(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-24
(45)【発行日】2022-06-01
(54)【発明の名称】物性値予測方法、物性値予測システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G01N 23/2251 20180101AFI20220525BHJP
G01N 21/17 20060101ALI20220525BHJP
【FI】
G01N23/2251
G01N21/17 A
(21)【出願番号】P 2021206742
(22)【出願日】2021-12-21
【審査請求日】2021-12-24
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000114488
【氏名又は名称】メック株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】504150450
【氏名又は名称】国立大学法人神戸大学
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】赤木 雅子
(72)【発明者】
【氏名】ハスコエ トリスタン
(72)【発明者】
【氏名】トウ セツコウ
【審査官】嶋田 行志
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-135199(JP,A)
【文献】特開2018-029568(JP,A)
【文献】特開2021-060457(JP,A)
【文献】特開2020-128900(JP,A)
【文献】特開2021-155984(JP,A)
【文献】特開2019-124539(JP,A)
【文献】国際公開第2020/262615(WO,A1)
【文献】特開2020-041290(JP,A)
【文献】特開2014-039504(JP,A)
【文献】特開2021-144402(JP,A)
【文献】特開2018-171039(JP,A)
【文献】特開2021-051380(JP,A)
【文献】国際公開第2020/116085(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0347526(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 23/00-G01N 23/2276
G01N 21/00-G01N 21/958
G01B 11/00-G01B 11/30
G02B 21/00-G02B 21/36
G01N 33/00-G01N 33/46
G01N 3/00-G01N 3/62
G06T 7/00
JSTPlus/JST7580/JSTChina(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
予測対象の素材を撮像した予測対象画像を取得し、
素材を撮像した画像を説明変数として
入力し前記素材に関する物性値を出力するように機械学習された予測モデルに対して、前記予測対象画像を入力して前記予測対象画像に写る前記素材に関する物性値を予測値として出力する
ことを含み、
前記予測モデルは、入力される画像から特徴量マップを出力する特徴量マップ出力部と、前記特徴量マップを前記予測値に変換する変換部と、を有し、
前記特徴量マップ出力部は、前記機械学習された学習モデルであり、
前記特徴量マップは、入力画像の縦ピクセルに対応するピクセル数と、入力画像の横ピクセルに対応するピクセル数とを乗算した数のピクセルを有するデータであり、各々の前記ピクセルが前記素材に関する物性値に関する特徴量を有し、
前記変換部は、前記特徴量マップを1つの数である前記予測値に変換する、物性値予測方法。
【請求項2】
撮像される前記素材は、表面処理を施した金属の表面、塗料の塗装面、メッキ処理した金属の表面、フィルムの表面、紙表面、及び成形加工された素材表面のいずれかである、請求項
1に記載の物性値予測方法。
【請求項3】
予測対象の素材を撮像した予測対象画像を取得する画像取得部と、
素材を撮像した画像を説明変数として
入力し前記素材に関する物性値を出力するように機械学習された予測モデルに対して、前記予測対象画像を入力して前記予測対象画像に写る前記素材に関する物性値を予測値として出力する予測部と、
を備え
、
前記予測モデルは、入力される画像から特徴量マップを出力する特徴量マップ出力部と、前記特徴量マップを前記予測値に変換する変換部と、を有し、
前記特徴量マップ出力部は、前記機械学習された学習モデルであり、
前記特徴量マップは、入力画像の縦ピクセルに対応するピクセル数と、入力画像の横ピクセルに対応するピクセル数とを乗算した数のピクセルを有するデータであり、各々の前記ピクセルが前記素材に関する物性値に関する特徴量を有し、
前記変換部は、前記特徴量マップを1つの数である前記予測値に変換する、物性値予測システム。
【請求項4】
撮像される前記素材は、表面処理を施した金属の表面、塗料の塗装面、メッキ処理した金属の表面、フィルムの表面、紙表面、及び成形加工された素材表面のいずれかである、請求項4又は5に記載の物性値予測システム。
【請求項5】
請求項1
又は2に記載の方法を1又は複数のプロセッサに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、機械学習を用いた物性値予測方法、物性値予測システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子基板は銅などの金属と樹脂の積層構造であり、電子基板の品質は、金属と樹脂界面の密着度に対応する。薬品で表面処理を施して粗面化した金属表面の形状を評価することで、電子基板の金属の密着度の評価が可能となる。評価項目の一つとして、例えば密着強度を計測することが挙げられるが、工数がかかるという問題がある。
【0003】
例えば、特許文献1には、機械学習を用いてゴム材料の物性値を推定することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記評価を簡素化するために、表面処理を施した金属の密着強度を機械学習により予測可能にできれば好ましいと考えられる。なお、表面処理を施した金属や密着強度に限定されず、素材の物性値を機械学習により予測可能にできれば好ましいと考えられる。
【0006】
本開示は、機械学習を用いて素材の物性値を予測可能な物性値予測方法、物性値予測システム及びプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の物性値予測方法は、予測対象の素材を撮像した予測対象画像を取得し、素材を撮像した画像を説明変数として前記素材に関する物性値を出力するように機械学習された予測モデルに対して、前記予測対象画像を入力して前記予測対象画像に写る前記素材に関する物性値を予測値として出力する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態の予測システム及び学習システムを示すブロック図。
【
図2】薬品処理後の銅箔を電子顕微鏡で撮像したSEM画像の一例を示す図。
【
図3】実施例1の予測値と実測値の組み合わせのデータをプロットした図。
【
図4】第1実施形態の予測システムが実行する処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<第1実施形態>
以下、本開示の第1実施形態を、図面を参照して説明する。
【0010】
[学習システム、予測システム]
第1実施形態の予測システム2(装置)は、予測モデル21を用いて、薬品で表面処理を施した金属(銅)の表面を撮像した画像に基づいて、金属の物性値(例えば密着強度)を予測する。学習システム1(装置)は、教師データを用いて予測モデル21を機械学習で構築する。
【0011】
図1に示すように、予測システム2は、画像取得部20と、予測部22と、を有する。学習システム1は、教師データD1と、予測モデル21を学習させる学習部10とを有する。教師データD1は、メモリ1bに記憶される。学習部10は、プロセッサ1aで実現される。画像取得部20及び予測部22は、プロセッサ2aで実現される。第1実施形態では、1つの装置におけるプロセッサ1a,2aが各部を実現しているが、これに限定されない。例えば、ネットワークを用いて各処理を分散させ、複数のプロセッサが各部の処理を実行するように構成してもよい。すなわち、1又は複数のプロセッサが処理を実行する。
【0012】
画像取得部20は、予測対象の素材を撮像した画像G1を取得する。第1実施形態では、画像取得部20は、表面処理した金属(銅)の表面を電子顕微鏡で撮像したSEM画像(グレースケール画像)を取得する。予測対象の素材を撮像した画像G1は、縦ピクセル数h×横ピクセル数wの画像データである。
【0013】
予測モデル21は、素材を撮像した画像(例えばSEM画像、カメラ画像)とその素材に関する物性値(例えば密着強度)とを関連付けた教師データD1を用いて、画像を説明変数として入力し素材に関する物性値を出力するように機械学習で構築されたモデルである。学習システム1の学習部10は、予測結果と教師データの実測値が一致するように、予測モデル21のパラメータを更新する。
図1において、教師データD1は、入力画像1~N(Nは学習用画像の数を示す)と、各々の入力画像1~Nに対応する実測値である物理量(X
1,X
2,…,X
N)とが対応付けられている。
【0014】
予測モデル21は、種々のモデルが利用可能であるが、第1実施形態では、予測モデル21は、入力画像から特徴量マップG2を出力する特徴量マップ出力部21aと、特徴量マップG2を物性値(Y)に変換する変換部21bとを有する。第1実施形態では、特徴量マップ出力部21aは、UNetを用いている。UNetは、U字型の畳み込みニューラルネットワーク(CNN:Convolutional Neural Network)ベースの学習モデルである。変換部21bは、GAP(Global Average Pooling)を用いている。特徴量マップG2は、入力画像G1の縦ピクセルhに対応するピクセル数h’と、入力画像の横ピクセルwに対応するピクセル数w’とを乗算した数のピクセル数を有するデータであり、各々のピクセルが特徴量を有する。変換部21bは、特徴量マップG2を1つの数である物理量(Y)に変換する。
【実施例】
【0015】
[実施例1]
実施例1は、入力画像G1を、薬品処理後の銅箔を電子顕微鏡で撮像したSEM画像とした例である。
図2は、SEM画像の一例を示す。SEM画像の撮像条件は、倍率は3500倍、チルト角が45度である。物理量は、密着強度[N/mm]とした。薬品Aを用いて銅表面を処理した例である。90枚の画像に対して90個の密着強度を計測した。90個のデータのうちの半数を学習用データとして使用し、残り半数のデータを予測に用いた。実測密着強度と予測値の平均二乗誤差が0.0008であった。
図3は、横軸が実測密着強度であり、縦軸が予測した密着強度であり、予測値と実測値の組み合わせのデータをプロットした図である。
【0016】
[実施例2]
実施例2は、実施例1と同様にSEM画像を入力画像G1とした。薬品Bを用いて銅表面を処理した例である。72枚の画像に対して72個の密着強度を計測した。72個のうちの半数を学習用データとし、残り半数を予測用データとした。実測密着強度と予測値の平均二乗誤差が0.0012であった。SEM画像の撮像条件は実施例1と同じである。
【0017】
[実施例3]
実施例3は、実施例1と同様にSEM画像を入力画像G1とした。薬品Cを用いて銅表面を処理した例である。39枚の画像に対して39個の密着強度を計測した。39個のうちの半数を学習用データとし、残り半数を予測用データとした。実測密着強度と予測値の平均二乗誤差が0.0021であった。SEM画像の撮像条件は実施例1と同じである。
【0018】
[実施例4]
実施例4は、実施例3のSEM画像を用いて、1枚のSEM画像から複数の物性値を推測するようにした例である。具体的には、1つのUNetの出力を複数クラスに設定することで、同一のUNetから複数の物性値を出力(計算)可能となる。複数の物性値は、密着強度、粗さパラメータ(Sdr、Sdq)である。密着強度を予測するための第1のUNetと、Sdrを予測するための第2のUNetと、Sdqを予測するための第3のUNetとを並列化した構成である。密着強度の平均二乗誤差が0.001であり、Sdrの平均二乗誤差が0.0003であり、Sdqの平均二乗誤差が0.0868であった。
【0019】
[実施例5]
実施例5は、薬品Dを用いて銅表面を処理した例である。入力画像G1が、SEM画像ではなく、光学カメラで撮像したカメラ画像である。カメラ画像は、黒色の背景を分離する処理のみを行っている。カメラ画像に含まれるRGB成分ごとに3つの単色画像に分け、3つの単色画像を予測モデル21に入力する。物性値は、表面粗さRa(算術平均)とした。960組のデータを用い、半数を教師データとし、残り半数を予測データに用いている。平均二乗誤差は0.0153であった。
なお、RGB成分を有するカメラ画像をグレースケール画像に変換して、グレースケール画像の強度(明度)を予測モデル21に入力することも可能である。グレースケール画像を入力した場合と、RGB成分ごとに3つの単色画像を入力した場合に特筆すべき違いが見受けられなかったので、実施例5では、RGB成分の方を用いた。
【0020】
[実施例6]
実施例6は、実施例5と同様にカメラ画像を入力画像G1としている。薬品Dを用いて銅表面を処理した例である。物性値は、CIE1976 明度指数L*とした。320組のデータを用い、半数を教師データとし、残り半数を予測データに用いている。平均二乗誤差は11.05であった。L*は、JISZ 8781-4に準拠している。
【0021】
[実施例7]
実施例7は、実施例5と同様にカメラ画像を入力画像G1としている。薬品Dを用いて銅表面を処理した例である。物性値は、CIE1976 色空間における色座標a*とした。320組のデータを用い、半数を教師データとし、残り半数を予測データに用いている。平均二乗誤差は0.0062であった。a*は、JISZ 8781-4に準拠している。
【0022】
[実施例8]
実施例8は、実施例5と同様にカメラ画像を入力画像G1としている。薬品Dを用いて銅表面を処理した例である。物性値は、CIE1976 色空間における色座標b*とした。320組のデータを用い、半数を教師データとし、残り半数を予測データに用いている。平均二乗誤差は0.1294であった。b*は、JISZ 8781-4に準拠している。
【0023】
[素材の物性値の予測方法]
上記予測システム2が実行する、素材の物性値の予測方法を、
図4を用いて説明する。
【0024】
まず、ステップST1において、画像取得部20は、予測対象の素材を撮像した予測対象画像を取得する。第1実施形態では、SEM画像かカメラ画像を取得する。次のステップST2,3において、取得した予測対象画像を予測モデル21に入力して素材に関する物性値を出力する。具体的には、ステップST2において、特徴量マップ出力部21aは、予測対象画像が入力されて特徴量マップG2を出力する。ステップST3において、変換部21bは、特徴量マップG2を素材に関する物性値に変換する。
【0025】
<変形例>
(1-1)
図1に示す実施形態において、予測モデル21は、特徴量マップG2を出力する特徴量マップ出力部21aで構成されているが、特徴量マップを出力せずに、物性値を出力するモデルであってもよい。例えば、ニューラルネットワークの一種であるResNetを使用してもよい。もちろん、画像を処理可能な非線形モデルであれば利用可能である。
【0026】
(1-2)上記実施形態において、物性値を予測する予測対象の素材は、薬品(エッチング剤、研磨液(化学、電解))などによる化学的反応処理により表面処理を施した金属(銅)の表面であるが、均一で微細な表面形状を持つ素材であれば、これに限定されない。例えば、研磨や圧延、レーザーなどの外力を作用させる機械加工処理により表面処理を施した金属表面であってもよい。各種顔料を分散・混合した塗料の塗装面であってもよい。またこの場合の塗料の性状(液体、粉体等)は限定されない。電解メッキ、無電解メッキ等によりメッキ処理した金属の表面であってもよい。添加剤を添加・分散させて成形加工を行ったフィルムの表面であってもよい。インク受容のための塗工層やその他機能性を与える塗工層を有した紙表面であってもよい。素材は限定されないが、カレンダー成形やエンボス成形等を用いて成形加工された素材表面であってもよい。
【0027】
(1-3)上記実施形態において、素材に関する物性値として、密着強度を挙げているが、これに限定されない。例えば、密着性、接合性、気密性、撥水性、撥油性、防汚性、摺動性、表面性(光沢、粗度)、色調、感触、熱物性、抗菌性、伝送損失に関する物性値であってもよい。
【0028】
(1-4)上記実施形態において、素材画像の対象としてSEM及びカメラにより取得した金属表面の画像を挙げているが、これに限定されない。波形やスペクトル、マッピンク画像、数字等、画像として取り込めるデータも対象となりえる。例として、顕微分光法(赤外、ラマン、UV-Vis等)やエネルギー分散型X線分光法(SEM-EDX)、また、非破壊検査に使用するような超音波検査により得られるスペクトルやそれを用いたマッピング画像等が挙げられる。
【0029】
以上のように、第1実施形態の物性値予測方法は、1又は複数のプロセッサが実行する方法であって、予測対象の素材を撮像した予測対象画像G1を取得し、素材を撮像した画像を説明変数として素材に関する物性値(Y)を出力するように機械学習された予測モデルに対して、予測対象画像G1を入力して予測対象画像G1に写る素材に関する物性値(Y)を予測値として出力する、としてもよい。
このように、機械学習された予測モデル21を用いて予測対象画像G1に写る素材(金属)に関する物性値を予測できるので、試験などで物性値を計測する場合に比べて、金銭コストや時間コストを削減可能となる。
【0030】
特に限定されないが、第1実施形態のように、予測モデル21は、入力される画像G1から特徴量マップG2を出力する特徴量マップ出力部21aと、特徴量マップG2を予測値に変換する変換部21bと、を有する、としてもよい。
これにより、特徴量マップG2から予測値が得られるので、予測モデル21が予測する根拠を特徴量マップG2で説明する試みが可能となる。
【0031】
特に限定されないが、第1実施形態のように、撮像される前記素材は、表面処理を施した金属の表面、塗料の塗装面、メッキ処理した金属の表面、フィルムの表面、紙表面、及び成形加工された素材表面のいずれかである、としてもよい。好適な一例である。
【0032】
第1実施形態に係るシステムは、上記方法を実行する1又は複数のプロセッサを備える。
第1実施形態に係るプログラムは、上記方法を1又は複数のプロセッサに実行させるプログラムである。
これらプログラムを実行することによっても、上記方法の奏する作用効果を得ることが可能となる。
【0033】
以上、本開示の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した実施形態の説明だけではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0034】
上記の各実施形態で採用している構造を他の任意の実施形態に採用することは可能である。各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【0035】
例えば、特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現できる。特許請求の範囲、明細書、および図面中のフローに関して、便宜上「まず」、「次に」等を用いて説明したとしても、この順で実行することが必須であることを意味するものではない。
【0036】
図1に示す各部は、所定プログラムを1又は複数のプロセッサで実行することで実現しているが、各部を専用メモリや専用回路で構成してもよい。上記実施形態のシステム1(2)は、一つのコンピュータのプロセッサ1a(2a)において各部が実装されているが、各部を分散させて、複数のコンピュータやクラウドで実装してもよい。すなわち、上記方法を1又は複数のプロセッサで実行してもよい。
【0037】
システム1(2)は、プロセッサ1a(2a)を含む。例えば、プロセッサ1a(2a)は、中央処理ユニット(CPU)、マイクロプロセッサ、またはコンピュータ実行可能命令の実行が可能なその他の処理ユニットとすることができる。また、システム1(2)は、システム1(2)のデータを格納するためのメモリ1b(2b)を含む。一例では、メモリ1b(2b)は、コンピュータ記憶媒体を含み、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリまたはその他のメモリ技術、CD-ROM、DVDまたはその他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージまたはその他の磁気記憶デバイス、あるいは所望のデータを格納するために用いることができ、そしてシステム1がアクセスすることができる任意の他の媒体を含む。
【符号の説明】
【0038】
G1…予測対象画像
G2…特徴量マップ
2…予測システム
20…画像取得部
21…予測モデル
21a…特徴量マップ出力部
21b…変換部
22…予測部
【要約】
【課題】機械学習を用いて素材の物性値を予測可能な物性値予測方法、システム及びプログラムを提供する。
【解決手段】物性値予測方法は、予測対象の素材を撮像した予測対象画像G1を取得し、素材を撮像した画像を説明変数として素材に関する物性値(Y)を出力するように機械学習された予測モデルに対して、予測対象画像G1を入力して予測対象画像G1に写る素材に関する物性値(Y)を予測値として出力する。
【選択図】
図1