(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-23
(45)【発行日】2022-05-31
(54)【発明の名称】ユーザーインターフェース発光素子の照明レベルの変調
(51)【国際特許分類】
H05B 45/10 20200101AFI20220524BHJP
H01L 51/50 20060101ALI20220524BHJP
H05B 45/60 20220101ALI20220524BHJP
H05B 47/105 20200101ALI20220524BHJP
H05B 45/325 20200101ALI20220524BHJP
H05B 45/20 20200101ALI20220524BHJP
【FI】
H05B45/10
H05B33/14 A
H05B33/08
H05B47/105
H05B45/325
H05B45/20
(21)【出願番号】P 2021512202
(86)(22)【出願日】2019-08-28
(86)【国際出願番号】 US2019048521
(87)【国際公開番号】W WO2020051036
(87)【国際公開日】2020-03-12
【審査請求日】2021-03-02
(32)【優先日】2018-09-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】316015877
【氏名又は名称】ザ ジレット カンパニー リミテッド ライアビリティ カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE GILLETTE COMPANY LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベンジャミン ハインリッヒ ニエストロジ
【審査官】安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-273522(JP,A)
【文献】特開2003-334250(JP,A)
【文献】特開2009-259598(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0111500(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第103987159(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 45/10
H01L 51/50
H05B 45/60
H05B 47/105
H05B 45/325
H05B 45/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気デバイス(1000)のためのユーザーインターフェースの発光素子(1028)の照明レベルを制御するための方法であって、
プロセッサ(1022)によって、人間の観察者によって知覚される前記発光素子の所望の時変発光レベルに対応する信号を定める情報を記憶することであって、前記対応する信号は、増加性正弦波ベースのランプ関数及び減少性正弦波ベースのランプ関数を含む、該記憶することと、
前記プロセッサによって、前記対応する信号及び実際の照明レベルと、人間の目によって知覚される結果として生じる照明レベルとの間の非線形感度関係に基づいて時変制御信号を計算することと、
前記プロセッサによって、前記発光素子を前記計算された時変制御信号に従って照明することと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記対応する信号は、周期的であり、複数の周期から構成されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記対応する信号は、
低いレベルの値であって、前記増加性正弦波ベースのランプ関数を高いレベルの値まで増加し、前記減少性正弦波ベースのランプ関数は前記高いレベルの値から前記低いレベルの値へと減少する、該低いレベルの値を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記非線形感度関係は、輝度と心理指標明度との関係を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記計算された時変制御信号は、補償関数を使用して前記対応する信号を変換することによって計算され、前記補償関数は、前記実際の照明レベルと前記人間の目によって知覚される前記結果として生じる照明レベルとの間の前記非線形感度関係に基づいており、
【数1】
式中、
Yは、前記計算された時変制御信号であり、
L
*は、前記対応する信号であることを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記増加性及び減少性ランプ関数は、時間tにおいて、
【数2】
に比例して変化することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記発光素子(1028)は、発光ダイオード又は発光面のうちの1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記記憶された情報は、前記対応する信号を計算するための式を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記記憶された情報は、前記対応する信号を表す時間順の複数の離散サンプリング値を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
電気デバイス用のユーザーインターフェースの発光素子(1028)の照明レベルを制御するためのシステムであって、
プロセッサ(1022)と、
前記プロセッサと通信するメモリであって、前記プロセッサによって実行されると、前記システムに、
人間の観察者によって知覚される前記発光素子の所望の時変発光レベルに対応する信号を定める情報を記憶することであって、前記対応する信号は、増加性正弦波ベースのランプ関数及び減少性正弦波ベースのランプ関数を含む、該記憶することと、
前記対応する信号、及び実際の照明レベルと、人間の目によって知覚される結果として生じる照明レベルとの間の非線形感度関係に基づいて時変制御信号を計算することと、
前記計算された時変制御信号に従って、前記発光素子を照明させることと、
を生じさせる命令を記憶する、該メモリと
を含むことを特徴とするシステム。
【請求項11】
前記対応する信号は、周期的であり、複数の周期から構成されることを特徴とする請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記対応する信号は、
低いレベルの値であって、前記増加性正弦波ベースのランプ関数を高いレベルの値まで増加し、前記減少性正弦波ベースのランプ関数は高いレベルの値から前記低いレベルの値へと減少する、該低いレベルの値を含むことを特徴とする請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
前記非線形感度関係は、輝度と心理指標明度との関係を含むことを特徴とする請求項10に記載のシステム。
【請求項14】
前記計算された時変制御信号は、補償関数を使用して前記対応する信号を変換することによって計算され、前記補償関数は、前記実際の照明レベルと前記人間の目によって知覚される前記結果として生じる照明レベルとの間の前記非線形感度関係に基づいており、
【数3】
式中、
Yは、前記計算された時変制御信号であり、
L
*は、前記対応する信号であることを含むことを特徴とする請求項10に記載のシステム。
【請求項15】
前記増加性及び減少性ランプ関数は、時間tにおいて
【数4】
に比例して変化することを特徴とする請求項10に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、電気デバイスユーザーインターフェースに関し、より具体的には、発光ダイオード(LED)などの発光素子を含むこのようなユーザーインターフェースに関する。
【背景技術】
【0002】
電気デバイスのユーザーインターフェースの発光素子を使用して、デバイスの動作状態に関する1つ以上の側面を消費者に伝えることができる。換言すれば、発光素子の照明レベルは、電気デバイスの動作状態を示す。LEDの場合、LEDの照明レベルを調整するための1つの典型的な方法は、LEDをオン若しくはオフに切り替えるか、又はLEDを明滅させることである。一部の消費者にとって、発光素子の照明レベルのかような急激な変化が不快な場合がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の一態様は、電気デバイス用のユーザーインターフェースの発光素子の照明レベルを制御するためのシステムであって、プロセッサと、プロセッサと通信するメモリであって、プロセッサによって実行されると、システムに、人間の観察者によって知覚される発光素子の所望の時変発光レベルに対応する信号を定める情報を記憶することであって、対応する信号は、増加性正弦波ベースのランプ関数及び減少性正弦波ベースのランプ関数を含む、記憶することを生じさせる命令を記憶する、メモリとを含むシステムに関する。保存された命令は、プロセッサにより同様に実行されると、システムに、対応する信号に基づいた時変制御信号、及び実際の照明レベルと人間の目によって知覚される結果として生じる照明レベルとの間の非線形感度関係を計算させ、計算された時変制御信号に従って照明される発光素子を生じさせる。
【0004】
本開示の別の態様は、電気デバイスのためのユーザーインターフェースの発光素子の照明レベルを制御するための方法に関する。本方法は、プロセッサによって、人間の観察者によって知覚される発光素子の所望の時変発光レベルに対応する信号を定める情報を記憶することであって、対応する信号は、増加性正弦波ベースのランプ関数及び減少性正弦波ベースのランプ関数を含む、記憶することを含む。方法はまた、プロセッサによって、対応する信号に基づいた時変制御信号、及び実際の照明レベルと人間の目によって知覚される結果として生じる照明レベルとの間の非線形感度関係を計算し、計算された時変制御信号に従って発光素子をプロセッサによって照明させること、を含む。
【0005】
本開示の更なる態様は、電気デバイスのためのユーザーインターフェースの発光素子の照明レベルを制御するための方法に関する。方法は、プロセッサによって、人間の観察者によって知覚される発光素子の所望の時変発光レベルに対応する信号を定める記憶された情報と、実際の照明レベルと人間の目によって知覚される結果として生じる照明レベルとの間の非線形感度関係に基づいて計算されるパルス幅変調(PWM)制御信号を記憶することを含み、対応する信号は、増加性正弦波ベースのランプ関数及び減少性正弦波ベースのランプ関数を含む。方法はまた、プロセッサによって、記憶された制御信号に従って発光素子を駆動することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
したがって、本開示の上記の特徴を詳細に理解することができる方法は、上に簡潔に概説された、本開示の実施形態のより具体的な説明を、添付の図面に示される実施形態を参照することによって、有することができる。しかしながら、添付の図面は、本開示の範囲内に包含される典型的な実施形態のみを示しており、したがって、本開示が他の同等に有効な実施形態に対して認めることができるということから、限定するものと考えられるべきではないということに留意すべきである。
【
図1】本開示の原理による、発光素子のための3つの例示的なパルス幅変調(PWM)制御信号を示す。
【
図2A】本開示の原理による、線形に増加するデューティサイクルのPWM信号を示す。
【
図2B】
図2AのPWM信号で制御された発光素子の明るさが、本開示の原理に従ってどのように知覚されるかを示す。
【
図3】本開示の原理による、輝度と心理指標明度との間の非線形関係を示す。
【
図4A】本開示の原理による、線形の増加性ランプ関数及び
図3の非線形関係に基づく計算されたPWM信号を示す。
【
図4B】本開示の原理による、それぞれ線形の増加性及び減少性のランプ関数を示す。
【
図4C】本開示の原理による、それぞれ線形の増加性及び減少性のランプ関数を示す。
【
図5】本開示の原理による、ブリーズの発光ユーザーインターフェース素子の主観的明るさ知覚のグラフを示す。
【
図6A】本開示の原理による、正弦波ベースの増加性及び減少性ランプ関数をそれぞれ示す。
【
図6B】本開示の原理による、正弦波ベースの増加性及び減少性ランプ関数をそれぞれ示す。
【
図8A】本開示の原理による、
図7Aの正弦波ベースの増加性ランプ関数及び
図3の非線形関係に基づく計算されたPWMデューティサイクル信号を示す。
【
図8B】本開示の原理による、
図7Bの正弦波ベースの増加性ランプ関数及び
図3の非線形関係に基づく計算されたPWMデューティサイクル信号を示す。
【
図9】本開示の原理による
図5のグラフの変形例を示す。
【
図10A】本発明の原理による、発光ユーザーインターフェース素子を組み込んだ電気デバイスを示す。
【
図10B】本発明の原理による、発光ユーザーインターフェース素子を組み込んだ電気デバイスを示す。
【
図11A】本発明の原理による、発光ユーザーインターフェース素子を組み込んだ電気デバイスを示す。
【
図11B】本発明の原理による、発光ユーザーインターフェース素子を組み込んだ電気デバイスを示す。
【
図12】本発明の原理による、発光ユーザーインターフェース素子を組み込んだ電気デバイスを示す。
【
図13】本発明の原理による、発光ユーザーインターフェース素子を組み込んだ電気デバイスを示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
電気デバイスのユーザーインターフェースの発光素子に関して上述したように、LEDのスイッチのオンオフを切り替えて、明滅させることは、一部の消費者にとって不快であり得る。LEDの照明レベルのより緩やかな変化は、一部の消費者にとってより好ましいと考えられる。本開示の原理による実施形態は、人間の目によって実質的に正弦波であると知覚される方式で、LEDの照明レベルを変調することを企図している。以下により詳細に記載されるように、実施形態は、高調波の自然の正弦関数と人間の目の補償の式との組み合わせを使用することを含み得る。
【0008】
1つ以上の例示的な電気デバイスについて以下に説明するが、これらは本開示の原理の理解を補助するためにのみ、例として提供されており、添付の特許請求の範囲の解釈又は範囲を限定することを意図するものではない。本開示の原理による実施形態は、例えば、LED、有機LED(OLED)、及び発光面などの多種多様な発光素子を含む。発光素子の照明レベルを調節することは、素子をオンにすること、照明レベルを上昇させること、照明レベルを維持すること、照明レベルを低下させること、及び素子をオフにすることを含むことができる。以下でより詳細に説明するように、発光素子の照明レベルは、PWM信号を使用して制御することができる。しかしながら、当業者は、様々な電圧(別個又はアナログ)の信号を使用して、発光素子の照明レベルも変動させることができることを容易に認識するであろう。更に、電気デバイスのユーザーインターフェースは、2つ以上の発光素子を含むことができ、各々は、電気デバイスの異なる動作特性のそれぞれの状態について情報を伝達する。
【0009】
上述のように、LEDの照明レベルを制御するために、LEDは、例えばマイクロコントローラ又は同様のデバイスによって生成されたものなどのパルス幅変調(PWM)信号によって駆動され得る。
図1は、3つの異なるPWM信号102、104、106を示す。各信号は周期的で、Tの周期108を有する。各周期において、部分110、t
Hが存在し、信号が電圧レベル120のV
CCであり、また部分112、t
Lが存在し、信号が約0ボルトの電圧レベル118を有する。電圧レベルV
CCは、LEDの順電圧を上回るのに十分であるが、LEDへの損傷を防止するためにLEDを通る電流を制限するのに十分低い。t
H/Tの商は、PWM信号のデューティサイクルを定める。PWMのデューティサイクル「k」は、LEDの照明レベルに線形に対応し、0~1の割合として、又は0%~100%の等価の割合として表すことができる。したがって、信号102は、10%に等しい「k」122を有し、信号102によって駆動されるLEDの照明レベルは、LEDがV
CCの連続信号又はDC信号によって駆動された場合、照明レベルの10%となる。信号104は、50%のデューティサイクルk124を有し、信号106は、90%のデューティサイクルk126を有する。
【0010】
通常、LEDを駆動するために使用されるPWM信号の場合、スイッチング周波数は、非常に高い(すなわち、期間Tが短い)ため、人間の目が照明レベルの個々の振動を知覚しない。LEDは、所望の照明レベルで継続的に光っていることが知覚される。人間の目によって見ることができるLEDの振動の最小速度は、人から人により異なる。しかしながら、50Hz又は50回/秒の最小スイッチング周波数が典型的であり得る。
【0011】
図2Aは、PWM信号のデューティサイクルが経時的にいかに変動するかの線形のグラフ202を示す。具体的には、描写されたデューティサイクルは、0~1又は0%~100%の線形の様式で増加する。上記の考察に基づくと、PWM信号によって駆動されるLEDの照明レベルもまた、線202と同じ勾配で、線形に増加するはずである。しかしながら、
図2Bは、人間の目が、
図2Aの変化するデューティサイクルを有するPWM信号によって駆動されるLEDの増加する照明レベルを、どのように知覚するかを示す。曲線204は、人間の目の主観的な明るさ知覚を示し、この曲線204は、線202と一致していない。したがって、線形に変動するPWM信号の様々なユーザーインターフェースは、線形に変動する方式で意図されるように人間の目によって知覚されないが、代わりに、人間の目は、非線形様式で変動するものとしてLEDの照明レベルの増加を観察する。
【0012】
対象物の輝度は、その絶対的な強度である。明るさは、周囲環境の輝度に応じた、対象物の知覚された輝度である。輝度と明るさは、人間の照明レベルの知覚が、絶対的な輝度ではなく、輝度のコントラストに影響されやすいため、異なる場合がある。したがって、明るさは、光源が光を放射又は反射するように見える視覚的な知覚の属性である。明るさは、視覚的標的の輝度によって誘発される知覚であり、以下の説明において心理指標明度と呼ばれることがある。本発明の原理による実施形態は、心理指標明度に輝度を関連付けている、CIE(International Commission on Illumination)による研究に基づく補償関数に依拠することによって、人間の目の主観的知覚を考慮している。補償関数は、例えばLEDのような発光素子の制御された照明レベルを、人間の目の非線形感度に適合させるために、使用される。CIEの研究は、0~1で変動する輝度の値であるYを、0~100で変動して
図3のグラフ302によって示されている心理指標明度の値であるL
*に関連付けている。
図3のグラフは、以下の式に従って計算される。
【0013】
【0014】
上記の式及び以下の式では、Yは、特定の発光素子について0~1で変動し、「1」の値は、例えば、100%のデューティサイクルのPWM制御信号によって駆動されるその特定の発光素子の照明レベルに対応する。本開示の原理によれば、補償関数は、L*値をY値に変形又は変換する上記の式の逆数として定められ、以下のように定められる。
【0015】
【0016】
操作の中で、LEDの照明レベルが所望の方法で人間の目によって知覚されるように、L
*値を定めることができる。これらのL
*値に基づいて、LEDの照明レベルを制御するためのPWM又は他の種類の信号を求めることができる。
図4A及び
図4Bは、そのような一例を示す。この例では、L
*=100の値は、100%のデューティサイクルにも対応する「1」に等しいY値に相当する。また、L
*=0の値は、0%のデューティサイクルにも対応する0に等しいY値に相当する。
図4Bでは、人間の目の心理指標明度又は主観的な明るさ知覚、L
*は、経時的に線形に増加するようにグラフ404によって定められている。上記の補償関数を使用して、LEDの照明レベルを制御するPWM又は他の種類の信号の変動するデューティサイクルを計算することができる。所与の値L
*(t)について、0~1の値を包括的に有する、対応する値Y(t)を計算することができる。0~1の間で変動するY(t)の値は、同様に0~1(すなわち、0%~100%)で変動するPWMデューティサイクルk(t)と同等である。
図4Aでは、グラフ402は、
図4Bのグラフ404に適用されている補償関数に対応し(すなわち、
図4Bのグラフ404のシコメトリックな明度の値L
*が、上記の補償関数を使用して輝度の値Yに変換される)、したがって、例えばPWM信号のデューティサイクルが、いかにして
図4Bに示される明るさの知覚される線形変化を達成するように制御され得るかを示す。また、
図4Cは、明るさの知覚の線形変化を示すが、
図4Cでは、L
*値は、時間が経過するにつれて100から0に減少する。
【0017】
「ブリーズする」照明ユーザーインターフェースは、照明レベルの増加と照明レベルの減少との間で周期的に交互に切り替わるものである。したがって、発光素子の知覚される明るさはまた、照明レベルの増加と減少との間で周期的に交互に切り替わる。一例を
図5に示す。グラフ502は、知覚される明るさが経時的にどのように変動するかを示す。したがって、グラフ502は、人間の観察者によって知覚される発光素子の所望の時変発光レベルに対応する信号を定める。グラフ502はまた、グラフ502の異なる部分間に鋭い移行点504が存在するかを示す。信号又はグラフ502は、高レベル領域510及び低レベル領域512の存在により、非連続的であるランプ関数506(
図4Bに示すように)及び減少性ランプ関数508(
図4Cに示すように)として特徴付けることができる。上述の補償関数を使用して、例えばPWM信号のデューティサイクルを計算して、LEDの照明レベルを制御して、
図5に示す所望の知覚される明るさを達成することができる。本開示の原理によれば、信号又はグラフ502の1つの更なる改良は、移行点504を滑らかにすることができる。
【0018】
図4Bの線形ランプに従って、0から100まで変動するL
*の代わりに、正弦波ベースのランプ関数を、例えば、以下のように定めることができる。
【0019】
【0020】
上記の式では、f(t)は、
図6Aに示すように、t/t
0が0から1に増加するにつれて、0から1まで変動する。同様に、上記の式では、f(t)は、
図6Bに示すように、t/t
0が1から0に減少するにつれて、1から0に変動する。この正弦波ベースのランプ関数を使用して、0から100で変動するL
*の増加性正弦波ベースのランプ関数、及び100から0まで変動する減少性正弦波ベースのランプ関数を導出することができる。L
*の値が0から100に増加する時間の範囲に対して期間t
0が選択されると仮定すると、
図7Aの増加性正弦波ベースのランプ関数は、0≦t/t
0≦1についてL
*(t)=[100
*f(t)]に従って計算することができる。また、
図7Bの減少性正弦波ベースのランプ関数は、1≧t/t
0≧0に対してL
*(t)=[100
*f(t)]に従って計算することができる。
図7A及び
図7Bのグラフ又は信号は、どのようにして、人間の観察者によって知覚される発光素子の時変発光レベルについて設計者が計画するかに対応する。換言すれば、
図7A及び
図7Bのグラフにおける情報は、人間の観察者によって知覚される発光素子の所望の時変発光レベルに対応するそれぞれの信号を定める。しかしながら、発光素子の実際の輝度、又は照明レベルを制御するのに使われる制御信号は、
図3に示されるように、実際の照明レベルと、人間の目によって知覚される結果として生じる照明レベルとの間の上述した非線形感度関係のために、
図7A及び
図7Bの信号と異なる。
【0021】
図4B及び
図4Cの線形ランプに関して上述したように、補償関数を使用して適切なPWM信号、又は他の種類の制御信号を計算し、LEDの照明レベルを制御して、消費者によるLEDの明るさの所望の知覚を達成することができる。また上述したように、補償関数を使用して、人間の目によって知覚されるように、所望の変動する照明レベルに対応する信号の値を変換することができる。この変換から得られる信号又はグラフは、発光素子の照明レベルが実際に制御されるかの輝度の値Yに対応する。輝度の値Yの結果として生じる信号又はグラフに基づいて、プロセッサ又はマイクロコントローラは、例えば、発光素子の適切な実際の照明レベルを達成するために変動するデューティサイクルのPWM制御信号を生成することができる。
図8A及び8Bは、それぞれ
図7A及び7Bの正弦波ベースのランプ関数を達成することに対応するデューティサイクルの値を示す。所与の値L
*(t)について、
図7A又は
図7Bでは、対応する値Y(t)は、上記の補償関数を使用して計算することができ、それにより、対応する値Y(t)は、0~1の値を有する。したがって、0と1との間で変動するY(t)値は、同様に0~1(すなわち、0%~100%)でも変動するPWMデューティサイクルk(t)と同等である。
【0022】
図9は、
図5のグラフにおける、線形ランプ関数の代わりに増加性及び減少性の正弦波ベースのランプ関数を使用する結果を示す。図示のように、移行点904は、
図5からの鋭い移行点504よりも滑らかである。上述した補償関数を正弦波ベースのランプ関数と組み合わせることにより、PWM信号、又は他の制御信号のための適切なデューティサイクルを計算することができ、これにより、所望の様式で知覚されるLEDの明るさを達成する。LEDの照明レベルYは、依然以下に従って計算される。
【0023】
【0024】
しかしながら、上記の式では、グラフ又は信号902の増加性又は減少性のランプ部分のL
*(t)の値は、
図7A及び
図7Bで上述した正弦波ベースのランプ関数の値であり、式中、
【0025】
【0026】
図9のグラフ902では、対応するPWM信号のデューティサイクルが、LEDがオフであると知覚されるように、約「ゼロ」に等しい期間に対応する期間t
1が存在する。期間t
1中においてL
*(t)=0である。例として、期間t
1は、0秒~数百ミリ秒で変動し得る。また、対応するPWM信号が約100%に等しい期間に対応する期間t
2も存在し、これにより、LEDは完全に照明されると知覚される。期間t
2中において、L
*(t)=100である。例として、時間期間t
2は、0秒~数百ミリ秒で変動し得る。更に、t
1及びt
2の値は異なっていてもよく、同じであってもよい。グラフ902において、対応するPWM信号がオフの状態から完全照明状態に移行する期間に対応する期間t
0もある。グラフ902では、対応するPWM信号が完全照明状態からオフの状態に移行する期間に対応する期間t
3もある。期間t
0及びt
3は、互いに等しくてもよく、又は異なっていてもよい。t
1及びt
2の値はまた、例えば、t
1(又はt
2)が(0.8
*t
0)であるような相対的な期間として構成することもできる。
【0027】
いくつかの例として、
図12にてわかるように、信号902は、200msに等しいt
0、0msに等しいt
1、1000msに等しいt
2、1500msに等しいt
3を有することができる。別の例の波形902として、
図12にてわかるように、t
0及びt
3は1500msに等しく、t
2は40msに等しく、t
1は4000msに等しくなり得る。別の例では、
図11Aにてわかるように、波形902は、0msに等しいt
1及びt
2を有することができ、t
0及びt
3は400msに等しくなり得る。更に、
図11Bにてわかるように、更なる例の波形902では、t
0及びt
3は300msに等しくなり得、例えば、t
1は90msに等しくなり得、t
2は700msに等しくなり得る。
図13にてわかるように、増加性正弦波ベースのランプではない例の波形902では、t
2は比較的長い期間であり得、一方でt
3は300msに等しくてもよい。
【0028】
本開示の原理に従って動作するデバイスは、プロセッサと、プロセッサによって実行可能な命令を記憶する、プロセッサと通信するメモリとを含むことができる。更に、プロセッサによって実行されるとき、これらの命令は、デバイスに、人間の観察者によって知覚される発光素子の所望の時変発光レベルに対応する信号を定める情報を記憶させ、対応する信号は、増加性正弦波ベースのランプ関数及び減少性正弦波ベースのランプ関数を含む。これらの命令はまた、実行されると、デバイスに、対応する信号に基づいた時変制御信号、及び実際の照明レベルと人間の目によって知覚される結果として生じる照明レベルとの間の非線形感度関係を計算させ、計算された時変制御信号に従って照明される発光素子を駆動させる。あるいは、時変制御信号は、デバイスとは別個の1つ以上のシステムによって計算することができる。この時変制御信号は、一旦計算されると、デバイスのメモリに記憶され得る。例として、時変制御信号は、計算された時変制御信号の時間順の離散サンプリング値を含むルックアップテーブルとして記憶され得る。装置のプロセッサは、ルックアップテーブルから値を読み出し、次いで、時変制御信号に従って、デバイスの発光素子の照明レベルを駆動することができる。
【0029】
図10Aは、本開示の原理に従って動作する1つ以上の発光素子を含むことができる例示的な電気デバイスを示す。
図10Aの例示的なかみそり1000は、発光加熱インジケータ1001及び発光電力インジケータ1002を含むことができる。動作中、2つのインジケータ1001、1002は、個別に又は互いと同期して動作することができ、色及び照明レベルが変動して、かみそり1000の動作状態をユーザーに伝えることができる。
【0030】
図10Bは、本開示の原理による、ユーザーインターフェースの発光素子を制御することができる、かみそり1000又は他のデバイスの機能的要素のブロックレベル図である。明快さ及び簡潔さのために、発光素子に関係しないかみそり1000の他の機能的要素は、
図10Bから省かれている。
【0031】
かみそり1000は、データストア1026からデータを取得し、データストア1026にてデータを記憶し、データストア1026から実行可能命令を取り出すことができるマイクロコントローラ1020又は同様のハードウェアを含むことができる。マイクロコントローラ1020はまた、実行可能命令を実行するか、又は実行可能な動作を開始することができる、プロセッサ1022又は類似の回路を含む。特に、プロセッサ1022は、PWM駆動回路1024と通信して、PWM制御信号1027を生成することができる。PWM制御信号1027は、発光素子1028の照明レベルがPWM制御信号に従って変動するように、発光素子1028を駆動する。
【0032】
プロセッサ1022が開始できる実行可能な動作のうちの1つは、人間の観察者によって知覚される発光素子の所望の時変発光レベルに対応する信号を定める情報を記憶することである。上述したように、
図5又は
図9の信号又はグラフは、デバイス1000の設計者が達成することを望む、発光素子1028の所望の知覚される照明の挙動に対応する。
図5又は
図9の信号は、実際のPWM信号、又は発光素子1028を駆動するために使用される他の種類の制御信号を定めるのでなく、むしろ、適切なPWM制御信号又は他の種類の制御信号で駆動されるときに、人間の目がどのように発光素子1028の照明を知覚するかを表す。人間の観察者によって知覚される発光素子の所望の時変発光レベルに対応する信号を定める記憶された情報は、様々な方法で構成することができる。例えば、情報は、例えば
図5又は
図9のグラフを説明する数学的な関数とすることができ、データストア1026に記憶され、データストアから取得されてもよい。この場合、プロセッサ1022又は同様の要素は、数学的な関数を使用して、対応する信号の値を計算することができる。あるいは、記憶された情報は、例えば
図5又は
図9のグラフを表す瞬時の値に対応する複数の離散したサンプルであってもよく、プロセッサ1022によってデータストア1026に記憶され、データストア1026から取り出されてもよい。記憶された情報は、周期的信号の単一周期を表すことができ、サンプリングされた値は、プロセッサ1022が、記憶された情報の個々の値を順次取得して、対応する信号の値を判定することができるように、時間順であってもよい。サンプリングされた値は、グラフ又は信号(例えば、
図9のもの)の一般的な輪郭を表すことができるが、必要に応じてプロセッサ1022によって増減させることができる。上記の特定の実施形態では、対応する信号は、増加性正弦波ベースのランプ関数及び減少性正弦波ベースのランプ関数を含む。
【0033】
プロセッサが開始することができる別の実行可能な動作は、a)記憶された情報によって定められる対応する信号と、b)実際の照明レベルと、人間の目によって知覚される結果として生じる照明レベルとの間の非線形感度関係に基づいて、時変制御信号を計算することである。
図3は、このタイプの非線形感度関係の一例を示す。水平軸は、発光素子の実際の又は物理的照明レベルを表し、垂直軸は、人間の目が異なる照明レベルをどのように知覚するかを表す。上記の例では、補償関数は、
図3に示す関係から導出され、制御信号を算出するために使用される。記憶された情報によって定められる対応する信号は時変であるため(例は
図5又は
図9のグラフによって示される)、信号は、L
*(t)とラベル付けすることができる複数の個々の値を有し、この場合「t」は離散した時間の値を表す。補償関数を使用して、L
*(t)の値に対応する輝度の値Y(t)を計算することができる。次いで、これらの輝度の値Y(t)を、時変電圧制御信号のPWM制御信号又は対応する電圧値v(t)の対応するデューティサイクルの値k(t)に変換することができる。順序付けられた一連の値k(t)又はv(t)は、発光素子1028を駆動するために使用することができる、時間と共に変動する計算された制御信号を定める。
【0034】
したがって、プロセッサ1022が開始できる別の実行可能な動作のうちの1つは、計算された時変制御信号に従って発光素子を照明させることを含み、それにより、人間の観察者は、対応する信号に概ね対応する発光素子1028の照明レベルを知覚する。プロセッサ1022は、発光素子1028を直接駆動するように構成されてもよく、あるいは、適切な電圧レベル及びタイミング特性を有するPWM信号を生成するために、別個のPWM駆動回路1024を制御するか、又はそれと通信するように構成され得る。プロセッサ1022はまた、適切な電圧レベル及びタイミング特性を有する制御信号(例えば、上述の変動する電圧信号v(t))を生成するために、他の駆動回路(図示せず)を制御するか、又はそれと通信するように構成されてもよい。
【0035】
図11Aは、異なる発光素子1001及び1002がどのように動作し得るかの例を示す。水平タイムライン1104は、人間の観察者によって知覚される加熱インジケータ1001の所望の時変発光レベルに対応する信号を定める情報の例示的なグラフを提示し、水平タイムライン1106は、人間の観察者によって知覚される電力インジケータ1002の所望の時変発光レベルに対応する信号を定める情報の例示的なグラフを提示する。一旦かみそり1000がスイッチオンされると(1108)、加熱期間1110は開始することができ、例えば、約2秒続けることができる。このとき、電力インジケータ1002は完全に照明され、加熱インジケータ1001は、例えば約0.5秒の速度でブリーズする。かみそり1000が使用準備態勢(1112)状態に達すると、また使用中(1114)、両方の発光インジケータ1001及び1002は、連続的に照明されたままであり得る。かみそり1000がオフにされると、両方の発光インジケータ1001及び1002をオフにすることができる。
図11Aでは、かみそり1000が接続され得る充電スタンド1102が示されている。
【0036】
図11Bは、かみそり1000の異なる動作状態を示すように発光インジケータ1001及び1002をどのように制御することができるかを示す。水平タイムライン1150は、人間の観察者によって知覚される加熱インジケータ1001の所望の時変発光レベルに対応する信号を定める情報の例示的なグラフを提示し、水平タイムライン1152は、人間の観察者によって知覚される電力インジケータ1002の所望の時変発光レベルに対応する信号を定める情報の例示的なグラフを提示する。電池の充電状態が低い状態(1148)の間、加熱インジケータ1001は完全に照明され、電力インジケータ1001は、例えば約1.0秒の速度で明滅する。
【0037】
図12は、かみそり1000が充電スタンド1102と接続されている間に、発光素子1001及び1002がどのように動作し得るかの例を示す。具体的には、充電スタンド1102は、充電インジケータであり得るそれ自体の発光素子1202を含むことができる。水平タイムライン1204は、人間の観察者によって知覚される加熱インジケータ1001の所望の時変発光レベルに対応する信号を定める情報の例示的なグラフを提示し、水平タイムライン1206は、人間の観察者によって知覚される電力インジケータ1002の所望の時変発光レベルに対応する信号を定める情報の例示的なグラフを提示する。水平タイムライン1208は、人間の観察者によって知覚される充電インジケータ1202の所望の時変発光レベルに対応する信号を定める情報の例示的なグラフを提示する。
【0038】
図12の例では、加熱インジケータ1001が、示される全期間中、例えば、かみそり1000が充電器に配置されている(1210)とき、かみそり1000を充電している(1212)間、及びかみそりが完全に充電されている(1214)ときに照明されないままであり得る。本開示の原理によれば、電力インジケータ1002及び充電インジケータ1202の両方を、発光ブリーズユーザーインターフェースとして動作させる、PWM又は他の種類の制御信号を計算することができる。このPWM信号は、例えば、
図9及び水平タイムライン1206及び1208に示されるように変動すると知覚されるように、要素1002及び1202の両方の照明レベルを変動させることができる。
図12の例では、ブリーズ速度は約3秒である。
図12はまた、かみそり1000が充電スタンド1102に配置されると、電力インジケータ1002のPWM制御信号を生成するプロセッサ又はコントローラに同期パルスを送信することができ、また、充電インジケータ1202のPWM制御信号を生成するプロセッサ又はコントローラに送信され得ることも示す。
【0039】
図13は、同じ発光素子が異なる時に異なる色であってもよいことを示す。
図13では、水平タイムライン1302は、人間の観察者によって知覚される加熱インジケータ1001の所望の時変発光レベルに対応する信号を定める情報の例示的なグラフを提示し、水平タイムライン1304は、人間の観察者によって知覚される電力インジケータ1002の所望の時変発光レベルに対応する信号を定める情報の例示的なグラフを提示する。使用者がボタン1003を押下して第1の加熱モードに入る(1310)時間の間、両方の発光インジケータ1001及び1002は、完全に照明され、色は赤色であってもよい。第1の加熱モード(1312)中、両方のインジケータ1001及び1002は、完全に照明されたままであるが、黄色であってもよい。使用者がボタンを再び押下する(1314)とき、第2の加熱モードに入るまでの間、両方のインジケータ1001及び1002は、完全に照明されたままであり、黄色であってもよい。しかしながら、第2の加熱モードに達すると(1316)、照明された発光素子1001及び1002の色は赤色に変化してもよい。
【0040】
図のフローチャート及びブロック図は、本開示の様々な態様によるシステム、方法、及びコンピュータプログラム製品の可能な実装のアーキテクチャ、機能、及び動作を示す。この点に関して、フローチャート又はブロック図における各ブロックは、特定の論理関数を実装するための1つ以上の実行可能命令を含む、コードのモジュール、セグメント、又は部分を表し得る。加えて、フローチャートは、特定のイベントのシーケンスに関して説明及び例示されてきたが、本開示の動作に実質的に影響を与えることなく、このシーケンスに対する変更、追加、及び省略が生じ得ることを理解されたい。例えば、連続して示される2つのブロックは、実際には、実質的に同時に実行されてもよく、又はブロックは、時に関与する機能に応じて逆の順序で実行されてもよい。ブロック図及び/又はフローチャートの説明の各ブロック、並びにブロック図及び/又はフローチャートの説明におけるブロックの組み合わせは、特定の機能若しくは動作を実行する専用のハードウェアベースのシステム、又は専用のハードウェア及びコンピュータ命令の組み合わせによって実装され得ることにも留意されたい。
【0041】
当業者に理解されるように、本開示の態様は、任意の新規かつ有用なプロセス、機械、製造、若しくは組成物、又はこれらの任意の新規かつ有用な改善を含む、複数の特許可能なクラス若しくは文脈のいずれかにおいて、本明細書に例示及び記載され得る。したがって、本開示の態様は、全体的にハードウェアに実装されるか、全体的にソフトウェア(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)に実装されるか、又はソフトウェア及びハードウェアの実装を組み合わせることができ、全てが概して本明細書では「回路」、「モジュール」、「構成要素」、又は「システム」と呼ばれることがある。更に、本開示の態様は、それに具現化されたコンピュータ可読プログラムコードを有する1つ以上のコンピュータ可読媒体に具現化されたコンピュータプログラム製品の形態をとることができる。
【0042】
1つ以上のコンピュータ可読媒体の任意の組み合わせを利用することができる。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体又はコンピュータ可読記憶媒体であってもよい。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、電子、磁気、光学、電磁、若しくは半導体システム、装置若しくはデバイス、又は前述の任意の好適な組み合わせであり得るが、これらに限定されない。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例(網羅的ではない列挙)としては、以下の、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、消去可能なプログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、リピータを備える適切な光ファイバ、ポータブルコンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM)、光学的記憶デバイス、磁気記憶デバイス、又は前述の任意の好適な組み合わせを有する適切な光ファイバが挙げられる。本文書の文脈において、コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行システム、装置、又はデバイスによって、又はそれに関連して使用するためのプログラムを含み得る、又は記憶し得る、任意の有形媒体であってもよい。
【0043】
本開示の態様に関する動作を実行するためのコンピュータプログラムコードは、1つ以上のプログラミング言語の任意の組み合わせで書くことができ、例えばオブジェクト指向のプログラミング言語、例えばJAVA、スケーラ、SMALLTALK、EIFFEL、JADE、EMERALD、C++、CII、VB.NET、PYTHONなど、従来の手続き型プログラミング言語、例えば、「c」プログラミング言語、VISUAL BASIC、FORTRAN 2003、PERL、COBOL 2002、PHP、ABAP、動的プログラミング言語、例えばPYTHON、RUBY、及びGROOVY、又は他のプログラミング言語が挙げられる。プログラムコードは、使用者のコンピュータ又はデバイスで全体的に実行することができる。
【0044】
本開示の態様は、本開示の実施形態による方法、装置(システム)、及びコンピュータプログラム製品のフローチャート図及び/又はブロック図を参照して本明細書に記載される。フローチャート図及び/又はブロック図の各ブロック、並びにフローチャート図及び/又はブロック図におけるブロックの組み合わせは、コンピュータプログラム命令によって実装されてもよいことが理解される。これらのコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、又は他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサに提供されて機械を製作し、その命令は、コンピュータのプロセッサ又は他のプログラム可能な命令実行装置を介して実行させて、フローチャート及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロックに指定された機能/動作を実行するための機構を作出する。
【0045】
これらのコンピュータプログラム命令はまた、実行されると、コンピュータ、他のプログラム可能なデータ処理装置、又は他のデバイスに指示をして、特定の方法で機能させることができる、コンピュータ可読媒体に記憶されてもよく、コンピュータ可読媒体に記憶されたときの命令が、実行されると、コンピュータに、フローチャート及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロックに指定された機能/動作を実行させる命令を含む製品を製造する。コンピュータプログラム命令はまた、コンピュータ、他のプログラム可能命令実行装置、又は他のデバイスにロードされてもよく、コンピュータ、他のプログラム可能な装置又は他のデバイスで実行される一連の動作ステップを実行させ、コンピュータ実装プロセスを生成し、その結果、コンピュータ又は他のプログラム可能な装置で実行する命令が、フローチャート及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロックに指定された機能/動作を実装するためのプロセスを提供するようにする。
【0046】
上述した本開示の代表的な実施形態を以下のように説明することができる。
A.電気デバイスのためのユーザーインターフェースの発光素子の照明レベルを制御するための方法であって、
・プロセッサによって、人間の観察者によって知覚される発光素子の所望の時変発光レベルに対応する信号を定める情報を記憶することであって、対応する信号は、増加性正弦波ベースのランプ関数及び減少性正弦波ベースのランプ関数を含む、記憶することと、
・プロセッサによって、対応する信号に基づいて時変制御信号及び実際の照明レベルと、人間の目によって知覚される結果として生じる照明レベルとの間の非線形感度関係を計算することと、
・プロセッサによって、計算された時変制御信号に従って照明される発光素子を引き起こすことと、を含むことを特徴とする方法。
B.対応する信号は、周期的であり、複数の周期から構成されることを特徴とするパラグラフAに記載の方法。
C.対応する信号は、
低いレベルの値であって、増加性正弦波ベースのランプ関数を高いレベルの値まで増加し、減少性正弦波ベースのランプ関数は高いレベルの値から低いレベルの値へと減少する、低いレベルの値を含むことを特徴とするパラグラフA又はBに記載の方法。
D.非線形感度関係は、輝度と心理指標明度との関係を含むことを特徴とするパラグラフA~Cのいずれかに記載の方法。
E.計算された時変制御信号は、補償関数を使用して対応する信号を変換することによって計算され、補償関数は、実際の照明レベルと人間の目によって知覚される結果として生じる照明レベルとの間の非線形感度関係に基づいており、
【0047】
【数6】
式中、
Yは、計算された時変制御信号であり、
L
*は、対応する信号であることを含むことを特徴とするパラグラフA~Dのいずれかに記載の方法。
F.増加性及び減少性ランプ関数は、時間tにおいて、
【0048】
【数7】
2に比例して変化することを特徴とするパラグラフA~Eのいずれかに記載の方法。
G.発光素子(LED)は、発光ダイオード又は発光面のうちの1つを含むことを特徴とするパラグラフA~Fのいずれかに記載の方法。
H.記憶された情報は、対応する信号を計算するための式を含むことを特徴とするパラグラフA~Gのいずれかに記載の方法。
I.記憶された情報は、対応する信号を表す時間順の複数の離散サンプリング値を含むことを特徴とするパラグラフA~Hのいずれかに記載の方法。
J.電気デバイス用のユーザーインターフェースの発光素子の照明レベルを制御するためのシステムであって、
・プロセッサと、
・プロセッサと通信するメモリであって、プロセッサによって実行されると、システムに、
●人間の観察者によって知覚される発光素子の所望の時変発光レベルに対応する信号を定める情報を記憶することであって、対応する信号は、増加性正弦波ベースのランプ関数及び減少性正弦波ベースのランプ関数を含む、記憶することと、
●対応する信号、及び実際の照明レベルと、人間の目によって知覚される結果として生じる照明レベルとの間の非線形感度関係に基づいて時変制御信号を計算することと、
●計算された時変制御信号に従って、発光素子を照明させることと、
を生じさせる命令を記憶する、メモリと
を含むことを特徴とするシステム。
K.対応する信号は、周期的であり、複数の周期から構成されることを特徴とするパラグラフJに記載のシステム。
L.対応する信号は、
低いレベルの値であって、増加性正弦波ベースのランプ関数を高いレベルの値まで増加し、減少性正弦波ベースのランプ関数は高いレベルの値から低いレベルの値へと減少する、低いレベルの値を含むことを特徴とするパラグラフJ又はKに記載のシステム。
M.非線形感度関係は、輝度と心理指標明度との関係を含むことを特徴とするパラグラフJ~Lのいずれかに記載のシステム。
N.計算された時変制御信号は、補償関数を使用して対応する信号を変換することによって計算され、補償関数は、実際の照明レベルと人間の目によって知覚される結果として生じる照明レベルとの間の非線形感度関係に基づいており、
【0049】
【数8】
式中、
Yは、計算された時変制御信号であり、
L
*は、対応する信号であることを含むことを特徴とするパラグラフJ~Mのいずれかに記載のシステム。
O.増加性及び減少性ランプ関数は、時間tにおいて、
【0050】
【数9】
2に比例して変化することを特徴とするパラグラフJ~Nのいずれかに記載のシステム。
P.発光素子は、発光ダイオード(LED)又は発光面のうちの1つを含むことを特徴とするパラグラフJ~Oのいずれかに記載のシステム。
Q.記憶された情報が、対応する信号を計算するための式を含むことを特徴とするパラグラフJ~Pのいずれかに記載のシステム。
R.記憶された情報は、対応する信号を表す時間順の複数の離散サンプリング値を含むことを特徴とするパラグラフJ~Qのいずれかに記載のシステム。
S.電気デバイスのためのユーザーインターフェースの発光素子の照明レベルを制御するための方法であって、
・プロセッサによって、人間の観察者によって知覚される発光素子の所望の時変発光レベルに対応する信号を定める記憶された情報と、実際の照明レベルと人間の目によって知覚される結果として生じる照明レベルとの間の非線形感度関係に基づいて計算されるパルス幅変調(PWM)制御信号を記憶することであって、対応する信号は、増加性正弦波ベースのランプ関数及び減少性正弦波ベースのランプ関数を含む、記憶することと、
・プロセッサによって、記憶されたPWM制御信号を用いて発光素子を駆動することと、を含むことを特徴とする方法。
T.記憶されたPWM制御信号がルックアップテーブルを含むことを特徴とするパラグラフSに記載の方法。
【0051】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、このような寸法はそれぞれ、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図されている。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0052】
相互参照される又は関連する任意の特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本願に引用される全ての文書は、除外又は限定することを明言しない限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求される任意の発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのようないかなる発明も教示、示唆又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれた文書内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0053】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な他の変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にある全てのそのような変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図されている。