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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-24
(45)【発行日】2022-06-01
(54)【発明の名称】折り畳みフレームおよび折り畳み椅子
(51)【国際特許分類】
   A47C 5/10 20060101AFI20220525BHJP
   A47C 9/10 20060101ALI20220525BHJP
   A47C 3/04 20060101ALN20220525BHJP
【FI】
A47C5/10 B
A47C9/10
A47C3/04
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019182271
(22)【出願日】2019-10-02
(65)【公開番号】P2021053318
(43)【公開日】2021-04-08
【審査請求日】2021-07-19
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】599083271
【氏名又は名称】オンウェー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000811
【氏名又は名称】特許業務法人貴和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヂョウ ユェ トン
(72)【発明者】
【氏名】サー リ゛ー ナー
【審査官】杉▲崎▼ 覚
(56)【参考文献】
【文献】実開平01-171247(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 5/10
A47C 9/10
A47C 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向に伸長し、かつ、左右方向に離隔して配置された、一対の前方支柱部材と、
前記一対の前方支柱部材に支持固定された左右両端部を有する、前方梁部材と、
上下方向に伸長し、かつ、左右方向に離隔して配置された、一対の後方支柱部材と、
前記一対の後方支柱部材に支持固定された左右両端部を有する、後方梁部材と、
それぞれが、前記一対の前方支柱部材のいずれかの前方支柱部材に回動可能に連結された前側連結部と、前記一対の後方支柱部材のいずれかの後方支柱部材に回動可能に連結された後側連結部とを有する、一対の側方部材と、
を備え、
前記一対の前方支柱部材および前記一対の後方支柱部材のうちの左右方向について同じ側に位置する前方支柱部材と後方支柱部材との、該前方支柱部材と該後方支柱部材とに直交する方向に関する間隔は、前記一対の前方支柱部材同士の間隔と前記一対の後方支柱部材同士の間隔とのうちの一方の間隔よりも大きく、他方の間隔よりも小さく、
前記一対の側方部材のそれぞれの側方部材は、前後方向中間部が、前後両端部よりも左右方向外側に位置するように湾曲または屈曲しており、
前記一対の側方部材を前記一対の前方支柱部材および前記一対の後方支柱部材に対して回動させることにより、平面視で、前記前方梁部材および前記後方梁部材のうちの一方、前記一対の側方部材のうちの一方の側方部材、前記前方梁部材および前記後方梁部材のうちの他方、および、前記一対の側方部材のうちの他方の側方部材の順に並ぶように、平板状に折り畳むことが可能である、
折り畳みフレーム。
【請求項2】
記一対の側方部材のそれぞれの側方部材は、円弧状に湾曲している、請求項1に記載の折り畳みフレーム。
【請求項3】
折り畳みフレームと、座板とを備え、
前記折り畳みフレームは、請求項1または2に記載の折り畳みフレームにより構成されており、および、
前記座板の前端部と後端部とのうちの一方の端部は、前記前方梁部材と前記後方梁部材とのうちの一方の部材に揺動可能に支持され、かつ、前記座板の前端部と後端部とのうちの他方の端部は、前記前方梁部材と前記後方梁部材とのうちの他方の部材に載置可能である、折り畳み椅子。
【請求項4】
前記一対の側方部材のそれぞれの側方部材の前記前側連結部は、前記一対の前方支柱部材のいずれかの前方支柱部材の上端部に回動可能に連結され、かつ、前記一対の側方部材のそれぞれの側方部材の前記後側連結部は、前記一対の後方支柱部材のいずれかの後方支柱部材の上端部に回動可能に連結され、該それぞれの側方部材は、前記前側連結部の上端部と前記後側連結部の上端部とを連結し、かつ、後方に向かうほど上方に向かう方向に傾斜した側方梁部を有する、請求項に記載の折り畳み椅子。
【請求項5】
前記一対の側方部材は、前記前側連結部が、前記前方支柱部材の上端部に回動可能に連結され、かつ、前記後側連結部が、前記後方支柱部材の上端部に回動可能に連結された、一対の上側側方部材と、前記前側連結部が、前記前方支柱部材の下端部に回動可能に連結され、かつ、前記後側連結部が、前記後方支柱部材の下端部に回動可能に連結された、一対の下側側方部材とにより構成され、および、前記一対の上側側方部材のそれぞれの上側側方部材は、前記前側連結部の上端部と前記後側連結部の上端部とを連結し、かつ、後方に向かうほど上方に向かう方向に傾斜した側方梁部を有する、請求項に記載の折り畳み椅子。
【請求項6】
前記一対の後方支柱部材同士の間にかけ渡された、背もたれ部をさらに備える、
請求項のいずれかに記載の折り畳み椅子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家具やアウトドア用品の脚構造や本体部分などに適用される折り畳みフレーム、および、折り畳みフレームを備える折り畳み椅子に関する。
【背景技術】
【0002】
会議室やホールなどで使用する椅子は、使用していないときには、折り畳んで保管される。折り畳み椅子の一例として、実平1-179547号公報には、略矩形枠状の前脚パイプの上下方向中間部に、略U字形の後脚パイプの上端部を連結金具により揺動可能に支持し、かつ、座板を前脚パイプおよび後脚パイプに枢支してなる構造が記載されている。実平1-179547号公報に記載の折り畳み椅子は、使用していないときには、後脚パイプの下端部を前脚パイプの下端部に近づける方向に揺動させることで、平板状に折り畳むことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実全平1-179547号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、略平板状に折り畳むことができる、従来構造とは異なる構造を有する折り畳みフレーム、および、折り畳み椅子を実現することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の折り畳みフレームは、
上下方向に伸長し、かつ、左右方向に離隔して配置された、一対の前方支柱部材と、
前記一対の前方支柱部材に支持固定された左右両端部を有する、前方梁部材と、
上下方向に伸長し、かつ、左右方向に離隔して配置された、一対の後方支柱部材と、
前記一対の後方支柱部材に支持固定された左右両端部を有する、後方梁部材と、
それぞれが、前記一対の前方支柱部材のいずれかの前方支柱部材に回動可能に連結された前側連結部と、前記一対の後方支柱部材のいずれかの後方支柱部材に回動可能に連結された後側連結部とを有する、一対の側方部材と、
を備える。
【0006】
本発明の折り畳みフレームは、前記一対の側方部材を前記一対の前方支柱部材および前記一対の後方支柱部材に対して回動させることにより、平面視で、前記前方梁部材および前記後方梁部材のうちの一方、前記一対の側方部材のうちの一方の側方部材、前記前方梁部材および前記後方梁部材のうちの他方、および、前記一対の側方部材のうちの他方の側方部材の順に並ぶように、平板状に折り畳むことが可能である。
【0007】
本発明の折り畳みフレームにおいては、前記一対の前方支柱部材および前記一対の後方支柱部材のうちの左右方向について同じ側に位置する前方支柱部材と後方支柱部材との、該前方支柱部材と該後方支柱部材とに直交する方向に関する間隔は、前記一対の前方支柱部材同士の間隔と前記一対の後方支柱部材同士の間隔とのうちの一方の間隔よりも大きく、他方の間隔よりも小さくすることができる。
【0008】
前記一対の側方部材のそれぞれの側方部材は、前後方向中間部が、前後両端部よりも左右方向外側に位置するように湾曲または屈曲することができる。具体的には、前記一対の側方部材のそれぞれの側方部材は、円弧状に湾曲したり、略U字形(略コ字形)に屈曲したりすることができる。
【0009】
本発明の折り畳み椅子は、折り畳みフレームと、座板とを備え、
前記折り畳みフレームは、本発明の折り畳みフレームにより構成されており、および、
前記座板の前端部と後端部とのうちの一方の端部は、前記前方梁部材と前記後方梁部材とのうちの一方の部材に揺動可能に支持され、かつ、前記座板の前端部と後端部とのうちの他方の端部は、前記前方梁部材と前記後方梁部材とのうちの他方の部材に載置可能である。
【0010】
本発明の折り畳み椅子において、前記一対の側方部材のそれぞれの側方部材の前記前側連結部は、前記一対の前方支柱部材のいずれかの前方支柱部材の上端部に回動可能に連結され、かつ、前記一対の側方部材のそれぞれの側方部材の前記後側連結部は、前記一対の後方支柱部材のいずれかの後方支柱部材の上端部に回動可能に連結され、該それぞれの側方部材は、前記前側連結部の上端部と前記後側連結部の上端部とを連結し、かつ、後方に向かうほど上方に向かう方向に傾斜した側方梁部を有することができる。
【0011】
本発明の折り畳み椅子において、前記一対の側方部材は、前記前側連結部が、前記前方支柱部材の上端部に回動可能に連結され、かつ、前記後側連結部が、前記後方支柱部材の上端部に回動可能に連結された、一対の上側側方部材と、前記前側連結部が、前記前方支柱部材の下端部に回動可能に連結され、かつ、前記後側連結部が、前記後方支柱部材の下端部に回動可能に連結された、一対の下側側方部材とにより構成され、および、前記一対の上側側方部材のそれぞれの上側側方部材は、前記前側連結部の上端部と前記後側連結部の上端部とを連結し、かつ、後方に向かうほど上方に向かう方向に傾斜した側方梁部を有することができる。
【0012】
本発明の折り畳み椅子は、前記一対の後方支柱部材同士の間にかけ渡された、背もたれ部をさらに備えることができる。
【発明の効果】
【0013】
上述のように構成する本発明の折り畳みフレームおよび折り畳み椅子は、従来とは異なり、かつ、より簡易な操作によって、使用していないときに、略平板状に折り畳むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本発明の実施の形態の1例にかかる折り畳み椅子を示す斜視図である。
図2図2は、本発明の実施の形態の1例にかかる折り畳み椅子を、図1とは別角度から見た状態で示す斜視図である。
図3図3は、本発明の実施の形態の1例にかかる折り畳み椅子を折り畳んだ状態で示す斜視図である。
図4図4は、本発明の実施の形態の1例にかかる折り畳み椅子を折り畳んで、前後方向に関して図3と反対方向から見た状態を示す斜視図である。
図5図5は、本発明の実施の形態の1例にかかる折り畳み椅子を折り畳んでいる途中の状態を示す斜視図である。
図6図6(A)~図6(E)は、本発明の実施の形態の1例にかかる折り畳み椅子を折り畳む手順を、模式的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施の形態の1例について、図1図6(E)を用いて説明する。本例では、折り畳みフレームは、折り畳み椅子に適用されている。本例の折り畳み椅子1は、折り畳みフレーム2と、座板3と、背もたれ部4とを備える。
【0016】
折り畳みフレーム2は、それぞれが、鉄系合金や軽合金などの金属材料製のパイプ材を所定の長さに切断し、必要に応じて曲げ加工などを施した複数の部品を組み合わせることにより構成される。本例の折り畳みフレーム2は、一対の前方支柱部材5a、5bと、前方梁部材6と、一対の後方支柱部材7a、7bと、一対の後方梁部材8a、8bと、それぞれ一対ずつの上側側方部材9a、9bおよび下側側方部材10a、10bとを備える。
【0017】
一対の前方支柱部材5a、5bは、上下方向に伸長し、かつ、左右方向に離隔して配置されている。本例では、一対の前方支柱部材5a、5bのそれぞれは、直線状に構成されている。
【0018】
前方梁部材6の左右両端部は、一対の前方支柱部材5a、5bに結合固定されている。具体的には、前方梁部材6は直線状に構成され、かつ、前方梁部材6の左右両端部は、一対の前方支柱部材5a、5bの上方寄り部分に、溶接、ねじ止めなどにより結合固定されている。
【0019】
一対の後方支柱部材7a、7bは、一対の前方支柱部材5a、5bの後方に、上下方向に伸長し、かつ、左右方向に離隔して配置されている。本例では、一対の後方支柱部材7a、7bのそれぞれは、直線状に構成されている。
【0020】
本例では、後方梁部材は、上下方向に離隔して平行に配置された、一対の後方梁部材8a、8bにより構成される。一対の後方梁部材8a、8bのそれぞれの左右両端部は、一対の後方支柱部材7a、7bに結合固定されている。本例では、一対の後方梁部材8a、8bのそれぞれは、左右方向中間部が前側に凸となるように湾曲した、円弧状に構成されている。一対の後方梁部材8a、8bのうち、上側の後方梁部材8aは、上下方向に関する高さ位置が、前方梁部材6と同じであり、上側の後方梁部材8aの左右両端部は、一対の後方支柱部材7a、7bの上方寄り部分に、溶接、ねじ止めなどにより結合固定されている。下側の後方梁部材8bの左右両端部は、一対の後方支柱部材7a、7bの下方寄り部分に、溶接、ねじ止めなどにより結合固定されている。
【0021】
本例では、一対の側方部材は、上側に配置された一対の上側側方部材9a、9bと、下側に配置された一対の下側側方部材10a、10bと、により構成されている。一対の上側側方部材9a、9bはそれぞれ、パイプ材を略U字形に曲げ成形することにより構成され、側方梁部11a、11bと、前側連結部12a、12bと、後側連結部13a、13bとを備える。
【0022】
側方梁部11a、11bは、後方に向かうほど上方に向かう方向に傾斜し、かつ、前後方向中間部が左右方向に関して外側に凸となるように湾曲した、円弧状に構成されている。
【0023】
前側連結部12a、12bは、側方梁部11a、11bの前端部から下方に直角に折れ曲がり、前側連結部12a、12bの下端部はそれぞれ、前方支柱部材5a、5bの上端部に回動可能に連結されている。
【0024】
後側連結部13a、13bは、側方梁部11a、11bの後端部から下方に直角に折れ曲がり、後側連結部13a、13bの下端部はそれぞれ、後方支柱部材7a、7bの上端部に回動可能に連結されている。
【0025】
一対の下側側方部材10a、10bはそれぞれ、パイプ材を略U字形に曲げ成形することにより構成され、脚部14a、14bと、前側連結部15a、15bと、後側連結部16a、16bとを備える。
【0026】
脚部14a、14bは、前後方向中間部が左右方向に関して外側に凸となるように湾曲した、円弧状に構成されている。
【0027】
前側連結部15a、15bは、脚部14a、14bの前端部から上方に直角に折れ曲がり、前側連結部15a、15bの上端部はそれぞれ、前方支柱部材5a、5bの下端部に回動可能に連結されている。
【0028】
後側連結部16a、16bは、脚部14a、14bの後端部から上方に直角に折れ曲がり、後側連結部16、16bの上端部はそれぞれ、後方支柱部材7a、7bの下端部に回動可能に連結されている。
【0029】
なお、2つの部材を回動可能に連結させる構造は、従来の構造を適用可能であり、2つの部材の間に架け渡されたピボットを用いた構造、ボルトとナットを用いた構造、その他の公知の構造が適用可能である。
【0030】
一対の前方支柱部材5a、5bと、一対の後方支柱部材7a、7bとは、折り畳み椅子1(折り畳みフレーム2)を、図3図4および図6(E)に示すように、略平板状に折り畳むことができるように、位置関係を規制されている。具体的には、左右方向について同じ側に位置する前方支柱部材5a、5bと後方支柱部材7a、7bとの、前方支柱部材5a、5bと後方支柱部材7a、7bとに直交する方向に関する間隔Wを、一対の後方支柱部材7a、7b同士の間隔Wよりも大きく、一対の前方支柱部材5a、5b同士の間隔Wよりも小さくしている(W<W<W)。したがって、折り畳みフレーム2は、上下方向から見て略台形の平面形状を有する。かかる構成により、一対の側方部材(上側側方部材9a、9b、下側側方部材10a、10b)を前方支柱部材5a、5bに対して回動させることにより、平面視で、前方梁部材6、一方の側方部材(上側側方部材9b、下側側方部材10b)、一対の後方梁部材(8a、8b)、および、他方の側方部材(上側側方部材9a、下側側方部材10a)の順に並ぶように、あるいは、平面視で、前方梁部材6、他方の側方部材(上側側方部材9a、下側側方部材10a)、一対の後方梁部材(8a、8b)、および、一方の側方部材(上側側方部材9b、下側側方部材10b)の順に並ぶように、平板状に折り畳むことが可能である。なお、代替的に、間隔Wを、間隔Wよりも小さく、間隔Wよりも大きくすることも可能である(W<W<W)。
【0031】
座板3は、略矩形の平板状に構成され、座板3の前端部は、前方梁部材6に対し揺動可能に支持固定され、かつ、座板3の後端部は、上側の後方梁部材8aに載置可能となっている。本例では、座板3は、下面の後端部に、上側の後方梁部材8aと係合可能な係合部17を有する。なお、係合部17は省略することもできる。
【0032】
背もたれ部4は、後方支柱部材7a、7bの上端部同士の間、および、上側側方部材9a、9bの後側連結部13a、13b同士の間にかけ渡されている。本例では、背もたれ部4は、可撓性を有する布により構成されている。ただし、背もたれ部を、板材、複数本の紐状部材などにより構成することもできる。
【0033】
本例の折り畳み椅子1(折り畳みフレーム2)は、使用していないときには、略平板状に折り畳むことができる。特に、本例の折り畳み椅子1は、実平1-179547号公報に記載の折り畳み椅子の折り畳み構造とは、異なる折り畳み構造を有する。以下、折り畳み椅子1を折り畳む手順の1例について説明する。
【0034】
まず、座板3の係合部17と、上側の後方梁部材8aとの係合を外し、図6(A)→図6(B)に示すように、座板3を、前方梁部材6に対する支持部を中心に上方に揺動させる。
【0035】
次いで、図6(B)→図6(C)→図6(D)→図6(E)に示すように、上側側方部材9a、9bおよび下側側方部材10a、10bを、前方支柱部材5a、5bおよび後方支柱部材7a、7bに対し回動させて、折り畳みフレーム2を折り畳む。
【0036】
具体的には、まず、図6(B)→図6(C)に示すように、左側の上側側方部材9aおよび下側側方部材10aを、前方梁部材6とのなす角度が小さくなる方向に回動させるとともに、右側の上側側方部材9bおよび下側側方部材10bを、前方梁部材6とのなす角度が大きくなる方向に回動させる。これにより、図6(C)に示すように、一対の後方支柱部材7a、7bと右側の前方支柱部材5bとを、上下方向から見て、同一直線上またはその近傍に配置する。
【0037】
次いで、図6(C)→図6(D)→図6(E)に示すように、左側の上側側方部材9aおよび下側側方部材10aを、前方梁部材6とのなす角度が小さくなる方向にさらに回動させるとともに、右側の上側側方部材9bおよび下側側方部材10bを、前方梁部材6とのなす角度が小さくなる方向に回動させる。これにより、折り畳みフレーム2は略平板状に折り畳まれる。
【0038】
これに対し、折り畳み椅子1を使用するときには、まず、図6(E)→図6(D)→図6(C)→図6(B)に示すように、上側側方部材9a、9bおよび下側側方部材10a、10bを、前方支柱部材5a、5bおよび後方支柱部材7a、7bに対し回動させて、折り畳みフレーム2を展開する。
【0039】
具体的には、まず、図6(E)→図6(D)→図6(C)に示すように、左側の上側側方部材9aおよび下側側方部材10aを、前方梁部材6とのなす角度が大きくなる方向に回動させるとともに、右側の上側側方部材9bおよび下側側方部材10bを、前方梁部材6とのなす角度が大きくなる方向に回動させる。これにより、図6(C)に示すように、一対の後方支柱部材7a、7bと右側の前方支柱部材5bとを、上下方向から見て、同一直線上またはその近傍に配置する。
【0040】
次いで、図6(C)→図6(B)に示すように、左側の上側側方部材9aおよび下側側方部材10aを、前方梁部材6とのなす角度が大きくなる方向にさらに回動させるとともに、右側の上側側方部材9bおよび下側側方部材10bを、前方梁部材6とのなす角度が小さくなる方向に回動させる。
【0041】
そして、座板3を、前方梁部材6に対する支持部を中心に下方に揺動させ、係合部17を上側の後方梁部材8aに係合させる。これにより、折り畳み椅子1は使用状態に組み立てられる。
【0042】
折り畳み椅子1(折り畳みフレーム2)の折り畳み手順および組立手順については、矛盾を生じない限り、上述の手順に限らず、任意の手順とすることができる。
【0043】
なお、本例では、前方支柱部材5a、5bと後方支柱部材7a、7bとの位置関係を規制し、かつ、上側側方部材9a、9bおよび下側側方部材10a、10bを円弧状に湾曲させることにより、略平板状に折り畳むことができる構造を実現している。ただし、本発明の折り畳みフレームは、折り畳む際に、部材同士が干渉して十分に回動できなくなることを防止して、略平板状に折り畳むことができる限り、前方支柱部材と後方支柱部材との位置関係、および、側方部材の形状は任意とすることができる。具体的には、たとえば、側方部材は、略U字形または略V字形に湾曲または屈曲させることができる。
【0044】
本例の折り畳み椅子1の使用状態において、使用者は、前方支柱部材5a、5bの上端部と後方支柱部材7a、7bの上端部とにかけ渡すように設けられた上側側方部材9a、9bの側方梁部11a、11bに肘をおくことができる。要するに、側方梁部11a、11bは、肘置きとして機能する。
【0045】
本発明の折り畳みフレームは、折り畳み椅子に限らず、例えば、折り畳みテーブルなどの家具や焚き火台などのアウトドア用品の脚構造や本体部分などに適用することができる。また、本発明の折り畳みフレームでは、その用途に応じて、その構成部材の形状、大きさ、構成材料などは適宜選択されることになるため、上記の折り畳み椅子の一例において示された内容に限定されることはない。
【符号の説明】
【0046】
1 折り畳み椅子
2 折り畳みフレーム
3 座板
4 背もたれ部
5a、5b 前方支柱部材
6 前方梁部材
7a、7b 後方支柱部材
8a、8b 後方梁部材
9a、9b 上側側方部材
10a、10b 下側側方部材
11a、11b 側方梁部
12a、12b 前側連結部
13a、13b 後側連結部
14a、14b 脚部
15a、15b 前側連結部
16a、16b 後側連結部
17 係合部
図1
図2
図3
図4
図5
図6