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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-24
(45)【発行日】2022-06-01
(54)【発明の名称】透水孔カバー
(51)【国際特許分類】
   E03F 5/04 20060101AFI20220525BHJP
【FI】
E03F5/04 D
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018141152
(22)【出願日】2018-07-27
(65)【公開番号】P2020016108
(43)【公開日】2020-01-30
【審査請求日】2021-07-16
(73)【特許権者】
【識別番号】501163565
【氏名又は名称】有限会社ウイング
(73)【特許権者】
【識別番号】501395959
【氏名又は名称】埼玉鉄筋コンクリート株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100172096
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 理太
(74)【代理人】
【識別番号】100089886
【氏名又は名称】田中 雅雄
(72)【発明者】
【氏名】秋 忠男
【審査官】石川 信也
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-170240(JP,A)
【文献】特開2007-315134(JP,A)
【文献】特開2005-336951(JP,A)
【文献】特開2005-336950(JP,A)
【文献】特開2018-105061(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンクリート体に形成された透水孔の表面側開口部に嵌合されるカバー本体と、該カバー本体を前記透水孔に固定するための1又は複数の取り付け具とを備えた透水孔カバーにおいて、
前記カバー本体は、取り付け作業用孔を有するカバー板と、該カバー板の両側縁に支持された一対の係止片とを備え、
前記取り付け具は、
前記両係止片に支持されて前記カバー板下にスライド可能に挿入されたスライド駒と、
該スライド駒に締め付けボルトを介して支持され、該締め付けボルトの締め付けによって前記透水孔の内側面又は水路側開口縁部と係合する係合部材とを備え、
前記スライド駒をスライドさせて任意の前記取り付け作業用孔の位置に合わせた状態とし、前記カバー本体を前記透水孔の表面側開口部に嵌合させ、前記締め付けボルトを締め付け、前記係合部材を前記透水孔の内側面又は水路側開口縁部と係合させるようにしたことを特徴とする透水孔カバー。
【請求項2】
前記スライド駒は、前記両係止片の下端より下向きに突出する転倒防止凸部を備えている請求項1に記載の透水孔カバー。
【請求項3】
前記係止片は、互いに斜め下内向きに突出した傾斜板部を有する形状に形成され、前記スライド駒には、前記締め付けボルトの回転に連動して前記傾斜板部を押圧し、前記透水孔の開口縁部に形成された面取り部に当接させる押圧部を備えている請求項1又は2に記載の透水孔カバー。
【請求項4】
前記係合部材は、前記締め付けボルトの回転によってボルト軸方向に移動する係合操作部材と、前記締め付けボルトの前記スライド駒と前記係合操作部材との間に挿通された基板の両側縁より一対の弾性片部が下向きに延出してなる係合部材とを備え、
前記締め付けボルトを回転させ、前記係合操作部材を前記弾性片部間に移動させることによって、前記係合操作部材に押圧されて前記弾性片部が前記透水孔の内面に係合するようにした請求項1~3の何れか一に記載の透水孔カバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に側溝を構成するコンクリートブロック体に形成された透水孔を被覆する透水孔カバーに関する。
【背景技術】
【0002】
道路の側溝には、側溝を構成するコンクリート版又は中空函状のコンクリート体の上面に透水孔が形成され、雨天等により発生した水がこの透水孔より側溝内の水路に流れ込むようになっている。
【0003】
しかし、透水孔の縁部は、コンクリートが打ちさらしの状態にあるので、開口縁部が欠損し易く、透水孔の開口縁部が欠損することによって、透水孔の孔幅が広がってしまったり、見栄えが悪くなったりするという問題があり、また、ハイヒールの踵部分や車椅子の車輪が嵌ってしまい転倒する等の危険性があるという問題があった。
【0004】
また、透水孔によっては、開口縁部に面取りが施され、互いに対向する傾斜面によって、逆ハ字状のテーパ断面が形成されたものもある。
【0005】
そこで、従来では、透水孔の開口部を覆う透水孔カバーを使用し、透水孔を保護するとともに車椅子の脱輪やハイヒールの踵部分が嵌り込むのを防止して安全性を高めるようにしている(例えば、特許文献1、特許文献2を参照)。
【0006】
この透水孔カバーは、透水孔を覆うカバー本体と、カバー本体を透水孔に固定するための取付具とを備え、カバー本体を透水孔開口部に嵌め込むとともに固定具を透水孔の内周面又は水路側開口縁部に係合させることによって固定されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開平10-131273号公報
【文献】特開2005-336951号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、側溝に形成される透水孔は、使用される部材等によってその向きや長さが一様ではなく、透水孔カバーの長さも透水孔毎に設定されるものであった。
【0009】
一方、従来の透水孔カバーは、取付具の位置が予め設定されているため、設置される透水孔の形状に合わせて設計する必要があり、設置現場において長さを調節することができず、汎用性に乏しいという問題があった。
【0010】
また、側溝に形成される透水孔には、開口部の横幅が小さいスリット状に形成され、その開口側縁部に面取りが施された形状のものがあり、このような形状の透水孔に嵌合する透水孔カバー本体は、取り付け具によって固定されるまで不安定な状態にあり、場合によって、透水孔内に落下するおそれもあった。
【0011】
そこで本発明は、上述の従来技術の問題を鑑み、多様な長さの透水孔に対応することができ、容易且つ確実に透水孔に固定することができる透水孔カバーの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述の如き従来の問題を解決するための請求項1に記載の発明の特徴は、コンクリート体に形成された透水孔の表面側開口部に嵌合されるカバー本体と、該カバー本体を前記透水孔に固定するための1又は複数の取り付け具とを備えた透水孔カバーにおいて、前記カバー本体は、取り付け作業用孔を有するカバー板と、該カバー板の両側縁に支持された一対の係止片とを備え、前記取り付け具は、前記両係止片に支持されて前記カバー板下にスライド可能に挿入されたスライド駒と、該スライド駒に締め付けボルトを介して支持され、該締め付けボルトの締め付けによって前記透水孔の内側面又は水路側開口縁部と係合する係合部材とを備え、前記スライド駒をスライドさせて任意の前記取り付け作業用孔の位置に合わせた状態とし、前記カバー本体を前記透水孔の表面側開口部に嵌合させ、前記締め付けボルトを締め付け、前記係合部材を前記透水孔の内側面又は水路側開口縁部と係合させるようにしたことを特徴とする透水孔カバー。
【0013】
請求項2に記載の発明の特徴は、請求項1の構成に加え、前記スライド駒は、前記両係止片の下端より下向きに突出する転倒防止凸部を備えていることにある。
【0014】
請求項3に記載の発明の特徴は、請求項1又は2の構成に加え、前記係止片は、互いに斜め下内向きに突出した傾斜板部を有する形状に形成され、前記スライド駒には、前記締め付けボルトの回転に連動して前記傾斜板部を押圧し、前記透水孔の開口縁部に形成された面取り部に当接させる押圧部を備えていることにある。
【0015】
請求項4に記載の発明の特徴は、請求項1~3の何れか一の構成に加え、前記係合部材は、前記締め付けボルトの回転によってボルト軸方向に移動する係合操作部材と、前記締め付けボルトの前記スライド駒と前記係合操作部材との間に挿通された基板の両側縁より一対の弾性片部が下向きに延出してなる係合部材とを備え、前記締め付けボルトを回転させ、前記係合操作部材を前記弾性片部間に移動させることによって、前記係合操作部材に押圧されて前記弾性片部が前記透水孔の内面に係合するようにしたことにある。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る透水孔カバーは、請求項1に記載の構成を具備することによって、側溝を構成するコンクリート体に形成された透水孔に合わせて、カバー本体の長さ及び取付具の位置を調整することができるので、多様な透水孔に対応でき、コストの低減を図ることができる。
【0017】
また、本発明において、請求項2に記載の構成を具備することによって、転倒防止凸部が透水孔に案内され、取り付け具によって固定されるまでの間、カバー本体を透水孔に対し安定した状態に保持させることができる。
【0018】
さらに、本発明において、請求項3に記載の構成を具備することによって、開口縁部が面取りされた透水孔にカバー本体を安定して嵌合させることができる。
【0019】
さらにまた、本発明において、請求項4に記載の構成を具備することによって、取り付け具を透水孔に確実に固定できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明に係る透水孔カバーの実施態様を示す分解斜視図である。
図2】同上の透水孔カバーを設置した状態を示す断面図である。
図3】(a)は図1中のカバー本体を示す平面図、(b)は同側面図、(c)は同断面図である。
図4】(a)は同上のカバー本体の他の実施例を示す平面図、(b)は同側面図、(c)は同断面図である。
図5】同上の透水孔カバーを示す断面図である。
図6】(a)はスライド駒を示す正面図、(b)は同平面図である。
図7】(a)は操作部材を示す正面図、(b)は同平面図である。
図8】(a)は弾性係止体を示す正面図、(b)は同平面図である。
図9】同上の透水孔カバーの取り付け作業の状態を示す拡大斜視図である。
図10】同上の透水孔カバーの他の実施例を示す断面図、(b)は同取り付けた状態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に、本発明に係る透水孔カバー5の実施態様を図1図8に示した実施例に基づいて説明する。
【0022】
尚、図中符号1は、側溝を構成するコンクリート体であって、このコンクリート体1の表面に内部水路2と連通した透水孔3が形成され、透水孔3を通じて内部水路2に雨水等が流入するようになっている。
【0023】
透水孔3は、傾斜した内側面が互いに対向した水路側が広いテーパ穴状に形成され、その表面側開口縁部に面取り部4が形成されている。
【0024】
面取り部4は、互いに対向し、表面側に拡開する断面逆ハの字状を成し、この面取り部4を含む表面側開口部を透水孔カバー5で覆うようになっている。
【0025】
透水孔カバー5は、透水孔3の表面側開口部に嵌合されるカバー本体6と、カバー本体6を透水孔3に固定するための1又は複数の取り付け具7,7とを備え、カバー本体6を透水孔3の表面側開口部に嵌め込み、取り付け具7,7で固定するようになっている。
【0026】
カバー本体6は、図3に示すように、ステンレス等の金属製板材によって構成され、長板状のカバー板8と、カバー板8の両側縁に支持された一対の係止片9,9とを備え、透水孔3の長さに合わせた長さとなっている。
【0027】
カバー板8は、横幅が透水孔3の表面側開口部幅、即ち、対向する面取り部4,4の上端間幅に合わせて形成され、透水孔3の表面側開口を覆うようになっている。
【0028】
このカバー板8には、長手方向に間隔をおいて複数の取水孔10,10…が形成され、この取水孔10,10…を通して雨水等の水が透過するようになっている。
【0029】
取水孔10,10…は、例えば、丸長孔状に形成され、カバー板8の中央に所定の間隔を置いて直列に配置され、取り付け具7の取り付け作業用孔としても使用する。
【0030】
尚、取水孔10,10…は、例えば、カバー板8の側縁と係止片9,9とに跨る配置に備え、取り付け具7の取り付け作業用孔を別途に備えてもよい。
【0031】
係止片9,9は、カバー板8の側縁より互いに斜め下内向きに突出した傾斜板部によって構成され、両係止片9,9が断面逆ハ字状を成し、カバー板8下に両係止片9,9に挟まれたスライド溝11が形成されている。
【0032】
尚、係止片9の態様は、上述の実施例に限定されず、例えば、図4に示すように、傾斜板部9aの下縁より下向きに延出し、透水孔3内に嵌まり込む嵌合片9bを一体に備えてもよい。
【0033】
また、係止片9は、透水孔3の開口縁部の形状によって、傾斜板部を備えず、カバー本体8の両側縁より下向きに延出した鉛直片と鉛直片の下縁より内向きに張り出した水平突出片とによって構成され、カバー本体がC型チャンネル状を成すようにしたものであってもよい。
【0034】
そして、スライド溝11には、一又は複数の取り付け具7,7がスライド可能に挿入され、各取り付け具7,7を任意の取水孔10,10…(取り付け作業用孔)の位置に移動できるようになっている。
【0035】
取り付け具7は、両係止片9,9に支持されてカバー板8下のスライド溝11にスライド可能に挿入されたスライド駒12と、スライド駒12に締め付けボルト13を介して支持された係合部材14とを備え、締め付けボルト13の締め付けによって係合部材14を透水孔3の内側面と係合させるようになっている。
【0036】
スライド駒12は、図に示すように、直方体状に形成され、中央にボルト挿通孔15が形成されている。
【0037】
また、スライド駒12には、両側部上部に突出した押圧部16,16を備え、押圧部16,16が締め付けボルト13の回転に連動して係止片9の傾斜板部を押圧し、透水孔3の開口縁部に形成された面取り部4に当接させるようになっている。
【0038】
押圧部16,16は、下側に傾斜面16aを有するテーパ状に形成され、傾斜面16aが係止片9,9と係合し、スライド駒12の下半部が両係止片9,9の下端より下向きに突出する。
【0039】
両係止片9,9の下端より下向きに突出した下半部は、転倒防止凸部17を成し、転倒防止凸部17が透水孔3の内側面に案内されることによって、カバー本体6の転倒を防止できるようになっている。
【0040】
締め付けボルト13は、ネジ部13aがボルト挿通孔15を通してスライド駒12の下側、即ちカバー本体6とは反対側に突出され、頭部13bがボルト挿通孔15の開口縁部に支持され、スライド駒12に対し、回転自在に支持されるようになっている。
【0041】
係合部材14は、締め付けボルト13に螺合された操作部材18と、透水孔3の内側面に係止される弾性係止体19とをもって構成されている。
操作部材18は、両側面に上側が互いに近づくように傾斜した傾斜部18a,18aを備え、長手方向長さが透水孔3の幅方向長さより長くなるように樹脂コンクリート(レジンコンクリート)によって形成されている。
【0042】
また、操作部材18は、中央部に上下方向に貫通した雌ネジ部20が形成され、雌ネジ部20を締め付けボルト13に螺合させることによって、締め付けボルト13を回転させることにより、締め付けボルト13に対し軸方向移動、即ち上下移動するようになっている。
【0043】
弾性係止体19は、スライド駒12と操作部材18との間に配置された基板部21と、基板部21の両側縁より下向きに突出した一対の弾性係止片部22,22と、弾性係止片部22,22の先端内側縁より斜め上向きに突出した弾性押圧部23とをもって一体に構成されている。
【0044】
基板部21は、中央部にボルト挿通孔24を有する平板状に形成され、スライド駒12と操作部材18との間でボルト挿通孔24に締め付けボルト13を通すことによって、スライド駒12と操作部材18との間に配置されるようになっている。
【0045】
弾性係止片部22,22は、基板部21の両側縁より連続して下向きに突出して形成され、基板部21との境界部を基端として弾性変形するようになっている。
【0046】
弾性押圧部23は、弾性係止片部22,22の先端部内側縁より斜め上向きに突出して一体に形成され、弾性係止片部22,22との境界部を基端として弾性変形するようになっている。
【0047】
次に、この透水孔カバー5の取り付け方法について説明する。
【0048】
先ず、必要に応じて、透水孔3の長さに合わせてカバー本体6を切断し、その長さに応じて必要数の取り付け具7,7、即ち、スライド駒12をスライド溝11に挿入し、両係止片9,9にスライド駒12に支持させる。
【0049】
その際、操作部材18、即ち操作部材18の雌ネジ部を締め付けボルト13に対して相対的に回転させて操作部材18を締め付けボルト13の先端側に移動させ、操作部材18の傾斜部18aと弾性押圧部23の外側面とを互いに当接させた状態とする。
【0050】
次に、図に示すように、スライド駒12をスライド溝11内でスライドさせて任意の取水孔10,10…(取り付け作業用孔)の位置に合わせた状態とし、図に示すように、この状態で取り付け具7を透水孔3に挿入するとともに、カバー本体6を透水孔3の開口部に嵌め込む。
【0051】
このとき、スライド駒12の転倒防止凸部17が係止片9,9の下端より下に突出し、透水孔3に案内されているので、カバー本体6は、固定されていない不安定な状態にあっても転倒することがない。
【0052】
そして、カバー本体6の取水孔10,10…(取り付け作業用孔)より締め付けボルト13の頭部の六角孔に六角レンチを挿入し、所定の方向に回転させることにより、操作部材18をスライド駒12側に移動させると、操作部材18が弾性係止体19をスライド駒12側に押し上げる。
【0053】
さらに締め付けボルト13を回転させると、操作部材18の傾斜部が弾性押圧部23を介して弾性係止片部22,22を外向きに押圧し、徐々に両弾性係止片部22,22を八字状に拡開させ、弾性押圧部23が操作部材18の側面と弾性的に接触し、その位置で両弾性係止片部22,22が最大の応力で外向き押圧され、両弾性係止片部22,22が透水孔3内側面に弾性的に接触して係止される。
【0054】
また、締め付けボルト13を回転させ締め付けると、それに連動してボルト頭部によってスライド駒12に下向きに力が加わり、スライド駒12の押圧部16,16が係止片9,9の傾斜板部を押圧し、傾斜板部を透水孔3の開口縁部に形成された面取り部4に当接させ、カバー本体6が透水孔3の開口縁部に対し楔状に嵌合され、透水孔カバー5が透水孔3に対して固定される。
【0055】
このように構成された透水孔カバー5は、カバー本体6に対し取り付け具7,7…がスライド可能に支持されているので、取り付け具7の位置を任意に決定することができ、カバー本体6の長さを自由に調節することができる。
【0056】
また、この透水孔カバー5は、締め付けボルト13を締め付けることで、スライド駒12の押圧部16,16がカバー本体6の係止片9,9を押圧しつつ摺動するので、透水孔3の開口縁部に形成された面取り部5にカバー本体5が楔状に嵌め込まれ、安定した固定状態を維持することができる。
【0057】
さらに、この透水孔カバー5は、スライド駒12に転倒防止凸部17を備えることによって、図3に示す嵌合片9bを有しないカバー本体を使用する場合であっても、取り付け具7によって固定されるまでの不安定な状態にカバー本体6の転倒を防止することができる。
【0058】
尚、上述の実施例では、操作部材18と弾性係止体19とからなる係止部材について説明したが、係止部材の態様は、上述の実施例に限定されず、例えば、図10に示す係止部材30のように、締め付けボルト13と螺合するナット部32を一体に有する基板部31と、基板部31の両側縁より下向きに延出した弾性係止片33、33と、弾性係止片33の下端より外向きに張り出した弾性押圧片34を有するものであってもよい。尚、上述の実施例と同様の構成には同一符号を付して説明を省略する。
【符号の説明】
【0059】
1 コンクリート体
2 内部水路
3 透水孔
4 面取り部
5 透水孔カバー
6 カバー本体
7 取り付け具
8 カバー板
9 係止片
10 取水孔(取り付け作業用孔)
11 スライド溝
12 スライド駒
13 締め付けボルト
14 係合部材
15 ボルト挿通孔
16 押圧部
17 転倒防止凸部
18 操作部材
19 弾性係止体
20 雌ネジ部
21 基板部
22 弾性係止部
23 弾性押圧部
24 ボルト挿通孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10