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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-24
(45)【発行日】2022-06-01
(54)【発明の名称】画像表示方法及び画像表示装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/431 20110101AFI20220525BHJP
   H04N 21/472 20110101ALI20220525BHJP
   G06F 3/04815 20220101ALI20220525BHJP
   G06F 3/04845 20220101ALI20220525BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20220525BHJP
【FI】
H04N21/431
H04N21/472
G06F3/0481 150
G06F3/0484 150
G06F3/01 570
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2019514511
(86)(22)【出願日】2018-04-24
(86)【国際出願番号】 JP2018016517
(87)【国際公開番号】W WO2018199052
(87)【国際公開日】2018-11-01
【審査請求日】2021-04-09
(31)【優先権主張番号】62/489,582
(32)【優先日】2017-04-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514136668
【氏名又は名称】パナソニック インテレクチュアル プロパティ コーポレーション オブ アメリカ
【氏名又は名称原語表記】Panasonic Intellectual Property Corporation of America
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】吉川 哲史
(72)【発明者】
【氏名】杉尾 敏康
(72)【発明者】
【氏名】松延 徹
(72)【発明者】
【氏名】小山 達也
【審査官】松元 伸次
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-183209(JP,A)
【文献】特開2016-220186(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F3/01
3/048-3/04895
H04N7/10
7/14-7/173
7/20-7/56
21/00-21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一シーンを異なる視点から見た複数の映像であって、実映像を基に生成された仮想映像を少なくとも一つ含む複数の映像を一つのフレーム内に配置した統合映像を表示する表示ステップと、
前記複数の映像の視点を選択するための第1ユーザインタフェースを表示し、前記第1ユーザインタフェースを介した入力に応じて、前記複数の映像の視点を変更する視点変更ステップと、
前記複数の映像の再生速度及び再生方向を変更するための第2ユーザインタフェースを表示し、前記第2ユーザインタフェースを介した入力に応じて、前記複数の映像の再生速度及び再生方向を変更する再生速度変更ステップとを含み、
前記第2ユーザインタフェースに対する操作が終了した場合、操作終了時の前記再生速度及び前記再生方向が維持される
画像表示方法。
【請求項2】
前記第2ユーザインタフェースでは、オブジェクトを第1方向に移動させることで前記再生速度が変更され、前記オブジェクトを前記第1方向と直行する第2方向に移動させることで前記再生方向が変更される
請求項記載の画像表示方法。
【請求項3】
前記第2ユーザインタフェースは、ダイアルを含み、前記ダイアルの回転量に応じて前記再生速度が変更され、前記ダイアルの回転方向に応じて前記再生方向が変更される
請求項記載の画像表示方法。
【請求項4】
前記第2ユーザインタフェースは、スライドバーを含み、前記スライドバーのスライド
量に応じて前記再生速度が変更され、前記スライドバーのスライド方向に応じて前記再生方向が変更される
請求項記載の画像表示方法。
【請求項5】
前記第1ユーザインタフェース及び前記第2ユーザインタフェースの少なくとも一方は、非操作時において透過表示される
請求項1~のいずれか1項に記載の画像表示方法。
【請求項6】
画面内の予め定められた位置への選択操作に基づき、前記予め定められた位置に前記第1ユーザインタフェース及び前記第2ユーザインタフェースの少なくとも一方が表示される
請求項1~のいずれか1項に記載の画像表示方法。
【請求項7】
画面内の任意の位置への選択操作に基づき、選択された位置に前記第1ユーザインタフェース及び前記第2ユーザインタフェースの少なくとも一方が表示される
請求項1~のいずれか1項に記載の画像表示方法。
【請求項8】
前記第1ユーザインタフェース及び前記第2ユーザインタフェースの少なくとも一方は、前記複数の映像の各々に対応して表示され、
対応する前記第1ユーザインタフェース又は前記第2ユーザインタフェースへの操作に基づき、対応する映像の視点又は再生速度が変更される
請求項1~のいずれか1項に記載の画像表示方法。
【請求項9】
前記第1ユーザインタフェース及び前記第2ユーザインタフェースの少なくとも一方の操作に基づき、前記複数の映像の視点又は再生速度が変更される
請求項1~のいずれか1項に記載の画像表示方法。
【請求項10】
前記第1ユーザインタフェースは、選択可能な視点位置の軌跡と、前記軌跡上に配置され、視点位置を示すオブジェクトとを含み、前記オブジェクトを前記軌跡上の任意の位置に移動させることで、移動後の前記軌跡上に位置に対応する視点に前記複数の映像の視点が変更される
請求項1~のいずれか1項に記載の画像表示方法。
【請求項11】
前記第1ユーザインタフェースは、複数の注視点のいずれかを選択するための第1操作部と、前記複数の注視点のうち、選択された注視点を写す複数の視点からいずれかの視点を選択するための第2操作部とを含む
請求項1~のいずれか1項に記載の画像表示方法。
【請求項12】
前記第1ユーザインタフェースでは、周辺環境を二次元又は三次元的に示す環境情報上に、複数の視点位置に対応する複数のオブジェクトが配置されており、前記複数のオブジェクトのいずれかが選択されることで、選択されたオブジェクトに対応する視点位置の映像に前記複数の映像が変更される
請求項1~のいずれか1項に記載の画像表示方法。
【請求項13】
前記複数の映像は、第1映像と、第2映像とを含み、
前記第1映像の第1解像度は、前記第2映像の第2解像度と異なる
請求項1~12のいずれか1項に記載の画像表示方法。
【請求項14】
前記複数の映像は、第1画像と、第2画像とを含み、
前記第1画像と前記第2画像は、同一視点から撮像され、
前記第1画像の撮像タイミングと、前記第2画像の撮像タイミングは異なる
請求項1~13のいずれか1項に記載の画像表示方法。
【請求項15】
前記視点変更ステップでは、前記再生速度変更ステップで前記複数の映像を逆再生するときに、視点変更された順序の逆順序で視点を変更する
請求項1~14のいずれか1項に記載の画像表示方法。
【請求項16】
同一シーンを異なる視点から見た複数の映像であって、実映像を基に生成された仮想映像を少なくとも一つ含む複数の映像を一つのフレーム内に配置した統合映像を表示する表示部と、
前記複数の映像の視点を選択するための第1ユーザインタフェースを表示し、前記第1ユーザインタフェースを介した入力に応じて、前記複数の映像の視点を変更する視点変更部と、
前記複数の映像の再生速度及び再生方向を変更するための第2ユーザインタフェースを表示し、前記第2ユーザインタフェースを介した入力に応じて、前記複数の映像の再生速度及び再生方向を変更する再生速度変更部とを備え
前記第2ユーザインタフェースに対する操作が終了した場合、操作終了時の前記再生速度及び前記再生方向が維持される
画像表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像表示方法及び画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
多視点映像の配信方法として、特許文献1には、複数の視点から撮影された映像を視点移動に連動して配信する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-165200号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
多視点映像を表示する画像表示方法では、映像を視聴するユーザの利便性を向上できることが望まれている。
【0005】
そこで本開示は、映像を視聴するユーザの利便性を向上できる画像表示方法又は画像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る画像表示方法は、同一シーンを異なる視点から見た複数の映像であって、実映像を基に生成された仮想映像を少なくとも一つ含む複数の映像を一つのフレーム内に配置した統合映像を表示する表示ステップと、前記複数の映像の視点を選択するための第1ユーザインタフェースを表示し、前記第1ユーザインタフェースを介した入力に応じて、前記複数の映像の視点を変更する視点変更ステップと、前記複数の映像の再生速度及び再生方向を変更するための第2ユーザインタフェースを表示し、前記第2ユーザインタフェースを介した入力に応じて、前記複数の映像の再生速度及び再生方向を変更する再生速度変更ステップとを含み、前記第2ユーザインタフェースに対する操作が終了した場合、操作終了時の前記再生速度及び前記再生方向が維持される
【0007】
なお、これらの全般的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0008】
本開示は、映像を視聴するユーザの利便性を向上できる画像表示方法又は画像表示装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施の形態1に係る画像配信システムの概要を示す図である。
図2A図2Aは、実施の形態1に係る統合画像の一例を示す図である。
図2B図2Bは、実施の形態1に係る統合画像の一例を示す図である。
図2C図2Cは、実施の形態1に係る統合画像の一例を示す図である。
図2D図2Dは、実施の形態1に係る統合画像の一例を示す図である。
図3図3は、実施の形態1に係る統合画像の一例を示す図である。
図4図4は、実施の形態1に係る統合画像の一例を示す図である。
図5図5は、実施の形態1に係る画像配信システムの構成を示す図である。
図6図6は、実施の形態1に係る統合映像送信装置のブロック図である。
図7図7は、実施の形態1に係る統合映像生成処理のフローチャートである。
図8図8は、実施の形態1に係る送信処理のフローチャートである。
図9図9は、実施の形態1に係る画像表示装置のブロック図である。
図10図10は、実施の形態1に係る受信処理のフローチャートである。
図11図11は、実施の形態1に係る画像選択処理のフローチャートである。
図12図12は、実施の形態1に係る画像表示処理のフローチャートである。
図13A図13Aは、実施の形態1に係る表示例を示す図である。
図13B図13Bは、実施の形態1に係る表示例を示す図である。
図13C図13Cは、実施の形態1に係る表示例を示す図である。
図14図14は、実施の形態1に係るUI処理のフローチャートである。
図15図15は、実施の形態2に係るUIの表示例を示す図である。
図16図16は、実施の形態2に係る視点制御UIの例を示す図である。
図17図17は、実施の形態2に係る視点制御UIの表示操作の例を示す図である。
図18図18は、実施の形態2に係る視点制御UIの例を示す図である。
図19図19は、実施の形態2に係る視点制御UIの例を示す図である。
図20図20は、実施の形態2に係る速度制御UIの表示例を示す図である。
図21図21は、実施の形態2に係る速度制御UIの例を示す図である。
図22図22は、実施の形態2に係る速度制御UIの例を示す図である。
図23図23は、実施の形態2に係る速度制御UIの例を示す図である。
図24図24は、実施の形態2に係るインジケータの表示例を示す図である。
図25図25は、実施の形態2に係る受信処理のフローチャートである。
図26図26は、実施の形態2に係る画像表示処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の一態様に係る画像配信方法は、同一シーンを異なる視点から見た複数の画像を複数のユーザに配信し、前記複数のユーザの各々が前記複数の画像から任意の画像を視聴できる画像配信システムにおける画像配信方法であって、前記複数の画像を一つのフレーム内に配置した統合画像を生成する生成ステップと、前記統合画像を前記複数のユーザが使用する複数の画像表示装置に配信する配信ステップとを含む。
【0011】
これによれば、単一の統合画像として複数視点の画像を送信できるので、複数の画像表示装置に同一の統合画像を送信できる。よって、システムの構成を簡略化できる。また、単一画像の形式を用いることで、既存のシステム構成から変更を低減できるとともに、既存の画像圧縮技術等を用いて、配信される映像のデータ量を低減できる。
【0012】
例えば、一つの前記統合画像に含まれる前記複数の画像の少なくとも一つは、実画像を基に生成された仮想画像であってもよい。
【0013】
例えば、一つの前記統合画像に含まれる前記複数の画像の解像度は等しくてもよい。
【0014】
これによれば、複数の画像の管理が容易になるとともに、複数の画像に同一の処理を適用できるので、処理量を低減できる。
【0015】
例えば、一つの前記統合画像に含まれる前記複数の画像は、異なる解像度の画像を含んでもよい。
【0016】
これによれば、例えば、優先度の高い画像の画質を向上できる。
【0017】
例えば、一つの前記統合画像に含まれる前記複数の画像は同じ時刻の画像であってもよい。
【0018】
例えば、2以上の前記統合画像に含まれる前記複数の画像は同じ時刻の画像であってもよい。
【0019】
これによれば、配信する視点の数を増やすことができる。
【0020】
例えば、一つの前記統合画像に含まれる前記複数の画像は、同一の視点の異なる時刻の画像を含んでもよい。
【0021】
これによれば、通信エラーにより画像が欠落した場合においても、画像表示装置は、正しく画像を表示できる。
【0022】
例えば、前記配信ステップでは、さらに、前記統合画像内における前記複数の画像の配置を示す配置情報を前記複数の画像表示装置に配信してもよい。
【0023】
例えば、前記配信ステップでは、さらに、前記統合画像内における前記複数の画像の各々の視点を示す情報を前記複数の画像表示装置に配信してもよい。
【0024】
例えば、前記配信ステップでは、さらに、前記統合画像内における前記複数の画像の各々の時刻情報を前記複数の画像表示装置に配信してもよい。
【0025】
例えば、前記配信ステップでは、さらに、前記統合画像内における前記複数の画像の切り替え順を示す情報を前記複数の画像表示装置に配信してもよい。
【0026】
本開示の一態様に係る画像表示方法は、同一シーンを異なる視点から見た複数の画像を複数のユーザに配信し、前記複数のユーザの各々が前記複数の画像から任意の画像を視聴できる画像配信システムにおける画像表示方法であって、前記複数の画像を一つのフレーム内に配置した統合画像を受信する受信ステップと、前記統合画像に含まれる前記複数の画像のうち一つを表示する表示ステップとを含む。
【0027】
これによれば、単一の統合画像として送信された複数視点の画像を用いて、任意の視点の画像を表示できる。よって、システムの構成を簡略化できる。また、単一画像の形式を用いることで、既存のシステム構成から変更を低減できるとともに、既存の画像圧縮技術等を用いて、配信される映像のデータ量を低減できる。
【0028】
本開示の一態様に係る画像配信装置は、同一シーンを異なる視点から見た複数の画像を複数のユーザに配信し、前記複数のユーザの各々が前記複数の画像から任意の画像を視聴できる画像配信システムに含まれる画像配信装置であって、前記複数の画像を一つのフレーム内に配置した統合画像を生成する生成部と、前記統合画像を前記複数のユーザが使用する複数の画像表示装置に配信する配信部とを備える。
【0029】
これによれば、単一の統合画像として複数視点の画像を送信できるので、複数の画像表示装置に同一の統合画像を送信できる。よって、システムの構成を簡略化できる。また、単一画像の形式を用いることで、既存のシステム構成から変更を低減できるとともに、既存の画像圧縮技術等を用いて、配信される映像のデータ量を低減できる。
【0030】
本開示の一態様に係る画像表示装置は、同一シーンを異なる視点から見た複数の画像を複数のユーザに配信し、前記複数のユーザの各々が前記複数の画像から任意の画像を視聴できる画像配信システムに含まれる画像表示装置であって、前記複数の画像を一つのフレーム内に配置した統合画像を受信する受信部と、前記統合画像に含まれる前記複数の画像のうち一つを表示する表示部とを備える。
【0031】
これによれば、単一の統合画像として送信された複数視点の画像を用いて、任意の視点の画像を表示できる。よって、システムの構成を簡略化できる。また、単一画像の形式を用いることで、既存のシステム構成から変更を低減できるとともに、既存の画像圧縮技術等を用いて、配信される映像のデータ量を低減できる。
【0032】
本開示の一態様に係る画像表示方法は、同一シーンを異なる視点から見た複数の映像であって、実映像を基に生成された仮想映像を少なくとも一つ含む複数の映像のうち少なくとも一つを表示映像として表示する表示ステップと、前記表示映像の視点を選択するための第1ユーザインタフェースを表示し、前記第1ユーザインタフェースを介した入力に応じて、前記表示映像の視点を変更する視点変更ステップと、前記表示映像の再生速度を変更するための第2ユーザインタフェースを表示し、前記第2ユーザインタフェースを介した入力に応じて、前記表示映像の再生速度を変更する再生速度変更ステップとを含む。
【0033】
これによれば、ユーザは、第1ユーザインタフェース及び第2ユーザインタフェースを用いて、視聴する視点及び再生速度を容易に変更できる。よって、当該画像表示方法は、映像を視聴するユーザの利便性を向上できる。
【0034】
例えば、前記第2ユーザインタフェースは、前記表示映像の再生速度及び再生方向を変更するためのものであり、前記再生速度変更ステップでは、前記第2ユーザインタフェースを介した入力に応じて、前記表示映像の再生速度及び再生方向を変更してもよい。
【0035】
これによれば、ユーザは、第2ユーザインタフェースを用いて、再生速度及び再生方向を容易に変更できる。よって、当該画像表示方法は、映像を視聴するユーザの利便性を向上できる。
【0036】
例えば、前記第2ユーザインタフェースでは、オブジェクトを第1方向に移動させることで前記再生速度が変更され、前記オブジェクトを前記第1方向と直行する第2方向に移動させることで前記再生方向が変更されてもよい。
【0037】
これによれば、ユーザは、直感的に再生速度及び再生方向を操作できる。
【0038】
例えば、前記第2ユーザインタフェースは、ダイアルを含み、前記ダイアルの回転量に応じて前記再生速度が変更され、前記ダイアルの回転方向に応じて前記再生方向が変更されてもよい。
【0039】
これによれば、ユーザは、直感的に再生速度及び再生方向を操作できる。
【0040】
例えば、前記第2ユーザインタフェースは、スライドバーを含み、前記スライドバーのスライド量に応じて前記再生速度が変更され、前記スライドバーのスライド方向に応じて前記再生方向が変更されてもよい。
【0041】
これによれば、ユーザは、直感的に再生速度及び再生方向を操作できる。
【0042】
例えば、前記第2ユーザインタフェースに対する操作が終了した場合、操作終了時の前記再生速度及び前記再生方向が維持されてもよい。
【0043】
これによれば、ユーザの利便性を向上できる。
【0044】
例えば、前記第2ユーザインタフェースに対する操作が終了した場合、予め定められた再生速度及び再生方向で前記表示映像が表示されてもよい。
【0045】
これによれば、ユーザの利便性を向上できる。
【0046】
例えば、前記第2ユーザインタフェースに対する操作が終了した場合、前記再生速度及び前記再生方向の一方は操作終了時の状態を維持し、前記再生速度及び前記再生方向の他方は予め定められた状態に戻ってもよい。
【0047】
これによれば、ユーザの利便性を向上できる。
【0048】
例えば、前記第1ユーザインタフェース及び前記第2ユーザインタフェースの少なくとも一方は、非操作時において透過表示されてもよい。
【0049】
これによれば、非操作時において、第1ユーザインタフェース又は第2ユーザインタフェースが映像の視聴の妨げになることを抑制できる。
【0050】
例えば、画面内の予め定められた位置への選択操作に基づき、前記予め定められた位置に前記第1ユーザインタフェース及び前記第2ユーザインタフェースの少なくとも一方が表示されてもよい。
【0051】
これによれば、ユーザの利便性を向上できる。
【0052】
例えば、画面内の任意の位置への選択操作に基づき、選択された位置に前記第1ユーザインタフェース及び前記第2ユーザインタフェースの少なくとも一方が表示されてもよい。
【0053】
これによれば、ユーザの利便性を向上できる。
【0054】
例えば、前記表示ステップでは、複数の表示映像を表示し、前記第1ユーザインタフェース及び前記第2ユーザインタフェースの少なくとも一方は、前記複数の表示映像の各々に対応して表示され、対応する前記第1ユーザインタフェース又は前記第2ユーザインタフェースへの操作に基づき、対応する映像の視点又は再生速度が変更されてもよい。
【0055】
これによれば、ユーザは、表示映像毎に視点又は再生速度を制御できるので、ユーザの利便性を向上できる。
【0056】
例えば、前記表示ステップでは、複数の表示映像を表示し、前記第1ユーザインタフェース及び前記第2ユーザインタフェースの少なくとも一方の操作に基づき、前記複数の表示映像の視点又は再生速度が変更されてもよい。
【0057】
これによれば、ユーザは、複数の表示映像を一括して操作できるので、ユーザの利便性を向上できる。
【0058】
例えば、前記第1ユーザインタフェースは、選択可能な視点位置の軌跡と、前記軌跡上に配置され、視点位置を示すオブジェクトとを含み、前記オブジェクトを前記軌跡上の任意の位置に移動させることで、移動後の前記軌跡上に位置に対応する視点に前記表示映像の視点が変更されてもよい。
【0059】
これによれば、ユーザは、直感的に表示映像の視点を操作できる。
【0060】
例えば、前記第1ユーザインタフェースは、複数の注視点のいずれかを選択するための第1操作部と、前記複数の注視点のうち、選択された注視点を写す複数の視点からいずれかの視点を選択するための第2操作部とを含んでもよい。
【0061】
これによれば、ユーザは、直感的に表示映像の視点を操作できる。
【0062】
例えば、前記第1ユーザインタフェースでは、周辺環境を二次元又は三次元的に示す環境情報上に、複数の視点位置に対応する複数のオブジェクトが配置されており、前記複数のオブジェクトのいずれかが選択されることで、選択されたオブジェクトに対応する視点位置の映像に前記表示映像が変更されてもよい。
【0063】
これによれば、ユーザは、直感的に表示映像の視点を操作できる。
【0064】
本開示の一態様に係る画像表示装置は、同一シーンを異なる視点から見た複数の映像であって、実映像を基に生成された仮想映像を少なくとも一つ含む複数の映像のうち少なくとも一つを表示映像として表示する表示部と、前記表示映像の視点を選択するための第1ユーザインタフェースを表示し、前記第1ユーザインタフェースを介した入力に応じて、前記表示映像の視点を変更する視点変更部と、前記表示映像の再生速度を変更するための第2ユーザインタフェースを表示し、前記第2ユーザインタフェースを介した入力に応じて、前記表示映像の再生速度を変更する再生速度変更部とを備える。
【0065】
これによれば、ユーザは、第1ユーザインタフェース及び第2ユーザインタフェースを用いて、視聴する視点及び再生速度を容易に変更できる。よって、当該画像表示装置は、映像を視聴するユーザの利便性を向上できる。
【0066】
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0067】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本開示の一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0068】
(実施の形態1)
本実施の形態では、多視点カメラで撮影された多視点映像と、その多視点映像を利用して生成された自由視点映像とを含む複数の映像を複数のユーザに同時に提供し、各ユーザが視聴する映像を変更可能な画像配信システムについて説明する。
【0069】
複数のカメラ映像及び自由視点映像を利用することで様々な方向からの映像を取得及び生成することが可能となる。これにより、多様な視聴者のニーズに応えた映像を提供可能である。例えば、多様な視聴者のニーズに応じて、ある選手のアップ映像、又は俯瞰映像等を提供できる。
【0070】
図1は、画像配信システムの概要を示す図である。例えば、校正済みのカメラ(例えば固定カメラ)を用いて同一空間を多視点から撮影することにより撮影する空間を三次元再構成できる(三次元空間再構成)。この三次元再構成されたデータを用いて、トラッキング、シーン解析、及び映像レンダリングを行うことで、任意の視点(自由視点カメラ)から見た自由視点映像を生成できる。これにより、次世代広域監視システム、及び自由視点映像生成システムを実現できる。
【0071】
しかしながら、このようなシステムでは、多様な映像を提供可能である一方、各視聴者の持つニーズに応えるためには視聴者それぞれに異なる映像を提供する必要がある。例えば、スタジアムなどにおいてスポーツ観戦を行っている複数のユーザが映像を視聴する場合には、1000人規模の視聴者が存在する。このような場合において、この多数の視聴者毎に異なる映像を配信するために通信帯域を確保することは困難である。また、視聴途中での視点の切り替えなどの度に配信映像を変更する必要もあり、この処理を視聴者毎に行うことも困難である。よって、視聴者が任意タイミングで視点を切り替えるシステムを実現することは困難である。
【0072】
これに対して、本実施の形態に一形態に係る画像配信システムでは、単一映像(統合映像)に2つ以上の視点映像(カメラ映像及び自由視点映像を含む)を配置し、その単一映像及び配置情報を視聴者(ユーザ)に送信する。また、画像表示装置(受信装置)は、この単一映像から1つ以上の視点映像を表示する機能と、視聴者の操作に基づき表示する映像を切り替える機能とを有する。これにより、多数の視聴者が、異なる視点の映像を視聴できるとともに、任意タイミングでの視聴する映像を切り替えることができるシステムを実現できる。
【0073】
まず、本実施の形態に係る統合映像の構成例について説明する。図2A図2B図2C及び図2Dは、本実施の形態に係る統合画像の一例を示す図である。統合画像は、統合映像に含まれる1つの画像(1フレーム)である。
【0074】
図2A~2Dに示すように、統合画像151A~151Dは、複数の画像152を含む。つまり、高解像度(例えば3840×2160解像度)の統合画像151A~151D内に、複数の低解像度(例えば320×180解像度)の画像152が配置される。
【0075】
ここで、複数の画像152は、例えば、異なる視点の複数の映像に含まれる同一時刻の画像である。例えば、図2Aに示す例では、9個の画像152は、9個の異なる視点の映像に含まれる同一時刻の画像である。なお、複数の画像152は、異なる時刻の画像を含んでもよい。
【0076】
図2A及び図2Bに示すように、複数の画像152は、同一の解像度の画像であってもよいし、図2C及び図2Dに示すように、複数の画像152に複数パターンの解像度の画像が含まれてもよい。
【0077】
例えば、この配置パターン及び解像度は、視聴率又は配信者の意図に応じて決定される。例えば、優先度が高い映像に含まれる画像152ほど大きいサイズ(解像度)に設定される。ここで優先度が高い映像とは、例えば、視聴率が高い映像、又は評価値が高い映像(例えば人物がアップになっている映像)である。これによると、需要の大きい又は演出として見せたい映像の画質を向上させることができる。
【0078】
また、上記の優先度が高い映像に含まれる画像152が左上側に配置されてもよい。ストリーミング配信又は放送の際の符号化処理では、符号量を制御するための処理が行われる。この場合、スキャン順の若い左上領域ほど画質の安定化を図れる。よって、優先度が高い画像の画質の安定化を実現できる。
【0079】
また、複数の画像152は、同一の注視点を見る視点の異なる画像であってもよい。例えば、ボクシングリングの試合の映像では、リングの中央が注視点であり、複数の画像152の視点は、注視点を中心とした円周上に配置された視点である。
【0080】
また、複数の画像152は、異なる注視点を見る視点の画像が含まれてもよい。つまり、複数の画像152は、第1の注視点を見る1以上の視点の1以上の画像と、第2の注視点を見る1以上の視点の1以上の画像とを含んでもよい。例えば、サッカーの試合の場合には、複数の注視点は、各選手であり、各選手を前後左右から見た画像が複数の画像152に含まれる。また、アイドルグループのライブの場合には、各アイドルの全身像及びバストアップ等の各アイドルを多角的に見た画像が複数の画像152に含まれる。
【0081】
また、複数の画像152に、VR(バーチャルリアリティ)等で利用される360度画像が含まれてもよい。また、複数の画像152に、例えば、スポーツ選手の視点を再現した画像が含まれてもよい。また、複数の画像152が、このような画像の生成に利用されてもよい。
【0082】
また、複数の画像152は、実際にカメラで撮影されたカメラ映像に含まれる画像であってもよいし、カメラを設置できない視点を画像処理にて生成した自由視点画像を一つ以上含んでいてもよい。また、全ての画像152が、自由視点画像であってもよい。
【0083】
また、各時刻の統合画像を含む統合映像が生成されてもよいし、映像内の一部の時刻に対してのみ統合画像が生成されてもよい。
【0084】
また、映像(動画像)ではなく静止画に対して同様の処理を行ってもよい。
【0085】
次に、統合画像と共に配信される配置情報に関して説明する。配置情報は、統合画像中の各視点画像(画像152)に関する情報、及び視点切替のルールを定義する情報である。
【0086】
各視点画像に関する情報は、視点位置を示す視点情報又は画像の時刻情報を含む。視点情報は、視点の三次元的な座標を示す情報、又は、マップ上の視点位置の予め定められたID(識別子)を示す情報である。
【0087】
視点画像の時刻情報は、何フレーム目などの絶対的な時刻を示す情報でもよいし、統合画像のフレームとの相対的な関係を示す情報でもよい。
【0088】
視点切替のルールに関する情報は、視点切替の順番を示す情報又はグルーピング情報を含む。視点切替の順番を示す情報は、視点間の関係性を定義した例えばテーブル情報である。例えば、画像表示装置103は、このテーブル情報を用いて、ある視点の、隣の視点を判別できる。これにより、画像表示装置103は、とある視点から一つ隣の視点へ視点を移動する場合にどの視点画像を用いるかを判別できる。また、画像表示装置103は、連続的に視点を変更する際に、切り替える視点の順番を容易に把握できる。これにより、画像表示装置103は、滑らかに視点を切り替えるアニメーションを提供できる。
【0089】
また、各視点(又はその視点の映像)を、連続的に視点移動するような視点間の遷移では利用できるが、その視点の映像を単一で表示しないことを示すフラグが設けられてもよい。
【0090】
また、統合画像に含まれる複数の画像152は同一時刻の画像のみで構成される必要はない。図3は、異なる時刻の画像を含む統合画像151Eの構成例を示す図である。例えば、図3に示すように、時刻(t)の統合画像151Eは、時刻tの複数の画像152Aと、時刻t-1の複数の画像152Bと、時刻t-2の複数の画像152Cとを含む。例えば、図3に示す例では、10視点の映像のそれぞれ3時刻の画像が統合画像151Eに含まれる。
【0091】
これによると、統合映像のあるフレームに欠落が生じた場合でも、視点映像(画像152A~152C)のフレーム欠落を回避できる可能性がある。つまり、画像表示装置は、時刻tの統合画像151Eが欠落した場合でも、他の時刻の統合画像151Eに含まれる時刻tの画像を用いて映像を再生できる。
【0092】
図4は、複数の時刻の統合画像に同じ時刻の複数の画像が含まれる場合の統合画像151Fの構成例を示す図である。図4に示すように、時刻tの統合画像151Fと時刻t+1の統合画像151Fにわたって、時刻tの複数の画像152が含まれる。つまり、図4に示す例では、各統合画像151Fに30視点の時刻tの画像152が含まれる。よって、2枚の統合画像151Fに、合計60視点の時刻tの画像152が含まれる。これにより、ある時刻に関して、提供できる視点映像の数を増やすことが可能となる。
【0093】
また、このような時刻に関する分割方法及び統合方法は1つの映像中で統一せずに切り替えながら使用されてもよい。例えば、サッカーのシュートシーンのような重要なシーンでは、図4に示す方法を用い視点数を増やし、その他のシーンでは、ある時刻の統合画像にその時刻の画像152が含まれてもよい。
【0094】
次に、本実施の形態に係る画像配信システム100の構成を説明する。図5は、本実施の形態に係る画像配信システム100のブロック図である。この画像配信システム100は、複数のカメラ101と、画像配信装置102と、複数の画像表示装置103とを含む。
【0095】
複数のカメラ101は、多視点映像であるカメラ画像群を生成する。全てのカメラにおいて同期撮影が行われてもよいし、映像に時刻情報を埋め込むこと又は映像にフレーム順序を示すインデックス情報を付与することで、画像配信装置102において同一時刻の画像(フレーム)が判別されてもよい。なお、1台以上のカメラ101により1以上のカメラ映像が生成されればよい。
【0096】
画像配信装置102は、自由視点映像生成装置104と、統合映像送信装置105とを含む。自由視点映像生成装置104は、カメラ101からの1以上のカメラ映像を用いて仮想視点から見た自由視点映像を1つ以上生成し、生成した1つ以上の自由視点映像(自由視点映像群)を統合映像送信装置105に送る。
【0097】
例えば、自由視点映像生成装置104は、複数のカメラ映像と、その位置情報を用いて三次元空間を再構成することで三次元モデルを生成し、生成した三次元モデルを用いて自由視点映像を生成する。または、自由視点映像生成装置104は、2台以上のカメラ画像を用いてカメラ間の映像を補間することで自由視点映像を生成する。
【0098】
統合映像送信装置105は、1以上のカメラ映像及び1以上の自由視点映像を用いて、各フレームに複数の画像を含む統合映像を生成する。統合映像送信装置105は、生成された統合映像と統合映像中の映像の位置関係などを示す配置情報とを複数の画像表示装置103に送信する。
【0099】
複数の画像表示装置103の各々は、画像配信装置102から送信された統合映像及び配置情報を受信し、ユーザに対して、統合映像に含まれる複数の視点映像のうち少なくとも1つを表示する。また、画像表示装置103は、UI操作に基づき、表示する視点映像を切り替える機能を有する。これにより、ユーザの操作に基づき、映像をインタラクティブに切り替える機能が実現される。また、画像表示装置103は、現在、視聴されている視点又は視点映像を示す情報を視聴情報として、画像配信装置102にフィードバックする。なお、画像配信システム100は、1つ以上の画像表示装置103を含めばよい。
【0100】
次に、統合映像送信装置105の構成を説明する。図6は、統合映像送信装置105のブロック図である。統合映像送信装置105は、統合映像生成部201と、送信部202と、視聴情報解析部203とを含む。
【0101】
統合映像生成部201は、2以上の映像(カメラ映像又は自由視点映像)から統合映像を生成し、その統合映像中の各映像の配置情報を生成する。
【0102】
送信部202は、統合映像生成部201で生成された統合映像及び配置情報を1つ以上の画像表示装置103に送信する。送信部202は、統合映像と配置情報とを、一つのストリームとして画像表示装置103に送信してもよいし、別々の経路を介して画像表示装置103に送信してもよい。例えば、送信部202は、統合映像を放送波で画像表示装置103に送信し、配置情報をネットワーク通信を用いて画像表示装置103に送信してもよい。
【0103】
視聴情報解析部203は、1つ以上の画像表示装置103から送られてくる視聴情報(例えば、現在画像表示装置103で表示されている視点映像を示す情報)を集計する。視聴情報解析部203は、その統計情報(例えば、視聴率)を統合映像生成部201に渡す。統合映像生成部201は、この統計情報を統合映像生成時の補助情報として利用する。
【0104】
なお、送信部202は、統合映像及び配置情報を、ストリーミング送信してもよいし、一連の映像単位で送ってもよい。
【0105】
また、画像配信装置102は、映像配信時の初期視点までの演出効果として俯瞰映像から初期視点に視点が連続的に切り替わる映像を生成し、生成した映像を配信してもよい。これによると、リプレイタイミングでの導入演出等として、視聴者が、初期視点までの位置又は姿勢といった空間情報を把握するためのシーンを提供できる。または、この処理は、画像表示装置103で行われてもよい。または、画像配信装置102が、視点映像の切替順及び切替タイミングを示す情報を、画像表示装置103に送り、画像表示装置103が当該情報に基づき、表示する視点映像を切り替えることで、上位映像を生成してもよい。
【0106】
次に、統合映像生成部201の動作の流れを説明する。図7は、統合映像生成部201による統合映像生成処理のフローチャートである。
【0107】
まず、統合映像生成部201は、多視点映像を取得する(S101)。この多視点映像は、カメラ映像、及び自由視点映像生成処理又はモーフィング処理などの画像処理によって生成された自由視点映像を、合計2つ以上含む。なお、カメラ映像は、カメラ101から直接、統合映像生成部201に送られる必要はなく、その他記憶装置に一度保存された映像が統合映像生成部201に入力されてもよい。この場合、リアルタイムではなく過去のアーカイブ映像などを活用したシステムを構築可能である。
【0108】
次に、統合映像生成部201は、画像表示装置103からの視聴情報が存在するかを判定する(S102)。視聴情報が存在する場合(S102でYes)、統合映像生成部201は、視聴情報(例えば、各視点映像の視聴率)を取得する(S103)。なお、視聴情報を利用しない場合は、ステップS102及びS103の処理は行われない。
【0109】
続いて、統合映像生成部201は、入力された多視点映像から統合映像を生成する(S104)。まず、統合映像生成部201は、統合映像内に各視点映像を配置するための分割方法を決定する。この際、統合映像生成部201は、図2A及び図2Bに示すように全ての映像を同一解像度で配置してもよいし、図2C及び図2Dに示すように、複数の映像に異なる解像度の映像が含まれてもよい。
【0110】
複数の映像を同一解像度に設定する場合、後段処理において全視点の映像に対して同一の処理を行うことができるので処理負荷を抑えることができる。一方、複数の映像が異なる解像度を含む場合、配信者のお勧めの視点の映像等の優先度の高い映像の画質を向上させることができ、視聴者に応じたサービスを提供することができる。
【0111】
また、図3に示すように、ある時刻の統合画像が複数時刻の多視点画像を含んでもよい。また、図4に示すように、複数時刻の統合画像が、同一時刻の多視点画像を含んでもよい。前者では、時間方向の冗長性を確保できるので通信が不安定な場合でも安定した映像の視聴体験を提供できる。後者では、提供できる視点数を増やすことが可能となる。
【0112】
また、統合映像生成部201は、ステップS103で取得した視聴情報に応じて分割方法を変えてもよい。具体的には、視聴率が高い視点映像を高い解像度の領域に配置することで、当該映像を他の映像より高精細とすることが可能となる。
【0113】
また、統合映像生成部201は、決定した分割方法と、分割された各領域と各入力映像の視点情報とを関連付ける情報(つまり、どの領域にどの視点映像が配置されているかを示す情報)とを含む配置情報を生成する。この際、統合映像生成部201は、さらに、視点間の遷移を示す遷移情報、及び選手毎の映像群を提示するグルーピング情報等を生成してもよい。
【0114】
次に、統合映像生成部201は、生成した配置情報に基づいて、2以上の入力映像から統合映像を生成する。
【0115】
最後に、統合映像生成部201は、統合映像を符号化する(S105)。なお、通信帯域が十分あれば、この処理を行う必要はない。また、統合映像生成部201は、各映像が符号化単位となるように設定してもよい。例えば、統合映像送信装置105は、各映像を、H.265/HEVCにおけるスライス又はタイルに設定する。つまり、各映像を独立して復号できるように符号化が行われる。これによると、復号処理において、一つの視点映像のみを復号することができる。よって、画像表示装置103における処理量を削減できる。
【0116】
また、統合映像生成部201は、視聴情報に応じて各映像に割り当てる符号量を変化さえてもよい。具体的には、統合映像生成部201は、視聴率の高い映像が配置された領域に対しては、量子化パラメータを小さくすることで画質を向上させる。
【0117】
また、統合映像生成部201は、あるグループ(例えば注視点が同一選手、又は同一円周上の視点)に対して、画質(例えば、解像度又は量子化パラメータ等)の均一化を行ってもよい。これによると、視点切り替え時の画質変化を小さくすることが可能となる。
【0118】
また、統合映像生成部201は、各視点映像の境界においては、デブロッキングフィルタを利用しないなど、境界と、その他の領域とで処理を切り替えてもよい。
【0119】
次に、送信部202における処理を説明する。図8は、送信部202による処理のフローチャートである。
【0120】
まず、送信部202は、統合映像生成部201で生成された統合映像を取得する(S201)。続いて、送信部202は、統合映像生成部201で生成された配置情報を取得する(S202)。なお、送信部202は、配置情報が変化しない場合は、新たに配置情報を取得せずに前のフレームで使用した配置情報を使いまわしてもよい。
【0121】
最後に、送信部202は、ステップS201及びS202で取得した統合映像及び配置情報を送信する(S203)。なお、送信部202は、ブロードキャストで情報を送信してもよいし、1対1の通信を用いてもよい。また、送信部202は、配置情報を毎フレーム送信する必要はなく、映像の配置が切り替わったタイミングで配置情報を送信してもよい。または、送信部202は、一定間隔(例えば1秒)で配置情報を送信してもよい。前者では、送信する情報量を最低限にすることが可能である。また、後者では、画像表示装置103で正しい配置情報を定期的に取得できる。よって、画像表示装置103は、通信状況に伴う情報取得の失敗又は途中からの映像取得に対応できる。
【0122】
また、送信部202は、統合映像と配置情報とをインターリーブさせて送信してもよいし、統合映像と配置情報とを別情報として送ってもよい。また、送信部202は、統合映像と配置情報を、インターネットなどの通信経路を用いて送ってもよいし、放送波を用いて送ってもよい。また、送信部202は、これらを組み合わせてもよい。例えば、送信部202は、統合映像を放送波で送信し、配置情報を通信で送信してもよい。
【0123】
次に、画像表示装置103の構成を説明する。図9は、画像表示装置103のブロック図である。画像表示装置103は、受信部301と、視点映像選択部302と、映像表示部303と、UI部304と、UI制御部305と、視聴情報送信部306とを備える。
【0124】
受信部301は、統合映像送信装置105から送信された統合映像及び配置情報を受信する。受信部301は、受信した映像等を保存するバッファ又はメモリを備えてもよい。
【0125】
視点映像選択部302は、配置情報及び現在の表示中の視点映像を示す選択視点情報を用いて、受信した統合映像中の、表示中の1つ以上の視点映像を選択し、当該視点映像を出力する。
【0126】
映像表示部303は、視点映像選択部302で選択された1つ以上の視点映像を表示する。
【0127】
UI部304は、ユーザによる入力操作の解釈及びUI(ユーザインタフェース)の表示を行う。この入力操作は、マウス、キーボード、コントローラ又はタッチパネルといった入力機器を用いて行われてもよいし、音声認識又はカメラを用いたジェスチャー認識などを用いて行われてもよい。また、画像表示装置103は、加速度センサなどのセンサを搭載したデバイス(例えば、スマートフォン又はタブレット端末等)であり、画像表示装置103の傾きなどを検知して、それに応じて入力操作を取得してもよい。
【0128】
UI制御部305は、UI部304で取得した入力操作に基づき、表示している視点映像を切り替えるための情報を出力する。また、UI制御部305は、UI部304で表示するUIの内容を更新する。
【0129】
視聴情報送信部306は、視点映像選択部302で選択されている視点映像を示す選択視点情報に基づき、現在の視聴状況に関する情報(例えば、選択している視点インデックス情報)である視聴情報を統合映像送信装置105に送信する。
【0130】
図10は、受信部301の動作を示すフローチャートである。まず、受信部301は、統合映像送信装置105から送信された情報を受信する(S301)。ストリーミング再生の場合は、送信された情報は、一定時間分の映像を保存できるバッファを経由して、受信部301に入力されてもよい。
【0131】
また、受信部301が一連の映像を受信する場合は、受信部301は、受信した情報をHDD又はメモリなどの記憶装置に格納してもよい。これにより、視点映像選択部302等からの以降の処理の要求に応じて映像の再生及び停止が行われる。これによると、ユーザは、印象的なシーン(例えば、野球のインパクトの瞬間)などでは映像を停止し、そのシーンを多方向から見ることができる。または、画像表示装置103が、そのような映像を生成してもよい。
【0132】
また、ストリーミングにおいて一時的な停止を行った場合は、画像表示装置103は、停止状態の時間分だけ映像をスキップして続きの映像を流してもよい。または、画像表示装置103は、バッファした映像の一部のフレームのスキップ又は早送りして、バッファされている映像より短い時間のダイジェスト映像を生成し、生成されたダイジェスト映像を表示してもよい。これにより、一定時間経過後に表示する映像とストリーミングの時刻とを合わせることができる。
【0133】
続いて、受信部301は、受信した情報に含まれる統合映像を取得する(S302)。次に、受信部301は、受信した情報に配置情報が含まれているかを判定する(S303)。受信した情報に配置情報が含まれていると判定された場合(S303でYes)、受信部301は、受信した情報に含まれる配置情報を取得する(S304)。
【0134】
図11は、視点映像選択部302の処理を示すフローチャートである。まず、視点映像選択部302は、受信部301から出力された統合映像を取得する(S401)。次に、視点映像選択部302は、受信部301から出力された配置情報を取得する(S402)。
【0135】
続いて、視点映像選択部302は、表示する視点を決定するための選択視点情報をUI制御部305から取得する(S403)。なお、視点映像選択部302は、選択視点情報を、UI制御部305から取得するのではなく、視点映像選択部302で前状態などを管理してもよい。例えば、視点映像選択部302は、前状態と同じ視点を選択する。
【0136】
続いて、視点映像選択部302は、ステップS402で取得した配置情報及びステップS403で取得した選択視点情報に基づいて、ステップS401で取得した統合映像から対応する視点映像を取得する(S404)。例えば、視点映像選択部302は、映像表示部303において所望の映像を表示するために、統合映像から視点映像を切り出す。なお、映像表示部303が、統合映像において、選択した視点映像が配置されている領域を拡大表示し、表示領域を限定することによって、単一の視点映像を表示してもよい。
【0137】
例えば、配置情報は、統合画像と同一解像度の二値画像であり、境界線部分が1でそれ以外が0の画像である。また、二値画像中の左上から順番にIDが付与される。視点映像選択部302は、選択視点情報で示される視点に対応するIDが付与されている領域の映像を取り出すことで、所望の映像を取得する。なお、配置情報は、画像である必要はなく、二次元の視点座標と解像度とを示すテキスト情報でもよい。
【0138】
次に、視点映像選択部302は、ステップS404で取得した視点映像を映像表示部303に出力する(S405)。
【0139】
また、視点映像選択部302は、選択中の視点を示す選択視点情報を、視聴情報送信部306に出力する(S406)。
【0140】
なお、選択視点情報に基づき選択される映像は1つだけではなく複数視点の映像であってもよい。例えば、ある視点の映像と、その近傍の視点の映像とが選択されてよいし、その映像と同一注視点の他の視点映像が選択されてもよい。例えば、選択視点情報により選手Aを前から注目した視点が示される場合に、視点映像選択部302は、当該視点の映像に加え、選手Aを横又は後ろから見た視点映像を選択してもよい。
【0141】
また、視点映像選択部302が、複数の視点を選択する際に、視点選択情報により、選択する複数の視点が示されてもよいし、視点選択情報により代表となる1つの視点が示され、視点映像選択部302が、当該視点から他の視点を推定してもよい。例えば、視点映像選択部302は、代表となる視点が選手Bに注目した視点である場合に、当該視点の映像に加え、他の選手C及び選手Dに注目した視点の映像を選択する。
【0142】
また、選択視点情報の初期値は、配置情報に埋め込まれてもよいし、予め定められていてもよい。例えば、統合映像内の位置(例えば左上)が初期値として用いられてもよい。また、視点映像選択部302は、視聴率などの視聴状況に応じて初期値を決定してもよいし、被写体等を顔認識し、事前登録されたユーザの好みに応じて初期値を自動で決定してもよい。
【0143】
図12は、映像表示部303の動作を示すフローチャートである。まず、映像表示部303は、視点映像選択部302から出力された1つ以上の視点映像を取得する(S501)。次に、映像表示部303は、ステップS501で取得した視点映像を表示する(S502)。
【0144】
図13A図13B及び図13Cは、映像表示部303における映像の表示例を示す図である。例えば、図13Aに示すように、映像表示部303は、1つの視点映像153を単一で表示する、または、映像表示部303は、複数の視点映像153を表示する。例えば、図13Bに示す例では、映像表示部303は、全ての視点映像153を同じ解像度で表示する。または、図13Cに示すように、映像表示部303は、複数の視点映像153を異なる解像度で表示する。
【0145】
なお、画像表示装置103は、前フレームでの視点映像を保存しておき、視点が切り替わる際に画像処理により補間映像を生成し、生成した補間映像を、視点切替の際に表示してもよい。具体的には、画像表示装置103は、横に並んだ視点間での切り替え時にモーフィング処理により中間映像を生成し、生成した中間映像を表示する。これにより、滑らかな視点変化を演出することができる。
【0146】
図14は、UI部304及びUI制御部305の処理を示すフローチャートである。まず、UI制御部305は、初期視点を決定し(S601)、決定した初期視点を示す初期情報をUI部304に送信する(S602)。
【0147】
続いて、UI制御部305は、UI部304からの入力の待ち状態となる(S603)。
【0148】
ユーザからの入力情報をUI部304から受信した場合(S603でYes)、UI制御部305は、入力情報に応じて選択視点情報を更新し(S604)、更新した選択視点情報をUI部304に送信する(S605)。
【0149】
UI部304は、まず、UI制御部305からの初期情報を受信する(S701)。続いて、UI部304は、初期情報に応じたUIを表示する(S702)。UI部304は、UIとして以下のいずれか、又は2以上を組み合わせたUIを表示する。例えば、UI部304は、視点を切り替えるための切り替えボタンを表示する。または、UI部304は、地図情報のような、各視点の二次元位置を示す投影図を表示する。または、UI部304は、各視点の注視点の代表画像(例えば、選手の顔画像)を表示する。
【0150】
UI部304は、表示するUIを配置情報に応じて変更してもよい。例えば、UI部304は、円周上に視点が配置されている場合は、ジョグダイアルを表示し、直線に配置されているときはスライド又はフリック操作を行うためのUIを表示する。これにより、視聴者に直観的な操作を提供できる。なお、これらは説明のための一例であり、円周上のカメラ配置でもスライド操作を行うためのUIが用いられてもよい。
【0151】
次に、UI部304は、ユーザの入力があるかを判定する(S703)。この入力操作は、キーボード又はタッチパネルなどの入力機器を介して行われてもよいし、加速度センサなどのセンサの出力から解釈されてもよい。また、入力操作に、音声認識又はジェスチャー認識が用いられてもよい。また、配置されている複数の映像に、同一注視点の映像で、かつズーム倍率の異なる映像が含まれる場合は、ピンチイン及びピンチアウトで、選択される視点が遷移してもよい。
【0152】
ユーザの入力があった場合(S703でYes)、UI部304は、ユーザの入力に基づき視点を変更するための入力情報を生成し、生成した入力情報をUI制御部305に送信する(S704)。次に、UI部304は、UI制御部305からの更新された選択視点情報の受信し(S705)、受信した選択視点情報に応じてUI情報を更新し(S706)、更新したUI情報に基づくUIを表示する(S702)。
【0153】
以上のように、画像配信装置102は、同一シーンを異なる視点から見た複数の画像を複数のユーザに配信し、複数のユーザの各々が複数の画像から任意の画像を視聴できる画像配信システム100に含まれる。画像配信装置102は、複数の画像152を一つのフレーム内に配置した統合画像(統合画像151A等)を生成する。画像配信装置102は、統合画像を複数のユーザが使用する複数の画像表示装置103に配信する。
【0154】
これによれば、単一の統合画像として複数視点の画像を送信できるので、複数の画像表示装置103に同一の統合画像を送信できる。よって、システムの構成を簡略化できる。また、単一画像の形式を用いることで、既存のシステム構成から変更を低減できるとともに、既存の画像圧縮技術等を用いて、配信される映像のデータ量を低減できる。
【0155】
また、一つの統合画像に含まれる複数の画像の少なくとも一つは、実画像を基に生成された仮想画像(自由視点画像)である。
【0156】
また、図2A及び図2Bに示すように一つの統合画像151A又は151Bに含まれる複数の画像152の解像度は等しい。これによれば、複数の画像152の管理が容易になるとともに、複数の画像152に同一の処理を適用できるので、処理量を低減できる。
【0157】
または、図2C及び図2Dに示すように、一つの統合画像151C又は151Dに含まれる複数の画像152は、異なる解像度の画像152を含む。これによれば、例えば、優先度の高い画像152の画質を向上できる。
【0158】
また、一つの統合画像に含まれる前記複数の画像は同じ時刻の画像である。また、図4に示すように、2以上の統合画像151Fに含まれる複数の画像152は同じ時刻の画像である。これによれば、配信する視点の数を増やすことができる。
【0159】
または、図3に示すように、一つの統合画像151Eに含まれる複数の画像152A、152B及び152Cは、同一の視点の異なる時刻の画像を含む。これによれば、通信エラーにより画像が欠落した場合においても、画像表示装置103は、正しく画像を表示できる。
【0160】
また、画像配信装置102は、統合画像内における複数の画像の配置を示す配置情報を複数の画像表示装置103に配信する。また、画像配信装置102は、統合画像内における複数の画像の各々の視点を示す情報を複数の画像表示装置103に配信する。また、画像配信装置102は、統合画像内における複数の画像の各々の時刻情報を複数の画像表示装置103に配信する。また、画像配信装置102は、統合画像内における複数の画像の切り替え順を示す情報を複数の画像表示装置103に配信する。
【0161】
また、画像表示装置103は、画像配信システム100に含まれる。画像表示装置103は、複数の画像152を一つのフレーム内に配置した統合画像(統合画像151A等)を受信する。画像表示装置103は、統合画像に含まれる複数の画像152のうち一つを表示する。
【0162】
これによれば、単一の統合画像として送信された複数視点の画像を用いて、任意の視点の画像を表示できる。よって、システムの構成を簡略化できる。また、単一画像の形式を用いることで、既存のシステム構成から変更を低減できるとともに、既存の画像圧縮技術等を用いて、配信される映像のデータ量を低減できる。
【0163】
また、画像表示装置103は、統合画像内における複数の画像の配置を示す配置情報を受信し、受信した配置情報を用いて統合画像から画像152を取得する。
【0164】
また、画像表示装置103は、統合画像内における複数の画像の各々の視点を示す情報を受信し、受信した情報を用いて統合画像から画像152を取得する。
【0165】
また、画像表示装置103は、統合画像内における複数の画像の各々の時刻情報を受信し、受信した時刻情報を用いて統合画像から画像152を取得する。
【0166】
また、画像表示装置103は、統合画像内における複数の画像の切り替え順を示す情報を受信し、受信した情報を用いて統合画像から画像152を取得する。
【0167】
(実施の形態2)
本実施の形態では、画像表示装置103におけるUIの詳細について説明する。なお、画像表示装置103の構成は図9と同様である。
【0168】
本実施の形態では、UI制御部305は、UI部304で取得した入力情報に基づき、表示している視点映像の切り替え、再生速度及び再生方向を変更するための情報を出力する。
【0169】
視点映像選択部302は、UI制御部305から出力された再生方向及び再生速度に応じて視点映像を出力する。
【0170】
図15は、画像表示装置103におけるUI表示の一例を示す図である。図15に示すように、UI部304は、視点切替を可能か示す情報などのユーザへの情報の提示を行うインジケータ403と、表示する映像を切り替えるための視点制御UI401と、再生及び停止を含めた再生速度の制御を行うための速度制御UI402とを表示する。なお、視点制御UI401、速度制御UI402及びインジケータ403の少なくとも一つは、映像上に重ねて表示されてもよいし、映像と重ならない領域に表示されてもよい。
【0171】
映像表示部303は、複数の映像のうち少なくとも一つを表示映像として表示する。ここで複数の映像は、同一シーンを異なる視点から見た多視点映像であり、例えば、実映像を基に生成された仮想映像(自由視点映像)を少なくとも一つ含む。
【0172】
視点制御UI401(第1ユーザインタフェース)は、表示映像の視点を選択するためのUIである。視点映像選択部302は、視点制御UI401を介したユーザの入力に応じて、表示映像の視点を変更する。
【0173】
速度制御UI402は、表示映像の再生速度及び再生方向を変更するためのUIである。視点映像選択部302は、速度制御UI402を介したユーザの入力に応じて、表示映像の再生速度及び再生方向を変更する。
【0174】
以下、視点制御UI401について説明する。図16は、視点制御UI401の表示例を示す図である。図17は、タップ操作での視点制御UI401の表示切替の例を示す図である。UI部304は、視点制御UI401を常時表示してもよいし、操作時のみ表示してもよい。例えば、画像表示装置103は、視点制御UI401を半透明で常時透過表示させておき、視点制御UI401に対する操作が行われた場合に、通常表示(非透過表示)してもよい。
【0175】
または、図17に示すように、画像表示装置103は、非操作時には、視点制御UI401を表示せず、予め定められた特定エリアに対して選択操作が行われた場合に、視点制御UI401を表示してもよい。ここで、選択操作とは、例えば、タップ又はクリック等である。また、特定エリアとは、例えば、画面の右端から100ピクセルの範囲等である。
【0176】
つまり、画像表示装置103は、画面内の予め定められた位置への選択操作に基づき、当該予め定められた位置に視点制御UI401を表示してもよい。
【0177】
また、画像表示装置103は、ユーザによる画面内の任意の位置に対する選択操作に基づき、選択された位置に視点制御UI401を表示してもよい。例えば、操作したポイントが中心となる位置に視点制御UI401が表示されてもよい。または、UI部304は、ユーザによる画面内の任意の位置に対する選択操作に基づき、予め定められた固定位置に視点制御UI401を表示してもよい。
【0178】
また、UI部304は、タップなどの選択操作が行われている間のみ、視点制御UI401を表示してもよいし、選択操作が行われる毎に、視点制御UI401の表示と非表示とを切り替えてもよい。また、UI部304は、選択操作が行われてから、予め定められた一定時間の間、視点制御UI401の表示を継続し、一定時間が経過した後、視点制御UI401を非表示にしてもよい。
【0179】
なお、これらの制御は、表示と非表示とを切り替える場合に限らず、通常表示と透過表示とを切り替える場合にも適用できる。
【0180】
また、図16に示すように、視点制御UI401は、選択可能な視点位置の軌跡411と、軌跡411上に配置され、視点位置を示すオブジェクト412とを含む。オブジェクト412を軌跡411上の任意の位置に移動させることで、移動後の軌跡411上に位置に対応する視点に表示映像の視点が変更される。
【0181】
ここで、オブジェクト412は、軌跡411上のみを移動するように制限されている。オブジェクト412の操作方法は、任意でよい。例えば、オブジェクト412をタップした状態でタップ位置を移動させることでオブジェクト412が移動してもよい。または、軌跡411上又はその周辺の任意の位置をタップすることで、タップされた位置又はその近傍の軌跡411上の位置にオブジェクト412が移動してもよい。
【0182】
なお、図16では、軌跡411が円状であり、例えば、円状の軌跡411の内側に向いて撮影が行われている。つまり、円の内側に注視点が存在する。これにより、ユーザは、規定形状上の視点切替を直観的に単一動作で行うことができる。軌跡411は、円状に限らず、楕円、矩形又は他の形状でもよい。また、軌跡411は、注視点を囲む形状である必要はなく、線状であってもよい。また、円の内側が撮影されるのではなく、円の外側が撮影されていてもよい。
【0183】
図18及び図19は、視点制御UI401の変更例を示す図である。図18に示す視点制御UI401Aは、複数の注視点のいずれかを選択するための第1操作部421と、複数の対象物のうち、選択された注視点を写す複数の視点からいずれかの視点を選択するための第2操作部422とを含む。
【0184】
図18に示す例では、複数の注視点は、複数の選手A~Cである。第1操作部421は、各選手に対応するボタンを含む。ある選手に対応するボタンが押されることで、第2操作部422に、その選手423と、その選手423を写している複数の視点を示すオブジェクト424とが表示される。ユーザが、オブジェクト424を選択する操作を行うことで、選択されたオブジェクト424に対応する視点の映像に表示映像が変更される。図18の示す例では、オブジェクト424は、カメラのアイコンであり、視点位置と撮影方向(カメラ姿勢)とが示される。
【0185】
なお、注視点は、選手でなくてもよく、人、動物及び車両等の動物体であってもよいし、静止物体であってもよいし、三次元空間上の任意の点又は領域であってもよい。
【0186】
図19に示す視点制御UI401Bは、周辺環境を二次元又は三次元的に示す環境情報431を含む。環境情報431上に、複数の視点位置に対応する複数のオブジェクト432が配置される。複数のオブジェクト432のいずれかが選択されることで、選択されたオブジェクト432に対応する視点位置の映像に表示映像が変更される。図19の示す例では、オブジェクト432は、カメラのアイコンであり、視点位置と撮影方向(カメラ姿勢)とが示される。
【0187】
図19に示す例では、環境情報431は、コートの上面図であるが、地図情報又は間取り図等であってもよい。また、上面図に限らず、斜視図等であってもよい。
【0188】
また、上記で示した視点制御UI401の具体例は一例であり、統合映像から表示する映像を指定することが可能なUIであればよい。
【0189】
例えば、上記では、視点の平面位置が選択される例を示したが、平面位置に加え、高さが選択されてもよい。この場合、上面図に加え、高さを選択するための側面図が表示されてもよいし、上面図と側面図を切り替えるための操作部が設けられてもよい。または、平面位置と高さとをユーザが把握できる斜視図が用いられてもよいし、環境情報431等の向きを変更するための操作部が設けられてもよい。
【0190】
複数の映像が、例えば画面分割で表示されてもよい。この場合、UI部304は、各映像に対して視点制御UI401を表示し、複数の映像の視点が別々に変更されてもよい。つまり、視点制御UI401は、複数の表示映像の各々に対応して表示される。対応する視点制御UI401への操作に基づき、対応する映像の視点が変更される。
【0191】
または、一つの映像の視点変更に連動して、複数の映像の視点が切り替わってもよい。つまり、一つの視点制御UI401の操作に基づき、複数の表示映像の視点が変更されてもよい。なお、複数の映像を連動して切り替える場合、一つの視点制御UI401のみが表示されてもよいし、複数の視点制御UI401が表示されてもよい。
【0192】
例えば、図16に示すUIにおいて、視点位置を右方向に移動させた場合、複数の映像の視点がそれぞれ右方向に移動される。また、選手Aを複数の視点から見た複数の映像が表示されており、注目する選手を選手Aから選手Bに切り替える操作が行われた場合には、選手Bを複数の視点から見た複数の映像が表示される。
【0193】
次に、速度制御UI402について説明する。図20は、速度制御UI402の表示例を示す図である。図21は、速度制御UI402を用いた操作を説明するための図である。
【0194】
速度制御UI402は、表示映像の停止及び再生速度の変更と、再生方向(順方向及び逆方向)の変更とを行うためのUIである。
【0195】
図21に示す速度制御UI402は、スティック操作を用いたUIであり、オブジェクト441を含む。ユーザがオブジェクト441を第1方向(図21では縦方向)に移動させることで再生速度が変更される。ユーザがオブジェクト441を第1方向と直行する第2方向(図21では横方向)に移動させることで再生方向が変更される。
【0196】
つまり、中心の円形のオブジェクト441の位置を変えることで映像再生の制御が行われる。具体的には、上下方向で再生速度(上が加速、下が減速)が制御される。また、上下方向の位置に応じて速度が変更される。具体的には、オブジェクト441が上側に位置するほど再生速度が速くなり、オブジェクト441が下側に位置するほど再生速度が遅くなる。また、左右方向で時間方向(左で逆再生、右で再生)が制御される。また、中央にオブジェクト441がある場合、表示映像が一時停止する。
【0197】
図22及び図23は、速度制御UI402の変形例を示す図である。図22に示す速度制御UI402Aはダイアル形状のUIであり、回転方向と回転量で映像再生の制御が行われる。つまり、速度制御UI402Aは、ダイアルを含み、ダイアルの回転量に応じて再生速度が変更され、ダイアルの回転方向に応じて再生方向が変更される。
【0198】
具体的には、回転方向が左の場合に逆再生され、回転方向が右の場合に順方向再生される。また、回転量が大きいほど高速で再生される。初期位置からの回転量が0の場合は映像が一時停止する。
【0199】
図23に示す速度制御UI402BはスライドバーによるUIであり、スライド量とスライド方向で映像再生の制御が行われる。つまり、速度制御UI402Bは、スライドバーを含み、スライドバーのスライド量に応じて再生速度が変更され、スライドバーのスライド方向に応じて再生方向が変更される。また、初期位置では映像が一時停止する。
【0200】
また、速度制御UI402も、視点制御UI401と同様に、常時表示されてもよいし、非操作時に表示されない、又は透過表示されてもよい。
【0201】
また、複数の映像が表示される場合には、視点制御UI401の場合と同様に、速度制御UI402は、複数の表示映像の各々に対応して表示され、対応する速度制御UI402への操作に基づき、対応する映像の再生速度及び再生方向が変更されてもよい。または、一つの速度制御UI402の操作に基づき、複数の表示映像の再生速度及び再生方向が変更されてもよい。
【0202】
速度制御UI402において操作者が操作を止めた際の表示映像の再生制御として、以下のいずれかの方法を用いることができる。
【0203】
速度制御UI402に対する操作が終了した場合、予め定められた再生速度及び再生方向で表示映像が表示されてもよい。例えば、予め定められた標準の再生速度及び順方向で再生するように自動的に設定される。
【0204】
または、操作を止めたときの設定がそのまま維持されてもよい。つまり、速度制御UI402に対する操作が終了した場合、操作終了時の再生速度及び再生方向が維持されてもよい。
【0205】
または、再生速度及び時間方向のいずれか一方は操作を止めたときの設定がそのまま維持され、他方は標準の設定に自動的に設定されてもよい。つまり、速度制御UI402に対する操作が終了した場合、再生速度及び再生方向の一方は操作終了時の状態を維持し、再生速度及び再生方向の他方は予め定められた状態に戻ってもよい。例えば、再生方向は維持され、再生速度は予め定められた速度に設定されてもよい。この予め定め定められた再生速度は、順方向再生と、逆方向再生とで異なってもよい。
【0206】
または、表示映像の再生が操作を止めたときの画像で再生が停止してもよい。
【0207】
また、逆方向の再生時には、操作時の表示視点を維持したまま映像が逆再生されてもよい。または、画像表示装置103は、それまでの視点切替の情報を保存しておき、その情報に基づき、視点切替された逆の順序で視点を変更しながら逆再生を行ってもよい。
【0208】
次に、インジケータ403について説明する。図24は、インジケータ403の表示例を示す図である。インジケータ403は、視点切替が可能か否かをユーザ(閲覧者)に通知するためのものである。
【0209】
図25は、画像表示装置103の処理の一例を示すフローチャートである。ステップS801~S803の処理は、図10に示すステップS301~S303と同様である。例えば、図25に示すように、画像表示装置103は、受信した情報に配置情報が含まれている場合(S803でYes)、ユーザに視点切替が可能であることを通知する(S804)。例えば、図24に示すように、インジケータ403は、視点切替が可能であることを示すアイコンを表示する。
【0210】
なお、ユーザに視点切替が可能であるか否かを通知する方法として、特定領域に既定のアイコンを表示する以外の方法が用いられてもよい。例えば、視点切替が可能な場合に、視点制御UI401等が表示され、視点切替が可能でない場合には、視点制御UI401等が表示されなくてもよい。または、視点切替が可能であること、又は、視点切替が可能な否かが、効果音等の音で通知されてもよい。または、画像表示装置103が振動することで、視点切替が可能であること、又は、視点切替が可能な否かが通知されてもよい。つまり、ユーザに視点切替が可能になったことを通知できれば任意の提示方法を用いることができる。
【0211】
以上のように、本実施の形態に係る画像表示装置103は、図26に示す処理を行う。映像表示部303は、同一シーンを異なる視点から見た複数の映像であって、実映像を基に生成された仮想映像を少なくとも一つ含む複数の映像のうち少なくとも一つを表示映像として表示する(S901)。
【0212】
視点変更部(UI部304、UI制御部305及び視点映像選択部302)は、表示映像の視点を選択するための視点制御UI401(第1ユーザインタフェース)を表示し、視点制御UI401を介した入力に応じて、表示映像の視点を変更する(S902)。
【0213】
速度変更部(UI部304、UI制御部305及び視点映像選択部302)、表示映像の再生速度及び再生方向を変更するための速度制御UI402(第2ユーザインタフェース)を表示し、速度制御UI402を介した入力に応じて、表示映像の再生速度及び再生方向を変更する(S903)。
【0214】
以上、本開示の実施の形態に係る画像配信システム、画像配信装置及び画像表示装置について説明したが、本開示は、この実施の形態に限定されるものではない。
【0215】
また、上記実施の形態に係る画像配信システムに含まれる各処理部は典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又は全てを含むように1チップ化されてもよい。
【0216】
また、集積回路化はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後にプログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、又はLSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
【0217】
また、上記各実施の形態において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0218】
また、本開示は、画像配信システム、画像配信装置又は画像表示装置により実行される各種方法として実現されてもよい。
【0219】
また、ブロック図における機能ブロックの分割は一例であり、複数の機能ブロックを一つの機能ブロックとして実現したり、一つの機能ブロックを複数に分割したり、一部の機能を他の機能ブロックに移してもよい。また、類似する機能を有する複数の機能ブロックの機能を単一のハードウェア又はソフトウェアが並列又は時分割に処理してもよい。
【0220】
また、フローチャートにおける各ステップが実行される順序は、本開示を具体的に説明するために例示するためのものであり、上記以外の順序であってもよい。また、上記ステップの一部が、他のステップと同時(並列)に実行されてもよい。
【0221】
以上、一つまたは複数の態様に係る画像配信システムについて、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、この実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、一つまたは複数の態様の範囲内に含まれてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0222】
本開示は、画像配信システム及び画像配信方法に適用でき、例えば、自由視点映像生成システム、及び次世代監視システム等に適用できる。
【符号の説明】
【0223】
100 画像配信システム
101 カメラ
102 画像配信装置
103 画像表示装置
104 自由視点映像生成装置
105 統合映像送信装置
151A、151B、151C、151D、151E、151F 統合画像
152、152A、152B、152C 画像
153 視点映像
201 統合映像生成部
202 送信部
203 視聴情報解析部
301 受信部
302 視点映像選択部
303 映像表示部
304 UI部
305 UI制御部
306 視聴情報送信部
401、401A、401B 視点制御UI
402、402A、402B 速度制御UI
403 インジケータ
411 軌跡
412、424、432、441 オブジェクト
421 第1操作部
422 第2操作部
423 選手
431 環境情報
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13A
図13B
図13C
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26