(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-23
(45)【発行日】2022-05-31
(54)【発明の名称】フィルムアンテナ及びそれを含むディスプレイ装置
(51)【国際特許分類】
H01Q 1/22 20060101AFI20220524BHJP
H01Q 9/28 20060101ALI20220524BHJP
【FI】
H01Q1/22 Z
H01Q9/28
(21)【出願番号】P 2020524277
(86)(22)【出願日】2018-11-06
(86)【国際出願番号】 KR2018013342
(87)【国際公開番号】W WO2019088792
(87)【国際公開日】2019-05-09
【審査請求日】2020-04-30
(31)【優先権主張番号】10-2017-0146686
(32)【優先日】2017-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2018-0006540
(32)【優先日】2018-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】503454506
【氏名又は名称】東友ファインケム株式会社
【氏名又は名称原語表記】DONGWOO FINE-CHEM CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】132, YAKCHON-RO, IKSAN-SI, JEOLLABUK-DO 54631, REPUBLIC OF KOREA
(73)【特許権者】
【識別番号】521094676
【氏名又は名称】クリーモ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チョイ,ビュン・ジン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ジョン・ミン
(72)【発明者】
【氏名】ホ,ユン・ホ
(72)【発明者】
【氏名】ホン,ウォン・ビン
【審査官】岸田 伸太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-175540(JP,A)
【文献】特開2017-227982(JP,A)
【文献】国際公開第2018/055999(WO,A1)
【文献】国際公開第2006/106982(WO,A1)
【文献】特開2017-175542(JP,A)
【文献】特開2007-288399(JP,A)
【文献】特開2000-138512(JP,A)
【文献】国際公開第2016/098761(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0093939(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0051620(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0352959(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2008-0004556(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2016-0036436(KR,A)
【文献】特開平11-177336(JP,A)
【文献】国際公開第2006/106759(WO,A1)
【文献】特許第6325719(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 1/00-25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電層と、
前記誘電層の上面上に配置され、複数の導電ラインによって定義されたメッシュ構造を含むアンテナパターンと、
前記誘電層の前記上面上に配置され、前記アンテナパターンと同一のメッシュ構造を含み、複数のダミーラインによって定義されたダミーパターンとを含み、
前記アンテナパターンは、前記導電ラインの端部を互いに接続させ、前記ダミーラインと離隔する枠パターンをさらに含み、
前記枠パターンは、前記導電ライン及び前記ダミーラインと互いに異なる方向に延長する、フィルムアンテナ。
【請求項2】
前記ダミーライン及び前記導電ラインは、互いに同じ幅及び高さを有する、請求項1に記載のフィルムアンテナ。
【請求項3】
前記ダミーラインは、互いに交差する方向に延長する第1のダミーライン及び第2のダミーラインを含み、
前記導電ラインは、互いに交差する方向に延長する第1の導電ライン及び第2の導電ラインを含む、請求項1に記載のフィルムアンテナ。
【請求項4】
前記第1のダミーライン及び前記第1の導電ラインは、同じ方向に延長し、前記第2のダミーライン及び前記第2の導電ラインは、同じ方向に延長する、請求項3に記載のフィルムアンテナ。
【請求項5】
前記ダミーラインと前記アンテナパターンとの間の離隔距離に対する前記ダミーラインの幅の比率は、0.5~3である、請求項1に記載のフィルムアンテナ。
【請求項6】
前記アンテナパターンは、放射パターンと、パッド部と、前記放射パターン及び前記パッド部を仲介する伝送ラインとを含む、請求項1に記載のフィルムアンテナ。
【請求項7】
前記放射パターン及び前記パッド部は、いずれも前記メッシュ構造を含む、請求項6に記載のフィルムアンテナ。
【請求項8】
前記放射パターンは、前記メッシュ構造を含み、前記パッド部は中身が詰まった(solid)構造を有する、請求項6に記載のフィルムアンテナ。
【請求項9】
前記ダミーパターンは、少なくとも一部の領域に分節部を含む、請求項1に記載のフィルムアンテナ。
【請求項10】
誘電層と、
前記誘電層の上面上に互いに交差するように配列されてメッシュ構造を形成する第1の電極ライン及び第2の電極ラインを含む電極ラインとを含み、
前記第1の電極ライン及び前記第2の電極ラインの交差部の一部の交差部に連続して形成されたスリットによって、前記メッシュ構造を含むアンテナパターン及びダミーパターンの境界が定義され、
前記スリットは、前記交差部が部分的に除去された形状を有し、前記交差部の残留部の間に形成され
、
前記残留部により、前記境界周辺の前記アンテナパターン及び前記ダミーパターンのそれぞれに含まれた前記第1の電極ライン及び前記第2の電極ラインが互いに接続される、フィルムアンテナ。
【請求項11】
前記残留部は、前記スリットと反対側に前記第1の電極ライン及び前記第2の電極ラインの交差角よりも緩やかな凹部を含む、請求項10に記載のフィルムアンテナ。
【請求項12】
前記凹部は、前記スリット側に凹な曲面を含む、請求項11に記載のフィルムアンテナ。
【請求項13】
前記スリットの幅は、前記電極ラインの幅よりも大きい、請求項10に記載のフィルムアンテナ。
【請求項14】
前記交差部の幅は、前記電極ラインの幅及び前記スリットの幅の合計よりも大きい、請求項13に記載のフィルムアンテナ。
【請求項15】
前記誘電層の底面上に形成されたグランド層をさらに含む、請求項10に記載のフィルムアンテナ。
【請求項16】
請求項1~15のいずれか一項に記載のフィルムアンテナを含む、ディスプレイ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルムアンテナ及びそれを含むディスプレイ装置に関する。より詳細には、電極および誘電層を含むフィルムアンテナ、並びにそれを含むディスプレイ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報化社会が進展するにつれて、ワイファイ(Wi-Fi)、ブルートゥース(Bluetooth(登録商標))などの無線通信技術がディスプレイ装置と結合され、例えばスマートフォンの形で実現されている。この場合には、アンテナが前記ディスプレイ装置に結合され、通信機能を実行することができる。
【0003】
最近では、移動通信技術が進化するにつれて、超高周波帯域の通信を行うためのアンテナが前記ディスプレイ装置に結合される必要がある。また、透明ディスプレイ、フレキシブルディスプレイなどの薄型、高透明、高解像度のディスプレイ装置が開発され、前記アンテナもまた、高い放射特性、信号感度を満足しながら向上した透過度を持つ必要がある。
【0004】
アンテナの信号送受信特性を向上させるためには、低抵抗の金属を用いて電極または放射パターンを形成することが好ましいことがある。しかし、この場合、前記電極または放射パターンがディスプレイ装置のユーザに視認され、画像品質を劣化させることがある。
【0005】
例えば、韓国公開特許第2003-0095557号は、携帯用端末に内蔵されるアンテナ構造を開示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、向上した光学的特性を有するフィルムアンテナを提供することである。
【0007】
本発明の課題は、向上した光学的特性を有するフィルムアンテナを含み、画像品質が向上したディスプレイ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
1.誘電層と、前記誘電層の上面上に配置され、メッシュ構造を含むアンテナパターンと、前記誘電層の前記上面上に配置され、前記アンテナパターンと同じメッシュ構造を含むダミーパターンとを含む、フィルムアンテナ。
【0009】
2.前記項目1において、前記ダミーパターンはダミーラインを含み、前記アンテナパターンは導電ラインを含み、前記ダミーライン及び前記導電ラインは、互いに同じ幅及び高さを有する、フィルムアンテナ。
【0010】
3.前記項目2において、前記ダミーラインは、互いに交差する方向に延長する第1のダミーライン及び第2のダミーラインを含み、
前記導電ラインは、互いに交差する方向に延長する第1の導電ライン及び第2の導電ラインを含む、フィルムアンテナ。
【0011】
4.前記項目3において、前記第1のダミーライン及び前記第1の導電ラインは、同じ方向に延長し、前記第2のダミーライン及び前記第2の導電ラインは、同じ方向に延長する、フィルムアンテナ。
【0012】
5.前記項目2において、前記ダミーラインと前記アンテナパターンとの間の離隔距離に対する前記ダミーラインの幅の比率は、0.5~3である、フィルムアンテナ。
【0013】
6.前記項目2において、前記アンテナパターンは、前記導電ラインの端部を互いに接続する枠パターンをさらに含む、フィルムアンテナ。
【0014】
7.前記項目1において、前記アンテナパターンは、放射パターンと、パッド部と、前記放射パターン及び前記パッド部を仲介する伝送ラインとを含む、フィルムアンテナ。
【0015】
8.前記項目7において、前記放射パターン及び前記パッド部は、いずれも前記メッシュ構造を含む、フィルムアンテナ。
【0016】
9.前記項目7において、前記放射パターンは、前記メッシュ構造を含み、前記パッド部は、中身が詰まった(solid)構造を有する、フィルムアンテナ。
【0017】
10.前記項目1において、前記ダミーパターンは、少なくとも一部の領域に分節部を含む、フィルムアンテナ。
【0018】
11.誘電層と、前記誘電層の上面上に互いに交差するように配列されてメッシュ構造を形成する第1の電極ライン及び第2の電極ラインを含む電極ラインとを含み、
前記第1の電極ライン及び前記第2の電極ラインの交差部の一部の交差部に連続して形成されたスリットによって、前記メッシュ構造を含むアンテナパターン及びダミーパターンの境界が定義される、フィルムアンテナ。
【0019】
12.前記項目11において、前記スリットは、前記交差部が部分的に除去された形状を有する、フィルムアンテナ。
【0020】
13.前記項目12において、前記スリットは、前記交差部の残留部の間に形成される、フィルムアンテナ。
【0021】
14.前記項目13において、前記残留部により、前記境界周辺の前記アンテナパターン及び前記ダミーパターンのそれぞれに含まれた前記第1の電極ライン及び前記第2の電極ラインが互いに接続される、フィルムアンテナ。
【0022】
15.前記項目13において、前記残留部は、前記スリットと反対側に、前記第1の電極ライン及び前記第2の電極ラインの交差角よりも緩やかな凹部を含む、フィルムアンテナ。
【0023】
16.前記項目15において、前記凹部は、前記スリット側に凹な曲面を含む、フィルムアンテナ。
【0024】
17.前記項目11において、前記スリットの幅は、前記電極ラインの幅よりも大きい、フィルムアンテナ。
【0025】
18.前記項目17において、前記交差部の幅は、前記電極ラインの幅及び前記スリットの幅の合計よりも大きい、フィルムアンテナ。
【0026】
19.前記項目11において、前記誘電層の底面上に形成されたグランド層をさらに含む、フィルムアンテナ。
【0027】
20.前記項目1~19のいずれか一つに記載のフィルムアンテナを含む、ディスプレイ装置。
【発明の効果】
【0028】
本発明の一部の実施形態によると、フィルムアンテナは、アンテナパターン及び前記アンテナパターンの周辺に形成されたダミーパターンを含むことができる。前記アンテナパターン及び前記ダミーパターンは、それぞれ実質的に同一のメッシュ構造を含むことができる。これにより、光学的、物理的な偏差によるアンテナパターンまたは電極の視認を防止でき、前記フィルムアンテナが実装されるディスプレイ装置の画像品質が前記アンテナパターンによって劣化することを防止できる。また、前記ダミーパターンにより光学的特性を向上できるので、前記アンテナパターンは、低抵抗の金属を用いて信号の送受信特性をより増加させることができる。
【0029】
本発明の一部の実施形態によると、フィルムアンテナは、互いに交差する第1の電極ライン及び第2の電極ラインによって形成されたメッシュ構造を含むことができる。これにより、前記フィルムアンテナの透過率を向上することができる。
【0030】
前記メッシュ構造は、アンテナパターンとダミーパターンに区分することができる。前記アンテナパターン及び前記ダミーパターンは、前記第1の電極ライン及び前記第2の電極ラインの交差部が部分的に除去されて形成されたスリットにより区分できる。
【0031】
前記交差部が部分的に除去されて残留部が形成され、前記残留部により前記アンテナパターン及び前記ダミーパターンに含まれた第1及び第2の電極ラインを互いに接続することができる。これにより、前記スリットによるアンテナパターンの抵抗の増加、信号損失を防止することができる。
【0032】
前記フィルムアンテナは、向上した透過度を有し、3G以上、例えば5G高周波帯域の送受信が可能な移動通信機器を含むディスプレイ装置に適用され、放射特性および透過度のような光学特性を共に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】
図1は、例示的な実施形態に係るフィルムアンテナを示す概略平面図である。
【
図2】
図2は、例示的な実施形態に係るフィルムアンテナを示す概略断面図である。
【
図3】
図3は、例示的な実施形態に係るフィルムアンテナの電極ライン構造を説明するための部分拡大図である。
【
図4】
図4は、一部の例示的な実施形態に係るフィルムアンテナを示す概略平面図である。
【
図5】
図5は、一部の例示的な実施形態に係るフィルムアンテナを示す概略断面図である。
【
図6】
図6は、例示的な実施形態に係るフィルムアンテナのダミーパターン構造を示す概略平面図である。
【
図7】
図7は、例示的な実施形態に係るフィルムアンテナのダミーパターン構造を示す概略平面図である。
【
図8】
図8は、例示的な実施形態に係るフィルムアンテナのダミーパターン構造を示す概略平面図である。
【
図9】
図9は、例示的な実施形態に係るフィルムアンテナを示す概略平面図である。
【
図10】
図10は、例示的な実施形態に係るフィルムアンテナの電極ライン構造を説明するための部分拡大図である。
【
図11】
図11は、例示的な実施形態に係るフィルムアンテナの交差部を説明するための部分拡大図である。
【
図12】
図12は、例示的な実施形態に係るフィルムアンテナのスリット形成を説明するための概略図である。
【
図13】
図13は、比較例に係るフィルムアンテナのスリット形成を説明するための概略図である。
【
図14】
図14は、例示的な実施形態に係るディスプレイ装置を説明するための概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明の実施形態は、誘電層上に配置され、メッシュ構造を含むアンテナパターン及びダミーパターンを含み、透過度が向上したフィルムアンテナを提供するものである。
【0035】
前記フィルムアンテナは、例えば、透明フィルムの形で製作されるマイクロストリップパッチアンテナ(microstrip patch antenna)であってもよい。前記フィルムアンテナは、例えば、3G~5G移動通信のための通信機器に適用できる。
【0036】
また、本発明の実施形態は、前記フィルムアンテナを含むディスプレイ装置を提供するものである。
【0037】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態をより具体的に説明する。ただし、本明細書に添付される図面は、本発明の好適な実施形態を例示するものであって、発明の詳細な説明とともに本発明の技術思想をさらに理解する一助となる役割を果たすものであるため、本発明は図面に記載された事項のみに限定されて解釈されるものではない。
【0038】
図1及び
図2は、それぞれ例示的な実施形態に係るフィルムアンテナを示す概略的な平面図および断面図である。
【0039】
図1及び
図2を参照すると、フィルムアンテナは、誘電層100上に配置されたアンテナパターン及びダミーパターン118を含むことができる。例示的な実施形態によると、前記アンテナパターンは、放射パターン112と、伝送ライン114と、パッド部116とを含むことができる。
【0040】
誘電層100は、所定の誘電率を有する絶縁物質を含むことができる。誘電層100は、例えば、シリコン酸化物、シリコン窒化物、金属酸化物などの無機絶縁物質;又はエポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、イミド系樹脂、セルロース系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ウレタン系樹脂、ビニルアルコール系樹脂などの有機絶縁物質を含むことができる。誘電層100は、前記アンテナパターンが形成されるフィルムアンテナのフィルム基材として機能することができる。
【0041】
一部の実施形態では、誘電層100の誘電率は、約1.5~12の範囲に調節することができる。前記誘電率が約12を超えると、駆動周波数が減少しすぎて、所望の高周波帯域での駆動を実現できないことがある。
【0042】
前記アンテナパターンは、放射パターン112と、伝送ライン114と、パッド部116とを含むことができる。
【0043】
放射パターン112は、伝送ライン114と一体に接続することができる。例えば、放射パターン112は、伝送ライン114と接続される突出部を中央部に含むことができる。しかし、
図1に示す放射パターン112の形状は例示的なものであり、放射効率などを考慮して適宜変更することができる。
【0044】
伝送ライン114は、例えば、前記アンテナパターンのフィーディング(feeding)ラインで提供することができる。伝送ライン114は、放射パターン112の前記突出部からパッド部116に延長することができる。
【0045】
図1に示すように、パッド部116は、リセスを内部に含み、伝送ライン114は、パッド部116の前記リセスの内部に挿入できる。
【0046】
前記アンテナパターンの周辺には、ダミーパターン118を配列することができる。ダミーパターン118は、誘電層100の上面上で前記アンテナパターンと同一層または同一レベルに配置することができる。
【0047】
例示的な実施形態によると、ダミーパターン118及び前記アンテナパターンは、実質的に同一形状のメッシュ構造を含むことができる。一部の実施形態では、ダミーパターン118及び前記アンテナパターンは、実質的に同一のメッシュ層から形成される。これにより、前記メッシュ構造に含まれた各セル(cell)の面積、導電ラインの幅及び高さを同一にすることができる。
【0048】
図2に示すように、誘電層100上には第1の導電層110が配置され、第1の導電層110は、前述した前記アンテナパターン及びダミーパターン118を包括することができる。
【0049】
第1の導電層110(前記アンテナパターン及びダミーパターン118)は、前述したようにメッシュ構造を含む。これにより、前記フィルムアンテナの透過度を向上することができる。また、前記アンテナパターン及びダミーパターン118が実質的に同一のメッシュ構造を含むことにより、第1の導電層110の領域別のパターン形状のばらつき、反射率の差によるパターンの視認現象を防止することができる。
【0050】
例示的な実施形態によると、前記アンテナパターンは、低抵抗の金属を含むことができる。前述したメッシュ構造を前記アンテナパターン及びダミーパターン118に含むことにより、向上した透過度および光学特性を確保できる。これにより、相対的に高抵抗の透明金属酸化物(例えば、ITOまたはIZO)の代わりに金属を用いて、前記アンテナパターンの信号損失を低減し、放射特性をより向上させることができる。
【0051】
例えば、前記アンテナパターンは、それぞれ銀(Ag)、金(Au)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、タングステン(W)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、バナジウム(V)、鉄(Fe)、マンガン(Mn)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、亜鉛(Zn)、又はこれらの合金を含むことができる。これらは、単独であるいは2以上を組み合わせて使用することができる。例えば、前記アンテナパターンは、低抵抗の実現のために、銀(Ag)または銀合金を含むことができ、例えば、銀-パラジウム-銅(APC)合金を含むことができる。
【0052】
一実施形態では、前記アンテナパターンは、前記金属及び/又は合金で構成することができる。
【0053】
ダミーパターン118もまた、前記アンテナパターンと実質的に同じ金属または合金を含むことができる。
【0054】
第1の導電層110の厚さは、前記アンテナパターンの低抵抗の実現および透過度の向上を考慮して調節することができる。例えば、第1の導電層110の厚さは、約100~5000Åの範囲であってもよい。前述したように、前記アンテナパターン及びダミーパターン118は、実質的に同一の厚さ(又は高さ)を有することができる。
【0055】
誘電層100の下には、第2の導電層90を配置することができる。例示的な実施形態では、第2の導電層90は、前記フィルムアンテナのグランド電極で提供することができる。この場合には、第2の導電層90及びパッド部116を接続するコンタクトまたは接続グランドパターンを誘電層100内に形成することができる。
【0056】
一部の実施形態では、第2の導電層90は、フィルムアンテナの別の構成として含むことができる。一部の実施形態では、フィルムアンテナが搭載されるディスプレイ装置の導電性部材をグランド層で提供することもできる。
【0057】
前記導電性部材は、例えば、ディスプレイパネルに含まれる薄膜トランジスタ(TFT)のゲート電極、スキャンライン又はデータラインなどの各種の配線、または画素電極、共通電極などの各種の電極などを含むことができる。
【0058】
第2の導電層90は、金属、合金、透明金属酸化物などの導電物質を含むことができる。
【0059】
一部の実施形態では、前記アンテナパターンは、垂直放射パターンであってもよい。一実施形態では、前記アンテナパターンは、水平放射パターンを含むこともできる。この場合、グランド層を放射パターン112と同じレベル(例えば、誘電層100の上面)上に配置することができる。
【0060】
図1では、説明を容易にするために1つのアンテナパターンのみを示しているが、誘電層100上に複数のアンテナパターンを規則的にあるいはランダムに配列することができる。
【0061】
図3は、例示的な実施形態に係るフィルムアンテナの電極ライン構造を説明するための部分拡大図である。例えば、
図3は、
図1の「A」領域の一部を拡大した平面図である。
【0062】
図3を参照すると、アンテナパターン(又は放射パターン112)に含まれたメッシュ構造は、導電ラインを含むことができる。前記導電ラインは、第1の導電ライン122及び第2の導電ライン124を含むことができる。
【0063】
第1の導電ライン122及び第2の導電ライン124は、それぞれ互いに異なる方向に延長し、交差する第1の導電ライン122及び第2の導電ライン124によって、複数のセルを定義することができる。
【0064】
一部の実施形態では、前記アンテナパターンまたは放射パターン112を区画する枠パターン120を形成することができる。放射パターン112に含まれた第1の導電ライン122及び第2の導電ライン124の端部が枠パターン120によって実質的に併合又は接続され、放射パターン112の抵抗及び信号損失をより低減することができる。
【0065】
ダミーパターン118に含まれたメッシュ構造は、ダミーラインを含むことができる。前記ダミーラインは、互いに交差する第1のダミーライン132及び第2のダミーライン134を含むことができる。
【0066】
例示的な実施形態によると、第1の導電ライン122及び第1のダミーライン132は、実質的に同一の方向に延長することができる。また、第1の導電ライン122及び第1のダミーライン132は、同じ幅及び高さを有することができる。
【0067】
第2の導電ライン124及び第2のダミーライン134は、実質的に同一の方向に延長し、同じ幅及び高さを有することができる。
【0068】
例示的な実施形態によると、第1及び第2の導電ライン122,124、並びに第1及び第2のダミーライン132,134は、実質的に同一の金属を含むことができる。
【0069】
前述したように、アンテナパターン及びダミーパターン118は、実質的に同一のパターン形状および材質を含むメッシュ構造を含むことができる。これにより、透過度を向上させるとともに、パターンの視認を防止することができる。
【0070】
枠パターン120は、導電ライン122,124及びダミーライン132,134とは異なる方向に延長することができる。これにより、ダミーパターン118への信号の流れを遮断し、アンテナパターンとダミーパターンとの間の信号/放射干渉を抑制することができる。
【0071】
図3に示すように、前記ダミーラインの幅は、「D1」と表示され、アンテナパターンの導電ラインの幅は、「D2」と表示される。
【0072】
ダミーライン及びアンテナパターンは、信号干渉を遮断するために互いに分離することができる。一部の実施形態では、前記導電ライン及び前記ダミーラインの交差部で分離領域Bを形成できる。分離領域B内における前記アンテナパターンと前記ダミーラインとの離隔距離は、「D3」と表示される。
【0073】
一部の実施形態では、離隔距離D3は、ダミーライン132,134と前記アンテナパターンに含まれた枠パターン120との間の距離、又は、ダミーライン132,134と導電ライン122,124の切断距離と定義することができる。
【0074】
離隔距離D3は、第1のダミーライン132又は第2のダミーライン134の延長方向に沿って測定された距離であってもよい。
【0075】
例示的な実施形態によると、離隔距離D3に対するダミーラインの幅D1の比率(D1/D3)は、約0.5~3の範囲であってもよい。また、ダミーラインの幅D1と導電ラインの幅D2は、同一であってもよい。
【0076】
前記比率が約0.5未満であると、放射特性が低下し、前記ダミーラインとアンテナパターンとの間の離隔空間が大きくなり、パターンの視認が引き起こされることがある。前記比率が約3を超えると、ダミーライン及び導電ラインの厚さが増加しすぎて、同様にパターンの視認が引き起こされることがある。
【0077】
枠パターン120が含まれる場合、離隔距離D3をより減少させることができる。これにより、ダミーパターンとアンテナパターンとの間の間隔を減らして、パターンの視認をより効率よく抑制することができる。
【0078】
図3では、前記ダミーライン及び導電ラインがそれぞれ直線状に延長することが示されているが、波形、鋸歯状などの様々な形状に延長することができる。
【0079】
図4及び
図5は、それぞれ、一部の例示的な実施形態に係るフィルムアンテナを示す概略的な平面図および断面図である。
図1及び
図2と実質的に同一または相当の構造、構成については詳細な説明を省略する。
【0080】
図4及び
図5を参照すると、アンテナパターンに含まれたパッド部116aは、実質的に中身が詰まった(solid)構造を有することができる。この場合には、放射パターン112は、メッシュ構造で形成して透過度および光学特性を確保し、パッド部116aは、中身が詰まった構造で形成して信号感度および低抵抗特性を実現することができる。
【0081】
例えば、パッド部116aは、ディスプレイ装置の周辺部またはベゼル部に配置され、実質的に表示画像に影響を与えないようにすることができる。
【0082】
一部の実施形態では、パッド部116aは、放射パターン112とは異なるレベルまたは異なる層に配置することができる。
図5に示すように、放射パターン112および伝送ライン114上に絶縁層140を形成し、絶縁層140上にパッド部116aを配置することができる。
【0083】
絶縁層140内には、パッド部116a及び伝送ライン114を電気的に接続するコンタクト145を形成することができる。
【0084】
図6~
図8は、例示的な実施形態に係るフィルムアンテナのダミーパターンの構造を示す概略平面図である。
【0085】
一部の実施形態では、ダミーパターン118のメッシュ構造は、アンテナパターンとの放射及び信号干渉を防止するために、少なくとも一部に分節部135を含むことができる。
【0086】
図6を参照すると、例えば、ダミーパターン118の各セルの辺に分節部135を形成することができる。
【0087】
図7及び
図8を参照すると、ダミーライン132,134の交差領域(
図6の「C」領域)に前記分節部を形成することができる。
【0088】
図7に示すように、交差領域Cにおいて、一部のダミーライン132,134が切断されて分節部が形成されてもよい。
【0089】
図8に示すように、交差領域Cにおいて、ダミーライン132,134がすべて切断されて分節部が形成されてもよい。
【0090】
一実施形態では、前述した分節部は、ダミーパターン118の一部の領域に分布することができる。例えば、前記分節部は、ダミーパターン118のアンテナパターンに隣接する領域に分布し、ダミーパターン118によるアンテナパターンの放射および信号妨害を抑制することができる。
【0091】
図9は、例示的な実施形態に係るフィルムアンテナを示す概略平面図である。
図1及び
図2と同一または相当の構成及び/又は材質については、同一の参照符号を付し説明を省略する。
【0092】
図9を参照すると、前述したように、フィルムアンテナは、誘電層100上に配置されたアンテナパターン及びダミーパターン118を含むことができる。前記アンテナパターンは、放射パターン112と、伝送ライン114と、パッド部116とを含むことができる。
【0093】
例示的な実施形態によると、ダミーパターン118及び前記アンテナパターンは、実質的に同一形状のメッシュ構造を含むことができる。一部の実施形態では、ダミーパターン118及び前記アンテナパターンは、実質的に同一のメッシュ層から形成される。これにより、前記メッシュ構造に含まれる各セル(cell)の面積、電極ラインの幅及び高さを同一にすることができる。前記メッシュ層が部分的にパターニングまたは切断されて分節領域Aが形成され、分節領域Aによって、ダミーパターン及び前記アンテナパターンを物理的、電気的に互いに分離することができる。
【0094】
一部の実施形態では、
図4及び
図5で説明したように、パッド部116は、中身が詰まった構造を有し、放射パターン112と異なるレベル又は異なる層に配置することもできる。
【0095】
図10は、例示的な実施形態に係るフィルムアンテナの電極ライン構造を説明するための部分拡大図である。例えば、
図10は、
図9の分節領域Aの周辺の電極ラインの構造を示している。
【0096】
図10を参照すると、誘電層100上に複数の電極ライン50が配列されてメッシュ構造が形成され、前記メッシュ構造が分節領域Aによって区分され、放射パターン112を含むアンテナパターン及びダミーパターン118を定義することができる。
【0097】
電極ライン50は、互いに交差する斜線方向に延長する第1の電極ライン50a及び第2の電極ライン50bを含むことができる。例えば、
図10に示すように、第1の電極ライン50a及び第2の電極ライン50bは、それぞれ、第1方向及び第2方向に延長することができる。また、複数の第1の電極ライン50aが前記第2方向に沿って配列され、複数の第2の電極ライン50bが前記第1方向に沿って配列され、メッシュ構造を形成することができる。
【0098】
以下では、フィルムアンテナに含まれた前記アンテナパターンの長さ方向及び幅方向を、それぞれ第3方向及び第4方向と定義する。前記第1方向及び第2方向は、前記第3方向に対して所定の鋭角に傾斜した方向であってもよい。
【0099】
分節領域Aは、前記第3方向に沿って第1及び第2の電極ラインが会合する交差部を切断して延長することができる。分節領域Aにより、前記メッシュ構造からダミーパターン118及びアンテナパターン(例えば、放射パターン112)を定義することができる。分節領域Aは、
図9に示すように、前記第4方向にも延長し、前記交差部を切断して前記アンテナパターンを定義することができる。
【0100】
分節領域Aによってダミーパターン118とアンテナパターンを分離することにより、別の枠パターンを形成しなくても前記アンテナパターンを定義することができる。したがって、前記枠パターンによって引き起こされる電極の視認を防止することができる。
【0101】
図11は、例示的な実施形態に係るフィルムアンテナの交差部を説明するための部分拡大図である。
【0102】
図11を参照すると、第1の電極ライン50a及び第2の電極ライン50bの交差部が部分的に除去され、スリット60を形成することができる。前述したように、スリット60が前記第3方向及び/又は第4方向に沿って形成されて分節領域Aが形成され、アンテナパターンが定義できる。
【0103】
前記交差部におけるスリット60で除去された部分を除いた部分は、残留部65と定義することができる。例示的な実施形態では、スリット60が形成された一つの交差部から2つの分離された残留部65を生成することができる。各残留部65によって、アンテナパターン及びダミーパターン118に属する第1及び第2の電極ライン50a,50bを互いに接続することができる。これにより、分節領域Aが形成されても、残留部65によって分節領域Aの周辺の電極ライン50a,50bが互いに接続され、アンテナパターンの抵抗増加による信号損失を防ぐことができる。
【0104】
一部の実施形態では、スリット60と反対側部の残留部65の側面は凹部65aを含むことができる。例えば、凹部65aは、電極ライン50a,50bの交差角、または前記第1及び第2方向の交差角よりも緩やかな角度で形成することができる。
【0105】
前記交差部または交差角による電極ライン50a,50bのパターンの変化を凹部65aにより緩衝することにより、前記交差部での電極の視認をより低減することができる。また、前記交差部でのエッチング液の集中を防止し、前記交差部の過度なエッチングによる切断、損傷を防止できる。また、凹部65aにより、前記フィルムアンテナの下に配置されるディスプレイパネルとのモアレ現象を低減または防止できる。
【0106】
一実施形態では、凹部65aの側面は、曲面形状を有することもできる。
一部の実施形態では、第1及び第2の電極ラインのそれぞれの幅W1は、約1~7μmであってもよい。スリット60の幅W2は、前記電極ラインの幅W1よりも大きくてもよい。
【0107】
スリット60の幅W2が電極ラインの幅W1よりも小さい場合には、ダミーパターン118とアンテナパターンとの分離距離が減少して信号ノイズが増加することがある。スリット60の幅W2が増加しすぎると、分離領域Aの幅が増加しすぎて電極の視認が引き起こされることがある。例えば、スリット60の幅W2は、約1.5~35μmであってもよい。
【0108】
図12は、例示的な実施形態に係るフィルムアンテナのスリット形成を説明するための概略図である。
【0109】
図12を参照すると、第1の電極ライン50a及び第2の電極ライン50bの交差領域に交差部70を形成することができる。
図11で説明したように、スリット60は、電極ラインW1の幅よりも大きく形成することができる。したがって、交差部70は、スリット60の形成を考慮して、十分な幅を有するように形成することができる。
【0110】
一部の実施形態では、交差部70の幅W3は、電極ラインの幅W1及びスリット60の幅W2の合計よりも大きくてもよい。一部の実施形態では、スリット60および残留部65を考慮して、交差部70の幅W3は、電極ラインの幅W1の約1.5~5倍、好ましくは2~5倍であってもよい。
【0111】
以後、分節領域Aの形成のためにエッチング工程を行って交差部70を部分的に除去することができ、所定の幅W2を有するスリット60を形成することができる。また、スリット60によって除去されて残る交差部70の部分によって残留部65が形成され、第1及び第2の電極ライン50a,50bを互いに接続することができる。残留部65は、前述のように凹部65aを含むことができる。
【0112】
図13は、比較例に係るフィルムアンテナのスリットの形成を説明するための概略図である。
【0113】
図13を参照すると、電極ライン50a,50bが交差領域(点線の丸で表示)で幅の変化なしに元の形のまま交差する場合、分節領域を形成するためのエッチング工程時に、前記交差領域で電極ライン50a,50bがすべて切断または分離されることがある。
【0114】
この場合、切断された領域の数が増加してパターンの偏差を引き起こすことがあり、電極の視認を増加させることがある。また、アンテナパターンの境界に含まれる電極ライン50a,50bがすべて分離されることにより、抵抗の増加による信号損失が増加することがある。
【0115】
これに対して、前述の例示的な実施形態によると、交差部70の幅を十分に大きく形成して、分節領域Aの形成時に残留部65および残留部65の間のスリット60を形成することができる。これにより、比較例で引き起こされる電極の視認及び抵抗増加の問題を抑制または低減できる。
【0116】
図14は、例示的な実施形態に係るディスプレイ装置を説明するための概略平面図である。
【0117】
例えば、
図14は、ディスプレイ装置のウィンドウを含む外部形状を示している。
図14を参照すると、ディスプレイ装置200は、表示領域210および周辺領域220を含むことができる。周辺領域220は、例えば、表示領域210の両側部及び/又は両端部に配置することができる。
【0118】
一部の実施形態では、前述したフィルムアンテナは、ディスプレイ装置200にパッチの形で挿入することができる。一部の実施形態では、前記フィルムアンテナのアンテナパターンが全体的にディスプレイ装置200の表示領域210と重畳し得る。一部の実施形態では、前記アンテナパターンの放射パターン112は、表示領域210と重畳し、パッド部116,116aは、周辺領域220に対応するように配置することができる。
【0119】
周辺領域220は、例えば、画像表示装置の遮光部又はベゼル部に相当し得る。また、周辺領域220には、ディスプレイ装置200及び/又は前記フィルムアンテナのICチップのような駆動回路を配置することができる。
【0120】
前記フィルムアンテナのパッド部116,116aを前記駆動回路に隣接するように配置することにより、信号の送受信経路を短縮して信号損失を抑制することができる。
【0121】
以下、本発明の理解を助けるために好適な実験例を提示するが、この実験例は本発明を例示するものに過ぎず、添付の特許請求の範囲を制限したり、特定の例を排除するものではない。
【0122】
実験例:ダミーラインとアンテナパターンとの間の離隔距離による光学特性及び信号損失の測定
シクロオレフィンポリマー(Cyclo Olefin Polymer(COP))の基材上に、50mm×50mmの面積で3μmの幅を有する金属(APC)メッシュ構造を形成した。前記メッシュ構造を切断またはパターニングしてアンテナパターン及びダミーラインを区画した。前記ダミーラインと前記アンテナパターンとの間の切断された離隔距離を変化させながら、ダミーラインの幅との比率(D1/D3、
図3を参照)を変化させた。
【0123】
D1/D3の比率を変化させて製造したフィルムアンテナのサンプルにおいて、アンテナパターンの視認有無を、100名の専門官能試験パネラーに目視観察によって評価してもらった。観察の結果、視認されると判断したパネラーの数を数えて、その結果値を表1に示す。
【0124】
一方、ネットワーク・アナライザ(Network analyzer)を用いて28GHzでSパラメータ(S-parameter)を抽出し、各サンプルの信号損失(Return Loss)を評価した。その結果を表1に併せて示す。
【0125】
【0126】
表1を参照すると、D1/D3の比率が約0.5~3の範囲を満足する場合(サンプル1~6)には、アンテナパターンの視認が効果的に防止され、信号損失特性も十分実現された。D1/D3の比率が0.5未満に減少した場合には、アンテナパターンの視認が急激に増加した。