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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-24
(45)【発行日】2022-06-01
(54)【発明の名称】人工降雨式空気清浄装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 7/003 20210101AFI20220525BHJP
   C02F 1/32 20060101ALI20220525BHJP
   F24F 6/00 20060101ALI20220525BHJP
   F24F 6/14 20060101ALI20220525BHJP
   F24F 7/007 20060101ALI20220525BHJP
   F24F 8/133 20210101ALI20220525BHJP
   F24F 8/142 20210101ALI20220525BHJP
【FI】
F24F7/003
C02F1/32
F24F6/00 Z
F24F6/14
F24F7/007 101
F24F8/133
F24F8/142
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020180294
(22)【出願日】2020-10-28
(65)【公開番号】P2022071378
(43)【公開日】2022-05-16
【審査請求日】2020-10-28
(73)【特許権者】
【識別番号】502391600
【氏名又は名称】株式会社テクノコア
(74)【代理人】
【識別番号】100079164
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 勇
(72)【発明者】
【氏名】替場 信一
(72)【発明者】
【氏名】坂 正樹
【審査官】▲高▼藤 啓
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第204841285(CN,U)
【文献】特開2015-097484(JP,A)
【文献】特開2000-329366(JP,A)
【文献】特開平05-027696(JP,A)
【文献】特開2013-017161(JP,A)
【文献】中国実用新案第202336268(CN,U)
【文献】中国実用新案第207986847(CN,U)
【文献】中国実用新案第209501150(CN,U)
【文献】中国実用新案第211781120(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 7/003
F24F 6/00
F24F 6/14
F24F 7/007
F24F 8/133
F24F 8/142
C02F 1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
区画された空間内の空気に湿度を与えると共に当該空間内の空気中を浮遊する汚染物質を除去する機能を備えた装置本体を有する人工降雨式空気清浄装置であって、
前記装置本体が、水滴群を散水して人工降雨を作る振動ノズルと、この振動ノズルから散水される水滴群の落下位置に配置されて当該水滴群を受けとめる受水槽と、この受水槽の水を前記振動ノズルに送り込む送水管及び送水ポンプを備えた送水手段と、この送水手段及び前記受水槽を保持する台枠とを備えて成る人工降雨手段を有し、
この人工降雨手段の前記振動ノズルから散水される水滴群部分を露出させる共に、降下する水滴群に付勢されて共に下降する下降空気流により、前記空間内の空気を循環させる構成とし、
前記送水手段に、振動ノズル用の水浄化手段を併設し、
前記振動ノズルによる気体の下降流を形成する位置に、送風手段を併設すると共に、これにより生じる前記空気の下降流を反転上昇させるフラップを、前記受水槽側に装備したたことを特徴とする人工降雨式空気清浄装置。
【請求項2】
前記水浄化手段を、前記受水槽から送水手段に送り込まれる降雨用の水を前記振動ノズルに送り込む前に常時殺菌する殺菌装置と、同時に、当該降雨用の水をろ過するろ過装置とをもって構成したことを特徴とする請求項1に記載の人工降雨式空気清浄装置。
【請求項3】
前記振動ノズルを一定の散水領域を持つ自励振動ノズルで構成すると共に、この自励振動ノズルによる散水領域を、幅の狭い帯状に設定する機能を前記振動ノズルが備えていることを特徴とする請求項1に記載の人工降雨式空気清浄装置。
【請求項4】
前記散水領域に帯状に降水する前記振動ノズルからの水滴群の降水面に対向して、当該水滴群降水面から一定間隔を隔てた位置に、整流パネルを配設したことを特徴とする請求項に記載の人工降雨式空気清浄装置。
【請求項5】
前記振動ノズルから散水される水滴群に沿ってミストを噴霧するミスト噴霧ノズルを、前記振動ノズルに併設したことを特徴とする請求項に記載の人工降雨式空気清浄装置。
【請求項6】
前記振動ノズルからの前記水滴群,前記整流パネル,噴霧される前記ミスト,又は前記フラッに対して投映する投映手段を、前記振動ノズルの設置領域に併設したことを特徴とする請求項に記載の人工降雨式空気清浄装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人工降雨式空気清浄装置に係り、特に、大空間を有する屋根着き競技場や体育館若しくは講堂等の内部空間の空気を、有効に且つ容易に清浄するための、人工降雨式空気清浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
体育館若しくは講堂等、更には、大型の各種室内競技施設には、内部空気の清浄化については、従来より、内部空気の入れ換えを主体とした種々の空気換気装置が、施設され、使用されている。
一方、大小の会議室や食堂等、区切られた空間内の空気換気装置(又は空気清浄装置)としては、例えば、下記特許文献1,2に見られるように、一度、周囲の空気を取り込んで、清浄した後に、再び外部に送り出すボックス型の空気清浄装置が比較的多く知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平11-188222号公報
【文献】特開2015-121375号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記各特許文献1,2にあっては、ボックス型であることから、例えば社内の小会議室や、車内の空気清浄装置の空気清浄化には好適なものとなっているが、体育館若しくは講堂(更には、室内競技場の如く比較的大きい空間を有する建造物)内の空気清浄に関しては、前述した従来型の空気清浄装置では、数多くの空気清浄装置が必要となり、日常的に成される保守点検を考慮すると、人的にも、又保守費用の点からも、手間がかかり、対応しきれない、という不都合があった。
【0005】
(発明の目的)
本発明は、上記従来例の有する不都合を改善し、比較的広い室内空間を対象として、当該室内の空気の清浄化を有効に成し得る保守点検が容易な人工降雨式空気清浄装置を、提供することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明では、清浄装置本体を有する人工降雨式空気清浄装置であって、前記清浄装置本体が、水滴群を出力し散水して人工降雨を作る振動ノズルと、該ノズルから散水される水滴群が落下する位置に配置されて当該水滴群を受けとめる受水槽と、この受水槽内の水を吸水し前記振動ノズルに供給する送水管とポンプとを備えて成る送水手段と、この送水手段及び前記受水槽を保持する台枠とを備えた人工降雨手段をもって構成されている。
【0007】
更に、この人工降雨手段の振動ノズルから散水される水滴群部分を露出させると共に、降下する水滴群に付勢されて、共に下降する空気の下降流をもって、前記室内空間全体の空気を循環させる構成とし、更に又、前記送水手段に、振動ノズル用の水浄化手段を付設し、前記振動ノズルによる気体の下降流を形成する位置に、送風手段を併設すると共に、これにより生じる前記空気の下降流を反転上昇させるフラップを、前記受水槽側に装備する、という構成を採っている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によると、人工降雨手段による人工降雨部分を建造物内空間に対して露出させると共に、降下する人工降雨に付勢されて共に下降する下降空気流により、前記空間内の空気を循環させ得る構成としたので、これにより、上記従来例の有する不都合を改善すると共に、比較的広い室内空間を対象として、当該室内の空気の清浄化を有効に成し得る、保守点検が容易な人工降雨式空気清浄装置を、提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明に係る人工降雨式空気清浄装置の実施例1を示す全体構成図である。
図2図1に開示した人工降雨式空気清浄装置を示す図で、図2(A)は正面図、図2(B)は右側面図、図2(C)は図2(A)の平面図である。
図3図1内に開示した自励振動ノズルを示す説明図である。
図4図3に開示した自励振動ノズルの動作を示す図で、図4(A)は散水エリアを示す説明図、図4(B)は散水動作状態を示す説明図である。
図5図3に開示した自励振動ノズルの散水時に生じる周囲空気の一部を巻き込む状態を示す説明図である。
図6図1に開示した自励振動ノズルの動作により生じる散水状態を示す説明図である。
図7図1に開示した自励振動ノズルの動作時における整流パネルの機能を示す説明図である。
図8図1に開示した自励振動ノズルの動作時に同時に作動する映像出力機の動作状態を示す説明図である。
図9図1に開示した自励振動ノズルを保持する送水管の格納状態を示す図で、図9(A)は、格納ケースから送水管が引き出された状態を示す説明図、図9(B)は、送水管が格納ケースに格納された状態を示す説明図である。
図10図1に開示した自励振動ノズルの使用状態を示す図で、図10(A)は各ノズルの停止状態を示す説明図、図10(B)はミストノズルの作動状態を示す説明図、図10(C)はミストノズル(ミストダクト)の作動状態を示す説明図である。
図11図1に開示した人工降雨式空気清浄装置を建造物内に配置した場合の当該室内における空気の移動状態の一例を示す説明図で、図11(A)は背面を壁に当接させて配置した場合、図11(B)は二台の人工降雨式空気清浄装置を相互に対向させた状態で一方と他方の壁面にそれぞれ放して配置した場合、図11(C)は二台の人工降雨式空気清浄装置の背面を相互に当接させた状態で、建造物内の中央部に配置した場合を、それぞれ示す。
図12】本発明の実施例2を示す説明図である。
図13図12内に開示した整流シートの他の例を示す説明図である。
図14】本発明の実施例3を示す説明図である。
図15図14に開示した人工降雨式空気清浄装置の複数を、建造物内(又は室内)に配置する場合の配置例を示す説明図である。
図16図1に開示した人工降雨式空気清浄装置の複数を、一列に配設した場合の使用例を示す説明図である。
図17図1に開示した人工降雨式空気清浄装置の複数を、他の部材と組み合わせて移動可能に一体化した場合の一例を示す図で、図17(A)は人工降雨式空気清浄装置一組の場合を示す説明図、図17(B)は人工降雨式空気清浄装置4組の場合を示す説明図、である。
図18図17(B)に開示した人工降雨式空気清浄装置4組一体化したものを体育館等の比較的広い空間を備えた建造物内に配置した場合に、当該空間内に生じる空気の全体的な移動状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0010】
以下、本発明に係る人工降雨式空気清浄装置の実施例1を、図1乃至図11に基づいて説明する。
(全体の構成とその動作)
まず、図1乃至図2において、本発明にかかる人工降雨式空気清浄装置100は、その主要部である装置本体(清浄装置本体)1が、水滴群を散水して人工降雨を形成する振動ノズル(自励振動ノズル)11と、該ノズル11から散水される水滴群が落下する位置に配置されて当該水滴群を受けとめる受水槽12と、この受水槽12内の水を送水管13Aを介して上方に位置する振動ノズル11に送り込むポンプ13Bと、これら受水槽12及びポンプ13Bを保持する台枠14とを備えている。
【0011】
ここで、本実施例1では、散水時に形成される前記水滴群の降水面に面して、整流パネル20が配設されている。また、上記した送水管13Aとポンプ13Bとにより、前記水滴群用の送水手段13が構成されている。
【0012】
更に、上記振動ノズル11は、図3に示すように、先端部側が水滴放出用のフレキシブルチュ-ブ部11Aと、中央部が幅広に形成されたノズル本体部11Bと、後端部が外部から散水用の水を取り込む管接続部11Cとを備えて構成されている。
そして、送水管13Aを介して振動ノズル11に送り込まれる降雨用水が、フレキシブルチュ-ブ部11Aから外部に向けて放散される際に、振動ノズル11は、中央部が(図3に示すように)幅広に形成されているので、先端部側のフレキシブルチュ-ブ部11Aの横ぶれを、有効に抑制することとなる。
【0013】
この横ぶれの抑制により、フレキシブルチュ-ブ部11Aでは、放水動作時には、放水の反動で生じる一方向への往復屈曲動作(自励振動)が、円滑に実行されることとなり、横ぶれすることがないので、その動作の安定が確保された状態となっている。
【0014】
具体的には、本実施例1では、放水に際し、振動ノズル11は、厚みが薄い面(先端部)で屈曲動作するため、図3に設定したX軸面に沿って扇状に振動することから、散水される水滴郡も扇状に広がりつつ落下し、ほぼ直線状に降雨をもたらす(図4(B)参照)。
【0015】
換言すると、振動ノズル11の自励振動(フレキシブルチュ-ブ部11Aの一方向への往復屈曲動作)によって、図4(B)に示すように、安定した状態で、人工降雨が連続的に実行され維持される。
【0016】
そして、この場合の放水エリア(放水領域)は、図4(A)(B)に示すように、フレキシブルチュ-ブ部11Aのフラップ長(振動領域)によって特定されるようになっている。
【0017】
ここで、上記振動ノズル11は、本実施例1では、装置本体1の上方部位に水平に配設された分配配水管15Aに、一定間隔をもって三個装備されている。
この分配配水管15Aは、その中央部が、装置中央部に立設された送水管13Aの上端部で保持されている。そして、この送水管13Aを介して下方の受水槽12から、降雨用の水が、この分配配水管15Aに、連続的に送り込まれるようになっている。
【0018】
また、本実施例1では、送水管13Aに降雨用の水を送り込むポンプ13Bは、前述した台枠14上に装備されている。このため、稼働時には、受水槽12内の水が受水槽12の底部から、前述したように、(送水管13Aを介して)上方に位置する振動ノズル11に向けて送り出される。
【0019】
この場合、本実施例1では、振動ノズル11が建造物室内の天上部分に配設されているので、これに合わせて、前記した送水管13Aとしては、比較的長い配管が施設されている。
【0020】
このように、本実施例1では、ほぼ水平に配設された分配配水管15Aと、ほぼ垂直に配設された送水管13Aと、下方に設置された受水槽12及びポンプ13Bとにより、Tの字状の人工降雨手段15が形成されている。
【0021】
記号Wは、受水槽12に蓄えられた降雨用の水を示す。
又、受水槽12は、前述した分配配水管15Aに対応して、その大きさと形状が予め特定されて、前記分配配水管15Aと一体的に装備され、前述した各振動ノズル11から下方に向けて放散される放散水を、受け止め得る位置に配設されている。
【0022】
又、この受水槽12では、その上端部の間口部の長さEは、前述した分配配水管15Aの長さに対応して設定され、例えば、分配配水管15Aの長さeの3乃至4倍程度に、設定されている。
これにより、下方に向けて拡散される振動ノズル11からの水滴は、室内空間の塵埃を付着(吸着)しつつ、後述する整流パネル20に沿って、且つ下方の受水槽12に向けて、円滑に降雨する(送り出される)。
【0023】
即ち、室内空間に浮遊する塵埃は、その一部が、振動ノズル11からから継続して放出される水滴に有効に付着(吸着)され、又、振動ノズル11からの微細な水滴は、その一部が室内空間の気体分子に吸着され、これによって、室内空間の湿度が、適度の値に維持されるようになっている。
【0024】
(室内下降流の誘起)
上記人工降雨手段15による人工降雨形成部分(特に、振動ノズル11部分)は、所定の建造物内の空間に露出させた状態で、配設装備され、これにより、降下する水滴群に付勢されて、当該箇所に、室内空気の下降流が生じる(図5参照)。
この場合の水滴群の発生状況、即ち、振動ノズル11部分の振動により生じる水滴群の経時的な発生(出力)状況を、図6に示す。
【0025】
即ち、水滴が連続して降下(滴下)すると、上記図5に示すように、その周囲の空気を連行する(巻き込む)。そして、この連行された空気を補うために、その近傍の空気が、当該連行領域に移動する。
実験では、1列の水滴群で、下降流の厚みが数「cm」で確認された。また、ノズルから下、0.5〔m〕の水滴群近傍では、下向きの下降流は「0.5〔m/Sec 〕以上を観測し得た。
【0026】
身近な例としては、ユニットバスのカーテンがシャワーに吸い寄せられ現象が挙げられる。これは、シャワーの水滴群によって周囲の空気が連行されて水滴群と同方向の気流を生じ、気流の速度がベルヌ-イの定理によって説明される減圧を生じるために、カーテンが吸い寄せられるもの、と解される。
この現象は、気象学的にはダウンバーストであり、航空機を墜落に至らせる強い風速を有することが知られている。
これにより、当該室内空間の空気全体が、継続して且つゆったりした状態で、循環させられるようになっている。
【0027】
(整流パネルについて)
人工降雨は、ミストと違って風に流されにくいが、既存空調の吹き出し口や部屋の窓や出入口の開閉等で、強い横風を受けた場合は流され易い。
かかる場合、背面に、人工降雨の降雨面とほぼ平行に整流パネル20を設けることで、横風の影響を受けにくくすることができる(図7参照)。
【0028】
この整流パネル20は、本実施例1では、図1に示すように、常設されている。
一方、この整流パネル20については、ロール式のシ-ト巻き取りなどで、不使用時にはコンパクトに収納できるようにしてもよい。
また、整流パネル20は、風よけだけでなく、映像や画像などのスクリ-ンとすることもできる。
【0029】
図8は、この場合の実施状態を示すもので、符号101は、整流パネル20に対向して配設された映像投影手段(映像投射装置)を示す。
この場合は、振動ノズル11の降雨動作時の水滴に光が反射することから、通常のスクリ-ンにはない表現が可能となっている。
【0030】
即ち、自励の振動ノズル11からの降雨と共に当該振動ノズル11の近傍から図10(C)に示すようにミストを噴出させることで、ミストが人工降雨に連行されて層状のまま下降し、白い平面を呈するので、これを映像等を映すスクリーンと同等に利用することができる。
このため、本実施例1は、清浄装置から投射する映像装置、若しくは外部に設置された投射装置から出力される画像又は映像の表示、又はマッピングされた光の投射対象物の映像表示画面としても使える、という利点がある。
【0031】
又、前述した振動ノズル11を支持しつつ降雨水を送り込む送水管13Aについては、これを図8乃至図9に示すように、伸縮型の配管で構成してもよい。図9(B)は、この場合、(作業終了時に)送水管13Aを圧縮した状態で受水槽12内に(又は受水槽12に連結された格納手段)に格納した場合の一例を示す。
【0032】
(他の構成要素)
更に、前記振動ノズル11とポンプ13Bとの間の送水管13Aには、図1に示すように、殺菌装置16とろ過装置17とが併設されている。
【0033】
この場合、この殺菌装置16とろ過装置17とは、受水槽12の図1における右端部に配設され、前述した台枠14に固定装備されている。
これによって、前記ポンプ13Bから前記振動ノズル11に供給される水が、継続して日常的に殺菌され且つ清浄化されるようになっている。
【0034】
又、この台枠14上には、外部から取り込む水を前記受水槽12内に送り込む水連通管70と、この水連通管70を外部の水供給手段に連結するための水コネクター70Aと、これら各機器駆動用の電源を外部から取り込む電源用コンセント71と、受水槽12内の水Wをチェックするための吸水フイルタ-72とが装備されている。
【0035】
又、上記図1において、符号30は、装置本体1に装備されている各種電気機器を駆動制御する制御ボックスを示す。この制御ボックス30内には、各種電気機器の動作を制御する動作制御手段30Aが格納されている。又、符号74は、必要に応じて使用される植栽用鉢を示し、符号75は、台枠14用の移動用車輪を示す。
そして、これらの各構成手段(併設装置)は、外部指令又は外部操作に応じて、各々が個別に又は他の部材と連携して稼働し得るようになっている。
【0036】
更に、本実施例1では、前述した人工降雨手段15の分配配水管15Aの、前述した三個の振動ノズル11の相互間に、ミストを噴射する噴霧ノズル(ミストノズル)23と投光器24とが装備されている。
【0037】
(噴霧ノズル23について)
一般に、体育館や講堂等の大きい建造物内では、内部空間の湿度調整に際しては、時間当たりの加湿能力を一時的に高めたい場合がある。
例えば、部屋の空気を定期的に入れ替えた場合や、夜間に気温が下がって絶対湿度が低下し場合、暖房を入れたり、日射によって室内の温度上昇が早い場合等では、理想とする湿度になるように一時的に加湿量を増やすことが望ましい。
【0038】
この場合、本実施例1に開示している方式(人工降雨式)などのように、水の表面からの自然蒸発に頼って湿度を与える方法は、一般的に穏やかな加湿であり、定常的に湿度を保つことでは優れている。従って、過渡期に要求される加湿能力を満足させると、蒸発式加湿装置は定常時には過大な装置となる。
【0039】
一方で、噴霧式の加湿方法は、水を微細な水滴とすることで、表面積を増大させて時間当たりの蒸発量も大きくすることが可能である。
この場合、ミストの噴霧には、例えば、水圧をかけて噴霧ノズルから空間に直接噴出する方法や、超音波振動子を用いて水を微粒子化したものをファンなどの送風によって空間に送出する方法、などが一般的である。
【0040】
ここで、以下、図1乃至図2のそれぞれに開示した噴霧ノズル(ミストノズル)23の必要性およびその機能等について説明する。
この噴霧ノズル23については、当業者間では、自励振動ノズル11による散水パターンが呈する扇状に噴霧するタイプと同等のものを用いることが、一般に望ましいとされている。
【0041】
この場合、噴霧されたミストは、前述したように、自励振動ノズル11から散水される水滴群の下降気流に連行されて、水滴群のエアカーテンと共に下降気流となって降下する。その結果、噴霧ノズル(ミストノズル)23からのミストは、ほぼエアカーテンの厚みを保持しつつ、受水槽12に向けて降下する。
【0042】
この時、ミスト単体では、気化しやすく消滅が早いが、人工降雨により生じるエアカーテンでは、水滴群からの気化による加湿が行われているので、ミストの気化が有効に抑制される。従って、ミストを視認性の高い白濁して見える粒径で噴霧するノズルとしておくと、ミストを視認性のアイテムとして、又は映像などを投映するスクリーンとしても、利用することができる。
【0043】
また、ミストの発生に超音波素子を用いて、且つファン等で送風し放出する例を説明する。この超音波振動子を用いてミストを発生させる機器では、一般的に、ミストの吹き出し口まではダクトを用いて送る。このため、本実施例1でも、ダクトを用いた。
【0044】
自励振動ノズル11の分配管15Aに平行に設けられたダクトに、下向きにスリットを開口しておくことで、ミストは下向きに排出される。
排出されたミストは、自励振動ノズル11の水滴群が起こす下降流に誘引され且つエアカーテンに混流する形で、下降流と一体化して受水槽12に向かう。超音波振動子によって発生するミストは、一般的に白く見えるため、視認性を得たい場合に都合がよい。
【0045】
(投光器の例)
投光器24は、本実施例1では、図1乃至図2に示すように、分配配水管15Aに、下向きに装備されている。この投光器24の光源は、電球のほか発光ダイオードなどを使用してもよい。
又、この投光器24にあって、光を照射する対象は、自励振動ノズル11が散水する水滴群のほか、受水槽12なども含む。
【0046】
この投光器24は、扇状もしくは広い光路を持つパターンでの投光や、ビーム状の光路等でもよい。水滴群が照射されて光ることや、水滴が光を反射し屈折をすることで、発色を変えたり天井や壁等にランダムに模様を映すことなどが期待できる。また、受水槽12に入った光も水面に落下する水滴の波紋が、ランダムにその明暗を変えるため、飽きない演出を期待できる。
【0047】
この投光器24は、例えば線状のものでも良く、又、分配配水管15Aに取り付けるだけでなく、他の部位に取り付けた形態のものでもよい。
また、装置本体1に直接取り付けずに、近傍の壁や天井や什器備品類に取り付けたり置いて、運転を近接通信を介して制御する手法を用いてもよい。
【0048】
(実施例1の全体動作)
受水槽12内に必要な水Wが補給された後、装置全体を稼働状態に設定すると、まず、動作制御手段30Aが作動して、送水手段13を駆動制御し、適度の水圧をもって、受水槽12内の水を自励振動ノズル11に向けて送り込む。
振動ノズル11は、送り込まれた水を連続した下降水滴として三箇所から前述したように、室内の上方から受水槽12に向けて放出する。この場合、放出された下降水滴は、図5乃至図6に開示したように一定幅の放射状に(下方に向けて)放散される。
【0049】
この場合、下降水滴は、振動ノズル11の同一方向への自励振動により、連続した水滴が面状に放散され、同時に周囲空間の空気を巻き込んで、室内全体に緩やかな空気流を形成する。この緩やかな室内空気流を形態の一例を、図11に示す。
【0050】
この図11にあって、図11(A)は、本実施例1における空気清浄装置を、室内の一方の壁側に配置した場合の、室内空気の緩やかな流れを示す。又、図11(B)は、当該空気清浄装置を室内の一方と他方の壁側に同時に配置した場合を、又、図11(C)は、当該空気清浄装置を室内の中央部に背中合わせに配置した場合を、それぞれ示す。
【0051】
即ち、本発明では、人工降雨の湿式沈着によって空気中のウイルスや菌や微粒子を水滴に吸着し除去する浄化原理を利用しているので、更に、人工降雨の水滴による空気の連行をもって誘導される気流を使って空間の空気を誘導するようにしたので、送風機を持たなくても、空間の空気を循環できる。
【0052】
このように、本実施例1にかかる空気清浄装置を、建造物の室内の大きさや形状に合わせて、その向きや装置の数を適宜配置することにより、当該室内全体を対象として、室内空気の清浄化及び適度の湿度設定を、円滑に且つ自動的に成し得るという効能を備えたものとなっている。
【0053】
即ち、本実施例1によると、人工降雨手段15による人工降雨部分を建造物内空間に対して露出させた状態で装備すると、降下する人工降雨に付勢されて下降空気流が形成され、これにより、当該建造物内における空間内の空気全体を対象として、これを適度に循環させ得ることができる。
【0054】
(実施例1の効果)
このため、本実施例1によると、上記従来例の不都合を改善すると共に、比較的広い室内空間を対象として、当該室内の空気の清浄化を有効に成し得ることとなり、そのための操作に際しては、オペレータの監視無しに、当該室内の空気の清浄化を成し得るので、保守点検が容易となるという、優れた人工降雨式空気清浄装置を提供することができる。
【実施例2】
【0055】
次に、本発明に係る人工降雨式空気清浄装置の実施例2を、図12乃至図13に基づいて説明する。
ここで、前述した実施例1と同一の構成部材については、同一の符号を用いるものとする。
【0056】
この図12において、実施例2は、振動ノズル11を係止する送水管13Aを長さの短い管部材で形成すると共に、この送水管13Aを、三段の伸縮アーム50で支持するように構成した点に特徴を有する(図12参照)。
この三段の伸縮アーム50は、台車40に支持されている。このため、振動ノズル11は、台車40上の三段の伸縮アーム50に支持されつつ、当該台車40と共に、移動可能に構成され、必要に応じてその高さ位置が可変設定されるようになっている。
【0057】
上記送水管13Aの先端部は、下方に配設された受水槽12側に向けて横折され、その先端部に、前述した振動ノズル11が配設され、これによって、前述した第1実施形態の場合と同様に、当該振動ノズル11からの水滴は、振動ノズル11の自励振動により、その放水面が、前述した実施例1の場合と同様に、面状に散水されるようになっている。
【0058】
又、前述した実施例1における整流パネル20に代えて、同等に機能する巻取り可能な整流シート51が装備され、この整流シート51を巻取り又は巻き放す整流シートロール52が台車40側に装備されている点が、この実施例2の特徴となってる。図12に、これを示す。
【0059】
符号53は、送水管13Aの上端部で、振動ノズル11に近接して配設装備された整流シートフックを示す。そして、この整流シートフック53に整流シート51の上端部が係止され、これによって、整流シート51は、前述した実施例1の場合の整流パネル20と同等に機能すると共に、不使用時には、台車40側の整流シートロール52に巻き取られて当該台車40側に収納されるようになっている。
【0060】
図13は、上記図12における整流シートロール52が、上部の振動ノズル11側に装備された場合の例を示す。
このため、この図13の例では、整流シート51を常設すると共に当該整流シート51が上方に巻き取られるようになっており、このため、不使用時には床面積を広く使用することができるという利点がある。
その他の構成は、前述した実施例1の場合と同一となっている。
【0061】
このようにすると、前述した実施例1の場合と同等の作用効果を有するほか、更に、天井の高さの違う複数の建造物にも、有効に対応して、この装置を建造物に合わせて、自在に設置することができ、移動設置も可能なので、その用途を一段と拡大し得る、という利点がある。
【実施例3】
【0062】
次に、本発明の実施例3を、図14に基づいて説明する。
ここで、前述した実施例1の場合と同一の構成部材については、同一の符号を用いるものとする。
【0063】
この実施例3は、前述した実施例1における送水管13Aとポンプとを含む送水処理手段77と同等の、二組の送水処理手段78,79を、二個独立して設け、分配配水管15Aの両端部に分かれて別々に連結した点に特徴を有する。
符号78A,79Aは、それぞれ分配配水管75Aの両端部に個別に連結された送水管を示す。
その他の構成は、前述した実施例1の場合と同一となっている。
【0064】
このため、この実施例3によると、分配配水管75Aには、前述した実施例1の場合の少なくとも2倍の水量を同時に印加することが可能となり、前述した実施例1の場合と同等の作用効果を有するほか、分配配水管75Aの動作機能を、更に一段と高めることができ、一方の送水処理手段78(又は79)が不調の場合でも他の送水処理手段79(又は78)で、分配配水管75Aの動作機能を維持することができ、動作の継続性という観点からも、使用現場では有効なものなっている。
【0065】
(使用例1)
上記各実施例に開示した本発明にかかる人工降雨式空気清浄装置の、実際の使用例を、以下説明する。
まず、単一の広い部屋内の空気を一様に換気する場合の例を、図15に示す。
この内、図15(A)は、本発明の実施例1にかかる人工降雨式空気清浄装置100を、一の室内90の中央部に4台を背中合わせで四角形状に配置した場合を示す。
このため、この一の室内90の空間内では、その周囲の空気が一様に清浄化されることから、場所による空気清浄化の差が無くなるという利点が得られる。
【0066】
図15(B)は、細長い部屋91について、一組の人工降雨式空気清浄装置100を相互に向かい合わせて、その複数組を、当該部屋91内の両壁面に配置した場合を示す。又、図15(C)は、長い廊下92等の場合に、図15(B)の場合と同様に、その複数組を両壁面に沿って配置した場合を示す。
【0067】
このように複数組の人工降雨式空気清浄装置100を配置すると、部屋の形状如何にかかわらず、当該室内の空気全体を対象として、ほぼ均等に、その清浄化を成し得るという利点がある。
【0068】
(使用例2)
図16に、本発明にかかる人工降雨式空気清浄装置100の複数組を、一方向に連続して配置した場合の人工降雨式空気清浄システム200を示す。
この図16にあって、符号21は、適度の大きさの複数の植栽を示す。又、符号101は、前述した図8において、整流パネル20に対向して装備されたものと同等の映像投影手段(映像投射装置)を示す。
【0069】
このようにして、複数の人工降雨式空気清浄装置100を統括制御可能に連結して配設すると、人工降雨や投光をパターン化して作動させることも可能となり、視覚的な演出性を高めることが出来る。
【0070】
又、整流パネルやミストと映像投射装置(プロジェクションマッピング装置)101などの投映装置と組み合わせることで、整流パネルやミストをスクリーンに見立てて、リアルタイムのメッセージや鑑賞用の画像(又は映像)を表示することもできる。
【0071】
更に、この図16にも開示しているように、植栽21の併設も利用者にとっては自然との一体感が生じることから、利用者の心境を自然体の方向に維持することができる。又、整流シート(整流パネル)20には、メッセ-ジや模様や画像(映像)などを投影することも可能となる。
【0072】
このように、複数の人工降雨式空気清浄装置100を一方向に1列に連結すると、大きいホテル等にあっては、長い移動廊下があっても、常に空気の清浄化と共に、自然環境を連続して取り込み且つ維持し得るという、複数の利点を同時に確保することが出来て、都合が良い。
【0073】
(使用例3)
上記実施例1でも開示したように、線状に降雨させる振動ノズル11の近傍から図10(C)に示すようにミストを噴出させることで、ミストが、人工降雨に連行されて層状のまま下降し白い平面を呈する。このため、これを映像等を映すスクリーンとすることができる。
【0074】
即ち、本発明にかかる人工降雨式空気清浄装置100は、当該空気清浄装置100に向けて投射(投影)する映像装置、若しくは外部に設置された投射装置から送り込まれる画像又は映像の表示画面、又はマッピングされた光の投射対象物用の映像表示画面としても、有効に使用することができる。
この場合、加湿量を増やしたり、屋外などで動作させたりすると、周囲の通過者に対しては、ミストの気化熱による清涼感等を設定することができる。
また、広場等にあっては、臨時の通路を形成するガイドとしても使用できる。
【0075】
更に、病院や施設などの、渡り廊下やトイレまでの通路、臨時に分離したいエリアの構築に際しては、パーテーション等としても使用でき、通常の空間よりも更に殺菌を望む場所に対しては、追加的に配置して使用することもできる。
(使用例4)
【0076】
更に、建造物内の広い室内にあって、当該室内の空気全体を強力に循環指せたい場合には、図17図18に示すように、人工降雨式空気清浄装置100の上方にファン160を併設するとよい。
【0077】
この場合、符号161は、ファン160の風が作業者等に直接当たるのを回避するためのフラップを示す。このフラップ161は、上方からの風を周囲の上方に向けて反転させ得るように機能するもので、17(B)に示すように、人工降雨式空気清浄装置100の周囲に逆ハの字状に開いた状態で、当該人工降雨式空気清浄装置100に併設されている。
【0078】
この図17において、図17(A)では人工降雨式空気清浄装置100を一台装備した場合を示し、図17(B)では,一台の人工降雨式空気清浄装置110が、人工降雨手段15(図1参照)を四組装備した場合を示す。
【0079】
また、図18は、上記図17(B)に示す四組の人工降雨手段15を組み込んだ人工降雨式空気清浄装置110を、体育館等の大きい空間91を備えた建造物内の中央部に配置した場合の例を示す。
この場合の室内空気は、ファン160とフラップ161の作用により、図中矢印に示すように、建造物内の空間全体を対象として循環させることができ、これによって、当該室内空間の空気の清浄化が、緩やかに且つ円滑に清浄化されることとなる。
【0080】
ここで、上記したフラップ161としては、後付け式、折り畳み式、ロールシート式など、どのような方式のものであってもよい。また、ファン160は、人工降雨式空気清浄装置100の真上から外れた位置に配設したものであってよい(ファンによる送風は、軸流でなくてもよい)。
【0081】
又、このファン160による送風に代えて、設置場所の送風口からの噴流を活用するようにしてもよい。更に、図示していないが、空調用の簡単な風向変更板などを活用してもよい。この場合、フラップ161の素材としては、帆布や軽量の布で防水性や撥水性があるものが、使用上、用途の拡大が期待できて都合がよい。
【0082】
更に、装置の大規模化に際しては、数台をまとめてシステムとして配置し、ファンで下降流を作って室内空気の循環を、強力に発生させるようにしてもよい。
この場合、装置の並べ方は種々ある。又、場合によっては、ファンを用いない方式、若しくはこれに準ずる方式、の配列であってもよい。
【0083】
又、大規模化に特化して、薄型のユニットを並べるのではなく、前述した自励振動ノズル11をマトリックス状に配置したものであってもよい。
この場合、フラップ161については、本実施例では、その取り付け角度の可変設定が可能なものが使用されている。これにより、環境の変化に対応して自在に設置することができ、用途の拡大が期待できて、都合がよい。
【0084】
更に又、上記した工場等の建造物内の空間空気の洗浄とは別に、特に除菌を強めたい空間、例えば、病院の入り口ホール、分離したい渡り廊下、トイレ室内などでは、水滴径を更に小径とした自励振動ノズルを使用すると、陰イオンを呈する微細水滴群を多く発生するので、このイオン化した微細水滴が下降する連行流に乗って空間に放出されるため、浮遊するイオン化した微少水滴が、空気中に浮遊するウイルスや細菌をアタックすることが期待できる。
又、前述した自励振動ノズル(レインノズル)11や噴霧ノズル(ミスト噴霧ノズル)23については、デザイン上もしくは不用意にふれられないように、且つ人工降雨やミスト噴霧に支障がでない状態で、これらをカバーで隠すように構成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明にかかる人工降雨式空気清浄装置は、比較的大きい建造物の室内空気の清浄化はもとより、幅広の長い廊下や、屋外でも屋根付きの限定された領域、さらには、工場内全体を対象とした室内空気の清浄化に好適であり、その用途は広い。
【符号の説明】
【0086】
1 装置本体(清浄装置本体)
11 振動ノズル(自励振動ノズル)
12 受水槽
13、21 送水手段
13A 送水管
13B 送水ポンプ
14 台枠
15 人工降雨手段
16 殺菌装置
17 ろ過装置
20 整流パネル
22 フラップ
23 ミスト噴霧ノズル(噴霧ノズル,ミストノズル))
24、124 投映手段
30A 動作制御手段
100 人工降雨式空気清浄装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18