(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-23
(45)【発行日】2022-05-31
(54)【発明の名称】ビームベースの通信システムにおけるワイヤレスデバイス同期のための方法および装置
(51)【国際特許分類】
H04W 56/00 20090101AFI20220524BHJP
H04W 72/04 20090101ALI20220524BHJP
H04W 16/28 20090101ALI20220524BHJP
H04W 76/10 20180101ALI20220524BHJP
【FI】
H04W56/00 130
H04W72/04 136
H04W16/28
H04W76/10
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020163835
(22)【出願日】2020-09-29
(62)【分割の表示】P 2019507770の分割
【原出願日】2017-08-11
【審査請求日】2020-10-22
(32)【優先日】2016-08-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】100109726
【氏名又は名称】園田 吉隆
(74)【代理人】
【識別番号】100161470
【氏名又は名称】冨樫 義孝
(74)【代理人】
【識別番号】100194294
【氏名又は名称】石岡 利康
(74)【代理人】
【識別番号】100194320
【氏名又は名称】藤井 亮
(72)【発明者】
【氏名】ダ シルバ, イカロ
(72)【発明者】
【氏名】ムーサビ, レザー
(72)【発明者】
【氏名】ラーマチャンドラ, プラディーパ
(72)【発明者】
【氏名】ヴィーマン, ヘニング
【審査官】松野 吉宏
(56)【参考文献】
【文献】Huawei, HiSilicon,Considerations on New Radio Access Mechanisms in NR,3GPP TSG-RAN WG1#85 R1-164371,フランス,3GPP,2016年05月15日
【文献】Huawei, HiSilicon,Frame structure design considerations for bands above 6 GHz,3GPP TSG-RAN WG1#85 R1-164380,フランス,3GPP,2016年05月15日
【文献】Samsung,RLF in Rel-13 Low Complexity MTC,3GPP TSG-RAN WG2#92 R2-156814,フランス,3GPP,2015年11月07日
【文献】CATT,Intra-RAT mobility in NR,3GPP TSG-RAN WG2#94 R2-163473,フランス,3GPP,2016年05月14日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ機器(UE)(50)により実行される方法(900)であって、
異なる同期信号のセットを指示する情報を
送信ポイント(30)から受信することであって、前記同期信号は前記
送信ポイントとの同期を得るかまたは維持するために働く、受信することと、
前記セット内の前記同期信号のうちの少なくとも1つと動的に同期することまたは再同期することによって、2つ以上のビームに対応するカバレッジエリア間の移動に関連して、前記
送信ポイント(30)との同期を維持すること(904)と
を含み、
前記UEは、前記セットから同期を得ることが可能である限り無線リンク障害をトリガしない、方法(900)。
【請求項2】
前記情報を受信することは、検出されたシグナリングにより、前記UE(50)に前記同期信号のセットが明示的に設定されることを含む、請求項1に記載の方法(900)。
【請求項3】
同期ソースとして使用すべき前記同期信号のセットの変更を指示するさらなる情報を、前記
送信ポイント(30)から受信することをさらに含む、請求項1または2に記載の方法(900)。
【請求項4】
前記
送信ポイント(
30)からの前記情報の受信に基づいて、前記同期信号のセットのうちの各同期信号を受信するために使用されるダウンリンクリソースを判定することをさらに含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法(900)。
【請求項5】
ワイヤレス通信ネットワーク(20)内で動作するユーザ機器(UE)(50)であって、
送信ポイント(30)から、前記
送信ポイントとの同期を得るかまたは維持するための異なる同期信号のセットを指示する情報を受信することと、
前記セット内の前記同期信号のうちの少なくとも1つの同期信号と動的に同期することまたは再同期することによって、2つ以上のビームに対応するカバレッジエリア間の移動に関連して、前記
送信ポイント(30)との同期を維持することと
を行うように設定され、
前記UEは、前記セットから同期を得ることが可能である限り無線リンク障害をトリガしない、UE(50)。
【請求項6】
前記情報を受信することは、検出されたシグナリングにより、前記UE(50)に前記同期信号のセットが明示的に設定されることを含む、請求項5に記載のUE(50)。
【請求項7】
同期ソースとして使用すべき前記同期信号のセットの変更を指示するさらなる情報を、前記
送信ポイント(30)から受信することをさらに含む、請求項5または6に記載のUE(
50)。
【請求項8】
前記
送信ポイント(
30)から受信した前記情報に基づいて、前記同期信号のセットのうちの各同期信号を受信するために使用されるダウンリンクリソースを判定するようにさらに設定された、請求項5から7のいずれか一項に記載のUE(50)。
【請求項9】
送信ポイント(30)によって実行される方法(700)であって、
前記
送信ポイントとの同期を得るかまたは維持するための異なる同期信号のセットをユーザ機器(UE)(50)に設定することと、
各同期信号が、互いに異なり、かつ、前記
送信ポイント(30)によって使用される2つ以上のビームのうちの異なるビームに対応するように、前記2つ以上の同期信号のセットを送信すること(704)と
を含み、
前記UEは、前記同期信号のセットから同期を得ることが可能である限り無線リンク障害をトリガしない、方法(700)。
【請求項10】
前記2つ以上の同期信号を生成すること(702)であって、含まれた情報または信号属性の点で前記2つ以上の同期信号を区別し、それにより、受信側ワイヤレスデバイス(50)が前記2つ以上の同期信号を区別することを可能にすることを含む、生成すること(702)をさらに含む、請求項9に記載の方法(700)。
【請求項11】
同期ソースとして使用すべき前記同期信号のセットの変更を前記UEに指示することをさらに含む、請求項9または10に記載の方法(700)。
【請求項12】
前記UEが前記同期信号のセットのうちの各同期信号を受信するために使用されるダウンリンクリソースを判定することを可能にする情報を、前記UEに指示することをさらに含む、請求項9から11のいずれか一項に記載の方法(
700)。
【請求項13】
ワイヤレス通信ネットワーク(20)内で動作する
送信ポイント(30)であって、
前記
送信ポイントとの同期を得るかまたは維持するための異なる同期信号のセットをユーザ機器(UE)(50)に設定し、
各同期信号が、互いに異なり、かつ、前記
送信ポイント(30)によって使用される2つ以上のビームのうちの異なるビームに対応するように、前記2つ以上の同期信号のセットを送信する(704)
ように構成され、
前記UEは、前記同期信号のセットから同期を得ることが可能である限り無線リンク障害をトリガしない、
送信ポイント(30)。
【請求項14】
請求項10から12のいずれか一項に記載の方法を実行するようにさらに設定された、請求項13に記載の
送信ポイント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイヤレス通信ネットワークなどの通信システムに関し、詳細には、ビームベースの通信システムにおける無線リソース管理測定およびワイヤレスデバイスの同期に関する。
【背景技術】
【0002】
ロングタームエボリューション(LTE)では、ユーザ機器(UE)は、周波数および時間同期など、セルの1つまたは複数の送信ポイント(TP)との同期を得ることができる。一例では、時間同期は、シンボルおよびフレーム同期に関連付けられる。LTEシステムにおける周波数および時間同期に対する3つの要件は、シンボルおよびフレームタイミングと、周波数同期と、サンプリングクロック同期とを含む。シンボルおよびフレームタイミング獲得は、正確なシンボル開始位置の判定に関連付けられる。たとえば、シンボルおよびフレームタイミングは、離散フーリエ変換(DFT)窓位置をセットするために使用される。周波数同期は、送信機と受信機との間の局部発振器の不整合から生じる周波数誤差、ならびに何らかのUE運動から生じるドップラーシフトの影響を低減または除去することが要求される。
【0003】
同期のために使用される信号シーケンスは、サイクリックプレフィックス(CP)長、物理セル識別情報(PCI)、およびセルが周波数領域複信(FDD)を使用するか、または時間領域複信(TDD)を使用するかを符号化することができる。これらの属性により、PCIを含むシーケンスは、UEが「RRCアイドル」手順と「RRC接続」手順の両方に対してダウンリンクにおいてクリアな同期参照を有することを可能にし得る。「RRCアイドル」では、たとえば、同期は、UEがLTEセルにキャンプオンし、場合によっては、そのセルに関連するシステム情報によってその設定が提供されている物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)にプリアンブルを送ることによってこのセルにアクセスすることを可能にする。
【0004】
UEは、TPによって送信される1次同期信号(PSS)および2次同期信号(SSS)を使用することによって、ダウンリンクにおいてTPによって提供されるセルとの周波数および時間同期を得ることができる。時間におけるPSSおよびSSS構造が、FDD事例に対して
図1に、TDD事例に対して
図2に示されている。TPは、同期信号を周期的に、10msの無線フレームごとに2度送信する。この構成は、UEが常に何らかの無線フレームに同期することを可能にする。FDDセル(
図1参照)では、PSSは常に各無線フレームの第1のタイムスロットおよび第11のタイムスロットの最後の直交周波数分割多重(OFDM)シンボル内に位置し、それにより、UEがCP長とは無関係にスロット境界タイミングを獲得することを可能にする。SSSはPSS直前のシンボル内に位置し、これは、チャネルコヒーレンス持続時間が1つのOFDMシンボルよりも著しく長いとの仮定に基づく、PSSに対するSSSのコヒーレント検出を可能にする設計選択である。
【0005】
TDDセル(
図2参照)では、PSSは、第3のスロットおよび第13のスロットの第3のシンボル内に位置するが、SSSは、3つ前のシンボルに位置する。コヒーレント検出は、チャネルコヒーレンス時間が4つのOFDMシンボルよりも著しく長いという仮定の下で使用され得る。SSSの正確な位置は、そのセルに対して設定されたCPの長さに応じて変更される。セル検出プロセスのこの段階において、CP長はUEに先見的に知られておらず、したがって、CP長は、2つの考えられる位置においてSSSを検査することによって盲目的に検出される。所与のセル内のPSSはそのPSSが送信されるすべてのサブフレーム内で同じであるが、各無線フレーム内の2つのSSS送信は特定の方法で変更され、したがって、UEが10msの無線フレーム境界の位置を確立することを可能にする。
【0006】
周波数領域における、PSSおよびSSSのサブキャリアへのマッピングが
図3に示されている。PSSおよびSSSは、中央の6つのリソースブロック(RB)内で送信され、同期信号の周波数マッピングがシステム帯域幅に対して不変になることを可能にし、これは、原則として、およそ1.4MHzから20MHzのチャネル帯域幅に適した6個のRBから110個のRBまで様々であってよい。この構成は、UEが割り振られた帯域幅のいかなる事前の知識ももたずに、ネットワークに同期することを可能にする。
【0007】
物理レイヤセル識別情報PCIをUEに指示するために、所与のセル内でPSSおよびSSSに対して送信される特定のシーケンスが使用される。LTEでは、3個の識別情報の168個のグループにグループ化された、504個の一意PCIが存在する。グループ内の3個の識別情報は、通常、同じeNodeBの制御下でセルに割り当てられることになる。3個のPSSシーケンスは、グループ内のセル識別情報を指示するために使用され、168個のSSSシーケンスは、グループの識別情報を指示するために使用される。
【0008】
ニューラジオまたはNRという名称の、新たな5G無線アクセス技術に関する研究項目が3GPPにおいて開始されている。この研究は、次の設計原則に関連付けられる:NRとして示される新たな5G無線アクセス技術におけるウルトラリーン(ultra-lean)設計;自己完結型送信:ビームフォーミングの大量使用;およびアイドル接続性と接続(Connected)接続性との間の減結合、である。
【0009】
NRは、将来の開発を考慮し得るエネルギー効率の高いシステムを目指した、「常時オン」送信の最小化を暗示するウルトラリーンシステムになると想定される。たとえば、RAN1#84bisにおいて、RAN1グループは、ウルトラリーン設計に関して、NRが、フレキシブルに利用され得るか、または将来、後方互換性問題を生じさせずにブランク状態に残され得る、時間リソースおよび周波数リソースの量の最大化に向けて努力すべきであることに合意し、この場合、ブランクリソースは将来の使用のために使用され得る。さらに合意されたのは、NRは、常時オン信号の送信の最小化、および物理レイヤ機能性に関する信号およびチャネル、たとえば、信号、チャネル、シグナリングを設定可能な/割振り可能な時間/周波数リソース内に制限することに向けて努力すべきであるということである。
【0010】
LTEに関して述べたように、PSSおよびSSSは、主な時間/周波数同期イネーブラである。PSSおよびSSSは、10msの無線フレームごとに2度送信される常時オン信号として分類される。したがって、リーンシステムは、同期シーケンスの必要を考慮すべきである。
【0011】
LTEでは、UEは、所与のセルに同期するためにPSSおよびSSSに依存し、そのような信号はPCIを符号化する。UEは、たとえば、DLベースのモビリティ、および同じPCIに関連するチャネル推定をサポートするために、無線リソース管理(RRM)測定を実行するために使用されるセル固有参照信号(CRS)を導出する。
【0012】
NRでは、PSS/SSSおよびCRSなどのセル固有信号に依存する代わりに、「自己完結型」送信が想定される。自己完結型送信は、すべてのチャネルがそれらの独自の同期シーケンスを含有することを意味する。自己完結型送信の使用は、進行中のデータ送信が存在しない限り、またはスケジュールされている送信が存在しない限り、NR TPが、同期のためでない場合でさえ、何の信号も送信しない程度までウルトラリーンであるように行われ得る。この場合、UEは、同期を得て、同じサブフレーム/タイムスロット内でデータを復号する。
【0013】
自己完結型送信によってもたらされる制限は、UEが移動する間、UEがスケジュールされたデータを何も有さない期間が存在し、その結果、UEがPDCCH可用性、またはいずれかの他のチャネルの可用性、およびそれらの自己完結型信号を検査するとき、UEは不十分なカバレッジを有するため、UEは再同期することができないことである。同時に、たとえば、UEが別のTPまたはアクセスノードに近づいたことにより、UEをさらに良好にカバーするであろうビームが存在することになる。したがって、測定を実行し、測定報告を送り、最終的に、ネットワークがモビリティ手順または何らかのタイプのビーム管理をトリガすることを可能にするために、UEがデータを送信していない間に、UEは何らかの種類の無線リンク監視を実行する必要がある。さもなければ、代替案は、何らかの種類の無線リンク障害(RLF)宣言と、それに続く、接続の再確立の試みであろう。その手法は、特に、リーン設計およびアイドルUEに対して送信される信号の企図される低周期性を考慮すると、UEがデータを再送信することができるまで、遅延をかなり増大する可能性がある。
【0014】
また、NRは最高で100GHzまでの周波数範囲を考慮することになるという共通認識が存在する。LTEに割り振られている現在の周波数帯域と比較して、新しい帯域のうちのいくつかは、より低い回折およびより高い屋外/屋内浸透損失など、さらに難しい伝搬属性を有することになる。結果として、信号は、隅々まで伝搬し、壁を浸透するより少ない能力を有することになる。また、高周波数帯域において、大気/雨減衰およびより高いボディ損失は、NR信号のカバレッジをさらにばらつかせる。幸い、より高い周波数における動作は、より小さなアンテナ素子の使用を可能にし、多くのアンテナ素子を備えたアンテナアレイを可能にする。そのようなアンテナアレイは、狭ビームを形成し、それにより、難しい伝搬属性を補償するために複数のアンテナ素子が使用されるビームフォーミングを促進する。これらの理由で、NRはカバレッジを提供するためにアンテナビームフォーミングに大いに依存することが広く受け入れられており、これにより、一部の人々はこのシステムをビームベースのシステムと呼ぶことがある。たとえば、NR TPは、アンテナビームフォーミングを実行して、対応する、場合によっては重複するカバレッジエリアを有する指向性ビームを形成する。
【0015】
加えて、アナログ、ハイブリッド、およびデジタルを含めて、異なるアンテナアーキテクチャがサポートされるべきである。そのようなサポートは、特に、アナログ/ハイブリッドビームフォーミングの場合、どの程度多くの方向が同時にカバーされ得るかに関して何らかの制限を暗示する。送受信点またはTRPとも呼ばれる、所与のTPにおける良好なビーム方向、アクセスノードまたはアンテナアレイを見出すために、ビーム掃引手順が一般に採用される。ビーム掃引手順の一般的な例は、ノードが、それぞれの考えられる方向に、一度に1つまたは少数の方向に、同期信号および/またはビーム識別信号を含有するビームを向けることに関連する。
図4は、ビーム掃引の一例を示す。
【0016】
アイドルUEによって発見され、使用されることになるNRセルは、場合によっては、UEが同期を得るPSSおよびSSSなどの同期シーケンスのセットによって符号化されるセル識別子、たとえば、PCIによって規定され得る。セル識別子に基づいて、UEは、システム情報を得ることが可能であり、どのようにシステムにアクセスするかを学習する。注記:この文脈において、アイドルは、RRCアイドル状態を指すが、この概念は、UEがバッテリ節約のために最適化される任意の種類のスリープ状態に及ぶ。たとえば、LTEでは、アイドルは、中断/再開などの手順を含む。NR状態モードに関する前の議論は「RRC接続非アクティブ」と呼ばれる、新たな状態に言及し、その用語は何らかの用法を見出した。
【0017】
しかしながら、NRセルは、接続モードUEに関して規定されなくてよいことが本明細書で認識され諒解される。代わりに、UEは、複数のビームにわたって切り替わることができ、セル識別子は、LTEにおけるセルIDなど、前に獲得された情報から導出されない。そのような手法は、同期手順に直接影響を及ぼす。
【0018】
従来理解されているような「セル」が使用されないビームベースのシステムにおいてUEに対して、少なくとも接続モードのUEに対してソース同期は規定されないことが本明細書において認識される。この問題は、自己完結型送信に主に依存するビームベースのシステムにおいて、UEがそのソースアクセスノード/TPとどのように再同期することができるかに関する。UEは、何のデータもスケジュールされていないときですら、モビリティ手順をサポートするために測定を実行することが可能であるべきである。
【発明の概要】
【0019】
とりわけ、本明細書において、方法および装置の例は、通信ネットワークが接続モードのワイヤレスデバイスに対して「セル」を規定しないビームベースのシステムにおいてワイヤレスデバイスがソース同期を達成する必要性に関して生じる問題に対する解決策を提供する。この問題は、ワイヤレスデバイスが、自己完結型送信に主に依存するビームベースのシステムにおいてそのソースアクセスノードとどのように再同期することができるかに関する。1つの例示的な利点として、企図される方法および装置は、何のデータ送信もスケジュールされていないときですら、ワイヤレスデバイスがモビリティ手順をサポートするために測定を実行することを可能にする。
【0020】
一実施形態では、送信ポイントとも呼ばれるアクセスポイントは、たとえば、ダウンリンクにおける時間および周波数同期のために、それらの同期ソースとしてワイヤレスデバイスによって使用されることになる同期シーケンスの1つまたは複数のセットを送信する。対応する実施形態では、関連するカバレッジエリア内で動作しているワイヤレスデバイスは、これらのシーケンスのうちのいずれかをその同期ソースとして使用する。同期信号は、狭ビームまたはより広いビームでビームフォーミングされ得る。
【0021】
そのような動作の1つの利点として、ワイヤレスデバイスは、異なる同期信号が各ビームに対して送信されている、異なるビームのカバレッジエリアにわたって移動するとき、その同期を維持することができる。たとえば、各ビームに対して送信される同期信号は、異なるシーケンスに基づく。
【0022】
本開示はまた、ワイヤレスデバイスおよびネットワークが、それぞれの送信ポイントによって使用中の同期シーケンスを得るかまたは判定するための、またモビリティ、ビーム設定変更などをサポートするためにそのような情報を更新するための方法および装置の詳細を提示する。
【0023】
さらに、少なくとも1つの実施形態では、送信ポイントによって送信される異なる同期信号は、異なるモビリティ参照信号(MRS)である。各MRSは、時間同期シーケンス(TSS)とビーム参照信号(BRS)とを含む。したがって、送信ポイントによって送信されるMRSのセットが、ワイヤレスデバイスがその送信ポイントを同期ソースとして使用することを可能にするように、送信ポイントはMRSのセットで設定され、各MRSはビームに対応する。
【0024】
同期シーケンス/MRSの複数のセットの可用性は、ワイヤレスデバイスがダウンリンク制御チャネルを復号することができないか、または他のタイプの無線リンク問題を受けているときですら、デバイスが同期を再度得ることを可能にする。
【0025】
上記を念頭において、1つまたは複数の実施形態では、送信ポイントは、ワイヤレス通信ネットワーク内で動作するように設定された。送信ポイントは、トランシーバ回路と、2個以上の同期信号を送信ポイントから送信するように動作可能な関連する処理回路とを含む。同期信号のそれぞれの同期信号は、アンテナビームフォーミングにおいて送信ポイントによって使用される2つ以上のビームからの異なるビームに対応する。一例では、送信ポイントは同期シーケンスのセットを使用するように設定され、この場合、各同期信号はシーケンスのうちの異なる1つのシーケンスに基づくことが理解されよう。同期信号は、送信ポイントとの同期を得るかまたは維持するための、ワイヤレスデバイスによる同期測定のための参照として働く。
【0026】
少なくともいくつかの実施形態では、ワイヤレスデバイスは、ワイヤレス通信ネットワーク内で動作するように設定された。ワイヤレスデバイスは、トランシーバ回路と、ワイヤレス通信ネットワークの送信ポイントによって使用される同期信号を判定するように設定された動作可能に関連付けられる処理回路とを含む。より詳細には、同期信号は、2つ以上の同期信号を含み、送信ポイントは、アンテナビームフォーミングにおいて送信ポイントによって使用される2つ以上のビームの各々に関して異なる同期信号を使用する。ワイヤレスデバイスは、送信ポイントによって送信される同期信号のうちの1つまたは複数の受信に基づいて送信ポイントに同期する。
【0027】
本発明のさらなる態様は、上記で要約された方法に対応する、装置、コンピュータプログラム製品、またはコンピュータ可読記憶媒体、および上記で要約された装置およびワイヤレスデバイスの機能実装形態に関する。
【0028】
当然、本発明は、上記の特徴および利点に限定されない。当業者は、以下の詳細な説明を読むと、かつ添付の図面を見ると、追加の特徴および利点を理解するであろう。
【0029】
一実施形態では、ワイヤレス通信ネットワーク内で動作するように設定された送信ポイントによって実装される方法が提供される。この方法は、各同期信号がアンテナビームフォーミングにおいて送信ポイントによって使用される2つ以上のビームのうちのそれぞれ1つのビームに対応するように、ビーム固有ベースで2つ以上の同期信号を送信ポイントから送信することを含む。同期信号は、送信ポイントとの同期を得るかまたは維持するための、ワイヤレスデバイスによる同期測定のための参照として働く。これは、ワイヤレスデバイスがビームの経路内に移動するにつれてワイヤレスデバイスが同期のために使用することができる代替同期信号を検出することによって、ワイヤレスデバイスが送信ポイントによって送信される指向性ビームにわたって移動する間に、ワイヤレスデバイスは送信ポイントとの同期を維持することができるという利点を提供する。
【0030】
さらなる態様では、この方法は、ワイヤレスデバイスが同期信号のセットに属するとして2つ以上の同期信号を判定することを可能にするための情報を送信ポイントから送信することを含む。
【0031】
別の態様では、この方法は、2つ以上の指向性ビームを使用してダウンリンク信号を送信することを含む。
【0032】
別の態様では、この方法は、2つ以上の同期信号を生成することであって、含まれた情報または信号属性の点で2つ以上の同期信号を区別し、それにより、受信側ワイヤレスデバイスが2つ以上の同期信号を区別することを可能にすることを含む、生成することを含む。
【0033】
いくつかの態様では、送信ポイントは2つ以上の同期信号を生成し、各同期信号は、2つ以上の同期信号のうちの他の1つまたは複数の同期信号と区別可能である。
【0034】
別の態様では、2つ以上の同期信号は、モビリティ参照信号(MRS)のセットを含み、各MRSは、時間同期信号(TSS)とビーム参照信号(BRS)とを含み、各BRSはMRSのセット内で一意であり、さらに各MRSは、アンテナビームフォーミングにおいて送信ポイントによって使用される2つ以上の指向性ビームのうちの異なる1つの指向性ビームに関連付けられる。
【0035】
別の態様では、この方法は、ビーム掃引パターンに従って2つ以上の同期信号を送信することをさらに含む。
【0036】
別の態様では、この方法は、送信ポイントと対応する指向性ビームのカバレッジエリア内で動作している1つまたは複数のワイヤレスデバイスとの間の無線リンク状態、および対応する指向性ビームのカバレッジエリア内で動作している、1つまたは複数のワイヤレスデバイスの監視された同期品質のうちの少なくとも1つに応じて、対応する指向性ビームに対して少なくとも1つの同期信号の送信を適応させることをさらに含む。
【0037】
別の態様では、この方法は、生成され送信されることになる2つ以上の同期信号を指定するシグナリングをワイヤレス通信ネットワーク内の別のノードから受信することをさらに含む。
【0038】
別の態様では、この方法は、指向性ビームのうちの1つまたは複数に対して、対応する同期信号を送信するためにどのダウンリンクリソースを使用するかを送信ポイントにおいて動的に判定することをさらに含む。
【0039】
別の態様では、この方法は、送信ポイントから支援情報を送信することをさらに含み、支援情報は、2つ以上の同期信号を識別するか、またはさもなければ、ワイヤレスデバイスが2つ以上の同期信号を検出または識別するために必要な情報を提供する。
【0040】
別の態様では、この方法は、送信ポイントが各指向性ビームに対して異なる同期信号を送信するように、アンテナビームフォーミングにおいて送信ポイントによって使用される指向性ビームの数を動的に変更し、対応して、送信ポイントによって使用中の同期信号の数を変更することをさらに含む。
【0041】
別の実施形態では、送信ポイントはワイヤレス通信ネットワーク内で動作するように設定され、送信ポイントは、トランシーバ回路と、各同期信号がアンテナビームフォーミングにおいて送信ポイントによって使用される2つ以上の指向性ビームのうちのそれぞれ1つの指向性ビームに対応するように、トランシーバ回路を介して、ビーム固有ベースで2つ以上の同期信号を送信ポイントから送信するように動作可能な処理回路とを含む。同期信号は、送信ポイントとの同期を得るかまたは維持するためのワイヤレスデバイスによる同期測定のための参照として働く。
【0042】
別の実施形態では、ワイヤレス通信ネットワーク内で動作するように設定されたワイヤレスデバイスによる動作の方法が提供される。この方法は、ワイヤレス通信ネットワーク内で送信ポイントによって使用される同期信号のセットを判定することと、セット内の同期信号のうちの検出された同期信号に基づいて、2つ以上の指向性ビームに対応するカバレッジエリア間の移動に関連して、送信ポイントとの同期を維持することとを含む。ビームは同じ送信ポイントに属すると判定されているため、これは、ワイヤレスデバイスが新たなビームのカバレッジに入るとき、ワイヤレスデバイスが送信ポイントと新たな同期手順を実行することを回避する利点を提供する。
【0043】
別の態様では、同期信号のセットを判定することは、同期信号のセットを識別するか、またはワイヤレスデバイスが同期信号のセットを識別することを可能にする情報を提供する支援情報を受信することを含む。
【0044】
別の態様では、送信ポイントは、ワイヤレス通信ネットワーク内の近隣の第1および第2の送信ポイントのうちの第1の送信ポイントを含む。この方法は、第2の送信ポイントに関連付けられると判定されたセットを含む、1つまたは複数の同期信号を検出することと、第2の送信ポイントから検出された1つまたは複数の同期信号に関してワイヤレスデバイスによって判定された無線品質が第1の送信ポイントからのいずれかの検出された同期信号に関してワイヤレスデバイスによって判定された無線品質よりも高いとの判定に基づいて、ワイヤレスデバイスに対する同期ソースとして第1の送信ポイントを使用することからワイヤレスデバイスに対する同期ソースとして第2の送信ポイントを使用することに変更することとをさらに含む。
【0045】
別の態様では、この方法は、ワイヤレス通信ネットワークからの情報の受信に基づいて、対応する指向性ビームに対して各同期信号を送信するために使用されるダウンリンクリソースを判定することをさらに含む。
【0046】
別の態様では、送信ポイントとの同期を維持することは、同期信号のセット内の同期信号のうちの2つ以上がワイヤレスデバイスによって検出された場合、送信ポイントとの同期を維持する際に使用するための、2つ以上の検出された同期信号のうちの最強のまたは最高品質の同期信号を選択することを含む。
【0047】
別の実施形態では、ワイヤレスデバイスは、ワイヤレス通信ネットワーク内で動作するように設定された。ワイヤレスデバイス(50)は、ワイヤレス通信ネットワーク内で送信ポイント(30)から信号を受信するためのトランシーバ回路と、トランシーバ回路に動作可能に関連付けられ、送信ポイントによって使用される同期信号のセットを判定し、セット内の同期信号のうちの検出された同期信号との動的な同期または再同期に基づいて、2つ以上の指向性ビームに対応するカバレッジエリア間の移動に関連して、送信ポイントとの同期を維持するように設定された処理回路とを含む。
【0048】
別の実施形態では、コンピュータプログラム製品は、ワイヤレス通信ネットワーク内で動作するように設定された送信ポイントの少なくとも1つの処理回路上で実行されると、送信ポイントに各同期信号がアンテナビームフォーミングにおいて送信ポイント(30)によって使用される2つ以上の指向性ビームのうちのそれぞれ1つの指向性ビームに対応するように、ビーム固有ベースで2つ以上の同期信号を送信ポイントから送信させるコンピュータ命令を含む。同期信号は、送信点との同期を得るかまたは維持するための、ワイヤレスデバイスによる同期測定のための参照として働く。
【0049】
別の実施形態では、コンピュータプログラム製品は、ワイヤレス通信ネットワーク内で動作するように設定されたワイヤレスデバイスの少なくとも1つの処理回路上で実行されると、ワイヤレスデバイスに、送信ポイントによって使用される同期信号のセットを判定させ、セット内の同期信号のうちの検出された同期信号との動的な同期または再同期に基づいて、2つ以上の指向性ビームに対応するカバレッジエリア間の移動に関連して、ワイヤレス通信ネットワークとの同期を維持させるコンピュータ命令を含む。
【0050】
別の実施形態では、送信ポイントは、ワイヤレス通信ネットワーク内で動作するように設定され、送信モジュールと、各同期信号がアンテナビームフォーミングにおいて送信ポイントによって使用される2つ以上の指向性ビームのうちのそれぞれ1つの指向性ビームに対応するように、送信モジュールを介して、ビーム固有ベースで2つ以上の同期信号を送信ポイントから送信するように設定された処理モジュールとを含む。同期信号は、送信ポイントとの同期を得るかまたは維持するための、ワイヤレスデバイスによる同期測定のための参照として働く。
【0051】
別の実施形態では、ワイヤレスデバイスは、ワイヤレス通信ネットワーク内で動作するように設定され、ワイヤレス通信ネットワーク内で送信ポイントから信号を受信するように設定された受信モジュールと、送信ポイントによって使用される同期信号のセットを判定し、セット内の同期信号のうちの検出された同期信号と動的に同期することまたは再同期することによって、2つ以上の指向性ビームに対応するカバレッジエリア間の移動に関連して、送信ポイントとの同期を維持するように設定された処理モジュールとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【
図1】FDD事例における時間領域内のPSSおよびSSSフレームならびにスロット構造を示す図である。
【
図2】TDD事例における時間領域内のPSSおよびSSSフレームならびにスロット構造を示す図である。
【
図3】FDDセルに対する周波数および時間領域におけるPSSおよびSSSフレーム構造を示す図である。
【
図5A】1つまたは複数の送信ポイントを含む、1つの例示的なワイヤレス通信ネットワークを示す図である。
【
図5B】ワイヤレスデバイスによって使用するための複数の同期シーケンスを送信ポイントから送信する一実施形態を示す図である。
【
図6】いくつかの実施形態によるネットワークノードのブロック図である。
【
図7】いくつかの実施形態による、ワイヤレス通信ネットワークにおける動作の方法を示す図である。
【
図8】いくつかの実施形態による、ユーザ機器のブロック図である。
【
図9】いくつかの実施形態による、ワイヤレス通信ネットワークにおける動作の方法を示す図である。
【
図10】いくつかの実施形態による、シーケンスの異なるセットを使用して異なる時点でそれ自体がソースと同期されると見なすユーザ機器を示す図である。
【
図11】いくつかの実施形態による、同期ソースとして使用されることになる同期信号の様々な数のセットを示す図である。
【
図12】いくつかの実施形態による、ネットワークノードの機能実装形態を示すブロック図である。
【
図13】いくつかの実施形態による、ワイヤレスデバイスの機能実装形態を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
本明細書において、同期信号およびビーム識別信号の同じカバレッジ属性を有することによって、ワイヤレスデバイスは、送信ポイントと同期することができるだけではなく、所与のロケーションにおいて最善のビーム知識を得ることもできることが認識および諒解される。さらに、本明細書において、同期獲得に関して、ダウンリンクにおいて送信される同期信号は(利用可能であるなら)ビーム掃引方法で発生し得、したがって、ワイヤレスデバイスはすべてが同じノードに属しているいくつかの同期信号を聴取することが可能であり得ることが諒解される。
【0054】
1つの例示的な実施形態では、送信ポイントは2つ以上の同期信号を送信し、たとえば、送信ポイントは同期信号のセットを送信する。ここで、送信ポイントは、たとえば、ネットワークアクセスノードを含む。さらに、2つ以上の同期信号の送信は、一般的な意味で、たとえば、1つが第1のシーケンスに基づいて、1つが第2のシーケンスに基づいて、区別可能である2つ以上の同期信号の送信を指すことを理解されたい。2つ以上の同期信号の「送信」は、それらの同期信号を複数回数、たとえば、任意の数の反復的なフレームまたはサブフレーム内で送信することを含み得ることも理解されたい。さらに、2つ以上の同期信号の送信は、それらの同期信号を同時点、または異なる時点などに送信することを意味し得る。
【0055】
これらの同期信号は、PSS/SSSまたはモビリティ参照信号(MRS)など、同期シーケンスを含み得る。MRSは、ワイヤレスネットワーク内で送信され、ワイヤレスデバイスによる測定のために特別に指定される信号を指す場合があり、この場合、測定はモビリティ手順、たとえば、あるノードから別のノードへの、またはあるビームから別のビームへのハンドオーバにおいて使用するためである。時として、MRSは、測定参照信号と呼ばれる場合もある。MRSは、時間同期シーケンス(TSS)とビーム参照信号(BRS)とを含み得る。同期信号のセットは、TSSおよびBRSなど、シーケンスの対を含み得る。言い換えれば、「同期シーケンスの複数のセット」は、「複数のMRS」であると解釈され得る。MRSのセットは、所与のユーザ機器(UE)のための同期ソースとして使用され得る。別段の注釈がない限り、「UE」および「ワイヤレスデバイス」は、交換可能な用語と見なされ得ることに留意されたい。
【0056】
MRSセットは、送信されたMRSによって占有される物理リソース、すなわち、時間周波数および/またはコードリソースを規定する、かつ/またはMRSを構成するシンボル値のシーケンスなどの信号シーケンスを規定するパラメータのセットを指す場合もある。したがって、たとえば、異なるMRSセットは、直交周波数分割多重(OFDM)時間周波数グリッドにおけるリソースエレメントの異なるパターンなど、異なるMRSに対する異なる時間周波数リソースを指定し得る。異なるMRSセットは、代わりに、または加えて、たとえば、シンボル値の異なるシーケンスを指定し得る。
【0057】
様々な実施形態によれば、アクセスノードであってよく、同期測定またはRRM測定など、様々な目的で使用される、送信ポイントのカバレッジエリアの下で信号の1つまたは複数のセットがワイヤレスデバイスによって受信され得る。たとえば、信号のセットは同期信号のセットであり得、この場合、異なる同期信号は送信ポイントによって使用される2つ以上の指向性ビームの各々に属し、各指向性ビームは、ダウンリンクサービスのために送信ポイントのカバレッジエリアのそれぞれの部分をカバーする。その信号セットまたは複数の信号セットを受信するワイヤレスデバイスは、ダウンリンクにおいて時間および周波数同期のためのその同期ソースとして信号セットを使用することを自律的に判定することが可能であり得る。たとえば、とりわけ、ワイヤレスデバイスが同じ送信ポイントまたはアクセスノードによって送信されているシーケンスの異なるセットのカバレッジにわたって移動するとき、ワイヤレスデバイスを同期状態に維持するために、受信された信号セットの同期信号が使用され得る。これらのセットのうちのいずれかを検出することができ、それらのセットから同期を得ることが可能である限り、任意の誤差事例、または無線リンク障害などの障害手順をトリガする必要はない。
【0058】
図5Aおよび
図5Bは、本明細書で企図される例示的な構成を示す。具体的には、
図5Aは、ネットワーク20に無線アクセスを提供するいくつかの送信ポイント30に対するサポートを提供する、たとえば、動作ノード、ゲートウェイノードなど、1つまたは複数のサポートノード22を含む、1つの例示的なワイヤレス通信ネットワーク20を示す。送信ポイント30-1、30-2、および30-3を含む、3つの送信ポイント30が図に出ている。「送信ポイント」と呼ばれるが、各送信ポイント30は、ネットワーク20内で動作するワイヤレスデバイスに対してダウンリンク送信と、そのようなデバイスからのアップリンク送信の受信の両方を提供する、アクセスポイント、基地局などとして動作し得ることを諒解されよう。簡単のために、「UE50」と示される、1つの例示的なワイヤレスデバイス50のみが図に出ているが、ワイヤレスデバイス50はそれぞれの送信ポイント30に関連する無線カバレッジエリア内でまたはその間を移動し得ることを諒解されよう。
【0059】
その点で、
図5Aにおいて、各送信ポイント30はビームフォーミング送信ポイントとして動作し、各送信ポイント30は2つ以上の指向性ビームを使用し、各ビームは、対応するカバレッジエリア内に無線カバレッジを提供する。当然、ビーム間カバレッジエリアは重複する場合があり、送信ポイント30は、ビームサイズ、ビーム形状、およびビームカウントのうちのいずれかの1つまたは複数を動的に調整することができる。
【0060】
図5Bは、送信ポイント30によるビームフォーミングの一例を示し、この場合、送信ポイント30による複数の同期信号の送信は、ダウンリンクにおける時間および周波数同期のためのその同期ソースとしてワイヤレスデバイス50によって使用されることになる。複数の同期信号110、120、130、および140は、狭ビームまたはより広いビームでビームフォーミングされ得る。ワイヤレスデバイス50はこれらの信号のうちのいずれも検出することが可能であるという条件で、ワイヤレスデバイス50は、それ自体をソースアクセスノードまたは送信ポイントと同期されると見なすことができる。場合によっては、モビリティおよび/またはパラメータ最適化の場合など、更新手順のために信号のセットが使用され得る。
【0061】
図5Bの文脈で、同期信号110は、同期シーケンスの規定されるセットからの第1の同期シーケンスである、同期信号120はそのセットからの第2の同期シーケンスである、等々、と理解され得る。
【0062】
図6は、1つの例示的な送信ポイント30をより詳細に説明するが、送信ポイント30は異なって実装され得ることを理解されたい。さらに、送信ポイント30は、アクセスポイント、基地局、eNodeB、gNB、または別のトランシーバなど、無線ネットワークノードの一例であると理解されるべきである。またさらに、送信ポイント30に帰属する機能性の少なくともいくつかは、2つ以上のノードにわたって分散されてよく、たとえば、少なくともいくつかの機能性は、無線ネットワーク内で、または関連するコアネットワーク内で、他のノードによって実行されてよいか、またはクラウドベースであってもよい。
【0063】
ネットワークノード30とも呼ばれる送信ポイント30は、他のネットワークノード22と通信するための回路を含む通信インターフェース回路38を含む。ネットワークノード30は、アンテナ34およびトランシーバ回路36を介してネットワーク内で動作しているワイヤレスデバイス50と通信する。アンテナ34は、たとえば、アンテナ素子のアレイを含み、トランシーバ回路36は、アンテナアレイを使用してビームフォーミングを実行するように設定された。
【0064】
広く、トランシーバ回路36は、少なくとも、ネットワークノード30に関連するカバレッジエリア内で動作しているワイヤレスデバイス50に通信サービスを提供するために、1つまたは複数の無線アクセス技術に従って、信号を送信および受信するように集合的に設定された、送信機回路と、受信機回路と、関連する制御回路とを含み得る。たとえば、ネットワークノード30は、NRネットワーク内で無線アクセスを提供するNRノードとして設定された。
【0065】
ネットワークノード30はまた、通信インターフェース回路38およびトランシーバ回路36に動作可能に関連付けられる処理回路32を含む。ネットワークノード30は、他のネットワークノード22と通信するために通信インターフェース回路38を使用し、ワイヤレスデバイス50と通信するためにトランシーバ回路36を使用する。例として、処理回路32は、1つまたは複数のデジタルプロセッサ42、たとえば、1つまたは複数のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、複合プログラマブル論理デバイス(CPLD)、特定用途向け集積回路(ASIC)、またはそれらの任意の混合物を含む。より一般的には、処理回路32は、固定回路、または、本明細書で教示する機能性を実装するプログラム命令の実行によって特に設定されたプログラマブル回路を含み得るか、または固定およびプログラムされた回路の何らかの混合物を含み得る。
【0066】
示す実施形態では、処理回路32はメモリ44を含む。メモリ44は、いくつかの実施形態では、1つまたは複数のコンピュータプログラム46、およびオプションで、設定データ48を記憶する。メモリ44は、コンピュータプログラム46に非一時的記憶装置を提供し、メモリ44は、ディスク記憶装置、固体メモリ記憶装置、またはそれらの任意の混合物など、1つまたは複数のタイプのコンピュータ可読媒体を含み得る。非限定的な例として、メモリ44は、処理回路32内にあってよく、かつ/または処理回路32とは別個であってもよい、SRAM、DRAM、EEPROM、およびFLASHメモリのうちのいずれか1つまたは複数を含む。
【0067】
一般に、メモリ44は、ネットワークノード30によって使用されるコンピュータプログラム46および任意の設定データ48の非一時的記憶装置を提供する1つまたは複数のタイプのコンピュータ可読記憶媒体を含む。ここで、「非一時的」は、永続的、半永続的、または少なくとも一時的に永続的な記憶装置を意味し、たとえば、プログラム実行のための、不揮発性メモリ内の長期記憶装置とワーキングメモリ内の記憶装置の両方を包含する。
【0068】
いくつかの実施形態では、処理回路32のプロセッサ42は、アンテナビームフォーミングにおいてネットワークノード30によって使用される2つ以上のビームの各々に対して異なる同期信号を送信するためにトランシーバ回路36の送信回路を制御するようにプロセッサ42を設定するメモリ44内に記憶されたコンピュータプログラム46を実行することができる。それぞれのそのようなビームは、たとえば、ネットワークノード30のカバレッジエリア全体のそれぞれの部分をカバーする。各指向性ビームに対して送信される同期信号は、ネットワークノード30に関連する同期信号のセットに属し、ネットワークノード30のカバレッジエリア内で動作するワイヤレスデバイス50がネットワークノード30を介してワイヤレス通信ネットワーク20と同期することを可能にする。同期信号はまた、同期信号が受信された信号強度もしくは品質または他の無線測定を行うための参照信号としてワイヤレスデバイス50によって使用されることを可能にする属性を有し得る。
【0069】
いくつかの実施形態では、処理回路32は、各同期信号がアンテナビームフォーミングにおいて送信ポイントによって使用される2つ以上の指向性ビームのうちのそれぞれ1つの指向性ビームに対応するように、トランシーバ回路36を介して、ビーム固有ベースで2つ以上の同期信号をネットワークノード30から送信するように設定された。同期信号は、ネットワークノード30との同期を得るかまたは維持するための、ワイヤレスデバイス50による同期測定のための参照として働く。
【0070】
いくつかの実施形態では、ネットワークノード30の処理回路32は、2つ以上の同期信号を生成するように設定され、各同期信号は、2つ以上の同期信号のうちの他の1つまたは複数の同期信号と区別可能である。さらに、処理回路32は、各同期信号がアンテナビームフォーミングにおいて送信ポイントによって使用される2つ以上の指向性ビームのうちのそれぞれ1つの指向性ビームに対応するように、トランシーバ回路36を介して、ビーム固有ベースでネットワークノード30から2つ以上の同期信号を送信するように設定された。同期信号は、ネットワークノード30との同期を得るかまたは維持するための、ワイヤレスデバイス50による同期測定のための参照として働く。
【0071】
いくつかの実施形態では、ネットワークノード30の処理回路32は、2つ以上の同期信号を生成するように設定され、各同期信号は、送信ポイントに関連する同期信号のセットに属する。さらに、処理回路32は、各同期信号がアンテナビームフォーミングにおいて送信ポイントによって使用される2つ以上の指向性ビームのうちのそれぞれ1つの指向性ビームに対応するように、トランシーバ回路36を介して、ビーム固有ベースで2つ以上の同期信号をネットワークノード30から送信するように設定された。同期信号は、ネットワークノード30との同期を得るかまたは維持するための、ワイヤレスデバイス50による同期測定のための参照として働く。さらなる例示的な詳細では、処理回路32は、2つ以上の指向性ビームを使用してダウンリンク信号を送信するように設定された。同じ実施形態または他の実施形態では、処理回路32は、含まれた情報または信号属性の点で2つ以上の同期信号を区別するように設定され、それにより、受信側ワイヤレスデバイス50が2つ以上の同期信号を区別することを可能にする。
【0072】
2つ以上の同期信号は、たとえば、モビリティ参照信号(MRS)のセットを含む。次に、各MRSは、時間同期信号(TSS)とビーム参照信号(BRS)とを含み、各BRSは、MRSのセット内で一意である。さらに、各MRSは、アンテナビームフォーミングにおいて送信ポイントによって使用される2つ以上の指向性ビームのうちの異なる1つの指向性ビームに関連付けられる。
【0073】
さらに、1つまたは複数の実施形態では、処理回路32は、ビーム掃引パターンに従って2つ以上の同期信号を送信するように設定された。同じ実施形態では、または、またさらなる実施形態では、処理回路32は、送信ポイントと対応する指向性ビームのカバレッジエリア内で動作している1つまたは複数のワイヤレスデバイス50との間の無線リンク状態、および対応する指向性ビームのカバレッジエリア内で動作している1つまたは複数のワイヤレスデバイス50の監視された同期品質のうちの少なくとも1つに応じて、対応する指向性ビームに対して少なくとも1つの同期信号の送信を適応させるように設定された。
【0074】
処理回路32は、少なくともいくつかの実施形態では、ワイヤレス通信ネットワーク20内の別のノードから、たとえば、サポートノード22から、シグナリングを受信するようにさらに設定され、この場合、そのようなシグナリングは、生成され送信されることになる2つ以上の同期信号を指示する。またさらに、少なくともいくつかの実施形態では、処理回路32は、指向性ビームのうちの1つまたは複数に対して対応する同期信号を送信するためにどのダウンリンクリソースを使用するかを動的に判定するように設定された。
【0075】
処理回路32は、ネットワークノード30から支援情報を送信するように設定されてもよい。支援情報は、2つ以上の同期信号を識別するか、またはさもなければ、ワイヤレスデバイス50が2つ以上の同期信号を検出または識別するために必要な情報を提供する。またさらに、処理回路32は、ネットワークノード30が各指向性ビームに対して異なる同期信号を送信するように、アンテナビームフォーミングにおいてネットワークノード30によって使用される指向性ビームの数を動的に変更し、対応して、ネットワークノード30によって使用中の同期信号の数を変更するように設定され得る。
【0076】
より一般的には、ネットワークノード30は、
図6の例に示す実装の詳細に制限されずに、ネットワークノード30に関して説明した上記の機能性のうちのいずれかを実施する動作の1つまたは複数の方法を実行することができる。対応して、
図7は、ネットワークノード30によって実行される1つの例示的な方法700を示す。
【0077】
方法700は、2つ以上の同期信号を生成すること(ブロック702)であって、各同期信号が、2つ以上の同期信号のうちの他の1つまたは複数の同期信号と区別可能である、生成すること(ブロック702)と、各同期信号が、アンテナビームフォーミングにおいて送信ポイントによって使用される2つ以上の指向性ビームのうちのそれぞれ1つの指向性ビームに対応するように、ビーム固有ベースで2つ以上の同期信号を送信ポイントから送信すること(ブロック704)とを含む。ここで、同期信号は、送信ポイント30との同期を得るかまたは維持するための、ワイヤレスデバイス50による同期測定のための参照として働く。
【0078】
方法(700)は、2つ以上の同期信号を生成すること(702)であって、各同期信号が送信ポイントに関する同期信号のセットに属する、生成することと(702)と、各同期信号がアンテナビームフォーミングにおいて送信ポイント(30)によって使用される2つ以上の指向性ビームのうちのそれぞれ1つの指向性ビームに対応するように、ビーム固有ベースで送信ポイント(30)から2つ以上の同期信号を送信すること(704)とを含んでよく、同期信号は、送信ポイント(30)との同期を得るかまたは維持するための、ワイヤレスデバイス(50)による同期測定のための参照として働く。上記で示唆したように、方法700は、2つ以上の同期信号を識別する、たとえば、指向性ビームの関連するセットに関してネットワークノード30によって使用されている同期信号のセットを識別する支援情報を送信することなど、さらなる動作を含み得る。方法700はまた、ビーム掃引パターンに従って同期信号を送信することを含み得る。またさらに、方法700は、ネットワークノード30と対応する指向性ビームのカバレッジエリア内で動作している1つまたは複数のワイヤレスデバイス50との間の無線リンク状態、および対応する指向性ビームのカバレッジエリア内で動作している1つまたは複数のワイヤレスデバイス50の監視された同期品質のうちの少なくとも1つに応じて、対応する指向性ビームに対して少なくとも1つの同期信号の送信を適応させることを含み得る。
【0079】
述べたように、2つ以上の同期信号は、モビリティ参照信号(MRS)のセットを含み得る。すでに述べたように、各MRSは、時間同期信号(TSS)とビーム参照信号(BRS)とを含み得る。各BRSは、MRSのセット内で一意であり、各MRSは、アンテナビームフォーミングのために送信ポイント30によって使用される異なるビームに関連付けられる。
【0080】
さらに、カバレッジエリア全体に対してカバレッジを提供するためにビームの異なるセットが使用されるビームフォーミング解決策が存在し得る。たとえば、同じカバレッジエリア全体の中に異なる粒度のビーム幅が存在し得る。カバレッジエリア全体の中に何のタイプのワイヤレスデバイス50が存在するかに応じて、ビームの特定のセットを異なる時点で使用することができる。ゆっくりと移動する遠く離れたワイヤレスデバイス50が存在すると、そのようなデバイスに対して後退する同期ソースとして数個の狭ビームを用いた設定を伴い得る。カバレッジエリア内に多くのワイヤレスデバイス50が存在する場合、ネットワークノード30、または複数の協調するノード30は、同期ソースとして少数の共通の広域ビームをワイヤレスデバイス50に提供するように設定され得る。基本的に、必要とされるビームフォーマー、ネットワークノードまたはノード30は、同期カバレッジを提供するために何のタイプのビームフォーミングが使用されるかを判定するためにフレキシブルに設定され得る。たとえば、カバレッジエリア全体の中のアクティブなワイヤレスデバイスの現在の個数に応じて、異なるビームがカバレッジエリア全体の中にカバレッジを提供している場合がある。
【0081】
所与のネットワークノード30によって送信される複数のビーム固有の同期信号は、たとえば、同期信号内に含まれている異なる識別情報に基づいて、ワイヤレスデバイス50によって区別され得る。さらなる改良において、同期信号は、デバイス固有であってよいか、またはワイヤレスデバイス50のグループに固有であってよい。
【0082】
図8は、本明細書の教示に従って設定された1つの例示的なワイヤレスデバイス50の図を示す。ワイヤレスデバイス50は、ワイヤレス通信能力を有し、本開示の論点であるタイプのワイヤレス通信ネットワーク20内で動作するように設定された、本質的にすべてのタイプのデバイスまたは装置を含む。
【0083】
ワイヤレスデバイス50は、アンテナ54およびトランシーバ回路56を介して、ネットワークアクセスノード30など、無線ノードまたは基地局と通信する。トランシーバ回路56は、1つまたは複数の無線アクセス技術(RAT)に従って信号を送信および受信するように集合的に設定された、送信機回路と、受信機回路と、関連する制御回路とを含み得る。
【0084】
ワイヤレスデバイス50はまた、トランシーバ回路56に動作可能に関連付けられる処理回路52を含む。1つまたは複数の実施形態では、処理回路52は、1つまたは複数のデジタル処理回路、たとえば、1つまたは複数のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、DSP、FPGA、CPLD、ASIC、またはそれらのいずれかの混合物を含む。より一般的には、処理回路52は、固定回路、または本明細書で教示する機能性を実装するプログラム命令の実行により特に適応されるプログラマブル回路を含んでよいか、または固定およびプログラムされた回路の何らかの混合物を含んでもよい。処理回路52は、マルチコアであってよい。
【0085】
この例示的な実施形態では、処理回路52はまた、メモリ64を含むか、またはメモリ64に関連付けられる。メモリ64は、いくつかの実施形態では、1つまたは複数のコンピュータプログラム66、およびオプションで、設定データ68を記憶する。メモリ64は、コンピュータプログラム66に対して非一時的記憶装置を提供し、メモリ64は、ディスク記憶装置、固体メモリ記憶装置、またはそれらの任意の混合物など、1つまたは複数のタイプのコンピュータ可読媒体を含み得る。非限定的な例として、メモリ64は、SRAM、DRAM、EEPROM、およびFLASHメモリのうちのいずれか1つまたは複数を含み、これらは、処理回路52内にあってよく、かつ/または処理回路52と別個であってよい。一般的に、メモリ64は、コンピュータプログラム66およびワイヤレスデバイス50によって使用される任意の設定データ68の非一時的記憶装置を提供する1つまたは複数のタイプのコンピュータ可読記憶媒体を含む。
【0086】
いくつかの実施形態では、処理回路52のプロセッサ62は、本明細書で詳細に説明するように動作するようにプロセッサ62を設定する、メモリ64内に記憶されたコンピュータプログラム66を実行することができる。
【0087】
図8を非限定的な例として念頭において、ワイヤレスデバイス50は、ワイヤレス通信ネットワーク20内で動作するように設定された。例示的なワイヤレスデバイス50は、ワイヤレス通信ネットワーク20内で送信ポイント30から信号を受信するためのトランシーバ回路56と、トランシーバ回路56に動作可能に関連付けられる処理回路52とを含む。
【0088】
処理回路52は、送信ポイント30によって使用される同期信号のセットを判定するように設定された。セット内の各同期信号は、アンテナビームフォーミングにおいて送信ポイント30によって使用される異なる指向性ビームに関連付けられ、送信ポイント30は2つ以上の指向性ビームを使用する。
【0089】
さらに、処理回路52は、セット内の同期信号のうちの検出された同期信号との動的な同期または再同期に基づいて、2つ以上の指向性ビームに対応するカバレッジエリア間の移動に関連して、送信ポイント30とのワイヤレスデバイス50の同期を維持するように設定された。同じ実施形態または少なくとも1つのさらなる実施形態では、同期信号のセット内の同期信号のうちの2つ以上が検出された場合、処理回路52は、2つ以上の検出された同期信号のうちの最強のまたは最高品質の同期信号を同期のために選択するように設定された。このようにして、ワイヤレスデバイスは、送信ポイント30との同期を自律的に維持することができる。
【0090】
少なくともいくつかの実施形態では、処理回路52は、同期信号のセットを識別するか、またはワイヤレスデバイス50が同期信号のセットを識別することを可能にする情報を提供する支援情報の受信に基づいて、同期信号のセットを判定するように設定された。たとえば、送信ポイント30は、トランシーバ56を介して処理回路52によって受信された支援情報を送信する。
【0091】
1つの例示的なシナリオでは、送信ポイント30は、ワイヤレス通信ネットワーク20内の近隣の第1の送信ポイント30-1および第2の送信ポイント30-2のうちの第1の送信ポイントを含む。対応して、処理回路52は、第2の送信ポイント30-2に関連する同期信号のセットを含む、1つまたは複数の同期信号を検出し、第2の送信ポイント30-2から検出された1つまたは複数の同期信号に対してワイヤレスデバイス50によって判定された無線品質が第1の送信ポイント30-1からのいずれかの検出された同期信号に対してワイヤレスデバイス50によって判定された無線品質よりも高いとの判定に基づいて、ワイヤレスデバイス50に対する同期ソースとして第1の送信ポイント30-1を使用することからワイヤレスデバイス50に対する同期ソースとして第2の送信ポイント30-2を使用することに変更するように設定された。このようにして、同期ソースと見なされることになる同期信号のセットの更新は、ワイヤレスデバイスによって自律的に行われ得る。
【0092】
またさらに、1つまたは複数の実施形態では、処理回路52は、ワイヤレス通信ネットワーク20からの情報の受信に基づいて、対応する指向性ビームに対して各同期信号を送信するために使用されるダウンリンクリソースを判定するように設定された。また、述べたように、同期信号のセットは、モビリティ参照信号(MRS)のセットを含んでよく、各MRSは、時間同期信号(TSS)とビーム参照信号(BRS)とを含み、各BRSは、MRSのセット内で一意であり、さらに、各MRSは、アンテナビームフォーミングにおいて送信ポイントによって使用される2つ以上の指向性ビームのうちの異なる指向性ビームに関連付けられる。
【0093】
図9は、
図8に示した例示的なワイヤレスデバイス50など、ワイヤレスデバイス50によって実装される処理の方法900の一実施形態を示す。しかしながら、方法900は、
図8に示した回路構成とは異なる回路構成を有するワイヤレスデバイスによって実行され得る。
【0094】
方法900は、ワイヤレスデバイス50が、送信ポイント30によって使用される同期信号のセットを判定すること(ブロック902)を含む。いくつかの実施形態では、セット内の各同期信号は、アンテナビームフォーミングにおいて送信ポイント30によって使用される異なる指向性ビームに関連付けられてよく、送信ポイント30は2つ以上の指向性ビームを使用する。
【0095】
方法900は、ワイヤレスデバイス50が、2つ以上の指向性ビームに対応するカバレッジエリア間の移動に関連して、送信ポイント30との同期を維持すること(ブロック904)をさらに含む。そのような動作は、セット内の同期信号のうちの検出された同期信号との動的な同期または再同期を含む。方法900は、同期信号のセット内の同期信号のうちの2つ以上が検出された場合、2つ以上の検出された同期信号のうちの最強のまたは最高品質の同期信号を同期のために選択することをさらに含み得る。このようにして、ワイヤレスデバイスは、送信ポイント30との同期を自律的に維持することができる。
【0096】
方法900は、ワイヤレスデバイス50によるワイヤレス通信ネットワーク20からの情報の受信に基づいて、同期信号のセット、および対応する指向性ビームに対して各同期信号を送信するために使用される特定のダウンリンクリソースのうちの少なくとも1つを判定することをさらに含み得る。たとえば、ワイヤレスデバイス50は、ワイヤレスデバイス50による自律的な決定、およびワイヤレス通信ネットワークによる開始のうちの少なくとも1つに基づいて、ワイヤレスデバイス50は同期の検出を試みる同期信号のセットを更新または変更する。
【0097】
図10は、シーケンス110、120、130、および140の異なるセットを使用して異なる時点(t0、t1、およびtk)において、それ自体がソースと同期されると見なすワイヤレスデバイス50を示す図である。シーケンス110~140のこれらの複数のセットは、異なる方向にビームフォーミングされ得る。シーケンスのセットは、たとえば、アナログ/ハイブリッドビームフォーミングの場合、場合によっては複数の方向にワイヤレスデバイス50によって検出されることになるビーム掃引手順に依存し得る。
【0098】
図10の例では、ワイヤレスデバイス50は、ワイヤレスデバイス50が時間t0において第1の同期シーケンス110を使用することになると判定する。ワイヤレスデバイス50は後で、ワイヤレスデバイス50が時間t1において第2の同期シーケンス120を、時間tkにおいて第3の同期シーケンス140を使用することになると判定する。
【0099】
同期シーケンス(すなわち、MRS)のセットの数は、ネットワークが異なるアクセスノードもしくは送信ポイントおよび/またはネットワーク展開に対して(周期性、掃引ごとの各MRSの反復因数、掃引ごとのMRSの数など)異なってビーム掃引を設定することを可能にするために、アクセスノードによって異なり得る。したがって、場合によっては、ワイヤレスデバイス50は2つのセットを使用することができ、他の場合には、ワイヤレスデバイス50は3つ以上のセットを使用することができる。
【0100】
したがって、
図11は、同期ソースとして使用されることになる同期信号の数がネットワークノード30によって異なり得ることを示す図である。ネットワークノード30-1は、2つの同期信号110および120を、たとえば、アンテナビームフォーミングにおいてネットワークノード30-1によって使用される各ビーム内で1つ送信する。しかしながら、ネットワークノード30-2は、3つの同期信号140、150、160を、たとえば、アンテナビームフォーミングにおいてネットワークノード30-2によって使用される各ビーム内で1つ送信する。したがって、ワイヤレスデバイス50-1は、その同期ソースとして同期信号110および120のうちの1つまたは両方を使用することができ、ワイヤレスデバイス50-2は、その同期ソースとして同期信号140、150、および160のうちのいずれかの1つまたは複数の信号を使用することができる。これらの複数の同期信号は、ビーム掃引サイクルに従って周期的に、または、たとえば、アップリンク品質に基づいて、関連するノード30またはネットワーク20内のサポートノード22によって識別された他のトリガ基準に基づいて、送信され得る。
【0101】
いくつかの実施形態では、同期信号は、そのソース同期目的で周期的信号として、または、ネットワーク20が、ワイヤレスデバイス50がいつそれらのソースノード30と再同期する必要があるかを検出するように、非周期的信号として、のいずれかで設定された。
【0102】
いくつかの実施形態では、ワイヤレスデバイス50は、ワイヤレスデバイス50が同期ソースとして使用すべき同期信号を指示する情報をネットワーク20から受信し、たとえば、ワイヤレスデバイス50は、ネットワーク20内で1つまたは複数の送信ポイント30によって使用される同期信号の1つまたは複数のセットを指示する情報を受信する。ワイヤレスデバイス50は、複数の同期信号を自律的に検出することができるが、同期信号と対応するビームとの間の関連性について知らず、どの同期信号が選好されるかについても必ずしも知らないため、そのような情報は役立つ。
【0103】
各ビームが同期信号の対応するセット内のそれぞれの同期信号に関連付けられた状態で、ビームの所与のセットに従ってビームフォーミングを行う送信ポイント30を考慮する。同期信号のセットをワイヤレスデバイス50に指示することは、ワイヤレスデバイス50が、ビームフォーミングセット内のビームのうちのいずれかを認識し、ワイヤレスデバイス50がそれぞれのビームのカバレッジエリア内を移動するにつれて、送信ポイント30との同期を維持することを可能にする。この例を続けると、ワイヤレスデバイス50は、複数の送信ポイント30のカバレッジエリア内にあり得、それらの送信ポイント30は各々、ビームを区別するために、ビームのそれぞれのセット、および同期信号、たとえば、MRSの対応するセットを使用している。当然、所与の送信ポイント30は、ビームの複数のセットを使用することができ、各ビームセットは同期信号の対応するセットを有する。さらに、送信ポイント30は、送信ポイント30との同期を得るかまたは維持するための、ワイヤレスデバイス50によって使用されることになる同期信号のサブセットまたは限定されたセットを指示し得る。いずれかのまたはすべてのそのような情報は、ネットワーク20内で動作しているワイヤレスデバイス50にシグナリングされ得るかまたはさもなければ指示され得る「支援」情報と見なされ得る。
【0104】
ワイヤレスデバイス50は、同じカバレッジエリア内でブロードキャストされたシステム情報からそのような情報を得ることができるが、ワイヤレスデバイス50のための同期ソースであるかまたは同期ソースとして働くことになる送信ポイント30によるとは限らない。この動作は、初期アクセスの前に、またはワイヤレスデバイス50が、接続モードに遷移する前など、アイドルモードにあるときに発生し得る。代替として、ワイヤレスデバイス50は、専用シグナリングによって、使用されることになる特定の同期信号、たとえば、1つまたは複数のセットを用いて明示的に設定され得る。この手法は、ワイヤレスデバイス50が接続モードになると、ワイヤレスデバイス50はそのソース同期セットを得ると推定する。
【0105】
他の場合には、ワイヤレスデバイス50は、セルID、システム情報インデックス(SII)、システムシグナチャ(SS)など、識別子の検出に基づいて、ソース同期のために使用されることになる同期信号を導出するか、推論するか、またはさもなければ、推定する。これらの場合、IDと使用されることになる同期信号との間のマッピングは、規格において規定されてよいか、またはさもなければ、たとえば、アクセス情報テーブル(AIT)内の送信されるそのような情報に基づいて、ワイヤレスデバイス50によって得られてもよい。そのような実施形態における「マッピング」は、IDと、同期信号シーケンス、またはシーケンスのセットとの間のマッピングであり得ることに留意されたい。
【0106】
同期信号は、スペクトルの固定部分の中で、たとえば、所与の周波数帯域の中央のN個のリソースブロックの中で、またはよりフレキシブルな方法で、たとえば、帯域の考えられる部分のうちの1つの中で送信され得る。フレキシブルな場合、ワイヤレスデバイス50は、セルID、SSなど、ワイヤレスデバイス50が検出することができる別の識別子から時間周波数リソース、または同期シーケンスのセットをどこで探索するかを導出することができる。この実装手法は、送信ポイント30が、たとえば、そのビームフォーミング設定の変更に応じて、送信ポイント30が使用するシーケンスの数をフレキシブルに変更することを可能にする。
【0107】
いくつかの実施形態では、ワイヤレスデバイス50は、同期および/または無線測定のためにワイヤレスデバイス50によって使用されることになる同期信号に関する詳細な設定情報を受信するように設定可能であり、ネットワーク20は、その詳細な設定情報を送るように設定可能である。たとえば、当該同期信号が周期的に送信されるかまたは非周期的に送信されるかについてワイヤレスデバイス50に知らせることができる。同期信号が周期的である場合、サブフレーム、フレーム、OFDMシンボル、またはワイヤレスデバイス50が知っている何らかの他の時間測定に関する周期性をワイヤレスデバイス50に知らせることができる。同期信号が非周期的である場合、ワイヤレスデバイス50は、それらの送信をトリガするための、またはそれらの同期信号がいつ送信されるかについて告げられるための何らかの機構で設定され得る。これらのセットが送信される時間/周波数リソースについてワイヤレスデバイス50に知らせることも可能である。たとえば、リソースエレメントは、所与の周波数キャリアの中央またはスペクトルの他の部分の中にあると予想され得る。
【0108】
いくつかの実施形態では、ワイヤレスデバイス50は、ソース同期のために使用するための同期信号の新たなセットで更新され得る。この更新は、ネットワークによってトリガされ得るか、またはより強力な無線状態を有する新たな識別子の検出時に、もしくは同じカバレッジエリア内のシステム情報設定の更新によってなど、デバイスによって自己トリガされ得る。
【0109】
これらの更新は、少なくとも2つのシナリオでトリガされ得る。第1のシナリオは、ネットワーク20が信号(たとえば、MRS)の異なるセットを使用することを決定するときに発生する。第1のシナリオは、関連するワイヤレスデバイス50に対して送信する送信ポイント30に対して、ネットワーク20が、より多くの同期信号が規定されて送信されることになると決定する場合に発生し得る。たとえば、時間T0から時間T1により狭いビームを送信するために、より多くの同期信号が規定される。
【0110】
より多くの同期信号が送信されるが、前の同期信号が依然として送信される場合、ネットワーク20は、ワイヤレスデバイス50を更新しても、またはワイヤレスデバイス50を更新しなくてもよい。言い換えれば、ワイヤレスデバイス50に対する同期ソースとしてサーブする送信ポイント30が、追加のビームを使用するようにそのアンテナビームフォーミングを再設定し、追加のビームに対して追加の同期信号の送信を開始するが、前の同期信号も送信し続ける場合、ネットワーク20は、追加の同期信号について必ずしもワイヤレスデバイス50に告げなくてよい。
【0111】
ネットワーク20は、所与の送信ポイント内の同期信号の数を低減することを決定することもできる。その場合、その決定が障害手順をトリガしないように、ワイヤレスデバイス50に知らせることができる。第2のシナリオは、ワイヤレスデバイス50がアイドルモードであり、同期信号の所与のセットとの同期を得るように設定されている場合に発生する。その場合、モビリティはデバイスベース、すなわち、自律的手順である。したがって、同期ソースと見なされることになる同期信号のセットの更新は、たとえば、受信された同期信号に関連する無線品質に基づいて、ワイヤレスデバイス50によって自律的に行われ得る。同期信号が、ワイヤレスデバイス50が検出することができるグルーピングの何らかの概念を符号化することも可能である。
【0112】
ネットワーク20は、同期信号ごとの反復、同期信号の数、時間/周波数リソース、ビーム掃引が発生する周期性(すなわち、掃引間のDTX周期)など、既存の同期信号の設定を更新することを決定することもできる。
【0113】
いくつかの実施形態では、ネットワーク20は、ワイヤレスデバイス50の少なくともサブセットに対して何のデータもスケジュールされていないという事実に基づいて、同期信号が送信される周期性を増大することができる。この手法は、ダウンリンク制御チャネル、たとえば、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)、またはパケットデータチャネル(PDCH)上で復調用参照信号(DMRS)または他の信号が、NRの文脈で、それらの同期信号を搬送する場合に適用可能であり得るが、これは、この場合、ダウンリンクデータ送信がスケジュールされている限り、ワイヤレスデバイス50は同期を得ることができるためである。
【0114】
いくつかの実施形態では、ネットワーク20は、関連するキャリア周波数または周波数帯域に応じて、同期信号送信を適応させることができる。たとえば、ネットワーク20は、相対的に言って、より低いキャリア周波数が使用されているときと比較して、より高いキャリア周波数が使用されているとき、より頻繁に同期信号を送信するように設定され得る。周波数または反復を増大するかどうか、またはいつ増大するかを判定するためにネットワークノードによって使用される規定された設定パラメータが存在し得る。場合によっては、ワイヤレスデバイス50は、ネットワークがそのセットを変更していないときですら、同期信号の新たなセットで更新され得る。
【0115】
同期ソースは、モビリティの間に更新され得る。ワイヤレスデバイス50が、MRSのセットによって規定されるなど、その同期信号セットを知っているとき、デバイス50は、そのセットに属さない他のMRSとこれらのMRSを区別し、他のMRSを近隣MRSとして扱うことができる。ネットワーク20は、モビリティ実行手順の間に、ワイヤレスデバイス50によって使用されることになる新たな同期参照として近隣MRSを使用することができる。ワイヤレスデバイス50は、PRACHプリアンブルを別の送信ポイント30に送るための同期ソース参照としてネットワークによって指示されたMRSを使用する。
【0116】
同期ソース、たとえば、MRSのセットの更新が発生し得る第2のシナリオは、ワイヤレスデバイス50がモビリティ動作を実行するときである。ワイヤレスデバイス50がMRS1、MRS2、MRS3として示されるMRSのセットで設定されたと仮定すると、デバイス50は、デバイスが、PRACHプリアンブルが送信される前にソース同期信号または同期参照として1つまたは潜在的に複数の他のMRS、たとえば、MRS4、MRS5、MRS6を使用するべきであることを指示するハンドオーバコマンドをそのソース送信ポイント30から受信することができる。無線リソース制御(RRC)接続再設定メッセージ内にあり得る、ハンドオーバコマンド内で単一のMRSが指示される場合、デバイス50は、新たな同期ソースとして使用されることになるMRSのセットで新たなソースアクセスノードによってさらに更新され得る。さもなければ、複数のMRSがハンドオーバコマンド内で与えられる場合、ワイヤレスデバイス50がこれらを新たな同期ソースと仮定すべきであるという指示が存在し得る。
【0117】
本明細書で説明する様々な実施形態は、デバイス50がそれらの同期ソースとして同期シーケンスの1つまたは複数のセットを使用することができる接続モードでワイヤレスデバイス50によって使用することを目的とする。しかしながら、いくつかの実施形態は、アイドルモード、またはワイヤレスデバイス50が初期アクセスおよびページング監視のために同期を使用する何らかの種類のスリーピング状態で使用され得る。言い換えれば、デバイス50は、1つまたは複数の同期信号のカバレッジにわたって移動している場合があり、それらの同期信号を「再選択」と見なさないか、または同じシステム情報パラメータ、たとえば、PRACH設定を依然として適用可能と見なす。この場合の設定は、デバイス50が接続されているときは専用シグナリングを介して、またはシステム情報を介してのいずれかで発生することになる。
【0118】
ウルトラリーン品質およびビームフォーミングに加えて、アイドルモード接続性と接続モード接続性との間に減結合が存在し得る。減結合は、「RRC接続」ワイヤレスデバイス50のみをサポートするようにいくつかの送信ポイント30が設定されたことに関連し得る。すなわち、いくつかの送信ポイント30は、初期アクセスまたはデバイスベースのモビリティのために主に使用されるべきではない。同様に、他の送信ポイント30は、「RRCアイドル」ワイヤレスデバイス50のみをサポートするように、または「RRCアイドル」ワイヤレスデバイスと「RRC接続」ワイヤレスデバイスの両方をサポートするように設定されてよい。そのような設定は、これらのノードがこれらの異なる設定で送信することになる信号および識別子の種類に影響を及ぼすことになる。この文脈で「アイドル」は、RRCアイドル状態を指すが、その意味は、ワイヤレスデバイス50がバッテリ節約のために最適化されるすべての種類のスリーピング状態にも拡張されるとして理解されるべきである。たとえば、LTEでは、アイドルは中断/再開などの手順を含む。
【0119】
説明したようにアイドルモード接続性と接続モード接続性との間の減結合を仮定すると、ワイヤレスデバイス50が設定されていない限り、MRSのセットで設定されたワイヤレスデバイス50は、この信号をアイドルモードで使用されるのと同じ同期信号と仮定すべきではない。言い換えれば、ワイヤレスデバイス50は、MRSのセットを介して同期され、アイドルモードに移動する。その状態で、ワイヤレスデバイス50は、上記で説明した技法のうちのいくつかに従って、同期を得るために新たな信号を検索すべきであり、この場合、新たな信号は1つまたは複数の信号であってよい。
【0120】
LTEでは、基地局は、同期ソースとして使用するために、シーケンス、たとえば、PSSおよびSSSの対を全方向様式でブロードキャストする。しかしながら、送信ポイント30が、ビームフォーミングにおいて送信ポイント30によって使用される2つ以上の指向性ビームのうち、各指向性ビームに対応する同期信号を送信するように、送信ポイント30はビーム固有ベースで2つ以上の同期信号を送信することが本明細書で企図される。任意の1つまたは複数のそのような同期信号は、したがって、送信ポイント30に関して有効な同期シーケンスであり、ワイヤレスデバイス50が十分に良好な受信状態でそれらの同期信号のうちの少なくとも1つを受信する限り、ワイヤレスデバイス50は同期を維持する。
【0121】
上記で説明した技法のうちのいくつかの利点は、同期ソースとしての同期シーケンス/MRSの複数のセットの使用は、ワイヤレスデバイス50がより強力なビームを検出するたびに、ワイヤレスデバイス50はその同期ソースを更新しなくてよいことを意味することである。また、送信ポイント30からの複数の同期信号の使用は、様々な実装が失われた同期を迅速に回復させることを可能にするため、その使用は、無線リンク問題の検出時にワイヤレスデバイス50が講じる措置を簡素化する。
【0122】
図12は、送信ポイント30内で実装され得るような1つの例示的な機能モジュールまたは回路アーキテクチャを示す。示す実施形態は、少なくとも機能的に、送信モジュール1202と処理モジュール1204とを含む。処理モジュール1204は、各同期信号がアンテナビームフォーミングにおいて送信ポイント(30)によって使用される2つ以上の指向性ビームのうちのそれぞれ1つの指向性ビームに対応するように、送信モジュール1202を介して、ビーム固有ベースで2つ以上の同期信号を送信ポイント30から、送信するように設定された。同期信号は、送信ポイント30との同期を得るかまたは維持するための、ワイヤレスデバイス50による同期測定のための参照として働く。
【0123】
いくつかの実施形態では、処理モジュール1204は、2つ以上の同期信号を生成するように設定され、各同期信号は、2つ以上の同期信号のうちの他の1つまたは複数と区別可能である。さらに、処理モジュール1204は、各同期信号がアンテナビームフォーミングにおいて送信ポイント(30)によって使用される2つ以上の指向性ビームのうちのそれぞれ1つの指向性ビームに対応するように、送信モジュール1202を介して、ビーム固有ベースで2つ以上の同期信号を送信ポイント30から、送信するように設定された。同期信号は、送信ポイント30との同期を得るかまたは維持するための、ワイヤレスデバイス50による同期測定のための参照として働く。
【0124】
いくつかの実施形態では、処理モジュール1204は、2つ以上の同期信号を生成するように設定され、各同期信号は、送信ポイントに関連する同期信号のセットに属する。さらに、処理モジュール1204は、各同期信号がアンテナビームフォーミングにおいて送信ポイント(30)によって使用される2つ以上の指向性ビームのうちのそれぞれ1つの指向性ビームに対応するように、送信モジュール1202を介して、ビーム固有ベースで2つ以上の同期信号を送信ポイント30から、送信するように設定された。同期信号は、送信ポイント30との同期を得るかまたは維持するための、ワイヤレスデバイス50による同期測定のための参照として働く。
【0125】
図13は、ワイヤレスデバイス50において実装され得るような1つの例示的な機能モジュールまたは回路アーキテクチャを示す。示す実施形態は、少なくとも機能的に、送信ポイント30によって使用される同期信号のセットを判定するように設定された処理モジュール1304とともに、ワイヤレス通信ネットワーク20内で送信ポイント30から信号を受信するように設定された受信モジュール1302を含む。いくつかの実施形態では、セット内の各同期信号は、アンテナビームフォーミングにおいて送信ポイント30によって使用される異なる指向性ビームに関連付けられてよく、送信ポイント30は2つ以上の指向性ビームを使用する。処理モジュール1304は、セット内の同期信号のうちの検出された同期信号との動的な同期または再同期に基づいて、2つ以上の指向性ビームに対応するカバレッジエリア間の移動に関連して、送信ポイント(30)との同期を維持するようにさらに設定された。このようにして、ワイヤレスデバイスは、送信ポイント30との同期を自律的に維持することができる。
【0126】
上記の例を念頭において、いくつかの企図される実施形態では、同期シーケンス/MRSの複数のセットの可用性は、ワイヤレスデバイス50がそのソースとの同期を再度得るための様々な実装を可能にする。この手順は、ワイヤレスデバイス50がダウンリンク制御チャネルを復号することができないときなど、ワイヤレスデバイス50が無線リンク問題を検出するときにトリガされ得る。
【0127】
いくつかの実施形態では、再同期は、無線リンク問題の検出に応じて発生し得る。ワイヤレスデバイス50が同期ソースとして使用されることになるMRSのセット(または、同期信号の何らかの他のセット)で設定されていると仮定すると、ワイヤレスデバイス50は、設定されたリソースを様々な方法で使用することができる。
【0128】
いくつかの実施形態では、ワイヤレスデバイス50が、NRの文脈で説明したPDCCHおよびPDCHなど、ダウンリンク制御チャネルを復号することができないときにワイヤレスデバイス50は、無線リンク問題を検出することができる。この検出は、LTEと同様の同期外れ(out-of-sync)事象の数をカウントすることによって行われ得る。ワイヤレスデバイス50がMRS1、MRS2、およびMRS3で設定されている例示的な事例では、これらの3つのMRSうちのいずれかは、ネットワークの観点から同期ソースとして使用され得る。一実施形態では、一定数(N310-nr)の同期外れパケットに達すると、ワイヤレスデバイス50は、設定されたMRS(MRS1、MRS2、またはMRS3)のうちの1つをランダムに選択して、その前のソースアクセスノードとの同期を再度得ることを試みる。別の実施形態では、ワイヤレスデバイス50は、ワイヤレスデバイス50が検出することができるMRSの設定されたセットからの最初のセットを使用することができる。別の実施形態では、ワイヤレスデバイス50は、MRS1、MRS2、およびMRS3から測定した最強のMRSを選択し、同期パケットの数のカウントを開始する。この数が増大せず、同時に、同期外れの数が伸び続ける場合、ワイヤレスデバイス50は、MRS1、MRS2、およびMRS3の中から第2の最強のMRSを使用することができる。
【0129】
ワイヤレスデバイス50は、複数のMRSを検出/測定するオーバヘッドを回避するためにスマートな方法で複数のMRSを使用することもできる。アナログビームフォーミング(BF)の場合に特に適用可能な一実施形態では、MRSは、時分割多重方法で異なるビーム内で送信される。この手法は、ワイヤレスデバイス50が十分良好な方法でMRSのうちの1つを検出する限り、ワイヤレスデバイス50が同期のためにMRSの残りを復号することを控えることを可能にする。ここで、「十分に良好な」は、しきい値によって規定され得る。言い換えれば、ワイヤレスデバイス50は、1つの同期信号のみを使用することができ、これが一定のしきい値を超える限り、ワイヤレスデバイス50は他の同期信号を使用しなくてよく、その結果、処理は節約され得る。他方で、ワイヤレスデバイス50は、品質の劣化、移動などの場合、他の同期信号の検出を試みることを開始することができる。
【0130】
特に、開示する発明の修正および他の実施形態が前述の説明および関連する図面に提示される教示の利益を有する当業者の頭に浮かぶであろう。したがって、本発明は、開示する特定の実施形態に限定されず、修正および他の実施形態は本開示の範囲内に含まれることが意図されることを理解されたい。本明細書において特定の用語が採用される場合があるが、これらの用語は、単に一般的かつ記述的な意味で使用され、限定のためではない。
【0131】
いくつかの例では、RRC CONNECTED NR USは、これらの測定を使用して、RRM測定およびRRC駆動モビリティを実行することができる。場合によっては、RRC CONNECTED NR UEは、「セル」について知らされなくてよく、むしろ、ビームについてのみ知らされる必要がある。NRにおけるRRM測定の場合、LTE UEは、そのPSS/SSSに基づいてセルを検出する。これらの信号の重要な属性は、検出されることになる近隣セルがサービングセルの信号と同期していなくてもよいことである。次に、UEは、獲得されたPSS/SSSから近隣セルID(PCI)を自律的に検出し、すなわち、ネットワークは、近隣セルリストを提供しなくてよい。UEは、一般に、(サービング周波数と同じであってよく、または異なってもよい)ターゲット周波数上で短い時間窓(たとえば、5ms)をサンプリングすることによって、近隣セルを検出して測定し、そのサンプル内でPSS/SSS発生を(場合によってはオフラインで)検索する。各検出されたPSS/SSSに関して、UEは、PCIに対応するCRSを使用して測定を実行することもできる。その措置の結果は、近隣セルIDのリストおよび対応する測定サンプルである。NR CONNECTEDモード動作は、実質的にビームフォーミングに依存し得る。UEが(セルではなく)ビームを検出し、測定し、報告することを可能にするために、データ、および制御情報の他に、参照信号もビームフォーミングされる必要がある。1つのオプションは、セル固有の同期信号および参照信号ならびにビーム固有の同期信号および参照信号の両方を送ることであろう。後者が前者に依存する場合、UEは、まずそのPSS/SSSのような信号に基づいて(LTEにおけるように)セルを検出しなければならず、その後、1つまたは複数の依存性ビーム参照信号(BRS)の検出を試みることになる。しかしながら、BRSがビームフォーミングされる一方で、セル固有PSS/SSSがビームフォーミングされない場合、受信電力における差異はUEに関して同期受信を難しいものにすることになる。代替として、eNBは、いくつかの異なるBRSとともに、同じセル固有PSS/SSSを繰り返し送ることができる。しかしながら、これは、オーバヘッドを増大し、明らかなタイミング参照としてPSS/SSSを使用することをより困難にすることになる。
【0132】
ビームを検出するためのUE複雑性をLTEで近隣セルを検出するのと等しく簡素に維持するために、セル固有同期信号(PSS/SSS)をビーム固有同期信号と置換することができる。これらの信号は、PSS/SSSと同様の属性を有するべきあり、主な差異は、これらの信号がCONNECTEDモードでのみ使用され、それらの時間/周波数割振りは、規格でハードコーディングされないことである。その名称が指示するように、ビーム固有参照信号はビームフォーミングされることが意図され、ネットワークは、サブフレーム内で複数の信号を(たとえば、OFDMシンボルごとに1つ)スタガし(stagger)、異なる周波数割振りで送信するために、増大した割振りフレキシビリティを使用することができる。この同期信号によって明らかにされるIDは、セルIDではなく「ビームID」である。UEは、これらの信号に関してRRM測定を実行することが可能であるはずであり、したがって、信号はモビリティ参照信号(MRS)と示される。
【0133】
いくつかのMRSがセクタ内でビームフォーミングされるかどうか、または単一のMRSがセクタ全体をカバーするかどうかは、ネットワーク設定に左右され、UEに対して透過的である。NR CONNECTEDモードの場合、セル固有セル信号および参照信号は、ビーム固有モビリティ参照信号によって置換される。RRC CONNECTED UEは、これらの測定参照信号に基づいて個々のビームを検出して測定する。UEは一般に、同じ送信ポイントから生じるいくつかのそのようなMRSを検出することになるが、UEがビームのグループを識別し、場合によっては、そのグループを「セル」として規定することを可能にすることに潜在的な利益が存在し得る。いくつかの例では、RRC CONNECTED UEは、ビームのグループを識別することができない。
【0134】
LTEでは、mobilityControlInfoを用いたRRCConnectionReconfigurationは、特に、ターゲットセルIDを含む。ハンドオーバを実行するために、UEは、そのPCIを搬送するPSS/SSSを検出し、その信号とダウンリンク同期を確立すべきである。ビームフォーミングにより、同期信号のカバレッジエリアは、セルのカバレッジエリアと比較して潜在的に小さくなる。各ビーム変更時のRRCベースのモビリティは、回避されるべきである。1つの送信ポイントから生じるビームにわたる、同じネットワークノードの密に同期した送信ポイントのビーム間のモビリティは、いかなるRRC再設定も必要とすべきではない。これを達成するために、ネットワークは、サービングMRSのセットでUEを設定する。UEのMRS検索が「サービングMRSセット」内に列挙された、いくつかのMRS IDを明らかにする場合、その検索は、タイミング参照として最強のMRS IDを選ぶ。送信されたMRSが密に同期していることを条件に、ネットワークは、UEがセット内のMRSのうちのどれを使用するかを瞬時に知る必要はない。
【0135】
接続確立時に、かつRRCレベルモビリティの間に、ネットワークは、密な同期で送信され、UEがタイミング参照としていずれかを使用することができる「サービングMRSのセット」でNR UEを設定する。UEは、たとえば、モビリティ事象および測定報告をトリガするために、ビームをそのサービングeNBおよび近隣eNBと区別することができる。そのサービングMRSセット内にないすべてのビームが近隣MRSであるように、サービングMRSはその目的で利用され得る。MRSは、それに基づいてUEがネットワークとの同期を維持することができる唯一の信号ではない。PSS/SSSのようなMRSは、UEが初期同期を獲得することを可能にするが、復調用参照信号(DM-RS)は、UEがデータを受信しながら正確な同期を維持することを可能にする。これは、UEが、たとえば、PSS/SSS発生の間であっても同期を均衡に保つためにCRSを使用することができるLTEと同様である。「サービングMRSのセット」に加えて、UEは、正確な時間/周波数同期を維持するためにそのDMRSを使用することができる。LTEでは、すべての物理チャネルは、(UEがPSS/SSSから獲得した)セルIDでスクランブリングされる。このスクランブリングは、UEがサービングセルの送信を近隣セルの送信と区別することができることを確実にする。さらに、異なるスクランブリングシーケンスは、近隣セルの干渉をランダム化する。MRSはビーム固有であるため、かつ「サービングMRSセット」内の選ばれたMRSはネットワークに対して透過的であるはずであるため、スクランブリングのためにMRS IDを使用することはできない。MRSは、UEが専用RRC設定に沿って動作すべきであるCONNECTEDモードで動作することのみが意図される。したがって、RRC Connected UEによって使用されることになるスクランブリングIDは、同期信号から導出されるのではなく、専用シグナリングよって伝達され得る。いくつかの例では、RRC Connected UEによって使用されることになるスクランブリングは、専用RRCシグナリングによって伝達される。