され、センスノードSNSがVcc-Vthにプリチャージされる(Vthは、トランジスタBLPREのしきい値である)。
時刻t3:トランジスタYBLeがオフし、偶数ビット線GBLeが仮想電源VIRPWRから切り離される。
時刻t4:トランジスタBLCLAMPのゲートにVCLAMP2+Vthが印加され、ノードTOBLにVCLAMP2またはVcc-Vthのいずれか小さい電圧が生成される(Vthは、トランジスタBLCLAMPのしきい値である)。
時刻t5:トランジスタBLCNのゲートにVccよりも高い電圧(例えば5V)が印加され、ノードTOBLがビット線選択回路40のノードBLSに接続される。トランジスタBLCNが強くオンされ、ノードBLSは、ノードTOBLとほぼ等しいVCLAMP2またはVcc-Vthのいずれか小さい電圧でプリチャージされる。
時刻t6:トランジスタBLSeのゲートにVccよりも高い電圧(例えば5V)が印加され、ノードBLSが選択ビット線GBLeに接続され、選択ビット線GBLeは、VCLAMP2またはVcc-Vthのいずれか小さい電圧でプリチャージを開始される。
時刻t7:トランジスタBLCLAMPのゲートにVCLAMP1+Vthが印加され、ノードTOBLにVCLAMP1またはVcc-Vthのいずれか小さい電圧が生成される。VCLAMP1>VCLAMP2の関係にある。このとき、センスノードSNSのプリチャージ電位Vcc-VthがトランジスタBLCLAMPを介して、ノードTOBL、ノードBLSおよび選択ビット線GBL_eに供給され、全体がVCLAMP1またはVcc-Vthのいずれか小さい電圧にプリチャージされる。
時刻t8:トランジスタBLPREのゲートにVccよりも高い電圧(例えば、4V)が印加され、トランジスタBLPREが強くオンし、センスノードSNSの電圧はVccに昇圧される。Vcc>VCLAMP1の関係にある。こうして、最終的にノードTOBLから選択ビット線GBLeがターゲットであるVCLAMP1にプリチャージされる。
【0011】
このように従来のプリチャージ方法は、複数のトランジスタが同時にオンしないようにトランジスタを1つずつオンさせることでピーク電流を抑制することができる利点がある反面、ビット線へのプリチャージを開始するまでの時間(時刻t6)が長くなり、読出し動作に時間がかかってしまうという課題がある。また、SPI(Serial Peripheral Interface)機能を搭載するNAND型フラッシュメモリにおいて、外部シリアルクロック信号に同期してページの連続読出しを高速で行う場合、メモリアレイの読出し時間を一定のスペックを満たすように短縮させる必要がある。
【0012】
本発明は、このような従来の課題を解決し、プリチャージ動作時のピーク電流を抑制しつつ読出し時間の短縮を図る半導体記憶装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係るNAND型フラッシュメモリのビット線のプリチャージ方法は、第1のタイミングで、センスノードにプリチャージ用の電圧を印加するための第1のトランジスタを第1の制御信号により導通させ、第2のタイミングで、前記センスノードに接続されたクランプ電圧を生成するための第2のトランジスタを第2の制御信号により導通させ、かつ第2のトランジスタとビット線側のノードとの間に接続された第3のトランジスタを第3の制御信号により導通させ、第3のタイミングで、前記ノードとビット線との間に接続された第4のトランジスタを第4の制御信号により導通させる。
【0014】
ある実施態様では、プリチャージ方法はさらに、前記第1のタイミングで、第1のトランジスタに接続された電圧供給ノードをGNDレベルから供給電圧レベルに遷移させる。ある実施態様では、プリチャージ方法はさらに、前記第3のタイミング後の第4のタイミングで、前記供給電圧レベルの駆動能力を低い駆動能力から高い駆動能力に切替えるステップを含む。ある実施態様では、前記第1のタイミングで、ビット線と仮想電源との間に接続された第5のトランジスタを第5の制御信号により非導通にする。ある実施態様では、前記第1のタイミングで、NANDストリングのビット線側トランジスタを導通にする。ある実施態様では、前記第1ないし前記第4の制御信号は、第1ないし第4のトランジスタと導通させるときHレベルに駆動される。
【0015】
本発明に係る半導体記憶装置は、NAND型のメモリセルアレイと、メモリセルアレイに接続されたページバッファ/センス回路と、前記ページバッファ/センス回路に接続されたビット線選択回路と、メモリセルアレイの選択ページを読み出す読出し手段とを含み、前記ページバッファ/センス回路は、電圧供給ノードと、当該電圧供給ノードとセンスノードとの間に接続された第1のトランジスタと、前記センスノードに接続され、クランプ電圧を生成する第2のトランジスタと、第2のトランジスタと前記ビット線選択回路のノードとの間に接続された第3のトランジスタとを含み、前記ビット線選択回路は、前記ノードとビット線との間に接続された第4のトランジスタを含み、前記読出し手段は、第1のタイミングで、第1の制御信号を介して第1のトランジスタを導通させ、第2のタイミングで、第2の制御信号および第3の制御信号を介して第2のトランジスタおよび第3のトランジスタを導通させ、第3のタイミングで、第4の制御信号を介して第4のトランジスタを導通させる。
【0016】
ある実施態様では、前記読出し手段は、前記第1のタイミングで、前記電圧供給ノードをGNDレベルから供給電圧レベルに遷移させる。ある実施態様では、前記読出し手段は、前記第3のタイミング後の第4のタイミングで、前記供給電圧レベルの駆動能力を低い駆動能力から高い駆動能力に切替える。ある実施態様では、前記ビット線選択回路は、偶数ビット線と仮想電源との間に接続された第5のトランジスタと奇数ビット線と仮想電源との間に接続された第6のトランジスタとを含み、前記読出し手段は、前記第1のタイミングで、第5の制御信号または第6の制御信号を介して選択ビット線と仮想電源との間の接続を遮断するために第5または第6のトランジスタを非導通にする。ある実施態様では、前記読出し手段は、前記第1のタイミングで、選択ゲート線を介してNANDストリングのビット線側トランジスタを導通にする。ある実施態様では、半導体記憶装置はさらに、内部電圧生成手段を含み、前記内部電圧生成手段は、外部電源電圧に基づき内部電源電圧を生成する内部電源電圧生成回路と、前記外部電源電圧に基づき高電圧を生成するチャージポンプと、前記チャージポンプで生成された高電圧に基づきレギュレートされた電圧を生成するレギュレータとを含み、前記読出し手段は、前記レギュレータで生成された電圧を使用して前記第1、第3および第4の制御信号を生成し、かつ前記内部電源電圧を用いて前記電圧供給ノードの供給電圧を生成する。ある実施態様では、前記内部電圧生成手段は、前記外部電源電圧に基づき高電圧を生成する別のチャージポンプと、前記チャージポンプで生成された高電圧に基づきレギュレートされた電圧を生成する別のレギュレータとを含み、前記第2の制御信号は、前記別のレギュレータで生成された電圧を使用して生成される。ある実施態様では、前記内部電源電圧生成回路は、前記読出し手段からの制御に基づき駆動能力の高い内部電源電圧または駆動能力の低い内部電源電圧を選択的に生成する。ある実施態様では、前記読出し手段は、前記チャージポンプで生成された高電圧を使用して前記選択ゲート信号を生成する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、第1ないし第3のタイミングで第1ないし第4の制御信号を介して第1ないし第4のトランジスタを導通させてビット線のプリチャージを行うようにしたので、プリチャージ動作時のピーク電流を抑制しつつプリチャージを開始するまでの時間を短くし、これにより読出し時間の短縮を図ることができる。また、第1、第3、第4の制御信号が同時にHレベルに駆動されず、かつ電圧供給ノードからビット線に同時に電圧がプリチャージされないようにしたので、プリチャージによるピーク電流を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1(A)は、ページバッファ/センス回路の全体構成を示す図、図1(B)は、1つのページバッファセンス回路とこれに接続されるビット線選択回路の構成を示す図である。
図2図2(A)は、従来のビット線のプリチャージ動作を示すシーケンス、図2(B)は、従来のプリチャージ動作の6ステップを示す図である。
図3】本発明の実施例に係るNAND型フラッシュメモリの構成を示す図である。
図4】NAND型フラッシュメモリのNANDストリングセルを示す図である。
図5】本発明の実施例に係る内部電圧生成回路の構成を示す図である。
図6】本発明の実施例に係るVdd生成回路の構成を示す図である。
図7】本発明の実施例に係るV1駆動回路の構成を示す図である。
図8図8(A)は、本発明の実施例に係るビット線のプリチャージ動作のシーケンスを示す図、図8(B)は、本実施例のプリチャージ動作の4ステップを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、本発明の実施の形態について説明する。本発明の半導体記憶装置は、NAND型フラッシュメモリを含む。NAND型フラッシュメモリが含まれる形態は任意であり、半導体記憶装置は、NAND型フラッシュメモリとともに他の揮発性メモリ(例えば、DRAM、SRAM等)、ロジック、DSP、CPU等が包含されてもよい。
【実施例
【0020】
図3は、本発明の実施例に係るNAND型フラッシュメモリの構成を示す図である。本実施例のフラッシュメモリ100は、複数のメモリセルが行列状に配列されたメモリセルアレイ110と、外部入出力端子I/Oに接続された入出力バッファ120と、メモリセルアレイ110にプログラムするデータやそこから読み出されたデータの誤り検出・訂正を行うECC回路130と、入出力バッファ120からのアドレスデータを受け取るアドレスレジスタ140と、外部ホスト装置からのコマンドや制御信号に基づき読出し、プログラム、消去等を制御するコントローラ150と、アドレスレジスタ140から行アドレス情報Axをデコードし、デコード結果に基づきブロックの選択やワード線の選択等を行うワード線選択回路160と、ワード線選択回路160によって選択されたページの読出しデータを保持したり、選択されたページへプログラムするデータを保持するページバッファ/センス回路170と、アドレスレジスタ140から列アドレス情報Ayをデコードし、当該デコード結果に基づきページバッファ/センス回路170内の列の選択等を行う列選択回路180と、読出し、プログラムおよび消去等のために必要な種々の電圧(読出し電圧Vread、プログラム電圧Vpgm、内部電源電圧Vdd、レギュレータ電圧Vregなど)を生成する内部電圧生成回路190とを含んで構成される。
【0021】
メモリセルアレイ110は、m個の複数のブロックBLK(0)、BLK(1)、・・・、BLK(m-1)を含む。1つのブロックには、図4に示すように、メモリセルが直列に接続されたNANDストリングNUが複数形成される。1つのNANDストリングNUは、複数のメモリセル(図の例では64個)と、ビット線側選択トランジスタと、ソース線側選択トランジスタとを含む。ビット線側選択トランジスタは、ゲートに印加される選択ゲート信号SGDに基づきメモリセルをビット線に接続し、ソース線側選択トランジスタは、ゲートに印加される選択ゲート信号SGSに基づきメモリセルをソース線SLに接続する。図の例では、1つのブロック内に2ページ分のNANDストリングNUが形成され、偶数番のNANDストリングNUは偶数ビット線GBLeに接続され、奇数番のNANDストリングNUは奇数ビット線GBLoに接続される。
【0022】
メモリセルアレイ110は、基板表面に2次元的に形成されるものであってもよいし、基板表面から垂直方向に3次元的に形成されるものであってもよい。また、メモリセルは、1ビット(2値データ)を記憶するSLCタイプでもよいし、多ビットを記憶するMLCタイプであってもよい。
【0023】
ECC回路130は、コマンドまたは出荷時の設定等により動作または非動作にすることが可能である。ECC回路130が動作されるとき、ECC回路130は、メモリセルアレイ110から読出したデータの誤り検出・訂正を行い、あるいはメモリセルアレイ110にプログラムすべきデータの誤り検出・訂正を行う。
【0024】
コントローラ150は、ステートマシンあるいはマイクロコントローラを含み、フラッシュメモリの各動作を制御する。読出し動作では、ビット線に或る正の電圧を印加し、選択ワード線に或る電圧(例えば0V)を印加し、非選択ワード線にパス電圧を印加し、選択ゲート信号SGD、SGSに正の電圧を印加し、ソース線に0Vを印加する。プログラム動作では、選択ワード線に高電圧のプログラム電圧Vpgmを印加し、非選択のワード線に中間電位を印加し、ビット線側選択トランジスタをオンさせ、ソース線側選択トランジスタをオフさせ、「0」または「1」のデータに応じた電位をビット線に供給する。消去動作では、ブロック内の全ての選択ワード線に0Vを印加し、Pウエルに高電圧の消去電圧を印加し、フローティングゲートの電子を基板に引き抜き、ブロック単位でデータを消去する。
【0025】
ページバッファ/センス回路170は、図1に示したように、センス回路20と、ラッチ回路30とを含む。1つのページバッファ/センス回路170は、ビット線選択回路40を介して偶数ビット線と奇数ビット線に共有され、それ故、ページバッファ/センス回路170は、1ページ(例えば、32K)の数を含む。ページバッファ/センス回路170やビット線選択回路40は、図1に示すページバッファ制御12が生成するページバッファ制御信号により制御される。
【0026】
内部電圧生成回路190は、上記したように読出し動作、プログラム動作、消去動作のときに必要な種々の電圧を生成する。読出し動作時に使用される電圧に関し、内部電圧生成回路190は、図5に示すように、Vdd生成回路200、チャージポンプ210、レギュレータ210を含む。
【0027】
Vdd生成回路200は、外部電源電圧Vccを用いて内部電源電圧Vddを生成する。外部電源電圧Vccは、例えば、3.3Vであり、内部電源電圧Vddは、例えば、1.8Vである。内部電源電圧Vddは、例えば、ページバッファ/センス回路170の電圧供給ノードV1や仮想電源VIRPWRの電圧に使用される。
【0028】
チャージポンプ210は、外部電源電圧Vccを用いて高電圧Vxdを生成する。高電圧は、例えば、5.4Vである。高電圧Vxdは、ビット線側選択トランジスタの選択ゲート線SGDやソース線側選択トランジスタの選択ゲート線SGSを生成するためのレギュレータやレベルシフタに使用される。
【0029】
レギュレータ220は、チャージポンプ210で生成された高電圧Vxdを使用して電圧VYPASSBを生成する。電圧VYPASSBは、例えば、4.4Vである。電圧VYPSSBは、ページバッファ/センス回路170を制御するためのページバッファ制御信号(BLPRE、BLCN、BLSe/o、YBLe/o)等に使用される。
【0030】
図6に、Vdd生成回路200の一例を示す。Vdd生成回路200は、外部電源電圧VccとGNDとの間の電流経路に直列に接続されたPMOSトランジスタと抵抗分割器とを含み、さらに抵抗分割器で分圧されたノードの電圧と基準電圧Vrefとを比較し、その比較結果に基づきPMOSトランジスタを制御するオペアンプとを含む。出力端子は、外部電源電圧Vccを降圧した内部電源電圧Vddを出力する。この内部電源電圧Vddは、V1駆動回路や仮想電源VIRPWRの駆動回路等に供給される。
【0031】
V1駆動回路の構成を図7に示す。V1駆動回路300は、ページバッファ/センス回路170の電圧供給ノードV1を駆動する回路である。V1駆動回路300は、内部電源電圧Vddで動作され、内部電源電圧Vddと出力ノードV1との間に並列に接続されたP型のプルアップトランジスタPU1、PU2と、出力ノードV1とGNDとの間に接続されたN型のプルダウントランジスタPDと、これらのトランジスタPU1、PU2、PDの各ゲートに出力が接続されたインバータ310、320、330とを含む。インバータ310、320、330には、コントローラ150からの制御信号S1、S2、S3が入力される。
【0032】
プルアップトランジスタPU1、PU2、プルダウントランジスタPD、インバータ310、320、330を構成するPMOS/NMOSトランジスタは、内部電源電圧Vddの低電圧(例えば、1.8V)で駆動され、トランジスタの耐圧が小さくて済み、ゲート長Lgは0.3μmである。
【0033】
また、プルアップトランジスタPU2の駆動能力は、プルアップトランジスタPU1の駆動能力よりも強く構成される。つまり、プルアップトランジスタPU2のW/L比は、プルアップトランジスタPU1のW/L比よりも大きく、それ故、プルアップトランジスタPU2が導通したときに流れるドレイン電流は、プルアップトランジスタPU1が導通したときに流れるドレイン電流よりも大きい。
【0034】
制御信号S1がHレベル、制御信号S2がLレベル、制御信号S3がHレベルであるとき、プルアップトランジスタPU1がオンし、プルアップトランジスタPU2がオフし、プルダウントランジスタPDがオフし、出力ノードV1には、駆動能力の弱い電圧Vddが生成される。また、制御信号S1がLレベル、制御信号S2がHレベル、制御信号S3がHレベルであるとき、プルアップトランジスタPU1がオフし、プルアップトランジスタPU2がオンし、プルダウントランジスタPDがオフし、出力ノードV1には、駆動能力の強い電圧Vddが生成される。あるいは、制御信号S1がHレベル、制御信号S2がHレベル、制御信号S3がHレベルであるとき、プルアップトランジスタPU1がオンし、プルアップトランジスタPU2がオンし、プルダウントランジスタPDがオフし、出力ノードV1には、駆動能力の弱い電圧Vddと駆動能力の強い電圧Vddとの合成が生成される。制御信号S1、S2、S3がLレベルのとき、プルアップトランジスタPU1、PU2がオフし、プルダウントランジスタPDをオンし、出力ノードV1にGNDレベルが生成される。
【0035】
次に、本実施例の読出し動作/ベリファイ読出し時のビット線のプリチャージ動作について説明する。ページバッファ/センス回路170の数は非常に膨大であり(1ページは例えば32K個)、ページバッファ制御信号(例えば、BLPRE、BLCN、BLSe/o、YBLe/o)をLレベルからHレベルに変化させるとき、これらの制御信号を駆動するために大きな電流が消費される。また、センスノードSNSの容量やブロック間を跨ぐように配線されるビット線の容量は大きいため、センスノードSNSを介してビット線をプリチャージするとき消費電流が大きくなる。
【0036】
ページバッファ制御信号を一斉にLからHに遷移させると、ページバッファ制御信号に使用される電圧VYPASSBが一時的に降下する。電圧VYPASSBは高電圧Vxdを利用するため、高電圧Vxdも同時に一時的に降下する。高電圧Vxdは、選択ゲート信号SGS/SGSの生成やレベルシフタに使用され、もし、高電圧Vxdの電圧降下が大きいと、レベルシフタは、最悪の場合、出力を反転させ、誤動作するおそれがある。また、電圧供給ノードV1からビット線に一斉にプリチャージ用の電流を流すと、内部電源電圧Vddが一時的に降下し、ひいては外部電源電圧Vccが一時的に降下し、フラッシュメモリの動作がスタックまたはリセットされてしまう。それ故、ビット線のプリチャージを行うときのピーク電流は出来るだけ抑制されることが望ましい。
【0037】
本実施例では、そのような観点から、複数のページバッファ制御信号を同時にスイッチ(LからHへの遷移、またはHからLへの遷移)することに関して1つの制約を有する。ページバッファ制御信号をLからHに変化させるとき、電圧VYPASSBによって生成される複数のページバッファ制御信号を同時にスイッチしないという制約である。すなわち、制御信号BLPRE、制御信号BLCN、制御信号BLSe/0の3つの制御信号を同時にHレベルにスイッチしてはいけない。もし、これらの3つの制御信号が同時にHレベルにスイッチされると、電圧VYPASSBに大きな電圧降下が生じる。なぜなら、ページバッファ/センス回路170のトランジスタのゲートキャパシタンスが大きく、それが1ページ分の数だけ存在すると、これらをHレベルに駆動するには大きな電流が消費されるからである。言い換えれば、これら3つの制御信号のいずれか1つをHレベルにスイッチするとき、それ以外の制御信号を同時にスイッチすることは許される。例えば、電圧供給ノードV1をHレベルにスイッチされたり、制御信号YBLe/oをLレベルにスイッチしたり、制御信号BLCLAMPをHレベルにスイッチされることは許される。
【0038】
また、上記の3つの制御信号のいずれか1つをHレベルにスイッチするとき、選択ゲート信号SGD/SGSを同時にスイッチすることも許される。例えば、選択ゲート信号SGDがHレベルに駆動される。選択ゲート信号は、チャージポンプ210により生成された高電圧Vxdを使用するが、NANDストリングのビット線側選択トランジスタやソース線側選択トランジスタはメモリセルと同様にサイズが小さく、それ故、これらのトランジスタのゲートキャパシタンスは、ページバッファセンス回路170やビット線選択回路40のトランジスタよりも十分に小さい。このため、選択ゲート線による電圧Vxdの降下は、仮に、ページバッファ制御信号のスイッチと同時であったとしても無視できるものである。
【0039】
制御信号BLCLAMPはノードTOBLにVCLAMP1またはVCLAMP2を生成するため、ゲートにはVCLAMP1+VthないしVCLAMP2+Vthのクランプ電圧が印加される。VCLAMP1+Vth、VCLAMP2+Vthは、Vccより高い電圧レベルが必要になる場合がある。ただし、上記の3つの制御信号と異なり、クランプ電圧であるため、常に一定の電圧レベルが維持されることが期待される。例えば、図示しないレギュレータによって、VYPASSBから降圧されたVCLAMP1+Vth、VCLAMP2+Vthを生成した場合、上記の3つの制御信号のスイッチングで、制御信号BLCLAMPは一時的に電圧降下を起こす可能性がある。そのため、VYPASSBとは異なるVccより高いレギュレーション電圧から降圧して生成することが望ましい。例えば、図5に示す電圧生成回路190はさらに、チャージポンプ210とは異なる別のチャージポンプと、当該別のチャージポンプで生成された高電圧をレギュレートする別のレギュレータとを含み、制御信号BLCLAMPのクランプ電圧(VCLAMP1+Vth、VCLAMP2+Vth)は、この別のレギュレータの電圧を利用して生成される。
【0040】
次に、本実施例の具体的なビット線のプリチャージ方法を図8のシーケンスを参照して説明する。ここでは、偶数ビット線がビット線選択回路により選択されるものとする。
時刻t1:電圧供給ノードV1がGNDレベルから内部電源電圧Vddに切替えられる。コントローラ150は、制御信号S1、S2、S3を介してV1駆動回路300(図7を参照)の出力ノードV1に駆動能力の弱い内部電源電圧Vdd(例えば、1.8V)を生成させる。つまり、プルアップトランジスタPU1をオンさせ、プルアップトランジスタPU2およびプルダウントランジスタPDをオフさせる。
さらに時刻t1で、制御信号BLPREがLレベルからHレベル(例えば、4.4V)に駆動され、トランジスタBLPREがオンし、選択ゲート信号SGDがLレベルからHレベル(例えば、4.5V)に駆動され、ビット線側選択トランジスタがオンする。また、制御信号YBLeがHレベルからLレベルに遷移され、トランジスタYBLeがオフし、偶数ビット線GBLeが仮想電源VIRPWRから切断される。こうして、センスノードSNSには、内部電源電圧Vddが充電される。この充電は、駆動能力の弱い内部電源電圧Vddを利用するため、充電速度は比較的緩やかである。
【0041】
時刻t2:制御信号BLCLAMPがLレベルからHレベル(電圧VCLAMP1+Vth)に駆動され、トランジスタBLCLAMPがオンし、かつ制御信号BLCNがLレベルからHレベル(例えば、4.4V)に駆動され、トランジスタBLCNがオンする。Vcc>VCLAMP1の関係にある。こうして、ノードTOBLおよびノードBLSには、VCLAMP1の電圧が充電される。Vthは、トランジスタBLCLAMPのしきい値である。
【0042】
時刻t3:制御信号BLSeがLレベルからHレベル(例えば、4.4V)に駆動され、トランジスタBLSeがオンする。これにより、偶数ビット線GBLeがノードBLSに接続され、偶数ビット線GBLeへのプリチャージが開始される。この充電は、駆動能力の弱い内部電源電圧Vddを利用するため、充電速度は比較的緩やかである。
【0043】
時刻t4:時刻t3から一定時間経過後の時刻t4で、電圧供給ノードV1から供給される内部電源電圧Vddが強い駆動能力に切替えられる。コントローラ150は、コントローラ150は、制御信号S1、S2、S3を介してV1駆動回路300の出力ノードV1に駆動能力の強い内部電源電圧Vdd(例えば、1.8V)を生成させる。例えば、プルアップトランジスタPU1とプルアップトランジスタPU2をオンさせ、プルダウントランジスタPDをオフさせる。これにより、偶数ビット線GBLeは、駆動能力の強い内部電源電圧Vddによって急速に充電される。
【0044】
時刻t1~時刻t4では、電圧供給ノードV1から供給される内部電源電圧Vddが弱い駆動能力であるため、時刻t4の時点では、ノードSNSはターゲット電圧であるVddより低い電圧までしか初期充電されないかもしれない。同様に、ノードTOBL、ノードBLS、偶数ビット線GBLeはターゲット電圧であるVCLAMP1より低い電圧までしか初期充電されないかもしれない。時刻t4で電源供給ノードV1から供給される内部電源電圧Vddが強い駆動能力に切り替わるため、ノードSNS、ノードTOBL、ノードBLS、偶数ビット線GBLeはそれぞれターゲット電圧まで充電されるため、電圧供給ノードV1によるピーク電流を減らしつつ、ターゲット電圧までプリチャージされる。
【0045】
図8(B)は、本実施例のプリチャージ方法の4ステップを示し、これを図2(B)の従来のプリチャージ方法の6ステップと対比すると、本実施例では、プリチャージを開始する時刻がt4であるのに対し従来は時刻t6であり、本実施例のプリチャージの開始時刻が速くなっていることがわかる。
【0046】
従来のプリチャージ方法は、クランプ電圧をVCLAMP2からVCLAMP1に2段階に分けて昇圧したが、本実施例では、一度にVCLAMP1を生成している。このことに関し、2つの懸念が生じる。1つは、ピーク電流であり、もう1つは、ビット線のプリチャージ電圧レベルである。
【0047】
ピーク電流に関し、最大のピーク電流は、容量が大きいセンスノードSNSやビット線へのプリチャージの開始後に生じる。本実施例では、上記したように時刻t1~t4の間は、電圧供給ノードV1から供給される内部電源電圧Vddが弱い駆動能力になっており、つまり、時刻t1で弱い駆動能力を用いてセンスノードSNSへの初期充電をし、時刻t2でノードBLSへの初期充電をし、そして時刻t3でビット線への初期充電を順番に段階的に開始するため、VCLAMP1の生成によるピーク電流はそれほど大きな問題にはならない。
【0048】
また、ビット線のプリチャージ電圧レベルに関し、もし、ノードSNSおよびノードTOBLの電圧が急激に変化すると、トランジスタBLCLAMPがカップリング効果で暫し不安定になる。PVT(プロセス/電圧/温度)の条件にも左右されるが、不安定なトランジスタBLCLAMPは、より大きなプリチャージ電圧レベルを引き起こすおそれがある。しかしながら、本実施例では、VCLAMP1を生成するとき、時刻t1~t4の間は、駆動能力の弱い内部電源電圧Vddを用いることで、ノードSNSおよびノードTOBLの急激な電圧変動を抑制する。さらに、時刻t4以降は、駆動能力の強い内部電源電圧Vddを用いるが、ノードSNSおよびノードTOBLは初期充電されており、ターゲット電圧の差分だけ充電されるので、この現象を抑制することができる。
【0049】
このように本実施例によれば、従来のプリチャージ方法に比べてプリチャージを開始するまでの時間を短くしつつピーク電流を抑止し、さらに不所望なプリチャージ電圧レベルが生成されることが抑制される。
【0050】
本実施例のプリチャージ方法は、通常の読出し動作やプログラム動作時のベリファイ読出しにも適用される。さらに本実施例のプリチャージ方法は、外部シリアルクロック信号に同期してページを連続的に読み出す動作にも適用することができる。
【0051】
本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明は、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0052】
10:ページバッファ/センス回路 12:ページバッファ制御
30:ラッチ回路 40:ビット線選択回路
100:フラッシュメモリ 110:メモリセルアレイ
120:入出力バッファ 130:ECC回路
140:アドレスレジスタ 150:コントローラ
160:ワード線選択回路 170:ページバッファ/センス回路
180:列選択回路 190:内部電圧生成回路
200:Vdd生成回路 210:チャージポンプ
220:レギュレータ 300:V1駆動回路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8