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特許7078833情報処理装置、情報処理装置の制御方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-24
(45)【発行日】2022-06-01
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理装置の制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20220525BHJP
   G07G 1/12 20060101ALI20220525BHJP
   G07G 1/01 20060101ALI20220525BHJP
   G07G 1/14 20060101ALI20220525BHJP
【FI】
G06Q30/02 444
G07G1/12 341Z
G07G1/01 301D
G07G1/14
G07G1/12 341C
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2017038867
(22)【出願日】2017-03-02
(65)【公開番号】P2017162467
(43)【公開日】2017-09-14
【審査請求日】2020-02-28
(31)【優先権主張番号】P 2016042894
(32)【優先日】2016-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】390002761
【氏名又は名称】キヤノンマーケティングジャパン株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】591089877
【氏名又は名称】キヤノンプロダクションプリンティングシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100189751
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 友輔
(72)【発明者】
【氏名】稲葉 晃作
(72)【発明者】
【氏名】中村 亜紀
(72)【発明者】
【氏名】小林 健治
【審査官】原 忠
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-085092(JP,A)
【文献】特開2008-287622(JP,A)
【文献】特開2002-049837(JP,A)
【文献】昭和情報機器((株)),プロダクトA POP広告作成システム,月刊自動認識,第26巻 第6号,日本,日本工業出版株式会社,2013年05月10日,P40-P42
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G07G 1/12
G07G 1/01
G07G 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗で用いられる広告のための広告データを生成する制御を行う情報処理装置であって、
複数の店舗における広告を生成するための広告データであって、特定の企画の開始日と複数の商品情報を含む第一の広告データと、店舗が発注した商品を管理する発注情報とに基づき、前記第一の広告データに含まれる前記複数の商品情報に対応する複数の商品のうち、前記発注情報によって特定の店舗が発注した商品として管理されている商品の情報を含むように、前記特定の店舗の第二の広告データを生成する制御を行う制御手段
を有し、
前記制御手段は、前記開始日とは別途設定された日であって、前記第一の広告データを、店舗で用いられる広告を印刷装置で印刷させるための処理を行う装置に公開する日として設定された日に達したことに応じて前記制御を行うことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記第一の広告データに含まれる前記複数の商品情報に対応する複数の商品のうち、前記発注情報によって前記特定の店舗が発注した商品として管理されている商品を抽出し、抽出した商品の情報を前記第二の広告データに含めるように制御することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御手段は、ユーザーからの前記第二の広告データの生成を指示する操作に応じて前記制御を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記第一の広告データの公開指示に応じて前記制御を行うことを特徴とする請求項1乃至3のいずえか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記第一の広告データに含まれる前記複数の商品情報に対応する複数の商品のうちいずれかを選択するユーザーの操作なしに前記制御を行うことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記第一の広告データと前記発注情報とを取得する取得手段を更に有することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記制御手段はさらに、店舗別の商品の売価を管理する売価情報に基づき、前記特定の店舗の前記第二の広告データに含まれる商品の売価の情報が、前記特定の店舗の店別売価となるように制御することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記制御手段はさらに、店舗の商品の在庫を管理する在庫情報に基づき、前記第一の広告データに含まれる前記複数の商品情報に対応する複数の商品のうち、前記発注情報によって特定の店舗が発注した商品として管理されていない商品であっても、前記在庫情報で在庫がある商品として管理されている商品の情報を含むように、前記特定の店舗の第二の広告データを生成する制御を行うことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記制御手段はさらに、店舗の商品の在庫を管理する在庫情報に基づき、前記第一の広告データに含まれる前記複数の商品情報に対応する複数の商品のうち、前記発注情報によって特定の店舗が発注した商品として管理されていない商品であって、前記在庫情報で在庫がある商品として管理されている商品がある場合に、警告するように制御することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の情報処理装置
【請求項10】
前記第一の広告データは、各店舗からアクセス可能なサーバで管理されたデータであることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記第一の広告データは、特定の商品に対応する、期間限定の販売企画に関する期間情報を含み、
前記制御手段は、前記期間情報を含む前記第二の広告データを生成するように制御することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の情報処理装置
【請求項12】
前記制御手段による制御により生成される前記第二の広告データを、前記期間情報ごとに識別可能に表示するよう制御する表示制御手段を更に備えることを特徴とする請求項11に記載の情報処理装置
【請求項13】
前記広告は、POP広告であることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の情報処理装置
【請求項14】
店舗で用いられる広告のための広告データを生成する制御を行う情報処理装置の制御方法であって、
複数の店舗における広告を生成するための広告データであって、特定の企画の開始日と複数の商品情報を含む第一の広告データと、店舗が発注した商品を管理する発注情報とに基づき、前記第一の広告データに含まれる前記複数の商品情報に対応する複数の商品のうち、前記発注情報によって特定の店舗が発注した商品として管理されている商品の情報を含むように、前記特定の店舗の第二の広告データを生成する制御を行う制御ステップ
を有し、
前記制御手段は、前記開始日とは別途設定された日であって、前記第一の広告データを、店舗で用いられる広告を印刷装置で印刷させるための処理を行う装置に公開する日として設定された日に達したことに応じて前記制御を行うことを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項15】
コンピュータを、請求項1乃至1のいずれか1項に記載の情報処理装置の各手段として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置装置、情報処理装置の制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
スーパーマーケットやドラッグストアなどの小売店においては、商品名や価格、その他商品の情報などを示した、POP(Point of purchase)広告が商品の近くに掲示される。
【0003】
小売店の作業者は、PCにインストールされている広告印刷アプリケーションソフトを用いて、このPOP広告を作成する。また、支店が複数あるような大型スーパーマーケットやドラッグストアのチェーン店の場合には、店舗側でPOP広告を作成するのではなく、本店やチェーン店を統括する本部が全ての店舗に対して同一内容の商品別POP広告のデータを作成している。本部で作成されたPOP広告のデータが各店舗へ送信することが一般的に行われている。
【0004】
そこで特許文献1には、POP広告の作成方法として、商品の発注データを店舗にある各端末から本部へと送信する。店舗から受信した商品の発注データと発注元識別コードをもとに、店舗ごとの発注された商品の広告データを本部で作成して店舗に送信する仕組みが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平11-195173
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、店舗で期間限定の特売セール等の企画が開催される場合は、本店やチェーン店を統括する本部から、企画名や企画の開催期間、企画対象の商品の情報を含んだ企画専用の広告データが店舗に配信される。それにより企画の開催を指示されることが多くある。
【0007】
しかしながら、本部から送られてきた企画の広告データより印刷を行おうとすると、本部側は同一の企画の広告データを全ての店舗に一括して送信している。そのため企画対象の商品の中には店舗によって扱っていない商品や、在庫切れした商品の広告も広告のデータに含まれてしまう。そのため各店舗の作業者は、本部から送られてきた企画の広告データ一覧を参照しながら、自店舗にある商品をそれぞれ選択することでPOP広告の印刷を行う必要があり、非常に手間である
【0008】
本発明は、ユーザの手間を軽減し、複数の店舗のうち特定の店舗の商品の広告データを容易に作成することを目的とる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明の情報処理装置は、
店舗で用いられる広告のための広告データを生成する制御を行う情報処理装置であって、
複数の店舗における広告を生成するための広告データであって、特定の企画の開始日と複数の商品情報を含む第一の広告データと、店舗が発注した商品を管理する発注情報とに基づき、前記第一の広告データに含まれる前記複数の商品情報に対応する複数の商品のうち、前記発注情報によって特定の店舗が発注した商品として管理されている商品の情報を含むように、前記特定の店舗の第二の広告データを生成する制御を行う制御手段
を有し、
前記制御手段は、前記開始日とは別途設定された日であって、前記第一の広告データを、店舗で用いられる広告を印刷装置で印刷させるための処理を行う装置に公開する日として設定された日に達したことに応じて前記制御を行うことを特徴とする情報処理装置。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ユーザの手間を軽減し、複数の店舗のうち特定の店舗の商品の広告データを容易に作成可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】広告作成システムのシステム構成の一例を示す図である。
図2】サーバ装置101、情報処理装置102-1、情報処理装置102-2のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3】サーバ装置101、情報処理装置102-1、情報処理装置102-2の機能構成の一例を示す図である。
図4】本部で作成した広告の企画の公開を受け付ける流れを説明するフローチャートである。
図5】公開処理選択画面500の画面例を示す図である。
図6】予約日入力画面600の画面例を示す図である。
図7】公開の予約を受け付けたときに生成される予約テーブルの一例である。
図8】第1の実施形態における、企画指示データと発注マスタ(発注情報)を連係させ、広告データを生成する処理の流れを説明するフローチャートである。
図9】(a)企画指示データの一例である。(b)発注マスタの一例である。(c)店別売価マスタの一例である。
図10】広告データの一例を示す図である。
図11】生成された広告データを出力する際の流れを説明するフローチャートである。
図12】企画選択画面1100の画面例を示す図である。
図13】(a)広告データが反映される前の店舗広告作成画面1200の画面例を示す図である。(b)広告データが反映された後の店舗広告作成画面1200の画面例を示す図である。
図14】第2の実施形態における、企画指示データと発注マスタ、及び在庫マスタ(在庫情報)を連係させ、広告データを生成する処理の流れを説明するフローチャートである。
図15】在庫マスタ1500の一例である。
図16】警告画面1600の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0013】
図1は、本実施形態における情報処理システム(広告作成システム)のシステム構成を示す図である。
【0014】
図1に示すように本願発明は、サーバ装置101と、例えばスーパーマーケットの本部等に設置される情報処理装置102-1や、支店である各店舗に設置される情報処理装置102-2、各店舗で使用可能な印刷装置103とがある。それらがLAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)等のネットワーク105を介して相互にデータ通信可能に接続されている。
【0015】
図1のネットワーク105上に接続される各種端末あるいはサーバの構成は一例であり、用途や目的に応じて様々な構成例があることは言うまでもない。
【0016】
サーバ装置101は、『バレンタインセール』といった期間限定の企画や当該企画に対応する商品情報やPOPレイアウトといった各種データベースの管理を行うことができる。このような各種データベースは、本部の担当者が作成することもできるし、各店舗の従業員も作成することができるように設けられている。このようなサーバ装置101上で企画を管理しておくことで、各店舗の情報処理装置102-2からのアクセスに応じて共通の企画、共通の商品情報、共通のPOPレイアウトを利用してPOP広告を作成することができる。尚、サーバ装置101を設けることなく、各店舗の情報処理装置102-2で、企画、商品情報、POPレイアウト等を管理することも可能である。
【0017】
情報処理装置102-1(クライアント端末)は、スーパーマーケット等を統括する本部の企画作成者が、POP広告(商品広告)の企画の原稿や企画を指示するデータを作成し、サーバ装置101に送信することができる端末である。これは店舗を統括する本部に設けられている端末である。
【0018】
情報処理装置102-2は、スーパーマーケット等の店舗の従業員がPOP広告の作成指示(印刷指示)を行う際に用いることができる端末であり、店舗ごとに設けられている端末である。各店舗の従業員は、情報処理装置102-2からサーバ装置101にアクセスし、POP広告作成システムにログインすることでPOP広告を作成し印刷する仕組みを使用することができる。尚、情報処理装置102-1と、情報処理装置102-2は同様の機能を持ち、同じ動きを行うことが可能であるが、本実施形態では本部側にある情報処理装置を102-1、店舗側に設置されている情報処理装置を102-2として説明する。尚、102-1と102-2で共通する記載については、情報処理装置102として説明を行う。
【0019】
印刷装置103は、各店舗に設けられたPOP広告を印刷することができるプリンタであり、インクジェット式プリンタもしくはレーザープリンタのいずれでも良い。この印刷装置103は、各店舗からの印刷要求に応じて印刷する際だけでなく、本部からの印刷指示も受け付け印刷することができる。また、本部のみに印刷装置103を設置しておき各店舗からの印刷指示に応じて全店舗分のPOP広告を本部で印刷するように運用してもよい。
【0020】
図2は、サーバ装置101と情報処理装置102のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0021】
CPU201は、システムバス204に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。
【0022】
また、ROM202あるいは外部メモリ211(記憶手段)には、CPU201の制御プログラムであるBIOS(Basic Input / OutputSystem)やオペレーティングシステムプログラム(以下、OS)が存在する。また、情報処理装置102とサーバ装置101の実行する機能を実現するために必要な後述する各種プログラム等が記憶されている。RAM203は、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。
【0023】
CPU201は、処理の実行に際して必要なプログラム等をRAM203にロードして、プログラムを実行することで各種動作を実現するものである。
【0024】
また、入力コントローラ(入力C)205は、キーボードや不図示のマウス等のポインティングデバイスやタッチパネル等の入力デバイス209からの入力を制御する。
【0025】
ビデオコントローラ(VC)206は、ディスプレイ210等の表示器への表示を制御する。表示器の種類はCRTや、液晶ディスプレイを想定するが、これに限らない。
【0026】
メモリコントローラ(MC)207は、ブートプログラム、ブラウザソフトウエア、各種のアプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル等の外部メモリ211へのアクセスを制御する。さらに編集ファイル、各種データ等を記憶するハードディスク(HD)やフレキシブルディスク(FD)、或いはPCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるカード型メモリ等の外部メモリ211へのアクセスを制御する。
【0027】
通信I/Fコントローラ(通信I/FC)208は、ネットワークを介して、外部機器と接続・通信するものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IPを用いたインターネット通信等が可能である。
【0028】
尚、CPU201は、例えばRAM203内の表示情報用領域へアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、ディスプレイ210上での表示を可能としている。また、CPU201は、ディスプレイ210上の不図示のマウスカーソル等でのユーザ指示を可能とする。
【0029】
本発明のサーバ装置101と情報処理装置102が後述する各種処理を実行するために用いられる各種プログラム等は外部メモリ211に記録されており、必要に応じてRAM203にロードされることによりCPU201によって実行されるものである。
【0030】
さらに、本発明に係わるプログラムが用いる定義ファイルや各種情報テーブルは外部メモリ211に格納されている。
【0031】
次に、サーバ装置101、情報処理装置102の機能構成の一例について図3を用いて説明する。尚、図3のサーバ装置101、情報処理装置102の機能構成は一例であり、用途や目的に応じて様々な構成例がある。
【0032】
サーバ装置101は機能部として、記憶部301と、展開制御部302と、通信制御部303と、表示制御部304と、日付管理部305とを備える。
【0033】
記憶部301は、後述する各種テーブルやマスタの情報や、各種画面を構成する情報を記憶するための機能部である。必要に応じて、情報の追加・更新・削除を行う(記憶手段)。
【0034】
展開制御部302は、サーバ装置101の記憶部301に記憶されている各種データテーブルと、情報処理装置102や、外部の記憶装置から受信した各種情報を連係させるための機能部である。本実施形態では企画指示データと、発注マスタや在庫マスタ等の店舗から受け付けた商品データとを連係して広告データを作成することを企画指示データの展開処理として説明する。展開制御部302はこの展開処理を行うための機能部である。企画指示データと発注マスタ、及び在庫マスタについては後述する。
【0035】
通信制御部303は、サーバ装置101と情報処理装置102-1、102-2との通信を制御するための機能部である。通信制御部303は、サーバ装置101と情報処理装置102との情報の送受信を制御する。
【0036】
表示制御部304は、サーバ装置101と通信可能に接続されたディスプレイ210の表示を制御するための表示を制御するための機能部である。表示制御部304から画面等の表示指示がなされると、ビデオコントローラ206を介してディスプレイ210に表示指示が送信される。そして、ディスプレイ210はこの指示を受信すると、指示に従って画面等を表示する(表示制御手段)。
【0037】
日付管理部305は、展開制御部302で制御を行う各種データテーブルの展開を行う日を管理する機能部である。日付管理部305は、後述する予約テーブル700で管理されたデータの展開の予約日と、現在の日付との関係を判定し、予約日が現在の日付と同一である、もしくは現在の日付が予約日以降の日付であると判定した場合は、展開制御部302に展開指示が送信される。
【0038】
情報処理装置102は機能部として、記憶部306と、通信制御部307と、表示制御部308とを備える。
【0039】
記憶部306は、後述する各種画面を構成する情報を記憶するための機能部である。必要に応じて、情報の追加・更新・削除を行う。また、記憶部306は、後述する通信制御部307で受信した情報を記憶する機能も有する。
【0040】
通信制御部307は、サーバ装置101と情報処理装置102-1、102-2との通信を制御するための機能部である。通信制御部303は、サーバ装置101と情報処理装置102との情報の送受信を制御する。
【0041】
表示制御部308は、情報処理装置102のディスプレイ210の表示を制御するための表示を制御するための機能部である。表示制御部304から画面等の表示指示がなされると、ビデオコントローラ206を介してディスプレイ210に表示指示が送信される。そして、ディスプレイ210はこの指示を受信すると、指示に従って画面等を表示する。
【0042】
次に、本部で作成した広告の企画の公開を受け付ける流れを、図4のフローチャートを用いて説明する。尚、ここで言う「公開」とは、広告データを出力可能な状態にすることを意味する。広告データを店舗の情報処理装置102-2で出力可能な状態とするには、後述する展開処理を行うことが必要であり、本実施形態においては、展開処理の前には広告データを出力できない。
【0043】
まず、ステップS401では、情報処理装置102-1のCPU201は、企画の公開要求指示を受け付ける。本実施形態では、最初に情報処理装置102-1にインストールされた広告作成システムを起動する。広告作成システムを起動すると不図示のメニュー画面が表示制御部308の機能により情報処理装置102-1に表示され、そのメニュー画面の1つに不図示の広告作成を開始するボタンが表示される。広告作成を開始するボタンが押下されると、図5の公開処理選択画面500が表示される。公開処理選択画面500のボタンをユーザが押下することにより、情報処理装置102-1のCPU201は、企画の公開要求指示を受け付ける。ここで言う企画とは、期間限定で行う商品の特売セールイベント等の販売企画を示す、広告を生成するための商品情報を含む広告生成データのことを差す(以下、企画指示データ)。
【0044】
図5の公開処理選択画面500は、情報処理装置102-1に表示され、企画指示データの公開方法を受け付ける画面を示す図である。公開処理選択画面500は、予約公開ボタン501と、即時公開ボタン502とを備える。予約公開ボタン501は、押下されたと判定すると企画指示データを公開する日付の予約を受け付ける。即時公開ボタン502は、ボタンが押下されたと判定すると、ボタンが押下されたタイミングで企画指示データの公開及び展開処理を行う。展開処理については後述する。
【0045】
ステップS402では、情報処理装置102-1のCPU201は、ステップS401で受け付けた公開要求指示が、即時公開(広告データの即時生成)か否かを判定する。即時公開ボタン502が押下され、即時公開指示を受け付けたと判定した場合は、ステップS403に処理を進める。即時公開ボタン502が押下されず、即時公開指示を受け付けたと判定しなかった場合は、ステップS404に処理を進める(受付手段)。
【0046】
ステップS403では、情報処理装置102-1のCPU201は、通信制御部303の機能により、サーバ装置101に企画指示データの展開指示を送信する。ステップS403の処理が終了すると図8のステップS804に処理を進める。ステップS804については後述する。
【0047】
ステップS404では、情報処理装置102-1のCPU201は、予約公開ボタン501が押下されたか否かを判定する。予約公開ボタン501が押下され、予約公開の指示を受け付けたと判定した場合にはステップS405に処理を進める。予約公開ボタン501が押下されず、予約公開の指示を受け付けたと判定されなかった場合にはステップS402に処理を戻す。尚、本実施形態では公開処理の選択肢に即時公開と予約公開の二つを記載しているが、予約取り消しの処理を用意し、既に行った企画指示データの公開予約を取り消すボタン等、即時公開と予約公開以外にもボタンを備えても良い。
【0048】
ステップS405では、情報処理装置102-1のCPU201は、企画指示データを公開する予約日の入力を受け付ける。具体的には、ステップS404で予約公開ボタン501が押下されたと判定されると、図6の予約日入力画面600が表示制御部308の機能により表示される。予約日入力画面600に予約日が入力され、予約日入力画面600の実行ボタン604が押下されると、サーバ装置101にある予約テーブル700に、公開する企画指示データとその予約情報が書き込まれる。予約日入力画面600と予約テーブル700については後述する(処理予約受付手段)。
【0049】
図6の予約日入力画面600は、公開する企画指示データの予約日の入力を受けつける画面の例を示す図である。予約日入力画面600は予約年入力欄601と、予約月入力欄602と、予約日入力欄603と、実行ボタン604とを備える。予約欄に年月日を入力した後に実行ボタン604が押下されると、受け付けた予約日情報をサーバ装置101に送信する。
【0050】
図7の予約テーブル700は、公開の予約を行った企画指示データのファイルを管理するためのテーブルである。予約テーブル700は、予約ID701と、ファイル名702と、公開予約日703とを備える。予約ID701は公開の予約を行った企画指示データのファイルごとに割り振られる一意な識別情報を示す。ファイル名702は、公開の予約が設定された企画指示データのファイル名を示す。公開予約日703は、予約日入力画面600で入力を受け付けた予約日を示す。
【0051】
ステップS406では、情報処理装置102-1のCPU201は、ステップS404で受け付けた、企画指示データの予約公開の指示と、ステップS405で入力を受け付けた予約日とを、通信制御部307の機能によりサーバ装置101に送信する。ステップS405処理を終了すると、図8のステップS801に処理を進める。ステップS801については後述する。
【0052】
次に、企画指示データと発注マスタを連係させ、広告データを生成する第1の実施形態の処理の流れについて、図8に示すフローチャートを用いて説明する。ここでは、企画指示データと発注マスタとを連係させ、広告データに必要な情報を取得し、広告データを生成可能にする処理を「展開」とし、企画指示データの展開処理として説明する。尚、図8のフローチャートは、図4のフローチャートの続きである。
【0053】
ステップS801では、サーバ装置101のCPU201は、通信制御部303の機能により、情報処理装置102-1から送信された公開予約指示と予約日の情報を受け付ける。
【0054】
ステップS802では、サーバ装置101のCPU201は、ステップS802で情報処理装置102-1からの予約指示を受け付け、予約日と予約が指定されたファイルを予約テーブル700に書き込む。書き込んだファイルに予約IDを割り振って予約ID701に書き込む。
【0055】
ステップS803では、サーバ装置101のCPU201は、日付管理部305の機能により、現在の日付が予約テーブルに書き込まれた予約日の日付か、もしくは現在の日付が予約日以降の日付か否かを判定する。現在の日付が予約日の日付、もしくは現在の日付が予約日以降の日付である、つまり、公開の予約を設定した日に達したか、予約日を過ぎたと判定した場合にはステップS804に処理を進める。現在の日付が予約テーブルに書き込まれた日付、もしくは予約日以降の日付ではない、つまり、まだ公開の予約を設定した日付に達していない、予約日を過ぎていないと判定した場合には、設定した予約日に達するまでステップS803の処理を繰り返す。ここで予約日に達するか、もしくは予約日を過ぎるまでサーバ装置101のCPU201は広告データの展開処理を開始しない。予約日に達するまで展開処理を行わないため、予約日の前には広告データの生成が行われず、情報処理装置102への広告データの送信も行われない。
【0056】
ステップS804では、サーバ装置101のCPU201は、サーバ装置101で記憶部301の機能により管理されている企画指示データを参照する。なお、公開の予約を受け付けずステップS402で即時公開の指示を受け付ける場合もある。その場合は、情報処理装置102-1から送信された企画指示データの公開、及び展開指示により、サーバ装置101のCPU201は、情報処理装置102-1から送信された企画指示データを参照する。企画指示データを参照し、その企画指示データの情報に基づいて展開制御部302の機能により、展開処理を行う。
【0057】
図9(a)の企画指示データは期間限定の特売セールイベント等の企画情報を含む、広告作成のための情報を管理するデータテーブルを示す。図9(a)の企画指示データは、企画番号901と、企画名902と、開始日903と、終了日904と、レイアウト905と、用紙906と、枚数907と、商品コード908と、商品名909と、メーカー名910と、セールスコピー911とを備える。企画番号901は、企画ごとに割り振られる一意の識別番号を示す。企画名902は、企画ごとの名称を示す。開始日903は企画が開始される日付を示す。終了日904は企画が終了する日付を示す。レイアウト905は出力される広告に表示されるレイアウト情報を示す。用紙906は広告を印刷する際の用紙サイズを示す。枚数907は広告を印刷する際の枚数を示す。商品コード908は商品毎に割り振られる一意の識別情報を示す。商品名909は商品の名称を示す。メーカー名910は商品のメーカー情報を示す。セールスコピー911は、広告を印刷する際に付されるセールスコピーを示す。尚、本実施形態ではPOP広告を印刷する場合を想定して説明を行うが、電子POPのように広告データを画面に表示させても良い。また、本実施形態における図9(a)の企画指示データの項目は一例であり、これ以外に情報を含んでいても良い。
【0058】
ステップS805では、サーバ装置101のCPU201は、参照中の企画指示データから企画番号と商品コードを取得する。より具体的には、図9(a)の企画指示データのレコードを上から順に参照し、企画番号を企画番号901から取得し、取得した企画番号に対応する商品コード908を取得する。
【0059】
ステップS806では、サーバ装置101のCPU201は、図9(b)の発注マスタから、ステップS805で取得した企画番号と商品コードとを、企画番号912と商品コード914とに保持するレコードを検索する。
【0060】
図9(b)の発注マスタは、店舗から受け付ける商品データのうちの一つであり、発注された商品の発注情報を管理するためのマスタを示す。図9(b)の発注マスタは、企画番号912と、店舗コード913と、商品コード914と、発注日915と、発注数量916とを備える。企画番号912は企画番号901と同じく企画ごとに割り振られる一意の識別番号を示す。店舗コード913は、店舗ごとに割り振られる一意の識別情報を示す。商品コード914は、商品コード908と同じく商品毎に割り振られる一意の識別情報を示す。発注日915は商品を店舗の従業員が発注した日付を示す。発注数量916は1種の商品を発注した数量を示す。図9(b)の発注マスタを取得する方法は、まず店舗が発注したデータを外部記憶装置や店舗の情報処理装置102-2に記憶しておく。そしてあらかじめ決められた所定のタイミングに、サーバ装置101のCPU201が発注データの取得要求を行い、定期的に発注データを取得してもよい。また、店舗から発注データが送られてきた際にその都度発注データを受け付けてもよい。
【0061】
ステップS807では、サーバ装置101のCPU201は、ステップS806で発注マスタから企画番号と商品コードとを保持するレコードを検索し、企画番号と商品コードに対応するレコードがあるか否かを判定する。企画番号と商品コードに対応するレコードが発注マスタにあると判定した場合にはステップS808に処理を進める。企画番号と商品コードに対応するレコードが発注マスタにあると判定しなかった場合にはステップS814に処理を進める。
【0062】
ステップS808では、サーバ装置101のCPU201は、ステップS807で見つけたレコードから、店舗コードを取得する。具体的には、ステップS805で取得した企画番号と商品コード、及び店舗コードを記憶部301の機能により、外部メモリ211に記憶する。
【0063】
ステップS809では、サーバ装置101のCPU201は、ステップS805で取得した企画番号と商品コードに対応づく商品情報を企画指示データから取得する。商品情報とは、企画指示データに含まれる企画名902、開始日903、終了日904、レイアウト905、用紙906、枚数907、商品名909、メーカー名910、セールスコピー911を指す。企画指示データに含まれ、企画番号と商品コードに対応づくこれらの商品情報を記憶部301の機能により、外部メモリ211に記憶する。
【0064】
ステップS810では、サーバ装置101のCPU201は、ステップS805で取得した企画番号及び商品コードと、ステップS808で取得した店舗コードとに対応づく店別特売売価920を図9(c)の店別売価マスタから取得する。取得した店別売価は記憶部301の機能により、外部メモリ211に記憶する。
【0065】
図9(c)の店別売価マスタは、店舗ごとの商品の特別売価を示すマスタである。図9(c)の店別売価マスタは企画番号917と、店舗コード918と、商品コード919と、店別特売売価920とを備える。企画番号917は、企画番号901、企画番号912と同じく企画ごとに割り振られる一意の識別番号を示す。店舗コード918は店舗コード913と同じく店舗ごとに割り振られる一意の識別情報を示す。商品コード919は、商品コード914、商品コード908と同じく商品毎に割り振られる一意の識別情報を示す。店別特売売価920は、期間限定の特売セールイベント等で適用される店舗別の商品の特売売価を示す。同じ特売セールの企画で同じ商品であっても、店舗ごとに設定される価格が異なる場合があるためその情報が店別特売売価920で管理される。
【0066】
ステップS811ではサーバ装置101のCPU201は、取得したデータを結合させることで広告データを生成する。具体的には、サーバ装置101のCPU201は、広告データのデータテーブルである広告データ1000を生成し生成した広告データ1000にレコードを作成して、ステップS805からステップS810までの処理で取得した情報を当該レコードに書き込む。広告データ1000が過去に生成済みであり、存在していれば新たにデータテーブルは作成せず、レコードに各種取得した情報を書き込む(生成手段)。
【0067】
図10の広告データ1000は、特売セールイベント等の企画に含まれる商品で、店舗が発注した商品分の広告を出力するための広告データを示す。広告データ1000は店舗コード1001と、企画番号1002と、企画名1003と、開始日1004と、終了日1005と、レイアウト1006。そして用紙1007と、枚数1008と、商品コード1009と、商品名1010と、メーカーブランド名1011と、店別特売売価1012と、セールスコピー1013とを備える。店舗コードは、図9の店舗コード913と店舗コード918と同様であり、店舗ごとに割り振られる一意の識別情報を示す。企画番号1002は企画番号912と企画番号901と同じく企画ごとに割り振られる一意の識別番号を示す。企画名1003は、企画名902と同じく企画ごとの名称を示す。開始日1004は、開始日903と同じく、企画が開始される日付を示す。終了日1005は、終了日904と同じく企画が終了する日付を示す。レイアウト1006は、レイアウト905と同じく出力される広告に表示されるレイアウト情報を示す。用紙1007は、用紙906と同じく広告を印刷する際の用紙サイズを示す。枚数1008は枚数907と同じく広告を印刷する際の枚数を示す。商品コード1009は、商品コード908と同じく、商品ごとの割り振られる一意の識別情報を示す。商品名1010は商品名909と同じく商品の名称を示す。メーカーブランド名1011はメーカー名910と同じく商品のメーカー情報を示す。店別特売売価1012は、店別特売売価920と同じく期間限定の特売セールイベント等で適用される店舗別の商品の特売売価を示す。セールスコピー1013は、セールスコピー911と同じく広告を印刷する際に付されるセールスコピーを示す。以上のように、広告データ1000は図9(a)の企画指示データ、図9(b)の発注マスタ、及び図9(c)の店別売価マスタから取得した情報を対応づけて広告データ1000に書き込む。
【0068】
ステップS812では、サーバ装置101のCPU201は、次の店舗からの発注があるか否かを判定する。具体的には、ステップS806で発注マスタから企画番号と商品コードとを保持するレコードを検索し、特定し、企画番号と商品コードに対応した発注マスタのレコードの中で、現在参照中の店舗コードと異なる店舗コードがあるか否かを判定する。店舗コードがあると判定した場合には、サーバ装置101のCPU201は、ステップS808に処理を戻し、ステップS808からステップS812までの処理を店舗コードがあるだけ繰り返し実行する。店舗コードがあると判定しなかった場合には、ステップS813に処理を進める。
【0069】
ステップS813では、サーバ装置101のCPU201は、現在参照中の企画指示データから企画番号に対応づく商品の商品情報を全て取得したか否かを判定する。企画番号に対応づく商品の商品情報を全商品取得したと判定した場合はステップS814に処理を進める。企画番号に対応づく商品情報を全て取得していないと判定した場合にはステップS805に処理を戻す。
【0070】
ステップS814では、サーバ装置101のCPU201は、次の企画指示データがあるか否かを判定する。具体的には情報処理装置102-1からの展開処理の指示を受け付けている企画指示データがあるか否か、または予約テーブルに記録されているファイルで、予約日に達し、展開処理をすべきものがあるか否かを判定する。展開処理を行う対象の企画指示データがあると判定した場合にはステップS804へと処理を戻し、次の企画指示データを参照する。サーバ装置101のCPU201は、処理をすべき企画指示データがなくなるまで、ステップS804からステップS814までの処理を繰り返す。展開処理を行う対象の企画指示データがあると判定されなかった場合には、展開の処理を終了する。尚、本実施形態では企画指示データと発注マスタを連係させ広告データを生成したが、企画データと連係させるデータは発注マスタに限らない。店舗が広告を作成するのに必要なデータであれば、店舗の商品の在庫を示す在庫マスタ(在庫データ)など、店舗の商品に関する他のマスタやデータ(商品データ)を用いて広告データを生成してもよい。また、発注マスタと在庫マスタの両方を用いて広告データを生成してもよい。
【0071】
次に、生成された広告データを店舗側に設置された情報処理装置102-2等で出力する際の流れを、図11のフローチャートを用いて説明する。尚、本実施形態におけるフローチャートでは、情報処理装置102-2とサーバ装置101との処理を一括して説明を行うが、情報処理装置102-2とサーバ装置101はそれぞれ独立して処理が行われている。
【0072】
まず、ステップS1101では、情報処理装置102-2のCPU201は、企画選択画面1200で出力対象の企画を企画ごとに識別可能に表示し、出力対象の企画の選択を受け付ける。ここで言う出力対象の企画とは、広告データのことを指す。店舗側に設置された情報処理装置102-2は、通信制御部307の機能によりサーバ装置101から広告データを取得し、その情報をもとに企画選択画面を生成し、表示制御部308の機能により表示する。企画選択画面は、店舗側の情報処理装置102-2で広告作成システムへのログインを受け付けると表示される(表示制御手段)。
【0073】
図12の企画選択画面1200は、店舗の発注マスタをもとに生成された広告データを選択して出力できるように、情報処理装置102-2の画面に表示させた画面の一例を示す図である。企画選択画面1200は、企画名欄1201と、企画内検索ボタン1202と、企画印刷ボタン1203と、公開期間1204と、キーワード入力欄1205と、検索ボタン1206とを備える。企画名欄1201は広告データそれぞれの企画名を表示させる欄である。企画内検索ボタン1202は、広告データの中から、特定の商品の広告データを検索する際のボタンである。企画印刷ボタン1203は、広告データを印刷する際のボタンである。公開期間1204は、特売セール等の企画販売を行う期間を示す欄であり、広告データの出力が可能な期間である。キーワード入力欄は、特定の広告データを検索する際に、広告データの企画名や商品名などを入力する欄である。検索ボタン1206は、キーワード入力欄に入力したワードを用いて広告データを検索する処理の実行を行うためのボタンである。この企画選択画面の表示により、店舗では容易に広告データや広告データの中の商品情報を選択し、印刷し、編集することが可能となる。
【0074】
ステップS1102では、情報処理装置102のCPU201は、ステップS1101で選択を受け付けた企画の広告データの出力要求を、通信制御部307の機能によりサーバ装置101に送信する。より具体的には、企画選択画面1200の企画印刷ボタン1203の押下により指示される、広告データの出力指示をサーバ装置101に送信する。
【0075】
ステップS1103では、サーバ装置101のCPU201は、通信制御部303の機能により情報処理装置102-2からの広告データの出力要求を受信する。
【0076】
ステップS1104では、サーバ装置101のCPU201は、広告データの出力要求を受信した店舗の店舗コードを取得する。具体的には、広告データの出力要求を受信した店舗の広告作成システムへのログイン情報から、ログインIDを取得する。本実施形態では、店舗が広告作成システムにログインする際のログインIDは、店舗の店舗コードと同じものとする。ログインID情報を読み込むことで店舗コードを取得する。尚、店舗コードは必ずしも店舗のログイン情報から読み込むとは限らない。広告データに店舗情報が対応づいていても良いし、広告データの出力要求と共に店舗情報を情報処理装置102-2からサーバ装置101に送信しても良い。店舗コードの取得の仕方はログイン情報以外であってもよい。
【0077】
ステップS1105では、サーバ装置101のCPU201は、広告データからステップS1104で取得した店舗コードをもとに検索し、取得した店舗コードに対応づいた広告データを抽出する。
【0078】
ステップS1106では、サーバ装置101のCPU201は、ステップS1106で抽出した広告データと、サーバ装置101に記憶されているPOPデザインファイルを、通信制御部303の機能により情報処理装置102-2に送信する。具体的には、サーバ装置101にあらかじめPOP広告のテンプレートであるPOP広告デザインファイルが記憶部301の機能により外部メモリ211に記憶されている。そのPOP広告デザインファイルと店舗コードにより抽出した店舗分の広告データとを、サーバ装置101が情報処理装置102-2に送信する。尚、POP広告のデザインファイルはサーバ装置101ではなく、情報処理装置102-1に記憶されていてもよく、サーバ装置101は広告データのみを情報処理装置102-2に送信してもよい(送信手段)。
【0079】
ステップS1107では、情報処理装置102-2のCPU201は、サーバ装置101から、店舗コードにより抽出した店舗分の広告データとPOP広告デザインファイルを通信制御部307の機能により受信する。
【0080】
ステップS1108では、情報処理装置102-2のCPU201は、受信した広告データとPOPデザインファイルより、POPの印刷データを生成する。具体的には、サーバ装置101から受信したPOPデザインファイルに、広告データを結合させ、広告データを反映したPOP広告レイアウト1303を含む印刷データを生成する。
【0081】
ステップS1109では、情報処理装置102-2のCPU201は、ステップS1109で生成したPOP広告の印刷データを出力する。尚、本実施形態ではPOP広告を印刷装置で印刷させるが、電子広告などで生成したデータを画面に表示させてもよい。
【0082】
ステップS1110では、情報処理装置102-2のCPU201は、次の広告データがあるか否かを判定する。具体的には、サーバ装置101から取得した広告データに出力した広告データとは異なる企画番号を含む広告データがあるか否かを判定する。次の広告データがあると判定した場合には、ステップS1108に処理を戻し、取得した広告データを出力し終わるまでステップS1108からステップS1110の処理を繰り返す。次の広告データがあると判定しなかった場合は、一連の処理を終了する。
【0083】
図13(a)の店舗広告作成画面1300は、商品のPOP広告の編集画面を示す図である。店舗広告作成画面1300は、編集画面1301と、広告データ入力欄1302と、POP広告レイアウト1303とを備える。編集画面1301は、広告作成と編集を受け付ける画面全体を示す。広告データ入力欄1302は、広告データの入力を受け付ける欄を示す。本実施形態では、広告データ入力欄には受信した広告データが自動で反映されるが、広告データを直接手動で入力してもよい。POP広告レイアウト1303は、広告データ入力欄に入力されたデータを反映した、実際に広告が印刷されたときのデザインが表示される画面を示す。図13(a)の店舗広告作成画面1300は、広告データが入力される前のテンプレートの状態の画面を示し、図13(b)の店舗広告作成画面1300は、広告データが入力され、テンプレートにデータが反映された状態の画面を示す。
【0084】
図11のフローチャートでは、サーバ装置101から、広告のテンプレートであるPOP広告デザインファイルと、店舗コードより抽出した広告データとを受信する。そして情報処理装置102-2でPOP広告デザインファイルと広告データにより印刷データを生成したが、サーバ装置側で印刷データを生成し、生成した印刷データを情報処理装置102-2に送っても良い。
【0085】
以上で、第1の実施形態についての説明を終了する。
【0086】
次に、第2の実施形態について説明する。第1の実施形態は、サーバ装置101のCPU201が、受け付けた予約日になると企画データと発注マスタを連係させ、店舗が発注した分の企画対象商品の広告データを生成する処理について説明した。第2の実施形態は、企画指示データと発注マスタに加えて在庫マスタを連係させ、企画対象の商品であるが店舗に在庫があるため発注しなかった商品が存在する場合に警告表示を行う処理について図14を用いて説明する。図14の一連の処理は図8の展開処理と同時にサーバ装置101によって実行されてもよいし、展開処理とは別に定期的に実行されてもよい。
【0087】
図14のステップS1401では、サーバ装置101のCPU201は、記憶部301の機能により管理されている企画指示データと発注マスタを参照する。
【0088】
ステップS1402では、サーバ装置101のCPU201は、ステップS1401で参照した企画指示データの商品コード中から、同じくステップS1401で参照した発注マスタに含まれていない商品コードを特定する。つまり、企画指示データに含まれる企画対象の商品であって、店舗から発注されていない商品の商品コードを特定する。
【0089】
ステップS1403では、サーバ装置101のCPU201は、記憶部301の機能により記憶されている在庫マスタを参照する。
【0090】
図15は、店舗の商品の在庫を示す在庫マスタの一例を示す。在庫マスタ1500は、店舗コード1501、商品コード1502、在庫確認日1503、在庫数1504、廃棄日1505を含む。店舗コード1501は、店舗ごとに割り振られる一意の識別情報を示す。商品コード1502は、商品毎に割り振られる一意の識別情報を示す。在庫確認日1503は、商品の在庫数量などの状況を確認し、データとして登録された日時を示す。在庫数1504は、それぞれの商品コードに対応する商品の在庫の数量を示す。廃棄日1505は、商品を廃棄すべき日付を示す。在庫マスタ1500を取得する方法は、発注マスタと同じく店舗で取得し確認したデータをまず外部記憶装置や店舗の情報処理装置102-2に記憶しておく。そしてあらかじめ決められた所定のタイミングに、サーバ装置101のCPU201が在庫マスタの取得要求を行い、定期的に在庫マスタを取得してもよい。また、店舗から在庫マスタが送られてきた際にその都度在庫マスタを受け付けてもよい。
【0091】
ステップS1404では、サーバ装置101のCPU201は、ステップS1402で特定した商品コードが、在庫マスタに含まれているか否かを判定する。つまり、企画対象の商品であって店舗から発注されていない商品が、店舗の在庫マスタに含まれているか否かを判定する。ステップS1402で特定した商品コードが在庫マスタに含まれていると判定した場合はサーバ装置101のCPU201は、ステップS1405に処理を進める。ステップS1402で特定した商品コードが在庫マスタに含まれていると判定しなかった場合は、サーバ装置101のCPU201は、第2の実施形態における一連の処理を終了する。ステップS1402で特定した商品コードが在庫マスタに含まれていない場合とは、該当する商品が店舗では扱われていないか、もしくは企画対象の商品をすべて発注済みであった場合が該当する。
【0092】
ステップS1405では、サーバ装置101のCPU201は、ステップS1404で、企画対象の商品であって店舗から発注されていない商品が店舗の在庫マスタに含まれていると判定した場合に該当する商品コードを取得する。
【0093】
ステップS1406では、サーバ装置101のCPU201は、ステップS1404で該当する商品コードがあると判定した場合には、企画対象の商品の中に発注されていない商品があるため広告データが生成されない旨を警告する通知を行う。このときサーバ装置101のCPU201は、ステップS1405で取得した商品コードを警告画面上に表示させてもよい。
【0094】
図16は警告画面1600の一例を示す図である。警告画面1600は、「はい」ボタン1601と「いいえ」ボタン1602を備え、企画対象となっている未発注の商品の広告データを生成するか否かの選択を受付可能とする。尚、警告画面1600は、広告データを生成するか否かの選択を受け付けず、発注していない商品の広告データは生成されない旨のメッセージだけ通知してもよい。この警告画面を表示、または通知することにより店舗で発注した分だけの広告データを生成し、さらに在庫があるため発注は行わなかったが広告を作成する必要のある商品の広告データを生成することが可能となる。
【0095】
ステップS1407では、サーバ装置101のCPU201は、広告データの生成指示を受け付けたか否かを判定する。より具体的には、図16の警告画面1600で「はい」ボタン1601の押下を受け付けたか否かを判定する。広告データの生成指示を受け付けたと判定した場合にはステップS1408に処理を進める。広告データの生成指示を受け付けたと判定しなかった場合は、サーバ装置101のCPU201は、第2の実施形態の一連の処理を終了する。
【0096】
ステップS1408では、サーバ装置101のCPU201は、在庫マスタから店舗コードを取得し、外部メモリ211に記憶する。
【0097】
ステップS1409からステップS1411は、図8のステップS809からS811と同様の処理であるため説明を省略する。
【0098】
ステップS1412では、サーバ装置101のCPU201は、現在参照中の企画指示データから企画番号に対応づいた商品の商品情報をすべて取得したか否かを判定する。企画番号に対応づく商品の商品情報を全商品取得したと判定した場合はステップS1413に処理を進める。企画番号に対応づく商品の商品情報を全商品取得したと判定しなかった場合はステップS1409に処理を戻し、サーバ装置101のCPU201は、全商品の広告データを生成するまでステップS1409からステップS1412の処理を繰り返す。
【0099】
ステップS1413では、サーバ装置101のCPU201は、次の企画指示データがあるか否かを判定する。具体的には、情報処理装置102-1からの展開処理の指示を受け付けている企画指示データがあるか否か、または予約テーブルに記録されているファイルで、予約日に達し、展開処理をすべきものがあるか否かを判定する。サーバ装置101のCPU201は、次の企画指示データがあると判定した場合はステップS1401に処理を戻し、企画指示データの数分ステップS1401からステップS1413の処理を繰り返す。次の企画指示データがあると判定しなかった場合は図14の一連の処理を終了する。
【0100】
本実施形態により、在庫があることでユーザが商品を発注しなかったために第1の実施形態において広告データが作られなかった商品についても、ユーザの手間を軽減しつつ店舗ごとに必要な広告データを生成することが可能となる。以上で、第2の実施形態の説明を終了する。
【0101】
このように、実施形態では、イベント企画対象の商品のうち、店舗が必要な商品のPOP広告を容易に作成可能な効果を奏する。
【0102】
本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラム若しくは記憶媒体等としての実施形態も可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用してもよいし、また、1つの機器からなる装置に適用してもよい。
【0103】
尚、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムを、システム或いは装置に直接、或いは遠隔から供給するものを含む。そして、そのシステム或いは装置の情報処理装置が前記供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合も本発明に含まれる。
【0104】
したがって、本発明の機能処理を情報処理装置で実現するために、情報処理装置にインストール(搭載可能な)されるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
【0105】
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリンタによって実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等の形態であってもよい。
【0106】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD-ROM、CD-R、CD-RWなどがある。また、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD-ROM,DVD-R)などもある。
【0107】
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続する。そして、前記ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、若しくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。
【0108】
また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理を情報処理装置で実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明に含まれるものである。
【0109】
また、本発明のプログラムを暗号化してCD-ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせる。そして、ダウンロードした鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行して情報処理装置にインストールさせて実現することも可能である。
【0110】
また、情報処理装置が、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される。その他、そのプログラムの指示に基づき、情報処理装置上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
【0111】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、情報処理装置に挿入された機能拡張ボードや情報処理装置に接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。その後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現される。
【0112】
なお、前述した実施形態は、本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。即ち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0113】
101 サーバ装置
102-1 情報処理装置
102-2 情報処理装置
103 印刷装置

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16