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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-23
(45)【発行日】2022-05-31
(54)【発明の名称】調理器具及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
   A47J 27/00 20060101AFI20220524BHJP
【FI】
A47J27/00 103E
A47J27/00 101D
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020572800
(86)(22)【出願日】2019-07-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-10-21
(86)【国際出願番号】 CN2019096017
(87)【国際公開番号】W WO2020034798
(87)【国際公開日】2020-02-20
【審査請求日】2020-12-25
(31)【優先権主張番号】201821303797.2
(32)【優先日】2018-08-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515117198
【氏名又は名称】佛山市▲順▼▲徳▼区美的▲電▼▲熱▼▲電▼器制造有限公司
【氏名又は名称原語表記】FOSHAN SHUNDE MIDEA ELECTRICAL HEATING APPLIANCES MANUFACTURING CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】San Le Road #19,Beijiao,Shunde Foshan,Guangdong 528311 China
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100205785
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼橋 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100203297
【弁理士】
【氏名又は名称】橋口 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100135301
【弁理士】
【氏名又は名称】梶井 良訓
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 化勇
(72)【発明者】
【氏名】▲羅▼ ▲飛▼▲龍▼
(72)【発明者】
【氏名】梁 志佳
(72)【発明者】
【氏名】黄 ▲韋▼▲銘▼
(72)【発明者】
【氏名】▲シン▼ ▲勝▼▲華▼
(72)【発明者】
【氏名】羊 小▲亮▼
【審査官】川口 聖司
(56)【参考文献】
【文献】特開平03-212220(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第101588744(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第103767623(CN,A)
【文献】中国実用新案第204765132(CN,U)
【文献】中国実用新案第207428957(CN,U)
【文献】中国実用新案第206729728(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 27/00-27/64
A47J 36/00-36/42
A23N 1/00-17/02
A23P 10/00-30/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に調理チャンバを有する鍋本体と、
前記鍋本体内に設けられ、且つ吸気口及び大気に連通する排気口を有する真空ポンプと、
切替弁であって、前記鍋本体内に設けられており、大気に連通する外側抽気口と、前記調理チャンバに連通する内側抽気口と、前記吸気口に連通する排気口とを有し、洗浄状態と真空状態との間で切り替え可能であり、前記洗浄状態である場合、前記外側抽気口が前記切替弁の前記排気口に連通し、且つ前記内側抽気口が前記切替弁の前記排気口から切り離され、前記真空状態である場合、前記内側抽気口が前記切替弁の前記排気口に連通し、且つ前記外側抽気口が前記切替弁の前記排気口から切り離される前記切替弁と、
を含む、ことを特徴とする調理器具。
【請求項2】
前記鍋本体は、
内部に前記調理チャンバが設けられている鍋体と、
前記調理チャンバを開閉するように前記鍋体に設けられる鍋蓋と、を含み、
前記真空ポンプは前記鍋蓋または前記鍋体内に設けられ、
前記切替弁は前記鍋蓋または前記鍋体内に設けられる、
ことを特徴とする請求項1に記載の調理器具。
【請求項3】
前記鍋蓋の下面には、前記調理チャンバに連通する内貫通孔が設けられ、前記内側抽気口は内側抽気管を介して前記内貫通孔に接続される、
ことを特徴とする請求項2に記載の調理器具。
【請求項4】
前記鍋蓋または前記鍋体内に、大気に連通する収容チャンバがあり、前記外側抽気口は前記収容チャンバに連通する、
ことを特徴とする請求項2に記載の調理器具。
【請求項5】
前記切替弁の前記排気口と前記吸気口とは導気管を介して接続される、
ことを特徴とする請求項2に記載の調理器具。
【請求項6】
前記鍋蓋または前記鍋体の外面には大気に連通する外側排気口が設けられ、前記外側排気口は外部排気管を介して前記真空ポンプの前記排気口に接続される、
ことを特徴とする請求項2に記載の調理器具。
【請求項7】
前記内側抽気口及び前記外側抽気口の内径は1~6ミリメートルである、
ことを特徴とする請求項1に記載の調理器具。
【請求項8】
前記鍋蓋の下方に取り外し可能に取り付けられる可動蓋板をさらに含み、前記可動蓋板には前記調理チャンバに連通する通気孔が設けられている、
ことを特徴とする請求項に記載の調理器具。
【請求項9】
前記切替弁は電磁弁である、
ことを特徴とする請求項1に記載の調理器具。
【請求項10】
前記切替弁は、
内部に弁チャンバが設けられ、前記内側抽気口、前記外側抽気口及び前記切替弁の前記排気口が設けられているとともに前記弁チャンバに連通する弁体と、
洗浄位置と真空位置との間で移動可能に前記弁チャンバ内に結合され、前記洗浄位置にある場合、前記内側抽気口を塞ぎながら、前記外側抽気口及び前記切替弁の前記排気口を避け、前記真空位置にある場合、前記内側抽気口を避けながら、前記外側抽気口と前記切替弁の前記排気口との間を塞ぐ弁コアと、を含む、
ことを特徴とする請求項9に記載の調理器具。
【請求項11】
調理器具の制御方法であって、
前記調理器具は、内部に調理チャンバを有する鍋本体と、前記鍋本体内に設けられ、且つ吸気口及び大気に連通する排気口を有する真空ポンプと、前記鍋本体内に設けられており、大気に連通する外側抽気口と、前記調理チャンバに連通する内側抽気口と、前記吸気口に連通する排気口とを有し、洗浄状態と真空状態との間で切り替え可能であり、前記洗浄状態である場合、前記外側抽気口が切替弁の前記排気口に連通し、且つ前記内側抽気口が前記切替弁の前記排気口から切り離され、前記真空状態である場合、前記内側抽気口が前記切替弁の前記排気口に連通し、且つ前記外側抽気口が前記切替弁の前記排気口から切り離される切替弁と、を含み、
前記制御方法は、
真空引きして食材を調理する必要がある場合、前記内側抽気口が前記切替弁の前記排気口に連通し、且つ前記外側抽気口が前記切替弁の前記排気口から切り離されるように、前記切替弁を制御して前記真空状態にするステップと、
前記真空ポンプ及び前記切替弁を洗浄する必要がある場合、前記外側抽気口が前記切替弁の前記排気口に連通し、且つ前記内側抽気口が前記切替弁の前記排気口から切り離されるように、前記切替弁を制御して前記洗浄状態にするステップと、を含む、
ことを特徴とする調理器具の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、出願番号が201821303797.2で、出願日が2018年8月13日である中国特許出願に基づいて提出され、前記中国特許出願の優先権を主張し、その内容の全てが参照によって本願に組み込まれる。
【0002】
本願は、電気機器の製造技術分野に関し、具体的には、調理器具及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術における真空機能付きの炊飯器などの調理器具は、調理器具内の気体を抽出するための真空引きシステムを含み、調理時に、気体中の水蒸気、米汁、油蒸気などの物質が気体とともに抽出されるので、真空引きシステム内に水や油汚れ物などの物質が溜まりしやすく、時間が長くなると細菌が繁殖し、異臭が発生しやすく、さらには真空引きシステムの部品を損傷する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願は、少なくとも従来技術における技術的問題のうちの1つを解決することを目的とする。そのため、本願は調理器具を提供し、当該調理器具は、使用しやすく、調理効果が良く、真空ポンプ及び切替弁のセルフ洗浄が可能であるなどの利点を有する。
【0005】
本願は、さらに、調理器具の制御方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を実現するために、本願の第1態様の実施例に係る調理器具は、内部に調理チャンバを有する鍋本体と、鍋本体内に設けられ、且つ吸気口及び大気に連通する排気口を有する真空ポンプと、鍋本体内に設けられており、大気に連通する外側抽気口と、調理チャンバに連通する内側抽気口と、吸気口に連通する排気口とを有し、洗浄状態と真空状態との間で切り替え可能であり、洗浄状態である場合、外側抽気口が排気口に連通し、且つ内側抽気口が排気口から切り離され、真空状態である場合、内側抽気口が排気口に連通し、且つ外側抽気口が排気口から切り離される切替弁と、を含む。
【0007】
本願の実施例による調理器具は、使用しやすく、調理効果が良く、真空ポンプ及び切替弁のセルフ洗浄が可能であるなどの利点を有する。
【0008】
また、本願の上記実施例による調理器具は、以下のような付加的な技術的特徴を有してもよい。
【0009】
本願の一実施例によれば、鍋本体は、内部に調理チャンバが設けられている鍋体と、調理チャンバを開閉するように鍋体に設けられる鍋蓋とを含み、真空ポンプは鍋蓋または鍋体内に設けられ、切替弁は鍋蓋または鍋体内に設けられる。
【0010】
本願の一実施例によれば、鍋蓋の下面には、調理チャンバに連通する内貫通孔が設けられ、内側抽気口は内側抽気管を介して内貫通孔に接続される。
【0011】
本願の一実施例によれば、鍋蓋または鍋体内に、大気に連通する収容チャンバがあり、外側抽気口は収容チャンバに連通する。
【0012】
本願の一実施例によれば、排気口と吸気口とは導気管を介して接続される。
【0013】
本願の一実施例によれば、鍋蓋または鍋体の外面には大気に連通する外側排気口が設けられ、外側排気口は外部排気管を介して排気口に接続される。
【0014】
本願の一実施例によれば、内側抽気口及び外側抽気口の内径は1~6ミリメートルである。
【0015】
本願の一実施例によれば、調理器具は、鍋蓋の下方に取り外し可能に取り付けられる可動蓋板をさらに含み、可動蓋板には調理チャンバに連通する通気孔が設けられている。
【0016】
本願の一実施例によれば、切替弁は電磁弁である。
【0017】
本願の一実施例によれば、切替弁は、内部に弁チャンバが設けられ、内側抽気口、外側抽気口及び排気口が設けられているとともに弁チャンバに連通する弁体と、洗浄位置と真空位置との間で移動可能に弁チャンバ内に結合され、洗浄位置にある場合、内側抽気口を塞ぎながら、外側抽気口及び排気口を避け、真空位置にある場合、内側抽気口を避けながら、外側抽気口と記排気口との間を塞ぐ弁コアと、を含む。
【0018】
本願の第2態様の実施例に係る調理器具の制御方法によれば、調理器具は、内部に調理チャンバを有する鍋本体と、鍋本体内に設けられ、且つ吸気口及び大気に連通する排気口を有する真空ポンプと、鍋本体内に設けられており、大気に連通する外側抽気口と、調理チャンバに連通する内側抽気口と、吸気口に連通する排気口とを有し、洗浄状態と真空状態との間で切り替え可能であり、洗浄状態である場合、外側抽気口が排気口に連通し、且つ内側抽気口が排気口から切り離され、真空状態である場合、内側抽気口が排気口に連通し、且つ外側抽気口が排気口から切り離される切替弁と、を含み、制御方法は、
真空引いて食材を調理する必要がある場合、内側抽気口が排気口に連通し、且つ外側抽気口が排気口から切り離されるように、切替弁を制御して真空状態にするステップと、
真空ポンプ及び切替弁を洗浄する必要がある場合、外側抽気口が排気口に連通し、且つ内側抽気口が排気口から切り離されるように、切替弁を制御して洗浄状態にするステップと、を含む。
【0019】
本願の実施例による調理器具の制御方法は、本願の第1態様の実施例に記載の調理器具を利用することにより、調理器具は、使用しやすく、調理効果が良く、真空ポンプ及び切替弁のセルフ洗浄が可能であるなどの利点を有する。
【0020】
本願の付加的な態様及び利点は、一部は以下の説明に示され、一部は以下の説明からより明らかになるか、または本願の実践を通じて理解できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本願の上記の及び/または付加的な態様及び利点は、下記の図面を参照して実施例を説明することにより明らかになり、理解しやすくなる。
【0022】
図1】本願の実施例の調理器具の斜視図である。
図2図1のD部分の拡大図であり、切替弁は洗浄状態にある。
図3図1の部分の拡大図であり、切替弁は真空状態にある。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本願の実施例について詳細に説明する。前記実施例の例示を図面に示し、同一または類似する符号は、常に同一または類似する部品、または同一または類似する機能を有する部品を表す。以下、図面を参照しながら説明される実施例は例示的なものであり、本願を解釈するものにすぎず、本願を限定するものと理解されるべきではない。
【0024】
以下、図面を参照しながら、本願の実施例による調理器具1について説明する。
【0025】
図1図3に示すように、本願の実施例による調理器具1は、鍋本体100、真空ポンプ200及び切替弁300を含む。
【0026】
鍋本体100内に調理チャンバ101を有する。真空ポンプ200は、鍋本体100内に設けられ、且つ吸気口201及び大気に連通する排気口202を有する。切替弁300は、鍋本体100内に設けられ、且つ大気に連通する外側抽気口301と、調理チャンバ101に連通する内側抽気口302と、吸気口201に連通する排気口303とを有し、洗浄状態と真空状態との間で切り替え可能であり、切替弁300が、前記洗浄状態である場合、外側抽気口301が排気口303に連通し、且つ内側抽気口302が排気口303から切り離され、前記真空状態である場合、内側抽気口302が排気口303に連通し、且つ外側抽気口301が排気口303から切り離される。
【0027】
以下、図面を参照しながら、本願の実施例による調理器具1の動作過程について説明する。
【0028】
真空引いて食材を調理する必要がある場合、切替弁300を前記真空状態にし、そのとき、内側抽気口302が排気口303に連通し、且つ外側抽気口301が排気口303から切り離され、続いて真空ポンプ200を開けて、真空ポンプ200が抽気し始め、その後、調理チャンバ101内の気体が切替弁300及び真空ポンプ200を介して排気口202から排出される。
【0029】
真空ポンプ200及び切替弁300を洗浄する必要がある場合、まず切替弁300を前記洗浄状態にし、そのとき、外側抽気口301が排気口303に連通し、且つ内側抽気口302が排気口303から切り離され、続いて真空ポンプ200を開け、真空ポンプ200が抽気し始め、その後、回部の大気中の空気が切替弁300及び真空ポンプ200を介して排気口202から排出される。
【0030】
本願の実施例による調理器具1は、真空ポンプ200及び切替弁300の設置により、切替弁300が前記洗浄状態と前記真空状態との間で切り替えることができ、こうすると、真空ポンプ200を利用して調理チャンバ101内の圧力を低減させるだけでなく、調理器具1がより良い調理効果を取得するのが容易であり、食材に対する調理器具1の調理効率が向上し、また、真空ポンプ200を利用して大気から空気を抽出して真空ポンプ200及び切替弁300を洗浄することができる。関連技術の調理器具と比べて、真空ポンプ200及び切替弁300内に水蒸気、油汚れ物などの汚れ物が溜まってその正常な動作に影響を及ぼすことを回避でき、真空ポンプ200及び切替弁300の内部の清潔度を向上させることが容易になり、真空ポンプ200及び切替弁300の動作の安定性及び信頼性を向上させることが容易になる。
【0031】
そして、真空ポンプ200及び切替弁300の設置により、真空ポンプ200及び切替弁300はセルフ洗浄することができ、関連技術の調理器具と比べて、汚れ物が真空ポンプ200及び切替弁300内に長期間溜まって、細菌の繁殖や異臭の発生を回避することができ、ユーザの調理のヘルシーさを向上させることが容易になり、調理器具1の調理効果を向上させることが容易になり、ユーザの使用体験を向上させることが容易になる。
【0032】
また、真空ポンプ200及び切替弁300の設置により、真空ポンプ200及び切替弁300はセルフ洗浄することができ、関連技術の調理器具と比べて、真空ポンプ200及び切替弁300に対する汚れ物の侵食や損傷を回避し、真空ポンプ200及び切替弁300の使用年数を延ばしやすく、真空ポンプ200及び切替弁300が、高温高湿などの過酷な環境に適応しやすく、真空ポンプ200及び切替弁300の適用性を向上させることが容易になり、調理器具1のメンテナンス頻度を低減し、調理器具1のメンテナンスコストを低減することが容易になる。
【0033】
したがって、本願の実施例による調理器具1は、使用しやすく、調理効果がよく、真空ポンプ及び切替弁を洗浄することができるなどの利点を有する。
【0034】
以下、図面を参照しながら、本願の具体的な実施例による調理器具1について説明する。
【0035】
本願の一部の具体的な実施例において、図1図3に示すように、本願の実施例による調理器具1は鍋本体100、真空ポンプ200及び切替弁300を含む。
【0036】
具体的には、図1に示すように、鍋本体100は、鍋体110及び鍋蓋120を含み、調理チャンバ101は鍋体110内に設けられる。鍋蓋120は、調理チャンバ101を開閉するように鍋体110に設けられ、真空ポンプ200は鍋蓋120または鍋体110内に設けられ、切替弁300は鍋蓋120または鍋体110内に設けられる。こうすると、真空ポンプ200及び切替弁300の設置が容易になり、調理チャンバ101内の高温高湿環境が真空ポンプ200及び切替弁300の正常な動作に影響を与えることを回避する。
【0037】
より具体的には、図2及び図3に示すように、鍋蓋120の下面には調理チャンバ101に連通する内貫通孔121(上下方向は、図1図3の矢印Aで示すとおりである)が設けられ、内側抽気口302は内側抽気管310を介して内貫通孔121に接続される。こうすると、調理チャンバ101と切替弁300との連通が容易になり、さらに、真空ポンプ200で調理チャンバ101内の気体を抽出することが容易になる。
【0038】
好ましくは、図2及び図3に示すように、鍋蓋120または鍋体110内に、大気に連通する収容チャンバ122を有し、外側抽気口301は収容チャンバ122に連通する。こうすると、真空ポンプ200が切替弁300を介して大気中の空気を抽出することが容易になり、さらに、外部の空気で真空ポンプ200及び切替弁300を洗浄することが容易になる。
【0039】
無論、外側抽気口301は、収容チャンバ122内に直接設置されてもよく、こうすると、外側抽気口301を他の構造に接続する必要がなく、調理器具1の部品の数を減らし、調理器具1の構造を簡素化することが容易になる。
【0040】
具体的には、図2及び図3に示すように、排気口303と吸気口201とは導気管320を介して接続される。こうすると、排気口303と吸気口201との連通が容易になり、それにより気体が切替弁300から真空ポンプ200に流れやすく、調理器具1内に真空抽気路を形成しやすい。
【0041】
好ましくは、図1に示すように、鍋蓋120または鍋体110の外面には大気に連通する外側排気口123が設けられ、外側排気口123は外部排気管330を介して排気口202に接続される。こうすると、真空ポンプ200が、抽出された気体を大気に排出することが容易になり、さらに、真空ポンプ200が抽気動作をスムーズに行うことが容易になる。
【0042】
具体的には、内側抽気口302及び外側抽気口301の内径は1~6ミリメートルである。こうすると、内側抽気口302及び外側抽気口301を合理的なサイズにすることができ、さらに、真空抽気路を形成しやすく、真空ポンプ200が気体をスムーズに抽出することが容易になる。
【0043】
より具体的には、内側抽気口302及び外側抽気口301の内径は1.5~5ミリメートルである。
【0044】
好ましくは、図1図3に示すように、調理器具1は、鍋蓋120の下方に取り外し可能に取り付けられた可動蓋板130をさらに含み、可動蓋板130には調理チャンバ101に連通する通気孔131が設けられている。こうすると、調理チャンバ101と内側抽気口302との連通が容易になり、さらに真空ポンプ200が切替弁300を介して調理チャンバ101内の気体を抽出することが容易になる。
【0045】
具体的には、切替弁300は電磁弁である。こうすると、切替弁300の電気制御を実現でき、切替弁300の動作の感度や精度を向上させることが容易になり、切替弁300の機能の切り換えの信頼性を向上させることが容易になる。
【0046】
より具体的には、図2及び図3に示すように、切替弁300は、弁体340及び弁コア350を含み、弁体340内には弁チャンバ341が設けられ、内側抽気口302、外側抽気口301及び排気口303は弁体340に設けられるとともに弁チャンバ341に連通する。弁コア350は弁チャンバ341内に洗浄位置と真空位置との間で移動可能に結合され、弁コア350が前記洗浄位置にある場合、内側抽気口302を塞ぎながら、外側抽気口301及び排気口303を避け、弁コア350が前記真空位置にある場合、内側抽気口302を避けながら、外側抽気口301と排気口303との間を塞ぐ。こうすると、切替弁300が前記洗浄状態と前記真空状態との間での切り替えが容易になり、さらに、真空ポンプ200及び切替弁300の真空性能及びセルフ洗浄性能を向上させることが容易になる。
【0047】
本願の一実施例によれば、調理器具1は、個体の通過を阻止するための分離チャンバをさらに含み、前記分離チャンバは、調理チャンバ101に連通する分離チャンバの入口と、前記分離チャンバを通過する気流中の固形不純物を前記分離チャンバに留めるための吸気口201に連通する分離チャンバの出口とを有する。こうすると、気流中の固形不純物が後続の真空ポンプ200に入らないように保証することができ、真空ポンプ200などの後続の管路機器が詰まったり損傷されたりすることを回避し、真空ポンプ200などの後続の管路機器を保護する役割を果たし、真空ポンプ200が正常に動作することができ、調理器具1がより良い調理効果を取得し、調理器具1の食材を調理する効率が向上するように、真空ポンプ200で調理チャンバ101内の圧力を低減することが容易になるだけでなく、真空ポンプ200の清潔度の向上も容易になり、真空ポンプ200の動作の安定性と信頼性を向上させることが容易になることにより、調理器具1の動作性能が向上する。
【0048】
本願の別の実施例によれば、調理器具1は、鍋本体100に取り外し可能に取り付けられた抽気孔モジュールをさらに含み、前記抽気孔モジュール内に通気通路があり、前記抽気孔モジュールは前記通気通路に連通する抽気孔及び排気孔を有し、前記抽気孔は調理チャンバ101に連通し、前記排気孔は吸気口201に連通する。こうすると、調理チャンバ101から抽出された気体内の砕いた米または米汁などの食物残留物が前記抽気孔モジュールの内壁に付着して、一定期間使用した後、前記抽気孔モジュール内の汚れ物を除去するために、前記抽気孔モジュールを取り外して洗浄することができる。こうすると、前記抽気孔モジュール内に汚れ物が溜めすぎて、気体とともに前記真空ポンプ内に入り、前記真空ポンプを汚染することを回避でき、前記真空ポンプの内部の清潔度を向上させることが容易になり、前記真空ポンプの動作の安定性と信頼性を向上させることが容易になる。
【0049】
以下、図面を参照しながら、本願の実施例による調理器具1の動作過程について説明する。
【0050】
真空引きして食材を調理する必要がある場合、切替弁300を前記真空状態にし、このとき、内側抽気口302が排気口303に連通し、且つ外側抽気口301が排気口303から切り離され、続いて真空ポンプ200を開けて、真空ポンプ200が抽気し始め、調理チャンバ101内の気体が可動蓋板130の通気孔131、鍋蓋120の内貫通孔121、切替弁300及び真空ポンプ200を順番に通過して、最後に鍋蓋120の外側排気口123から排出される。
【0051】
真空ポンプ200及び切替弁300を洗浄する必要がある場合、切替弁300を前記洗浄状態にし、このとき、外側抽気口301が排気口303に連通し、且つ内側抽気口302が排気口303から切り離され、続いて真空ポンプ200を開け、真空ポンプ200が抽気し始め、外部の大気中の空気が切替弁300及び真空ポンプ200を順番に通過して、最後に鍋蓋120の外側排気口123から排出される。
【0052】
以下、本願の実施例による調理器具の制御方法について説明する。前記調理器具は、内部に調理チャンバを有する鍋本体と、前記鍋本体内に設けられ、且つ吸気口及び大気に連通する排気口を有する真空ポンプと、前記鍋本体内に設けられており、大気に連通する外側抽気口と、前記調理チャンバに連通する内側抽気口と、前記吸気口に連通する排気口とを有し、洗浄状態と真空状態との間で切り替え可能であり、前記洗浄状態である場合、前記外側抽気口が前記排気口に連通し、且つ前記内側抽気口が前記排気口から切り離され、前記真空状態である場合、前記内側抽気口が前記排気口に連通し、且つ前記外側抽気口が前記排気口から切り離される切替弁と、を含み、前記制御方法は、
真空引きして食材を調理する必要がある場合、前記内側抽気口が前記排気口に連通し、且つ前記外側抽気口が前記排気口から切り離されるように、前記切替弁を制御して前記真空状態にするステップと、
前記真空ポンプ及び前記切替弁を洗浄する必要がある場合、前記外側抽気口が前記排気口に連通し、且つ前記内側抽気口が前記排気口から切り離されるように、前記切替弁を制御して前記洗浄状態にするステップと、を含む。
【0053】
本願の実施例による調理器具の制御方法は、本願の上記実施例による調理器具1を利用することにより、調理器具1が使用しやすく、調理効果がよく、真空ポンプ及び切替弁を洗浄することができるなどの利点を有する。
【0054】
本願の実施例による調理器具1の他の構成及び操作は、当業者にとっては既知のものであるので、ここでは詳細な説明を省略する。
【0055】
なお、本願の説明において、「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂部」、「底部」「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「ラジアル方向」、「周方向」などの用語が示す方位または位置関係は、図面に示す方位または位置関係に基づくものであり、単に本願の説明が容易になり、説明を簡単にするためのモノであり、指定された装置または部品が必ず特定の方位にあり、特定の方位において構造され、操作されることを指示または暗示することではないので、本願を限定するものと理解してはならない。また、「第1」、「第2」付きの特徴は、1つまたは複数の当該特徴を明示的または暗示的に含み得る。本願の説明において、特別な説明がない限り、「複数」は、2つまたは2つ以上を意味する。本願の説明において、第1特徴が第2の特徴「の上」または「の下」にあるということは、第1特徴と第2特徴が直接接触することを含んでもよく、第1特徴と第2特徴が直接接触せず、それらの間の別の特徴を介して接触することを含んでもよい。
【0056】
本願の説明において、第1特徴が第2の特徴「の上」、「上方」及び「上面」にあるということは、第1特徴が第2の特徴の真上及び斜め上方にあることを含むか、または第1特徴の水平の高さが第2の特徴より高いことだけを示す。
【0057】
なお、本願の説明において、明確な規定と限定がない限り、「取り付ける」、「互いに接続する」、「接続する」などの用語の意味は広義に理解されるべきである。例えば、固定的に接続されても、取り外し可能に接続されても、または一体的に接続されてもよいし、機械的に接続されても、電気的に接続されてもよいし、直接的に接続されても、中間媒体を介して間接的に接続されてもよいし、2つの部品の内部が連通していてもよい。当業者にとって、具体的な状況によって本願における上記用語の具体的な意味を理解することができる。
【0058】
本明細書の説明において、「一実施例」、「一部の実施例」、「例示的な実施例」、「例示」、「具体的な例示」、または「一部の例示」などの用語を用いた説明とは、当該実施例または例示の記述を参照した具体的な特徴、構造、材料または特性が、本願の少なくとも1つの実施例または例示に含まれていることを意図するものである。本明細書において、上記用語に関する例示的な記述は、必ずしも同一の実施例または例示を示すものとは限らない。また、いずれかの1つまたは複数の実施例または例示において、記述される具体的な特徴、構造、材料または特性を適切な方式で組み合わせることができる。
【0059】
本願の実施例を示して説明したが、当業者であれば、本願の原理及び趣旨を逸脱しない範囲でこれらの実施例に対して様々な変更、修正、置換及び変形を行うことができ、本願の範囲は特許請求の範囲及びそれと同等なものに限定されることを理解できるだろう。
【符号の説明】
【0060】
1 調理器具
100 鍋本体
101 調理チャンバ
110 鍋体
120 鍋蓋
121 内貫通孔
122 収容チャンバ
123 外側排気口
130 可動蓋板
131 通気孔
200 真空ポンプ
201 吸気口
202 排気口
300 切替弁
301 外側抽気口
302 内側抽気口
303 排気口
310 内側抽気管
320 導気管
330 外部排気管
340 弁体
341 弁チャンバ
350 弁コア
図1
図2
図3