(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-24
(45)【発行日】2022-06-01
(54)【発明の名称】空調機のドレン排水管
(51)【国際特許分類】
F24F 13/22 20060101AFI20220525BHJP
F16L 11/20 20060101ALI20220525BHJP
【FI】
F24F1/0007 361B
F24F1/02 371B
F24F13/22 222
F16L11/20
(21)【出願番号】P 2018131854
(22)【出願日】2018-07-11
【審査請求日】2021-06-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000114994
【氏名又は名称】エバック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103975
【氏名又は名称】山本 拓也
(72)【発明者】
【氏名】永吉 清治
【審査官】町田 豊隆
(56)【参考文献】
【文献】実開平04-129217(JP,U)
【文献】特開2004-225525(JP,A)
【文献】実開平06-040574(JP,U)
【文献】実開昭48-002262(JP,U)
【文献】実開昭58-192315(JP,U)
【文献】実開平06-014297(JP,U)
【文献】実開昭58-011632(JP,U)
【文献】実開昭54-109250(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 1/0007
F24F 13/22
F16L 11/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端開口部を空調機のドレン導出口側に接続するための接続口部に形成していると共に他端開口部を引出口部に形成している合成樹脂製の直管と、この直管内に上記引出口部から引き出し可能に収納された合成樹脂製の可撓ホースとからなり、この可撓ホースの一端開口部を上記直管の他端部に形成している引出口部の内周面に抜け止め状態に係止する大径口部に形成していると共に他端開口部を排水口部に形成してあり、この可撓ホースを上記直管の引出口部から引き出した際の直管の一端から可撓ホースの排水口部までの長さが施工すべき長さとなるように形成していることを特徴とする空調機のドレン排水管。
【請求項2】
接続口を設けている直管の一端部において、接続口の基端に連なる管部を可撓管部に形成していることを特徴とする請求項1に記載の空調機のドレン排水管。
【請求項3】
合成樹脂製の外側直管と、この外側直管内に引出し可能に収納された合成樹脂製の内側直管と、この内側直管内に引出し可能に収納された合成樹脂製の可撓ホースとからなる空調機のドレン排水管であって、上記外側直管は一端開口部を空調機のドレン導出口側に接続するための接続口部に形成していると共に他端開口部を上記内側直管の引出口部に形成してあり、内側直管は一端開口部を上記外側直管の他端に設けている上記引出口部の内面に抜け止め状態に係止する大径口部に形成していると共に他端開口部を上記可撓ホースの引出口部に形成してあり、さらに、上記可撓ホースは一端開口部を上記内側直管の他端に設けている上記引出口部の内面に抜け止め状態に係止する大径口部に形成していると共に他端開口部を排水口部に形成していることを特徴とする空調機のドレン排水管。
【請求項4】
接続口部を設けている外側直管の一端部において、接続口部の基端に連なる管部を可撓管部に形成していることを特徴とする請求項3に記載の空調機のドレン排水管。
【請求項5】
合成樹脂製の直管と、この直管の一半部内に引出し可能に収納された合成樹脂製の第一可撓ホースと、上記直管の他半部内に引出し可能に収納された合成樹脂製の第二可撓ホースとからなる空調機のドレン排水管であって、上記直管はその一端開口部を上記第一可撓ホースの引出口部に形成し、他端開口部を上記第二可撓ホースの引出口部に形成してあり、上記第一可撓ホースはその一端開口部を空調機のドレン導出口側に接続するための接続口部に形成し、他端開口部を上記直管の一端側の引出口部に抜け止め状態に係止する大径口部に形成してあり、さらに、上記第二可撓ホースは、その一端開口部を上記直管の他端側の引出口部に抜け止め状態に係止する大径係止部に形成し、他端開口部を排水口部に形成していることを特徴とする空調機のドレン排水管。
【請求項6】
合成樹脂製の外側直管と、この外側直管内に引出し可能に収納された合成樹脂製の内側直管と、この内側直管の一半部内に引出し可能に収納された合成樹脂製の第一可撓ホースと、上記内側直管の他半部内に引出し可能に収納された合成樹脂製の第二可撓ホースとからなる空調機のドレン排水管であって、上記外側直管はその一端開口部を上記第一可撓ホースの引出口部に形成し、他端開口部を上記内側直管の引出口部に形成してあり、上記内側直管はその一端開口部を上記外側直管の他端開口部に形成している引出口部の内周面に抜け止め状態に係止する大径口部に形成し、他端開口部を上記第二可撓ホースの引出口部に形成してあり、さらに、上記第一可撓ホースはその一端開口部を空調機のドレン導出口側に接続するための接続口部に形成し、他端開口部を上記外側直管の一端開口部に形成している引出口部の内周面に抜け止め状態に係止する大径口部に形成し、上記第二可撓ホースはその一端開口部を上記内側直管の他端開口部に形成している引出口部の内周面に抜け止め状態に係止する大径口部に形成し、他端開口部を排水口部に形成していることを特徴とする空調機のドレン排水管。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の外壁面等に沿って配設され、その上端を室内の空調機に接続して空調機から生じるドレンを室外に排出するためのドレン排水管に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、空調機を使用することによって発生するドレンを空調機側から屋外の排水溝等にまで導いて排出ための排水管としては、特許文献1に記載されているように、低密度ポリエチレン等からなる長尺の軟質合成樹脂管より形成されたものが使用されている。
【0003】
具体的には、上記長尺の軟質合成樹脂管には、50cm或いは1mの長さ間隔毎に、内外周面が平滑な接続口形成用管部が設けられてあり、施工現場において管端から施工長さに相当する部分に存在する上記接続口用管部をその長さ方向の中央部からカッタによって分断することにより一定長さの排水管を得、この排水管における上記接続口用管部を二分割することによって形成された接続口部を空調機側に接続することによって施工されている。
【0004】
なお、一定長さ毎に切断することによって所定長さの排水管を得ることができる上記長尺の軟質合成樹脂管は通常、数十メートル、例えば、50メートルもの長さを有し、巻回された状態にして収納箱に収納されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載の排水管を形成するための長尺軟質合成樹脂管は上述したように、巻回状態にして収納箱内に収納されているため、施工現場への運搬や取扱性に難点を有するばかりでなく、施工現場において、収納箱から長尺の軟質合成樹管を所定長さだけ引き出して施工長さを有する上記排水管に切断する作業を必要とし、施工に手間を要するといった問題点があった。
【0007】
さらに、収納箱内に収納されている上記長尺軟質合成樹脂管は、巻き癖がついているために、この長尺軟質合成樹脂管を所定長さ、切断することによって得られた上記排水管は湾曲した形態となっていて施工した際に外観を損することなり、空調機から建物の外壁に沿って下方に垂下する排水管をカバーを使用して真っ直ぐに施工する作業を行う場合においても、手間を要するといった問題点があった。
【0008】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、運搬や取扱いが容易であるばかりでなく、施工現場において切断などの作業を必要とすることなく簡単且つ精度よく施工することができ、優れた外観を呈する空調機のドレン排水管を提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために本発明の空調機のドレン排水管は、請求項1に記載したように、一端開口部を空調機のドレン導出口側に接続するための接続口部に形成していると共に他端開口部を引出口部に形成している合成樹脂製の直管と、この直管内に上記引出口部から引き出し可能に収納された合成樹脂製の可撓ホースとからなり、この可撓ホースの一端開口部を上記直管の他端部に形成している引出口部の内周面に抜け止め状態に係止する大径口部に形成していると共に他端開口部を排水口部に形成してあり、この可撓ホースを上記直管の引出口部から引き出した際の直管の一端から可撓ホースの排水口部までの長さが施工すべき長さとなるように形成していることを特徴とする。
【0010】
このように構成した断熱ホースにおいて、請求項2に係る発明は、接続口を設けている直管の一端部において、接続口の基端に連なる管部を可撓管部に形成していることを特徴とする。
【0011】
請求項3に係る発明は、合成樹脂製の外側直管と、この外側直管内に引出し可能に収納された合成樹脂製の内側直管と、この内側直管内に引出し可能に収納された合成樹脂製の可撓ホースとからなる空調機のドレン排水管であって、上記外側直管は一端開口部を空調機のドレン導出口側に接続するための接続口部に形成していると共に他端開口部を上記内側直管の引出口部に形成してあり、内側直管は一端開口部を上記外側直管の他端に設けている上記引出口部の内面に抜け止め状態に係止する大径口部に形成していると共に他端開口部を上記可撓ホースの引出口部に形成してあり、さらに、上記可撓ホースは一端開口部を上記内側直管の他端に設けている上記引出口部の内面に抜け止め状態に係止する大径口部に形成していると共に他端開口部を排水口部に形成していることを特徴とする。
【0012】
このように構成した断熱ホースにおいて、請求項4に係る発明は、接続口部を設けている外側直管の一端部において、接続口部の基端に連なる管部を可撓管部に形成していることを特徴とする。
【0013】
請求項5に係る発明は、合成樹脂製の直管と、この直管の一半部内に引出し可能に収納された合成樹脂製の第一可撓ホースと、上記直管の他半部内に引出し可能に収納された合成樹脂製の第二可撓ホースとからなる空調機のドレン排水管であって、上記直管はその一端開口部を上記第一可撓ホースの引出口部に形成し、他端開口部を上記第二可撓ホースの引出口部に形成してあり、上記第一可撓ホースはその一端開口部を空調機のドレン導出口側に接続するための接続口部に形成し、他端開口部を上記直管の一端側の引出口部に抜け止め状態に係止する大径口部に形成してあり、さらに、上記第二可撓ホースは、その一端開口部を上記直管の他端側の引出口部に抜け止め状態に係止する大径係止部に形成し、他端開口部を排水口部に形成していることを特徴とする。
【0014】
請求項6に係る発明は、合成樹脂製の外側直管と、この外側直管内に引出し可能に収納された合成樹脂製の内側直管と、この内側直管の一半部内に引出し可能に収納された合成樹脂製の第一可撓ホースと、上記内側直管の他半部内に引出し可能に収納された合成樹脂製の第二可撓ホースとからなる空調機のドレン排水管であって、上記外側直管はその一端開口部を上記第一可撓ホースの引出口部に形成し、他端開口部を上記内側直管の引出口部に形成してあり、上記内側直管はその一端開口部を上記外側直管の他端開口部に形成している引出口部の内周面に抜け止め状態に係止する大径口部に形成し、他端開口部を上記第二可撓ホースの引出口部に形成してあり、さらに、上記第一可撓ホースはその一端開口部を空調機のドレン導出口側に接続するための接続口部に形成し、他端開口部を上記外側直管の一端開口部に形成している引出口部の内周面に抜け止め状態に係止する大径口部に形成し、上記第二可撓ホースはその一端開口部を上記内側直管の他端開口部に形成している引出口部の内周面に抜け止め状態に係止する大径口部に形成し、他端開口部を排水口部に形成していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に係る発明によれば、空調機のドレン排水管は、一端開口部を空調機のドレン導出口側に接続するための接続口部に形成していると共に他端開口部を引出口部に形成している合成樹脂製の直管と、この直管内に引き出し可能に収納され、一端開口部を上記直管の他端に設けている引出口部の内周面に係止する大径口部に形成し、他端開口部を排水口部に形成した合成樹脂製の可撓ホースとからなるので、施工前においては、可撓ホースを収納している直管を複数本、束ねた状態にして整然と保管しておくことができるのは勿論、施工する際には、施工現場までの運搬が手軽に行うことができると共に施工現場における取扱いが容易となる。
【0016】
さらに、施工する際には、直管を把持してその一端に設けている接続口部を上向きにし、室内に空調機を配設している建物の外壁面等に沿わせながら上記接続口部を空調機のドレン導出口側に接続する排水管施工作業が短時間で簡単に行うことができると共に、直管内に収納している可撓ホースを直管における下方に向けている引出口部から引き出してその大径口部を直管の下方に向けている引出口部の内周面に係止させることによって直管の下端から可撓ホースが真っ直ぐに垂下した外観的に優れた排水管を施工することができ、その上、直管から垂下した可撓ホースの下端部を適宜に屈曲させて排水溝等に簡単に配管することができる。
【0017】
また、請求項2に記載したように、直管の一端部に設けた接続口部の基端に連なる管部を可撓管部に形成しておくことによって、空調機のドレン導出口の位置に対して建物の外壁面に沿って配管すべき上記直管の接続口部が左右方向にズレていても、或いは,上記ドレン導出口がこのドレン導出口を外部に導出するための空調機の背面側の建物壁体部に貫設した貫通孔内に位置していても、直管の上記可撓管部を撓ませてその接続口部を簡単に且つ精度よく上記ドレン導出口に接続することができる。
【0018】
請求項3に記載のドレン排水管によれば、施工前には外側直管内に内側直管を収納し、内側直管内に可撓ホースを収納した状態にして上記請求項1に記載したドレン排水管と同様に、複数本束ねた状態にして整然と保管しておくことができると共に、施工時には施工現場までの運搬や施工現場における取扱いが容易となる。
【0019】
さらに、施工時には、外側直管の一端に設けている接続口部を上向きにし、室内に空調機を配設している建物の外壁面等に沿わせながら上記接続口部を空調機のドレン導出口側に接続すると共に外側直管内から可撓ホースと内側直管を下方に引き出して内側直管の大径口部を外側直管の下側に向けている引出口の内周面に係止させ、可撓ホースの大径口部を内側直管の下側に向けている引出口の内周面に係止させることによってドレン排水管が伸長し、空調機内のドレンを建物外に排出することができる排水管を短時間の施工作業でもって簡単に且つ見栄えよく施工することができる。
【0020】
また、請求項4に係る発明のように、接続口部を設けている外側直管の一端部における接続口部の基端に連なる管部を可撓管部に形成しておくことによって、空調機のドレン導出口の位置に対して建物の外壁面に沿って配管すべき上記直管の接続口部が左右方向にズレていても、或いは,上記ドレン導出口がこのドレン導出口を外部に導出するための空調機の背面側の建物壁体部に貫設した貫通孔内に位置していても、直管の上記可撓管部を撓ませてその接続口部を簡単に且つ精度よく上記ドレン導出口に接続することができる。
【0021】
請求項5に係る発明によれば、施工前には直管の一半部内と他半部内に第一可撓ホースと第二可撓ホースをそれぞれ収納した状態にしておくことによって取扱が容易な長さとなり、複数本束ねた状態にして整然と保管しておくことができると共に、施工時には施工現場までの運搬等が容易となる。
【0022】
さらに、施工時には、直管の一端側の引出口部から第一可撓ホースを引き出してこの第一可撓ホースの一端に設けている接続口部を上向きにし、室内に空調機を配設している建物の外壁面等に沿わせながら上記接続口部を空調機のドレン導出口側に接続すると共に直管の上記上側に向けている引出口部の内周面に上記第一可撓ホースの下側に向けている大径口部を係止させ、直管の下側に向けている引出口部から第二可撓ホースを引き出してその大径口部を上記下側に向けている引出口部の内周面に係止させることによってドレン排水管が全長に亘って伸長して、空調機内のドレンを建物外に排出することができる真っ直ぐな外観的にも優れた排水管を短時間の施工作業でもって簡単に施工することができ、また、第二可撓ホースの下端部を適宜に屈曲させてその排水口部を排水溝等に簡単に配管することができる。
【0023】
その上、直管から上方に引き出した第一可撓ホースの上端接続口部を空調機のドレン導出口に接続するように構成しているので、空調機のドレン導出口の位置に対して接続口部が左右方向にズレていても、或いは,上記ドレン導出口がこのドレン導出口を外部に導出するための空調機の背面側の建物壁体部に貫設した貫通孔内に位置していても、第一可撓ホースの上端部を撓ませてその接続口部を簡単に且つ精度よく上記ドレン導出口に接続することができる。
【0024】
請求項6に係る発明によれば、施工前には外側直管内に内側直管を収納し、内側直管の一半部内と他半部内に第一可撓ホースと第二可撓ホースをそれぞれ収納した状態にしておくことによって取扱が容易な長さとなり、複数本束ねた状態にして整然と保管しておくことができると共に、施工時には施工現場までの運搬等が容易となる。
【0025】
さらに、施工時には、外側直管の一端側の引出口部から第一可撓ホースを引き出してこの第一可撓ホースの一端に設けている接続口部を上向きにし、室内に空調機を配設している建物の外壁面等に沿わせながら上記接続口部を空調機のドレン導出口側に接続すると共に外側直管の上記上側に向けている引出口部の内周面に上記第一可撓ホースの下側に向けている大径口部を係止させ、さらに、外側直管の下側に向けている引出口部から内側直管を引き出してその大径口部を外側直管の下側に向けている上記引出口部の内周面に係止させると共に、内側直管から第二可撓ホースを引き出してその大径口部を内側直管の下側に向けている引出口部の内周面に係止させることによってドレン排水管が全長に亘って伸長し、空調機内のドレンを建物外に排出することができる真っ直ぐな外観的にも優れた排水管を短時間の施工作業でもって簡単に施工することができる。
【0026】
その上、内側直管から垂下している上記第二可撓ホースの下端部を適宜に屈曲させてその排水口部を排水溝等に簡単に配管することができる。
【0027】
また、外側直管から上方に引き出した第一可撓ホースの上端接続口部を空調機のドレン導出口に接続するように構成しているので、空調機のドレン導出口の位置に対して接続口部が左右方向にズレていても、或いは,上記ドレン導出口がこのドレン導出口を外部に導出するための空調機の背面側の建物壁体部に貫設した貫通孔内に位置していても、第一可撓ホースの上端部を撓ませてその接続口部を簡単に且つ精度よく上記ドレン導出口に接続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】直管内に可撓ホースを収納した状態の本発明ドレン排水管の一部を切除した縦断側面図。
【
図2】直管内から可撓ホースを引き出した状態の一部を省略した縦断側面図。
【
図4】一端管部を可撓管部に形成した状態の一部の縦断側面図。
【
図5】内外直管と可撓ホースとからなる本発明ドレン排水管の一部を切除した状態の縦断側面図。
【
図6】外側直管から内側直管と可撓ホースとを引き出した状態の一部を省略した縦断側面図。
【
図8】直管内に二本の可撓ホースを収納した状態の本発明ドレン排水管の一部を切除した状態の縦断側面図。
【
図9】直管から二本の可撓ホースを相反する方向に引き出した状態の一部を省略した縦断側面図。
【
図11】外側直管内に内側直管と二本の可撓ホースとを収納した状態の本発明ドレン排水管の一部を省略した縦断側面図。
【
図12】外側直管から内側直管と二本の可撓ホースを引き出した状態の一部を省略した縦断側面図。
【発明を実施するための形態】
【0029】
次に、本発明の具体的な実施の形態を図面について説明すると、
図1において、ドレン排水管Aは、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂材料からなる直管1と、この直管1と同質合成樹脂材料からなり、直管1内にこの直管1から引出し可能に収納されている可撓性を有するホース(以下、可撓ホース2とする)とから構成されている。
【0030】
上記直管1はその内外周面が全長に亘って平滑な面に形成されていると共に管壁の厚みを全長に亘って同一厚みに形成されてあり、さらに、一端開口部を中心に向かって縮径させて空調機Cに接続しているドレン導出用短管D(
図3に示す)の先端のドレン導出口に接続するための短筒形状の接続口部3に形成していると共に、他端開口部は中心(内方)に向かって屈曲させて直管1の内径よりも小径の上記可撓ホース2の引出口部4に形成されている。
【0031】
一方、上記可撓ホース2はコルゲート管からなり、その一端開口部を除く外径を上記直管1の他端に形成している引出口部4の開口径よりも小径に形成されている一方、一端開口部は上記直管1の引出口部4よりも大径で直管1の内径よりも小径、または、直管1の内周面にその開口端部の外周面が摺接することができる外径を有する大径口部5に形成されていて、この大径口部5の背面側の外周面を、直管1の上記引出口部4から可撓ホース2を引き出した際に引出口部4の内周面4aに抜け止め状に係止する係止面5aに形成されている。
【0032】
さらに、上記可撓ホース2の一端開口部に設けている大径口部5の背面によって形成している係止面5aは、上記直管1の他端開口部に設けている上記引出口部4の内周面に全面に亘って水密状態に密着するように形成していると共に、この可撓ホース2の他端開口部は可撓ホース2のコルゲート管部よりも小径で、且つ、内外周面が平滑な面に形成された排水口部6に形成されている。
【0033】
上記可撓ホース2の長さは、この実施例図においては、直管1の長さよりも直管1の上記接続口部3の長さに略相当する長さだけ短い長さに形成されていて可撓ホース2の上記大径口部5を直管1の接続口部3側に向け、排水口部6を引出口部4側に向けて引出口部4から外部に臨ませた状態にして直管1内に可撓ホース2を収納しているが、直管1を可撓ホース2と略同一長さにして可撓ホース2の上記排水口部6を直管1の上記引出口部4から外部に突出させた状態となるように収納しておいてもよい。
【0034】
なお、直管1内に収納している可撓ホース2を直管1の他端側に設けている上記引出口部4から直管1を延長する方向に引き出してその大径口部5の係止面5aを直管1の引出口部4の内周面に係止させた際におけるこの直管1と可撓ホース2とからなるドレン排水管Aの長さ、即ち、直管1の一端側に設けている接続口部3から可撓ホース2の他端側に設けている接続口部3までの長さは、
図3に示すように、空調機Cのドレン導出用短管Dの先端導出口から建物Bの外壁を垂直状に伝って外壁下端側に設けている排水溝等の排水路に達するまでの施工長さ(略2メートル)に相当する長さに形成されている。
【0035】
また、空調機Cを取付けている壁体Wには、空調機Cの背面側の壁体W部分を貫通して屋外に向かって開口した貫通孔Eが設けられてあり,空調機Cに接続して空調機Cに発生するドレンを外部に排出するための上記ドレン導出用短管Dは、上記貫通孔E内を通じてその先端導出口を建物B側に突出させている。
【0036】
上記のように構成した空調機のドレン排水管Aは、施工前においては、
図1に示すように直管1内に可撓ホース2を、その大径口部5が直管1の接続口部3に連なる端部内周面に達した収納状態にして保管されている。この場合、直管1内に可撓ホース2を収納してなる排水管Aを複数本、束ねた状態にして整然と保管しておくことができる。
【0037】
施工に際しては、一本ないしは数本の排水管Aを施工現場まで搬送し、施工現場において、直管1を把持しながらこの直管1の一端に設けている接続口部3を上向きとなるように直管1を縦方向に向けて、この接続口部3を、建物Bの壁体Wに貫設した上記貫通孔Eに室内側から屋外に向かって挿通している空調機Cのドレン導出用短管Dのドレン導出口に嵌合等によって接続する。
【0038】
さらに、直管1内に収納している可撓ホース2を直管1の下方に向けている引出口部4から直管1を延長する方向に下方に引き出す。この引き出し作業は、
図2に示すように、可撓ホース2の一端側(
図3においては上端側)に設けている大径口部5の係止面5aが直管1の他端側(
図3においては下端側)に設けている引出口部4の内周面に抜け止め状態に係止するまで行われる。
【0039】
このようにドレン排水管Aを全長に亘って伸長させてドレン排水管Aが空調機Cのドレン導出口側から建物の外壁面に沿って外壁面の下端にまで真っ直ぐに垂下した状態で施工され、直管1の下端から連続している可撓ホース2の下端部を適宜に屈曲させて排水溝等の排水路にその先端部の排水口部6を臨ませた状態に配管することによってドレン排水管Aの施工工事が完了する。なお、直管1からの可撓ホース2の引き出しは、直管1の接続口部3を空調機Bのドレン排出用短管Cに接続する前に行っておいてもよい。
【0040】
このように施工されたドレン排水管Aによれば、空調機Cから排出されるドレンは、ドレン排出用短管D内を通じてこのドレン排出用短管Dの排出口に接続している直管1の接続口部3内に流出し、さらに、この接続口部3から直管1内を流下すると共に直管1の下端の引出口部4の内周面に水密状態に密着、係止している可撓ホース2の大径口部5内を通じてこの可撓ホース2内を流下し、可撓ホース2の下端排水口部6から排水溝等の排水路に排出される。
【0041】
なお、上記ドレン排水管Aにおいては、直管1の内外周面を全長に亘って平滑な面に形勢しているが、
図4に示すように、直管1の一端部において、接続口部3の基端に連なる接続口部3から他端側の管部を蛇腹形状、或いは、コルゲート管壁形状の可撓管部1aに形成しておいてもよい。
【0042】
このように、直管1における接続口部3側の一端部を可撓管部1aに形成しておくと、施工時に、空調機Cのドレン導出用短管Dのドレン導出口の位置に対して建物Bの外壁面に沿って配管すべき上記直管1の接続口部3が左右方向にズレていても、或いは,上記ドレン導出用短管Dのドレン導出口が空調機Cの背面側の建物壁体部に貫設した貫通孔内にあって、外部にまで導出していない場合であっても、直管の上記可撓管部1aを撓ませてその接続口部3を簡単に且つ精度よく上記ドレン導出口側に向けてこのドレン導出口に接続することができる。
【0043】
図5~
図7は上記ドレン排水管Aとは異なる構造を有する本発明の別なドレン排水管A1を示すもので、このドレン排水管A1は外側直管11a と、この外側直管11a 内に引出し可能に収納された内側直管11b と、この内側直管11b 内に引出し可能に収納された合成樹脂製の可撓ホース12とから構成されている。なお、これらの内外直管11a 、11b 及び可撓ホース12は、上記ドレン排水管Aと同質の合成樹脂材料より形成されている。
【0044】
上記外側直管11a は、その内外周面が全長に亘って平滑な面に形成されていると共に管壁の厚みを全長に亘って同一厚みに形成されてあり、さらに、一端開口部を中心に向かって縮径させて空調機Cに接続しているドレン導出用短管Dの先端のドレン導出口に接続するための短筒形状の接続口部13に形成していると共に、他端開口部を中心(内方)に向かって屈曲させて上記可撓ホース2の引出口部14a に形成されている。
【0045】
同様に、上記内側直管11b はその内外周面が全長に亘って平滑な面に形成されていると共に管壁の厚みを全長に亘って同一厚みに形成されている。この内側直管11b の外径は、上記外側直管11a の他端開口部に設けている引出口部14a から外部に引き出し可能な径に形成している。
【0046】
さらに、この内側直管11b の一端開口部をこの開口部の少なくとも外周面を拡径させて上記外側直管11a の他端に設けている引出口部14a よりも大径の大径口部15b に形成していると共にこの大径口部15b の背面側の外周面を上記引出口部14a の内周面に抜け止め状態で且つ水密に密着、係止する係止面に形成している一方、内側直管11b の他端開口部は他端中心(内方)に向かって屈曲させていて、上記可撓ホース12の引出口部14b に形成されている。
【0047】
上記可撓ホース12はコルゲート管からなり、その一端開口部を除く外径を上記内側直管11b の他端に形成している引出口部14b の開口径よりも小径に形成されている一方、一端開口部は上記内側直管11b の引出口部14b よりも大径で内側直管11b の内径よりも小径、または、内側直管11b の内周面にその開口端部の外周面が摺接することができる外径を有する大径口部15a に形成されていて、内側直管11b の上記引出口部14b から可撓ホース12を引き出した際に、この大径口部15a の背面側の外周面を引出口部14b の内周面に抜け止め状態に且つ水密に密着、係止する係止面に形成されている。
【0048】
さらに、この可撓ホース12の他端開口部は可撓ホース12のコルゲート管部よりも小径で、且つ、内外周面が平滑な面に形成された排水口部16に形成されている。
【0049】
上記内側直管11b の長さは、
図5に示すように、この内側直管11b を外側直管11a 内にその一端大径口部15b が外側直管11a の接続口部13の背面に当接した状態となるように収納した際に、他端に設けている引出口部14b が外側直管11a の他端に設けている引出口部14a から外部に突出した状態となる長さに形成されてあり、上記可撓ホース12の長さは、この可撓ホース12を内側直管11b 内にその一端大径口部15が外側直管11a の接続口部13の背面における内周部側に近接又は当接した状態となるように収納した際に、他端に設けている排水口部16が内側直管11b の他端に設けている引出口部14b から外部に突出した状態となる長さに形成されている。
【0050】
なお、
図6に示すように、外側直管11a から内側直管11b を引き出してその大径口部15b を外側直管11a の他端に設けている引出口部14a の内周面に係止させると共に内側直管11b から可撓ホース12を引き出してその大径口部15を内側直管11b の他端に設けている引出口部14b の内周面に係止させた際の外側直管11a の一端から可撓ホース12の他端までの長さは、上記ドレン排水管Aと同様に施工長さ(略2メートル)に相当する長さに形成されている。
【0051】
上記のように構成した空調機のドレン排水管A1は、施工前においては、
図5に示すように外側直管11a 内に内側直管11b を収納し、内側直管11b 内に可撓ホース12を収納した状態としてあり、このように構成した排水管A1は、複数本、束ねた状態にして整然と保管しておくことができる。
【0052】
施工に際しては、一本ないしは数本の排水管Aを施工現場まで搬送し、施工現場において、外側直管11a を把持しながらこの外側直管11a の一端に設けている接続口部13を上向きとなるように外側直管11a を縦方向に向けて、この接続口部13を、建物Bの壁体Wに貫設した貫通孔Eに室内側から屋外に向かって挿通している空調機Cのドレン導出用短管Dのドレン導出口に嵌合等によって接続する。
【0053】
さらに、外側直管11a の下側に向けている引出口部14a から内側直管11b を下方に引き出してその大径口部15b を上記引出口部14a の内周面に係止させると共に、この内側直管11b の下側に向けている引出口部14b から可撓ホース12を下方に引き出してその大径口部15a をを上記引出口部14b の内周面に係止させ、外側直管11a から内側直管11b と可撓ホース12を外側直管11a を延長する方向に順次垂下させてなる施工長さに等しい長さを有するドレン排水管A1とする。なお,外側直管11a からの内側直管11b や可撓ホース12の引出し作業は、施工現場において予め行っておいてもよい。
【0054】
このように全長に亘って伸長させた状態のドレン排水管A1は、空調機Cのドレン導出口側から建物の外壁面に沿って外壁面の下端にまで真っ直ぐに垂下した状態で施工され、内側直管11b の下端から下方に引き出している可撓ホース12の下端部を適宜に屈曲させて排水溝等の排水路にその先端部の排水口部16を臨ませた状態に配管することによってドレン排水管A1の施工工事が完了する。
【0055】
こうして施工されたドレン排水管A1によれば、空調機Cから排出されるドレンは、ドレン導出用短管D内を通じてこのドレン導出用短管Dの先端排出口に接続している外側直管11a の接続口部13内に流出し、さらに、この接続口部13から外側直管11a 内を流下すると共に外側直管11a の下端から内側直管11b 内と可撓ホース12内とを順次流下して可撓ホース12の下端排水口部16から排水溝等の排水路に排出される。
【0056】
なお、上記ドレン排水管A1においては、外側直管11a の内外周面を全長に亘って平滑な面に形成しているが、上記ドレン排水管Aの直管1と同様に、外側直管11a の一端部において、接続口部13の基端に連なる接続口部13から他端側の管部を蛇腹形状、或いは、コルゲート管壁形状の可撓管部に形成しておいてもよい。
【0057】
このように、外側直管11a における接続口部13を有する一端部を可撓管部に形成しておくと、施工時に、空調機Cのドレン導出用短管Dのドレン導出口の位置に対して建物Bの外壁面に沿って配管すべき上記外側直管11a の接続口部13が左右方向にズレていても、或いは,上記ドレン導出口が空調機Cの背面側の建物壁体部に貫設した貫通孔内にあって、外部にまで導出していない場合であっても、外側直管11a の上記可撓管部を撓ませてその接続口部13を簡単に且つ精度よく上記ドレン導出口側に向けてこのドレン導出口にに接続することができる。
【0058】
図8~
図10は上記ドレン排水管A、A1とは異なる構造を有する本発明の別なドレン排水管A2を示すもので、このドレン排水管A2は一本の直管21と、この直管21の一半部内に収納されている第一可撓ホース22a と、直管21の他半部内に収納されている第二可撓ホース22b とから構成されている。なお、これらの直管21及び第一、第二可撓ホース22a 、22b は上記ドレン排水管A、A1の直管や可撓ホースと同質の合成樹脂材料より形成されている。
【0059】
上記直管21は、その内外周面が全長に亘って平滑な面に形成されていると共に管壁の厚みを全長に亘って同一厚みに形成されてあり、さらに、両端開口部を中心(内方)に向かって屈曲させて上記第一、第二可撓ホース22a 、22b を直管21内からそれぞれ相反する方向に引き出すための引出口部24a 、24b に形成している。
【0060】
上記第一可撓ホース22a の他端開口部を除く管部(ホース部)と、上記第二可撓ホース22b の一端開口部を除く管部(ホース部)の外径は、上記直管21の両端開口部に設けている引出口部24a 、24b の口径よりも小径、又は、これらの引出口部24a 、24b の内周面にその外周面が摺接可能な径を有するコルゲート管からなる。
【0061】
第一可撓ホース22a は、その一端開口部を空調機Cに接続しているドレン導出用短管Dの先端のドレン導出口に接続するための短筒形状の接続口部23に形成している一方、他端開口部を上記直管21の一端部に形成している引出口部24a よりも大径で直管21の内径よりも小径、または直管21の内周面にその開口端部の外周面が摺接することができる外径を有する大径口部25a にに形成されていて、この大径口部25a の背面側の外周面を、上記引出口部24a から第一可撓ホース22a を引き出した際に引出口部24a の内周面に抜け止め状態に且つ水密に密着、係止する係止面に形成されている。なお、上記接続口部23は第一可撓ホース22a のコルゲート管部の外径よりも小径で内外周面が平滑面に形成されている。
【0062】
第二可撓ホース22b は、その一端開口部を上記第一可撓ホース22a の他端開口部に形成している上記大径口部25a と同大同形の大径口部25b に形成されている。即ち、この第二可撓ホース22b の他端開口部は、上記直管21の他端部に形成している引出口部24b よりも大径で直管21の内径よりも小径、または直管21の内周面にその開口端部の外周面が摺接することができる外径を有する大径口部25b に形成されていて、この大径口部25b の背面側の外周面を、上記引出口部24b から第二可撓ホース22b を引き出した際に、引出口部24b
の内周面に抜け止め状態に且つ水密に密着、係止する係止面に形成されている。
【0063】
さらに、この第二可撓ホース22b の他端開口部は、コルゲート管部の外径よりも小径で内外周面が平滑面に形成された短筒形状の排水口部26に形成されている。
【0064】
上記第一可撓ホース22a と第二可撓ホース22b は、略同一長さに形成されていると共に上記直管21の長さの1/2よりも接続口部23又は排水口部26の長さだけ長く形成されてあり、これらの第一可撓ホース22a と第二可撓ホース22b は、その大径口部25a 、25b を
図8に示すように直管21内の中央部において腹合わせ状に突き合わせた状態にして、且つ、第一可撓ホース22a の一端部に設けている上記接続口部23を直管21の一端側の引出口部24a から外部に突出させ、第二可撓ホース22b の他端部に設けている上記排水口部26を直管21の他端側の引出口部24b から外部に突出させた状態にして直管21内に収納されている。
【0065】
なお、
図9に示すように、直管21の両端引出口部24a 、24b から第一可撓ホース22a と第二可撓ホース22b とをそれぞれ相反する方向に引き出して第一可撓ホース22a の他端側に形成している大径口部25a を直管21の一端側の引出口部24a の内周面に係止させ、第二可撓ホース22b の一端側に形成している大径口部25b を直管21の他端側の引出口部24b の内周面に係止させた際における、第一可撓ホース22a の一端に設けている接続口部23から第二可撓ホース22b の他端に設けている排水口部26までの長さは、上記ドレン排水管A、A1と同様に施工長さ(略2メートル)に相当する長さに形成されている。
【0066】
上記のように構成した空調機のドレン排水管A2は、施工前においては、
図8に示すように直管21の一半部内に第一可撓ホース22a をその接続口部23を直管21の一端側の引出口部24a から外部に突出させた状態にして収納してあり、直管21の他半部内に第二可撓ホース22b をその排水口部26を直管21の他端側の引出口部24b から外部に突出させた状態にして収納している。このように構成した排水管A1は、複数本、束ねた状態にして整然と保管しておくことができる。
【0067】
施工に際しては、一本ないしは数本の排水管A2を施工現場まで搬送し、施工現場において、直管21を把持しながらこの直管21の一端側の引出口部24a が上向きとなるように直管21を縦方向に向けて、直管21の上記引出口部24a から上方に突出している第一可撓ホース22a の接続口部23を、建物Bの壁体Wに貫設した貫通孔Eに室内側から屋外に向かって挿通している空調機Cのドレン導出用短管Dのドレン導出口に嵌合等によって接続する。
【0068】
この際、第一可撓ホース22a を直管21の上記引出口部24a から上方に引き出しておけば、第一可撓ホース22a の接続口部23を空調機Cのドレン導出用短管Dのドレン導出口に接続する作業が容易に行うことができるばかりでなく、施工時に、空調機Cのドレン導出用短管Dのドレン導出口の位置に対して第一可撓ホース22a の上記接続口部23が左右方向にズレていても、或いは,上記ドレン導出口が空調機Cの背面側の建物壁体部に貫設した貫通孔E内にあって、外部にまで導出していない場合であっても、第一可撓ホース22a を撓ませてその接続口部23を簡単に且つ精度よく上記ドレン導出口に接続することができる。
【0069】
さらに、直管21に収納している第二可撓ホース22b を直管21の下方に向けている引出口部24b から下方に引き出してこの第二可撓ホース22b の大径口部25b を直管21の上記引出口部24b の内周面に係止させることにより、
図10に示すように空調機Cのドレン導出用短管Dの先端ドレン導出口から建物の外壁面に沿って外壁面の下端にまで真っ直ぐに垂下した状態となるようにドレン排水管A2を施工し、さらに、上記第二可撓ホース22b の下端部を適宜に屈曲させて排水溝等の排水路にその先端部の排水口部26を臨ませた状態に配管することによってこのドレン排水管A2の施工工事を完了する。
【0070】
このように、管全体を全長に亘って伸長させた状態で施工されたドレン排水管A2によれば、空調機Cから排出されるドレンはドレン排出用短管D内を通じてこのドレン排出用短管Dの排出口に接続している第一可撓ホース22a の接続口部23内に流出し、さらに、この接続口部23から直管21内を流下すると共にこの直管21の下端の引出口部24b の内周面に水密状態に密着、係止している第二可撓ホース22b の大径口部25b 内を通じてこの第二可撓ホース22b 内を流下し、下端排水口部26から排水溝等の排水路に排出される。
【0071】
図11~
図13は本発明のさらに別な構造を有するドレン排水管A3を示すもので、このドレン排水管A3は、外側直管31a と、この外側直管31a 内に引出し可能に収納されている内側直管31b と、この内側直管31b の一半部内に収納されている第一可撓ホース32a と、他半部内に収納されている第二可撓ホース32b とから構成されている。なお、これらの内外直管31a 、31b 及び第一、第二可撓ホース32a 、32b は上記ドレン排水管A~A2の直管や可撓ホースと同質の合成樹脂材料より形成されている。
【0072】
上記外側直管31a は、その内外周面が全長に亘って平滑な面に形成されていると共に管壁の厚みを全長に亘って同一厚みに形成されてあり、さらに、両端開口部を中心(内方)に向かって屈曲させて引出口部34a 、34b に形成し、一端側に形成している引出口部34a
の口径を内側直管31b よりも小径でこの内側直管31b の一半部内に収納している第一可撓ホース32a が引出し可能な径に形成している一方、他端側に形成している引出口部34b の口径を上記一端側の引出口部34a よりも大径で内側直管31b をこの外側直管31a から引き出し可能な径に形成している。
【0073】
上記内側直管31b は、上記外側直管31a と同様にその内外周面が全長に亘って平滑な面に形成されていると共に管壁の厚みを全長に亘って同一厚みに形成されている。この内側直管31b の一端開口部は外方に向かって拡径して上記外側直管31a の他端側に設けている引出口部34b よりも大径の大径口部35b に形成されていると共にこの大径口部35b の背面側の外周面を上記外側直管31a の他端に設けている上記引出口部34b の内周面に抜け止め状態で且つ水密に密着、係止する係止面に形成している一方、この内側直管31b の他端開口部は中心(内方)に向かって屈曲していて、この内側直管31b の他半部内に収納している上記可撓ホース32b の引出口部34c に形成されている。
【0074】
内側直管31b 内に収納されている上記第一可撓ホース32a の他端開口部を除く管部(ホース部)と、上記第二可撓ホース32b の一端開口部を除く管部(ホース部)の外径は、上記内側直管31b の他端開口部に設けている引出口部34c の口径よりも小径、又は、この引出口部34c のの内周面にその外周面が摺接可能な径を有するコルゲート管からなる。
【0075】
さらに、上記第一可撓ホース32a は、その一端開口部を空調機Cに接続しているドレン導出用短管Dの先端のドレン導出口に接続するための短筒形状の接続口部33に形成している一方、他端開口部を上記内側直管31b の内径よりも小径、又は外周面が内側直管31b の内周面に摺接する径を有し、且つ、外側直管31a の一端側の引出口部34a の口径よりも大径の大径口部35c に形成されていて、上記引出口部34a から第一可撓ホース32a を引き出した際に、この大径口部35c の背面側の外周面を上記引出口部34a の内周面に抜け止め状態に且つ水密に密着、係止する係止面に形成されている。なお、上記接続口部33は第一可撓ホース32a のコルゲート管部の外径よりも小径で内外周面が平滑面に形成されている。
【0076】
上記第二可撓ホース32b は、その一端開口部を上記第一可撓ホース32a の他端開口部に形成している上記大径口部35c と同大同形の大径口部35d に形成されている。即ち、この第二可撓ホース32b の他端開口部は、上記内側直管31b の他端部に形成している引出口部34b よりも大径で内側直管31b の内径よりも小径、または内側直管31b の内周面にその開口端部の外周面が摺接することができる外径を有する大径口部35d に形成されていて、この大径口部35d の背面側の外周面を、上記引出口部34b から第二可撓ホース32b を引き出した際に、引出口部34b の内周面に抜け止め状態に且つ水密に密着、係止する係止面に形成されている。
【0077】
この第二可撓ホース32b の他端開口部は、コルゲート管部の外径よりも小径で内外周面が平滑面に形成された短筒形状の排水口部36に形成されている。
【0078】
さらに、上記第一可撓ホース32a と第二可撓ホース32b は、略同一長さに形成されていると共にこれらの第一可撓ホース32a と第二可撓ホース32b とを
図11に示すように、その大径口部35c 、35d を腹合わせ状に突き合わせて内側直管31b の一半部内と他半部内にそれぞれ収納した状態においては、第一可撓ホース32a の一端に設けている接続口部33が外側直管31a の一端側の引出口部34a から外部に突出し、第二可撓ホース32b の他端に設けている排水口部36が内側直管31b の他端側の引出口部34c から外部に突出する長さに形成されている。
【0079】
なお、
図12に示すように、内側直管31b 内から第一可撓ホース32a と第二可撓ホース32b とを互いに相反する方向に引き出すと共に、第一可撓ホース32a の引き出しによって、この第一可撓ホース32a の大径口部35c を外側直管31a の一端部に形成している引出口部34a に係止させて外側直管31a を第一可撓ホース32a と一体的に第二可撓ホース32b とは反対方向に移動させる一方、第二可撓ホース32b の引き出しによって、この第二可撓ホース32b の大径口部35d を内側直管31b の他端部に形成している引出口部34c に係止させて内側直管31b を第二可撓ホース32b と一体的に第一可撓ホース32a と反対側に、この内側直管31b の一端側に形成している大径口部35b が外側直管31a の他端側の引出口部34b に係止するまで移動させることによって伸長させたドレン排水管A3の接続口部33から排水口部36までの長さは、上記ドレン排水管A~A2と同様に施工長さ(略2メートル)に相当する長さに形成されている。
【0080】
上記のように構成した空調機のドレン排水管A3は、施工前においては、
図11に示すように外側直管31a 内に内側直管31b が互いに二重管形状となるように収納されていると共にこの内側直管31b の一半部内に第一可撓ホース32a をその接続口部33を外側直管31a の一端側の引出口部34a から外部に突出させた状態にして収納してあり、内側直管31b の他半部内に第二可撓ホース32b をその排水口部36を内側直管31b の他端側の引出口部34c から外部に突出させた状態にして収納している。このように構成した排水管A1は、複数本、束ねた状態にして整然と保管しておくことができる。
【0081】
施工に際しては、一本ないしは数本のドレン排水管A3を施工現場まで搬送し、施工現場において、外側直管31a を把持しながらこの外側直管31a の一端側の引出口部34a から第一可撓ホース32a を引出すと共にこの第一可撓ホース32a が上向きとなるように管全体を縦方向に向けて、第一可撓ホース32a の接続口部33を、建物Bの壁体Wに貫設した貫通孔Eに室内側から屋外に向かって挿通している空調機Cのドレン導出用短管Dのドレン導出口に嵌合等によって接続する。
【0082】
この際、空調機Cのドレン導出用短管Dのドレン導出口の位置に対して第一可撓ホース32a の上記接続口部33が左右方向にズレていても、或いは,上記ドレン導出口が空調機Cの背面側の建物壁体部に貫設した貫通孔E内にあって、外部にまで導出していない場合であっても、第一可撓ホース32a を撓ませてその接続口部33を簡単に且つ精度よく上記ドレン導出口に接続することができる。
【0083】
さらに、第一可撓ホース32a の大径口部35c を外側直管31a の一端側の引出口部34a に係止させると共に、内側直管31b の他半部内に収納している第二可撓ホース32b を内側直管31b の他端部に設けている引出口部34c からその一端側に設けている大径口部35d が内側直管31b の上記引出口部34c に係止するまで引き出し、且つ、内側直管31b も外側直管31a の他端部に設けている引出口部34b からその一端部に設けている大径口部35b が外側直管31a の上記引出口部34b の内周面に係止するまで引き出すことにより、
図13に示すように空調機Cのドレン導出口から建物Bの外壁面に沿って外壁面の下端にまで真っ直ぐに垂下した状態となるようにドレン排水管A3を施工する。
【0084】
さらに、上記第二可撓ホース32b の下端部を適宜に屈曲させて排水溝等の排水路にその先端部の排水口部36を臨ませた状態に配管することによってこのドレン排水管A3の施工工事を完了する。なお、内側直管31b や第二可撓ホース32b の引出し作業は、予め、行っておいてもよい。
【0085】
このように施工されたドレン排水管A3によれば、空調機Cから排出されるドレンは、ドレン排出用短管D内を通じてこのドレン排出用短管Dの排出口に接続している第一可撓ホース32a の接続口部33内に流出し、さらに、この接続口部33から外側直管31a 内と内側直管31b 内と第二可撓ホース32b 内とを順次流下してこの第二可撓ホース22b の下端排水口部36から排水溝等の排水路に排出される。
【0086】
なお、上記ドレン排水管A、A1、A2、A3においては、可撓ホースとしてコルゲート管を採用しているが、コルゲート管に限らず、スパイラル管や蛇腹管等の可撓性を有する管から形成しておいてもよい。
【符号の説明】
【0087】
A~A3 ドレン排水管
1 直管
2 可撓ホース
3 接続口部
4 引出口部
5 大径口部
6 排水口部
11a 、11b 内外直管
12 可撓ホース
13 接続口部
14a 、14b 引出口部
15a 、15b 大径口部
16 排水口部
21 直管
22a 、22b 第一、第二可撓ホース
23 接続口部
24a 、24b 引出口部
25a 、25b 大径口部
26 排水口部
31a 、31b 内外直管
32a 、32b 第一、第二可撓ホース
33 接続口部
34a ~34c 引出口部
35b ~35d 大径口部