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特許7078938殺菌効果を有する自己密封シャワーヘッド
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-24
(45)【発行日】2022-06-01
(54)【発明の名称】殺菌効果を有する自己密封シャワーヘッド
(51)【国際特許分類】
   A47K 3/28 20060101AFI20220525BHJP
   B05B 1/18 20060101ALI20220525BHJP
【FI】
A47K3/28
B05B1/18 101
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019534646
(86)(22)【出願日】2017-11-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-02-06
(86)【国際出願番号】 IL2017051279
(87)【国際公開番号】W WO2018116291
(87)【国際公開日】2018-06-28
【審査請求日】2020-10-29
(31)【優先権主張番号】249680
(32)【優先日】2016-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IL
(73)【特許権者】
【識別番号】519223022
【氏名又は名称】ザバリ,リドル
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ザバリ,リドル
【審査官】七字 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-220704(JP,A)
【文献】実開昭57-056846(JP,U)
【文献】実公昭46-006354(JP,Y1)
【文献】特開2002-238972(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0118948(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 3/02-4/00
B05B 1/18
E03C 1/00-1/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャワーヘッドの中での細菌生成を防止するためのシャワーヘッドであって、
a.それぞれが弁を含む複数の水出口ノズルであって、それぞれの前記弁が、加圧水が前記シャワーヘッドに流れ込むときには、開き、加圧水流入がないときには、残存水が前記シャワーヘッドの内部に保持されるように閉じるように構成される、水出口ノズルと、
b.前記残存水と流体連通する殺菌手段と、
c.前記殺菌手段の前記シャワーヘッドを通って流れる前記加圧水との流体連通を防止するための手段と、を備えるシャワーヘッド。
【請求項2】
前記殺菌手段が、紫外線と、マイクロフィルタと、液体殺菌性材料と、固体殺菌性材料と、オゾンと、臭素と、塩素と、次亜塩素酸塩と、上記の組合せと、で構成される群から選択される、請求項1に記載のシャワーヘッド。
【請求項3】
前記弁が、チェック弁と、逆流止め弁と、ダックビル弁と、傘状弁と、上記の組合せと、で構成される群から選択される、請求項1に記載のシャワーヘッド。
【請求項4】
前記殺菌手段がチャンバを備え、前記チャンバが、内側アパーチャと、内側フラップと、を含み、前記内側フラップが、加圧水が、前記シャワーヘッドを通って流れるときには、前記内側アパーチャを閉じ、加圧水流入がないときには、前記殺菌手段を前記残存水と流体連通した状態にするために、前記内側アパーチャを開く、請求項1に記載のシャワーヘッド。
【請求項5】
前記チャンバが、外側アパーチャ及び外側扉をさらに備える、請求項4に記載のシャワーヘッド。
【請求項6】
a.遠位端部で前記シャワーヘッドへの入水口に、そして近位端部で給水栓に連結された連結管と、
b.前記連結管の中に配置され、遠位端部で前記殺菌手段に連結され、前記給水栓に近接する近位端部で開いている内側管と、をさらに備え、
前記殺菌手段がポンプを備え、前記ポンプが、残存水を殺菌するために、前記残存水をポンプ圧送して、前記殺菌手段を通し、循環用の前記内側管を通し、前記連結管を通して、前記シャワーヘッドの内容積に戻す、請求項1に記載のシャワーヘッド。
【請求項7】
前記弁が、空気が前記シャワーヘッドに入るのを防止する、請求項3に記載のシャワーヘッド。
【請求項8】
前記残存水が、絶えず殺菌される、請求項1に記載のシャワーヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャワーヘッド、詳細には、シャワーヘッド内での細菌発生を防止するようなシャワーヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
シャワーヘッドを通って水が流れることを開始及び停止すると、空気と水との混合が生じる。既存のシャワーヘッド及び給水栓を通る水流が止められると、空気が、水出口ヘッドの中の空間を満たす。水流が再開されると、新しい流れは、微小な気泡を発生させる乱気流を、空のシャワーヘッドの内部に発生させる。空気、有機物質、水、及びシャワーヘッド内の石灰質/石質の環境は、レジオネラ菌の発生にとって良好な環境を提供する。この細菌及び他の細菌は、特に病院、軍の野営地、ホテル、スポーツセンター、及び高齢者住宅における潜在的にリスクのある人々に深刻な危険をもたらす可能性がある。
【0003】
シャワーヘッドによってもたらされる危険は、シャワー及び真水が提供しなければならない衛生の必要性の対極にあるものであり、従って、給水システムをレジオネラ菌などの病原体のない状態に保つ必要性がある。
【0004】
水殺菌用の薬品及び仕組みは、水の存在に依存しており、従って、水流が止められて、水がヘッドから流出したとき、水がシャワーシステムの中、特にシャワーヘッドの中に存在しないときには、機能しない。さらに、こうしたシステムは、シャワーヘッドより上流で機能し、維持するのが困難である。
【0005】
Antonius Maria Van RemmenへのPCT/NL2000/000412は、ハウジング内部の変換器を用いて液体に紫外線を照射することを開示している。紫外線殺菌は、光より下流にあるシャワーヘッドの水出口部分の中の環境を変えるものではない。従って、この手法は、レジオネラ細菌がシャワーヘッドの中で繁殖することを防止することができない。
【0006】
LaPortaへの米国特許出願公開第20110150700号及びMcconnellへの米国特許第2659627号は、複雑であり、水の流れを遮断し、技術者によって提供される困難な保守管理を必要とし、さらに実際のヘッドにおいて殺菌を提供しないシャワーヘッドを開示している。
【0007】
従って、製造及び維持が簡単であり、ヘッドが、レジオネラ及び他の細菌が発生するための繁殖可能生息地にならないように、ヘッド自体の殺菌が可能である改良型のシャワーヘッド及び給水栓の必要性が存在する。
【発明の概要】
【0008】
本発明は、シャワーヘッドの中での空気と水の混合を防止するシャワーヘッドを提供することによって背景技術の不完全さを克服し、さらに、スイッチが切られているときでさえも、常に水で満たされているシャワーヘッドをもたらし、それによって、一体化した殺菌手段を備えたシャワーヘッドの内部にある水の殺菌を可能にする。
【0009】
シャワーヘッドのノズルはそれぞれ、加圧水流がヘッドに提供されると、押し開かれ、加圧水流が止められると、閉じる逆流止め弁を備える。閉鎖された弁は、空気がヘッドに入るのを防止し、加圧水の排除後に弁を閉鎖することで、結果的に残存水(シャワーヘッドの内部に残っている水)が生じる。この残存水は、殺菌されることができる。この残存水は、さらに、加圧水流が再開されたとき、空気の流入を防止し、さらに、気泡を発生させる乱気流を防止する。従って、弁は、水/空気混合を防止し、それによって、この水/空気混合に依存する微生物の成長を防止する。
【0010】
さらに、シャワーヘッドは、殺菌性材料又は紫外線(UV:Ultraviolet)光、又はマイクロフィルタを含む殺菌効果を備える。殺菌効果は、水流が停止するときには、残存水の中で機能し、水がシャワーヘッドを通って流れるときには、機能しなくなるように、提供される。
【0011】
殺菌性材料は、水がシャワーヘッドを通って流れると、それは閉じられ、水流が止まると開くシャワーヘッドの内部領域への開口部を備えて構築され、それによって、この残存水を殺菌するために、殺菌性材料を残存水と接触させるチャンバの中に提供される。シャワーヘッドの外壁上の開口部は、殺菌性材料を満たすこと及び補給することを可能にする。
【0012】
弁のさらなる利点は、それらが、シャワーヘッドの水圧、従ってさらに水消費量も低下させることである。
【0013】
本発明のいくつかの実施形態によれば、シャワーヘッドは、それぞれが弁を含む複数の水出口ノズルと、殺菌手段と、を備え、弁は、加圧水がヘッドに流れ込むときには、開き、加圧水流入がないときには、残存水が、弁が閉じられることによってヘッドの内部に保持されて、殺菌手段に晒されるように、閉じる。弁が、チェック弁であれば好ましい。弁が、ダックビル弁であれば好ましい。弁が、傘状弁であれば好ましい。
【0014】
殺菌手段が、チャンバを備えていれば好ましく、チャンバは、内側アパーチャと、扉と、チャンバの内側の殺菌性材料と、を含み、扉は、加圧水が、ヘッドを通って流れるときには、アパーチャを閉じ、加圧水流入がないときには、残存水を殺菌性材料に晒すために、アパーチャを開く。
【0015】
殺菌性材料は、液体殺菌性材料及び固体殺菌性材料で構成される群から選択されることが好ましい。殺菌性材料は、オゾンと、臭素と、塩素と、次亜塩素酸塩と、で構成される群から選択されれば好ましい。
【0016】
チャンバは、外側アパーチャ及び外側扉をさらに備えることが好ましい。殺菌手段は、紫外線と、マイクロフィルタと、殺菌性材料と、で構成される群から選択されれば好ましい。随意的に、シャワーヘッドは、遠位端部でヘッドへの入水口に、そして近位端部で給水栓に連結された連結管と、連結管の中に配置され、遠位端部で殺菌手段に連結され、給水栓に近接する近位端部で開いている内側管と、をさらに備え、殺菌手段は、ポンプを備え、ポンプは、水を殺菌するために、残存水をポンプ圧送して、殺菌手段を通し、循環用の内側管を通し、連結管を通して、ヘッドの内容積に戻す。弁は、空気がシャワーヘッドに入るのを防止し、一方同時に、加圧水の流出が可能であれば好ましい。
【0017】
本発明のさらなる実施形態によれば、シャワーヘッドは、それぞれが弁を含む複数の水出口ノズルであって、それぞれの弁は、加圧水がヘッドに流れ込むときには、開き、加圧水流入がないときには、残存水がヘッドの内部に保持されるように閉じる、水出口ノズルと、残存水と流体連通する殺菌手段と、殺菌手段の加圧水との流体連通を防止するための手段と、を備える。殺菌手段は、紫外線と、マイクロフィルタと、液体殺菌性材料と、固体殺菌性材料と、オゾンと、臭素と、塩素と、次亜塩素酸塩と、上記の組合せと、で構成される群から選択されれば好ましい。
【0018】
それぞれの弁は、チェック弁と、逆流止め弁と、ダックビル弁と、傘状弁と、上記の組合せと、で構成される群から選択されることが好ましい。随意的に、シャワーヘッドは、遠位端部でヘッドへの入水口に、そして近位端部で給水栓に連結された連結管と、連結管の中に配置され、遠位端部で殺菌手段に連結され、給水栓に近接する近位端部で開いている内側管と、を備え、殺菌手段は、ポンプを備え、ポンプは、残存水を殺菌するために、残存水をポンプ圧送して、殺菌手段を通し、循環用の内側管を通し、連結管を通して、ヘッドの内容積に戻す。弁は、空気がシャワーヘッドに入るのを防止し、一方同時に、加圧水の流出が可能であることが好ましい。
【0019】
本発明のさらなる実施形態によれば、シャワーヘッドは、それぞれが弁を含む複数の水出口ノズルと、殺菌モジュールと、を備え、弁は、加圧水がヘッドに流れ込むときには、開き、加圧水流入がないときには、残存水が、弁が閉じられることによってヘッドの内部に保持されて、殺菌モジュールに晒されるように、閉じる。殺菌モジュールは、紫外線、マイクロフィルタ、液体殺菌性材料、固体殺菌性材料、オゾン、臭素、塩素、又は次亜塩素酸塩の少なくとも1つを備えることが好ましい。
【0020】
それぞれの弁は、チェック弁と、逆流止め弁と、ダックビル弁と、傘状弁と、上記の組合せと、で構成される群から選択されれば好ましい。モジュールは、外側アパーチャ及び外側扉を備えることが好ましい。随意的に、シャワーヘッドは、遠位端部でヘッドへの入水口に、そして近位端部で給水栓に連結された連結管と、連結管の中に配置され、遠位端部で殺菌モジュールに連結され、給水栓に近接する近位端部で開いている内側管と、をさらに備え、殺菌モジュールは、ポンプを備え、ポンプは、水を殺菌するために、残存水をポンプ圧送して、殺菌モジュールを通し、循環用の内側管を通し、連結管を通して、ヘッドの内容積に戻す。弁は、空気がシャワーヘッドに入るのを防止し、一方同時に、加圧水の流出が可能であることが好ましい。
【0021】
本明細書で用いられる用語シャワーヘッド又はヘッドは、流れ口、給水栓、又は蛇口を含む、配水システムの何らかの水出口を指すことができる。本明細書に記載されるようなシャワーヘッドは、当技術において知られているように、管、又はシャワーヘッドを水源に連結する他の形態の取付物に取り付けられる。本明細書に開示される実施形態は、球面シャワーヘッドを描写しているが、これは、制限的であるとみなされてはならず、本発明は、どのような形状又は寸法の給水栓、又はシャワーヘッドでも含むことができる。
【0022】
シャワーヘッドへ入る水の流れは、取り付けられた水源が、水の流れを発生させる圧力下で水を供給していると想定される。同様に、水源は、止められる、又は閉じられて、加圧水の供給及びヘッドへの流れを中断させることができる。本明細書に定義されるような加圧水は、一般的な住宅用の、市販の給水システムで見られる圧力のものであり、30~150PSIの間の様々なものであり得る。
【0023】
本発明の方法及びシステムの実施例は、特定の選択されたタスク又はステップを手動で、自動的に、又はそれらの組合せを実行する又は完了することを伴う。
【0024】
特に明示されない限り、本明細書で使用されるすべての技術的及び科学的用語は、本発明が属する技術の当業者によって普通に理解されるものと同じ意味を有している。ここに提供されている材料、方法、及び例は、一例にすぎず、制限的であるようには意図されていない。
【0025】
本発明は、本明細書では、添付の図面をほんの一例として参照しながら説明される。次に図面を詳細に特別参照する場合、強調するその示される詳細は、本発明の好適な実施形態の一例として、それらを例証的に考察するためのものにすぎず、本発明の原則及び概念上の態様についての最も有用で、最も理解し易い説明であると考えられるものを提供するために提示されていることを強調する。この点に関しては、本発明の構造細部を、本発明の基本的な知識に必要なものよりもさらに詳細に示そうとはされてなく、図面と合わせて説明を読むことで、本発明のいくつかの形態が実際に具現化され得る方法が、当業者には明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1A】本発明の少なくともいくつかの実施形態による複数のダックビル弁及び殺菌手段を備えるシャワーヘッドの例示的な説明図である。
図1B】本発明の少なくともいくつかの実施形態による複数のダックビル弁及び殺菌手段を備えるシャワーヘッドの例示的な説明図である。
図2A】本発明の少なくともいくつかの実施形態による複数の傘状弁及び殺菌手段を備えるシャワーヘッドの例示的な説明図である。
図2B】本発明の少なくともいくつかの実施形態による複数の傘状弁及び殺菌手段を備えるシャワーヘッドの例示的な説明図である。
図3A】本発明の少なくともいくつかの実施形態による代替的殺菌手段を備えるシャワーヘッドの例示的な説明図である。
図3B】本発明の少なくともいくつかの実施形態による代替的殺菌手段を備えるシャワーヘッドの例示的な説明図である。
図4】本発明の少なくともいくつかの実施形態による取り付けられた管用の殺菌手段を備えたシャワーヘッドの例示的な説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明は、少なくともいくつかの実施形態において、残存水をシャワーヘッドの中に封じ込めるのにチェック弁を使用しており、さらに、水流がないときに、シャワーヘッドの内部に残っているこの残存水の殺菌を提供するシャワーヘッドに関する。
【0028】
次に、本発明の少なくともいくつかの実施形態によるシャワーヘッドの例示的な説明図である図1A及び図1Bを参照する。示されるように、シャワーヘッド100は、本体102を備える。本体102は、プラスチック、ステンレス鋼、又はこれらもしくはその他の材料の組合せの非制限的な例などの、シャワーヘッド製造では一般的な、何らかの材料を含む。本体102は、円筒形状を有するように示されているが、これは、制限的であるとみなされてはならない。本体102は、当技術において知られているように、シャワーヘッド又は給水栓に適切であればどのような形状のものでも可能である。
【0029】
本体102は、基部106の中に複数の水出口104を備える。図1Aから図1Bの破断図は、7つの出水口104を示しているが、これは、制限的であるとみなされてはならない。シャワー100は、当技術において知られているように、どのような現在のシャワーヘッド出水口パターンにでも適する数の、任意の配列で配置された出水口104を備えていれば好ましい。本体102は、管又はコネクタ(図示せず)を介して加圧水の水源に連結される入水口108をさらに備える。
【0030】
出水口104は、弁110を備える。弁110は、随意的に、出水口104を介してヘッド100から加圧水が流れること可能にするけれども、空気がヘッド100に入るのを防止するチェック弁などの、どのような型の弁でもよい。弁110は、何らかのチェック弁又は逆流止め弁であれば好ましい。弁110は、エストラマ材料から形成されたダックビル弁であればさらに好ましい。弁110は、ヘッド基部106に密封可能に取り付けられるフランジ112を備える。弁サドル114は、出水口104から延び、ダックビル116で終端する。随意的に、弁型の何らかの組合せが使用されてもよい。
【0031】
シャワーヘッド100は、殺菌手段118を備える。殺菌手段118は、本明細書では、殺菌ユニット118又は殺菌モジュール118とさらに称される場合もある。殺菌手段118は、殺菌性材料又は紫外線(UV)光又はマイクロフィルタを備える。殺菌手段118は、水流が停止するときには、残存水の中で機能し、水がシャワーヘッドを通って流れるときには、機能しないように提供される。
【0032】
図1A図1B図2A及び図2Bの実施形態では、殺菌手段118は、チャンバ120を備える。チャンバ120は、チャンバ120を包囲するチャンバ本体122を備える。チャンバ本体は、内側フラップ126によって密封された内側アパーチャ124を有する。フラップ126が開いているとき、容積140は、アパーチャ124を介してチャンバ120に流体接続されている。内側フラップ126は、加圧水がヘッド100を通って流れると、強制的にフラップ126を閉じさせることになり、他方で、加圧水の流れがないときには、結果的にフラップ126が開くことになるように、チャンバ本体に取り付けられる。
【0033】
チャンバ本体122は、外側扉130を用いて密封可能に閉じられる外部アパーチャ128をさらに備える。外側扉は、チャンバ120の内部に置かれる殺菌性材料132を満たすこと又は補給することを可能にするために、開閉されることができるように、形成される。殺菌性材料132の非制限的な例には、オゾン(O3)、臭素、塩素、及び次亜塩素酸塩が含まれる。殺菌性材料132は、固体又は液体の形態で提供されてもよい。殺菌性材料132は、殺菌性材料132が交換されることが必要となる前に、殺菌を長期間提供することを可能にする形態で提供される。殺菌性材料132は、交換が必要となる前に、1~12ヵ月間機能すれば好ましい。残存水内の塩素殺菌剤の濃度は、0.8ppmから3ppmまでの間であれば好ましい。随意的に、殺菌性材料及び/又は方法の組合せが、用いられる。非制限的な例として、塩素錠剤が、紫外線と組み合わされる場合もある。
【0034】
内側アパーチャ124が、内容積140と流体連通していて、一方同時に、殺菌性材料132を交換するためのチャンバ120に出入りすることができるように、外側アパーチャ128がヘッド100の外側から出入可能であるように、チャンバ120は、シャワーヘッド100の中に取り付けられる。
【0035】
作動中、図1Aに示されるように、加圧水は、矢印150で示す方向に入水口108を通ってヘッド100の中に流れ込む。加圧水は、容積140を満たして、水が、矢印152によって示される方向に出水口104を介してヘッド100から流出するように、弁110のダックビル116を強制的に開かせる。ヘッド100を通る加圧水の流れが存在することで、フラップ126は、押されて閉位置になり、容積140の中の水が、チャンバ120と連通しなくなる。
【0036】
図1Bに示されるように、例えばヘッド100より上流の蛇口(図示せず)によって、加圧水が閉ざされるときには、水は、ヘッド100の中に流れなくなる。弁110のダックビル116は閉じ、水は、容積140の中に保持されて、残存水を構成する。それから、残存水は、細菌の増殖を防止するために、殺菌剤に晒されることが可能になる。加えて、空気は、出水口110に入ることができず、従って、空気/水混合が、提供されることはなく、細菌増殖は阻止される。加圧水がなくなることで、結果的にフラップ126は開き、容積140及びチャンバ120が流体連通することになる。殺菌性材料132は、容積140の水に混入して、水中にいる可能性がある病原体を殺す。水と殺菌性材料132との混合を多くする又は少なくすることができるように、アパーチャ124は、より大きく、又はより小さく構成され得る。アパーチャ124は、容積140内の残存水における殺菌性材料132の共同歩調を調節するために調節可能であれば好ましい。随意的に、調節は、扉130の隣に置かれる調節レバー(図示せず)によって提供される。
【0037】
加圧水流が再開されるとき、図1Aに示されるように、水は、矢印150で示されるような方向に入水口108を通ってヘッド100の中に再び流れ込む。すでに容積140にある水は、水が、矢印152によって示される方向に出水口104を介してヘッド100から流出するように、弁110のダックビル116を押して開かせる加圧流に加えられる。容積140内に水が存在していること、及び加圧水が存在するときだけダックビルが開くことで、容積140の内部で気泡が生み出されることは防止される。ヘッド100を通る加圧水の流れが存在することで、フラップ126は、再び押されて閉位置になり、容積140の中の水が、チャンバ120と連通しなくなり、殺菌剤材料132は、流れる水に放出されなくなる。
【0038】
次に、本発明の少なくともいくつかの実施形態によるシャワーヘッドの例示的な説明図である図2A図2Bを参照する。図2A及び図2Bの実施形態は、弁110を除いて、図1A及び図1Bの実施形態と同一である。図2A及び図2Bに示されるように、使用されている弁は、傘状弁である。弁110は、エストラマ材料から形成されている。弁110は、ヘッド基部106に密封可能に取り付けられるフランジ112を備える。傘117は、選択的に、図2Aに示されるように加圧水が出水口104を介してヘッド100から流れ出ることを可能にする、又は加圧水がヘッド100に流れ込まないときに、出水口104を密封する。従って、図2A及び図2Bの弁110は、残存水が、上記のように殺菌手段118によって殺菌されることができるように、残存水を容積140の中に保持して、図1A及び図1Bの弁と同じ結果を提供する。
【0039】
次に、本発明の少なくともいくつかの実施形態によるシャワーヘッドの例示的な説明図である図3Aから図3Bを参照する。図3A及び図3Bは、殺菌手段118の代替実施形態を備えた、図1Aのシャワーヘッドを図示する。
【0040】
図3Aに示されるように、殺菌手段118は、紫外線(UV)光180と、マイクロフィルタ184と、ポンプ188と、流れ検出器182とを備える。紫外線光180及びポンプ188は、電源(図示せず)を備える。流れ検出器182が、容積140の中で水の流れを検出すると、光180及びポンプ188は、電力を節約するためにオフにされる。流れ検出器182が、水がヘッド100を通って流れていないときのように、流れが存在しないと検出すると、ポンプ188は、水を矢印186によって示される方向に殺菌手段118の中に引き入れるように作動される。流れが存在しないとき、さらに紫外線光180も作動される。従って、ポンプ188は、水を容積140から殺菌手段118の中に引き入れて、紫外線光180及びマイクロフィルタ184に通し、それによって容積140内の残存水を殺菌する。電池などの電源は、外側扉130を介して交換、又は充電されることができる。加えて、マイクロフィルタ184は、外側扉130を介して掃除、又は交換されることができる。随意的に、図3Aに示される実施形態は、マイクロフィルタ184を備えずに、紫外線光180だけを備えている、又は紫外線光180を備えずに、マイクロフィルタ184だけを備えている。
【0041】
図3Bに示されるように、殺菌手段118は、チャンバ120を包囲するチャンバ本体122を含むチャンバ120を備える。チャンバ本体は、内側扉又はノズル190によって密封された内側アパーチャ124を有する。ノズル190が開いているとき、容積140は、アパーチャ124を介してチャンバ120に流体接続されている。内側ノズル190は、加圧水がヘッド100を通って流れるときには、強制的にフラップ190を閉じさせることになり、他方で、加圧水の流れがないときには、結果的にノズル190が開くことになるように構成される。
【0042】
チャンバ本体122は、外側扉130を用いて密封可能に閉じられる外部アパーチャ128をさらに備える。外側扉は、チャンバ120の内部に置かれる殺菌性材料132を満たすこと又は補給することを可能にするために、開閉されることができるように形成される。液体殺菌性材料132は、殺菌性材料132の交換が必要となる前に、殺菌を長期間提供することを可能にする形態で提供される。殺菌性材料132は、交換が必要となる前に、1~12ヵ月間機能すれば好ましい。
【0043】
内側アパーチャ124が、内容積140と流体連通していて、一方同時に、殺菌性材料132を交換するためにチャンバ120に出入りすることができるように、外側アパーチャ128がヘッド100の外側から出入可能であるように、チャンバ120は、シャワーヘッド100の中に取り付けられる。
【0044】
次に、本発明の少なくともいくつかの実施形態によるシャワーヘッドの例示的な説明図である図4を参照する。図4は、ヘッド100に連結された管402を殺菌する延長管を備えた、前述の実施形態のいずれかのシャワーヘッドを図示する。
【0045】
図4に示されるように、管402は、遠位端部でヘッド入水口108に連結されている。管402は、近位端部で給水栓406に連結されている。内側管404は、遠位端部で殺菌手段118に連結されている。内側管404の近位端部は、開いていて、管402の内部の水と流体連通している。
【0046】
殺菌手段118は、ポンプ188と、流れ検出器182とを備える。殺菌手段118は、上で示した実施形態で説明したように、殺菌性材料、紫外線光、又はマイクロフィルタなどの、殺菌の仕組みのいずれかをさらに備える。ポンプ188は、電源(図示せず)を備える。流れ検出器182が、容積140の中の水の流れを検出すると、ポンプ188は電力を節約するためにオフにされる。流れ検出器182が、水がヘッド100を通って流れていないときのように、流れは存在していないと検出するとき、ポンプ188は、作動されて、水を矢印408によって示される方向に殺菌手段118の中に引き入れる。
【0047】
給水栓406が閉じられて、ヘッドを通る水流が、停止されると、弁110は、上記のように閉じて、容積140中の残存水を生み出す。残存水は、広がって、さらに、管402の中の容積440の中にもとどまる。ポンプ188によって駆動されると、水は、従って、矢印408で示されるように、循環することになり、殺菌手段118を通って、内側管404を通って、管404の近位端部から出て、管402を通って容積140に戻る。従って、容積140、440の中、及び内側管404の中の残存水は全て、殺菌されることになる。
【0048】
上記した方法と装置は、ステップを省略又は追加する、ステップの順序及び使用される装置の型を変更するなど、いろいろな点で変更されてもよいことを理解されるべきである。さまざまな特徴が、さまざまな方法で組み合わされてもよいことを理解されるべきである。特に、具体的な実施形態において上記したすべての特徴が、本発明のあらゆる実施形態において必要であるわけではない。上記の特徴の別の組合せも同様に、本発明のいくつかの実施形態の範囲内であるとみなされる。
【0049】
従って、図1A図1B図2A図2B図3A、及び図3Bの実施形態の組合せが、可能である。非限定的例として、図2Aの弁が、図3Bのチャンバと組み合わされてもよい。随意的に、他のこのような組合せが、可能である。
【0050】
本発明は、限られた数の実施形態に関して記載されていたが、本発明について多くの変型、変更、及び他の応用が行われてもよいことを理解されたい。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4