(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-24
(45)【発行日】2022-06-01
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20220525BHJP
【FI】
A63F7/02 320
(21)【出願番号】P 2020015322
(22)【出願日】2020-01-31
【審査請求日】2021-02-15
(73)【特許権者】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】100112472
【氏名又は名称】松浦 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100202223
【氏名又は名称】軸見 可奈子
(72)【発明者】
【氏名】野原 修平
(72)【発明者】
【氏名】井上 雄貴
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 浩司
(72)【発明者】
【氏名】平口 敏彦
(72)【発明者】
【氏名】湯川 強
(72)【発明者】
【氏名】山本 健弘
(72)【発明者】
【氏名】加藤 哲平
(72)【発明者】
【氏名】森 大城
【審査官】廣瀬 貴理
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-100515(JP,A)
【文献】特開平07-171252(JP,A)
【文献】特開2005-080695(JP,A)
【文献】特開2011-139803(JP,A)
【文献】特開2012-000163(JP,A)
【文献】特開2010-082018(JP,A)
【文献】特開2019-34247(JP,A)
【文献】特開2013-158553(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
当否判定条件の成立に起因して行われる当否判定の判定結果を図柄を変動表示させてから確定停止表示させることで報知する判定報知が、複数回連続して実行される場合に、それら複数回の前記判定報知にまたがって連続する連続演出が実行される遊技機であって、
複数回連続した前記判定報知において、外れの前記判定報知の次に、当りの前記判定報知が開始される際に、前記連続演出に割り込む割込演出を実行す
る演出実行手段を備え
、
前記演出実行手段は、前記割込演出でキャラクターを新たに登場させ、前記連続演出において前記割込演出の後には、所定の目標達成に向けて行動する主役演出要素と、前記主役演出要素の前記目標達成を阻むように行動しかつ前記キャラクターとは異なる阻害演出要素と、が登場する演出であって前記主役演出要素の目標達成度合いによって前記当否判定の判定結果を遊技者に示唆する演出を実行する遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、当否判定条件の成立に起因して行われる当否判定の判定結果を図柄を変動表示させてから確定停止表示させることで報知する判定報知が、複数回連続して実行可能な遊技機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-211410号公報(段落[0033]、[0034]等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来の遊技機に対して、判定報知の趣向性の向上が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するためになされた請求項1の発明は、当否判定条件の成立に起因して行われる当否判定の判定結果を図柄を変動表示させてから確定停止表示させることで報知する判定報知が、複数回連続して実行される場合に、それら複数回の前記判定報知にまたがって連続する連続演出が実行される遊技機であって、複数回連続した前記判定報知において、外れの前記判定報知の次に、当りの前記判定報知が開始される際に、前記連続演出に割り込む割込演出を実行する演出実行手段を備え、前記演出実行手段は、前記割込演出でキャラクターを新たに登場させ、前記連続演出において前記割込演出の後には、所定の目標達成に向けて行動する主役演出要素と、前記主役演出要素の前記目標達成を阻むように行動しかつ前記キャラクターとは異なる阻害演出要素と、が登場する演出であって前記主役演出要素の目標達成度合いによって前記当否判定の判定結果を遊技者に示唆する演出を実行する遊技機である。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明では、当否判定の判定結果の判定報知が、複数回連続して実行される場合に、それら複数回の判定報知にまたがって連続する連続演出が実行されるので、判定報知の趣向性を向上させることが可能となる。しかも、複数回連続した判定報知において、外れの判定報知の次に、当りの判定報知が開始される際に、連続演出に割り込む割込演出が実行されるので、判定報知の趣向性をさらに向上させることが可能となる。また、本発明によれば、割込演出が行われることによって次の判定報知の判定結果への期待感を高めさせることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図2】(A)変動表示と外れ演出が実行されている表示画面の正面図、(B)確定停止表示された外れの判定報知と外れ演出が実行されている表示画面の正面図
【
図3】(A)変動表示と外れ演出が実行されている表示画面の正面図、(B)確定停止表示された外れの判定報知と外れ演出が実行されている表示画面の正面図
【
図4】割込み演出が実行されている表示画面の正面図
【
図5】(A)当り演出が開始される際の表示画面の正面図、(B)変動表示と当り演出が実行されている表示画面の正面図
【
図6】(A)外れの判定報知の次に連続して当りの判定報知が実行されるときの連続演出と割込演出を示すタイムチャート、(B)直前の判定報知に連続せずに当りの判定報知が実行されるときの当り演出を示すタイムチャート
【
図14】特
図2変動パターン選択処理のフローチャート
【
図15】サブ制御基板メインプログラムのフローチャート
【
図17】(A)2msタイマ割込処理のフローチャート、(B)10msタイマ割込処理のフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0020】
[第1実施形態]
図1に示されるように、本実施形態の遊技機10は、ぱちんこ遊技機であって、前面枠10Zを備え、その前面枠10Zの内側に設けられたガラス窓10Wを通して、遊技盤11の前面に形成された遊技領域R1が視認可能になっている。
【0021】
前面枠10Zのうちガラス窓10Wより下方には、上皿26と下皿27が上下2段にして設けられ、下皿27の右側には、発射ハンドル28が備えられている。そして、発射ハンドル28が回動操作されると、上皿26に収容された遊技球が遊技領域R1に向けて弾き出される。なお、前面枠10Zのうち、ガラス窓10Wの左右には、サイドランプ22,22が設けられていると共に、ガラス窓10Wの上方にはスピーカ24(
図7参照)が設けられている。
【0022】
遊技領域R1には、例えば、液晶モジュールで構成された表示装置13が備えられている。表示装置13は、表示画面13Gを前面に有し、その表示画面13Gが遊技領域R1内で前側に臨んでいる。表示画面13Gには、遊技に関する種々の演出が表示される。
【0023】
遊技領域R1のうち表示画面13Gの下方には、第1の始動入賞部14A、第2の始動入賞部14B及びアウト口16が、上から順に間隔を開けて並べて設けられている。表示画面13Gの右側には、始動ゲート18が設けられ、始動ゲート18の下方には、大入賞部15が設けられている。また、遊技領域R1には、図示しない複数の一般入賞部が設けられている。なお、遊技領域R1には、各種入賞部14A,14B,15や始動ゲート18等の役物以外に、遊技球の流下方向を変化させる障害釘や風車等が配置されている。
【0024】
次に、上述した各役物の構成について詳説する。始動ゲート18は、遊技球が1球ずつ通過可能となっていて、始動ゲート18を通過した遊技球は始動ゲート18に内蔵されたゲートセンサ73(
図7参照)によって検出され、その検出信号に基づいて、普通図柄当否判定(以下、適宜、普図判定という。)が行われる。普図判定の判定結果は、普通図柄表示装置18X(
図7参照)にて、普通図柄が変動表示された後に確定停止表示される判定報知により、遊技者に報知される。
【0025】
普通図柄表示装置18Xの変動表示中又は確定停止表示中に始動ゲート18を遊技球が通過した場合、その通過に起因した普通図柄表示装置18Xの判定報知が、所定の上限回数まで(例えば、4回)まで保留されると共に、それらの普図判定の判定情報が記憶される(以下、保留記憶されるという)。そして、普通図柄表示装置18Xの変動表示が終了して確定停止表示が行われると、所定の確定停止表示時間の経過後、直ちに、保留記憶に基づいて再び普通図柄表示装置18Xが変動表示される(即ち、普図判定の判定報知が連続して実行される)。なお、普通図柄の変動表示の保留記憶数は、図示しない普通図柄保留表示部にて表示される。
【0026】
第1の始動入賞部14Aは、遊技盤11から突出した部材の上面に、遊技球が1つずつ入球可能な常時開放の第1入賞口を備えている。
【0027】
第2の始動入賞部14Bは、遊技盤11から突出した部材の上面に第2始動入賞口を備えている。この第2始動入賞口は、通常は、開閉部材14Cにより閉塞されている一方で、上述した普図判定が当りとなったときには、開閉部材14Cに開放され、これにより、遊技球が第2の始動入賞部14Bに入球可能となる。
【0028】
各始動入賞部14A,14Bに遊技球が入球(入賞)すると、その遊技球は、それぞれ第1と第2の始動入賞部センサ71,72(
図7参照)によって検出され、その検出信号に基づいて、所定個数の遊技球が賞球として上皿26に払い出されると共に、特別図柄当否判定(以下、適宜、特図判定という。)が行われる。
【0029】
この特図判定の判定結果は、特別図柄表示装置14X(
図7参照)にて表示されると共に、表示装置13の表示画面13Gにおいて図柄の組み合わせで表示される。具体的には、表示画面13Gでは、特別図柄13A,13B,13Cが、変動表示後に、確定停止表示される判定報知が行われる。確定停止表示では、特別図柄13A~13Cが特図判定の判定結果を示す組合せで停止表示され、その組み合わせによって判定結果が報知される。
【0030】
より詳細には、表示装置13には、3つの左、中、右の特別図柄13A,13B,13Cが横並びに表示される。各特別図柄13A,13B,13Cには、例えば、「0」~「9」の数字がそれぞれ表記されている。そして、第1の始動入賞部14A又は第2の始動入賞部14Bに遊技球が入賞したときに、3つの特別図柄13A,13B,13Cが、上下方向にスクロール表示され(
図2(A)参照)、所定時間後に確定停止表示される。そして、特図判定結果が「大当り」の場合には、各特別図柄13A,13B,13Cが大当りに対応する特別図柄(例えば、
図1に示すように全て同じ図柄(ゾロ目))が確定停止表示され、遊技が「大当り遊技」に移行する。当否判定結果が外れの場合には、大当りに対応する特別図柄以外の組み合わせの特別図柄が確定停止表示され(
図2(B)参照)、「大当り遊技」ではない通常遊技が続く。
【0031】
大入賞部15は、横長矩形の大入賞口を有し、大入賞口は、通常は、可動扉15Tにて閉塞されている。そして、「大当り遊技」が実行されると、可動扉15Tが所定期間に亘って前側に倒されて大入賞口が開放し、可動扉15Tを案内にして、大入賞口に多くの遊技球が入賞可能となる。ここで、可動扉15Tが、開放してから閉じるまでの動作を「ラウンド」と称すると、1回の大当り遊技は、所定回数のラウンドが実行されるまで継続する。1回のラウンドは、大入賞口に所定個数の遊技球が入球した場合、又は、大入賞口が開放してから所定時間経過した場合に終了する。大入賞部15(大入賞口)に遊技球が入賞すると、例えば、1個の入賞につき所定個数の遊技球が賞球として上皿26に払い出される。
【0032】
特別図柄13A,13B,13Cの変動表示中(
図2(A)参照)もしくは確定停止表示中、又は大当り遊技の最中に第1の始動入賞部14Aに遊技球が入球した場合、その入球に起因した特図判定(第1の特図判定)の判定報知は、所定上限回数(本実施形態の例では、4回)まで保留される。
図2及び
図3に示されるように、特図判定の判定報知の保留数(保留記憶数)は、表示装置13の下端部に位置する特別図柄保留表示部14Hに表示される(
図2及び
図3では、第1の当否判定の保留数の表示の例が示されている)。特別図柄保留表示部14Hには、左端から保留された順に横一列に保留表示体14Zが並べて表示され、特図判定の保留数が保留表示体14Zの個数により遊技者に報知される。そして、特別図柄13A,13B,13Cの確定停止表示(
図2(B)参照)が終了するか又は大当り遊技が終了すると、次の保留に基づいて再び特別図柄13A,13B,13Cが変動表示されると共に、その保留に対応した左端の保留表示体14Zが消滅して(保留数が1つ減り)、それより右側の保留表示体14Zが左側へと移動する(
図3(A)参照)。また、新たに第1の特図判定権が発生すると、新たに出現した保留表示体14Zが、既に表示されている最後尾の保留表示体14Zの右隣に加えて表示される。
【0033】
なお、特別図柄13A,13B,13Cの変動表示中もしくは確定停止表示中、又は大当り遊技の最中に第2の始動入賞部14Bに遊技球が入球した場合にも、その入球に起因した特図判定(第2の特図判定)の判定報知は、所定上限回数(本実施形態の例では、4回)まで保留記憶される。この場合にも、第1の特図判定の場合と同様に、第2の特図判定の保留数は、例えば、表示装置13の下端部に表示される。
【0034】
また、本実施形態の遊技機10では、保留記憶された特図判定の判定結果が先読みされる。なお、この先読み結果を、例えば、保留表示体14Zの表示態様の変化(例えば、色の変化等)により示唆する示唆演出が実行可能となっていてもよい。
【0035】
さて、本実施形態の遊技機10では、上述のように、特図判定及び普図判定の判定報知において、保留されている判定報知が存在する場合には、変動表示中又は確定停止表示中の判定報知の次に、その保留された判定報知が連続して実行される。即ち、遊技機10では、判定報知が、複数回連続して実行されることがある。具体的には、
図6(A)に示されるように、外れの判定報知の実行中に次の判定報知が保留されると、判定報知が連続することとなる(確定停止表示の終了後、直ちに次の変動表示が開始することになる)。そして、外れの判定報知の保留が続けば、判定報知が連続して実行され続ける。また、
図6(A)に示されるように、当りの判定報知が行われると、その後に大当り遊技が実行されるので、判定報知が連続せずに途切れる。従って、判定報知が複数連続する場合には、外れの判定報知が最初に行われることになる。
【0036】
ここで、本実施形態では、
図6(A)に示されるように、複数回、特図判定の判定報知が連続する場合には、それら複数回の判定報知にまたがって連続する連続演出が、表示画面13Gにて実行されるようになっている(
図6(A)参照)。具体的には、連続演出は、判定報知ごとに実行される単位演出が連続してなる。単位演出としては、外れの判定報知に対応する外れ演出と、当りの判定報知に対応する当り演出と、が設けられていている。本実施形態では、外れ演出と当り演出の各実行時間は、特図判定の外れと当りのそれぞれの判定報知の期間(特別図柄13A~13Cの変動表示と確定停止表示の合計の期間)と同じになっている。また、本実施形態では、当り演出と外れ演出とは、互いに異なっている。なお、上述のように、特図判定の保留がない状態で、当りの判定報知が実行されると、その後に大当り遊技が実行されて判定報知が連続しなくなるので、1つの連続演出のうち最初に実行される単位演出は、必ず、外れ演出となる。
【0037】
本実施形態では、外れ演出は、第1のキャラクターが所定の行動を継続する演出となっている。具体的には、複数の(本実施形態の例では2人)の第1のキャラクター31A,31Bが表示画面13Gに表示され、会話する演出となっている。例えば、外れ演出は、複数パターン用意されていて、各パターンで会話内容が異なっている。そして、外れ演出は、その実行時間が終了するときには、第1のキャラクター31A,31Bの会話が終了するように予め設定されている。即ち、外れ演出が終了してその後に単位演出が実行されない場合でも、第1のキャラクター31A,31Bの会話が途中で不自然に途切れることがないようになっている。従って、外れ演出の終了時に遊技者に不自然さや違和感を与え難くすることが可能となる。また、外れ演出が連続して実行される場合でも、連続する外れ演出の切替時に第1のキャラクター31A,31Bの会話について不自然さや違和感を感じさせ難くすることが可能となる。なお、例えば、本実施形態では、外れ演出における第1のキャラクター31A,31Bの会話は、後述する馬レースの勝敗についての予想等となっていて、外れ演出において第1のキャラクター31A,31Bの背景には、馬レースに出場する馬がパドックを周回している画像等が表示される。
【0038】
一方、当り演出は、本実施形態では、表示画面13Gにて実行される馬レースの演出となっている。具体的には、複数の馬35が登場し、主役馬35Aがレースに勝利するか否かによって、特図判定の判定結果が示されるようになっている。即ち、主役馬が一着となれば、特別図柄13A~13Cがゾロ目で停止し(
図1参照)、特図判定での当り(大当り)が報知される。また、主役馬が2着以下であれば、特図判定での外れが報知される。このように、遊技機10は、主役馬のレースでの順位により特図判定の判定結果を遊技者に認識させるようになっている。なお、特図判定で当たりの場合、馬レースに出場する複数の馬35のうち主役馬35Aが所定の順位以上(例えば2着以上)になるようになっていてもよい。このように、遊技機10では、当り演出は、所定の目標達成に向けて行動する主役演出要素(主役馬35A)と、主役演出要素の目標達成を阻む阻害演出要素(主役馬以外の馬35)と、が登場し、主役演出要素(主役馬35A)の目標達成度合い(馬レースでの順位)によって、特図判定の判定結果を遊技者に認識させる演出となっている。
【0039】
図5に示されるように、本実施形態では、表示画面13Gの表示とスピーカ24の音声により、上記当り演出の冒頭には、第2のキャラクター32が当り演出の開始を告げる開始演出が実行される。例えば、第2のキャラクター32が、「レースがはじまるぞー」といったセリフを言うようになっている。このように、当り演出の開始時に、第2のキャラクター32が当り演出の開始を告げる開始演出が実行されるので、当り演出の開始を把握させ易くすることが可能となると共に、当り演出の結果に対する期待感を高めさせることが可能となる。
【0040】
ここで、外れの判定報知の次に実行される判定報知として、当りの当否判定が保留記憶されている場合、上記連続演出において、外れ演出に続いて当り演出が実行される(
図6(A)参照)。この場合、本実施形態の遊技機10では、外れの判定報知(外れ演出)の次に、当りの判定報知(当り演出)が開始される際に、連続演出に割り込む割込演出が実行される(
図6(A)参照)。
【0041】
具体的には、表示画面13Gにおいて、外れ演出が実行されて第1のキャラクター31A,31Bが会話しているところに(
図3(B)参照)、第2のキャラクター32が、割り込むようになっている(
図4参照)。本実施形態では、この割込演出は、第2のキャラクター32が第1のキャラクター31A,31Bの行動(会話)を終わらせるように動作及び発言をする演出となっている。詳細には、第2のキャラクター31Aが、第1のキャラクター31A,31Bの前に重なるように出現すると共に、例えば「おしゃべりはそこまで!」といったセリフを言うようになっている。
【0042】
本実施形態では、連続演出において、上記割込演出が実行された場合には、割込演出に続いて、当り演出の開始演出が実行される。このように、第1のキャラクター31A,32の会話から馬レースへと単位演出の場面が切り替わる際に、割込演出が行われることで、単位演出の切替時に、不自然な印象や違和感を遊技者に与え難くすることが可能となる。
【0043】
なお、
図6(B)に示されるように、外れ演出の次に連続してではなく(即ち、特図判定の保留記憶がない状態で)、当り演出が単発で実行される場合には、割込演出は実行されない。この場合においても、
図5(A)に示されるように、開始演出は当り演出の冒頭に実行される。この場合、この当り演出に対して直前に連続する判定報知がないので、割込演出が実行されなくても、当り演出の開始時に不自然さや違和感を感じさせ難くすることが可能となる。
【0044】
次に、遊技機10の電気的な構成について説明する。
図7に示されるように、符号80は、主制御基板80であって、CPU81AとRAM81B及びROM81C、複数のカウンタを備えたマイクロコンピュータと、このマイクロコンピュータとサブ制御基板82を結ぶ入出力回路を備えると共に、第1始動入賞センサ71、第2始動入賞センサ72、ゲートセンサ73、一般入賞センサ、センター大入賞センサ、サイド大入賞センサ等が接続された中継回路、及び、発射ハンドル28のタッチセンサ28Sや払出される賞球を検出する払出センサ等が接続された払出制御基板、と接続される入出力回路も備え、遊技に関わる主制御を行う。CPU81Aは、当否判定部、制御部、演算部、各種カウンタ、各種レジスタ、各種フラグ等を備え、演算制御を行う他、特別図柄当りや普通図柄当りに関する乱数等も生成し、制御信号をサブ制御基板82等へ出力(送信)可能に構成されている。RAM81Bは、CPU81Aで生成される各種乱数値用の記憶領域、各種データを一時的に記憶する記憶領域やフラグ、CPU81Aの作業領域を備える。ROM81Cには、CPU81Aが実行するメインプログラムや、制御データ等が書き込まれている他、特別図柄当り及び普通図柄当りの判定値や確変移行抽選の判定値が書き込まれている。
【0045】
サブ制御基板82は、主制御基板80と同様に、CPU82AとRAM82B、ROM82C、複数のカウンタを備えたマイクロコンピュータ82Mを備える。また、サブ制御基板82は、マイクロコンピュータ82Mと主制御基板80を結ぶ入出力回路を備えると共に、表示制御基板84、ランプ制御回路、演出用操作部29等を結ぶ入出力回路を備えている。CPU82Aは、制御部、演算部、各種カウンタ、各種レジスタ、各種フラグ、タイマー等を備え、演算制御を行う他、制御信号を表示制御基板84及びランプ制御回路、音声制御回路等へ出力(送信)可能に構成されている。RAM82Bは、各種データの記憶領域とCPU82Aによる作業領域を有している。ROM82Cには、CPU82Aが実行するメインプログラムや、各種演出の制御データ等が記憶されている。
【0046】
表示制御基板84は、表示装置13に設けられていて、サブ制御基板82からの制御信号に基づきCPUがROMから所定の表示制御データを読み出し、RAMの記憶領域で制御用データを生成してVDP(図示せず)に出力する。VDPは、CPUからの指令に基づいてROMから必要なデータを読み出し、表示画面13Gで表示する表示画像(特別図柄、大当り遊技演出を含む各種演出、及び確変遊技状態への移行の有無の表示画像等)のマップデータを作成し、VRAMに格納する。VRAMに格納記憶された画像データは、入出力回路に備えるD/A変換回路にてRGB信号に変換されて表示画面13Gに出力される。
【0047】
なお、主制御基板80、サブ制御基板82、表示制御基板84及びその他の回路(音声制御回路、ランプ制御回路等)は、電源基板85からの電源供給を受けて作動する。
【0048】
以上が、本実施形態の遊技機10の制御フロー以外の構成の説明である。制御フローに関しては後に詳説することとする。次に、本実施形態の遊技機10の作用効果について説明する。
【0049】
本実施形態の遊技機10では、特図判定の判定結果の判定報知が、複数回連続して実行される場合に、それら複数回の判定報知にまたがって連続する連続演出が実行されるので、判定報知の趣向性を向上させることが可能となる。しかも、複数回連続した判定報知において、外れの判定報知の次に、当りの判定報知が開始される際に、連続演出に割り込む割込演出が実行されるので、判定報知の趣向性をさらに向上させることが可能となる。また、本発明によれば、割込演出が行われることによって次の判定報知の判定結果への期待感を高めさせることが可能となる。
【0050】
本実施形態では、連続演出において、外れ演出から当り演出に切り替わる際に、割込演出を実行することが可能となるので、割込演出が実行されずに急に外れ演出から当り演出に切り替わる場合に比べて、演出の切替時の違和感を抑制可能となる。また、本実施形態では、外れ演出での第1のキャラクターの行動を割込演出で終わらせることが可能となるので、外れ演出から当り演出への切替時の違和感をさらに小さくすることが可能となる。
【0051】
本実施形態では、当り演出の冒頭に、第2のキャラクターが当り演出の開始を告げる開始演出が実行されるので、当り演出の開始を把握させ易くすることが可能となる。また、本実施形態では、当り演出が、目標達成に向けて行動する主役演出要素と、その目標達成を阻む阻害演出要素と、が登場する演出であり、特図判定の判定結果が主役演出要素の目標達成度合いにより認識可能となる。従って、当り演出に遊技者の関心を引き付けることが可能となり、当り演出の趣向性の向上が図られる。
【0052】
以下、本実施形態の遊技機10の内部処理の詳細を、
図8から
図17に示すフローチャートを参照しつつ説明する。
【0053】
遊技機10の電源85をオンすると、遊技機10に備えられた主制御基板80がメインプログラムPG1を実行する。
図8に示すように、メインプログラムPG1は、まず、CPU等の初期設定を行う(S1)。なお、初期設定(S1)は、主制御回路メインプログラムPG1が、電源オン後の1回目にランされたときだけ実行され、それ以降は実行されない。初期設定(S1)では、各種のフラグ、カウンタ、ステータス等のリセット等も行われる。フラグの初期値は「0」(即ち、「OFF」)であり、カウンタの初期値は「0」であり、ステータスの初期値は「1」である。
【0054】
初期設定(S1)に次いで、後述する割り込み処理(S5)を実行するまでの残余時間には、以下のステップS2~S4の各処理をループして行う。まず、割り込みを禁止し(S2)、タイマ割り込みが入って来ても割り込み許可となるまで割り込み処理を行わないようにする。続いて、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)を実行する。この処理(S3)では、特別図柄や普通図柄の決定用の乱数カウンタを1加算して更新する。更新したカウンタ値はRAMの更新値記憶領域に逐一記憶する。普通図柄・特別図柄乱数更新処理(S3)が終了すると、割り込みを許可し(S4)、メイン割り込み処理(S5)を実行可能とする。
【0055】
なお、上述の各乱数カウンタ値は、遊技機10の電源85がオンされたときに0から始まって乱数更新処理(S3,S11(後述))が行われると1加算され、設定された数値範囲の最大値(上限値)に至ると0にされて再び上記加算を繰り返す。
【0056】
主制御基板80のRAM80Bの乱数記憶領域には、第1、第2始動入賞部14A,14Bへの入賞時に取得される特別図柄関連カウンタ値や、始動ゲート18へ遊技球が通過した時に取得された普通図柄関連カウンタ値を、それぞれ保留の上限値まで記憶可能となっている。そして、乱数記憶領域に記憶された各カウンタ値(乱数値)は、古いものから順に遊技に使用されるようになっている。
【0057】
メイン割り込み処理(S5)は、例えば、4msec周期で入力する割り込みパルスに従って実行される。そして、割り込み処理(S5)が終了してから、次に割り込み処理(S5)が開始するまでの残余処理期間中に、普通図柄・特別図柄乱数更新処理(S3)による各種カウンタ値の更新処理を複数回に亘って繰り返し実行する。また、割り込み禁止状態のときに割り込みパルスが入力した場合は、割り込み処理(S5)をすぐには開始せず、割り込み許可(S4)となってから開始する。
【0058】
メイン割り込み処理(S5)について説明する。
図9に示すように、メイン割り込み処理(S5)では、まず、コマンド処理(S10)を行う。コマンド処理(S10)では、RAM80Bの出力バッファにセットされた各種コマンドを、対応するサブ制御装置(例えば、サブ制御基板82、表示制御基板84、ランプ制御回路等)に出力する。
【0059】
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S11)は、上記したメインプログラムPG1のループ処理内で行われている普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)と同じである。即ち、各種カウンタ値の更新処理は、メイン割り込み処理(S5)の実行期間内と、その残余処理期間(メイン割り込み処理(S5)の終了後、次のメイン割り込み処理(S5)が開始されるまでの期間)の両方で行われている。
【0060】
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S11)に次いで、始動入賞センサ検出処理(S12)が実行される。始動入賞センサ検出処理(S12)では、始動ゲート18、第1の始動入賞部14A、第2の始動入賞部14Bのそれぞれの通過又は入賞に応じて(即ち、第1始動入賞センサ71、第2始動入賞センサ72、ゲートセンサ73の検出結果に応じて)、対応した保留数の加算及び特図判定用の乱数取得を行う。
【0061】
詳細には、始動ゲート18を遊技球が通過した場合に、普通図柄保留数が上限値(例えば、4個)未満であれば、普通図柄保留数を1加算し、普通図柄乱数取得処理を実行する。具体的には、RAM80Bの更新値記憶領域から普図判定カウンタ値を乱数として取得してRAM80Bの乱数格納領域に記憶する。そして、取得したカウンタ値に基づき普図判定の判定結果を取得し、その内容を入賞コマンドに設定し、入賞コマンドをRAM80Bの出力バッファにセットする。
【0062】
また、第1の始動入賞部14Aに遊技球が入賞した場合には、第1の特図判定の保留数(第1特図保留数)が上限値未満であれば、第1特図保留数を1加算し、特図関係乱数取得処理を実行する。具体的には、RAM80Bの更新値記憶領域から、特別図柄関連カウンタ値を取得して、それらをRAM80Bの乱数記憶領域に記憶する。なお、第2の始動入賞部14Bに遊技球が入賞した場合も、第1入賞部41に遊技球が入賞した場合と同様の処理が行われる。
【0063】
図9に示されるように、メイン割り込み処理(S5)では、始動入賞センサ検出処理(S12)に次いで、普図判定に関する普通動作処理(S13)が実行される。普通動作処理(S13)が実行されると、特図判定に関する特別動作処理(S14)が実行され、その後、その他の処理(S15)が実行されてから、メイン割り込み処理(S5)が終了する。普通動作処理(S13)では、普通図柄表示装置14X(
図7参照)及び第2の始動入賞部14B(開放動作等)等についての処理が実行される。以下、特別動作処理(S14)について詳説する。
【0064】
特別動作処理(S14)では、特別図柄表示装置14Xと大入賞部15に関する処理を4段階に分けて、各段階に特別動作ステータス1,2,3,4を割り当てている。
図10に示されるように、特別動作ステータスが「1」である場合には(S141でYES)、特別図柄待機処理(S142)を行う。特別動作ステータスが「2」である場合には(S141でNO、S143でYES)、特別図柄変動中処理(S144)を実行する。特別動作ステータスが「3」である場合には(S141,S143でNO、S145でYES)、特別図柄確定処理(S146)を実行する。特別動作ステータスが「4」である場合には(S141,S143,S145でNO、S147でYES)、特別役物処理(大当り遊技処理。S148)を実行する。なお、特別動作ステータスは、初期設定では「1」となっている。以下、これら各特別動作ステータスに対応する処理S142,S144,S146,S148について説明する。
【0065】
図11に示すように、特別図柄待機処理(S142)では、まず、第2の始動入賞部14Bの保留数(第2特図保留数)が「0」であるか否かを判定する(S201)。第2特図保留数が「0」である場合(S201でYES)、即ち、第2の始動入賞部14Bへの入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶がない場合には、第1の始動入賞部14Aの保留数(即ち、第1特図保留数)が「0」であるか否かを判定する(S207)。そして、第1特図保留数も「0」である場合(S207でYES)、即ち、第1の始動入賞部14Aへの入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶もない場合には、直前外れ変動フラグを0にセットする(S213)。このフラグは、連続演出において直前に外れの変動表示(即ち、外れ演出)が実行された場合が「1」、そうでない場合が「0」にセットされるようになっている。ステップS213の後、画像表示装置13の表示画面13Gを待機画面(客待ち画面)としたか否かを判断し(S214)、待機画面であれば(S214でYES)、この処理(S142)を終え、待機画面でなければ(S214でNO)、待機画面設定処理(S215)を行ってから、特別図柄待機処理(S142)を終える。なお、待機画面設定処理(S215)では、所定の待機時間の経過を待って、待機画面を表示させるための客待ち待機コマンドをセットする。
【0066】
ステップS201において第2特図保留数が「0」でない場合(NO)、即ち、第2の始動入賞部14Bへの入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(第2の特図判定の保留情報)がある場合には、後述の特
図2大当り判定処理(S202)が実行され、その後、特
図2変動パターン選択処理(S203)が実行される。
【0067】
ここで、この特
図2変動パターン選択処理(S203)では、第2の特図判定の変動パターンの情報(変動表示時間や確定停止表示時間等)の設定や、その変動パターンに基づいて単位演出(外れ演出、当り演出)や、割込演出についてサブ制御基板82に送信するコマンドがセットされる。これらコマンドは、上述のコマンド処理(S10)において、サブ制御基盤82、表示制御基板84等のサブ制御装置に送信される。この処理(S203)については、後に詳説する。
【0068】
特
図2変動パターン選択処理(S203)が終了すると、第2特図保留数が1減算される(S204)。そして、第2特図保留記憶部における各種カウンタ値の記憶場所が、読み出される側に1つシフトされるとともに、第2特図保留記憶部における保留上限個数に対応する記憶場所(読み出される側から最も遠い記憶場所)がクリアされる(S205)。このようにして、第2の特図判定の保留が保留された順に消化されるようにしている。
【0069】
次に、特
図2変動開始処理(S206)が実行される。この処理(S206)では、特別動作ステータスを「2」にセットすると共に、変動開始コマンドをRAM80Bの出力バッファにセットして、第2の特図判定の特別図柄の変動表示を開始する。特
図2変動開始処理(S206)でセットされる変動開始コマンド(特
図2変動開始コマンド)には、後述の特
図2大当り判定処理(S202)でセットされた特図確定停止図柄データの情報、第2特図判定の判定結果や、特
図2変動パターン選択処理(S203)でセットされた変動パターンの情報が含まれている。
【0070】
一方、第2特図保留数が「0」であるが第1特図保留数が「0」でない場合(S2001でYES、S2007でNO)、即ち、第2の特図判定の保留情報はないが、第1の始動入賞部14Aへの入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特
図1の保留情報)が1つ以上ある場合には、後述の特
図1大当り判定処理(S208)及び特
図1変動パターン選択処理(S209)を実行する。その後、第1特図保留数を1減算する(S210)。そして、第1特図保留記憶部における各種カウンタ値の記憶場所を、読み出される側に一つシフトするとともに、第1特図保留記憶部における保留上限個数に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶場所)をクリアする(S211)。このようにして、第1特図保留が保留された順に消化されるようにしている。次に、特
図1変動開始処理(S212)を実行する。この処理(S212)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドをRAMの出力バッファにセットして、第1の特図判定の特別図柄の変動表示を開始する。特
図1変動開始処理(S212)でセットされる変動開始コマンド(特
図1変動開始コマンド)には、特
図1大当り判定処理(S208)でセットされた特図停止図柄データの情報や特
図1変動パターン選択処理(S209)でセットされた変動パターンの情報(変動表示時間及び確定停止時間の情報等)等が含まれている。
【0071】
上述のように、本実施形態では、第1の特図判定の保留に基づく特別図柄の変動表示は、第2特図保留が「0」の場合(S2001でYESの場合)に限って行われ、第2特図保留の消化は、第1特図保留の消化よりも優先される。
【0072】
上述の特
図2大当り判定処理(S202)、特
図1大当り判定処理(S208)では、判定値として、特別図柄関連乱数カウンタ値を読み出す。詳細には、特
図2大当り判定処理(S202)では、RAM80Bの第2特図保留記憶部(詳細には、第2の特図判定の保留の1つ目)に記憶されている特別図柄関連乱数カウンタ値(始動入賞センサ検出処理(S12)で取得された特別図柄関連乱数カウンタ値)を読み出す。また特
図1大当り判定処理(S208)では、RAM80Bの第1特図保留記憶部(詳細には、第1特図判定の保留の1つ目)に記憶されている特別図柄関連乱数カウンタ値(S12で取得されたもの)を読み出す。 次に、大当り判定テーブルに従って大当りか外れかを判定する。判定結果が大当りであれば、大当りフラグをONし、当り種別乱数を判定して大当り図柄をセットし、その後、この処理(S202、S208)を終える。判定結果が外れである場合には、外れ図柄をセットしてから、この処理(S202、S208)を終了する。なお、遊技機10は、特図判定の当否判定を、S202やS208で行う代わりに、
図9に示す始動入賞センサ検出処理(S12)で行うように構成することもできる。
【0073】
ここで、
図14に示されるように、特
図2変動パターン選択処理(S203)では、特
図2の変動についての処理が行われる。特
図1変動パターン選択処理(S208)でも同様の処理が行われるので、同図を参照しつつ特
図2変動パターン選択処理(S203)のみを説明する。
【0074】
特
図2変動パターン選択処理(S203)では、まず、次の変動表示が当りの判定報知のものか否かが判断される(S401)。次に当りの判定報知が実行される場合(S401でYES)、直前外れ変動フラグが「1」か否かが判断され(S402)、「1」の場合(S402でYES。連続した判定報知のうち外れの判定報知が実行中の場合)、次の判定報知用の当り変動パターンがセットされてから、当り演出に加えて割込演出のコマンドがセットされる(S404)。その後、直前外れ変動フラグを0にセットしてから(S405)、特
図2変動パターン選択処理(S203)を終了する。
【0075】
ステップS402において、直前外れ変動フラグが「0」である場合(S402でNO。連続した判定報知のうち当りの判定報知が実行中の場合)、次の判定報知用の当り変動パターンがセットされてから(S406)、当り演出のコマンドがセットされる(S407)。この場合、割込演出のコマンドはセットされない。その後、直前外れ変動フラグを「0」にセットしてから(S405)、特
図2変動パターン選択処理(S203)を終了する。なお、ステップS407でコマンドがセットされる当り演出の実行時間は、例えば、ステップS404でコマンドがセットされる割込演出と当り演出の合計の実行時間と同じになっていてもよい。
【0076】
一方、ステップS401において、次の変動表示が外れの判定報知のものである場合(S401でNO)、直前外れ変動フラグを「1」にセットしてから(S408)、外れ変動パターンをセットし(S409)、その後、外れ演出のコマンドをセットして、特
図2変動パターン選択処理(S203)を終了する。
【0077】
なお、ステップS404、S407、S410でセットされたコマンドは、
図9に示すコマンド処理(S10)において、サブ制御装置に送信される。以上が、特
図2(特
図1)変動パターン選択処理(S203、S208)の説明である。
【0078】
図12に示すように、特別図柄変動中処理(S144)では、まず、変動表示の開始から、所定の変動時間が経過したか否かが判断される(S241)。変動時間が経過していなければ(S241でNO)、特別図柄変動中処理(S144)が終了する。
【0079】
一方、S241において変動時間が経過していれば(YES)、変動停止コマンドをセットし(S242)、特別動作ステータスを「3」にセットする(S243)。そして、特別図柄13A~13Cの変動表示を、セットされている特図停止図柄データに応じた図柄(大当り図柄又は外れ図柄)で確定停止表示させる(S244)。その後、その他の処理(S245)を実行してから、特別図柄変動中処理(S144)を終える。
【0080】
図13示すように、特別図柄確定処理(S146)では、まず、特別図柄13A~13Cの確定停止表示時間が経過したか否かを判定する(S301)。S301において確定停止表示時間が経過していない場合は(NO)、特別図柄確定処理(S146)を終える。一方、確定停止表示時間が経過している場合は(S301でYES)、単位演出(外れ演出又は当り演出)の終了コマンドをセットする(S302)。このコマンドは、
図9に示すコマンド処理(S10)で、サブ制御装置(サブ制御基板82、表示制御基板84等)に送信される。
【0081】
ステップS302の後、大当りフラグがONであるか否かを判定する(S303)。大当りフラグがONであれば(S303でYES)、特別動作ステータスを「4」にセットする(S304)。そして、設定リセット処理(S305)を実行する。この設定リセット処理では、大当り遊技の実行中の遊技状態が通常状態に制御される(例えば、遊技状態が確変状態や時短状態であった場合に通常状態に制御される)。その後、大当り遊技を開始するためのオープニング開始処理(S306)が実行される。この処理(S306)では、大当りのオープニングコマンドがセットされて、大当り遊技のオープニングを開始すると共に、当選した大当り図柄の種別に応じた大入賞部15の開放パターンがセットされる。一方、ステップS303において、大当りフラグがONでなければ(NO)、特別動作ステータスを「1」にセットし(S309)、その後、特別図柄確定処理(S146)を終える。
【0082】
図10に示す特別役物処理(S148)は、大当り遊技の実行のための処理である。この処理では、大当り遊技の終了条件が成立しているか(例えば、所定回数のラウンドが終了したか)が判断される。終了条件が成立していないときには、ラウンドに応じた開放条件に基づいて大入賞部15の開放動作の処理が行われる。一方、大当り遊技の終了条件が成立している場合には、特別動作ステータスが「1」にセットされ、特別役物処理(S148)が終了する。以上が、メインプログラムPG1の説明である。
【0083】
次に、サブ制御基板82が実行するサブ制御基板メインプログラムPG2の処理について、
図15~
図17を参照しつつ詳説する。
図15に示すように、サブ制御基板70のCPU82Aで実行されるメイン処理PG2においても、主制御基板80のCPU80Aで実行されるメイン処理PG1と同様に、初期設定(S21)を行ってから、割込禁止(S24)、乱数カウンタ更新処理(S25)及び割込許可(S26)を繰り返して行うループに入る。そして、そのループに対して、受信割込処理(S27)、2msタイマ割込処理(S28)、10msタイマ割込処理(S29)を割り込んで実行する。
【0084】
受信割込処理(S27)では、
図16に示すように、ストローブ信号をチェックし(S31)、ストローブ信号がオンでなければ(S31でNo)、直ちにこの処理(S27)を抜け、ストローブ信号がオンであれば(S31でYes)、主制御基板80からサブ制御基板82に送られたコマンドや制御データを取り込んでRAM70Bに格納してから(S32)、この処理(S27)を抜ける。なお、主制御基板80から送られる上記コマンドには、割込演出や単位演出(外れ演出、当り演出)についてのコマンドが含まれる。
【0085】
2msタイマ割込処理(S28)は、
図17(A)に示されており、2msecの周期で割り込み実行され、先ずは出力処理(S41)で、次述する10msタイマ割込処理(S29)で作成した制御データを表示制御基板84等に出力する。次いで、入力処理(S42)で、パチンコ遊技機10の各種スイッチの状態を読み込んでスイッチデータを作成する。入力処理(S42)が終了すると、ウォッチドックタイマをリセットする処理(S43)等が実行され、2msタイマ割込処理(S28)が終了する。
【0086】
10msタイマ割込処理(S29)は、10msecの周期で割り込み実行される。
図17(B)に示されるように、この処理(S29)では、主に、スイッチ状態取得処理(S61)と受信コマンド解析処理(S62)とが実行される。まず、スイッチ状態取得処理(S61)では、2msタイマ割込処理(S28)で作成したスイッチデータを10msタイマ割込処理用のスイッチデータとして取り込む。なお、このスイッチデータには、操作ボタン29等の操作データも含まれている。
【0087】
受信コマンド解析処理(S62)では、まず、サブ制御基板82が主制御基板80からコマンドを受信しているかどうかを判定する。そして、コマンドを受信していた場合には、その受信コマンドの種類を判定し、その内容に基づいて処理を実行する。具体的には、この受信コマンドには、割込演出の開始や終了、単位演出(外れ演出、当り演出)の開始や終了等のコマンドも含まれる。なお、受信コマンドが保留コマンドである場合に実行される保留コマンド処理では、発生した保留を先読み判定し、その先読み判定結果(当否及び演出時間)と共に記憶する。そして、受信コマンドの種類に基づいた処理が実行された後、この受信コマンド解析処理(S62)を抜ける。以上が、サブ制御基板メインプログラムPG2の説明である。本実施形態の遊技機10では、以上のように内部処理が行われる。
【0088】
なお、本実施形態では、特別図柄当否判定が、特許請求の範囲に記載の「当否判定」に相当し、主制御基板80、サブ制御基板82、表示装置13及びスピーカ24が、特許請求の範囲に記載の「割込演出実行手段」に相当する。
【0089】
[他の実施形態]
(1)上記実施形態では、本発明の「当否判定」が、当りになると大入賞部15が開放する大当り遊技が実行される特別図柄当否判定であったが、当りになると遊技球が入球可能な大入賞口以外の球受入口が開放する当否判定(例えば普通図柄当否判定)であってもよい。
【0090】
(2)上記実施形態では、外れ演出は、複数のキャラクター31A,31Bが登場する演出であったが、1人のキャラクターが登場する演出であってもよい。この場合、外れ演出は、キャラクターが何か行動を継続している構成であってもよく、例えば、1人のキャラクターが話をしている演出であってもよいし、寝ている演出であってもよいし、食べている演出等であってもよい。この場合、例えば、割込演出は、第2のキャラクターが、起こしに来る演出や、食べるのを止めさせる演出であってもよい。
【0091】
(3)上記実施形態では、第2のキャラクター32が、一人だけであったが、複数登場してもよい。
【0092】
(4)上記実施形態では、判定報知ごとに実行されて連続演出を構成する単位演出としての外れ演出と当り演出とが異なっていたが、同じであってもよい。この場合であっても、連続する判定報知(即ち、単位演出)の間に割込演出が実行されるので、判定報知に対する趣向性を向上させることが可能となる。また、本構成によれば、次の判定報知に対する期待感を向上させることも可能となる。
【0093】
(5)上記実施形態では、当り演出が、馬レースの演出であったが、主役演出要素と他の演出要素が対戦バトルして、主役演出要素の勝利により特図判定の判定結果を報知するものであってもよい。
【0094】
(6)上記実施形態において、遊技機10を、大当り遊技後の遊技状態が、通常遊技状態とそれよりも遊技者に有利な特典遊技状態との何れかに設定される構成とし、特典遊技状態において、複数回判定報知が連続した場合に、それら判定報知にまたがる連続演出が実行される構成としてもよい。
【0095】
<付記>
以下、上述した各実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお、以下では、理解の容易のため、上記実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
【0096】
以下の特徴群は、遊技機に関し、「特許文献A(特開2005-211410号公報(段落[0033]、[0034]等))の遊技機のように、従来より、当否判定条件の成立に起因して行われる当否判定の判定結果を図柄を変動表示させてから確定停止表示させることで報知する判定報知が、複数回連続して実行可能な遊技機が知られている」という背景技術について、「上述した従来の遊技機に対して、判定報知の趣向性の向上が求められている。」という課題をもってなされたものと考えることができる。
【0097】
[特徴1]
当否判定条件の成立に起因して行われる当否判定の判定結果を図柄を変動表示させてから確定停止表示させることで報知する判定報知が、複数回連続して実行される場合に、それら複数回の前記判定報知にまたがって連続する連続演出が実行される遊技機(遊技機10)であって、
複数回連続した前記判定報知において、外れの前記判定報知の次に、当りの前記判定報知が開始される際に、前記連続演出に割り込む割込演出を実行する割込演出実行手段を備える遊技機。
【0098】
[特徴2]
前記連続演出は、前記判定報知ごとに実行される単位演出が連続してなり、
前記単位演出として、外れの前記判定報知に対応する外れ演出と、当りの前記判定報知に対応し前記外れ演出とは異なる当り演出と、が設けられる、特徴1に記載の遊技機。
【0099】
[特徴3]
前記外れ演出は、第1のキャラクターが所定の行動を継続する演出であり、
前記割込演出は、第2のキャラクターが前記第1のキャラクターの前記行動を終わらせるように動作又は発言する演出である、特徴2に記載の遊技機。
【0100】
[特徴4]
前記外れ演出は、複数の前記第1のキャラクターが会話する演出である、特徴2又は3に記載の遊技機。
【0101】
[特徴5]
前記当り演出の冒頭には、前記第2のキャラクターが前記当り演出の開始を告げる開始演出が実行される、特徴3又は4に記載の遊技機。
【0102】
[特徴6]
前記当り演出は、所定の目標達成に向けて行動する主役演出要素と、前記主役演出要素の前記目標達成を阻む阻害演出要素と、が登場し、前記主役演出要素の目標達成度合いによって、前記当否判定の判定結果を遊技者に認識させる演出となっている、特徴2から5のうち何れか1の特徴に記載の遊技機。
【0103】
[特徴7]
前記当否判定は、当りになると大入賞口が開放する大当たり遊技が行われる大当たり当否判定である、特徴1から6の何れか1の特徴に記載の遊技機。
【0104】
[特徴8]
当否判定条件の成立に起因して行われる当否判定の判定結果を図柄を変動表示させてから確定停止表示させることで報知する判定報知が、複数回連続して実行される場合に、それら複数回の前記判定報知にまたがって連続する連続演出を実行する連続演出実行手段を備える遊技機。
【0105】
特徴1では、当否判定の判定結果の判定報知が、複数回連続して実行される場合に、それら複数回の判定報知にまたがって連続する連続演出が実行されるので、判定報知の趣向性を向上させることが可能となる。しかも、複数回連続した判定報知において、外れの判定報知の次に、当りの判定報知が開始される際に、連続演出に割り込む割込演出が実行されるので、判定報知の趣向性をさらに向上させることが可能となる。また、本特徴によれば、割込演出が行われることによって次の判定報知の判定結果への期待感を高めさせることが可能となる。
【0106】
特徴2では、連続演出において、外れ演出から当り演出に切り替わる際に、割込演出を実行することが可能となるので、割込演出が実行されずに急に外れ演出から当り演出に切り替わる場合に比べて、演出の切替時の違和感を抑制可能となる。
【0107】
特徴3では、外れ演出での第1のキャラクターの行動を割込演出で終わらせることが可能となるので、外れ演出から当り演出への切替時の違和感をさらに小さくすることが可能となる。
【0108】
外れ演出は、第1のキャラクターが、1人登場する演出であっても複数登場する演出であってもよい。例えば、外れ演出は、複数の第1のキャラクターが会話する演出であってもよい(特徴4)。
【0109】
特徴5では、当り演出の冒頭に、第2のキャラクターが当り演出の開始を告げる開始演出が実行されるので、当り演出の開始を把握させ易くすることが可能となる。
【0110】
特徴6では、当り演出が、目標達成に向けて行動する主役演出要素と、その目標達成を阻む阻害演出要素と、が登場する演出であり、当否判定の判定結果が主役演出要素の目標達成度合いにより認識可能となる。従って、当り演出に遊技者の関心を引き付けることが可能となり、当り演出の趣向性の向上が図られる。
【0111】
当否判定は、当りになると大入賞口が開放する大当り遊技が実行される大当り当否判定であってもよいし(特徴7)、遊技球が入球可能な大入賞口以外の球受入口が開放する当否判定であってもよい。
【0112】
特徴8では、当否判定の判定結果の判定報知が、複数回連続して実行される場合に、それら複数回の判定報知にまたがって連続する連続演出が実行されるので、判定報知の趣向性を向上させることが可能となる。
【符号の説明】
【0113】
10 遊技機
13 表示装置
13G 表示画面
31A 第1のキャラクター画像
32B 第2のキャラクター画像
80 主制御基板
82 サブ制御基板
84 表示制御基板