(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-24
(45)【発行日】2022-06-01
(54)【発明の名称】送信装置、送信方法、受信装置、および受信方法
(51)【国際特許分類】
H04W 72/04 20090101AFI20220525BHJP
H04W 28/06 20090101ALI20220525BHJP
H04W 16/28 20090101ALI20220525BHJP
H04W 84/12 20090101ALI20220525BHJP
H04B 7/06 20060101ALI20220525BHJP
H04B 7/0456 20170101ALI20220525BHJP
H04B 7/0413 20170101ALI20220525BHJP
【FI】
H04W72/04 136
H04W28/06 110
H04W16/28 130
H04W84/12
H04B7/06 670
H04B7/0456 100
H04B7/0413 230
H04B7/06 890
(21)【出願番号】P 2018099143
(22)【出願日】2018-05-23
【審査請求日】2020-12-08
(32)【優先日】2017-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514136668
【氏名又は名称】パナソニック インテレクチュアル プロパティ コーポレーション オブ アメリカ
【氏名又は名称原語表記】Panasonic Intellectual Property Corporation of America
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】特許業務法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】坂本 剛憲
(72)【発明者】
【氏名】本塚 裕幸
【審査官】望月 章俊
(56)【参考文献】
【文献】特表2007-537655(JP,A)
【文献】Il-Gu Lee et al.,Robust Wireless Transmission Utilizing PPDU-Based Aggregation Technique for Next Generation Wireless LANs,IEEE Communications Letters,米国,IEEE,2010年03月08日,Vol.14 No.3
【文献】Alecsander Eitan et al.,PHY Frame Format proposal for 11ay,IEEE 802.11-16/0061-00-00,米国,IEEE,2016年01月18日
【文献】Takenori Sakamoto et al.,EDMG A-PPDU for 11ay SC mode,IEEE 802.11-17/0051r2,米国,IEEE,2007年01月17日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W4/00-H04W99/00
H04B7/24-H04B7/26
H04B 7/06
H04B 7/0456
H04B 7/0413
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物理層における複数のプロトコルデータユニットを集約した送信信号を生成する生成回路と、
前記複数のプロトコルデータユニットの符号化率およびデータ変調方式に基づいて、連続する2つのプロトコルデータユニット間の変調およびコーディングスキーム(MCS)の変化を検出するMCS変化検出回路と、
検出された前記MCSの変化に基づいて、前記連続する2つのプロトコルデータユニットの後者に、送信チャネルの同期及び前記送信チャネルの推定の少なくとも1つに用いられるプリアンブルを挿入
するか前記挿入を省略するかを決定し、使用されるMIMO(Multiple-Input and Multiple-Output)ストリーム数が1より大きい場合、前記変化が検出されたことに応じて、前記連続する2つのプロトコルデータユニットの後者に前記プリアンブルを挿入する挿入回路と、
前記プリアンブルが挿入された前記送信信号を空間処理して送信する送信回路と、
を備えた、送信装置。
【請求項2】
前記空間処理は、巡回シフト遅延処理およびプリコーディング行列を用いた空間多重化処理の少なくとも1つである、請求項1に記載の送信装置。
【請求項3】
前記プリアンブルは、非レガシーCEF(Channel Estimation Field)および非レガシーSTF(Short Training Field)の少なくとも1つを含む、請求項1または2に記載の送信装置。
【請求項4】
前記挿入回路は、前記複数のプロトコルデータユニットの全てのプロトコルデータユニットに、前記プリアンブルを挿入する、請求項1から3のいずれか一項に記載の送信装置。
【請求項5】
使用されるMIMOストリーム数が1より大きい場合、前記変化が検出されなかったことに応じて、前記挿入回路は、前記後者への前記プリアンブルの前記挿入を省略する、
請求項1に記載の送信装置。
【請求項6】
使用されるMIMOストリーム数が1に等しい場合、前記挿入回路は、前記後者への前記プリアンブルの前記挿入を省略する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の送信装置。
【請求項7】
物理層における複数のプロトコルデータユニットを集約した送信信号を生成し、
前記複数のプロトコルデータユニットの符号化率およびデータ変調方式に基づいて、連続する2つのプロトコルデータユニット間の変調およびコーディングスキーム(MCS)の変化を検出し、
検出された前記MCSの変化に基づいて、前記連続する2つのプロトコルデータユニットの後者に、送信チャネルの同期及び前記送信チャネルの推定の少なくとも1つに用いられるプリアンブルを挿入
するか前記挿入を省略するかを決定し、使用されるMIMO(Multiple-Input and Multiple-Output)ストリーム数が1より大きい場合、前記変化が検出されたことに応じて、前記連続する2つのプロトコルデータユニットの後者に前記プリアンブルを挿入し、
前記プリアンブルが挿入された前記送信信号を空間処理して送信する、
送信方法。
【請求項8】
送信装置から送信された信号を受信して空間分離する受信回路と、
空間分離された前記信号を復調する復調回路と、
復調された前記信号を復号する復号回路と、
を含み、
空間分離された前記信号は、物理層における集約された複数のプロトコルデータユニットを含み、
前記送信装置において、前記複数のプロトコルデータユニットの符号化率およびデータ変調方式に基づいて検出された、連続する2つのプロトコルデータユニット間の変調およびコーディングスキーム(MCS)の変化に基づいて、前記連続する2つのプロトコルデータユニットの後者に、送信チャネルの同期及び前記送信チャネルの推定の少なくとも1つに用いられるプリアンブルを挿入するか前記挿入を省略するかが決定されており、使用されるMIMO(Multiple-Input and Multiple-Output)ストリーム数が1より大きい場合、前記変化が検出されたことに応じて、前記連続する2つのプロトコルデータユニットの後者に前記プリアンブルが挿入されている、
受信装置。
【請求項9】
前記空間分離は、前記
連続する2つのプロトコルデータユニットのうち第1のプロトコルデータユニットに挿入された前記プリアンブルに基づく、受信された前記信号の一の部分の空間分離と、前記
連続する2つのプロトコルデータユニットのうち第2のプロトコルデータユニットに挿入された前記プリアンブルに基づく、受信された前記信号の他の部分の空間分離と、を含む、
請求項8に記載の受信装置。
【請求項10】
送信装置から送信された信号を受信して空間分離し、
空間分離された前記信号を復調し、
復調された前記信号を復号し、
空間分離された前記信号は、物理層における集約された複数のプロトコルデータユニットを含み、
前記送信装置において、前記複数のプロトコルデータユニットの符号化率およびデータ変調方式に基づいて検出された、連続する2つのプロトコルデータユニット間の変調およびコーディングスキーム(MCS)の変化に基づいて、前記連続する2つのプロトコルデータユニットの後者に、送信チャネルの同期及び前記送信チャネルの推定の少なくとも1つに用いられるプリアンブルを挿入するか前記挿入を省略するかが決定されており、使用されるMIMO(Multiple-Input and Multiple-Output)ストリーム数が1より大きい場合、前記変化が検出されたことに応じて、前記連続する2つのプロトコルデータユニットの後者に前記プリアンブルが挿入されている、
受信方法。
【請求項11】
前記空間分離は、前記
連続する2つのプロトコルデータユニットのうち第1のプロトコルデータユニットに挿入された前記プリアンブルに基づく、受信された前記信号の一の部分の空間分離と、前記
連続する2つのプロトコルデータユニットのうち第2のプロトコルデータユニットに挿入された前記プリアンブルに基づく、受信された前記信号の他の部分の空間分離と、を含む、
請求項10に記載の受信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、送信装置、送信方法、受信装置、および受信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
IEEE802.11は、無線LAN関連規格の1つであり、その中に、例えばIEEE802.11ad規格、IEEE802.11ay規格がある(例えば、非特許文献1を参照)。ミリ波通信にAggregate-PLCP(Physical Layer Convergence Protocol) Protocol Data Unit(集約物理層収束プロトコルデータユニット、以下「A-PPDU」と表記する)方式を適用し、高品質データ伝送を実現する方式として、IEEE802.11ay規格の標準化が行われている(非特許文献2、3、4を参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】IEEE802.11-2016(2016年12月14日)
【文献】IEEE802.11-16-1623r0(2016年12月21日)
【文献】IEEE802.11-17-0051r3(2017年1月16日)
【文献】IEEE802.11-17-0761r4(2017年12月21日)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の非限定的な実施例は、伝送効率を向上させた、改善された非レガシーA-PPDUの送信装置、送信方法、受信装置、および受信方法の提供に資する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様に係る送信装置は、物理層における複数のプロトコルデータユニットを集約した送信信号を生成する生成回路と、前記複数のプロトコルデータユニットのうち、第1のプロトコルデータユニットと第2のプロトコルデータユニットとに、送信チャネルの同期及び前記送信チャネルの推定の少なくとも1つに用いられるプリアンブルを挿入する挿入回路と、前記プリアンブルが挿入された前記送信信号を空間処理して送信する送信回路と、を備えた構成を採る。
【0006】
本開示の一態様に係る送信方法は、物理層における複数のプロトコルデータユニットを集約した送信信号を生成し、前記複数のプロトコルデータユニットのうち、第1のプロトコルデータユニットと第2のプロトコルデータユニットとに、送信チャネルの同期及び前記送信チャネルの推定の少なくとも1つに用いられるプリアンブルを挿入し、前記プリアンブルが挿入された前記送信信号を空間処理して送信する構成を採る。
【0007】
本開示の一態様に係る受信装置は、信号を受信して空間分離する受信回路と、空間分離された前記信号を復調する復調回路と、復調された前記信号を復号する復号回路と、を含み、空間分離された前記信号は、物理層における集約された複数のプロトコルデータユニットを含み、前記複数のプロトコルデータユニットのうち、第1のプロトコルデータユニットと第2のプロトコルデータユニットとに、送信チャネルの同期及び前記送信チャネルの推定の少なくとも1つに用いられるプリアンブルが挿入されている構成を採る。
【0008】
本開示の一態様に係る受信方法は、信号を受信して空間分離し、空間分離された前記信号を復調し、復調された前記信号を復号し、空間分離された前記信号は、物理層における集約された複数のプロトコルデータユニットを含み、前記複数のプロトコルデータユニットのうち、第1のプロトコルデータユニットと第2のプロトコルデータユニットとに、送信チャネルの同期及び前記送信チャネルの推定の少なくとも1つに用いられるプリアンブルが挿入されている構成を採る。
【0009】
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム、または、記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本開示の一態様によれば、伝送効率を向上させた、改善された非レガシーA-PPDUの送信装置、送信方法、受信装置、および受信方法を提供できる。
【0011】
本開示の一態様における更なる利点および効果は、明細書および図面から明らかにされる。かかる利点および/または効果は、いくつかの実施形態並びに明細書および図面に記載された特徴によってそれぞれ提供されるが、1つまたはそれ以上の同一の特徴を得るために必ずしも全てが提供される必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】非レガシーA-PPDUフォーマットの一例を示す図
【
図4A】本開示による非レガシーA-PPDUフォーマットの一例を示す図
【
図4B】本開示による非レガシーA-PPDUフォーマットの一例を示す図
【
図4C】本開示による非レガシーA-PPDUフォーマットの一例を示す図
【
図6】本開示によるプリアンブル挿入手順を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、添付の図面を参照しながら、本開示の様々な実施形態を詳しく説明することとする。以下の説明において、明瞭さと簡潔さのため、本明細書に組み込まれた周知の機能および構成の詳細な説明は省略されている。
【0014】
IEEE802.11ay規格に準拠する非レガシーデバイスは、IEEE802.11ad規格に準拠するレガシーデバイスとの下位互換性を保つために、IEEE802.11adに定義されたSISO(Single-Input and Single-Output)方式と、IEEE802.11ayで追加されたMIMO(Multiple-Input and Multiple-Output)方式の両方をサポートすることが求められている。このため、NG60WiGig(非レガシーWiGig)デバイスについても、MIMO方式に対応したA-PPDU(非レガシーA-PPDU)のフォーマットおよび送信方式を定義することが求められている。まず、
図1から
図3を参照して、非レガシーA-PPDU1000を説明する。
【0015】
図1は、非レガシーA-PPDU1000のフォーマットの一例を示す図である。
【0016】
非レガシーA-PPDU1000には、N
PPDU個のPPDUが集約される。ここで、N
PPDUは、非レガシーA-PPDU1000に集約されるPPDU数(以下、「集約PPDU数」と表記する)であり、N
PPDUは、2以上の整数である。以下、明瞭さと簡潔さのため、N
PPDUが3に等しい場合を一例にとって、
図1を参照して非レガシーA-PPDU1000のフォーマットを説明する。しかしながら、N
PPDUは、2であってもよく、4以上の整数であってもよい。
【0017】
非レガシーA-PPDU1000は、第1のPPDU1010と、第2のPPDU1020と、第3のPPDU1030とを含む。
【0018】
第1のPPDU1010は、レガシーSTF(Short Training Field:ショートトレーニングフィールド)1011と、レガシーCEF(Channel Estimation Field:チャネル推定フィールド)1012と、レガシーヘッダフィールド1013と、非レガシーヘッダフィールド1014と、非レガシーSTF1015と、非レガシーCEF1016と、データフィールド1017とを含む。
【0019】
第2のPPDU1020は、非レガシーヘッダフィールド1021と、データフィールド1022とを含む。
【0020】
第3のPPDU1030は、非レガシーヘッダフィールド1031と、データフィールド1032と、TRN(Training:トレーニング)フィールド1033とを含む。
【0021】
レガシーSTF1011は、パケット検出、AGC(Automatic Gain Control:自動利得制御)、周波数オフセット推定および同期に用いられる情報を含むフィールドである。
【0022】
レガシーCEF1012は、チャネル推定に用いられる情報を含むフィールドである。
【0023】
レガシーヘッダフィールド1013は、例えば、非レガシーA-PPDU1000の送信期間、非レガシーヘッダフィールド1014、1021、1031の有無を示す情報を含むフィールドである。
【0024】
非レガシーヘッダフィールド1014,1021,1031は、それぞれ、データフィールド1017,1022,1032に関する情報を含むフィールドである。例えば、非レガシーヘッダ1014,1021,1031は、それぞれ、空間ストリーム数フィールドおよび非レガシーMCS(Modulation and Coding Scheme:変調およびコーディングスキーム)フィールドを含む。
【0025】
ここで、空間ストリーム数フィールドは、データフィールド1017,1022,1032で使用されるMIMOストリーム数NSSを指定するフィールドである。また、非レガシーMCSフィールドは、各ストリームで使用される符号化率およびデータ変調方式を指定するフィールドである。
【0026】
非レガシーA-PPDU1000では、非レガシーヘッダフィールド1014,1021,1031の値を参照することにより、各PPDUの各ストリームのMCSを変更できる。MCSの変更により、高品質データ伝送が実現される。
【0027】
非レガシーSTF1015は、AGCの再調整や再同期に用いられる情報を含むフィールドである。非レガシーSTF1015は、非レガシーA-PPDU1000がチャネルボンディング方式およびMIMO方式で送信される場合に、第1のPPDU1010に挿入される。
【0028】
非レガシーCEF1016は、再チャネル推定に用いられる情報を含むフィールドである。非レガシーCEF1016は、非レガシーA-PPDU1000がチャネルボンディング方式およびMIMO方式で送信される場合に、第1のPPDU1010に挿入される。
【0029】
データフィールド1017、1022、1032は、それぞれ第1のPPDU1010、第2のPPDU1020、第3のPPDU1030のペイロードデータを含むフィールドである。
【0030】
TRNフィールド1033は、ビームの微調整または追跡制御に用いられる情報を含むフィールドである。TRNフィールド1033の有無は、非レガシーヘッダフィールド1031によって示される。TRNフィールド1033は、非レガシーA-PPDU1000に集約される最後のPPDU(
図1においては、第3のPPDU1030)に挿入される。
【0031】
図2は、非レガシーA-PPDU方式に対応する送信装置200の構成の一例を示す図である。
【0032】
送信装置200は、MAC(Medium Access Control(媒体アクセス制御))部(MAC回路)201と、ストリーム生成部(ストリーム生成回路)202と、符号化部(符号化回路)203a,203bと、データ変調部(データ変調回路)204a,204bと、ヘッダ挿入部(ヘッダ挿入回路)205a,205bと、プリアンブル挿入部(プリアンブル挿入回路)206a,206bと、空間処理部(空間処理回路)207と、送信F/E(フロントエンド)回路208a,208bと、送信アンテナ209a,209bとを備える。なお、以下の説明において、送信装置200の構成要素に用いる「・・・部」という表記は、「・・・回路(circuitry)」、「・・・デバイス」、「・・・ユニット」、又は、「・・・モジュール」といった他の表記に置換されてもよい。
【0033】
MAC部201は、送信データを生成し、ストリーム生成部202へ出力する。また、MAC部201は、非レガシーA-PPDUに集約される各PPDUに対し、送信データサイズ、MIMOストリーム数、各ストリームの符号化率、各ストリームのコードワードサイズ、各ストリームの変調方式を決定し、ストリーム生成部202、符号化部203a,203b、データ変調部204a,204b、ヘッダ挿入部205a,205b、プリアンブル挿入部206a,206b、空間処理部207へ通知する。
【0034】
ストリーム生成部202は、MAC部201から入力された送信データにビットスクランブルを施す。次いで、ストリーム生成部202は、ビットスクランブルが施された送信データを、第1の送信ストリームデータおよび第2の送信ストリームデータに分割し、それぞれ、符号化部203a,203bへ出力する。また、ストリーム生成部202は、パディングビットを生成し、ビットスクランブルを施す。
【0035】
ここで、パディングビットは、データパディングビットおよびブロックパディングビットである。次いで、ストリーム生成部202は、ビットスクランブルが施されたパディングビットを、第1の送信ストリームおよび第2の送信ストリームに分割する。
【0036】
次いで、ストリーム生成部202は、ビットスクランブルが施され第1の送信ストリームに分割されたパディングビットを、第1の送信ストリームデータに付加し、符号化部203aへ出力する。同様に、ストリーム生成部202は、ビットスクランブルが施され第2の送信ストリームに分割されたパディングビットを、第2の送信ストリームデータに付加し、符号化部203bへ出力する。
【0037】
符号化部203aは、ストリーム生成部202から入力された、第1の送信ストリームデータと、第1の送信ストリームデータに付加されたデータパディングビットを符号化し、第1の符号化ビットデータを生成する。符号化には、例えば、LDPC(Low Density Parity Check:低密度パリティ検査)符号といった誤り訂正符号が用いられる。次いで、符号化部203aは、第1の符号化ビットデータを、データ変調部204aへ出力する。
【0038】
同様に、符号化部203bは、ストリーム生成部202から入力された、第2の送信ストリームデータと、第2の送信ストリームデータに付加されたデータパディングビットを符号化し、第2の符号化ビットデータを生成する。次いで、符号化部203bは、第2の符号化ビットデータを、データ変調部204bへ出力する。
【0039】
一例において、符号化部203a,203bは、ビットスクランブルが施されたブロックパディングビットを符号化せずに、それぞれ、データ変調部204a,204bへ出力する。他の一例において、符号化部203a,203bは、ビットスクランブルが施されたブロックパディングビットを符号化し、それぞれ、データ変調部204a,204bへ出力する。
【0040】
データ変調部204aは、符号化部203aから入力された第1の符号化ビットデータおよびビットスクランブルが施されたブロックパディングビットをデータ変調し、送信データシンボルを生成する。データ変調には、例えば、π/2シフトBPSK(Binary Phase Shift Keying)、π/2シフトQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)、π/2シフト16QAM(16点Quadrature Amplitude Modulation)、π/2シフト64QAM(64点Quadrature Amplitude Modulation)、π/2シフト64NUC(64点Non-Uniform Constellation)変調といった変調方式が用いられる。次いで、データ変調部204aは、生成された送信データシンボルを、ヘッダ挿入部205aへ出力する。
【0041】
同様に、データ変調部204bは、符号化部203bから入力された第2の符号化ビットデータおよびビットスクランブルされたブロックパディングビットをデータ変調し、送信データシンボルを生成する。次いで、データ変調部204bは、生成された送信データシンボルを、ヘッダ挿入部205bへ出力する。
【0042】
ヘッダ挿入部205a,205bは、MAC部201から通知される情報に基づいてヘッダを生成する。ここで、ヘッダは、レガシーヘッダおよび非レガシーヘッダである。
【0043】
次いで、ヘッダ挿入部205aは、ヘッダをデータ変調し、ヘッダシンボルを生成する。ここで、ヘッダシンボルは、レガシーヘッダシンボルおよび非レガシーヘッダシンボルであり、それぞれ、例えば、
図1に示されるレガシーヘッダフィールド1013および非レガシーヘッダフィールド1014,1021,1031に格納される。データ変調方式としては、例えば、π/2シフトBPSKまたはQPSKが用いられる。同様に、次いで、ヘッダ挿入部205bは、ヘッダをデータ変調し、ヘッダシンボルを生成する。
【0044】
さらに、ヘッダ挿入部205aは、データ変調部204aから入力された送信データシンボルに、生成されたヘッダシンボルを付加する。例えば、
図1に示されるように、レガシーヘッダシンボルおよび非レガシーヘッダシンボルが、それぞれ、レガシーヘッダフィールド1013および非レガシーヘッダフィールド1014,1021,1031に
図1に示される順番で付加される。同様に、ヘッダ挿入部205bは、データ変調部204bから入力された送信データシンボルに、生成されたヘッダシンボルを付加する。
【0045】
一例において、
図1に示されるように、ヘッダ挿入部205a,205bは、先頭にある第1のPPDU1010の送信データフィールド1017に格納される送信データシンボルに、レガシーヘッダフィールド1013に格納されるレガシーヘッダシンボルを付加する。一方、2番目以降にある第2のPPDU1020および第3のPPDU1030の送信データフィールド1022,1032に格納される送信データシンボルに対しては、レガシーヘッダシンボルの付加を省略する。
【0046】
また、ヘッダ挿入部205a,205bは、全てのPPDU、例えば、
図1に示される第1のPPDU1010、第2のPPDU1020、および第3のPPDU1030に、それぞれ、非レガシーヘッダフィールド1014,1021,1031に格納される非レガシーヘッダシンボルを付加する。
【0047】
次いで、ヘッダ挿入部205aは、ヘッダシンボルが付加された、または付加が省略された送信データシンボルを、プリアンブル挿入部206aへ出力する。同様に、ヘッダ挿入部205bは、ヘッダシンボルが付加された、または付加が省略された送信データシンボルを、プリアンブル挿入部206bへ出力する。
【0048】
プリアンブル挿入部206aは、ヘッダ挿入部205aから入力された、ヘッダシンボルが付加された、または省略された送信データシンボルに、プリアンブルを付加する。ここで、プリアンブルは、レガシーSTF1011、レガシーCEF1012、非レガシーSTF1015、および非レガシーCEF1016に格納される値である。プリアンブルは、例えば、
図1に示されるレガシーSTF1011、レガシーCEF1012、非レガシーSTF1015、および非レガシーCEF1016に、この順番で付加される。同様に、プリアンブル挿入部206bは、ヘッダ挿入部205bが出力するヘッダシンボルが付加された、または省略された送信データシンボルに、プリアンブルを付加する。
【0049】
一例において、
図1に示されるように、プリアンブル挿入部206a,206bは、先頭にある第1のPPDU1010の送信データフィールド1017に、レガシーSTF1011、レガシーCEF1012、非レガシーSTF1015、および非レガシーCEF1016を付加し、プリアンブルを格納する。一方、2番目以降にある第2のPPDU1020および第3のPPDU1030の送信データフィールド1022,1032に対しては、レガシーSTF、レガシーCEF、非レガシーSTF、および非レガシーCEFの付加を省略する。
【0050】
次いで、プリアンブル挿入部206a,206bは、プリアンブルが付加された、または付加が省略された送信データシンボルを、空間処理部207へ出力する。
【0051】
空間処理部207は、プリアンブル挿入部206a,206bから入力された、プリアンブルが付加された、または付加が省略された送信データシンボルに対し、空間処理を施し、空間処理済み信号を生成する。ここで、空間処理は、CSD(Cyclic Shift Diversity:巡回シフト遅延)処理およびプリコーディング行列を用いた行列演算による空間多重化処理の少なくとも1つであり、プリアンブル、ヘッダ、および送信データの各フィールドに対し、それぞれ、CSD処理および空間多重化処理のいずれか一方を施す。
【0052】
例えば、空間処理部207は、空間処理として、第1のPPDU1010のレガシーSTF1011、レガシーCEF1012、レガシーヘッダフィールド1013、非レガシーヘッダフィールド1014、第3のPPDU1030のTRNフィールド1033に対し、CSD処理を行う。
【0053】
また、例えば、空間処理部207は、空間処理として、第1のPPDU1010の非レガシーSTF1015、非レガシーCEF1016、送信データフィールド1017、第2のPPDU1020の非レガシーヘッダフィールド1021、送信データフィールド1022、第3のPPDU1030の非レガシーヘッダフィールド1031、送信データフィールド1032に対し、プリコーディング行列を用いた行列演算による空間多重化処理を施す。なお、受信装置(図示しない)は、非レガシーCEF1016を用いたチャネル推定によって、送信装置200で使用されたプリコーディング行列を推定してもよい。
【0054】
一例において、空間処理部207は、空間多重化処理(空間多重化方式)として、固有モード伝送を用いてよい。さらに、一例において、空間処理部207は、チャネル容量の最大化のために、注水定理に基づく最適電力配分を行ってもよい。
【0055】
次いで、空間処理部207は、空間処理済み信号を、送信F/E回路208a,208bに出力する。
【0056】
送信F/E回路208a,208bは、空間処理部207から入力された、空間処理済み信号に対し、フィルタ処理、D/A変換処理、周波数変換処理、電力増幅処理を施し、RF信号を生成する。送信F/E回路208a,208bは、例えば、デジタルおよびアナログフィルタ、D/A(デジタル/アナログ)変換回路、RF(Radio Frequency:高周波または無線周波数)回路を含む。デジタルフィルタには、例えば、RRC(Root Raised Cosine)フィルタが用いられる。次いで、送信F/E回路208a,208bは、生成されたRF信号を、それぞれ、送信アンテナ209a,209bへ出力する。
【0057】
送信アンテナ209a,209bは、それぞれ、送信F/E回路208a,208bから入力されたRF信号を、無線信号として、受信装置(図示しない)へ送信する。
【0058】
図3は、プリアンブル挿入部206a、206bが、レガシーSTF、レガシーCEF、非レガシーSTF、非レガシーCEFを送信データシンボルに付加する手順の一例を示すフローチャートである。
【0059】
ステップS301において、プリアンブル挿入部206a,206bは、非レガシーA-PPDU1000に集約されるPPDUの番号i
PPDUを数える。例えば、先頭のPPDU(
図1においては、第1のPPDU1010)の場合、i
PPDU=1であり、2番目のPPDU(
図1においては、第2のPPDU1020)の場合、i
PPDU=2である。すなわち、Nを1以上の整数として、N番目のPPDUの場合、i
PPDU=Nである。
【0060】
ステップS302において、プリアンブル挿入部206a,206bは、ヘッダ挿入部205a、205bから入力されるヘッダが付加された送信データシンボルが、先頭のPPDUに含まれるものであるか否かを、iPPDUの値に基づいて判断する。プリアンブル挿入部206a、206bは、iPPDU=1の場合(ステップS302:Yes)、先頭のPPDUに含まれるものであると判断し、ステップS303へ移行する。一方、プリアンブル挿入部206a、206bは、iPPDU≠1の場合(ステップS302:No)、先頭のPPDUに含まれるものでないと判断し、ステップS303、ステップS304、ステップS305を省略してステップS306へ移行する。
【0061】
ステップS303において、プリアンブル挿入部206a、206bは、ヘッダ挿入部205a、205bから入力された、ヘッダが付加された送信データシンボルにレガシーSTFおよびレガシーCEFを付加する。
【0062】
ステップS304において、プリアンブル挿入部206a,206bは、非レガシーA-PPDU1000がMIMO方式により送信されるか否かを、MAC部201から通知されるMIMOストリーム数NSSに基づき判断する。プリアンブル挿入部206a,206bは、NSS>1の場合(ステップS304:Yes)、非レガシーA-PPDU1000がMIMO方式で送信されると判断し、ステップS305へ移行する。一方、プリアンブル挿入部206a,206bは、NSS=1の場合(ステップS304:No)、非レガシーA-PPDU1000がSISO方式で送信されると判断し、ステップS305を省略してステップS306へ移行する。
【0063】
ステップS305において、プリアンブル挿入部206a,206bは、ヘッダ挿入部205a,205bから入力された、ヘッダが付加された送信データシンボルに非レガシーSTFおよび非レガシーCEFを付加する。
【0064】
ステップS306において、プリアンブル挿入部206a,206bは、i
PPDU=N
PPDUであるか否かを判断する。
図1に示される一例においては、N
PPDU=3である。プリアンブル挿入部206a,206bは、i
PPDU=N
PPDUである場合(ステップS306:Yes)、最後のPPDUであると判断し、プリアンブル挿入処理を終了する。一方、プリアンブル挿入部206a,206bは、i
PPDU≠N
PPDUである場合(ステップS306:No)、ステップS301に戻り、プリアンブル挿入処理を繰り返す。
【0065】
以上、説明したように、従来技術による非レガシーA-PPDU方式では、非レガシーSTF、非レガシーCEFは、先頭のPPDUによって送信される。次に、送信装置200が非レガシーA-PPDUをMIMO方式によって送信する場合であって、先頭のPPDUのMCSと異なるMCSが2番目以降のPPDUのうち少なくとも1つに使用される場合について、以下の項目1および項目2を検討する。
【0066】
項目1.チャネル容量の最大化のために、送信装置200が、PPDU毎にMCSに応じてプリコーディング行列を変更する場合を想定する。この場合、先頭のPPDUのレガシーCEFを用いたチャネル推定によって受信装置が推定するプリコーディング行列と、各PPDUに対して送信装置200が使用したプリコーディング行列とが異なる場合が発生する。プリコーディング行列の相違により、空間分離が不十分となり受信特性が劣化しうる。
【0067】
項目2.受信特性の劣化を抑制するために、非レガシーA-PPDU内で固定されたプリコーディング行列を使用する場合を想定する。この場合、送信装置200は、各PPDUのチャネル容量を最大化することが困難であり、伝送効率が低下する。
【0068】
上記項目に対処すべく、本開示に至った。
【0069】
(実施の形態1)
本開示の実施の形態1に係る、非レガシーA-PPDU方式に対応する送信装置500は、先頭以外のPPDUに非レガシーSTFおよび非レガシーCEFを挿入する。
【0070】
図4Aは、実施の形態1による非レガシーA-PPDU4000aのフォーマットの一例を示す図である。
【0071】
図4Bは、実施の形態1による非レガシーA-PPDU4000bのフォーマットの一例を示す図である。
【0072】
図4Cは、実施の形態1による非レガシーA-PPDU4000cのフォーマットの一例を示す図である。
【0073】
非レガシーA-PPDU4000は、第1のPPDU4010と、第2のPPDU4020と、第3のPPDU4030とを含む。なお、実施の形態1においては、集約PPDU数(NPPDU)が3である場合について図示して説明するが、集約PPDU数が2以上の整数であってもよい。
【0074】
第1のPPDU4010は、レガシーSTF4011と、レガシーCEF4012と、レガシーヘッダフィールド4013と、非レガシーヘッダフィールド4014と、非レガシーSTF4015と、非レガシーCEF4016と、データフィールド4017とを含む。
【0075】
第2のPPDU4020は、非レガシーヘッダフィールド4021と、非レガシーCEF4023と、データフィールド4024とを含む。一例において、第2のPPDU4020は、非レガシーSTF4022と、非レガシーCEF4023と、をさらに含む。他の一例において、第2のPPDU4020において、非レガシーSTF4022と、非レガシーCEF4023と、は省略される。
【0076】
第3のPPDU4030は、非レガシーヘッダフィールド4031と、データフィールド4034と、TRNフィールド4035とを含む。一例において、第3のPPDU4030は、非レガシーSTF4032と、非レガシーCEF4033と、をさらに含む(第3のPPDU4030a)。他の一例において、第3のPPDU4030において、非レガシーSTF4032と、非レガシーCEF4033と、は省略される(第3のPPDU4030b,4030c)。
【0077】
図5は、実施の形態1に係る送信装置500の構成の一例を示す図である。
【0078】
送信装置500は、MAC部501と、ストリーム生成部202と、符号化部203a,203bと、データ変調部204a,204bと、ヘッダ挿入部205a,205bと、プリアンブル挿入部506a,506bと、空間処理部507と、送信F/E回路208a,208bと、送信アンテナ209a,209bと、MCS変化検出部510とを備える。これらのうち、ストリーム生成部202、符号化部203a,203b、データ変調部204a,205b、ヘッダ挿入部205a,205b、送信F/E回路208a,208b、および送信アンテナ209a,209bは、
図2を参照して上述したものと同様であり、説明を省略する。なお、以下の説明において、送信装置500の構成要素に用いる「・・・部」という表記は、「・・・回路(circuitry)」、「・・・デバイス」、「・・・ユニット」、又は、「・・・モジュール」といった他の表記に置換されてもよい。
【0079】
MAC部501と、ストリーム生成部202と、符号化部203a,203bと、データ変調部204a,204bと、ヘッダ挿入部205a,205bとは、物理層における複数のプロトコルデータユニットを集約した送信信号を生成する生成回路として機能する。また、プリアンブル挿入部506a,506bは、複数のプロトコルデータユニットのうち、第1のプロトコルデータユニットと第2のプロトコルデータユニットとに、送信チャネルの同期及び送信チャネルの推定の少なくとも1つに用いられるプリアンブルを挿入する挿入回路として機能する。さらに、空間処理部507と、送信F/E回路208a,208bと、送信アンテナ209a,209bとは、プリアンブルが挿入された送信信号を空間処理して送信する送信回路として機能する。これらの機能を実現する各構成要素について、以下説明する。
【0080】
MAC部501は、
図2を参照して上述したMAC部201と同様の機能を実現する。MAC部501は、さらに、決定した各ストリームの符号化率および各ストリームの変調方式を、MCS変化検出部510に出力する。
【0081】
MCS変化検出部510は、各ストリームの符号化率および各ストリームの変調方式に基づいて、連続する2つのPPDU間のMCSの変化を検出する。
【0082】
例えば、第1のPPDU4010で第1のMCSが使用され、第2のPPDU4020で第1のMCSと異なる第2のMCSが使用される場合、MCS変化検出部510は、第1のPPDU4010と第2のPPDU4020との間でMCSが変化したことを検出する。また、第2のPPDU4020で第2のMCSが使用され、第3のPPDU4030で第2のMCSが使用される場合、MCS変化検出部510は、第2のPPDU4020と第3のPPDU4030との間ではMCSが変化したことを検出しない。例えば、MCS変化検出部510は、ヘッダ挿入部205a,205bが生成する非レガシーヘッダの非レガシーMCSフィールドの設定値に基づいて、連続する2つのPPDU間でMCSが変化したか否かを検出してもよい。また、一例において、MCS変化検出部510は、1つの非レガシーA-PPDU4000で既に用いられたMCSを示す情報を記憶させる記憶部511を備える。
【0083】
次いで、MCS変化検出部510は、MCS変化の検出結果をプリアンブル挿入部506a,506bに出力する。
【0084】
プリアンブル挿入部506a,506bは、ヘッダ挿入部205a、205bから入力された、ヘッダが付加された送信データシンボルに、MCS変化検出部510が出力するMCS変化の検出結果に基づいてプリアンブルを付加する。プリアンブルは、例えば、レガシーSTF、レガシーCEF、非レガシーSTF、および非レガシーCEFであり、
図4Aから
図4Cに示される順番で付加される。
【0085】
より詳細には、
図4Aに示される一例においては、プリアンブル挿入部506a,506bは、先頭にある第1のPPDU4010の送信データフィールド4017に、MCS変化検出部510が出力するMCSの変化の検出結果と無関係に、レガシーSTF4011、レガシーCEF4012、非レガシーSTF4015、非レガシーCEF4016を付加する。また、プリアンブル挿入部506a,506bは、2番目以降にあるPPDUの送信データフィールド4024,4034に対しては、前段のPPDUからMCSが変化した場合、非レガシーSTF、非レガシーCEFを付加する。
【0086】
例えば、プリアンブル挿入部506a,506bは、2番目にある第2のPPDU4020の送信データフィールド4024に対しては、前段の第1のPPDU4010からMCSが変化した場合、例えば、第1のMCSから第2のMCSに変化した場合、非レガシーSTF4022および非レガシーCEF4023を付加する。また、例えば、プリアンブル挿入部506a,506bは、3番目にある第3のPPDU4030の送信データフィールド4034に対しては、前段の第2のPPDU4020からMCSが変化した場合、例えば、第2のMCSから第3のMCSに変化した場合、非レガシーSTF4032、非レガシーCEF4033を付加する。
【0087】
また、
図4Bに示されるように、第1のPPDU4010で第1のMCSが使用され、第2のPPDU4020で第2のMCSが使用される場合、プリアンブル挿入部506a、506bは、第2のPPDU4020に対し、非レガシーSTF4022および非レガシーCEF4023を付加する。また、第2のPPDU4020および第3のPPDU4030で同じ第2のMCSが使用される場合、プリアンブル挿入部506a、506bは、第3のPPDU4030に対し、非レガシーSTF4032および非レガシーCEF4034の付加を省略する。
【0088】
次いで、プリアンブル挿入部506a,506bは、プリアンブルが付加された、または付加が省略された送信データシンボルを、空間処理部507へ出力する。
【0089】
空間処理部507は、プリアンブル挿入部506a、506bから入力された、プリアンブルが付加された、または付加が省略された送信データシンボルに、空間処理を施し、空間処理済み信号を生成する。ここで、空間処理は、CSD処理およびプリコーディング行列を用いた行列演算による空間多重化処理の少なくとも1つであり、プリアンブル、ヘッダ、および送信データの各フィールドに対し、それぞれ、CSD処理および空間多重化処理のいずれか一方を施す。
【0090】
例えば、空間処理部507は、空間処理として、第1のPPDU4010のレガシーSTF4011、レガシーCEF4012、レガシーヘッダフィールド4013、非レガシーヘッダフィールド4014、第3のPPDU4030のTRNフィールド4035に対し、CSD処理を行う。
【0091】
また、例えば、空間処理部507は、空間処理として、第1のPPDU4010の非レガシーSTF4015、非レガシーCEF4016、データフィールド4017、第2のPPDU4020の非レガシーヘッダフィールド4021、非レガシーSTF4022、非レガシーCEF4023、データフィールド4024、第3のPPDU4030の非レガシーヘッダフィールド4031、非レガシーSTF4032、非レガシーCEF4033、データフィールド4034に、各PPDUのMCSに応じたプリコーディング行列を用いた行列演算による空間多重化処理を施す。
【0092】
例えば、
図4Aに示される一例においては、第1のPPDU4010で第1のMCSが使用され、第2のPPDU4020で第2のMCSが使用され、第3のPPDU4030aで第3のMCSが使用される。ここで、第1のMCS、第2のMCS、および第3のMCSは、互いに異なる。したがって、空間処理部507は、第1のPPDU4010と第2のPPDU4020の非レガシーヘッダ4021に対し、第1のプリコーディング行列を用いる。
【0093】
また、空間処理部507は、第2のPPDU4020の非レガシーSTF4022、非レガシーCEF4023、送信データフィールド4024と第3のPPDU4030aの非レガシーヘッダフィールド4031に対し、第1のプリコーディング行列と異なる第2のプリコーディング行列を用いる。さらに、空間処理部507は、第3のPPDU4030aの非レガシーSTF4031、非レガシーCEF4033、送信データフィールド4034に対し、第1のプリコーディング行列および第2のプリコーディング行列のいずれとも異なる第3のプリコーディング行列を用いる。
【0094】
また、
図4Bに示される一例においては、第1のPPDU4010で第1のMCSが使用され、第2のPPDU4020および第3のPPDU4030bで第1のMCSと異なる第2のMCSが使用される。したがって、空間処理部507は、第1のPPDU4010と第2のPPDU4020の非レガシーヘッダ4021に対し、第1のプリコーディング行列を用いる。また、空間処理部507は、第2のPPDU4020の非レガシーST4022、非レガシーCEF4013、送信データフィールド4024、及び第3のPPDU4030bに対して、第1のプリコーディング行列と異なる第2のプリコーディング行列を用いる。
【0095】
次いで、空間処理部507は、空間処理済み信号を、送信F/E回路208a,208bに出力する。
【0096】
なお、受信装置は、非レガシーCEFを用いてプリコーディング行列を推定する。それ故、
図4Aおよび
図4Bに示されるように、プリコーディング行列の切り替えタイミングは、データフィールド4017,4024の後ではなく非レガシーヘッダ4021,4034の後に設定される。この設定により、非レガシーCEFよりも前に配置された非レガシーヘッダに対しては、受信装置が前のPPDUのプリコーディング行列を使うので、非レガシーヘッダが、適切に空間分離される。
【0097】
図6は、プリアンブル挿入部506a,506bが、レガシーSTF、レガシーCEF、非レガシーSTF、非レガシーCEFを送信データシンボルに付加する手順の一例を示すフローチャートである。
【0098】
ステップS601において、プリアンブル挿入部506a,506bは、非レガシーA-PPDU4000に集約されるPPDUの番号i
PPDUを数える。例えば、先頭のPPDU(
図4A~
図4Cにおいては、第1のPPDU4010)の場合、i
PPDU=1である。また、2番目のPPDU(
図4A~
図4Cにおいては、第2のPPDU4020)の場合、i
PPDU=2である。すなわち、Nを1以上の整数として、N番目のPPDUの場合、i
PPDU=Nである。
【0099】
ステップS602において、プリアンブル挿入部506a,506bは、ヘッダ挿入部505a、505bから入力されるヘッダが付加された送信データシンボルが、先頭のPPDUに含まれるものであるか否かを、iPPDUの値に基づいて判断する。プリアンブル挿入部506a,506bは、iPPDU=1の場合(ステップS602:Yes)、先頭のPPDUに含まれるものであると判断し、ステップS603に移行する。一方、プリアンブル挿入部506a,506bは、iPPDU≠1の場合(ステップS602:No)、先頭のPPDUに含まれるものでないと判断し、ステップS606に移行する。
【0100】
<先頭のPPDU(iPPDU=1)の場合>
ステップS603において、プリアンブル挿入部506a,506bは、ヘッダ挿入部205a、205bから入力された、ヘッダが付加された送信データシンボルにレガシーSTFおよびレガシーCEFを付加する。
【0101】
ステップS604において、プリアンブル挿入部506a,506bは、非レガシーA-PPDU4000がMIMO方式により送信されるか否かを判断する。例えば、プリアンブル挿入部506a,506bは、MIMOストリーム数NSSが1より大きい場合、MIMO方式で送信されると判断し(ステップS604:Yes)、ステップS605に移行する。一方、プリアンブル挿入部506a,506bは、MIMOストリーム数NSSが1に等しい場合、SISO方式で送信されると判断し(ステップS604:No)、ステップS608に移行する。
【0102】
一例において、プリアンブル挿入部506a,506bは、MAC部501から通知されるMIMOストリーム数NSSを判断に用いる。他の一例において、プリアンブル挿入部506a,506bは、非レガシーヘッダのMIMOストリーム数フィールドから読み取ったMIMOストリーム数NSSを判断に用いる。
【0103】
ステップS605において、プリアンブル挿入部506a,506bは、送信データシンボルに非レガシーSTFおよび非レガシーCEFを付加する。
【0104】
<2番目以降のPPDU(iPPDU≠1)の場合>
ステップS606において、プリアンブル挿入部506a,506bは、非レガシーA-PPDU4000がMIMO方式により送信されるか否かを判断する。ステップS606における処理内容は、上述のステップS604における処理内容と同様である。
【0105】
ステップS607において、プリアンブル挿入部506a,506bは、連続する2つのPPDU間のMCSの変化を検出する。プリアンブル挿入部506a,506bは、MCSiPPDU=MCSiPPDU-1の場合(ステップS607:Yes)、MCSが変化していないと判断し、ステップS608に移行する。ここで、2以上の整数Nに対して、MCSNは、N番目のPPDUのMCSを表す。一方、プリアンブル挿入部506a,506bは、MCSiPPDU≠MCSiPPDU-1の場合(ステップS607:No)、MCSが変化したと判断し、ステップS605に移行する。
【0106】
連続する2つのPPDU間でMCSが変化した場合、ステップS605において、プリアンブル挿入部506a,506bは、送信データシンボルに非レガシーSTFおよび非レガシーCEFを付加する。即ち、N-1番目のPPDUとN番目のPPDU間でMCSが変化した場合、プリアンブル挿入部506a,506bは、N番目のPPDUの送信データシンボルに非レガシーSTFおよび非レガシーCEFを付加する。
【0107】
プリアンブル挿入部506a、506bは、ステップS601からステップS607を最後のPPDUまで繰り返す。即ち、ステップS608において、プリアンブル挿入部506a,506bは、i
PPDU=N
PPDU(
図4Aにおいては、N
PPDU=3)を満たした場合(ステップS608:Yes)、最後のPPDUであると判断し、フローを終了する。一方、プリアンブル挿入部506a,506bは、i
PPDU<N
PPDUである場合(ステップS608:No)、ステップS601に戻る。
【0108】
なお、一例において、MCS変化検出部510は、使用されるMCSが、1つの非レガシーA-PPDU内で、初めて使用されるMCSであるか否かを検出してもよい。例えば、MCS変化検出部510は、使用されるMCSを示す情報が記憶部511に記憶されていない場合、使用されるMCSが、1つの非レガシーA-PPDU内で、初めて使用されるMCSであることを検出する。
【0109】
この場合、プリアンブル挿入部506a,506bは、1つの非レガシーA-PPDU内で、初めて使用されるMCSを使用するPPDUに対し、非レガシーSTFおよび非レガシーCEFを付加する。一方、前段のPPDUで使用されたMCSと同じMCSを使用するPPDUに対し、非レガシーSTFおよび非レガシーCEFの付加が省略される。
【0110】
例えば、
図4Aでは、第1のPPDUで第1のMCSが使用され、第2のPPDUで第1のMCSと異なる第2のMCSが使用され、第3のPPDUで第1および第2のMCSと異なる第3のMCSが使用される。したがって、プリアンブル挿入部506a,506bは、第1のPPDUと、第2のPPDUと、第3のPPDUに対し、非レガシーSTFおよび非レガシーCEFを付加する。
【0111】
また、
図4Cでは、第1のPPDU及び第3のPPDUで第1のMCSが使用され、第2のPPDUで第2のMCSが使用される。したがって、プリアンブル挿入部506a、506bは、第1のPPDUと、第2のPPDUに対し、非レガシーSTFおよび非レガシーCEFを付加する。一方、第3のPPDUに対し、非レガシーSTFおよび非レガシーCEFの付加が省略される。
【0112】
なお、
図4Cを受信する受信装置(図示しない)は、1つの非レガシーA-PPDU内で初めて使用されるMCSを用いるPPDUに対しては、非レガシーCEFを用いてチャネル推定を行う。一方、受信装置は、1つの非レガシーA-PPDU内で既に使用されたMCSと同じMCSを使用するPPDUに対しては、既に推定したチャネル推定結果を使用する。このようにすることで、非レガシーSTFおよび非レガシーCEFによるバックオフを最小限に抑えることができる。
【0113】
なお、プリアンブル挿入部506a,506bは、MCS変化検出部510が出力するMCSの変化の検出結果と無関係に全てのPPDUに対し、非レガシーSTFおよび非レガシーCEFを挿入してもよい。このようにすることで、送信装置500を構成する回路のうち、空間処理の切替えを判断するMCS変化検出部510を省略し、その出力結果に基づいて動作するプリアンブル挿入部506a,506bを簡素化できるので、送信装置500の回路規模を削減することができる。
【0114】
図7は、実施の形態1による非レガシーA-PPDU方式に対応する受信装置700の構成の一例を示す図である。
【0115】
受信装置700は、受信アンテナ701a,701bと、受信F/E回路702a,702bと、チャネル推定部703と、空間分離部704と、データ復調部705a,705bと、復号部706a,706bと、ヘッダ解析部707a,707bと、ストリーム統合部708と、MAC部709と、を備える。
【0116】
受信アンテナ701a,701bと、受信F/E回路702a,702bと、チャネル推定部703と、空間分離部704とは、信号を受信して空間分離する受信回路として機能する。また、データ復調部705a,705bは、空間分離された信号を復調する復調回路として機能する。なお、以下の説明において、受信装置700の構成要素に用いる「・・・部」という表記は、「・・・回路(circuitry)」、「・・・デバイス」、「・・・ユニット」、又は、「・・・モジュール」といった他の表記に置換されてもよい。
【0117】
受信装置700は、送信装置500から送信された送信信号を受信アンテナ701a、701bを介して受信し、受信F/E回路702a、702bにおいて受信信号に対して増幅処理、周波数変換処理、アンチエリアシングフィルタ処理、A/D(アナログ/デジタル)変換処理を施す。
【0118】
チャネル推定部703は、受信信号の非レガシーCEFを用いて伝送路の周波数特性と送信装置500が使用したプリコーディング行列を推定する。
【0119】
空間分離部704は、CSD処理および空間多重化処理のいずれか一方が施されている受信信号をチャネル推定結果に基づいて分離(空間分離)して第1の受信ストリームデータおよび第2の受信ストリームデータを生成し、それぞれ、データ復調部705a,705bへ出力する。
【0120】
データ復調部705aは、第1の受信ストリームデータに対して復調処理、LLR(Log-Likelihood Ratio:対数尤度比)算出処理を施す。同様に、データ復調部705bは、第2の受信ストリームデータに対して復調処理、LLR算出処理を施す。
【0121】
復号部706aは、復調された第1の受信ストリームデータに対して、誤り訂正処理を施し、誤り訂正された受信ストリームデータをヘッダ解析部707aへ出力する。同様に、復号部706bは、復調された第2の受信ストリームデータに対して、誤り訂正処理を施し、誤り訂正された受信ストリームデータをヘッダ解析部707bへ出力する。
【0122】
ヘッダ解析部707a,707bは、それぞれ、誤り訂正された第1の受信ストリームデータおよび第2の受信ストリームデータの非レガシーヘッダを解析し、MCS、MIMOストリーム数NSS等の情報を取得する。受信装置700は、NSSが1より大きいかどうか、または、1つ前のPPDUからMCSが変化したかどうかを判断することで、PPDU毎に非レガシーSTFおよび非レガシーCEFの有無を知ることができる。
【0123】
ストリーム統合部708は、第1の受信ストリームデータおよび第2の受信ストリームデータを1つのストリームデータに統合し、MAC部709へ出力する。
【0124】
MAC部709は、統合されたストリームデータから、送信装置200によって生成された送信データを抽出する。
【0125】
このように、実施の形態1によれば、集約PPDU(物理層収束プロトコルデータユニット)を構成し送信する用途において、PPDU毎にMCSに応じてプリコーディング行列を変更することにより、チャネル容量を最大化でき、伝送効率の低下を防ぐことができる。また、受信装置がPPDU毎に、送信装置200が使用するプリコーディング行列を推定できるので、十分な空間分離および受信特性を確保できる。
【0126】
実施の形態1は、集約PPDU(物理層収束プロトコルデータユニット)を構成し送信する無線通信システムに適用できる。無線通信システムは、例えば、動画像(ビデオ)、静止画像(ピクチャ)、テキストデータ、音声データ、制御データを送受信するセルラー、スマートフォン、タブレット端末、テレビ端末を含む。
【0127】
以上、図面を参照しながら各種の実施形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。また、開示の趣旨を逸脱しない範囲において、上記実施形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
【0128】
上記各実施形態では、本開示はハードウェアを用いて構成する例にとって説明したが、本開示はハードウェアとの連携においてソフトウェアでも実現することも可能である。
【0129】
また、上記各実施形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には、入力端子および出力端子を有する集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0130】
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサを用いて実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、LSI内部の回路セルの接続又は設定を再構成可能なリコンフィギュラブル プロセッサ(Reconfigurable Processor)を利用してもよい。
【0131】
さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術により,LSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックを集積化してもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
【0132】
本開示に係る送信装置は、物理層における複数のプロトコルデータユニットを集約した送信信号を生成する生成回路と、前記複数のプロトコルデータユニットのうち、第1のプロトコルデータユニットと第2のプロトコルデータユニットとに、送信チャネルの同期及び前記送信チャネルの推定の少なくとも1つに用いられるプリアンブルを挿入する挿入回路と、前記プリアンブルが挿入された前記送信信号を空間処理して送信する送信回路と、を備える。
【0133】
本開示に係る送信装置において、前記空間処理は、巡回シフト遅延処理およびプリコーディング行列を用いた空間多重化処理の少なくとも1つである。
【0134】
本開示に係る送信装置において、前記プリアンブルは、非レガシーCEF(Channel Estimation Field)および非レガシーSTF(Short Training Field)の少なくとも1つを含む。
【0135】
本開示に係る送信装置において、前記挿入回路は、前記複数のプロトコルデータユニットの全てのプロトコルデータユニットに、前記プリアンブルを挿入する。
【0136】
本開示に係る送信装置において、前記複数のプロトコルデータユニットの符号化率およびデータ変調方式に基づいて、連続する2つのプロトコルデータユニット間の変調およびコーディングスキーム(MCS)の変化を検出するMCS変化検出回路をさらに備え、前記挿入回路は、検出された前記変化に基づいて、前記連続する2つのプロトコルデータユニットの後者に前記プリアンブルを挿入するか前記挿入を省略するかを決定する。
【0137】
本開示に係る送信装置において、使用されるMIMO(Multiple-Input and Multiple-Output)ストリーム数が1より大きい場合、前記変化が検出されたことに応じて、前記挿入回路は、前記後者に前記プリアンブルを挿入する。
【0138】
本開示に係る送信装置において、使用されるMIMOストリーム数が1より大きい場合、前記変化が検出されなかったことに応じて、前記挿入回路は、前記後者への前記プリアンブルの前記挿入を省略する。
【0139】
本開示に係る送信装置において、使用されるMIMOストリーム数が1に等しい場合、前記挿入回路は、前記後者への前記プリアンブルの前記挿入を省略する。
【0140】
本開示に係る送信方法は、物理層における複数のプロトコルデータユニットを集約した送信信号を生成し、前記複数のプロトコルデータユニットのうち、第1のプロトコルデータユニットと第2のプロトコルデータユニットとに、送信チャネルの同期及び前記送信チャネルの推定の少なくとも1つに用いられるプリアンブルを挿入し、前記プリアンブルが挿入された前記送信信号を空間処理して送信する。
【0141】
本開示に係る受信装置は、信号を受信して空間分離する受信回路と、空間分離された前記信号を復調する復調回路と、復調された前記信号を復号する復号回路と、を含み、空間分離された前記信号は、物理層における集約された複数のプロトコルデータユニットを含み、前記複数のプロトコルデータユニットのうち、第1のプロトコルデータユニットと第2のプロトコルデータユニットとに、送信チャネルの同期及び前記送信チャネルの推定の少なくとも1つに用いられるプリアンブルが挿入されている。
【0142】
本開示に係る受信装置において、前記空間分離は、前記第1のプロトコルデータユニットに挿入された前記プリアンブルに基づく、受信された前記信号の一の部分の空間分離と、前記第2のプロトコルデータユニットに挿入された前記プリアンブルに基づく、受信された前記信号の他の部分の空間分離と、を含む。
【0143】
本開示に係る受信方法は、信号を受信して空間分離し、空間分離された前記信号を復調し、復調された前記信号を復号し、空間分離された前記信号は、物理層における集約された複数のプロトコルデータユニットを含み、前記複数のプロトコルデータユニットのうち、第1のプロトコルデータユニットと第2のプロトコルデータユニットとに、送信チャネルの同期及び前記送信チャネルの推定の少なくとも1つに用いられるプリアンブルが挿入されている。
【0144】
本開示に係る受信方法において、前記空間分離は、前記第1のプロトコルデータユニットに挿入された前記プリアンブルに基づく、受信された前記信号の一の部分の空間分離と、前記第2のプロトコルデータユニットに挿入された前記プリアンブルに基づく、受信された前記信号の他の部分の空間分離と、を含む。
【産業上の利用可能性】
【0145】
本開示は、A-PPDU(集約物理層収束プロトコルデータユニット)を構成し送信する無線通信システムに適用できる。
【符号の説明】
【0146】
200 送信装置
201 MAC部
202 ストリーム生成部
203a,203b 符号化部
204a,204b データ変調部
205a,205b ヘッダ挿入部
206a,206b プリアンブル挿入部
207 空間処理部
208a,208b 送信F/E回路
209a,209b 送信アンテナ
500 送信装置
506a,506b プリアンブル挿入部
507 空間処理部
510 MCS変化検出部
501 MAC部
511 記憶部