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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-24
(45)【発行日】2022-06-01
(54)【発明の名称】コード読取装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/00 20060101AFI20220525BHJP
   G06K 7/14 20060101ALI20220525BHJP
   G06K 7/10 20060101ALI20220525BHJP
【FI】
G07G1/00 311E
G06K7/14 065
G06K7/10 372
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018038914
(22)【出願日】2018-03-05
(65)【公開番号】P2019153167
(43)【公開日】2019-09-12
【審査請求日】2020-09-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高須 拓也
【審査官】小島 哲次
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-048486(JP,A)
【文献】国際公開第01/063546(WO,A1)
【文献】特開2012-027588(JP,A)
【文献】特開2001-147986(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00- 1/12
G06K 7/00- 7/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像手段が撮像した撮像画像を取り込む画像取込手段と、
前記撮像画像から商品に関するコードを読み取るコード読取手段と、
前記商品に関するコードの読取で過去に誤読したコードを、誤読コードとして記憶した誤読情報記憶手段に基づいて、前記コード読取手段が読み取ったコードが前記誤読コードとして記憶されていなければ、前記コード読取手段が読み取ったコードを登録対象として出力する第1出力手段と、
前記コード読取手段が読み取ったコードが、前記誤読情報記憶手段に前記誤読コードとして記憶されていれば、前記画像取込手段により新たな撮像画像を取り込み、当該新たな撮像画像に対してコードの再読取を行う再読取手段と、
異なる前記撮像画像からコードの読取を行った読取回数をカウントするカウント手段と、
前記再読取手段がコードの読取を所定回数繰り返しても、先の読取で読み取られた前記誤読コードと同一のコードを繰り返し読み取る場合には、繰り返し読み取られた前記コードを登録対象として出力する第2出力手段と、
前記第2出力手段が前記誤読コードと同一のコードを出力する際に、前記読取回数をあわせて出力する回数出力手段と、
を備えたコード読取装置。
【請求項2】
前記誤読情報記憶手段は、少なくとも一部の前記誤読コードに対して、誤読されなければ読み取られるべき正解コードを対応付けて記憶しており、
前記コード読取装置は、
前記再読取手段が読み取ったコードが、前記コード読取手段が先の読取において読み取ったコードと同一の前記誤読コードに対応する前記正解コードとして前記誤読情報記憶手段に記憶されていれば、当該正解コードを登録対象として出力する第3出力手段を更に備えた、請求項1に記載のコード読取装置。
【請求項3】
前記誤読情報記憶手段は、商品を特定する商品コードがエンコードされたコードシンボルの読取で発生した誤読について、誤読の結果読み取られた誤読コードを記憶しており、
前記コード読取手段は、前記撮像画像からコードシンボルの画像を検出し、当該コードシンボルをデコードして商品コードを読み取り、
前記第1出力手段は、前記コード読取手段が読み取った前記商品コードが前記誤読情報記憶手段において前記誤読コードとして記憶されていなければ、当該商品コードを登録対象として出力し、
前記再読取手段は、前記コード読取手段が読み取った商品コードが前記誤読情報記憶手段において前記誤読コードとして記憶されていれば、前記新たな撮像画像に対して前記商品コードの再読取を行い、
前記第2出力手段は、前記再読取手段が前記商品コードの読取を所定回数繰り返しても、先の読取で読み取られた前記誤読コードと同一の商品コードを繰り返し読み取る場合には、繰り返し読み取られた前記商品コードを登録対象として出力する、
請求項1または2に記載のコード読取装置。
【請求項4】
前記誤読情報記憶手段は、値引表示の画像から値引内容を示す情報を読み取って値引内容を示す値引コードを生成する処理で過去に誤読したコードを、誤読コードとして記憶しており、
前記コード読取手段は、前記撮像画像から値引表示の画像を検出し、当該画像から値引内容を示す情報を読み取って値引を示す値引コードを生成することにより、前記撮像画像から値引コードを読み取り、
前記第1出力手段は、前記コード読取手段が読み取った前記値引コードが前記誤読情報記憶手段において前記誤読コードとして記憶されていなければ、当該値引コードを、登録対象とされた前記商品コードに対応付けて出力し、
前記再読取手段は、前記コード読取手段が読み取った前記値引コードが前記誤読情報記憶手段において前記誤読コードとして記憶されていれば、前記新たな撮像画像に対して前記値引コードの再読取を行い、
前記第2出力手段は、前記再読取手段が前記値引コードの読取を所定回数繰り返しても、先の読取で読み取られた前記誤読コードと同一の値引コードを繰り返し読み取る場合には、繰り返し読み取られた前記値引コードを登録対象として、登録対象とされた前記商品コードに対応付けて出力する、請求項に記載のコード読取装置。
【請求項5】
コード読取装置を制御するコンピュータを、
撮像手段が撮像した撮像画像を取り込む画像取込手段と、
前記撮像画像から商品に関するコードを読み取るコード読取手段と、
前記商品に関するコードの読取で過去に誤読したコードを、誤読コードとして記憶した誤読情報記憶手段に基づいて、前記コード読取手段が読み取ったコードが前記誤読コードとして記憶されていなければ、前記コード読取手段が読み取ったコードを登録対象として出力する第1出力手段と、
前記コード読取手段が読み取ったコードが、前記誤読情報記憶手段に前記誤読コードとして記憶されていれば、前記画像取込手段により新たな撮像画像を取り込み、当該新たな撮像画像に対してコードの再読取を行う再読取手段と、
異なる前記撮像画像からコードの読取を行った読取回数をカウントするカウント手段と、
前記再読取手段がコードの読取を所定回数繰り返しても、先の読取で読み取られた前記誤読コードと同一のコードを繰り返し読み取る場合には、繰り返し読み取られた前記コードを登録対象として出力する第2出力手段と、
前記第2出力手段が前記誤読コードと同一のコードを出力する際に、前記読取回数をあわせて出力する回数出力手段と、
して機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、コード読取装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、商品に付されたバーコードをレーザスキャナ等でスキャンして、当該バーコードが含むコード情報を読み取り、POS(Point Of Sales)端末等に出力するコード読取装置がある。コード読取においては、バーコードの印刷品質や汚れ、パッケージの皺などによりバーコードの誤読が発生するケースがあり、誤読コードにより誤った商品情報が出力されると、キャッシャは再度バーコードをリスキャンしてコードを再読取する必要がある。コード誤読に関する従来技術としては例えば、誤読コードと本来のコードとを対応付けておき、誤読コードに対応するコードを読み取った際に本来のコードを出力する技術が開示されている。
【0003】
ところで近年、撮像画像からコードシンボルの撮像領域を抽出し、当該画像からコードシンボルをデコードして商品コードや値引コード等のコード情報を読み取る画像スキャナが普及を拡大している。このようなスキャナ(読取装置)では、フレームレートに応じた撮像画像、即ちフレーム画像を取り込んで、取り込んだフレーム画像からバーコードや二次元コード等のコードシンボルの画像領域を抽出し、当該コードシンボルのデコードが行われる。このような画像スキャナにおいても、誤読コードが読み取られた場合には、キャッシャは商品を撮像部にかざし続けたり、かざし方を変えたりする等して、コードの読み取りをリトライする必要があり、誤読の低減は引き続き望まれている。このような背景において、コード再読取の手間を低減できる技術の開発が望まれていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、コード再読取の手間を省きやすくすることができるコード読取装置およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態のコード読取装置は、画像取込手段と、コード読取手段と、第1出力手段と、再読取手段と、カウント手段と、第2出力手段と、回数出力手段と、を備える。画像取込手段は、撮像手段が撮像した撮像画像を取り込む。コード読取手段は、前記撮像画像から商品に関するコードを読み取る。第1出力手段は、前記商品に関するコードの読取で過去に誤読したコードを、誤読コードとして記憶した誤読情報記憶手段に基づいて、前記コード読取手段が読み取ったコードが前記誤読コードとして記憶されていなければ、前記コード読取手段が読み取ったコードを登録対象として出力する。再読取手段は、前記コード読取手段が読み取ったコードが、前記誤読情報記憶手段に前記誤読コードとして記憶されていれば、前記画像取込手段により新たな撮像画像を取り込み、当該新たな撮像画像に対してコードの再読取を行う。カウント手段は、異なる前記撮像画像からコードの読取を行った読取回数をカウントする。第2出力手段は、前記再読取手段がコードの再読取を所定回数繰り返しても、先の読取で読み取られた前記誤読コードと同一のコードを繰り返し読み取る場合には、繰り返し読み取られた前記コードを登録対象として出力する。回数出力手段は、前記第2出力手段が前記誤読コードと同一のコードを出力する際に、前記読取回数をあわせて出力する
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、実施形態にかかるPOSシステムの外観斜視図である。
図2図2は、POSシステムが備えるPOS端末とスキャナのハードウェア構成を示すブロック図である。
図3図3は、POS端末が実行するプログラムの機能構成、ならびに、スキャナが実行する本実施形態のプログラムの機能構成を示したブロック図である。
図4図4は、POS端末が実行する誤読情報登録処理の手順例を示したフローチャートである。
図5図5は、スキャナが実行する読取処理の手順例を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1は、POSシステム100の外観斜視図である。図1に示すように、POSシステム100は、商品に関する情報を読み取るスキャナ101と、取引ごとに商品の登録、精算を行うPOS端末10とを備えている。以下では、スキャナ101を本実施形態にかかるコード読取装置として適用する例について説明する。尚、以下では、複数の図面に示される同様の構成については同一の符号を付して示し、その重複する説明を省略する場合がある。
【0008】
POS端末10は、チェックアウト台41上のドロワ21の上面に載置されて用いられる。ドロワ21は、POS端末10によって開放動作の制御を受ける。POS端末10の上面には、オペレータ(店員)が押下操作するキーボード22が配置されている。キーボード22を操作するオペレータから見てキーボード22よりも奥側には、オペレータに向けて情報を表示する店員用表示器23が設けられている。店員用表示器23の表示面上にはタッチパネル26が積層されている。また、POS端末10においてキーボード22の奥側には、レシートやジャーナルを印字するプリンタ66が設けられている。プリンタ66の筐体上部には、回転可能な軸により客用表示器24が保持されている。客用表示器24は保持軸を筐体に対して回転させることにより表示面の向きを変えることができる。
【0009】
チェックアウト台41とL字を形成するようにして、横長テーブル状のカウンタ台151が配置されて用いられる。カウンタ台151の上面は荷受け面152となっている。荷受け面152は、購入予定の商品を入れて客が持ち込む買物カゴ153aと、販売登録後の商品を入れるための買物カゴ153bとを置くスペースを有している。
【0010】
荷受け面152には、スキャナ101の薄型矩形形状のハウジング102が垂直方向に立設して設けられている。ハウジング102の上部には、操作表示部104が取り付けられている。操作表示部104は、タッチパネル105が表面に積層された店員用表示器106を備えている。店員用表示器106の右隣にはキーボード107が設けられている。キーボード107の右隣には、カードリーダのカード読取溝108が設けられている。オペレータから見て操作表示部104の裏側には、客に情報を提供するための客用表示器109が設置されている。
【0011】
また、操作表示部104の下方であってハウジング102の正面には、撮像部12(図2参照)用の読取窓103が設けられている。撮像部12は読取窓103を介して読取窓103手前の撮像領域の画像を撮像する。
【0012】
客が持ち込んだ買物カゴ153aには、購入予定の商品が入っている。スキャナ101のオペレータは、買物カゴ153aから商品を一つずつ取り上げて読取窓103に翳し、撮像部12により商品の画像(フレーム画像)を撮像する。スキャナ101は、撮像した画像に含まれる商品の画像領域に一般物体認識(オブジェクト認識)を適用して商品を特定する。あるいは、スキャナ101は、撮像した画像に含まれるバーコードや二次元コード等のコードシンボルをデコードして、当該コードシンボルにエンコードされている商品コード等の、商品に関する情報を読み取る。
【0013】
スキャナ101が商品コードを読み取ると、当該商品コードに対応する商品情報を商品マスタファイル641(図2参照)から読み込んで店員用表示器106に表示するとともに、POS端末10に登録対象の情報として出力する。オペレータは、店員用表示器106に情報が表示されたことを確認して、読取後(情報登録後)の商品を買物カゴ153aから買物カゴ153bに移動する。
【0014】
次に、POSシステム100のハードウェア構成について説明する。
【0015】
図2は、POSシステム100が備えるPOS端末10とスキャナ101のハードウェア構成を示すブロック図である。まず、POS端末10側の構成について説明する。
【0016】
POS端末10は、マイクロコンピュータ構成の制御部60として、CPU(Central Processing Unit)61と、ROM(Read Only Memory)62と、RAM(Random Access Memory)63とを備えている。また、CPU61には、各種バスやインタフェースを介して、ドロワ21、キーボード22、店員用表示器23、タッチパネル26、客用表示器24が接続されている。CPU61はこれら各部を制御する。
【0017】
また、CPU61には、HDD(Hard Disk Drive)64、通信I/F(Interface)25、接続I/F65、プリンタ66が接続されている。制御部60は、通信I/F25を介してストアコンピュータSCとの間のデータ通信を制御する。接続I/F65は、スキャナ101の接続I/F175および接続I/F176と接続されている。POS端末10のCPU61とスキャナ101の制御部160とは、接続I/F65および接続I/F175を介して相互にデータ通信を行う。
【0018】
HDD64は、誤読情報登録処理(図4参照)を行うためのプログラムの他、商品マスタファイル641と、誤読情報ファイル642とを格納している。制御部60は、開店前等の所定のタイミングでストアコンピュータSCから商品マスタファイル641をダウンロードし、営業日ごとに商品マスタファイル641を更新する。
【0019】
商品マスタファイル641は、商品を識別するための商品コードに対応付けて、当該商品の商品名、単価、分類等の情報を記憶している。また、商品マスタファイル641は、オブジェクト認識に用いる参照用データとして、その商品の撮像画像(基準画像)を格納している。尚、商品マスタファイル641は、オブジェクト認識用の参照用データとして、基準画像から抽出された特徴量、即ち、基準画像の色情報、表面形状、表面の風合い等を示すデータを格納していてもよい。
【0020】
誤読情報ファイル642は、スキャナ101で撮像画像から商品に関する情報を読み取る読取処理で過去に誤読した情報を、誤読情報として記憶したデータファイルである。誤読情報の例としては、商品コードがエンコードされたコードシンボルをデコードして商品コードを読み取る読取処理で過去に誤読したコードとして、誤読コードが登録される。
【0021】
POSシステム100の管理者は、実際の営業中に起きた誤読や読取テストで起きた誤読の実績データを誤読情報として収集しておき、図4とともに後述する誤読情報の登録処理を行って、収集した誤読情報を誤読情報ファイル642に登録する。
【0022】
誤読情報ファイル642に登録する誤読情報としては、誤読したコード(誤読コード)のみを登録してもよい。あるいは、誤読情報ファイル642には、誤読情報として、誤読コードと、誤読されなければ読み取られるべき本来のコードである正解コードとを対応付けて登録してもよい。誤読情報ファイル642においては、すべての誤読コードに正解コードが登録されずともよく、少なくとも一部の誤読情報において、誤読コードと正解コードが対応付けられていればよい。
【0023】
次に、スキャナ101側の構成について説明する。
【0024】
スキャナ101は、CPU161とROM162とRAM163とがバス接続されているマイクロコンピュータ構成の制御部160を備えている。ROM162は、CPU161が実行する各種プログラムを記憶している。CPU161には、各種バスやI/Fを介して、照明部11、撮像部12、音声出力部165、接続I/F175、接続I/F176等が接続されている。制御部160は、接続I/F175を介してPOS端末10と接続し、POS端末10の制御部60との間で相互にデータ通信を行う。
【0025】
音声出力部165は、予め設定された警告音などを発生するための音声回路とスピーカなどである。照明部11は例えば複数のLED(Light Emitting Diode)がライン状に並べて構成されており、発光制御信号に応じてパルス発光し、撮像部12の撮像領域を照らす。なお、照明部11の構成は特に限定されず、LED以外の発光素子で構成されてもよい。
【0026】
撮像部12は、CCD(Charge Coupled Device)またはCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)等のイメージセンサ(撮像素子ともいう)と、レンズ等の光学素子とを備えた撮像装置である。撮像部12は、撮像制御信号に基づくフレームレート(1秒間に読み込まれるフレーム数)で撮像した撮像画像、即ち、フレーム画像をRAM163に順次読み込む。
【0027】
また、CPU161には、接続I/F175、接続I/F176を介して、店員用の操作表示部104と、客用表示器109(ともに図1も参照)とが接続されている。尚、店員用の操作表示部104および客用表示器109は、接続I/F176およびPOS端末10の接続I/F65を介して、POS端末10のCPU61に接続されている。店員用の操作表示部104は、キーボード107と、店員用表示器106と、店員用表示器106上に配設されたタッチパネル105(ともに図1も参照)とを備えている。
【0028】
店員用表示器106は例えば液晶ディスプレイで構成され、液晶面上にタッチパネル105が積層された構成を有する。客用表示器109としては、液晶ディスプレイ、あるいは、複数行を表示することができるラインインジケータ等を用いることができる。スキャナ101の制御部160はキーボード107、タッチパネル105における操作入力を受付ける。また、制御部160は、店員用表示器106、客用表示器109の表示動作を制御する。尚、POS端末10の制御部60がキーボード107、タッチパネル105における操作入力を受付けて、店員用表示器106、客用表示器109に表示データを直接送信出力してもよい。
【0029】
次に、POS端末10の制御部60が実行するプログラム、ならびに、スキャナ101の制御部160が実行する本実施形態のプログラムの機能構成について説明する。
【0030】
図3は、POS端末10が実行するプログラムの機能構成、ならびに、スキャナ101が実行する本実施形態のプログラムの機能構成を示したブロック図である。POS端末10の制御部60において、CPU(プロセッサ)61(図2参照)はプログラムをHDD64から読み出して主記憶装置上にロードする。これにより制御部60は、図3に示すように、誤読情報登録部601、販売登録部602を主記憶装置上に生成する。
【0031】
また、スキャナ101の制御部160において、CPU(プロセッサ)161(図2参照)は本実施形態にかかるプログラムをROM162から読み出して主記憶装置上にロードする。これにより制御部160は、図3に示すように、誤読情報読込部1601、画像取込部1602、コード読取部1603、コード出力部1604を主記憶装置上に生成する。
【0032】
まず、POS端末10の制御部60が有する各部の機能について説明する。
【0033】
誤読情報登録部601は、キーボード22、タッチパネル26(ともに図1図2参照)等からの入力操作に基づいて、誤読情報ファイル642に誤読情報を登録する。誤読情報登録部601は、通信I/F25を介してストアコンピュータSCから誤読情報を受信して、受信した誤読情報を誤読情報ファイル642に登録してもよい。誤読情報登録処理の手順例については、図4とともに後述する。
【0034】
販売登録部602は、スキャナ101から受信した情報に基づいて、販売対象商品の商品情報、商品価格等を商品マスタファイル641から読み込み、販売データとして登録する。即ち、販売登録部602は、スキャナ101から商品コードを受信した場合には、当該商品コードに対応する商品名、商品価格等の商品情報をHDD64の商品マスタファイル641から読み込み、販売データとして登録する。
【0035】
また、販売登録部602は、スキャナ101において一取引分の全ての商品のスキャンが終わると、一取引分の合計金額を算出し、客からの預り金の入力を受付けて釣銭額を算出し、釣銭額を店員用表示器23ならびに客用表示器24に表示する締め処理を行う。
【0036】
次に、スキャナ101の制御部160が有する各部の機能について説明する。
【0037】
誤読情報読込部1601は、スキャナ101の起動時にPOS端末10から誤読情報ファイル642を読み込んで、RAM163上に書き込む。
【0038】
画像取込部1602は、撮像部12(図2参照)が撮像した撮像画像を取り込む。
【0039】
コード読取部1603は、撮像画像から商品に関するコードを読み取る。商品に関するコードの例としては、商品を特定する商品コードを読み取る。
【0040】
また、コード読取部1603(再読取手段)は、撮像画像から読み取ったコードが誤読情報ファイル642に誤読コードとして記憶されていれば、画像取込部1602により新たな別フレームの撮像画像を取り込み、当該新たな撮像画像に対してコードの再読取を行う。即ち、コード読取部1603は、コード読取部1603が読み取った商品コードが誤読情報ファイル642において誤読コードとして記憶されていれば、新たな撮像画像に対して商品コードの再読取を行う。
【0041】
また、コード読取部1603(カウント手段)は、異なる撮像画像からコードの読取を行った回数である読取回数をカウントする。即ち、コード読取部1603は、コード出力をせずにコード読取を試行した回数をカウントする。
【0042】
コード出力部1604(第1出力手段)は、コード読取部1603が読み取ったコードが誤読情報ファイル642に誤読コードとして記憶されていなければ、コード読取部1603が読み取ったコードを販売登録対象の情報としてPOS端末10に出力する。即ち、コード出力部1604は、コード読取部1603が読み取った商品コードが誤読情報ファイル642において誤読コードとして記憶されていなければ、当該商品コードを登録対象としてPOS端末10に出力する。
【0043】
また、コード出力部1604(第2出力手段)は、コード読取部1603がコードの読取を所定回数繰り返しても、先の読取で誤読コードとして記憶されていると判定されたコードと同一のコードを繰り返し読み取る場合には、繰り返し読み取られたコードを販売登録対象の情報としてPOS端末10に出力する。即ち、コード出力部1604は、コード読取部1603は商品コードの読取を所定回数繰り返しても、先の読取で読み取られた誤読コードと同一の商品コードを繰り返し読み取る場合には、繰り返し読み取られた商品コードを登録対象としてPOS端末10に出力する。
【0044】
尚、コード出力部1604(回数出力手段)は、誤読コードと同一のコードをPOS端末10に出力する際に、コード読取部1603がカウントした読取回数をあわせて出力してもよい。
【0045】
また、コード出力部1604(第3出力手段)は、コード読取部1603が再読取をして読み取ったコードが、先の読取において読み取られたコードと同一の誤読コードに対応する正解コードとして誤読情報ファイル642に記憶されていれば、当該正解コードを販売登録対象の情報としてPOS端末10に出力する。
【0046】
次に、POS端末10の動作例、ならびに、スキャナ101の動作例について説明する。
【0047】
図4は、POS端末10が実行する誤読情報登録処理の手順例を示したフローチャートである。POS端末10において、誤読情報登録用のGUIが起動されると、誤読情報登録部601は、キーボード22、タッチパネル26を介して、誤読コードの入力を受付ける(ステップS1)。正解コードがある場合(ステップS2:Yes)には、誤読情報登録部601はさらに正解コードの入力を受付ける(ステップS3)。そして、誤読情報登録部601は、誤読コードと正解コードとを対にして、誤読情報ファイル642に誤読情報として登録する(ステップS4)。一方、正解コードがなければ(ステップS2:No)、誤読情報登録部601は誤読コードのみを誤読情報として誤読情報ファイル642に登録し(ステップS6)、ステップS5に移行する。GUI等の終了ボタンの操作を受付けて登録処理の終了が指示された場合には(ステップS5:Yes)、処理を終了し、初期画面あるいは登録画面に戻る。ステップS5:Noであれば、ステップS1に戻る。
【0048】
図5は、スキャナ101が実行する読取処理の手順例を示したフローチャートである。尚、ここではコードシンボルとしてバーコードを適用した例を挙げて説明する。
【0049】
スキャナ101において、誤読情報読込部1601は、POS端末10のHDD64から誤読情報ファイル642を読み込んで、RAM163に書き込む(ステップS21)。
【0050】
次に、画像取込部1602は、撮像部12に撮像オン信号を出力して撮像動作を開始させ、フレームごとの撮像画像をRAM163上に取り込む処理を開始する(ステップS22)。コード読取部1603は、RAM163上に取り込まれた1フレームの撮像画像を2値化し、2値化したデータ内にバーコードに相当するデータ領域が存在するか否かを判定する(ステップS23)。バーコードを検出しない間(ステップS23:No)はステップS23に戻ってバーコードの検出を待つ。
【0051】
撮像画像内にバーコードに相当するデータ領域を検出した場合には(ステップS23:Yes)、コード読取部1603は検出されたバーコードをデコードしてコードデータを読み取る(ステップS24)。コードデータは、商品を特定する商品コードの他、チェックデジットを含んでいる。コード読取部1603は、チェックデジットに基づいてデコードが成功したか否かを判定する(ステップS25)。
【0052】
チェックデジットからデコード失敗となった場合(ステップS25:No)には、ステップS23に戻って新たなフレーム画像を用いてバーコードの検出を続ける。チェックデジットに基づいてデコード成功であると判定されれば(ステップS25:Yes)、コード出力部1604はデコードされた商品コードが誤読コードとして誤読情報ファイル642に登録されていないかコードの照合を行う(ステップS26)。
【0053】
デコードされた商品コードが誤読コードとして誤読情報ファイル642に格納されていなければ(ステップS27:No)、コード出力部1604は当該商品コードを登録対象としてPOS端末10に出力し(ステップS28)、ステップS29に移行する。
【0054】
一方、デコードされた商品コードが誤読コードとして誤読情報ファイル642に格納されている場合(ステップS27:Yes)、コード読取部1603は、読取回数nをカウントする(ステップS30)。初回の読取であれば、読取回数nは1である。尚、読取回数nは、コードが出力されずにコード読取を行った回数である。
【0055】
読取回数nが2以上であれば(ステップS31:Yes)、コード出力部1604は、
誤読情報ファイル642において、ステップS26で照合された誤読コードに正解コードが対応付けられているか判定する(ステップS32)。正解コードが対応付けられている場合(ステップS32:Yes)には、コード出力部1604は、ステップS24でデコードされた商品コードが、ステップS26の照合で合致した誤読コードに対応する正解コードと合致するか判定する(ステップS33)。商品コードが正解コードに合致すれば(ステップS33:Yes)、コード出力部1604は当該正解コードを登録対象としてPOS端末10に出力し(ステップS34)、ステップS29に移行する。ステップS31:No、ステップS32:NoおよびステップS33:Noの場合にはステップS35に移行する。
【0056】
ステップS35において、コード出力部1604は、読取回数nが所定の閾値Nとなったか判定する。読取回数nが閾値Nとなり、N回連続でコード出力せずにコードの再読取を繰り返した場合には(ステップS35:Yes)、コード出力部1604は、N回連続で読み取られたコードを登録対象としてPOS端末10に出力し(ステップS36)、ステップS29に移行する。読取回数nが閾値Nに満たない場合(ステップS35:No)には、ステップS23に戻って以降の処理を続ける。
【0057】
スキャナ101の店員用表示器106に表示された読取画面、またはキーボード107等から読取終了を宣言する操作が入力されて一取引のスキャンが終了すると(ステップS29:Yes)、コード読取部1603は読取回数nや読み取った画像データ等をRAM163上のワークメモリからクリアして(ステップS37)、一取引の読取処理を終了する。ステップS29:Noであれば、ステップS23に戻る。
【0058】
なお、本実施形態のスキャナ101で実行されるプログラムは、ROM162(図2参照)に予め組み込まれて提供される。本実施形態のスキャナ101で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0059】
さらに、本実施形態のスキャナ101で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態のスキャナ101で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0060】
また、POS端末10で実行されるプログラムは、HDD64(図2参照)に予め組み込まれて提供される。POS端末10で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0061】
さらに、POS端末10で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、POS端末10で実行されるプログラムで実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0062】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0063】
(値引コードへの適用)
例えば、上述では、商品に関する情報として商品コードを適用した例を示したが、商品に関する情報として、値引内容を示す値引コードを適用し、値引コードについても誤読コードと照合する形態としてもよい。
【0064】
即ち、誤読情報ファイル642において、値引コードの読取処理において過去に誤読したコードを、誤読コードとして登録しておいてもよい。値引コードの読取処理とは、値引表示の画像に対して文字認識やパターン認識を行って値引内容を示す情報を読み取り、値引内容を示す値引コードを生成することにより、値引コードを読み取る処理である。値引表示としては、値引ラベル等あらかじめ所定のフォーマットで印字されたものを読み取るものでもよいし、手書きの文字やマークを文字認識やパターン認識で読み取るものでもよい。
【0065】
この場合に、スキャナ101のコード読取部1603は、上述した値引コードの読取処理を行う。コード出力部1604(第1出力手段)は、コード読取部1603が読み取った値引コードが誤読情報ファイル642において誤読コードとして記憶されていなければ、当該値引コードを、登録対象とされた商品コードに対応付けて出力すればよい。また、コード読取部1603(再読取手段)は、コード読取部1603が読み取った値引コードが誤読情報ファイル642において誤読コードとして記憶されていれば、新たな撮像画像に対して値引コードの再読取を行えばよい。また、コード出力部1604(第2出力手段)は、コード読取部1603が値引コードの読取を所定回数繰り返しても、先の読取で読み取られた誤読コードと同一の値引コードを繰り返し読み取る場合には、繰り返し読み取られた値引コードを登録対象として、登録対象とされた商品コードに対応付けて出力すればよい。
【0066】
そして、POS端末10側において、販売登録部602は、スキャナ101から商品コードと値引コードとが対応付けられて送信された場合には、商品マスタファイル641から上述のようにして読み込んだ商品情報に、値引コードが示す値引情報を適用して、値引を適用した販売データを登録すればよい。尚、商品コードと値引コードの対応付けは、POS端末10側で行ってもよい。
【0067】
以上説明した通り、上記実施形態によれば、誤読情報ファイル642に誤読コードとして登録されているコードが読み取られた場合には、読取を複数回繰り返してから登録対象として出力する。即ち、誤読の実績があるコードと同一のコードが読み取られた場合に、複数回読み取りし直すことにより、複数回同一コードが読み取られ、その読取精度が確かである場合に登録対象として出力することとなる。このようにすることにより、コード再読取の手間を省きやすくすることができるコード読取装置およびプログラムを提供することができる。
【符号の説明】
【0068】
10 POS端末
101 スキャナ
160 制御部
642 誤読情報ファイル
1601 誤読情報読込部
1602 画像取込部
1603 コード読取部
1604 コード出力部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0069】
【文献】特開平6-259591号公報
図1
図2
図3
図4
図5