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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-24
(45)【発行日】2022-06-01
(54)【発明の名称】標識機材積載装置
(51)【国際特許分類】
   B60P 3/00 20060101AFI20220525BHJP
   B60P 3/40 20060101ALI20220525BHJP
   B65D 19/38 20060101ALI20220525BHJP
   E01F 9/604 20160101ALI20220525BHJP
【FI】
B60P3/00 Z
B60P3/00 K
B60P3/40 C
B65D19/38 B
E01F9/604
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019027095
(22)【出願日】2019-02-19
(65)【公開番号】P2020131884
(43)【公開日】2020-08-31
【審査請求日】2021-04-16
(73)【特許権者】
【識別番号】302072930
【氏名又は名称】株式会社トーテック
(74)【代理人】
【識別番号】100092691
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 勇治
(74)【代理人】
【識別番号】100199543
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 隆史
(72)【発明者】
【氏名】関 一徳
【審査官】川村 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-104938(JP,A)
【文献】特許第5785839(JP,B2)
【文献】登録実用新案第3156070(JP,U)
【文献】特開2016-159774(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60P 3/00
B60P 3/40
B65D 19/38
E01F 9/604
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動車両の荷台上に複数個の標識機材を配置可能な標識配置部が配設され、該各標識機材は支柱に標識板が止着されてなり、上記標識配置部に積載架台が配置され、該積載架台に複数個の案内部材が移動車両の幅方向に並列配置され、該各案内部材は移動車両の後部から前部に向かって斜め前上がり状に配置され、該各案内部材に複数個の移動部材が移動自在に設けられ、該移動部材と上記標識機材の先端部とを係脱自在とする係脱機構が設けられ、該標識機材の基端部と上記積載架台とを着脱自在とする固定機構を設けてなることを特徴とする標識機材積載装置。
【請求項2】
上記係脱機構として、上記移動部材に係止溝部が形成され、上記標識機材の先端部に該係止溝部に係脱自在な係脱部が設けられてなることを特徴とする請求項1記載の標識機材積載装置。
【請求項3】
上記固定機構として、上記標識機材の基端部に挿脱穴部が形成され、上記積載架台に該挿脱穴部に着脱自在な挿入突部が設けられてなることを特徴とする請求項1又は2記載の標識機材積載装置。
【請求項4】
上記案内部材に上記標識機材の横倒れを防止する倒伏防止部材が設けられてなることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の標識機材積載装置。
【請求項5】
上記移動部材に上記標識機材を保持可能な標識保持部材が設けられてなることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の標識機材積載装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は例えば、道路標識等の各種の標識機材を移動車両に複数個搭載し、移動車両により標識機材を運搬し、所定の箇所で標識機材を人為的に荷台に積み込み、又は、標識機材を荷台から積み降ろす際に用いられる標識機材積載装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の標識機材積載装置として、移動車両の荷台上に複数個の標識機材を配置可能な標識配置部が配設され、各標識機材は支柱に標識板が止着されてなり、標識配置部に複数個の標識機材を水平倒伏又は起立自在とする姿勢変更機構が設けられ、しかして、運搬時には標識機材は荷台上に水平倒伏状態で配置され、積み込み時には標識機材を起立状態から水平倒伏状態に倒伏させ、又、積み降ろし時には標識機材を水平倒伏状態から起立状態に起立させることになり、姿勢変更機構により人為的な積み込み、積み降ろしの労力軽減及び安全性の向上を目的とする構造のものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5785839号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら上記従来構造の場合、複数個の標識機材を水平倒伏又は起立自在とする姿勢変更機構の構造が必要となり、人為的な標識機材の水平倒伏又は起立操作が必要となり、これに伴い、標識機材の積み込み、積み降ろし作業が厄介となったり、不安定な状態となり、積み込み及び積み降ろしの作業性が低下することがあるという不都合を有している。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明はこのような不都合を解決することを目的とするもので、本発明のうち、請求項1記載の発明は、移動車両の荷台上に複数個の標識機材を配置可能な標識配置部が配設され、該各標識機材は支柱に標識板が止着されてなり、上記標識配置部に積載架台が配置され、該積載架台に複数個の案内部材が移動車両の幅方向に並列配置され、該各案内部材は移動車両の後部から前部に向かって斜め前上がり状に配置され、該各案内部材に複数個の移動部材が移動自在に設けられ、該移動部材と上記標識機材の先端部とを係脱自在とする係脱機構が設けられ、該標識機材の基端部と上記積載架台とを着脱自在とする固定機構を設けてなることを特徴とする標識機材積載装置にある。
【0006】
又、請求項2記載の発明は、上記係脱機構として、上記移動部材に係止溝部が形成され、上記標識機材の先端部に該係止溝部に係脱自在な係脱部が設けられてなることを特徴とするものであり、又、請求項3記載の発明は、上記固定機構として、上記標識機材の基端部に挿脱穴部が形成され、上記積載架台に該挿脱穴部に着脱自在な挿入突部が設けられてなることを特徴とするものである。
【0007】
又、請求項4記載の発明は、上記案内部材に上記標識機材の横倒れを防止する倒伏防止部材が設けられてなることを特徴とするものであり、又、請求項5記載の発明は、上記移動部材に上記標識機材を保持可能な標識保持部材が設けられてなることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明は上述の如く、請求項1記載の発明にあっては、移動車両の荷台上に複数個の標識機材を配置可能な標識配置部が配設され、標識配置部に積載架台が配置され、積載架台に複数個の案内部材が移動車両の幅方向に並列配置され、各案内部材は移動車両の後部から前部に向かって斜め前上がり状に配置され、各案内部材に複数個の移動部材が移動自在に設けられているから、標識機材の積み込み時及び積み降ろし時にあっては、地上の作業者により標識機材を把持し、案内部材と移動部材とによる標識機材の移動案内構造、各移動部材と各標識機材の先端部との間の係脱機構及び標識機材の基端部と上記積載架台との間の固定機構により係止装着し、複数個の各標識機材を案内部材及び移動部材により標識配置部の積載架台上の複数個の各標識機材を容易に積み込んだり積み降ろしたりすることができ、標識機材の積み込み、積み降ろし作業を安定した状態で行うことができ、標識機材の積み込み及び積み降ろしの作業性を向上することができる。
【0009】
又、請求項2記載の発明にあっては、上記係脱機構として、上記移動部材に係止溝部が形成され、上記標識機材の先端部に係止溝部に係脱自在な係脱部が設けられているから、積み込み時及び積み降ろし時における移動部材と上記標識機材の先端部との係脱を容易に行うことができ、又、請求項3記載の発明にあっては、上記固定機構として、上記標識機材の基端部に挿脱穴部が形成され、上記積載架台に挿脱穴部に着脱自在な挿入突部が設けられているから、標識機材の基端部と上記積載架台との着脱を容易に行うことができる。
【0010】
又、請求項4記載の発明にあっては、上記案内部材に上記標識機材の横倒れを防止する倒伏防止部材が設けられているから、標識機材の運搬時において、標識機材の横倒れを防止することができ、又、請求項5記載の発明にあっては、上記移動部材に上記標識機材を保持可能な標識保持部材が設けられているから、上記標識機材の積み込み及び積み降ろし時において、標識機材を標識保持部材により保持することができ、標識機材を安定的に移動することができ、標識機材の積み込み及び積み降ろしの作業性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施の形態例の全体正面図である。
図2】本発明の実施の形態例の全体平面図である。
図3】本発明の実施の形態例の部分拡大平面図である。
図4】本発明の実施の形態例の部分拡大平面図である。
図5】本発明の実施の形態例の部分拡大斜視図である。
図6】本発明の実施の形態例の部分拡大斜視図である。
図7】本発明の実施の形態例の部分拡大縦断面図である。
図8】本発明の実施の形態例の部分拡大斜視図である。
図9】本発明の実施の形態例の部分拡大断面図である。
図10】本発明の実施の形態例の斜視図である。
図11】本発明の実施の形態例の使用状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1乃至図11は本発明の実施の形態例を示し、図1図2図3の如く、移動車両1の荷台2上に複数個の標識機材W・・を配置可能な標識配置部3が配設され、図10の如く、各標識機材W・・は支柱Pに複数個の標識板M・・、この場合、四個の標識板M・M・M・Mが取付バーF及び止金具Kにより止着され、標識板M・M・M・Mには制限速度の数値、車両通行止め、追い越し禁止、道路工事中などの交通規制文字や交通規制図柄が表示され、そして、大別すると、上記標識配置部3に積載架台4が配置され、積載架台4に複数個の案内部材5・・が移動車両1の幅方向に並列配置され、各案内部材5・・は移動車両1の後部から前部に向かって斜め前上がり状に配置され、各案内部材5・・に複数個の移動部材6・・が移動自在に設けられ、移動部材6と上記標識機材Wの先端部とを係脱自在とする係脱機構7が設けられ、標識機材Wの基端部と上記積載架台4とを着脱自在とする固定機構8を設けて構成している。
【0013】
この場合、上記係脱機構7として、図3図6図7の如く、上記移動部材6・・に係止溝部7a・・が形成され、上記標識機材W・・の先端部に係止部材WKが取り付けられ、係止部材WKに上記係止溝部7a・・に係脱自在な係脱部7b・・が設けられ、係止溝部7a・・と係止部材WKの係脱部7b・・との係脱により移動部材6と上記標識機材Wの先端部とを係脱自在に構成している。
【0014】
この場合、上記固定機構8として、図4図8図9の如く、上記標識機材Wの基端部に、この場合、管状の支柱Pの内穴としての挿脱穴部8aが形成され、上記積載架台4に取付板部4aが設けられ、取付板部4aに上記挿脱穴部8aに着脱自在な挿入突部8bが設けられ、かつ、支柱P及び挿入突部8bに止着ピン8cが挿脱自在に設けられ、標識機材Wの基端部と上記積載架台4とを着脱自在に構成している。
【0015】
又、この場合、図5図7の如く、上記案内部材5・・に上記標識機材Wの横倒れを防止する倒伏防止部材5a・・が設けられ、すなわち、図5の如く、案内部材5の前部に側面L形状の倒伏防止部材5aを立設し、図2図7の如く、倒伏防止部材5a・・間に標識機材Wの標識板Mが挿通配置され、標識機材Wの横倒れを防止する構造としている。
【0016】
又、この場合、図6図7の如く、上記移動部材6に上記標識機材Wを保持可能な標識保持部材6a・・が設けられ、すなわち、移動部材6は底板6b、前板6c及び側板6dにより形成され、底板6bに移動部材6を上記案内部材5に沿って移動案内させる案内ロール6eを設け、移動部材6の側板6dを標識保持部材6a・・に形成し、標識保持部材6a・・としての側板6dにより標識機材Wを保持可能に構成している。
【0017】
この実施の形態例は上記構成であるから、図11の如く、移動車両1の荷台2上に複数個の標識機材W・・を配置可能な標識配置部3が配設され、標識配置部3に積載架台4が配置され、積載架台4に複数個の案内部材5・・が移動車両1の幅方向に並列配置され、各案内部材5・・は移動車両1の後部から前部に向かって斜め前上がり状に配置され、各案内部材5・・に複数個の移動部材6・・が移動自在に設けられ、しかして、標識機材Wの積み込み時にあっては、地上の作業者は標識機材Wを把持し、各移動部材6・・に各標識機材Wの先端部を係脱機構7により係止し、作業者は標識機材Wを案内部材5・・に沿って移動部材6を移動車両1の後部から前部に向かって斜め前上がり状に上昇移動させ、上昇位置において、図9の如く、標識機材Wの基端部と上記積載架台4とを固定機構8により係止装着し、複数個の各標識機材W・・を案内部材5及び移動部材6により上昇移動することにより標識配置部3の積載架台4上に積み込むことになり、又、荷台2からの積み降ろし時にあっては、地上の作業者は標識機材Wの基端部と上記積載架台4との係止装着を固定機構8により解除し、荷台2上の標識機材Wを把持し、各移動部材6・・に各標識機材W・・の先端部が係脱機構7により係止された状態のまま、案内部材5・・に沿って移動部材6を移動車両1の前部から後部に向かって手前側に下降移動させ、下降位置において、各移動部材6・・から各標識機材W・・の先端部を脱去し、係脱機構7の係止を解除して取り出すことにより標識配置部3の積載架台4上の各標識機材W・・を積み降ろすことになる。
【0018】
したがって、標識機材Wの積み込み時及び積み降ろし時にあっては、地上の作業者により標識機材Wを把持し、案内部材5・・と移動部材6・・とによる標識機材Wの移動案内構造、各移動部材6・・と各標識機材Wの先端部との間の係脱機構7及び標識機材Wの基端部と上記積載架台4との間の固定機構8により係止装着し、複数個の各標識機材W・・を案内部材5及び移動部材6により標識配置部3の積載架台4上の複数個の各標識機材W・・を容易に積み込んだり積み降ろしたりすることができ、標識機材Wの積み込み、積み降ろし作業を安定した状態で行うことができ、標識機材Wの積み込み及び積み降ろしの作業性を向上することができる。
【0019】
又、この場合、上記係脱機構7として、図3図6図7の如く、上記移動部材6・・に係止溝部7a・・が形成され、上記標識機材W・・の先端部に係止溝部7a・・に係脱自在な係脱部7b・・が設けられているから、積み込み時及び積み降ろし時における移動部材6と上記標識機材Wの先端部との係脱を容易に行うことができ、又、この場合、上記固定機構8として、図4図8図9の如く、上記標識機材Wの基端部に挿脱穴部8aが形成され、上記積載架台4に挿脱穴部8aに着脱自在な挿入突部8bが設けられているから、標識機材Wの基端部と上記積載架台4との着脱を容易に行うことができる。
【0020】
又、この場合、図5図7の如く、上記案内部材5・・に上記標識機材Wの横倒れを防止する倒伏防止部材5a・・が設けられているから、標識機材Wの運搬時において、標識機材Wの横倒れを防止することができ、又、この場合、図6図7の如く、上記移動部材6に上記標識機材Wを保持可能な標識保持部材6a・・が設けられているから、上記標識機材Wの積み込み及び積み降ろし時において、標識機材Wを標識保持部材6aにより保持することができ、標識機材Wを安定的に移動することができ、標識機材Wの積み込み及び積み降ろしの作業性を向上することができる。
【0021】
尚、本発明は上記実施の形態例に限られるものではなく、例えば、標識機材W、支柱P、標識板M、移動車両1、荷台2、標識配置部3、積載架台4、案内部材5、倒伏防止部材5a、移動部材6、標識保持部材6a、係脱機構7、係止溝部7a、係脱部7b、固定機構8、挿脱穴部8a、挿入突部8bの数や形態、構造等は適宜変更して設計されるものである。
【0022】
以上、所期の目的を充分達成することができる。
【符号の説明】
【0023】
W 標識機材
P 支柱
M 標識板
1 移動車両
2 荷台
3 標識配置部
4 積載架台
5 案内部材
5a 倒伏防止部材
6 移動部材
6a 標識保持部材
7 係脱機構
7a 係止溝部
7b 係脱部
8 固定機構
8a 挿脱穴部
8b 挿入突部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11