(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-24
(45)【発行日】2022-06-01
(54)【発明の名称】折り畳み食品の成形方法および成形装置
(51)【国際特許分類】
A21C 9/06 20060101AFI20220525BHJP
A23P 20/20 20160101ALI20220525BHJP
【FI】
A21C9/06 A
A23P20/20
(21)【出願番号】P 2019085003
(22)【出願日】2019-04-26
【審査請求日】2021-04-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000115924
【氏名又は名称】レオン自動機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】小林 文明
(72)【発明者】
【氏名】大平落 毅
(72)【発明者】
【氏名】阿久津 友邦
(72)【発明者】
【氏名】近藤 泰範
【審査官】西村 賢
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-027077(JP,A)
【文献】特開2017-000053(JP,A)
【文献】特開2004-329177(JP,A)
【文献】特公昭60-012011(JP,B2)
【文献】特公昭60-013655(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A21C 1/00ー15/04
A23P 10/00ー30/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
偏平状の外皮材を折り畳んで内材を包み込む折り畳み食品の成形方法であって、
(a)前記外皮材を一対の包合板を備え中央に開口を有する包合ユニット上に載置する載置工程と、
(b)前記外皮材の周縁部を押さえ部材で前記包合ユニットに押さえる押さえ工程と、
(c)前記開口の上方に位置する前記外皮材の一部を前記開口から下方に延ばし前記外皮材を椀状に形成する椀状形成工程と、
(d)前記包合ユニットを閉動作することにより、前記外皮材に配置された前記内材を包むように前記外皮材を折り畳んで前記周縁部を重ね合わせて封着する封着工程と、
を含み、
前記一対の包合板は接近離反可能に備えられ、前記(a)載置工程の前に、前記一対の包合板が離反した状態で待機し、前記(a)載置工程の後から前記(d)封着工程までの間に、(e)前記一対の包合板が接近し、前記一対の包合板の間に位置する前記外皮材の周縁両端部を挟圧して前記周縁両端部の上面に溝部を形成する挟圧工程を含むことを特徴とする成形方法。
【請求項2】
請求項1に記載の成形方法であって、
前記(a)載置工程と前記(b)押さえ工程の間で、前記(e)挟圧工程を行うことを特徴とする成形方法。
【請求項3】
請求項1に記載の成形方法であって、
前記(b)押さえ工程と前記(c)椀状形成工程の間で、前記(e)挟圧工程を行うことを特徴とする成形方法。
【請求項4】
請求項1に記載の成形方法であって、
前記(c)椀状形成工程と前記(d)封着工程の間で、前記(e)挟圧工程を行うことを特徴とする成形方法。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか1項に記載の成形方法であって、
前記(a)載置工程では、前記外皮材を前記一対の包合板に対し偏在するよう載置し、前記(d)封着工程において、折り畳まれた前記外皮材の一方の外皮材周縁部が他方の外皮材周縁部を覆うように重ね合わせて封着することを特徴とする成形方法
【請求項6】
請求項1乃至4の何れか1項に記載の成形方法であって、
前記一対の包合板は前記開口の上方に形成される各傾斜面を非対称に備えており、前記(a)載置工程おいて、前記外皮材に載置された前記内材の下方位置を前記開口に合わせるよう前記外皮材を前記一対の包合板に載置することを特徴とする成形方法。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか1項に記載の成形方法であって、
前記(c)椀状形成工程は、前記押さえ部材の内部空間の空気圧を高め、前記外皮材を前記内材とともに前記開口の内側で下方に窪ませ、ついには前記高めた空気圧によって前記外皮材を椀状に形成することを特徴とする成形方法。
【請求項8】
請求項1乃至6の何れか1項に記載の成形方法であって、
前記(c)椀状形成工程は、前記押さえ部材の内側に配置されたノズルから内材を供給することにより前記外皮材を椀状に形成するとともに前記外皮材に前記内材を配置することを特徴とする成形方法。
【請求項9】
請求項1乃至6の何れか1項に記載の成形方法であって、
前記(c)椀状形成工程は、前記外皮材の中央付近を押込み部材で前記開口から下方に押し延ばして外皮材を椀状に形成し、更に前記押込み部材から前記内材を供給して前記外皮材に内材を配置することを特徴とする成形方法。
【請求項10】
請求項1乃至9の何れか1項に記載の成形方法であって、
前記(d)封着工程の後、(f)前記一対の包合板が相対的に離反動作する離反工程を含むことを特徴とする成形方法。
【請求項11】
請求項1乃至10の何れか1項に記載の成形方法であって、
前記(d)封着工程の前または封着工程中に、前記周縁部に切断刃にて切れ目を入れた前記外皮材で内材を包み込み、前記周縁部に切れ目の入った折り畳み食品を成形することを特徴とする成形方法。
【請求項12】
偏平状の外皮材を折り畳んで内材を包み込む折り畳み食品の成形装置であって、
前記外皮材が載置され且つ一対の包合板からなり中央に開口を有する包合ユニットと、
前記外皮材の周縁部を前記包合ユニットに押さえる押さえ部材と、
前記開口の上方に位置する前記外皮材の一部を前記開口から下方に延ばし前記外皮材を椀状に形成する椀状形成装置と、
前記外皮材に配置される内材を包むように前記外皮材の周縁部を折り畳んで重ね合わせて封着するよう、前記包合ユニットを駆動する駆動機構と、を備え、
前記駆動機構は前記一対の包合板を開閉動作させる開閉駆動機構と前記一対の包合板の少なくとも一方を相対的に接近離反させる往復動機構を備え、
前記一対の包合板を離反させた状態で前記外皮材を載置し、前記一対の包合板を接近させた後、前記包合ユニットを閉動作させる制御を行う制御装置を備えたことを特徴とする成形装置。
【請求項13】
請求項12に記載の成形装置であって、
前記一対の包合板は、外皮材を載置する載置面を備え、前記載置面は傾斜面及び外皮材保持部を備え、前記傾斜面及び前記外皮材保持部は前記一対の包合板で形状が異なることを特徴とする成形装置。
【請求項14】
請求項12または13に記載の成形装置であって、
前記成形装置は、前記外皮材を搬送する搬送装置を備え、前記搬送装置は前記外皮材の搬送方向長さを計測する計測装置を備え、前記計測装置で計測した結果を基に、前記包合ユニット上の外皮材の載置位置を決定する制御装置を備えることを特徴とする成形装置。
【請求項15】
請求項12乃至14の何れか1項に記載の成形装置であって、
前記椀状形成装置は、前記外皮材を前記外皮材に配置された内材とともに前記開口の内側で下方に窪ませ、引き続いて前記外皮材を椀状に形成するよう、前記押さえ部材の内部空間の空気圧を高める空気圧上昇装置であることを特徴とする成形装置。
【請求項16】
請求項12乃至14の何れか1項に記載の成形装置であって、
前記椀状形成装置は、前記押さえ部材の内側に配置され前記外皮材に内材を供給するノズルと、前記ノズルに前記内材を供給する供給装置とを備えた内材供給装置であることを特徴とする成形装置。
【請求項17】
請求項12乃至14の何れか1項に記載の成形装置であって、
前記椀状形成装置は、前記押さえ部材の内側に昇降可能に配置され前記外皮材を前記開口から下方に押し延ばして外皮材を椀状に形成する押込み部材と、前記押込み部材から内材を供給して前記外皮材に内材を配置するよう前記押込み部材に前記内材を供給する送給装置とを備えた押込み装置であることを特徴とする成形装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品生地である偏平状の外皮材を折り畳んで、外皮材に載置された内材を包み込む折り畳み食品を成形する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、柏餅やクリームパンのような菓子や菓子パンなどの折り畳み食品を成形する装置は種々提案されてきた。
特許文献1に開示された成形装置は、各々反対方向に同調回動される軸にそれぞれ回転体と、各々の回転体に平行な複数の案内板と、回転体に対して揺動可能な複数の包合板を備えている。この従来の成形装置では、回転体を同調回転させ一対の包合板を案内板に沿って下方に移動することにより餡等の内材を配置した外皮材を折り畳み、包合板で外皮材の周縁部を挟み押圧することで柏餅を成形する。
【0003】
また、特許文献2に開示された成形装置は、2枚の板材を折り畳んで成形する折り畳み装置を備える。この従来の成形装置は、搬送される生地の中心を検出する検出装置と、形成された柏餅を取り出して搬出コンベアに供給する取出し部を備え、検出装置にて検出した生地の中心を折り畳み装置上の中心に合わせて載置し、折り畳み装置にて折り畳み成形することで、柏餅を成形する。
【0004】
また、特許文献3に開示された成形装置は、シート状の外皮材が載置される開口部を有する受け部材と、外皮材を二つ折りに形成する外皮材形成手段と、受け部材の下方に配置され一対の封着部材を備える封着手段と、受け部材の上方に配置され一対の封止部材を備える封止手段とを備えている。さらに、外皮材形成手段は、外皮材を開口部に押し込む押し込み手段を備え、押し込み手段は、内材を外皮材の内部に供給する内材供給手段を備えている。
この従来の成形装置では、外皮材形成手段により外皮材の開口部に配置された部分を開口部から下方に移動させることで食品生地である外皮材を二つ折りに形成し、一対の封着部材を両側から直進して二つ折りされた外皮材の縁部(周縁部)を押圧し、一対の封止部材を両側から直進して二つ折りされた外皮材の受け部材上に載置された縁部を開口部に向かって押動して外皮材の上端縁部を押圧することにより二つ折りされた外皮材の縁部を上下2箇所に分けて封着する。
【0005】
また、特許文献4に開示された成形装置は、外皮材が載置され一対の包合板からなり中央に開口を有する包合ユニットを備え、一対の包合板を開閉する駆動装置と接近離反させる駆動装置を備える。
包合ユニットを閉動作することで、外皮材に配置された内材を包むように外皮材の周縁部を二つ折りして重ね合わせて封着する。その後、一対の包合板を相対的に離反して包被食品を包合ユニットから離型し、支持装置上に移載する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特公昭60-13655号公報
【文献】特公昭60-12011号公報
【文献】特開2004-329177号公報
【文献】特開2018-027077号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1及び2に開示された従来の成形装置は、一対の包合板(板材)を折り畳むことで一対の包合板(板材)上に載置された外皮材(生地)を折り畳み成形するため、折り目部分を確実に封着することが出来ず、成形された包被食品の折り目部分から内材がはみ出る場合がある。また、折り目部分が確実に折り曲げられていないと、製品外観の美観を損ねて製品価値が下がる問題がある。
【0008】
特許文献3に開示された従来の成形装置は、二つ折りされた外皮材の周縁部が離間した状態で外皮材の内部に内材を供給する。したがって、外皮材に対する内材の量を増加させると包被食品から内材がはみ出す場合があり、包被食品の品質を低下させるという問題がある。また、二つ折りされた外皮材の周縁部を上下2段に分けて封着するため装置の構成が複雑となり、また、周縁部全体を確実に封着することができないという問題がある。
また、この成形装置は、外皮材形成手段として押込み部材を外皮材に押圧し二つ折りした状態に形成しているので、押込み部材への外皮材の粘着の問題があり、長時間の生産には適していない。
【0009】
特許文献4に開示された従来の成形装置は、上記の問題解決の為に、押さえ部材の押圧面に突条部を備え、包合ユニットに外皮材を載置後、押さえ部材にて外皮材の周縁両端部を包合ユニットに押さえ、外皮材の周縁両端部に折り目となる溝部を形成する。
しかし、パン生地など弾力性の強い外皮材の場合には、押え部材が外皮材から離反した後、周縁両端部の外皮材が復元し溝が浅くなる、あるいは消滅する場合があり、外皮材を折り畳む際に折り目部分が確実に封着することが出来ない場合がある。
【0010】
本発明は、上記課題を解決するものであり、外皮材の周縁両端部に折り目となる溝部を確実に形成することができ、折り畳まれ重ね合う外皮材の周縁部を全周に渡り確実に封着できる折り畳み食品の成形方法及び装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、偏平状の外皮材を折り畳んで内材を包み込む折り畳み食品の成形方法であって、(a)前記外皮材を一対の包合板を備え中央に開口を有する包合ユニット上に載置する載置工程と、(b)前記外皮材の周縁部を押さえ部材で前記包合ユニットに押さえる押さえ工程と、(c)前記開口の上方に位置する前記外皮材の一部を前記開口から下方に延ばし前記外皮材を椀状に形成する椀状形成工程と、(d)前記包合ユニットを閉動作することにより、前記外皮材に配置された前記内材を包むように前記外皮材を折り畳んで前記周縁部を重ね合わせて封着する封着工程と、を含み、前記一対の包合板は接近離反可能に備えられ、前記(a)載置工程の前に、前記一対の包合板が離反した状態で待機し、前記(a)載置工程の後から前記(d)封着工程までの間に、(e)前記一対の包合板が接近し、前記一対の包合板の間に位置する前記外皮材の周縁両端部を挟圧して前記周縁両端部の上面に溝部を形成する挟圧工程を含むことを特徴とする。
【0012】
また、前記(a)載置工程と前記(b)押さえ工程の間で、前記(e)挟圧工程を行うことを特徴とする。
【0013】
また、前記(b)押さえ工程と前記(c)椀状形成工程の間で、前記(e)挟圧工程を行うことを特徴とする。
【0014】
また、前記(c)椀状形成工程と前記(d)封着工程の間で、前記(e)挟圧工程を行うことを特徴とする。
【0015】
また、前記(a)載置工程では、前記外皮材を前記一対の包合板に対し偏在するよう載置し、前記(d)封着工程において、折り畳まれた前記外皮材の一方の外皮材周縁部が他方の外皮材周縁部を覆うように重ね合わせて封着することを特徴とする。
【0016】
また、前記一対の包合板は前記開口の上方に形成される各傾斜面を非対称に備えており、前記(a)載置工程おいて、前記外皮材に載置された前記内材の下方位置を前記開口に合わせるよう前記外皮材を前記一対の包合板に載置することを特徴とする。
【0017】
また、前記(c)椀状形成工程は、前記押さえ部材の内部空間の空気圧を高め、前記外皮材を前記内材とともに前記開口の内側で下方に窪ませ、ついには前記高めた空気圧によって前記外皮材を椀状に形成することを特徴とする。
【0018】
また、前記(c)椀状形成工程は、前記押さえ部材の内側に配置されたノズルから内材を供給することにより前記外皮材を椀状に形成するとともに前記外皮材に前記内材を配置することを特徴とする。
【0019】
また、前記(c)椀状形成工程は、前記外皮材の中央付近を押込み部材で前記開口から下方に押し延ばして外皮材を椀状に形成し、更に前記押込み部材から前記内材を供給して前記外皮材に内材を配置することを特徴とする。
【0020】
また、前記(d)封着工程の後、(f)前記一対の包合板が相対的に離反動作する離反工程を含むことを特徴とする。
【0021】
また、前記(d)封着工程の前または封着工程中に、前記周縁部に切断刃にて切れ目を入れた前記外皮材で内材を包み込み、前記周縁部に切れ目の入った折り畳み食品を成形することを特徴とする。
【0022】
また、偏平状の外皮材を折り畳んで内材を包み込む折り畳み食品の成形装置であって、前記外皮材が載置され且つ一対の包合板からなり中央に開口を有する包合ユニットと、前記外皮材の周縁部を前記包合ユニットに押さえる押さえ部材と、前記開口の上方に位置する前記外皮材の一部を前記開口から下方に延ばし前記外皮材を椀状に形成する椀状形成装置と、前記外皮材に配置される内材を包むように前記外皮材の周縁部を折り畳んで重ね合わせて封着するよう、前記包合ユニットを駆動する駆動機構と、を備え、前記駆動機構は前記一対の包合板を開閉動作させる開閉駆動機構と前記一対の包合板の少なくとも一方を相対的に接近離反させる往復動機構を備え、前記一対の包合板を離反させた状態で前記外皮材を載置し、前記一対の包合板を接近させた後、前記包合ユニットを閉動作させる制御を行う制御装置を備えたことを特徴とする。
【0023】
また、前記一対の包合板は、外皮材を載置する載置面を備え、前記載置面は傾斜面及び外皮材保持部を備え、前記傾斜面及び前記外皮材保持部は前記一対の包合板で形状が異なることを特徴とする。
【0024】
また、前記成形装置は、前記外皮材を搬送する搬送装置を備え、前記搬送装置は前記外皮材の搬送方向長さを計測する計測装置を備え、前記計測装置で計測した結果を基に、前記包合ユニット上の外皮材の載置位置を決定する制御装置を備えることを特徴とする。
【0025】
また、前記椀状形成装置は、前記外皮材を前記外皮材に配置された内材とともに前記開口の内側で下方に窪ませ、引き続いて前記外皮材を椀状に形成するよう、前記押さえ部材の内部空間の空気圧を高める空気圧上昇装置であることを特徴とする。
【0026】
また、前記椀状形成装置は、前記押さえ部材の内側に配置され前記外皮材に内材を供給するノズルと、前記ノズルに前記内材を供給する供給装置とを備えた内材供給装置であることを特徴とする。
【0027】
また、前記椀状形成装置は、前記押さえ部材の内側に昇降可能に配置され前記外皮材を前記開口から下方に押し延ばして外皮材を椀状に形成する押込み部材と、前記押込み部材から内材を供給して前記外皮材に内材を配置するよう前記押込み部材に前記内材を供給する送給装置とを備えた押込み装置であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、接近離反可能な一対の包合板を離反した状態で外皮材を載置し、一対の包合板を接近させて一対の包合板の間に位置する外皮材の周縁両端部を挟圧することで周縁両端部の上面に溝部を形成することができる。さらに、一対の包合板がそれらの間で周縁両端部を挟持した状態を維持しながら閉動作することにより、溝部を折り目として外皮材を折り畳むことができ、重ね合わされた外皮材の周縁部を全周に渡って確実に封着することが可能になる。
従って、内材が外皮材の周縁部の重ね合わせ部分から外方へ漏出することなく包み込むことができるので、外観の整った折り畳み食品を安定して生産することができる。
また、外皮材周縁部の一方が他方を覆うように折り畳み成形することで、封着部分を揃えることが可能になり、外観の整った折り畳み食品を安定して生産することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る折り畳み食品の成形装置を示す概略的な正面図である。
【
図2】本発明の第1の実施形態に係る折り畳み食品の成形装置を示す概略的な平面図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態に係る折り畳み食品の成形装置に備えた折り畳み成形装置の押さえ装置及び包合装置の要部を示す概略的な斜視図であり、包合装置の包合ユニットが開いた状態を示す。
【
図4】本発明の第1の実施形態に係る折り畳み食品の成形装置に備えた折り畳み成形装置の一対の包合板を示す概略的な図である。図(a)は平面図であり、図(b)は断面図である。
【
図5】本発明の第1の実施形態に係る折り畳み食品の成形装置に備えた折り畳み成形装置による成形工程を示す概略的な正面図である。図(a)乃至(c)は同じ工程であり、図(a)は断面図、図(b)は正面図、図(c)は駆動機構の概略図である。
【
図6】本発明の第1の実施形態に係る折り畳み食品の成形装置に備えた折り畳み成形装置による成形工程を示す概略的な正面図である。図(a)乃至(c)は同じ工程であり、図(a)は断面図、図(b)は正面図、図(c)は駆動機構の概略図である。
【
図7】本発明の第1の実施形態に係る折り畳み食品の成形装置に備えた折り畳み成形装置による成形工程を示す概略的な正面図である。図(a)乃至(c)は同じ工程であり、図(a)は断面図、図(b)は正面図、図(c)は駆動機構の概略図である。
【
図8】本発明の第1の実施形態に係る折り畳み食品の成形装置に備えた折り畳み成形装置による成形工程を示す概略的な正面図である。図(a)乃至(c)は同じ工程であり、図(a)は断面図、図(b)は正面図、図(c)は駆動機構の概略図である。
【
図9】本発明の第1の実施形態に係る折り畳み食品の成形装置に備えた折り畳み成形装置による成形工程を示す概略的な正面図である。図(a)乃至(c)は同じ工程であり、図(a)は断面図、図(b)は正面図、図(c)は駆動機構の概略図である。
【
図10】本発明の第1の実施形態に係る折り畳み食品の成形装置に備えた折り畳み成形装置による成形工程を示す概略的な正面図である。図(a)乃至(c)は同じ工程であり、図(a)は断面図、図(b)は正面図、図(c)は駆動機構の概略図である。
【
図11】本発明の第1の実施形態に係る折り畳み食品の成形装置に備えた折り畳み成形装置による成形工程を示す概略的な正面図である。図(a)乃至(c)は同じ工程であり、図(a)は断面図、図(b)は正面図、図(c)は駆動機構の概略図である。
【
図12】本発明の第2の実施形態に係る折り畳み食品の成形装置を示す概略的な平面図である。
【
図13】本発明の第2の実施形態に係る折り畳み食品の成形装置に備えた折り畳み成形装置の一対の包合板を示す概略的な図である。図(a)は平面図であり、図(b)は断面図である。
【
図14】本発明の第2の実施形態に係る折り畳み食品の成形装置に備えた折り畳み成形装置による成形工程を示す概略的な正面図である。図(a)と(b)は同じ工程であり、図(a)は断面図、図(b)は正面図である。
【
図15】本発明の第2の実施形態に係る折り畳み食品の成形装置に備えた折り畳み成形装置による成形工程を示す概略的な正面図である。図(a)と(b)は同じ工程であり、図(a)は断面図、図(b)は正面図である。
【
図16】本発明の第2の実施形態に係る折り畳み食品の成形装置に備えた折り畳み成形装置による成形工程を示す概略的な正面図である。図(a)と(b)は同じ工程であり、図(a)は断面図、図(b)は正面図である。
【
図17】本発明の第2の実施形態に係る折り畳み食品の成形装置に備えた折り畳み成形装置による成形工程を示す概略的な正面図である。図(a)と(b)は同じ工程であり、図(a)は断面図、図(b)は正面図である。
【
図18】本発明の第2の実施形態に係る折り畳み食品の成形装置に備えた折り畳み成形装置による成形工程を示す概略的な正面図である。図(a)と(b)は同じ工程であり、図(a)は断面図、図(b)は正面図である。
【
図19】本発明の第2の実施形態に係る折り畳み食品の成形装置に備えた折り畳み成形装置による成形工程を示す概略的な正面図である。図(a)と(b)は同じ工程であり、図(a)は断面図、図(b)は正面図である。
【
図20】本発明の第3の実施形態に係る折り畳み食品の成形装置を示す概略的な正面図である。
【
図21】本発明の第3の実施形態に係る折り畳み食品の成形装置に備えた折り畳み成形装置による成形工程を示す概略的な正面図である。図(a)と(b)は同じ工程であり、図(a)は断面図、図(b)は正面図である。
【
図22】本発明の第3の実施形態に係る折り畳み食品の成形装置に備えた折り畳み成形装置による成形工程を示す概略的な正面図である。図(a)と(b)は同じ工程であり、図(a)は断面図、図(b)は正面図である。
【
図23】本発明の第3の実施形態に係る折り畳み食品の成形装置に備えた折り畳み成形装置による成形工程を示す概略的な正面図である。図(a)と(b)は同じ工程であり、図(a)は断面図、図(b)は正面図である。
【
図24】本発明の第3の実施形態に係る折り畳み食品の成形装置に備えた折り畳み成形装置による成形工程を示す概略的な正面図である。図(a)と(b)は同じ工程であり、図(a)は断面図、図(b)は正面図である。
【
図25】本発明の第4の実施形態に係る折り畳み食品の成形装置に備えた折り畳み成形装置による成形工程を示す概略的な正面図である。図(a)と(b)は同じ工程であり、図(a)は断面図、図(b)は正面図である。
【
図26】本発明の第4の実施形態に係る折り畳み食品の成形装置に備えた折り畳み成形装置による成形工程を示す概略的な正面図である。図(a)と(b)は同じ工程であり、図(a)は断面図、図(b)は正面図である。
【
図27】本発明の第4の実施形態に係る折り畳み食品の成形装置に備えた折り畳み成形装置による成形工程を示す概略的な正面図である。図(a)と(b)は同じ工程であり、図(a)は断面図、図(b)は正面図である。
【
図28】本発明の第4の実施形態に係る折り畳み食品の成形装置に備えた折り畳み成形装置による成形工程を示す概略的な正面図である。図(a)と(b)は同じ工程であり、図(a)は断面図、図(b)は正面図である。
【
図29】本発明の第1の実施形態に係る包被食品の成形装置にて製造した折り畳み食品の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明の第1の実施形態に係る折り畳み食品の成形装置1について
図1乃至
図4を参照して説明する。
成形装置1は、偏平状の外皮材Dを折り畳んで内材Fを包み込んだ折り畳み食品Pを成形する装置であり、例えば、外皮材Dを菓子パン生地、内材Fをクリーム、折り畳み食品Pをクリームパンとして説明する。
成形装置1は、上流側より延展装置2、整列装置3、外皮材成型装置4、内材供給装置5及び折り畳み成形装置7及び各装置の動作を制御する制御装置21を備えている。説明するにあたり、成形装置1の搬送方向(
図1における左方向)をX方向、X方向に直交する方向をY方向と称する。
延展装置2は、調整された生地玉DDを偏平状の外皮材Dに延展する対向ローラを備えている。整列装置3は、偏平化された外皮材Dの幅方向の中心位置を、後続する内材供給装置5の吐出部5Bに位置合わせする搬送装置を備えている。
【0031】
外皮材成型装置4は、偏平状の外皮材Dを成型する装置であり、搬送コンベア4A、押圧装置4Bを備える。押圧装置4Bは、搬送コンベア4Aの上方に備えられ、上面押圧部材4Cと一対の側面押圧部材4Dを昇降可能に備える。上面押圧部材4Cは外皮材Dを上方から押圧し、側面押圧部材4Dは外皮材Dを側面から押圧する。
上面押圧部材4Cは下面に平面状の押圧面を備えているが、この押圧面は中央部分が凹状の窪みを有する形状とすることも可能である。また、一対の側面押圧部材4Dは、内側がX方向に沿って長い楕円形になるよう押圧面が形成されているが、これに限らず、円形状や多角形状等になるよう押圧面を形成することも可能である。
【0032】
内材供給装置5は、搬送コンベア5A、内材Fを偏平状の外皮材Dの上面に供給する吐出部5B、吐出部5Bに内材Fを送給する送給装置5Cを備えている。
搬送コンベア5Aは、外皮材Dの搬送を感知する光電式のセンサ5Dを備えている。センサ5Dは、搬送コンベア5Aの上流側で、搬送コンベア5Aの上方に配置されている。搬送コンベア5Aはエンコーダ(図示なし)を備えている。制御装置21は、エンコーダからの信号とセンサ5Dからの感知信号に基づき外皮材Dの移動位置を算出し、外皮材DのX方向に沿った長さLを算出する。
吐出部5Bは、ノズル5Eが昇降可能に備えられている。また、ノズル5Eの下端には吐出口5Fが形成され、ノズル5E内に備えられた開閉弁の上下動により吐出口5Fが開閉される。吐出部5Bは、内材Fを間欠的に送給する送給装置5Cと吐出口5Fを開閉する開閉弁を連動させることにより、吐出口5Fから所要量の内材Fを間欠的に吐出する。また、開閉弁には、吐出された内材Fをノズル5Eから離すため圧縮空気A1を噴出する空気噴出口を備えている。また、ノズル5Eの周囲には水等の液体を外皮材Dに噴射するスプレー装置5Gが3個、ノズル5Eの昇降と一緒に昇降可能に備えられている。
【0033】
折り畳み成形装置7は、基台7Aに供給コンベア11、包合装置13、押さえ装置15、支持装置17、搬出コンベア19及び制御装置21を備えている。
供給コンベア11は、内材Fが載置された外皮材Dを包合装置13に供給するためのベルトコンベアである。供給コンベア11の先端部11Aは、X方向に沿って進出位置と待機位置との間で往復動可能に備えられている。
供給コンベア11の先端側の側方には、外皮材Dの搬送を感知する光電式のセンサ11Bが基台7Aに取り付けられている。供給コンベア11はエンコーダ(図示なし)を備え、制御装置21は、エンコーダからの信号とセンサ11Bからの感知信号に基づき外皮材Dの移動位置を算出し、外皮材DのX方向に沿った長さLを算出する。また、制御装置21は、先端部11Aの往復動をエンコーダからの信号とセンサ11Bからの感知信号に基づいて制御する。
【0034】
包合装置13は、ベースハウジング13A、2組の包合ユニット23、駆動機構25を備えている。
各包合ユニット23は、外皮材Dを支持するための載置部材として備えられる。各包合ユニット23は同一の構成である。説明するにあたり、X方向下流側の包合ユニット23を23W、X方向上流側の包合ユニット23を23Zと称する。また、各包合ユニット23は、X方向下流側の包合板24Wと、上流側の24Zを一対として構成される。
1対の包合板24W、24Zは互いに揺動可能かつ接近離反可能に備えられている。また、包合板24W、24Zはそれぞれがベースハウジング13Aに対し揺動可能かつ水平方向に往復動可能に備えられている。
【0035】
一対の包合板24(24W、24Z)は、包合ユニット23が開状態(
図3、
図4参照)であるときの上面に外皮材を載置する載置面24C(24CW、24CZ)を備える。
載置面24C(24CW、24CZ)は、載置外周面24D(24DW、24DZ)、傾斜面24F(24FW、24FZ)及びそれらの間に外皮材保持部24H(24HW、24HZ)を備える。
また、包合板24は対向する包合板24に面する側面中央に凹部24E(24EW、24EZ)を備えている。包合ユニット23が開状態であるとき、対向する凹部24Eは、1対の包合板24からなる包合ユニット23の中央に開口23Aを形成する。
傾斜面24Fは、外皮材保持部24Hから凹部24Eにかけて形成されている。
外皮材保持部24Hは、平面視において傾斜面24Fから外側に、傾斜面24Fの上端24Gに沿った形状に備えられる。外皮材保持部24Hの断面形状は、凸型形状であり、外皮材保持部24Hの平面形状は、概ね弧状に形成されている。
載置外周面24D(24DW、24DZ)は、抱合板24(24W、24Z)の上面において、外皮材保持部24H(24HW、24HZ)の外側に、外皮材保持部24H(24HW、24HZ)より低い平面に形成される。
包合板24は、凹部24Eの両側(
図4(a)の上下)に端部24B(24BW、24BZ)を備える。対向する端部24Bは、開口23Aの両側に間隙23Bを形成する。
包合板24Wと包合板24Zは、それぞれの載置外周面24DW、24DZ、傾斜面24FW、24FZ及び外皮材保持部24HW、24HZの形状が異なっている。
平面視における凹部24E(24EW、24EZ)(つまり、傾斜面24FWと24FZの下端)の形状は同一である。
平面視における開口中心23AOから傾斜面24FWの上端24GWまでの距離は、平面視における開口中心123AOから傾斜面24FZの上端24GZまでの距離と比較して短い。従って、傾斜面24FWは、傾斜面24FZと比較して、水平面に対する傾斜角度が大きくなっている。
本実施形態では、外皮材保持部24Hの内側は、傾斜面24Fの上端24Gとして形成され、同外側は、載置外周面24Dとの段差が設けられている。
また、一対の包合板が閉じ方向に揺動し載置面24CWと24CZが対向した状態では、外皮材保持部24HWの最上端に対し外皮材保持部24HZの最上端が外側に位置がずれた状態で対向するよう設けられている(
図10(a)参照)。
この外皮材保持部24Hは、折り畳み成形する際に外皮材が位置ずれを起こさないように設けられるものである。
【0036】
各包合板24(24W、24Z)は、その長手方向(
図3のY方向)に直交する両方の側面24A上で対向する包合板24(24Z、24W)側に支軸25A(25AW、25AZ)を備えている。各支軸25A(25AW、25AZ)は、各軸受25B(25BW、25AZ)に回動自在に軸支されている。また、後述するように、軸受25BはX方向に往復動自在に備えられている。
【0037】
駆動機構25は、包合ユニット23(23W、23Z)を開閉及び接近離反させる機構である。駆動機構25は、スライド機構26(26A、26B)、リンク機構27(27A、27B)、クラッチ機構28(28A、28B)を備えている。
スライド機構26、リンク機構27及びクラッチ機構28は、平面視において点対称となるようにそれぞれ2組備えられている。スライド機構26は、リンク機構27を動作させ、また、クラッチ機構28を互いに接近離反させる往復動機構であり、動力伝達機構である。リンク機構27は、1対の包合板24(24W、24Z)をそれぞれ揺動させ、包合ユニット23を開閉させる開閉機構である。また、クラッチ機構28は、包合ユニット23の開閉動作と接近離反動作を切り替えるものである。
【0038】
ここでは、手前側(
図3のY方向手前側)について説明する。一方のスライド機構26Aは、揺動アーム26C、シャフト26D、ブロック26E、駆動シャフト26Gを備えている。駆動シャフト26Gは、基台7Aのベース部7Bから立設された2本の駆動軸7Cに着脱可能に連結されている。揺動アーム26Cは、駆動シャフト26Gに連結され、水平に揺動自在に備えられている。シャフト26Dは、ベースハウジング13A上面でX方向に摺動自在に支持され、揺動アーム26Cに連結され、往復動する。ブロック26Eは、シャフト26Dに一体的に固定され、シャフト26Dの取付け面と反対の側面に垂直方向に溝26Fが刻設されている。
【0039】
一方のリンク機構27Aは、アーム27C、シャフト27D、2つのアーム27E、リンクプレート27F、カムフォロア27Gを備えている。アーム27Cは、クラッチ機構28Aに回動可能に軸支されているシャフト27Dの軸端部に一体的に取り付けられ、一端側にカムフォロア27Gを備えている。カムフォロア27Gは、ブロック26Eの溝26Fに滑動自在に備えられている。アーム27Cの他端側には、リンクプレート27Fの一端が連結されている。リンクプレート27Fの他端及び中間位置のそれぞれには、各包合板24Wの支軸25AWに取り付けられたアーム27Eが連結されている。
他方のリンク機構27Bにおいてシャフト27Jの他方の軸端部にアーム27Kの基端部が一体的に取り付けられている。そして、アーム27Kの他端側には、リンクプレート27Lの一端が連結されている。リンクプレート27Lの他端及び中間位置のそれぞれには、各包合板24Zの支軸25AZに取り付けられたアーム27Mが連結されている。
【0040】
一方のクラッチ機構28Aは、シャフト27Dと係合してシャフト27Dを固定し回動を停止する状態と、シャフト27Dと非係合によりシャフト27Dの回動を可能な状態に切替える機構である。クラッチ機構28は、例えばアクチュエータのごとき駆動手段によって作動する係合部材を備えるが、公知の技術であるので詳細についての説明は省略する。クラッチ機構28Aは、ジョイント28Cによって軸受25BWと連結されており、包合板24WとともにX方向に往復動可能に備えられている。
他方のクラッチ機構28Bは、クラッチ機構28Aと同様に備えられ、ジョイント28D、軸受25BZおよび包合板24Zと一体的に往復動可能に備えられている。シャフト27D、27Jを固定した状態のクラッチ機構28A、28Bは、スライド機構26A、Bにより作動され、1対の包合板24W、24Zは互いに接近離反する。
【0041】
折り畳み成形装置7の押さえ装置15は、包合装置13の上方に配置されている。押さえ装置15は、昇降フレーム15A、各包合ユニット23に対応する押さえ部材15Bを備えている。押さえ部材15Bは、昇降フレーム15Aの下面に取り付けられていて、下方向に開口15Gを有するカップ形状であり、押さえ部材15Bの下面には押圧面15Cと突状部15Dが形成されている。押圧面15Cは、包合ユニット23が開状態であるとき水平な各包合板24の載置外周面24Dに平行となるよう形成されている。また、突状部15Dは、押圧面15Cから下方に突出し、Y方向に沿った両端の2ヶ所に形成されている。押さえ部材15Bの内部空間15Eには、管継手15Fを介してコンプレッサ30から圧縮空気A2が送り出される。この場合、押さえ装置15が圧縮空気A2にて外皮材Dを椀状に形成する椀状形成装置となる
【0042】
支持装置17は、包合装置13の下方に配置され、外皮材Dを支持し、さらには、折り畳み食品Pを後述する搬出コンベア19へ搬送する装置である。支持装置17は、各包合ユニット23に対応する2つのベルトコンベア17Aとベルトコンベア17A間に搬送コンベア17Bを備える。ベルトコンベア17Aは、無端状のコンベアベルトが複数のローラに掛け回されて間欠駆動される。ベルトコンベア17Aは、押さえ装置15とは別個に、例えば、サーボモータのごとき駆動手段と連動連結することにより独立して昇降可能に備えられている。ベルトコンベア17Aの昇降位置や昇降速度、また、ベルトコンベア17Aと搬送コンベア17Bの駆動タイミングや駆動速度は制御装置21にて調整可能に制御されている。
搬出コンベア19は、支持装置17の下流側に連設されたベルトコンベアであり、折り畳み食品Pを支持装置17から受け取り、さらに、下流側へ搬出する装置である。
【0043】
次に、本発明の第1の実施形態に係る成形装置1による折り畳み食品Pの成形工程について説明する。まずは、
図1及び
図2を参照し、内材Fが載置された外皮材Dが折り畳み成形装置7の供給コンベア11に搬送されるまでを説明する。
【0044】
生地玉DDは、食品生地の塊から所要重量に分割され、丸め成形された後、所要時間、室内にて寝かされ調整される。
生地玉DDが延展装置2にて延展され、外皮材Dが偏平状に形成される。
外皮材Dは、整列装置3にて外皮材Dの幅Wが計測され、幅方向の中心位置がノズル5Eの吐出口5Fの下方位置に一致するよう位置合わせされた後に、外皮材成型装置4の搬送コンベア4Aに搬送される。
外皮材Dは、搬送コンベア4Aによって押圧装置4Bの下方に搬送され、上面押圧部材4Bと側面押圧部材4CによってX方向に沿って長い略楕円形に形成される。
外皮材Dは、内材供給装置5のベルトコンベア5Bに供給され、ベルトコンベヤ5B上でセンサ5Dに感知される。
制御装置21は、ベルトコンベヤ5Bに備えられたエンコーダからの信号とセンサ5Dからの感知信号に基づき、外皮材Dの移動位置と外皮材DのX方向に沿った長さLの中心位置LDを算出する。
ベルトコンベア5Bは制御装置21からの指令に基づき、平面視における吐出口5Fの中心位置に、外皮材Dの長さLの中心LDから距離LXだけX方向上流側に離れた内材載置位置LFを位置合わせして搬送を停止する。
【0045】
外皮材Dの搬送が停止すると、ノズル5Eが所要の位置まで下降するとともに送給装置5Cが内材Fをノズル5E内に送給し、開閉弁がノズル5E内を下降して吐出口5Fから所要量の内材Fを外皮材D上の内材載置位置LFに吐出する。そして、ノズル5Eが上昇するとともに、開閉弁はノズル5E内を上昇する。このとき、開閉弁の空気噴出口から圧縮空気A1を噴出する。内材Fはノズル5Eから切り離され外皮材Dの上面に載置される(内材載置工程)。
ノズル5Eの下降時に、ノズル5Eの周囲に備えられたスプレー装置5Gも一緒に下降し、水等の液体を外皮材Dの周縁部DAの封着面DFに向けて噴射する。
内材Fが載置された外皮材Dは、ベルトコンベア5Bにより折り畳み成形装置7の供給コンベア11に搬送される。
【0046】
次に、本発明の第1の実施形態に係る成形装置1に備えた折り畳み成形装置7による折り畳み食品Pの成形工程について、
図5乃至
図12を参照して説明する。なお、各図の(a)乃至(c)は同じ工程の図であり、各図の(a)は一方の包合ユニット23の中央部のX方向の断面図であり、各図の(b)は一方の包合ユニット23の正面図であり、各図の(c)は一方の包合ユニット23の駆動機構の概略図であり、概念的に示した説明図である。
【0047】
包合装置13の包合ユニット23は、一対の包合板24(24W、24Z)を開き、互いに離反した状態で待機している。この状態を初期状態と称する(
図5参照)。
【0048】
供給コンベア11の先端部11Aは、往復動する範囲においてX方向の上流側へ縮んだ待機位置にある。外皮材Dがセンサ11Bに感知されると、先端部11AはX方向に沿って下流側に移動する。この移動速度は、供給コンベア11の搬送速度と同じか少し速くに設定されている。先端部11Aは、包合ユニット23の上方を覆うように伸びた進出位置にて移動を停止する。そして、平面視において外皮材Dの内材載置位置LFが包合ユニット23Wの開口23Aの中心23AOと一致する位置にて、ベルトコンベア5B及び供給コンベヤ11は外皮材Dの搬送を停止する(
図5参照)。詳細には、先端部11A上には、X方向に沿って2つの外皮材Dが離れて載置されている。
【0049】
次いで、先端部11Aは一気に後退し、先端部11A上に載置されていた下流側の外皮材Dは下流側の包合ユニット23Wの一対の包合板24の載置面24C上に移載される。
続いて、上流側の外皮材Dの内材載置位置LFが、上流側の包合ユニット23Zの開口23Aの中心23AOと一致する位置にて、ベルトコンベア5B及び供給コンベヤ11は外皮材Dの搬送を停止する。次いで、先端部11Aは一気に後退し、先端部11A上に載置されていた上流側の外皮材Dは、上流側の包合ユニット23Zの一対の包合板24の載置面24C上に移載される。
このとき、外皮材Dは、開口23Aの中心23AOに対し下流側に位置ずれしている。つまり、外皮材Dは、一対の包合板24に対し下流側に偏在して載置される。また、外皮材Dは内材Fの重量及び落下の影響で、対向する傾斜面24F内に入り込み、窪んだ状態になる。また、両側の間隙23B上に位置する外皮材周縁部DAを周縁両端部DBと称す。周縁両端部DBは一対の包合板24(24W、24Z)の端部24Bの間に少し入り込み窪んだ状態になる(載置工程、
図6参照)。
【0050】
先端部11Aが上流端の待機位置まで後退すると、押さえ装置15の昇降フレーム15Aと共に押さえ部材15Bが包合ユニット23に向かって下降する。押さえ部材15Bの下降停止位置は、外皮材Dの厚みや硬さなどに応じて制御装置21によって適宜調整可能に制御される。
押さえ部材15Bは内材Fと接することなく下降し、押さえ部材15Bの下端の半円状の押圧面15Cは外皮材Dの周縁部DAを包合板24の外皮材保持部24Hに押さえる。
包合板24に押さえられた周縁部DAは、押圧面15Cと外皮材保持部24Hの間で強く保持される。ここでは、保持された周縁部DAの内側に位置する外皮材Dを中間位置部分と称す。
また、押さえ部材15Bの各突条部15Dが、離反状態の一対の包合板24(24W、24Z)の各間隙23Bに挿入される。
周縁両端部DBは、突状部15Dによって間隙23Bに押し込まれ、突条部15Dの形状に沿うように二つ折りされる(押さえ工程、
図7参照)。
【0051】
そして、押さえ部材15Bの内部空間15Eにコンプレッサ30から圧縮空気A2が所要時間Tだけ送給され、内部空間15Eの空気圧を高めるよう作用する。外皮材Dの中間位置部分(つまり、開口23Aの上方に位置する外皮材Dの一部)は、内材Fと共に(内材Fを介した)圧縮空気A2の空気圧により傾斜面24Fに沿って下方に膨張し(窪み)、ついには包合板24の下方まで膨張し椀状に形成され、椀状の外皮材Dの中に内材Fが配置される。
また、間隙23Bに位置する外皮材周縁部DAは、膨張する外皮材Dの引っ張りにより下方に移動し、新たな周縁両端部DBが形成される。周縁両端部DBの底部は載置工程時より下がり、同上面は折り曲げられた外皮材Dが突起部15Dの下で重なり溝部DZが形成される(椀状形成工程、内材配置工程、
図8参照)。
【0052】
ベルトコンベア17Aは、包合装置13の下方にて、包合板24から所要の間隔で待機している。ベルトコンベア17Aの上面が下方に膨張する外皮材Dの底部を支持することにより、外皮材Dが必要以上に変形することを防止して、外皮材Dの形状を安定させるとともに、外皮材Dの周縁部DAに対する内材Fの頭部FTの位置を決定する(支持工程、
図8参照)。
【0053】
押さえ部材15Bが昇降フレーム15Aとともに上昇すると、離反していた一対の包合板24(24W、24Z)が接近動作する。
詳細には、スライド機構26の揺動アーム26Cが揺動(往動)を開始し、シャフト26D及びブロック26Eが
図3のX方向と反対方向に移動する。
クラッチ機構28Aはシャフト27Dに係合しシャフト27Dをクラッチ機構28A内で固定し、アーム27Cの揺動が停止する(
図3参照)。
その後もスライド機構26Aが作動し続けブロック26Eがカムフォロア27G、アーム27C、クラッチ機構28A、リンクプレート27F、軸受25BW、支軸25AW(クラッチ機構28Aと軸受25BWはジョイント28Cで連結されている、
図3参照)および包合板24Wを一体的に上流側(
図9における右側)に移動する。
また、クラッチ機構28Bもクラッチ機構28Aに同期して作動し、包合板24Zを下流側(
図9における左側)に移動することにより包合板24Wと包合板24Zは互いに接近する。
このとき、各包合板24の間に形成される間隙23Bは狭くなる。間隙23Bに位置する周縁両端部DBは各包合板24の端部24Bの間で挟圧され、偏平化する。外皮材Dが重ね合う周縁両端部DBは確実に封着され、折り畳み食品Pにおける両端封着部DRとなる。また、両端封着部DRの上端には新たな溝部DZが形成される(挟圧工程、
図9参照)。
【0054】
その後、スライド機構26の揺動アーム26Cが揺動(往動)を続け、シャフト26D及びブロック26Eが
図3のX方向に移動する。
この時、クラッチ機構28Aはシャフト27Dに非係合でありシャフト27Dを回動可能な状態にしている。
アーム27Cは、カムフォロア27Gがブロック26Eに連動して移動することでシャフト27Dを中心として揺動する。それに伴い、リンクプレート27Fおよびアーム27Eが作動し、支軸25AWを中心として包合板24Wが閉じ方向に揺動する。これと同期してリンク機構27Bが作動し、支軸25AZを中心として包合板24Zが閉じ方向に揺動する。各包合板24W、24Zが閉じるように揺動することで、外皮材Dの周縁部DAは折り畳まれ重ね合い、対向する載置面24Cの間で封着され、折り畳み食品Pが成形される。
このとき、外皮材保持部24HWと24HZは、特に、最上部では位置がずれて対向しているので、載置面24CWと24CZの間の間隙23Cは、縦断面において曲がりくねった間隙となり、この間隙23Cに存在する下流側外皮材周縁部DAWと上流側外皮材周縁部DAZは密着する面積が大きくなり、より強力に結着される(封着工程、
図10参照)。
【0055】
包合ユニット23が閉動作を完了すると、クラッチ機構28Aはシャフト27Dに係合しシャフト27Dをクラッチ機構28A内で固定し、アーム27Cの揺動が停止する。
その後もスライド機構26Aが作動し続けブロック26Eがカムフォロア27G、アーム27C、クラッチ機構28A、リンクプレート27F、軸受25BW、支軸25AWおよび包合板24Wを一体的に下流側(
図11における左側)に移動する。
このとき、クラッチ機構28Bも同期して作動し、包合板24ZをX方向に沿って包合板24Wと反対の上流側へ移動することにより包合板24Wと包合板24Zは互いに離反し距離が広がる。
包被食品Pは、包合板24Wと24Zの離反により包合ユニット23から離型される(離型工程、
図11参照)。
包被食品Pは、ベルトコンベア17Aとともに下降し、下降端位置で搬出コンベア19に移乗し、さらに、二次成形装置や熱処理装置などに搬出される(搬出工程)。
【0056】
その後、クラッチ機構28はシャフト27Dを回動自在な状態に切り替え、揺動アーム26Cは逆方向に揺動し、2つの包合板24は開方向に揺動し、開状態(初期状態)に復帰する(
図5参照)。
【0057】
上記の第1の実施形態では、椀状形成工程と封着工程の間に一対の包合板24を接近動作して、挟圧工程を行っていたが、これに限らず、外皮材Dの載置工程と押さえ工程の間や、押さえ工程と椀状形成工程の間に挟圧工程を行うことも可能である。挟圧工程をどのタイミングで行うかは、適宜変更できるものである。
【0058】
例えば、外皮材Dの載置工程と押さえ工程の間に一対の包合板24を接近動作して、挟圧工程を行うことも可能である。
この場合、外皮材Dが包合板24の載置面24C上に移載される時、一対の包合板24は離反した状態を維持しているので、間隙23Bは拡がった状態であり、外皮材Dの周縁両端部DBが間隙23Bに侵入しやすい状態である。
その為、周縁両端部DBが間隙23Bに入り込む。その後、離反していた一対の包合板24(24W、24Z)が接近動作する。
この挟圧工程で周縁両端部DBは間隙23Bで二つ折りされ、周縁両端部DB上面に折り目となる溝部DZを形成する。その後、押さえ部材15Bが包合ユニット23に向かって下降し、突状部15Dによって溝部DZを押し込む。
その後、押さえ部材15Bが上昇し、一対の包合板24が閉じ方向に揺動し、外皮材Dの周縁部DAは折り畳まれ重ね合い、対向する載置面24Cの間で密着され、折り畳み食品Pが成形される。
周縁両端部DBは確実に封着され、折り畳み食品Pにおける両端封着部DRとなる。
【0059】
また、外皮材Dの押さえ工程と椀状形成工程の間に一対の包合板24を接近動作して、挟圧工程を行うことも可能である。
この場合、押さえ部材15Bが包合ユニット23に向かって下降し、周縁部DAを包合板24の載置面24Cとの間で密閉する時、一対の包合板24は離反した状態を維持しているので、間隙23Bは拡がった状態であり、外皮材Dの周縁両端部DBが間隙23Bに侵入しやすい状態である。
さらに突状部15Dによって周縁両端部DBを押し込むので、周縁両端部DBが間隙23Bに入り込み、周縁両端部DBは間隙23Bで二つ折りされ、周縁両端部DB上面に折り目となる溝部DZを形成する。
その後、離反していた一対の包合板24(24W、24Z)が接近動作する。
この挟圧工程で周縁両端部DBは間隙23Bで二つ折りされ、周縁両端部DB上面に折り目となる溝部DZを形成する。押さえ部材15Bが上昇し、一対の包合板24が閉じ方向に揺動し、外皮材Dの周縁部DAは折り畳まれ重ね合い、対向する載置面24Cの間で密着され、折り畳み食品Pが成形される。
このとき、周縁両端部DBは隙間をあけることなく確実に封着され、折り畳み食品Pにおける両端封着部DRとなる
【0060】
上記の実施形態では、包合ユニット23の開閉動作と一対の包合板24の接近離反動作を、クラッチ機構28を備え、ひとつの駆動手段によって行う構成として説明したが、開閉動作と接近離反動作は別の駆動手段で行う構成とすることも可能である。この場合は、前記クラッチ機構28は不要となる。
また、上記の実施形態では、一対の包合板24が両方とも接近離反動作をする構成として説明したが、一対の包合板24の片方のみが接近離反動作を行う構成とすることも可能である。また例えば、包合板24に対する支軸25Aの位置を包合板の下方にすることで、一対の包合板24が接近しながら閉じ動作を行う構成とすることも可能である。この場合は、包合板の開閉及び接近離反をひとつの駆動手段によって行うことが可能である。
【0061】
上記の実施形態によれば、折り畳み食品Pの周縁部DAは、距離LXだけ上流側周縁部DAZより下流側周縁部DAWが長い状態で封着されていて、搬出工程のコンベヤベルト17Aの動き出しの際に、折り畳み食品PはY方向上流側に倒れて搬送されるため、外皮材Dの下流側周縁部DAWが上流側周縁部DAZを覆った状態で搬出される。
また、折り畳み食品Pの周縁部DAが確実に封着されるだけでなく、周縁両端部DBまで確実に封着することが可能になり、内材Fが封着部分から漏出することがなくなる。さらに、周縁両端部DBは隙間なく封着されるので、外観が美しい折り畳み食品Pを安定して生産することが可能になる。
そのため、折り畳み食品Pの周縁部DAが揃わずに外観を損なうことがなくなり、周縁部DAの揃った外観の美しい折り畳み食品Pを安定して生産することができる。
【0062】
次に、本発明の第2の実施形態に係る折り畳み食品Pの成形装置101について
図12を参照して説明する。なお、第1の実施形態と同様な構成については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
成形装置101は、延展装置2、整列装置3、外皮材成型装置4、内材供給装置5及び折り畳み成形装置107及び各装置の動作を制御する制御装置121を備えている。
【0063】
折り畳み成形装置107は、第1の実施形態の折り畳み成形装置7の包合装置13の包合ユニット23における一対の包合板24(24W、24Z)を、折り畳み成形装置107の包合装置113の包合ユニット123における一対の包合板124(124W、124Z)に置換した構成である。一対の包合板124Wと124Zは同一形状であり、その他は第1の実施形態と同じ構成である(
図13参照)。
包合装置113は、ベースハウジング13A、2組の包合ユニット123、駆動機構25を備えている。
各包合ユニット123は、外皮材Dを支持するための載置部材として備えられる。各包合ユニット123は同一の構成である。包合ユニット123は、X方向下流側の包合板124Wと、上流側の包合板124Zを一対として構成される。
包合板124は、包合ユニット123が開状態であるときの上面に外皮材を載置する載置面124Cを備える。載置面124Cは、載置外周面124D、傾斜面124F及びそれらの間に外皮材保持部124Hを備える。
また、包合板124は対向する包合板124に面する側面中央に凹部124Eを備えている。包合ユニット123が開状態であるとき、対向する凹部124Eは、1対の包合板124からなる包合ユニット123の中央に開口123Aを形成する。
傾斜面124Fは、外皮材保持部124Hから凹部124Eにかけて形成されている。
外皮材保持部124Hは、平面視において傾斜面124Fから外側に、傾斜面124Fの上端124Gに沿った形状に備えられる。外皮材保持部124Hの断面形状は、凸型形状であり、外皮材保持部124Hの平面形状は、概ね弧状に形成されている。
載置外周面124Dは、包合板124の上面において、外皮材保持部124Hの外側に、外皮材保持部124Hより低い平面に形成される。
また、一対の包合板が閉じ方向に揺動し一対の載置面124Cが対向した状態では、外皮材保持部124Hが同じ位置で対向するよう設けられている(
図19(a)参照)。
【0064】
次に、本発明の第2の実施形態に係る成形装置101による折り畳み食品Pの成形工程について説明する。まずは、
図12を参照し、内材Fが載置された外皮材Dが折り畳み成形装置107の供給コンベア11に搬送されるまでを説明する。
【0065】
延展装置2で偏平状に延展された外皮材Dは、整列装置3にて位置合わせされた後に、外皮材成型装置4にて円盤状に成型され、内材供給装置5のベルトコンベア5Bに供給される。
制御装置121は、ベルトコンベヤ5Bに備えられたエンコーダ(図示なし)からの信号とセンサ5Dからの外皮材Dの感知信号に基づき、外皮材Dの移動位置と外皮材DのX方向に沿った長さLの中心位置LDを算出する。
ベルトコンベア5Bは制御装置121からの指令に基づき、平面視における吐出口5Fの中心位置に、外皮材Dの長さLの中心LDを位置合わせして搬送を停止する。
その後、内材供給装置5によって外皮材Dの上面に内材Fが供給される。この時、内材Fは、外皮材Dの長さLの中心LDに載置される(内材載置工程)。
内材Fが載置された外皮材Dは、ベルトコンベア5Bにより折り畳み成形装置7の供給コンベア11に搬送される。
【0066】
次に、本発明の第2の実施形態に係る成形装置101に備えた折り畳み成形装置107による折り畳み食品Pの成形工程について、
図14乃至
図19を参照して説明する。なお、各図の(a)と(b)は同じ工程の図であり、各図の(a)は一方の包合ユニット23の中央部のX方向の断面図であり、各図の(b)は一方の包合ユニット23の正面図であり、概念的に示した説明図である。
【0067】
包合装置113の包合ユニット123は、一対の包合板124(124W、124Z)を開き、互いに離反した位置で待機している。この状態を初期状態と称する(
図14参照)。
【0068】
供給コンベア11の先端部11Aは、往復動する範囲においてX方向の上流側へ縮んだ待機位置にある。外皮材Dがセンサ11Bに感知されると、先端部11AはX方向に沿って下流側に移動し、進出位置にて移動を停止する。そして、平面視において外皮材Dの長さLの中心LDが包合ユニット123Wの開口123Aの中心123AOと一致する位置にて、ベルトコンベア5B及び供給コンベヤ11は外皮材Dの搬送を停止する(
図14参照)。詳細には、先端部11A上には、X方向に沿って2つの外皮材Dが離れて載置されている。
次いで、先端部11Aは一気に後退し、先端部11A上に載置されていた下流側の外皮材Dは、下流側の包合ユニット123Wの一対の包合板124の載置面124C上に移載される。続いて、上流側の外皮材Dも同様に、上流側の包合ユニット123Zの一対の包合板124の載置面124C上に移載される。
このとき、外皮材Dは内材Fの重量及び落下の影響で、対向する傾斜面124F内に入り込み、窪んだ状態になる。また、両側の間隙123B上に位置する外皮材周縁部DAを周縁両端部DBと称す。周縁両端部DBは一対の包合板124(124W、124Z)の端部124Bの間に少し入り込み窪んだ状態になる(移載工程、
図15参照)。
【0069】
先端部11Aが上流端の待機位置まで後退すると、押さえ部材15Bが包合ユニット123に向かって下降する。押さえ部材15Bの下降停止位置は、外皮材Dの厚みや硬さなどに応じて制御装置121によって適宜調整可能に制御される。
押さえ部材15Bは内材Fと接することなく下降し、押さえ部材15Bの下端の半円状の押圧面15Cは外皮材Dの周縁部DAを包合板24の外皮材保持部24Hに押さえる。
包合板124に押さえられた周縁部DAは、押圧面15Cと外皮材保持部124Hの間で強く保持される。ここでは、保持された周縁部DAの内側に位置する外皮材Dを中間位置部分と称す。
また、押さえ部材15Bの各突条部15Dが、離反状態の一対の包合板124(124W、124Z)の各間隙123Bに挿入される。
周縁両端部DBは、突状部15Dによって間隙123Bに押し込まれ、突条部15Dの形状に沿うように二つ折りされる(押さえ工程、
図16参照)。
【0070】
そして、押さえ部材15Bの内部空間15Eにコンプレッサ30から圧縮空気A2が所要時間Tだけ送給され、内部空間15Eの空気圧を高めるよう作用する。外皮材Dの中間位置部分(つまり、開口123Aの上方に位置する外皮材Dの一部)は、内材Fと共に(内材Fを介した)圧縮空気A2の空気圧により傾斜面124Fに沿って下方に膨張し(窪み)、ついには包合板124の下方まで膨張し椀状に形成され、椀状の外皮材Dの中に内材Fが配置される。
また、間隙123Bに位置する外皮材周縁部DAは、膨張する外皮材Dの引っ張りにより下方に移動し、新たな周縁両端部DBが形成される。周縁両端部DBの底部は載置工程時より下がり、同上面は折り曲げられた外皮材Dが突起部15Dの下で重なり溝部DZが形成される(椀状形成工程、内材配置工程、
図17参照)。
ベルトコンベア17Aは、第1の実施形態と同様に下方に膨張する外皮材Dの底部を支持する(支持工程、
図17参照)。
【0071】
押さえ部材15Bが昇降フレーム15Aとともに上昇すると、離反していた一対の包合板124(124W、124Z)が接近動作する。
このとき、各包合板124の間に形成される間隙123Bは狭くなる。間隙123Bに位置する周縁両端部DBは各包合板124の端部124Bの間で挟圧され、偏平化する。外皮材Dが重ね合う周縁両端部DBは確実に封着され、折り畳み食品Pにおける両端封着部DRとなる。また、両端封着部DRの上端には新たな溝部DZが形成される(挟圧工程、
図18参照)。
続いて、各包合板124W、124Zが閉じるように揺動することで、外皮材Dの周縁部DAは折り畳まれ重ね合い、対向する載置面124Cの間で封着され、折り畳み食品Pが成形される(封着工程、
図19参照)。
包合板124Wと124Zは、同一の形状のため、外皮材保持部124Hが同じ位置で対向することになる。そのため、外皮材保持部124Hの間に形成された間隙123Cは、対向した包合板の間で最も狭い箇所になる。従って、この間隙123Cに存在する外皮材の下流側外皮材周縁部DAWと上流側外皮材周縁部DAZは、外皮材保持部124Hに封着する力が集中するので強力に封着される。
その後の、離型工程、搬出工程及び包合ユニット123の初期状態への復帰工程は、第1の実施形態と同じ工程であり、説明を省略する。
【0072】
次に、本発明の第3の実施形態に係る包被食品Pの成形装置201について
図20を参照して説明する。なお、第1及び第2の実施形態と同様な構成については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
成形装置201は、延展装置2、整列装置3、外皮材成型装置4及び折り畳み成形装置207及び各装置の動作を制御する制御装置221を備えている。折り畳み成形装置207は、基台7Aに供給コンベア11、包合装置13、押さえ装置215、支持装置17、搬出コンベア19を備えている。
【0073】
折り畳み成形装置207の押さえ装置215は、包合装置13の上方に配置されている。押さえ装置215は、昇降フレーム215Aと、各包合ユニット23に対応する押さえ部材215Bと内材供給装置205を備えている。内材供給装置205は、内材Fを外皮材Dに配置するよう供給する吐出部205A及び吐出部205Aに内材Fを送給する送給装置205Cを備えている。
【0074】
吐出部205Aは、管状のノズル205Eとノズル205Eの内部を上下動するピストン205Kが備えられている。ピストン205Kは、その上端が直動式のアクチュエータ205Lに連結されている。また、ノズル205Eの下端には吐出口205Fが形成され、ノズル205Eの周面には送給装置205Cに連通する供給口205Mが備えられている。したがって、ピストン205Kの上下動により吐出口205F及び供給口205Mが開閉される。吐出部205Aは、内材Fを間欠的に送給する送給装置205Cと吐出口205Fを開閉するピストン205Kを連動させることにより、吐出口205Fから所要量の内材Fを間欠的に吐出する。また、ピストン205Kには、吐出された内材Fをノズル205Eから離すため圧縮空気A1を噴出する空気噴出口205Nを備えている。この場合、内材供給装置205が内材Fを吐出する吐出圧にて外皮材Dを椀状に形成する椀状形成装置となる(
図21参照)。
【0075】
押さえ部材215Bは、ノズル205Eの下部に一体的に備えられている。押さえ部材215Bは、下方向に開口215Gを有するカップ形状であり、押さえ部材215Bの下面には押圧面215Cと突状部215Dが形成されている。押圧面215Cは、包合ユニット23が開状態であるとき水平な各包合板24の載置外周面24Dに平行となるよう形成されている。また、突状部215Dは、押圧面215Cから下方に突出し、Y方向に沿った両端の2ヶ所に形成されている。
また、円環状の周壁215Hを塞ぐ天井部215Kの中央にノズル205Eが貫通している。押さえ部材215Bは、ノズル205Eを介して昇降フレーム215Aに連結され、昇降する可動位置を制御装置221にて調整可能に制御されている。
【0076】
次に、本発明の第3の実施形態に係る成形装置201による折り畳み食品Pの成形工程について、
図14乃至
図19を参照して説明する。なお、各図の(a)と(b)は同じ工程の図であり、各図の(a)は一方の包合ユニット23の中央部のX方向の断面図であり、各図の(b)は一方の包合ユニット23の正面図であり、概念的に示した説明図である。延展装置2にて延展された偏平状の外皮材Dは、整列装置3にて外皮材Dの幅Wが計測され、幅方向の中心位置がノズル205Eの吐出口205Fの下方位置(つまり、包合ユニット23の開口23Aの中心位置)に一致するよう位置合わせされる。外皮材Dは、外皮材成型装置4にてX方向に沿って長い略楕円形に形成され、供給コンベア11に搬送される。
【0077】
制御装置221は、供給コンベヤ11に備えられたエンコーダ(図示なし)からの信号とセンサ11Bからの感知信号に基づき、外皮材Dの移動位置と外皮材DのX方向に沿った長さLの中心位置LDを算出する。
供給コンベア11は、制御装置221からの指令に基づき、平面視における包合ユニット23の開口23Aの中心23AOと一致する位置に、外皮材Dの長さLの中心LDから距離LXだけX方向上流側に離れた内材載置位置LFを位置合わせして搬送を停止する。詳細には、先端部11A上にはX方向に沿って2つの外皮材Dが離れて載置されている。
【0078】
包合装置13の包合ユニット23は、一対の包合板24を開き、互いに離反した位置で待機している。この状態を初期状態と称する(初期位置、
図21参照)。
次いで、先端部11Aは一気に後退し、先端部11A上に載置されていた下流側の外皮材Dは、下流側の包合ユニット23Wの一対の包合板24の載置面24C上に移載される。続いて、上流側の外皮材Dも同様に、上流側の包合ユニット23Zの一対の包合板24の載置面24C上に移載される。
このとき、外皮材Dは内材Fの重量及び落下の影響で、対向する傾斜面24F内に入り込み、窪んだ状態になる。また、両側の間隙23B上に位置する外皮材周縁部DAを周縁両端部DBと称す。周縁両端部DBは一対の包合板24(24W、24Z)の端部24Bの間に少し入り込み窪んだ状態になる(移載工程、
図21参照)。
【0079】
先端部11Aが上流端の待機位置まで後退すると、押さえ装置215の昇降フレーム215Aと共に押さえ部材215Bが包合ユニット23に向かって下降し、設定位置にて停止する。
押さえ部材215Bの下端の半円状の押圧面215Cは外皮材Dの周縁部DAを包合板24の外皮材保持部24Hに押さえる。
包合板24に押さえられた周縁部DAは、押圧面215Cと外皮材保持部24Hの間で強く保持される。ここでは、保持された周縁部DAの内側に位置する外皮材Dを中間位置部分と称す。
また、押さえ部材215Bの各突条部215Dが、離反状態の一対の包合板24(24W、24Z)の各間隙23Bに挿入される。
周縁両端部DBは、突状部215Dによって間隙23Bに押し込まれ、突条部215Dの形状に沿うように二つ折りされる(押さえ工程、
図22参照)。
【0080】
続いて、内材供給装置205のノズル205Eから内材Fを外皮材Dの中間位置部分に押出する。外皮材Dは、ノズル205Eからの内材Fの吐出圧により傾斜面24Fに沿って下方に膨張し(窪み)、ついには包合板24の下方まで膨張し椀状に形成され、椀状の外皮材Dの中に内材Fが配置される
また、間隙23Bに位置する外皮材周縁部DAは、膨張する外皮材Dの引っ張りにより下方に移動し、新たな周縁両端部DBが形成される。周縁両端部DBの底部は載置工程時より下がり、同上面は折り曲げられた外皮材Dが突起部215Dの下で重なり溝部DZが形成される(椀状形成工程、内材配置工程、
図23参照)。
ベルトコンベア17Aは、第1の実施形態と同様に下方に膨張する外皮材Dの底部を支持する(支持工程、
図23参照)。
【0081】
続いて、押さえ部材215Bが昇降フレーム215Aと共に上昇する。この時、内材供給装置205のピストン205Kの空気噴出口205Nから圧縮空気A1を噴出しノズル205Eへの内材Fの粘着を防止する。
その後、離反していた一対の包合板24(24W、24Z)が接近動作する。
このとき、各包合板24の間に形成される間隙23Bは狭くなる。間隙23Bに位置する周縁両端部DBは各包合板24の端部24Bの間で挟圧され、偏平化する。外皮材Dが重ね合う周縁両端部DBは確実に封着され、折り畳み食品Pにおける両端封着部DRとなる。また、両端封着部DRの上端には新たな溝部DZが形成される(挟圧工程、
図24参照)。
続いて、各包合板24W、24Zが閉じるように揺動することで、外皮材Dの周縁部DAは折り畳まれ重ね合い、対向する載置面24Cの間で封着され、折り畳み食品Pが成形される(封着工程)。
このとき、外皮材保持部24HWと24HZは、特に、最上部では位置がずれて対向しているので、載置面24CWと24CZの間の間隙23Cは、縦断面において曲がりくねった間隙となり、この間隙23Cに存在する下流側外皮材周縁部DAWと上流側外皮材周縁部DAZは密着する面積が大きくなり、より強力に結着される(封着工程)。
その後の、離型工程、搬出工程及び包合ユニット23の初期状態への復帰工程は、第1の実施形態と同じ工程であり、説明を省略する。
【0082】
次に、本発明の第4の実施形態に係る包被食品Pの成形装置301について説明する。なお、前述の実施形態と同様な構成については同一の符号を付し詳細な説明は省略する。
成形装置301は、延展装置2、整列装置3、外皮材成型装置4及び折り畳み成形装置307及び各装置の動作を制御する制御装置321を備えている。折り畳み成形装置307は、第3の実施形態の折り畳み成形装置207の押さえ装置215を、折り畳み成形装置307の押さえ装置315に置換した構成である。折り畳み成形装置307は、基台7Aに供給コンベア11、包合装置113、押さえ装置315、支持装置17、搬出コンベア19を備えている。
【0083】
押さえ装置315は、包合装置113の上方に配置され、各包合ユニット123に対応する押さえ部材315Bと内材供給装置305を備えている。
内材供給装置305は、内材Fを外皮材Dに配置するよう供給する吐出部305A及び吐出部305Aに内材Fを送給する送給装置305Cを備えている。押さえ部材315Bは昇降フレーム315Aの下面に取り付けられ、昇降位置を調整可能に備えられている。
また、吐出部305Aは押さえ部材315Bとともに昇降するとともに、昇降フレーム315Aから別個の独立した昇降機構305Pにより昇降位置を調整可能に備えられている。これらの昇降位置の調整を含めて、整列装置3及び折り畳み成形装置307の動作は制御装置321にて制御されている。
【0084】
吐出部305Aは、管状のノズル305Eとノズル305Eの内部を上下動し、ノズル305Eの吐出口305Fを開閉する弁部材305Rが備えられている。弁部材305Rは、その上端が直動式のアクチュエータ305Lに連結されている。また、弁部材305Rは、回転式のアクチュエータ305Sに歯車列などの動力伝達機構に連結され周方向に回転可能に備えられている。
【0085】
ノズル305Eは、昇降フレーム315A及び押さえ部材315Bの天井部315Kを貫通して押さえ部材315Bの内部に達している。ノズル305Eはアクチュエータ305Lを作動させることにより押さえ部材315Bの内部で昇降する。この場合、ノズル305Eが押し込み装置として外皮材Dを下方に押し延ばして外皮材Dを椀状に形成する椀状形成装置となる。
【0086】
次に、本発明の第4の実施形態に係る成形装置301による包被食品Pの成形工程について
図25乃至
図29を参照して説明する。延展装置2で偏平状に延展された外皮材Dは、整列装置3にて位置合わせされた後に、外皮材成型装置4にて円盤状に成型され、供給コンベア11に搬送される。
【0087】
制御装置321は、供給コンベヤ11に備えられたエンコーダ(図示なし)からの信号とセンサ11Bからの外皮材Dの感知信号に基づき、外皮材Dの移動位置と外皮材DのX方向に沿った長さLの中心位置LDを算出する。
供給コンベア11は、制御装置221からの指令に基づき、平面視における包合ユニット123の開口123Aの中心123AOと一致する位置に、外皮材Dの長さLの中心LDを位置合わせして搬送を停止する。詳細には、先端部11A上には、X方向に沿って2つの外皮材Dが離れて載置されている。
【0088】
包合装置113の包合ユニット123は、一対の包合板124を開き、互いに離反した位置で待機している。この状態を初期状態と称する(初期位置、
図25参照)。
次いで、先端部11Aは一気に後退し、先端部11A上に載置されていた下流側の外皮材Dは、下流側の包合ユニット123Wの一対の包合板124の載置面124C上に移載される。続いて、上流側の外皮材Dも同様に、上流側の包合ユニット123Zの一対の包合板124の載置面124C上に移載される。
このとき、外皮材Dは内材Fの重量及び落下の影響で、対向する傾斜面124F内に入り込み、窪んだ状態になる。また、両側の間隙123B上に位置する外皮材周縁部DAを周縁両端部DBと称す。周縁両端部DBは一対の包合板124(124W、124Z)の端部124Bの間に少し入り込み窪んだ状態になる(移載工程、
図25参照)。
【0089】
先端部11Aが上流端の待機位置まで後退すると、押さえ装置315の昇降フレーム315Aと共に押さえ部材315Bが包合ユニット123に向かって下降し、設定位置にて停止する。
押さえ部材315Bの下端の半円状の押圧面315Cは外皮材Dの周縁部DAを包合板124の外皮材保持部124Hに押さえる。
包合板124に押さえられた周縁部DAは、押圧面315Cと外皮材保持部124Hの間で強く保持される。ここでは、保持された周縁部DAの内側に位置する外皮材Dを中間位置部分と称す。
また、押さえ部材315Bの各突条部315Dが、離反状態の一対の包合板124(124W、124Z)の各間隙123Bに挿入される。
周縁両端部DBは、突状部315Dによって間隙123Bに押し込まれ、突条部315Dの形状に沿うように二つ折りされる(押さえ工程、
図26参照)。
【0090】
続いて、内材供給装置305のノズル305Eが包合ユニット123の開口123Aを通り抜けて下降することにより、外皮材Dの中間位置部分を開口123Aから下方に押し延ばし、外皮材Dの中央が椀状に形成される(椀状形成工程、
図27参照)。
ノズル305Eは上昇すると共に椀状の外皮材Dの中に吐出口305Fから内材Fを吐出する(内材配置工程、
図27参照)。
ノズル305Eは、その下端が開口123Aの上端近傍で一時的に上昇を停止し、弁部材305Rがノズル305E内で下降して吐出口305Fを閉鎖することにより内材Fの吐出が終了し、外皮材Dの中に内材Fが配置される。
このとき、送給装置305Cからの内材Fの送給は一時的に停止する。そして、包合板24から所要の間隔で待機しているベルトコンベア17Aは膨張する外皮材Dの底部を支持する(支持工程、
図27参照)。
【0091】
弁部材305Rがアクチュエータ305Sにより周方向に回転しながらアクチュエータ305Lによりノズル305E内を上昇し、その後、ノズル305Eと押さえ部材315Bが上昇する。
その後、離反していた一対の包合板124(124W、124Z)が接近動作する。
このとき、各包合板124の間に形成される間隙123Bは狭くなる。間隙123Bに位置する周縁両端部DBは各包合板124の端部124Bの間で挟圧され、偏平化する。外皮材Dが重ね合う周縁両端部DBは確実に封着され、折り畳み食品Pにおける両端封着部DRとなる。また、両端封着部DRの上端には新たな溝部DZが形成される(挟圧工程、
図28参照)。
続いて、各包合板124W、124Zが閉じるように揺動することで、外皮材Dの周縁部DAは折り畳まれ重ね合い、対向する載置面124Cの間で封着され、折り畳み食品Pが成形される(封着工程)。
包合板124Wと124Zは、同一の形状のため、外皮材保持部124Hが同じ位置で対向することになる。そのため、外皮材保持部124Hの間に形成された間隙123Cは、対向した包合板の間で最も狭い箇所になる。従って、この間隙123Cに存在する外皮材の下流側外皮材周縁部DAWと上流側外皮材周縁部DAZは、外皮材保持部124Hに封着する力が集中するので強力に封着される。
その後の、離型工程、搬出工程及び包合ユニット123の初期状態への復帰工程は、第1の実施形態と同じ工程であり、説明を省略する。
【0092】
上記説明から理解できるように、本発明によれば、1対の包合板24からなる包合ユニット23が開状態にあるとき、押さえ部材15B(215B、315B)にて外皮材Dの周縁部DAを包合板24(124)に押さえ、椀状形成装置(押さえ装置15における圧縮空気供給装置、押さえ装置215における内材供給装置205、押さえ装置315における押し込み装置であるノズル305E)で、外皮材Dの中間位置部分を包合ユニット23(123)の開口23A(123A)から下方に延ばし外皮材Dを椀状に形成することができる。そして、包合ユニット23(123)を閉動作させることにより内材Fが配置された外皮材Dの周縁部DAは折り畳まれ、対向する載置面24D(124D)の間で封着される。このとき、開口23A(123A)を形成する凹部24E(124E)により内材Fと外皮材Dの間に空隙が生じることが抑制される。また、内材Fが外皮材Dの封着部分から外方へ漏出することなく包み込むことができ、折り畳み食品Pが安定して成形することができる。さらに、傾斜面24F(124F)の作用により内材Fを折り畳み食品Pの内部で下方に押し下げるとともに折り畳み食品Pの肩部の形状を確実に形成することができる。
【0093】
第1乃至第4の実施形態において、外皮材成型装置4は外皮材を成型する装置であるが、変形例として、上面押圧部材4Cに切断刃4Eを適宜個数備えることで、外皮材Dに切り込みを入れてから折り畳み成形を行うことが可能である。
例えば、第1の実施形態において、外皮材Dの下流側周縁部DAWに切り込みを入れて折り畳み成形を行うことで、周縁部DAに切り込みの入った折り畳み食品Pを安定して生産することが可能になる。
切断刃は、外皮材成型装置4以外でも、包合板24(124)に備えることで折り畳み成形と同時に外皮材Dに切り込みを入れることも可能である。また、押さえ部材の押圧面15C(215C、315C)に切断刃を備えることで、押さえ工程時に外皮材Dに切り込みを入れることも可能である。
これらの構成にすることで、例えば切り込みの入ったクリームパンを安定して生産することが可能になる。
【0094】
包合板24(124)の形状は、上述の形状に限らず様々な変更が可能である。
例えば、外皮材保持部24Hと傾斜面24Fの位置関係は上述の実施形態の限りではない。また、外皮材保持部24Hの断面形状は、上述の形状に限らず半円形状や台形、三角形でもよく、複数の半球形状の突起を円弧状に並べた形態でもよい。
また、傾斜面24Fの断面形状は直線に限定されるものではなく、曲線でもよく、直線と曲線を組み合わせた形状でもよい。
【0095】
第1乃至第4の実施形態では、外皮材Dに内材Fを配置する3つの手段について説明したが、内材Fの物性や外皮材Dに対する内材Fの供給量の大小などに応じて適宜選択すればよいものである。
【0096】
外皮材Dに対する内材Fの配置位置、包合ユニット23(123)に対する外皮材Dの載置位置、包合ユニット23(123)に対する内材Fの配置位置は、生産する折り畳み食品によって適宜に変更することが可能である。
【0097】
本発明の実施の形態に係る折り畳み食品Pの成形装置の説明は概ね上記のとおりであるが、これに限らず特許請求の範囲において種々の変更が可能である。上記説明では、包合装置13(113)を昇降させず、押さえ装置15(215、315)及び支持装置17をそれぞれ包合装置13(113)に接近離反するよう昇降可能に設けたが、これらは、相対的なものであり、何れの装置を固定し、他の装置を昇降させてもよいものである。
【0098】
また、包合ユニット23(123)を構成する1対の包合板24(124)において、対向する内側を揺動する中心として固定し、外側を上下に旋回して包合板を揺動するよう説明したが、対向する内側を上下動させ、外側を互いに接近離反するよう水平方向に移動させることにより包合ユニットを開閉させることも可能である。
【0099】
また、第1乃至第4の実施形態では、押さえ部材15B(215B、315B)の内部空間15Eに圧縮空気A2を供給することにより内部空間15Eの空気圧を高めるよう説明したが、例えば、押さえ部材15B(215B、315B)の内側に備えた相対的に昇降するピストン部材を下降することにより内部空間の空気圧を高めることが可能である。この場合、ピストン部材が空気圧上昇装置であり押さえ部材15B(215B、315B)とともに外皮材Dを椀状に成形する椀状形成装置となる。
【0100】
また、外皮材Dに載置する内材Fの形状を開口23A(123A)の形状に対応するように、例えば長円形状(俵型)にすることで、折り畳み成形時に外皮材Dと内材Fの間に空隙が生じなくなる。また、内材供給装置を複数配置することで、複数の内材Fを内包した折り畳み食品とすることも可能であり、固形物供給装置を配置すれば、固形物を内包した折り畳み食品とすることも可能である。
【0101】
また、第1乃至第4の実施形態では包合ユニット23(123)は、一対の包合板24(124)が水平状態を開状態としたが、包合板24(124)の載置面24D(124D)をV字状に傾斜させて開状態とし、これに対応して押さえ部材15B(215B、315B)の押圧面をV字状に形成することも可能である。
【符号の説明】
【0102】
1 (折り畳み食品の)成形装置
2 延展装置
3 整列装置
5、205、305 内材供給装置
7、107、207、307 折り畳み成形装置
13、113 包合装置
15、215、315 押さえ装置
15B、215B、315B 押さえ部材
15C、215C、315C 押圧面
15D、215D、315D 突出部
17 支持装置
21、221,321 制御装置
23、123 包合ユニット
24(24W、24Z)、124(124W、124Z) 包合板
25 駆動機構
D 外皮材
DD 生地玉
DA 外皮材周縁部
DB 外皮材周縁両端部
DF 封着面
DR 両端封着部
DZ 溝部
F 内材
P 包被食品
R 搬送方向
L 外皮材DのX方向に沿った長さ
LD 外皮材の長さLの中心位置
LF 内材載置位置
LX LDとLFの距離
X 搬送方向
Y X方向に直交する方向