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特許7078927走向傾斜測定装置及び走向傾斜の測定方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-24
(45)【発行日】2022-06-01
(54)【発明の名称】走向傾斜測定装置及び走向傾斜の測定方法
(51)【国際特許分類】
   G01C 15/00 20060101AFI20220525BHJP
   G01C 9/00 20060101ALI20220525BHJP
   G01C 7/06 20060101ALI20220525BHJP
【FI】
G01C15/00 104A
G01C9/00 Z
G01C7/06
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018033581
(22)【出願日】2018-02-27
(65)【公開番号】P2019148505
(43)【公開日】2019-09-05
【審査請求日】2020-11-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000216025
【氏名又は名称】鉄建建設株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】394017446
【氏名又は名称】マック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121603
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 元昭
(74)【代理人】
【識別番号】100141656
【弁理士】
【氏名又は名称】大田 英司
(74)【代理人】
【識別番号】100067747
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 良昭
(72)【発明者】
【氏名】宇田 誠
(72)【発明者】
【氏名】舟橋 孝仁
(72)【発明者】
【氏名】小山 俊滉
(72)【発明者】
【氏名】宮原 宏史
【審査官】櫻井 仁
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-072704(JP,A)
【文献】特開2008-298433(JP,A)
【文献】特開2013-072705(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 1/00- 1/14
G01C 5/00-15/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トンネルの切羽において露出する地層面における測点までの距離と、基準方向に対する角度を測定する測定手段と、仮想面を構成可能な少なくとも三点の前記測点の三次元座標位置である測定結果に基づいて前記地層面と水平面との交線の方向である走向及び該走向と水平面とでなす角度である傾斜を算出する算出手段とを備えた走向傾斜測定装置であって、
前記測定手段は、
前記測点に対してレーザ光を照射するとともに、前記測点で反射した反射レーザ光を受光して、前記測点までの距離を測定するノンプリズム型トータルステーションであり、
前記ノンプリズム型トータルステーションにおける前記測点に対する測定方向と距離測定とを制御する制御部が備えられ、
少なくとも三点の前記測点うち最初に測定する前記測点を第1測点とし、
前記制御部は、前記第1測点から所定間隔を隔てた二点以上の前記測点の測定を制御し、
前記所定間隔を、クリノメータの寸法に基づく基準距離とした
走向傾斜測定装置。
【請求項2】
前記制御部は、四点以上の前記測点を測定し、
前記算出手段は、測定した四点以上の前記測点の測定結果から構成されるふたつ以上の仮想三角面に基づいて前記走向及び前記傾斜を算出する
請求項に記載の走向傾斜測定装置。
【請求項3】
前記算出手段は、
測定した四点以上の前記測点の測定結果から大きさ及び向きのうち少なくとも一方が異なるふたつ以上の仮想三角面に基づいて前記走向及び前記傾斜を算出する
請求項に記載の走向傾斜測定装置。
【請求項4】
トンネルの切羽において露出する地層面における測点までの距離と、基準方向に対する角度とを、仮想面を構成する少なくとも三点測定する測定工程と、
少なくとも三点の前記測点の測定結果に基づいて前記地層面と水平面との交線の方向である走向及び該走向と水平面とでなす角度である傾斜を算出する算出工程とを行う走向傾斜の測定方法であって
前記測定工程を、
前記測点に対してレーザ光を照射するとともに、前記測点で反射した反射レーザ光を受光して、前記測点までの距離を測定するノンプリズム型トータルステーションで行い、
前記ノンプリズム型トータルステーションにおける前記測点に対する測定方向と距離測定とを制御する制御部が備えられ、
少なくとも三点の前記測点うち最初に測定する前記測点を第1測点とし、
前記制御部は、前記第1測点から所定間隔を隔てた二点以上の前記測点の測定を制御し、
前記所定間隔を、クリノメータの寸法に基づく基準距離とする
走向傾斜の測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トンネル掘削工事における切羽で露出する地層面の走向と傾斜を測定する走向傾斜測定装置及び走向傾斜の測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、トンネル工事において、前方探査により切羽の先の岩盤・地質状況を推測することが非常に重要である。この前方探査技術には、ボーリング探査、TSP(発破反射波)探査、弾性波探査、電気探査、削岩機探査等があるものの、最も重要なのが、岩盤面や地層面の走向傾斜を日々の切羽観察調査で測定することである。
しかしながら、走向傾斜を測定するには、クリノメータという測定器具で切羽の地層面を直接測定する必要があり、急いで測定する必要があった。
【0003】
そこで、安全性を確保しつつ、切羽を観測するシステムが提案されている(特許文献1参照)。
特許文献1で提案されたシステムでは、切羽を撮像した撮像画像データから亀裂の位置座標を測定するものである。
【0004】
しかしながら、撮像画像データから亀裂の位置座標を測定するためには、コンピュータの処理負荷が高く、位置座標を算出するために時間がかかったり、撮像画像の写り具合によっては亀裂が検出できなかったりといった問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平11-62465号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで本発明では、トンネルの切羽で露出する地層面の走向と傾斜を安全かつ正確に測定する走向傾斜測定装置及び走向傾斜の測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、トンネルの切羽において露出する地層面における測点までの距離と、基準方向に対する角度を測定する測定手段と、仮想面を構成可能な少なくとも三点の前記測点の三次元座標位置である測定結果に基づいて前記地層面と水平面との交線の方向である走向及び該走向と水平面とでなす角度である傾斜を算出する算出手段とを備えた走向傾斜測定装置であって、前記測定手段は、前記測点に対してレーザ光を照射するとともに、前記測点で反射した反射レーザ光を受光して、前記測点までの距離を測定するノンプリズム型トータルステーションであり、前記ノンプリズム型トータルステーションにおける前記測点に対する測定方向と距離測定とを制御する制御部が備えられ、少なくとも三点の前記測点うち最初に測定する前記測点を第1測点とし、前記制御部は、前記第1測点から所定間隔を隔てた二点以上の前記測点の測定を制御し、前記所定間隔を、クリノメータの寸法に基づく基準距離としたことを特徴とする。
【0008】
また、この発明は、トンネルの切羽において露出する地層面における測点までの距離と、基準方向に対する角度とを、仮想面を構成する少なくとも三点測定する測定工程と、少なくとも三点の前記測点の測定結果に基づいて前記地層面と水平面との交線の方向である走向及び該走向と水平面とでなす角度である傾斜を算出する算出工程とを行う走向傾斜の測定方法であって前記測定工程を、前記測点に対してレーザ光を照射するとともに、前記測点で反射した反射レーザ光を受光して、前記測点までの距離を測定するノンプリズム型トータルステーションで行い、前記ノンプリズム型トータルステーションにおける前記測点に対する測定方向と距離測定とを制御する制御部が備えられ、少なくとも三点の前記測点うち最初に測定する前記測点を第1測点とし、前記制御部は、前記第1測点から所定間隔を隔てた二点以上の前記測点の測定を制御し、前記所定間隔を、クリノメータの寸法に基づく基準距離とすることを特徴とする。
【0009】
上記測定手段は、トータルステーションや光波測距儀としてもよい。
上述の基準方向に対する角度、基準方向に対する水平方向及び垂直方向のうち少なくとも一方の回転角をいう。
【0010】
上記地層面は、露出する断層、亀裂面、あるいは岩塊の掘削面や不連続面などである。
上記走向傾斜測定装置は、装置単体で構成してもよいし、複数の装置で構成されたユニットで構成されてもよい。
【0011】
「上述の仮想面を構成可能な三点」は直線状に並んでいない三点であり、「仮想面を構成可能な少なくとも三点」は、直線状に並んでいない三点で仮想面が構成できれば、それ以上の測点は仮想面上の測点であってもよいし、仮想面上にはない測点であってもよい。
【0012】
上述の「前記ノンプリズム型トータルステーションにおける前記測点に対する測定方向と距離測定とを制御する」とは、前記測点を測定した際の基準方向に対する前記ノンプリズム型トータルステーションにおける水平方向及び垂直方向のうち少なくとも一方の回転角を制御するとともに、距離測定の実行を制御することをいう。
【0013】
この発明により、トンネルの切羽で露出する地層面の走向と傾斜を安全かつ正確に測定することができる。
詳述すると、測定手段によって、トンネルの切羽において露出する地層面における、仮想面を構成可能な三点の前記測点までの距離と、基準方向に対する角度を測定することができる。そして、算出手段によって、三次元座標位置である測定結果に基づいて前記地層面と水平面との交線の方向である走向及び該走向と水平面とでなす角度である傾斜を算出することができる。
これにより、切羽で露出する地層面をクリノメータによって直接測定する場合に比べ、地層面の走向と傾斜を安全かつ正確に測定することができる。
【0014】
また、前記測定手段は、前記測点に対してレーザ光を照射するとともに、前記測点で反射した反射レーザ光を受光して、前記測点までの距離を測定するノンプリズム型トータルステーションであり、前記ノンプリズム型トータルステーションにおける前記測点に対する測定方向と距離測定とを制御する制御部が備えられているため、より安全に地層面の走向と傾斜を測定することができる。
【0015】
詳述すると、ノンプリズム型トータルステーションを用いることにより、切羽の測点にプリズムをセットすることなく、測点の三次元座標を測定することができる。また、制御部が、前記ノンプリズム型トータルステーションにおける前記測点に対する測定方向と距離測定とを制御するため、一人での測点の測定を実行することができる。
また、複数の測点の測定を人為的に行う場合に比べて、正確性及び迅速性が高く、より安全に地層面の走向と傾斜を測定することができる。
【0016】
た、少なくとも三点の前記測点うち最初に測定する前記測点を第1測点とし、前記制御部は、前記第1測点から所定間隔を隔てた二点以上の前記測点の測定を制御するため、所定間隔を隔てた複数の測点の測定結果に基づいて、地層面の走向と傾斜を測定することができる。
【0017】
詳しくは、単に複数の測点を測定する場合、測点間隔が小さいと測定結果に大きな誤差が生じる可能性があるが、所定間隔を隔てた複数の測点の測定結果に基づいて地層面の走向と傾斜を測定するため、所定の精度で測定することができる。
【0018】
た、前記所定間隔を、クリノメータの寸法に基づく基準距離とするため、地層面の走向と傾斜との測定として一般化されたクリノメータによる測定と同程度以上の測定精度で測定することができる。
【0019】
またこの発明の態様として、前記制御部は、四点以上の前記測点を測定し、前記算出手段は、測定した四点以上の前記測点の測定結果から構成されるふたつ以上の仮想三角面に基づいて前記走向及び前記傾斜を算出してもよい。
【0020】
上記「四点以上の前記測点」は、仮想面を構成できる三点以外は他の二点とを結ぶ直線上にあってもよいし、直線上になくてもよい。
また、「四点以上の前記測点」は、仮想面を構成できる三点を含めてランダム配置されていてもよいし、例えば格子状配置や千鳥状配置など、所定間隔を隔てるとともに、所定方向に配置されていてもよい。なお、仮想三角面は、三角面が構成できれば、その他の測点を付加して多角形面を構成してもよい。
【0021】
この発明により、地層面の走向と傾斜を誤差の少なく測定することができる。
詳述すると、人工物でない地層面において測定した測点のうち一点が、例えば地層面から凹状あるいは凸状となる位置である場合、三点の前記測点で構成される仮想三角面は地層面の主たる方向に対して大きく傾く可能性があるが、異なるふたつ以上の仮想三角面を構成する測点を測定することで、上述のような凹状あるいは凸状となる位置の測点以外で仮想三角面を構成でき、地層面の走向と傾斜を誤差の少なく測定することができる。
【0022】
またこの発明の態様として、前記算出手段は、測定した四点以上の前記測点の測定結果から大きさ及び向きのうち少なくとも一方が異なるふたつ以上の仮想三角面に基づいて前記走向及び前記傾斜を算出してもよい。
この発明により、大きさ及び向きのうち少なくとも一方が異なるふたつ以上の仮想三角面を構成する測点を測定することで、地層面の走向と傾斜について誤差がより少ない測定結果を得ることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明により、トンネルの切羽で露出する地層面の走向と傾斜を安全かつ正確に測定する走向傾斜測定装置及び走向傾斜の測定方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】走向傾斜測定の概略斜視図。
図2】走向傾斜測定システムの概略ブロック図。
図3】走向傾斜測定システムで測定する切羽の概略斜視図。
図4】走向傾斜測定システムで測定する切羽の概略説明図。
図5】走向傾斜測定のフローチャート。
図6】走向傾斜測定の算出処理についてのフローチャートによる説明図。
図7】測点による仮想三角面についての概略説明図。
図8】測点による仮想三角面についての概略説明図。
図9】測点による仮想三角面についての概略説明図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
図1は走向傾斜測定の概略斜視図を示し、図2は走向傾斜測定システム1の概略ブロック図を示し、図3は走向傾斜測定システム1で測定する切羽Fの概略斜視図を示し、図4は走向傾斜測定システム1で測定する切羽Fの概略説明図を示している。詳しくは、図4(a)は切羽Fの拡大縦断面図を示し、図4(b)は切羽Fの拡大平面図を示している。
【0026】
図5は走向傾斜測定のフローチャートを示し、図6は走向傾斜測定の算出処理についてのフローチャートによる説明図を示している。詳しくは、図6(a)はひとつの仮想三角面Vtによって走向傾斜を測定する場合のフローチャートを示し、図6(b)は複数の仮想三角面Vtによって走向傾斜を測定する場合のフローチャートを示している。
【0027】
図7乃至図9は測点による仮想三角面Vtについての概略説明図を示している。詳述すると、図7は4点の測点K1乃至K4によって向き異なる仮想三角面Vt1、Vt2を構成する場合の説明図を示し、図8は8点の測点K5乃至K12によって4つの仮想三角面Vt3乃至Vt6を構成する場合の説明図を示し、図9は6点の測点K13乃至K18によってふたつの大きさの異なる仮想三角面Vt7、Vt8を構成する場合の説明図を示している。
【0028】
図7(a)は向きの異なるふたつの仮想三角面Vtを構成する四つの測点K1乃至K4の配置の概略図を示し、図7(b)及び図7(c)は大きさの異なるふたつの仮想三角面Vt1,Vt2を示している。
図8(a)は4つの仮想三角面Vtを構成する場合の8点の測点K5乃至K12の配置の概略図を示し、図8(b)乃至図8(e)は4つの仮想三角面Vt3乃至Vt6を示している。
図9(a)は大きさの異なるふたつの仮想三角面Vt7,Vt8を構成する6つの測点K13乃至K18の配置の概略図を示し、図9(b)及び図9(c)は大きさの異なるふたつの仮想三角面Vt7,Vt8を示している。
【0029】
走向傾斜測定システム1は、トンネルTnの切羽Fにおいて露出する岩盤や地層などの露出地層面Sにおける走向と傾斜(以下において走向傾斜という)を算出するシステムであり、測定手段に相当するトータルステーション10と、算出手段に相当する算出部22を備えたコントロールボックス20と、現場管理事務所などに配置した管理PC30とで構成している。
【0030】
走向傾斜測定システム1で走向傾斜を測定する切羽Fは、トンネル工事において掘進方向における掘削面であり、切羽Fより前方の岩盤・地質状況を予測することが掘進にとって非常に重要であり、さまざまな前方探査方法はあるものの、日々の切羽観察調査において測定した露出地層面Sの走向傾斜が有益な情報となる。
【0031】
そのため、走向傾斜測定システム1では、露出地層面Sに設けた測点Kをトータルステーション10で測定し、トータルステーション10で測定した測定結果に基づいてコントロールボックス20で露出地層面Sの走向傾斜を算出するとともに、管理PC30で管理するように構成している。
【0032】
なお、走向傾斜は、図3に示すように、切羽Fの露出地層面Sと、仮想水平面Vhとが交わる仮想交線CLの方向角Daを走向といい、仮想水平面Vhに対する露出地層面Sの鉛直方向の傾斜角度Taを傾斜という。このとき、方向角Daは、南北方向をX軸方向、東西方向をY軸方向とした平面座標系において真北からの方向角を示している。
【0033】
走向傾斜測定システム1を構成するトータルステーション10は、ノンプリズム型のトータルステーションであり、制御部11、測定部12、駆動部13、記憶部14、及び通信部15など、表示部や操作部などの標準的な装備に加えて少なくとも測点Kまでの距離及び基準方向に対する方向を測定可能な構成を備えている。
【0034】
制御部11は、CPU等で構成され、後述する記憶部14に記憶する各種プログラムを実行して、制御部11に接続された各要素を制御するように構成している。
測定部12は、図1におけるa部拡大図に図示するように、測点Kを視準し、測点Kに向けてレーザ光を照射し、測点Kで反射した反射レーザ光を受光して、測点Kまでの距離を測定することができる。また、測点Kまでの距離を測定した際のレーザ光の照射方向、つまり、基準方向からの水平方向及び鉛直方向の方向角を特定することができる。
【0035】
駆動部13は、測定部12によるレーザ光の照射方向が所定方向に向くように駆動する機構であり、モータやアクチュエータ等の駆動機構によって構成されている。
記憶部14は、ROMやRAM、あるいはSSDで構成され、トータルステーション10における各要素を制御するための各種プログラムを記憶するとともに、測定部12で測定した測点Kの測定結果データや、基準点の座標値データなどを記憶している。
【0036】
通信部15は、後述するコントロールボックス20の通信部25と無線通信可能に構成されており、通信部25と直接赤外線や所定周波数の無線で通信可能に接続されてもよいし、インターネット網を介して接続されていてもよい。また、通信部25を介してコントロールボックス20とは無線のみならず、有線で通信可能に構成してもよい。
【0037】
このように構成されたトータルステーション10では、測定部12、駆動部13、記憶部14及び通信部15は、制御部11に接続され、制御部11の制御に基づいて稼働するように構成されている。
【0038】
トータルステーション10とで走向傾斜測定システム1を構成するコントロールボックス20は、トータルステーション10による測定結果に基づいて露出地層面Sの走向傾斜を算出する制御装置であり、制御部21、算出部22、表示操作部23、記憶部24、及び通信部25などで構成している。
【0039】
なお、図1におけるb部拡大図に図示するように、コントロールボックス20はタブレットで構成してもよいし、ノート型のパーソナルコンピュータで構成してもよいし、デスクトップ型のパーソナルコンピュータで構成してもよい。
【0040】
制御部21は、CPU等で構成され、後述する記憶部24に記憶する各種プログラムを実行して、制御部21に接続された各要素を制御するように構成している。
算出部22は、CPU等の演算処理部で構成され、後述する記憶部24に記憶する各種プログラムを実行して、制御部21に接続された各要素を制御するように構成している。
【0041】
タブレットで構成したコントロールボックス20の表示操作部23は、出力表示部を構成するディスプレイがタッチパネルで構成され、トータルステーション10によう露出地層面Sの走向傾斜を測定するための入力操作や、各種設定事項の入力操作を行う操作表示画面で構成している。なお、コントロールボックス20においてタッチパネルで構成された表示操作部23には、トータルステーション10によって測定された測定結果が表示されるように構成している。
【0042】
記憶部24は、ROMやRAM、あるいはSSDで構成され、コントロールボックス20を制御するための各種プログラムを記憶するとともに、トータルステーション10から受信した測点Kの測定結果データや算出部22で算出した走向傾斜データなどを記憶している。
【0043】
通信部25は、上述のトータルステーション10の通信部15と無線通信可能に構成されており、通信部25と直接赤外線や所定周波数の無線で通信可能に接続されてもよいし、インターネット網を介して接続されていてもよい。また、上述したように、通信部15を介してトータルステーション10とを有線で通信可能に構成してもよい。
【0044】
管理PC30は、Tnから離れた現場管理事務所等に配置され、コントロールボックス20で算出された走向傾斜のデータを管理するパーソナルコンピュータであり、制御部31、操作部33、記憶部34、及び通信部35などで構成している。
【0045】
制御部31は、CPU等で構成され、後述する記憶部34に記憶する各種プログラムを実行して、制御部31に接続された各要素を制御するように構成している。
操作部33は、キーボードやマウスなどで構成され、記憶部34に記憶した走向傾斜データを表示したり、データ整理したりするように構成している。
【0046】
記憶部34は、ROMやRAM、あるいはSSDで構成され、管理PC30を制御するための各種プログラムを記憶するとともに、コントロールボックス20から受信した走向傾斜データなどを記憶している。
通信部35は、上述のコントロールボックス20の通信部25と、例えばLAN回線iなどを介して通信可能に接続されている。
【0047】
このように構成した走向傾斜測定システム1を用いて露出地層面Sの走向傾斜を測定するには、コントロールボックス20の算出部22により、例えば、図7(a)に示すように露出地層面Sにおける仮想三角面Vtを構成する三点の測点K1乃至K3(式1参照)を測定し、三点の測点K1乃至K3で構成された仮想三角面Vtを含む露出地層面Sを式2にて表す。
aX+bY+cZ+d=0・・・(式2)
【0048】
この露出地層面Sと平行でない、すなわち法線ベクトル(a,b,c)と異なる法線ベクトルを有する平面S(式3参照)と露出地層面Sとの交線ベクトル(仮想交線CL)は、(a,b,c)及び(a,b,c)のそれぞれと直交するため、それぞれとの内積がゼロとなるベクトル(a,b,c)を算出する。
X+bY+cZ+d=0・・・(式3)
【0049】
そして、平面SのうちXY平面(Z=0)である仮想水平面Vhの場合におけるベクトル(a,b,c)つまり仮想交線CLの方向角Daが露出地層面Sの走向となる。
【0050】
また、露出地層面Sの傾斜は法線ベクトル(a,b,c)の各成分に基づいて仮想水平面Vhに対する傾斜角度Taを、式4にて表される角度から算出し、露出地層面Sの傾斜とする。
Ta=tan-1(((a+b1/2)/c)・・・(式4)
【0051】
このようにして、コントロールボックス20の算出部22によって、露出地層面Sの走向傾斜を算出する走向傾斜測定システム1を用いて、露出地層面Sの走向傾斜を測定する測定方法について、図5乃至図9とともに説明する。
【0052】
まず、露出地層面Sの走向傾斜を測定するために、トンネルTn内にトータルステーション10をセットする(ステップs1)。このとき、少なくとも平面座標系における座標値が既知である基準点において、切羽Fがよく見える箇所にセットする。なお、トータルステーション10の測定精度上、切羽Fから100m以内の範囲にセットすることで精度のよい測定を行うことができる。
【0053】
そして、トータルステーション10をセットした基準点を機械点Mpとして、トータルステーション10で座標値が既知である基準点をバックポイントBpとして視準し、機械点Mpに対するバックポイントBpを視準する方向を基準方向とする。なお、トータルステーション10を自動でバックポイントBpを視準するように構成してもよい。
【0054】
続いて、露出地層面Sにおける測点Kについてコントロールボックス20を用いて入力する(ステップs2)。具体的には、測点Kの点数や、測点K同士の間隔(以下において測点間距離Isという)などを入力する。このとき、測点間距離Isは、走向傾斜を測定する測定治具であるクリノメータ(図示省略)の長辺と同じ10cmに設定するとよい。
【0055】
測点Kの点数が三点である場合、仮想三角面Vtは一つしか設定できないが、例えば、図7(a)に示すように、測点K1乃至K4のように四点の測点Kを測定すると、図7(b)に示す仮想三角面Vt1と図7(c)に示す仮想三角面Vt2とのように向きが異なるふたつの仮想三角面Vtを設定することができる。
【0056】
具体的には、測点K1に対して同じ測点間距離Isの測点K2,K3に対して、測点K4が同じ測点距離で設定されている。そして、図7(b)に示すような測点K1,K2,K3で構成する仮想三角面Vt1と、図7(c)に示すような測点K1,K2,K4で構成する仮想三角面Vt2とは、同じ大きさであるが、測点K1,K2との間の垂直線(図7において上下方向の線)に対して対称な向きである。
【0057】
なお、図7では測点間距離Isを等しく設定した測点K1乃至K4は正方形に配置されるが、測点K1,K2に対して測点K3や測点K4を適宜配置し、例えば長方形状、台形状、平行四辺形状など適宜の仮想形状を構成できるように、配置してもよい。さらには、4点以上で構成してもよい。
【0058】
また、図8(a)に示すように、測点K5乃至K12の8点の測点Kを測定することで、大きさは同じであるが、向きがそれぞれ90度ずつ異なる4つの仮想三角面Vt3乃至Vt6(図8(b)乃至(e)参照)を構成することができる。
【0059】
具体的には、図8(a)に示すように、測点K5に対して同じ測点間距離Isの測点K7,K10に対して、測点K12が同じ測点距離で設定し、測点K5と測点K7との中間に測点K6、測点K5と測点K10の中間に測点K8、測点K7と測定部12との中間に測点K9、並びに測点K10と測点K12の中間に測点K11を設けている。
【0060】
そして、図8(b)に示すように、測点K5、測点K7,K11で仮想三角面Vt3を構成し、図8(c)に示すように、測点K6、測点K12,K10で仮想三角面Vt4を構成し、図8(d)に示すように、測点K5、測点K9,K10で仮想三角面Vt5を構成し、図8(e)に示すように、測点K8、測点K7,K12で仮想三角面Vt6を構成することができる。
【0061】
なお、仮想三角面Vt3と仮想三角面Vt4とは上下対称な向きであり、仮想三角面Vt5と仮想三角面Vt6とは左右対称な向きとなる。そして、仮想三角面Vt5と仮想三角面Vt6とは仮想三角面Vt3と仮想三角面Vt4に対して90度交差する方向の向きとなる。
【0062】
また、図9に示すように、測点K13乃至K18の6点の測点Kを測定することで、形状や向きは同じであるが、大きさが異なる仮想三角面Vt7及びVt8(図9(b),(c)参照)を構成することができる。
【0063】
具体的には、図9(a)に示すように、測点K13,K16,K18を同じ測点間距離Isで設定するとともに、測点K14,K15,K17を同じ測点間距離Isで設定する。
そして、図9(b)に示すように、測点K14,K15,K17で仮想三角面Vt7を構成し、図9(c)に示すように、測点K13,K16,K18で仮想三角面Vt8を構成することができる。そして、仮想三角面Vt7と仮想三角面Vt8とは向きも形状も同じであるが大きさが異なる相似形状である。
【0064】
なお、仮想三角面Vt7の測点K14を、仮想三角面Vt8の測点K13と一致させる、つまり測点K13を測点K14として用いることで、測定する測点Kの数を減らすことができる。また、図9では、仮想三角面Vt7と仮想三角面Vt8とは大きさが異なるものの、相似形状で形成したが、大きさとともに形状が異なる仮想三角面Vtを設定してもよい。
【0065】
そして、露出地層面Sにおいて測定する複数の測点Kのうち基準となる第1測点Kfを視準して、操作入力することで第1測点Kfの測定を開始することができる(測定処理:ステップs3)。この測定処理では、第1測点Kfにレーザ光を照射し、第1測点Kfで反射した反射レーザ光を入射することで、トータルステーション10から第1測点Kfまでの距離を測定できるとともに、基準方向に対する角度を読み取ることができる。
【0066】
続いて、他の測点Kを計測するため、走向傾斜測定システム1は、制御部11によって駆動部13を制御してトータルステーション10を他の測点Kに向いてレーザ光を照射できるように駆動させてから、次の測点Kについて測定する。
【0067】
このとき、制御部11は、測定した第1測点Kfの距離情報に基づいて、露出地層面Sにおける測点K同士の間隔が操作入力された測点間距離Isとなるような角度で駆動部13を駆動させてから測点Kに対して測定する。これを、操作入力された測点数分繰り返す。そして、測定部12によって測定した第1測点Kfを含む測点Kの測定結果を記憶部14に記憶するとともに、通信部15を介してコントロールボックス20に送信する。
【0068】
通信部25を介してトータルステーション10から送信された測定結果情報に基づき、算出部22によって、上述したような算出方法で仮想三角面Vtの方向や露出地層面Sの走向傾斜を算出する(算出処理:ステップs4)。
【0069】
具体的には、算出部22は、図6(a)に示すように、今回の測点Kの測定結果を読込み(ステップt1)、読み込んだ測点K1乃至K3で構成する仮想三角面Vtの方向や走向傾斜を算出する(ステップt2)。
【0070】
次に、四点以上の測点Kに基づいて算出する算出処理について、図7に示すように四点の測点K(K1乃至K4)を測定し、複数の仮想三角面Vt1、Vt2を設定した場合を例として、説明する。
四点以上の測点Kを測定した場合、図6(b)に示すように、測定結果を読込む(ステップu1)。そして、読み込んだ複数の測点Kの測定結果から、仮想三角面Vtを構成する測点を抽出する(ステップu2)。
【0071】
図7に示す測点K1乃至K4の場合、仮想三角面Vt1を構成する測点K1,K2,K3を抽出する。そして、抽出した測点K1,K2,K3の測定結果から測点K1乃至K3で構成する仮想三角面Vt1の方向や走向傾斜を算出する(ステップu3)。
【0072】
これをすべての仮想三角面Vtに対して行う(ステップu4)。具体的には、仮想三角面Vt2を構成する測点K1,K2,K4を抽出し、抽出した測点K1,K2,K4の測定結果から測点K1,K2,K4で構成する仮想三角面Vt2の方向や走向傾斜を算出する(ステップu3)。
【0073】
次に、複数の仮想三角面Vtの算出した走向傾斜を比較する(ステップu5)。露出地層面Sが均一な平面である場合、露出地層面S上のいずれの測点Kで構成した仮想三角面Vtに基づいて算出した傾斜方向は一致するが、自然物であり、表面が凹凸状である露出地層面S上の仮想三角面Vtは、仮想三角面Vtを構成する測点Kによって走向傾斜は異なってくる。そのため、複数の測点Kによって構成される仮想三角面Vtの走向傾斜を比較することで測定精度を向上することができる。
【0074】
そのための比較方法はいろいろあるが、例えば、複数の仮想三角面Vtに基づく走向傾斜を平均して露出地層面Sの走向傾斜としたり、三面以上の仮想三角面Vtに基づく場合、複数の走向傾斜を近似するグループとそれ以外で分け、近似するグループ内の走向傾斜で平均値としたりすることができる。また、走向傾斜同士を直接比較するのではなく、仮想三角面Vtを構成する測点Kを比較し、大きくずれる測点Kを含んで構成する仮想三角面Vtを除外するように構成してもよい。
【0075】
なお、上述のような算出処理により算出された走向傾斜を、ステップs4において、記憶部24に記録するとともに、管理PC30に送信して管理PC30の記憶部34で記憶して管理し(ステップs5)、露出地層面Sの走向傾斜の測定を終了する。
【0076】
上述したように、走向傾斜測定システム1は、トンネルTnの切羽Fにおいて露出する露出地層面Sにおける測点Kまでの距離と、基準方向に対する角度を測定するトータルステーション10と、仮想水平面Vhを構成可能な少なくとも三点の測点Kの三次元座標位置である測定結果に基づいて露出地層面Sと仮想水平面Vhとの仮想交線CLの方向である走向及び露出地層面Sと仮想水平面Vhとでなす角度である傾斜を算出する算出部22を有するコントロールボックス20とを備えている。
【0077】
また、走向傾斜測定システム1を用いた走向傾斜の測定方法は、トンネルTnの切羽Fにおいて露出する露出地層面Sにおける測点Kまでの距離と、基準方向に対する角度とを、仮想水平面Vhを構成する少なくとも三点測定する測定処理(ステップs3)と、少なくとも三点の測点Kの測定結果に基づいて露出地層面Sと仮想水平面Vhとの仮想交線CLの方向である走向及び露出地層面Sと仮想水平面Vhとでなす角度である傾斜を算出する算出処理(ステップs4)とを行う。
【0078】
このため、安全かつ正確にトンネルTnの切羽Fで露出する露出地層面Sの走向と傾斜を測定することができる。
詳述すると、トータルステーション10によって、トンネルTnの切羽Fにおいて露出する露出地層面Sにおける、仮想水平面Vhを構成可能な少なくとも三点の測点Kまでの距離と、基準方向に対する角度を測定することができる。そして、算出部22によって、三次元座標位置である測定結果に基づいて露出地層面Sと仮想水平面Vhとの仮想交線CLの方向である走向及び露出地層面Sと仮想水平面Vhとでなす角度である傾斜を算出することができる。
これにより、切羽Fで露出する露出地層面Sをクリノメータによって直接測定する場合に比べ、露出地層面Sの走向と傾斜を安全かつ正確に測定することができる。
【0079】
また、トータルステーション10は、測点Kに対してレーザ光を照射するとともに、測点Kで反射した反射レーザ光を受光して、測点Kまでの距離を測定するノンプリズム型であり、トータルステーション10における測点Kに対する測定方向と距離測定とを制御する制御部11を備えたことにより、露出地層面Sの走向と傾斜をより安全に測定することができる。
【0080】
詳述すると、ノンプリズム型のトータルステーション10を用いることにより、切羽Fの測点Kにプリズムをセットすることなく、測点Kの三次元座標を測定することができる。また、制御部11が、トータルステーション10における測点Kに対する測定方向と距離測定とを制御するため、一人での測点Kの測定を実行することができる。
また、複数の測点Kの測定を人為的に行う場合に比べて、正確性及び迅速性が高く、露出地層面Sの走向と傾斜をより安全に測定することができる。
【0081】
また、少なくとも三点の測点Kうち最初に測定する測点Kを第1測点Kfとし、制御部11は、第1測点Kfから所定間隔を隔てた二点以上の前記測点Kの測定を制御するため、所定間隔を隔てた複数の測点Kの測定結果に基づいて、露出地層面Sの走向と傾斜を測定することができる。
【0082】
詳しくは、単に複数の測点Kを測定する場合、測点間距離Isが小さいと測定結果に大きな誤差が生じる可能性があるが、所定間隔を隔てた複数の測点Kの測定結果に基づいて露出地層面Sの走向と傾斜を測定するため、所定の精度で測定することができる。
【0083】
また、所定間隔を、クリノメータの長辺寸法に基づく基準距離とすることで、露出地層面Sの走向と傾斜との測定として一般化されたクリノメータによる測定と同程度以上の測定精度で測定することができる。
【0084】
また、制御部11は、四点以上の測点Kを測定し、算出部22は、測定した四点以上の測点Kの測定結果から構成されるふたつ以上の仮想三角面Vtに基づいて走向及び傾斜を算出することで、露出地層面Sの走向と傾斜を誤差の少なく測定することができる。
【0085】
詳述すると、人工物でない露出地層面Sにおいて測定した測点Kのうち一点が、例えば露出地層面Sから凹状あるいは凸状となる位置である場合、三点の測点Kで構成される仮想三角面Vtは露出地層面Sの主たる方向に対して大きく傾く可能性があるが、異なるふたつ以上の仮想三角面Vtを構成する測点Kを測定することで、上述のような凹状あるいは凸状となる位置の測点K以外で仮想三角面Vtを構成できるため、露出地層面Sの走向と傾斜を誤差の少なく測定することができる。
【0086】
また、算出部22は、測定した四点以上の測点Kの測定結果から大きさ及び向きのうち少なくとも一方が異なるふたつ以上の仮想三角面Vtに基づいて走向及び傾斜を算出することで、大きさ及び向きのうち少なくとも一方が異なるふたつ以上の仮想三角面Vtを構成する測点Kを測定することで、露出地層面Sの走向と傾斜について誤差がより少ない測定結果を得ることができる。
【0087】
以上、本発明の構成と、前述の実施態様との対応において、トンネルはトンネルTnに対応し、
以下同様に、
切羽は切羽Fに対応し、
地層面は露出地層面Sに対応し、
測点は測点Kに対応し、
基準方向は基準方向に対応し、
測定手段はトータルステーション10に対応し、
仮想面は仮想水平面Vhに対応し、
交線は仮想交線CLに対応し、
算出手段は算出部22に対応し、
走向傾斜測定装置は走向傾斜測定システム1に対応し、
ノンプリズム型トータルステーションはトータルステーション10に対応し、
制御部は制御部11に対応し、
仮想三角面は仮想三角面Vtに対応し、
測定工程は測定処理(ステップs3)に対応し、
算出工程は算出処理(ステップs4)に対応するが、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
【0088】
例えば、上述の説明では、制御部11の制御によって駆動部13を駆動させてトータルステーション10を次の測点Kを測定できるように構成したが、コントロールボックス20の表示操作部23でトータルステーション10を操作して次の測点Kを測定するように構成してもよい。
また、トータルステーション10をノンプリズム型で構成したが、一般的なトータルステーションや光波測距儀を用い、測点Kにプリズムをセットして測点Kを測定してもよい。
【0089】
また、上述の説明では、トータルステーション10とコントロールボックス20とで走向傾斜測定システム1を構成したが、トータルステーション10とコントロールボックス20とを一体構成してもよいし、コントロールボックス20における算出部22をトータルステーション10に備え、測点Kを測定したトータルステーション10内部で露出地層面Sの走向傾斜を算出できるように構成してもよい。
【0090】
さらにまた、上述の説明では、切羽Fの露出地層面Sにおける測点Kを直接測定したが、切羽Fの露出地層面Sに沿って測定用板をセットし、測定用板の表面の測点Kを測定してもよい。その場合、切羽Fから離れて露出地層面Sに測定用板をセットできるように、長尺の柄の先に、フレキシブルジョイント等により角度調整が可能な状態でセットされた状態の測定用板を露出地層面Sに沿わせて測定し、露出地層面Sの走向傾斜を算出できるように構成してもよい。
【符号の説明】
【0091】
1…走向傾斜測定システム
10…トータルステーション
11…制御部
22…算出部
CL…仮想交線
F…切羽
K…測点
S…露出地層面
Tn…トンネル
Vh…仮想水平面
Vt…仮想三角面
s3…測定処理
s4…算出処理
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9