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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-24
(45)【発行日】2022-06-01
(54)【発明の名称】液状食品用の内袋を備えた箱
(51)【国際特許分類】
   B65D 77/06 20060101AFI20220525BHJP
   B65D 47/28 20060101ALI20220525BHJP
   B67D 1/08 20060101ALI20220525BHJP
【FI】
B65D77/06 H
B65D47/28 120
B67D1/08 A
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019549664
(86)(22)【出願日】2017-11-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-01-16
(86)【国際出願番号】 IB2017001452
(87)【国際公開番号】W WO2018100424
(87)【国際公開日】2018-06-07
【審査請求日】2020-11-24
(31)【優先権主張番号】15/366,313
(32)【優先日】2016-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519198535
【氏名又は名称】インビネオ・エス・エイ
【氏名又は名称原語表記】INVINEO S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110000741
【氏名又は名称】特許業務法人小田島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】タシェニ,ティエリ
(72)【発明者】
【氏名】メルタン・ド・ミルマル,エティエンヌ
【審査官】家城 雅美
(56)【参考文献】
【文献】特開昭60-013659(JP,A)
【文献】実開昭61-105650(JP,U)
【文献】特表2017-517445(JP,A)
【文献】国際公開第2015/184513(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0018459(US,A1)
【文献】独国実用新案第202009014339(DE,U1)
【文献】米国特許第06375048(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0166694(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 77/06
B65D 47/28
B67D 1/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
硬質の箱(1)の上側部分(1S)と結合するのに適切なカバー(1C)であって、
前記上側部分(1S)は、袋(4)と結合する部品(5)の少なくとも部分のための少なくとも1つの通路(9)を有するプレート要素(18)を含み、前記部品(5)は、弁(5V)および前記弁(5V)の移動可能な制御デバイスを備えた弁デバイス(602)と結合しており、
前記カバーが、前記硬質の箱(1)の前記上側部分(1S)または上側プレート要素(18)と結合するように適合され、
前記カバーが、前記弁デバイス(602)の前記弁(5V)の前記移動可能な制御デバイス(601)に作用することができる要素に対する1つまたは複数の通路を有し、
前記カバー(1C)が、前記移動可能な制御デバイス(601)を含む前記弁デバイス(602)の部分を少なくとも部分的に受け入れるチャンバ(600)を画定し、前記カバー(1C)が、前記弁デバイス(602)の前記部分を前記カバー(1C)に取り付け、前記移動可能な制御デバイス(601)が前記カバー(1C)の前記チャンバ(600)内部で動いている間、前記弁デバイス(602)の前記部分を適所で維持する、1つまたは複数の手段(603、604)を備える、カバー(1C)。
【請求項2】
前記カバー(1C)が、
前記カバー(1C)の前記チャンバ(600)内の前記移動可能な制御デバイス(601)を含む前記弁デバイス(602)の前記部分の少なくとも1つの位置決め手段(603、604)と結合し、
また、前記移動可能な制御デバイス(601)を含む前記弁デバイス(602)の前記部分の少なくとも1つの保定部(605)と結合し、前記保定部(605)が、前記カバー(1C)に対して、前記カバー(1C)の前記チャンバ(600)からの、前記移動可能な制御デバイス(601)を含む前記弁デバイス(602)の前記部分の引抜きに、前記保定部(605)が対向する保定位置と、前記カバー(1C)の前記チャンバ(600)からの、前記移動可能な制御デバイス(601)を含む前記弁デバイス(602)の前記部分の引抜きに、前記保定部(605)が対向しない非保定位置との間で移動可能である、請求項1に記載のカバー。
【請求項3】
前記カバー(1C)が、そのチャンバ(600)内に、互いから離隔された、少なくとも1つが可撓性である少なくとも2つのタブ(603)を有し、前記タブ(603)が、前記移動可能な制御デバイス(601)を含む前記弁デバイス(602)の前記部分と協働して、前記カバー(1C)の前記チャンバ(600)内における前記弁デバイス(602)の前記部分の位置決めを確保する手段として機能する、請求項1または2に記載のカバー。
【請求項4】
前記カバー(1C)が、そのチャンバ(600)内に停止部(604)を提供し、前記停止部が、前記移動可能な制御デバイス(601)を含む前記弁デバイス(602)の前記部分の壁(606)に対する支持体として機能し、前記弁デバイス(602)の前記部分に対する前記移動可能な制御デバイス(601)の相対移動中における、前記移動可能な制御デバイス(601)を含む前記弁デバイス(602)の前記部分の動きを制限または防止する、請求項3に記載のカバー。
【請求項5】
硬質の箱(1)とカバー(C)との組み合わせであって、前記硬質の箱(1)が、可撓性の袋(4)が中に延在する内部チャンバ(3)を画定する少なくとも1つの壁(2)を有し、前記可撓性の袋(4)は、当該袋(4)の外側において前記内部チャンバ(3)内を流れる水性媒体を使用することによって適切な提供温度範囲で飲食される液状または粘性の食品用の袋であり、前記袋(4)が、弁(5V)を少なくとも開位置と閉位置との間で動かす可動の制御デバイス(601)を有する、前記弁(5V)および部分(602C)を有する弁デバイス(602)と結合した部品(5)と結合し、前記硬質の箱(1)が、下側部分(1I)もしくは底部(8)が前記可撓性の袋(4)の外側で前記内部チャンバ(3)と連通する少なくとも1つの開口部(10)または前記開口部(10)を形成する要素を提供する、前記底部(8)を含む前記下側部分(1I)と、前記部品(5)の少なくとも一部分のための少なくとも1つの通路(9)を有する、プレート要素(18)を含む上側部分(1S)とを有し、
前記硬質の箱(1)の前記上側部分(1S)が、請求項1から4のいずれか1項に記載のカバー(1C)と結合することを特徴とする。
【請求項6】
前記移動可能な制御デバイス(601)を含む前記弁デバイスの前記部分または本体(602C)が本体(602C)を有し、前記移動可能な制御デバイス(601)が、前記本体(602C)の外側に延在し、前記弁(5V)の閉位置に相当する第1の位置と、前記弁(5V)の開位置に相当する第2の位置との間で、付勢手段(5R)の作用に対抗して前記本体(602C)に対して移動可能な、少なくとも1つもしくは2つのラグ(608)を備え、前記付勢手段(5R)が、前記少なくとも1つもしくは2つのラグ(608)がそれの、あるいそれらの第2の位置に向かって動くのに対向する力を働かせる、請求項5の組み合わせ。
【請求項7】
前記カバー(1C)の前記チャンバ(600)内に延在する前記タブ(603)が、前記カバー(1C)の前記チャンバ(600)内で、前記移動可能な制御デバイス(601)を含む前記弁デバイス(602)の前記本体(602C)の前記少なくとも1つもしくは2つのラグ(608)を位置決めする、あるいは前記少なくとも1つもしくは2つのラグ(608)の前記タブ(603)と前記停止部または当接部(604)との間の位置決めする手段として機能する、請求項6に記載の組み合わせ。
【請求項8】
前記上側部分(1S)の前記プレート要素(18)が、
前記カバー(1C)の協働する要素(611)と協働して、前記硬質の箱(1)に対する、または前記プレート要素(18)に対する前記カバー(1C)の回転を少なくとも制限する、回転制限手段(610)、あるいは、
前記硬質の箱(1)の前記内部チャンバ(3)に向かう通路(610)の形態の回転制御手段(610)、ただし、前記通路(610)は前記カバー(1C)の前記協働する要素と協働し、前記カバー(1C)によって支えられるパイプである突起(611)の形態で、前記カバー(1C)によって支えられた前記パイプ(611)を介して前記袋(4)の外側で前記内部チャンバ(3)内へと水性媒体が通るのを可能にする、
を有する、請求項5ないし7のいずれか一項に記載の組み合わせ。
【請求項9】
前記硬質の箱(1)が中心軸(A-A)を有し、前記保定部(605)が、前記中心軸(A-A)に垂直な方向(C-C)で移動可能であり、前記保定部(605)が注ぎ口(BV)を備え、該注ぎ口の開放端(614)が、前記本体(602C)の出口チャネル(615)の一端を受け入れる、少なくとも請求項2に記載のカバーを含む請求項5の組み合わせ。
【請求項10】
前記プレート要素(18)が、前記内部チャンバ(3)に面する第1の側面(18A)と、前記第1の側面(18A)に対向し、前記カバー(1C)の前記チャンバ(600)に面する第2の側面(18B)とを有し、前記可撓性の袋(4)が中空先端(617)と結合し、前記弁デバイス(602)が内部の開チャネル(619)を提供する要素(618)と結合し、横断断面が、前記要素(618)を前記中空先端(617)に挿入できるようにし、クランプ(620)が、前記プレート要素(18)の前記第2の側面(18B)に乗る、請求項5ないし9のいずれか一項に記載の組み合わせ。
【請求項11】
前記保定部(605)が、
突起(622)またはストリップ(624)を前記カバー(1C)の陥凹部または窓(623)に挿入するシステムによって、前記カバー(1C)上の適所で保持される保定部であるか、
または、前記カバー(1C)の前記チャンバ(600)内に位置する前記弁デバイス(602)の前記移動可能な制御デバイス(601)へのアクセスを与える少なくとも1つの窓(625)を有し、前記窓(625)が、前記カバーの前記チャンバ(600)にツール(631)の少なくとも1つの端部(630)を挿入して、前記移動可能な制御デバイス(601)に、または前記移動可能な制御デバイス(601)に作用する中間要素に力を加えることができるように位置決めされる、保定部(605)である、
少なくとも、請求項2に記載のカバーを含む請求項5の組み合わせ。
【請求項12】
前記可撓性の袋(4)が、互いに結合されて柔軟なパウチを形成する第1の柔軟な要素(4B)および第2の柔軟な要素(4A)を備え、前記第2の要素(4A)が、前記パウチの内部に面する前記第1の要素(4B)の範囲より少なくとも50%広い、前記パウチの内部に面する範囲を有するか、
または、可撓性の袋(4)が柔軟なネット(626)によって取り囲まれる、請求項5ないし11のいずれか一項に記載の組み合わせ。
【請求項13】
請求項5ないし12のいずれか一項に記載の組み合わせの硬質の(1)に入れられた袋に収容された、ある量の液状または粘性の食品を、適切な温度範囲で分配する装置であって、
前記装置が少なくとも、
硬質の箱(1)およびカバー(1C)の前記組み合わせに対する、少なくとも1つの支持要素(101)を有する構造(100)と、
前記硬質の箱(1)の内部チャンバ(3)内を流れるように意図された、水性媒体用のタンク(102)と、
前記硬質の箱(1)の前記内部チャンバ(3)内を流れるように意図された、前記水性媒体の少なくとも一部の温度を調節する手段(103)と、
前記袋(4)の外側で、前記硬質の(1)の前記内部チャンバ(3)と連通している前記硬質の箱(1)の1つまたは複数の通路を接続する、少なくとも1つの接続(106A、106B)と、
前記可撓性の袋(4)の外側で前記硬質の箱(1)の前記内部チャンバ(3)内で前記水性媒体を循環させ、前記内部チャンバ(3)内に存在する前記水性媒体を加圧する、少なくとも1つのポンプ(111A、111B)を有する回路(110)と、
分配される食品の量の制御手段(105)とを備え、
前記装置は
1つもしくは複数の端部(630)を有する移動ツール(631)を含む、ただし1つもしくは複数の端部(630)は、少なくとも、弁(5V)を前記開位置に至らせるように前記弁デバイス(602)の前記移動可能な制御デバイス(601)に作用する位置と、前記弁デバイス(602)の前記移動可能な制御デバイス(601)が前記弁(5V)の閉位置に相当する位置にある休止位置との間で、前記保定部(605)の窓(625)を通って動くことができる、または、
移動ツール(631)であって、前記移動ツール(631)の前記端部(630)が前記硬質の(1)の前記カバーの前記チャンバの外側に位置する位置と、前記移動ツール(631)の前記端部(630)が前記カバーの前記チャンバ内に位置する端部を有し、前記弁デバイス(602)の前記移動可能な制御デバイスに作用して前記弁(5V)を前記開位置に至らせる位置との間で動くことができる端部(630)を有し、中間位置では、前記移動ツール(631)の前記端部(630)が、前記カバーの前記チャンバ内に位置するが、前記弁(5V)を前記開位置に至らせるように前記弁デバイス(602)の前記移動可能な制御デバイス(601)に作用しない位置にある、移動ツール(631)を含む
前記カバー(1C)が、前記カバー(1C)の前記チャンバ(600)内の前記移動可能な制御デバイス(601)を含む前記弁デバイス(602)の前記部分の少なくとも1つの位置決め手段(603、604)と結合し、また、前記移動可能な制御デバイス(601)を含む前記弁デバイス(602)の前記部分の少なくとも1つの保定部(605)と結合し、
前記保定部(605)が、前記カバー(1C)に対して、前記カバー(1C)の前記チャンバ(600)からの、前記移動可能な制御デバイス(601)を含む前記弁デバイス(602)の前記部分の引抜きに、前記保定部(605)が対向する保定位置と、前記カバー(1C)の前記チャンバ(600)からの、前記移動可能な制御デバイス(601)を含む前記弁デバイス(602)の前記部分の引抜きに、前記保定部(605)が対向しない非保定位置との間で移動可能である、
装置。
【請求項14】
前記構造(100)が、硬質の箱(1)および該箱のカバー(1C)の組み合わせを前記支持要素(101)上に配置することができる開位置もしくは上昇位置と、硬質の箱(1)および該箱のカバーの組み合わせを前記支持要素(101)上に配置するのを、または硬質の(1)および該箱のカバーの組み合わせを前記支持要素(101)から除去するのを妨げる閉位置もしくは下降位置との間で、前記支持要素(101)に対して動くことができる移動可能な部品を備える、請求項13に記載の装置であって、
前記装置はさらに、
前記移動可能な部品が前記開位置もしくは上昇位置にあるとき、前記回路の前記ポンプ(111A)の動作を防ぐ制御システムと結合する装置。
【請求項15】
請求項5ないし12のいずれか一項に記載の組み合わせの硬質の(1)に入れられた袋に収容された液状または粘性の食品を、請求項13または14に記載の装置を使用することによって分配する方法であって、
少なくとも、
前記装置の支持要素上に、少なくとも、液状または粘性の食品を収容した可撓性の袋を含む硬質の箱(1)とカバーの組み合わせを配置するステップと、
前記硬質の箱(1)の前記内部チャンバ(3)内を流れる、水性媒体の温度を制御するステップと、
適切な温度を有する水性媒体を圧力下で前記硬質の箱(1)の前記内部チャンバ(3)に至らせるように、前記ポンプの動作を制御するステップと、
前記可撓性の袋から前記弁(5V)を通って流れ込む液体または粘性の食品の量を制御するため、前記弁(5V)の前記開口部を制御するステップとを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、適切な提供温度範囲で飲食される液状または粘性食品用の可撓性の袋が内部まで延在する内部チャンバを画定する壁を備え、可撓性の袋が弁を備える部品と結合した、硬質の箱に関する。箱は、可撓性の袋の外側、内部チャンバ内で水性媒体を流して飲食される食品の温度を制御するのに適した、少なくとも1つ、好ましくは2つまたはそれ以上の通路を備える。
【0002】
特に本発明の箱は、液状または粘性食品を収容するように設計された袋を収容する硬質の箱であり、この食品は飲食者の容器に分配されるように意図されており、前記食品は、有利には、食品の望ましくない酸化を回避し、それによって食品のより良好な保存を確保するため、酸素および好ましくは光から守られる。
【0003】
本発明は、WO2015/184513を改善したものである。
【背景技術】
【0004】
本出願は、2015年12月10日にWO2015/184513として公開された、2015年6月1日付けのPCT/BE2015/000026の一部継続出願である、2016年12月1日付けの米国特許出願第15/366,313号の優先権を主張する。
【0005】
WO2015/184513の内容を参照により本明細書に援用する。
【0006】
内袋が外袋に収納され、内袋には液体が充填され、外袋が空気を受け入れて内袋を加圧し、液体が流れるように設計されたものが、米国特許第6247619号によって知られている。
【0007】
米国特許出願公開第2012/0024896号も、内袋が外袋に収納され、内袋が飲食用の液体を収容し、外袋が氷または冷媒物質を収容するものについて記載している。
【0008】
米国特許出願公開第2009/0078721号は、ワインが充填された袋を受け入れるように設計された容器について記載している。容器は冷蔵庫に入れられてもよい。袋は、押しボタンまたは栓を備える弁などの分配手段と結合する。
【0009】
米国特許第7896199号は、例えば氷を収容する、外袋に収納された内袋について記載している。
【0010】
弁と結合した、ワインが充填された袋を収容する厚紙の箱である、「キュービーボックス(cubybox)」も知られている。
【0011】
知られている全てのデバイスは、飲食される液状食品にとってできるだけ温度を適切にするのに、冷却剤を循環させることができない。
【0012】
それに加えて、知られている全てのデバイスは、下向きにされるように設計された袋の一端の近傍にある液状食品または飲料を集める。したがって、ワインまたは他の飲料の場合、飲料中に固体粒子が存在する場合、それが分配栓に堆積する傾向がある。更に、栓が下向きにされていると、栓が動作不良になった場合に損失するリスクが大きい。
【0013】
本発明は、中でも特にこれらの問題を解決する箱に関する。
【0014】
WO2015/184513に開示されている箱に関して、この箱は、弁システムと結合した袋を備え、弁システムの開放はカバー全体の動きに依存しない。本発明の箱のカバーは、弁システムの可動デバイスが動いているとき、弁システムの部品の位置を維持するように適合されている。本発明の箱の場合、弁システムをカバーに結合する前に、袋を閉止するようにして、弁システムを袋に独立して装着することができる。これは、充填済みの袋を箱の中で製造するのに非常に有利であるが、その理由として、カバーがない状態で、箱に入れる前に袋を充填できるようになり、また例えば、封止された充填済みの袋を箱の中に配置する前に、袋の適正な充填および弁システムの適正な封止を制御できるようになる。したがって、袋の充填作業は、袋を硬質の箱の中に配置するのとは独立した作業であることができる。
【発明の概要】
【0015】
本発明はまた、かかる1つまたは複数の箱と結合することができ、特に、分配される食品の適切な温度を確保しながら、できるだけノイズを少なくして、空気を袋に入れることなく、頂部から分配することを可能にする、装置に関する。好ましくは、同じ液体が箱内(袋の外側)を循環して、袋の中に存在する液状食品の適切な温度を確保すると共に、袋の内容物の(わずかな)加圧を確保して、食品分配ポンプを使用することなく液状食品の分配を可能にする。かかる装置によって、袋の外側で箱内に存在する液体の圧力にしたがって、分配を制御することが可能になる(流量の突然の変化はなく、分配は袋内に残っている液体の量とは独立して制御される)。
【0016】
本発明は、適切な提供温度範囲(例えば、ワイン、蒸留酒、ソフトドリンクの場合は3~20℃、白ワインもしくはロゼワインの場合は例えば6~12℃、赤ワインの場合は15~20℃、ソースの場合は30~80℃など)で、飲食される液状または粘性食品(例えば、ワイン、ソース、アルコール飲料など)を収容する可撓性の袋または内袋が中まで延在する内部チャンバを、1つまたは複数の壁が画定する、硬質の箱に関する。可撓性の袋(4)は、弁を備える部品(5)、もしくは膜を備える部品(5)と結合するか、または弁を備える部品(7)と協働するように設計された保護手段(6)と結合する。箱は、有利には、飲食される食品を加熱または冷却する、即ち内部チャンバ(3)内を流れる液状水性媒体に対して、1つまたは複数の壁を保護する手段を備えるか、またはそれと結合する。例えば、1つもしくは複数の壁(2)は、有利には、少なくとも適切な提供温度範囲に近い温度の水性媒体に対して耐性がある、内部チャンバ(3)に面する側面(2C)を有する。
【0017】
本発明は、硬質の箱(1)とカバー(1C)との組み合わせであって、硬質の箱が、内部チャンバ(3)内を流れる水性媒体を使用することによって適切な提供温度範囲で飲食される液状または粘性の食品用の可撓性のもしくは柔軟な袋(4)が中に延在する、内部チャンバ(3)を1つもしくは複数の壁(2)が画定する容器(1)を有し、前記袋(4)が、弁5Vを少なくとも開位置と閉位置との間で動かす制御デバイス601を有する、部分または本体602Cを有する弁デバイス(602)と結合した部品(5)と結合し、前記容器(1)が、下側部分(1I)もしくは底部(8)が、有利には、必要に応じて手段(6A)(チューブの通過、およびチューブの除去後の開口部の再封止を可能にするように適合された膜など)によって閉止することができる少なくとも1つの開口部(10)、またはかかる開口部(10)を形成する要素(前記開口部は、内部チャンバ(3)と連通する)を提供する、底部(8)を有する下側部分(1I)と、前記部品(5)の少なくとも一部分のための、有利には一部分のみのための少なくとも1つの通路(9)を備えた、プレート要素または頂壁要素(18)を有する上側部分(1S)とを有し、
箱が、有利には、水性媒体から1つまたは複数の壁(2)を保護する手段を備え/結合
するか、あるいは1つまたは複数の壁(2)が、有利には、少なくとも適切な提供温度範囲近くにおいて水性媒体に耐性をもつ、内部チャンバ(3)に面する側面(2C)を有し、
容器の上側部分(1S)、またはプレート要素(18)が、弁(5V)の可動の制御デバイスに対して直接もしくは中間部品の介在によって作用することができる要素のための、開口部または通路を有するカバー(1C)であって、注ぎ口(BV)と結合した、カバー(1C)と結合し、
前記組み合わせが更に、本質的にまたは好ましくは、カバー(1C)が、部分(弁体など)を、弁デバイス(602)の制御デバイス(601)と共に、少なくとも部分的に受け入れるチャンバまたは中空体(600)を画定し、前記カバー(1C)が、弁デバイス(602)の前記部分(もしくは弁体)をカバー(1C)に取り付け、前記制御デバイス(601)がカバー(1C)の前記チャンバ(600)内部で動いている間、弁デバイス(602)の前記部分または弁体を適所で維持する、1つまたは複数の手段(603、604)を備えることを特徴とする、組み合わせに関する。
【0018】
本発明の組み合わせでは、袋の外側における容器内の媒体の流れは、好ましくは、下側開口部と上側開口部との間で操作される。しかしながら、いくつかの実施形態では、袋の外側における容器内の液体または媒体の流れが、場合によっては2つの別々のチャネルを有する接続チューブを使用して、容器の頂部のみまたは容器の底部のみの1つもしくは複数の開口部を通ることを確保することが可能である。
【0019】
下側部分(1I)と上側部分(1S)との間に位置する、(上記および添付図面に開示する、本発明の)箱の側壁(2)の少なくとも一部分は、好ましくは内部チャンバ(3)に面する側面に沿って、前記水性媒体のための1つもしくは複数のガイドチャネル(12)を形成する少なくとも1つの手段を備え、ならびに/あるいは1つもしくは複数のガイドチャネル(12)を形成する手段と結合し、前記ガイドチャネル(12)は、可撓性のもしくは柔軟な袋(4)がチャンバ(3)内に存在する場合であっても、1つもしくは複数のチャネル(12)が水性媒体の通過に対して開いているか、または開いたままである。袋は、好ましくは、アルミニウム層を含むプラスチックで作られる。硬質の箱が不透明の場合、一部の食品が不透明ではない袋を使用することが可能である。
【0020】
本発明による組み合わせでは、箱の1つまたは複数の壁は、有利には、少なくとも適切な提供温度範囲に近い温度(水性媒体の温度は、例えば、周囲温度に応じて変わる)で、水性媒体(例えば、場合によっては、クエン酸、界面活性剤、もしくはグリコールなどの添加物を含む、水であるが、好ましくは飲用水)に耐えるように設計された、内部チャンバに面する内面または内表面を有する。周囲温度が食品提供温度よりも高い(したがって、食品を冷却するか、もしくは食品をその提供温度で維持して、周囲温度による加温を回避する必要がある)とき、水性媒体の温度は、有利には、最適な食品提供温度よりも、例えば、2~5℃など、1~10℃低温になる。反対に、食品提供温度が周囲温度よりも高い(したがって、食品を加熱するか、もしくは食品をその提供温度で維持して、周囲温度による冷却を回避する必要がある)とき、水性媒体の温度は、有利には、食品の適切な提供温度よりも、例えば1~20℃、特に2~10℃高温になる。
【0021】
「弁」または「弁デバイス」という用語は、本明細書では、袋から出る食品の流れを制御するように設計された、栓または他の任意のシステムも指す。
【0022】
開チャネルは、箱の壁と袋との間に水性媒体の通路を提供し、したがって箱内における水性媒体の良好な流れを確保して、袋に収容された食品の最適な冷却もしくは加熱を提供するか、または飲食される食品の実質的に最適な温度を維持するように設計される。
【0023】
箱に導入される水性媒体はまた、袋内に存在する食品の加圧を可能にするので、袋または箱から出てくる量の食品を、最適温度に近い温度で飲食することが可能になる。
【0024】
それに加えて、袋が空になってくるにつれて、箱内に存在する水性媒体の量が多くなり、それによって袋内の食品のより迅速な温度調節が可能になる。袋内の食品の量がまだ多い場合、箱内の水性媒体の量が低減される。しかしながら、袋内の食品の温度が設定されれば、分配される食品の量は、袋内に存在する食品の温度にはほとんど影響しない。
【0025】
有利には、袋は箱内で吊り下げられる。これにより、全ての固体粒子が袋の底に残り、飲食のために提供されないことが確保される。これにより、分配チャネル内または弁もしくは栓内における堆積が防止される。
【0026】
好ましい実施形態の詳細によれば、本発明による組み合わせは、次の特徴のうち1つまたは複数を有する。
袋(4)は、箱(3)内で吊り下げられる。ならびに/あるいは、
箱(1)は、その上側部分(1S)付近に、前記袋(4)の外側に位置する内部チャンバ(3)の部品と入口および/または出口パイプ(611)との間に接続を形成するように設計された、少なくとも1つの通路(14、610)を有する。ならびに/あるいは、
下側部分(1I)と上側部分(1S)との間の箱(1)の側壁(2)の少なくとも一部分は、内部チャンバ(3)に面するその側面に沿って、前記水性媒体の一連のガイドチャネルを形成する少なくとも1つの手段(12)を備え、および/または1つもしくは複数のガイドチャネル(12)を形成する手段と結合し、前記ガイドチャネル(12)は、チャンバ内に可撓性の袋が存在していても、1つまたは複数のチャネルが水性媒体の通路に対して開いているように設計され、前記チャネル(12)は、有利には、前記側壁に沿って分配される。1つまたは複数のガイドチャネル(12)を形成する前記手段は、例えば、袋を取り囲む、および/または箱の内側面に適合することができる、可撓性のまたは柔軟なまたは硬質のネット状要素である。ならびに/あるいは、
箱は、1つまたは複数の側壁(2)と、底部を形成する底壁(8)と、底壁(8)とは反対側の頂壁(18)とを備え、底壁(8)は、前記袋(4)の外側に位置する内部チャンバ(3)の部品と入口および/または出口パイプとの間に接続を形成するように設計された、少なくとも1つの通路(10)を有する。前記通路(10)は、有利には、入口/出口パイプの除去後に、前記開口部または通路(10)を再封止するように適合された、封止膜を備える。頂壁(18)は、前記袋(4)と結合した部品(5)と協働するように設計された、または前記袋(4)と結合した部品(5)を備える、少なくとも1つの通路(9)を有する。底部を形成する底壁(8)の通路(10)は、袋(4)の外側にある内部チャンバ(3)の部品への液体の供給と、袋の外側にあるチャンバの前記部分からの液体の除去または抽出との両方を提供するように設計することができる。通路は、例えば、チャンバ内へと延在し、上端の近傍に一端を有するパイプを用いて、例えば入ってくる液体の流れを少なくとも部分的にチャンバの部分に向ける、独自のものであってもよく、または別個のものであってもよい。ならびに/あるいは、
上側壁(18)は、部品と、有利には前記袋(3)と結合した部品(5)と協働して、前記袋(4)の外側に位置する内部チャンバ(3)の部品と入口および/または出口パイプ(15)との間に接続を形成するように設計される。ならびに/あるいは、
箱の1つまたは複数の壁(2)は、少なくとも部分的に、断熱性(20)のコーティングまたは層を備える。ならびに/あるいは、
頂壁(18)は、袋(4)の内部と連通する1つのみの通路(9)を有し、前記通路(9)は、袋から出ていく液体の通過に対抗する閉位置と付勢手段(5R)の作用に抵抗する開位置との間で移動可能な弁(5V)を備える部品(5)と結合し、底部(8)は、袋(4)の外側に位置する箱の内部チャンバ(3)の部品と連通する1つもしくは複数の開口部のみを有し、前記開口部は、場合によっては、1つもしくは複数の入口および/また
は出口パイプ部分と結合する。付勢または戻り手段は、変形されるとその最初の変形していない形状に戻る傾向がある、ばねまたは弾性的に変形可能な材料であってもよい。ならびに/あるいは、
頂壁(18)は、内部チャンバ(3)内で袋を吊り下げる手段を有するかまたは備え、手段はその位置を、箱の1つもしくは複数の側壁(2)に対して確保するように設計される。ならびに/あるいは、
箱は手段を備え、前記手段は、有利には、内部チャンバ(3)に対する通路(9、10)の1つまたは複数の開口部を取り囲むスカートであり、前記スカート(21)は、好ましくは頂壁(18)によって支えられて、内部チャンバ(3)に前記水性媒体を充填している間、袋の外側に位置する内部チャンバの部品内に少なくともある量の空気が存在することを確保する。手段は、チャンバ3内に入るチューブ611の一部分であることもできる。ならびに/あるいは、
底部部分(8)および頂壁(18)はそれぞれ、箱(1)の1つまたは複数の側壁を画定するケーシング(2)の内面に乗るように設計されたフランジ(底部部分の場合は10B)を有し、前記フランジ(10B)は、有利には、ケーシング(2)の端部がベース部分(8)および頂壁(18)のそれぞれの溝(10G、18S)内で係合されているとき、底部部分(8)および頂壁(18)に対してケーシング(2)を引き抜く動きに対抗する歯もしくは指を形成する好ましくは1つもしくは複数の突起を有する、2つの実質的に円筒状の壁(18S1、18S2)の間に画定される、開いた円形もしくは環状の溝(18S)を画定する要素(18R)であるか、または有利にはそれと結合し、前記円形もしくは環状の溝は、有利には、少なくともケーシング(2)と頂壁(18)および底部部分(8)それぞれとの間の液体に対するシールを形成するように設計された、弾性のまたは変形可能な層(10T、18T)と結合する。ならびに/あるいは、
底部部分(8)は、箱(1)の内部チャンバ(3)に向かって旋回されるように設計された内面を有し、箱の底部部分が下方に面している状態で水平面上に乗ったとき、底部部分(8)の内面は、前記袋(4)の外側に位置する内部チャンバ(3)の部品と入口および/または出口パイプ(11)との間に接続を形成するように設計された、通路(10)に向かう傾斜を有する少なくとも1つの部品(8A)を有する。ならびに/あるいは、
箱は、内部チャンバに導入される水性媒体の量を判定する、および/または袋内に存在する液状もしくは粘性の食品の量を判定する手段(25)を備えるか、またはそれと結合するように設計される。ならびに/あるいは、
箱は、箱の使用前、および場合によっては箱の使用後に通路のクロージャを固定する、1つまたは複数の保護手段(6A)と結合する。ならびに/あるいは、
箱は、1~5バール(1×10Pa~5×10Pa)の内部チャンバ内における水性媒体の圧力に耐えるように設計される。ならびに/あるいは、
箱は、頂壁によって閉止可能な上側開口部を備えた、底部を有する少なくとも1つの本体を有し、箱は、箱の本体の液密バリアを形成し、箱の内部チャンバを画定するように設計された内袋と結合し、前記頂壁は、可撓性の袋(4)の部品(5)と協働するように設計された少なくとも1つの通路(9)と、袋(4)の外側に位置する内部チャンバ(3)の部品と1つもしくは複数の入口/出口パイプとの接続を形成するように設計された1つもしくは複数の通路(10)とを有する。ならびに/あるいは、
カバー(1C)は、カバーのチャンバまたは中空体(600)内の制御デバイス(601)を含む部分または本体(602C)の少なくとも1つの位置決め手段(603、604)と結合し、また、弁デバイス(602)の制御デバイス(601)を含む部分(弁が少なくとも開位置と封止位置との間で動く、弁ユニット本体の弁体もしくは外表面)に対する少なくとも1つの保定部(605)と結合し、前記保定部(605)は、前記カバー(1C)に対して、前記保定部(605)が、カバー(1C)のチャンバまたは中空体(600)からの、弁デバイス(602)の制御デバイス(601)を含む部品もしくは弁体の引抜きに対向する保定位置と、前記保定部(605)が、カバー(1C)のチャンバまたは中空体(600)からの、弁デバイス(602)の制御デバイス(601)を含む
部分もしくは弁体の引抜きに対向しない非保定位置との間で移動可能である。ならびに/あるいは、
カバー(1C)は、そのチャンバまたは中空体(600)内に、互いから離隔された少なくとも2つのタブ(603)を有し、その少なくとも1つは可撓性であり(好ましくは2つが可撓性であり)、前記タブ(603)は、弁デバイス(602)の制御デバイス(601)を含む部分または弁体と協働して、カバー(1C)のチャンバまたは中空体(600)内における前記部分または弁体の位置決めを確保する手段として機能する。ならびに/あるいは、
カバー(1C)は、そのチャンバまたは中空体(600)内に停止部(604)を提供し、前記停止部または当接部は、弁デバイス(602)の制御デバイス(601)を含む部分または弁体の壁(606)に対する支持体または当接部として機能し、弁デバイス(602)の前記部分または弁体に対する制御デバイス(601)の相対移動中の、弁デバイス(602)の前記部分または弁体の移動を制限または防止する。ならびに/あるいは、
弁デバイス(602)の制御デバイス(601)を含む部分または本体(602C)は、本体または本体部分(602C)を有し、制御デバイス(601)は、前記本体(602C、607)から外側に延在し、弁(5V)の閉位置に相当する第1の位置と、弁(5V)の開位置に相当する第2の位置との間で、付勢手段(5R)の作用に対抗して前記本体(607)に対して移動可能な、少なくとも1つの、有利には2つのラグ(608)を備え、前記付勢手段(5R)は、前記1つもしくは複数のラグ(608)がそれらの第2の位置に向かって動くのに対抗する力を働かせる。ならびに/あるいは、
カバー(1C)のチャンバまたは中空体(600)内に延在するタブ(603)は、カバー(1C)の中空体またはチャンバ(600)内で、弁デバイス(602)の制御デバイス(601)を含む部分または本体の1つもしくは複数のラグ(608)を位置決めする手段として機能し、前記1つもしくは複数のラグ(608)は、有利には、タブ603と停止部または当接部604との間で位置決めされる。ならびに/あるいは、
1つもしくは複数のラグ(608)は、1つもしくは複数のタブ(603)の隣接位置と、1つもしくは複数のタブ(608)の遠隔位置との間で、付勢手段(5R)に対抗して移動可能である。ならびに/あるいは、
容器(1)は中心軸(A-A)を有し、制御デバイス(601)または1つもしくは複数のラグ(608)は、容器(1)の前記中心軸(A-A)に垂直または実質的に垂直な方向(B-B)で動く。ならびに/あるいは、
上側部分(1S)のプレートまたは頂壁(18)は、カバー(1C)の協働する要素(611)と協働して、容器(1)に対する、または頂部プレートもしくは頂壁(18)に対するカバー(1C)の回転を制限し、好ましくは防止する、制限手段(610)を有する。ならびに/あるいは、
プレートまたは頂壁(18)は、(容器(11)の内部チャンバ(3)に向かう)通路または陥凹部(610)を有し、カバー(1C)の協働する要素(611)は、前記通路または陥凹部(610)内に延在して、容器またはプレートもしくは壁(18)に対するカバーの回転を制限または防止する突起(611)であり、前記突起は、有利には、カバーによって支えられて、空気または液体がカバー(1C)によって支えられたパイプ611を介して内部チャンバに入るようにする、パイプである。
プレート(18)は、容器(1)の内部チャンバ(3)に向かう通路(610)を有し、突起(611)は、カバー(1C)によって支えられて、空気または液体がカバー(1C)によって支えられたパイプ(611)を介して内部チャンバ(3)に入るようにするパイプであり、シールまたはリング(612)は、有利には、パイプ(611)の平坦な支持体(613)と容器(1)の上側部分(1S)のプレートもしくは頂壁(18)との間で圧縮される。ならびに/あるいは、
容器(1)は中心軸(A-A)を有し、保定部(605)は、前記中心軸(A-A)に垂直な方向(C-C)で移動可能であり、前記保定部(605)は注ぎ口(BV)を備え
、その開放端(614)は、弁体(602C)の出口チャネル(615)の一端を受け入れる。ならびに/あるいは、
プレートまたは頂壁(18)は、内部チャンバ(3)に面する第1の側面(18A)と、第1の側面とは反対側で、カバー(1C)のチャンバまたは中空体(600)に面する第2の側面(18B)とを有し、柔軟なまたは可撓性の袋(4)は中空先端(617)と結合し、弁デバイス(602)は、内部の開チャネル(619)を提供する要素(618)と結合し、横断断面は、要素(618)を中空先端(617)に挿入できるようにし、クランプ(620)は、場合によっては中間シールと共に、前記プレートまたは頂壁(18)の第2の側面(18B)に接触または当接し、有利には、弁デバイス(602)の前記要素(618)を取り囲むシール(621)は、プレートまたは頂壁(18)の第1の側面(18A)に接し、好ましくは、中空先端(617)の有利にはカラーを含む遠位側縁部(617A)と、プレート(18)の前記第1の側面(18A)との間で圧縮される。ならびに/あるいは、
保定部(605)は、カバー(1C)の陥凹部または窓(623)内で、場合によってはストリップ(624)によって支えられる、クリップシステム、または突起(622)を挿入するシステムによって、カバー(1C)上の適所で保持される。
保定部(605)は、カバー(1C)の中空体またはチャンバ(600)内に位置する弁(602)の制御デバイス(601)へのアクセスを与える、少なくとも1つの、有利には2つの窓(625)を有し、窓(625)は、カバーの中空体またはチャンバ(600)にツール(631)の1つもしくは複数の端部(630)を挿入して、制御デバイス(601)または前記制御デバイス(601)に作用する中間要素に力を加えることができるように位置決めされ、前記窓(625)はまた、有利には、保定部(605)をカバー(1C)から分離するツールを挿入できるように位置決めされ設計される。ならびに/あるいは、
可撓性/柔軟な袋(4)は、互いに結合されて柔軟なパウチを形成する第1の柔軟な要素(4B)および第2の柔軟な要素(4A)を備え、第1の要素(4B)は第2の要素(4A)よりもしなやかさまたは柔軟性が低く、この第2の要素(4A)は、パウチの内部に面する第1の要素(4B)の範囲より少なくとも50%、好ましくは75%~300%広い、パウチの内部に面する範囲を有する。ならびに/あるいは、
有利には、柔軟な袋の先端(617)は、第1の柔軟な要素(4A)に結合されたその縁部の1つの付近で、前記第2の柔軟な要素(4A)に付着される。ならびに/あるいは、
柔軟な袋(4)は、柔軟なネット(626)によって、有利には弾性の柔軟なネットによって取り囲まれる。ならびに/あるいは、
カバー(1C)は、位置決め手段または中空体もしくは陥凹部(627)を有し、前記手段または中空体もしくは陥凹部は、カバー(1C)の側面(1CL)に沿って延在する。ならびに/あるいは、
箱は、箱の使用前または箱の使用後に、1つもしくは複数の通路または窓の閉止を確実にする、1つまたは複数の保護手段(6、6A、6B、6C)と結合する。ならびに/あるいは、
これらの詳細および特徴のいずれかの組み合わせ。
【0027】
本発明は更に、有利には上述した特徴および詳細の1つもしくは複数を有する、本発明の組み合わせにしたがって、箱に入れられた袋に収容されたある量の液状または粘性の食品を、適切な温度範囲で分配する装置に関し、前記装置は少なくとも次のものを備える。
本発明による少なくとも1つの組み合わせの箱(1)およびカバー(1C)(例えば、カバー(1C)を有する一連のかかる箱(1))に対する、少なくとも1つの支持要素(101)を有する構造(100)。
可撓性の袋4の外側で、箱1の内部チャンバ3内を流れることが意図された、水性媒体用の(1つもしくは複数の)タンク。
可撓性の袋4の外側で箱1の内部チャンバ3内を流れる、前記水性媒体の少なくとも一部の温度を調節する手段(103)。
有利には、袋(4)の外側で、箱の1つもしくは複数の通路を接続してその内部チャンバ(3)と連通する、1つまたは複数の接続。
可撓性の袋(4)の外側にある硬質の箱の内部チャンバ(3)内で前記水性媒体を循環させ、内部チャンバ(3)内に存在する水性媒体を加圧する、少なくとも1つのポンプ(111A、111B)を有する回路(110)(有利には、水性媒体の少なくとも一部分の温度を適合させ、可撓性のまたは柔軟な袋の外部にある箱の内部チャンバ内で水性媒体を循環させ、内部チャンバ内に存在する水性流体を加圧する手段における、水性媒体を循環させるポンプを有する回路)。
分配されるまたは分配されるべき食品の量を制御する手段であって、有利には、弁(602)の制御デバイス(601)に作用することができる移動ツール(631)を備える、分配されるまたは分配されるべき食品の量を制御する手段(105)。
【0028】
本発明の装置の実施形態の有利な特徴は次の通りである。
構造は、箱およびそのカバーを支持要素上に配置することができる開位置もしくは上昇位置と、箱およびそのカバーを支持要素上に配置するのを、または箱およびカバーの組み合わせを支持要素から除去するのを妨げる閉位置もしくは下降位置との間で、支持要素に対して動くことができる部品を備える。ならびに/あるいは、
支持要素は、袋の外側にある箱の内部チャンバと連通する下側部分の少なくとも1つの通路と協働するように設計された、1つまたは複数の接続手段を備え、前記接続手段は、前記回路の1つまたは複数の水性媒体の入口/出口パイプに接続される。ならびに/あるいは、
支持要素に対して動くことができる部品は、袋の内部と連通する箱の通路と協働し、分配チューブと協働するように設計された接続手段と、袋の外側にある内部チャンバと連通する箱の通路と協働するように設計された接続手段とを備え、移動可能な部品が開位置にあるとき、前記接続手段は箱の前記通路から遠隔にあり、前記移動可能な部品が閉位置にあるとき、前記接続手段は、袋の内部と連通する箱の通路と協働し、分配チューブと協働するのに適切な位置にある。ならびに/あるいは、
装置は、支持要素上に乗るかまたは配置される箱の下側部分の少なくとも1つの通路と協働するように設計された、接続手段を有する1つまたは複数の支持要素を備える。ならびに/あるいは、
回路は、支持要素上に乗るかまたは配置された1つもしくは複数の箱の上方の高さに位置する、少なくとも1つの管または延長管と結合する。ならびに/あるいは、
回路は、1つまたは複数の熱交換器手段と結合して、水性媒体が1つまたは複数の箱内を循環する前にその温度を調節する。ならびに/あるいは、
回路のポンプは、支持要素上に置かれた、袋の外側にある箱の頂部から底部までの水性媒体の流れを提供するように設計される。ならびに/あるいは、
ポンプは、支持要素上に置かれた箱から水性媒体を抽出し、それをタンクまで運ぶように設計される。ならびに/あるいは、
1つまたは複数の支持要素は、少なくとも1つの箱を、例えば2つまたは2つを超える別個の箱を支持するように設計され、装置は、別個のポンプを備えた少なくとも2つの回路を含み、各回路は、チャンバ内の水性媒体の流れを提供するように設計される。ならびに/あるいは、
回路または各回路は、回路内に存在する空気を排気するか、または空気を回路に取り込む通気弁と結合する。ならびに/あるいは、
回路または各回路のポンプは、支持要素、または支持要素上に置かれた箱の下方の高さに載置される。ならびに/あるいは、
装置は、移動可能な部品が開位置にあるときは回路のポンプの動作を防ぐ、制御システムと結合する。ならびに/あるいは、
装置は、充填を簡単にする、1つもしくは複数の除去可能または移動可能なタンクと結合する。ならびに/あるいは、
装置は、水性媒体の高さがタンク内または管もしくは延長管内の所定の高さに達したときの、1つまたは複数の安全システムを備える。ならびに/あるいは、
装置は、袋内に存在する液状または粘性の食品の量を判定する制御デバイスを備える。ならびに/あるいは、
装置は、袋から分配される食品の量を制御するデバイスを備える。ならびに/あるいは、
装置は、回路および/または制御デバイスを流れる水性媒体に対する、ポンプおよび/または熱交換器に電力供給する電気グリッドへの接続を有する、移動デバイスの形態である。ならびに/あるいは、
有利には、移動ツールは、少なくとも、弁5Vを開位置に至らせるように弁デバイスの制御デバイス(601)に作用する位置と、弁デバイスの制御デバイス(601)が弁5Vの閉位置に相当する位置にある休止位置との間で、保定部(605)の窓(625)を通って動くことができる、少なくとも1つの爪状要素(631)を有する。ならびに/あるいは、
好ましくは、可動ツール(631)は、爪が箱のカバーの中空部またはチャンバの外側に位置する位置と、爪がカバーの中空部またはチャンバ内に位置する端部を有し、弁の制御デバイスに作用して開位置に至らせる位置との間で、(有利には、少なくとも1つの枢動移動によって)動くことができる少なくとも1つの爪状要素を有し、中間位置では、爪は、爪がカバーの中空部またはチャンバ内に位置する端部を有するが、弁を開位置に至らせるように弁の制御デバイスに作用しない位置にある。ならびに/あるいは、
有利な実施形態では、装置は、装置の底部に対する箱の適正な位置決めを確保する手段を備える。ならびに/あるいは、
これらの特徴のいずれかの組み合わせ。
【0029】
本発明はまた、本発明による装置の支持要素上に置かれた、本発明の組み合わせの箱に入れられた袋に収容された液状または粘性の食品を分配する方法であって、水性媒体の温度が調節され、ポンプの動作が、適切な温度を有する水性媒体を圧力下で箱に入れるように制御され、袋が箱内で圧縮されて、ある量の液状または粘性の食品が袋からチューブを通って容器を充填するのを可能にする、方法に関する。
【0030】
特に、方法は、本明細書に開示される本発明の装置を使用して、飲食用容器(グラスなど)内に、本明細書内に開示される本発明による組み合わせの袋に収容された液状または粘性の食品を分配する方法であって、
前記方法は、少なくとも、
装置の支持要素上に、少なくとも、液状または粘性の食品を収容した可撓性の袋を含む硬質の箱を配置するステップと、
硬質の箱の内部チャンバ(3)内を流れる、水性媒体の温度を制御するステップと、
適切な温度を有する水性媒体を圧力下で硬質の箱の内部チャンバ(3)に入れる、ポンプの動作を制御するステップと、
可撓性の袋から容器に流れ込む液体または粘性の食品の量を制御するため、弁の開口部を制御するステップとを含む。
【0031】
本発明の好ましい実施形態の特定の特徴および詳細は、添付図面を参照する以下の詳細な説明から明白となるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】カバー1Cを備えたWO2015/184513による箱を示す図である(本出願の図1は、前記公開済み出願の図16に対応する)。
図2図1の箱およびカバーを示す分解組立図である。
図3】本発明による改善された箱およびカバーを示す分解組立図である。
図4図3に示される箱の袋を示す斜視図である。
図5図4の袋を形成する2つのフィルムの結合を示す部分図である。
図6A-C】保定部の上面図、下面図、および側面図である。
図7】カバー、袋、および容器を示す分解断面図である。
図8】弁の前面図である。
図9】閉位置にある弁を示す断面図である。
図10】開位置にある弁体を示す断面図である。
図11】保定部を含まないカバーを示す上面図である。
図12】線XII-XIIに沿った図11のカバーを示す断面図である。
図13】線XIII-XIIIに沿った図11のカバーを示す断面図である。
図14図11のカバーの底部を示す図である。
図15】弁体が2つの可撓性タブの間に付着された図11のカバーの底部を示す図である。
図16図8図10に示されるアセンブリの正面図である。
図17】弁と結合した袋を示す部分断面図である。
図18図3に示される箱のための本発明による装置のユニットを示す図である。
図19図3に示される箱のための本発明による装置のユニットを示す図である。
図20】箱が非係止位置にある、箱と結合した装置を示す部分図である。
図21】箱が係止位置にあり、弁を開位置に至らせるように爪がまだ制御デバイスに作用していない、箱を含む装置を示す図である。
図22】箱が係止位置にあり、爪が制御デバイスに作用して弁が開位置に至っている、箱を含む装置を示す図である。
図23A-B】爪を含む制御手段を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図面の説明において開示した好ましい実施形態は、単に例として与えられるものである。
【0034】
図1は、WO2015/184513による好ましい箱(1)を示している(図2は、その分解組立図である)。この箱(1)は、本体(1)に付着されたキャップ(1C)と結合する。
【0035】
壁(2)は内部チャンバ(3)を画定し、その中へと、適切な温度範囲で飲食される液状または粘性の食品を収容する可撓性の袋(4)が延在する。前記袋(4)は弁(5)と結合する。
【0036】
下側部分(1I)と上側部分(1S)との間の箱(1)の側壁(2)の少なくとも一部分は、内部チャンバ(3)に面するその側面に沿って、前記水性媒体のための1つまたは複数のガイドチャネルを形成する少なくとも1つの手段(ネット12など)を備え、前記1つまたは複数のガイドチャネル(12)は、柔軟な/可撓性の袋(4)がチャンバ(3)内に存在する場合であっても、1つまたは複数のチャネル(12)が水性媒体を通過させるために開いているかまたは開いたままであるように設計される。
【0037】
袋(4)は、箱(1)内で、より正確にはチャンバ(3)内で吊り下げられる。これによって、液体、例えば飲料、ワインなどの中に存在することがある粒子が、液体(飲料、ワインなど)を消費者に分配するために袋から抽出している間、袋内に残るようにすることが可能になる。
【0038】
箱(1)は、その上側部分(1S)付近に、前記袋(4)の外側に位置する内部チャンバ(3)の部分と、入口および/または出口パイプ(15)との間に形成するように設計された、少なくとも1つの通路を有する。
【0039】
下側部分(1I)と上側部分(1S)との間の箱(1)の側壁(2)の少なくとも一部分は、内部チャンバ(3)に面するその側面に沿って、前記水性媒体の一連のガイドチャネルを形成する少なくとも1つの手段(12)を備え、前記ガイドチャネルは、チャンバ内に可撓性の袋が存在していても、1つまたは複数のチャネルが水性媒体の通路に対して開いているように設計され、前記チャネルは、有利には、前記側壁に沿って分配される。
【0040】
頂壁(18)は、袋(4)の内部と連通する1つのみの通路(9)を有し、前記通路(9)は、袋から出ていく液体の通過に対抗する閉位置と付勢または戻り手段(5R)の作用に抵抗する開位置との間で移動可能な弁(5V)を備える部品(5)と結合し、底部(8)は、袋(4)の外側に位置する箱の内部チャンバ(3)の部品と連通する単一の中央開口部のみを有し、前記開口部(10)は、例えば引裂き可能である、あるいは剥離するかもしくは引き裂くか、または部分的もしくは完全に穿孔されるかまたは穿孔可能な場合がある、例えば1つもしくは複数のワッシャ(8R)によって付着される、シールもしくはフィルム(8F)によって遮断される。前記開口部(10)は、液体入口パイプおよび出口パイプと(または、入口チャネルおよび出口チャネルを有するパイプと)結合するように設計される。ワッシャまたはリング(8R)は、有利には、入口および出口パイプが底部(8)に取り付けられたとき、カバーと入口および出口パイプとの間に封止を提供するように設計される。
【0041】
弁(5V)の付勢または戻り手段(5R)は、ばね式のもの、または一旦変形されるとその当初のもしくは未変形の形状に戻る傾向がある、弾性的に変形可能な材料(例えば、エラストマー性)のものであってもよい。
【0042】
部品(5)は、フランジ(5U)が頂壁(18)上に置かれるか付着されたパイプ(5T)である。
【0043】
箱は、注ぎ口(BV)を有するカバー(1C)と結合し、前記カバー(1C)は、少なくとも弁(5V)の開放を制御するように設計された、メカニズム(M10、M11)と結合する。箱は、箱と結合した、または箱に取り付けることができる(取外し可能もしくは不能の)カバー(C)と共に市販されていることがある。少なくとも弁(5V)の開放を制御するように設計されたメカニズムは、弁(5V)が閉位置にある(液体がパイプ(5T)を通るのを防ぐ)上昇位置と、弁(5V)が付勢手段(5R)の作用に対抗する開位置にある下降位置との間で移動可能な、少なくとも1つの手段(M10)を備え、前記手段(M10)は、パイプ(5T)に対する前記手段の相対位置で前記パイプ(5T)と協働して、前記手段(M10)を下側位置で保持し、弁(5V)を開位置で維持するように設計された、手段(M11)に適合されるかまたはそれと結合する。
【0044】
前記箱の更なる詳細は、2015年12月10日に公開されたWO2015/184513に開示されている。
【0045】
図3~17は、本発明の箱とカバーとの組み合わせの、または本発明の組み合わせの一部の一実施形態の図である。
【0046】
硬質の箱は、1つもしくは複数の壁(2)が、適切な提供温度範囲で飲食される液状または粘性の食品のための柔軟な袋(4)が中へと延在する内部チャンバ(3)を画定する容器(1)を提供し、前記袋(4)は、少なくとも開位置と閉位置との間で弁5Vを動か
す制御デバイス601を含む一部分を有する、弁デバイス602と結合した部品(5)と結合し、前記容器(1)は、必要であれば手段(6A、膜、再封止可能な膜、もしくは引裂き可能な膜)によって閉止することができ、内部チャンバ(3)と連通する、少なくとも1つの開口部(10)を提供する底部(8)を含む下側部分(1I)と、部品(5)またはその一部分の少なくとも1つの通路(9)を有するプレート要素(18)を含む上側部分(1S)とを有する。
壁(2)は、少なくとも適切な提供温度範囲に近い温度の水性媒体に対して耐性がある、内部チャンバ(3)に面する側面(2C)を有する。
(円筒状)容器の上側部分(1S)は、弁デバイス602の制御デバイス601に作用することができる要素のための、開口部または通路625を有するカバー(1C)と結合し、このカバー(1C)は注ぎ口(BV)と結合する。
カバー(1C)は、部分または本体602Cを、弁デバイス(602)の制御デバイス(601)と共に、少なくとも部分的に受け入れるチャンバまたは中空体(600)を画定し、前記カバー(1C)は、弁デバイス(602)の前記部分または本体(602C)をカバー(1C)に取り付け、前記制御デバイス(601)がカバー(1C)の前記チャンバ(600)内部で動いている間、弁デバイス(602)の前記部分または本体を適所で維持する、1つまたは複数の手段(603、604)を備える。
カバー(1C)は、カバー(1C)のチャンバまたは中空体(600)内の制御デバイス(601)を含む部分または本体(602C)の少なくとも1つの位置決め手段(603、604)と結合し、また、弁デバイス(602)の制御デバイス(601)を含む前記部分または本体(602C)の少なくとも1つの保定部(605)と結合し、前記保定部(605)は、前記カバー(1C)に対して、前記保定部(605)が、カバー(1C)のチャンバまたは中空体(600)からの、弁デバイス(602)の制御デバイス(601)を含む部品、部分、もしくは弁体(602C)の引抜きに対向する保定位置と、前記保定部(605)が、カバー(1C)のチャンバまたは中空体(600)からの、弁デバイス(602)の制御デバイス(601)を含む部分もしくは本体の引抜きに対向しない非保定位置との間で移動可能である。
【0047】
カバー(1C)は、そのチャンバまたは中空体(600)内に、互いから離隔された可撓性の少なくとも2つのタブ(603)を有し、前記タブ(603)は、弁デバイス(602)の制御デバイス(601)を備える部分(この場合、実質的に円筒状の本体)と協働して、カバー(1C)のチャンバまたは中空体(600)内における前記部分の位置決めを確保する手段として機能する。
【0048】
カバー(1C)はまた、そのチャンバまたは中空体(600)内に停止部(604)を有し、前記停止部は、弁(602)の制御デバイス(601)を含む部分の壁(606)に対する支持体として機能し、弁(602)の前記部分に対する制御デバイス(601)の相対移動中の、弁(602)の前記部分の動きを制限または防止する。これによって、制御デバイスおよびそのラグ608が動いている間、弁体が安定する。
【0049】
弁デバイス(602)の制御デバイス(601)と結合した弁体(602C)は、2つの窓(607F)を備えた中空な本体(607)を有し、制御デバイス(601)は、前記窓(607F)を通って前記本体(607)の外側に延在する2つのラグ(608)を備える。それらは、付勢手段(5R)(ばね要素に置き換えることができる、ゴムの半球形要素など)の作用に対抗して前記本体(607)に対して、弁(5V)の閉位置に相当する第1の位置(開いた端部先端615を閉止する)(図9を参照)と、弁(5V)の開位置に相当する第2の位置(図10を参照)との間で移動可能であり、前記付勢手段(5R)は、前記1つまたは複数のラグ(608)がその第2の位置に向かって動くのに対向する力を働かせる。この付勢手段(5R)は、例えば、実質的に半球形のゴムの中空体であり、その頂部において、弁体(602C)を延長する(本体607の内部チャンバに向
かって方向付けられた)チューブ(615)の開口部を閉止するように設計された弁(5V)を支える。この付勢手段(5R)は、本体(607)の中空体内部に位置し、本体は、付勢手段(5R)の円形基部(5RB)に対する支持停止部または当接部(607B)を有する。ロッド(608R)は、弁(5V)の陥凹部とラグ(608)の支持体との間に延在し、付勢手段(5R)の中空体を通る。ラグを停止部(604)に向かって動かすと、付勢手段(5R)は弾性的に変形され、その中央部は、カバー(1C)の停止部もしくは壁(604)の方向で(または弁体(602C)の壁(606)に向かって)本体(607)の中空体に引き込まれる。ラグ(608)がスラストを加えるのに使用されなくなると、付勢手段(5R)はその当初の位置に戻り、弁体が、弁体(602C)の延長部を形成するチューブ615の開口部を閉止する。弁体(602C)は、内部通路(618CI)が、チャンバ(607)(または、チューブ615に向かって方向付けられたその第1の部品)と要素(618)の内部通路(619)との間の連通を形成する、パイプまたは中空接続要素(618C)によって、要素(618)に接続される。付勢手段(5R)が(付勢力に対抗して)動かされると、パイプ(615)の内側開口部を閉止する弁(5V)が、前記内側開口部から離れるようにチャンバ(607)内部で動かされ、その結果、通路(619)、パイプ(618CI)、および内部チャンバ(607)を介して、袋(4)の内部とチューブ(615)との間に通路が形成される。
弁(5V)および付勢手段(5R)は、中間部分(5I)を用いて互いに付着される。有利には、弁、付勢手段、および中間部分は、1つの単一個片、例えば単一のゴム片を形成する。付勢手段5Rは、中空体(607)の内部チャンバを2つの別個のチャンバに、即ち、出口チューブ(615)に向かって方向付けられた第1のチャンバと、窓(607F)を有する第2のチャンバとに分割する。
【0050】
カバー(1C)のチャンバまたは中空体(600)内に延在するタブ(603)は、カバー(1C)の中空体またはチャンバ(600)内で、弁デバイス(602)の制御デバイス(601)を含む部分のラグ(608)を位置決めする手段として機能する。したがって、ラグは、タブ(603)と、カバー(1C)の停止部または当接部(604)との間に配置される。
【0051】
ラグ(608)は、タブ(608)の隣接位置(弁の閉止位置)とタブ(608)の遠隔位置(弁の開位置)との間で、付勢手段(5R)に対抗して(軸線B-Bの方向で)移動可能である。ラグ(608)の軸線方向の動きは、任意の方法で窓(607F)によって制限される。
【0052】
容器(1)は中心軸(A-A)を有し、制御デバイス(601)は、容器(1)の前記中心軸(A-A)に垂直または実質的に垂直な方向(B-B)で動く。これによって、カバー(1C)を容器(1)から分離するか、またはカバー(1C)を容器に固定する力を、弁デバイス(601)に作用することなく、働かせることが可能になる。
【0053】
上側部分(1S)のプレート要素(18)(プレートは、容器(1)の上側開口部を閉止する)は、カバー(1C)と協働して、容器(1)または頂部プレート(18)に対するカバー(1C)の回転を制限し、好ましくは防止する手段(610)を有する。プレート(18)は、例えば、中間の接着剤層と共に容器(1)の上縁部を受け入れるように設計された、円形の下側溝を有する。プレート(18)はまた、カバー(1C)の円形縁部を受け入れるように設計された、円形の上側溝を有する。
【0054】
このプレート(18)は通路または陥凹部(610)を有し、カバー(1C)は、容器またはプレート(18)に対するカバーの回転を制限もしくは防止する、チューブまたは中空の突起(611)を有する。
【0055】
プレート(18)は、容器(1)の内部チャンバ(3)に向かう通路または開口部(610)を有し、突起(611)は、カバー(1C)によって支えられ、前記開口部(610)を通って延在するように適合されることによって、空気または液体がカバー(1C)によって支えられたパイプ(611)を介して内部チャンバ(3)に入るようにするパイプであり、シール(612)は、有利には、パイプ(611)の平坦な支持体(613)と容器(1)の上側部分(1S)のプレート(18)との間で圧縮される、パイプ(611)を取り囲む。
【0056】
容器(1)は中心軸(A-A)を有し、保定部(605)は、前記中心軸(A-A)に垂直な方向(C-C、例えば方向B-Bに平行)で移動可能であり、前記保定部(605)は注ぎ口(BV)を備え、開放端のチューブ(614)は、弁デバイス(602)の出口チャネル(615)の一端を受け入れるように適合される。
【0057】
プレート(18)は、内部チャンバ(3)に面する第1の側面(18A)と、第1の側面の反対側であり、カバー(1C)のチャンバまたは中空体(600)に面する第2の側面(18B)とを有する。柔軟なまたは可撓性の袋(4)は中空先端(617)と結合し、弁(602)は、内部の開チャネル(619)を提供する要素(618)と結合し、横断断面は、要素(618)を中空先端(617)に挿入できるようにし、クランプは、場合によっては中間シールと共に、前記プレート(18)の第2の側面(18B)に接する。有利には、弁(602)の前記要素(618)を取り囲むシール(621)は、プレート(18)の第1の側面(18A)上に乗り、好ましくは、有利にはカラーを有する、中空先端(617)の遠位側縁部(617A)と、プレート(18)の前記第1の側面(18A)との間で圧縮される。
【0058】
下側プレート8は、中間の接着剤層と共に容器(1)の下縁部を受け入れるように設計された、周囲の円形溝(10G)を有する。下側プレートは、本発明による装置の支持体上で位置決めされると、剥離可能もしくは引裂き可能なフィルム、または穿孔可能および再封止可能な膜によって閉止することができる、中央開口部(10)を有する。
【0059】
保定部(605)は、クリップシステムによって、つまり、陥凹部または窓(623)内に、場合によってはストリップ(624)によって支えられる、突起(622)を挿入するシステムによって、カバー(1C)上の適所で保持される。
【0060】
保定部(605)は、カバー(1C)の中空体またはチャンバ(600)内に位置する弁(602)の制御デバイス(601)へのアクセスを与える2つの窓(625)を有し、窓(625)は、カバーの中空体またはチャンバ(600)にツール(631)の1つもしくは複数の端部(630)を挿入して、制御デバイス(601)に力を加えることができるように位置決めされ、前記窓(625)はまた、有利には、保定部(605)をカバー(1C)から分離するツールを挿入できるように位置決めされる。
【0061】
袋(4)は、互いに結合されて柔軟なパウチを形成する第1の柔軟な要素(4B)および第2の柔軟な要素(4A)を備え、第1の要素(4B)は第2の要素(4A)よりもしなやかさまたは柔軟性が低く、この第2の要素(4A)は、パウチの内部に面する第1の要素(4B)の範囲より少なくとも50%、好ましくは75%~300%広い、パウチの内部に面する範囲を有し、有利には、柔軟な袋の先端(617)は、第1の柔軟な要素(4A)に結合された縁部の1つの付近で、前記第2の柔軟な要素(4A)に付着される。
【0062】
柔軟な袋(4)は、チャネルが容器の内面と柔軟な袋との間に存在して、液状食品を袋から抽出する動作中に袋の周りを液体が通れるようにすることを確保する手段として機能する、柔軟なネット(626)に取り囲まれる。
【0063】
中空の先端(617)は、有利には、フィルム(4A)に結合された下側カラー(617B)を有する(図7)。
【0064】
カバー(1C)は、位置決め用の中空部または陥凹部(627)を有し、前記中空部または陥凹部は、カバー(1C)の側面または横の面(1CL)に沿って延在する(図11)。
【0065】
箱は、箱が使用される前に、1つもしくは複数の通路または窓の閉止を確実にする、1つまたは複数の保護手段(6、6A、6B、6C)と結合する。例えば、かかる手段は、引裂き可能もしくは分離可能な可撓性フィルム、またはカバー(1C)の保定部の窓に対する引裂き可能もしくは変形可能な要素、または穿孔し、穿孔後に再封止することができる膜要素である。
【0066】
図18および19は、適切な温度範囲で、本発明による箱に入れられた袋に収容された、ある量の液状または粘性の食品を分配する装置のユニットの図である。前記装置は少なくとも次のものを備える。
本発明による少なくとも1つの箱に対する、少なくとも1つの支持要素(101)を有する構造(100)、
水性媒体用のタンク(102)、
前記水性媒体の少なくとも一部分の温度を調節する手段(103)、
内部チャンバ(3)と連通している箱の1つまたは複数の通路を袋(4)の外側に接続する、1つまたは複数の接続(106A、106B)、
手段(103)によって水性媒体を循環させてその少なくとも一部分の温度を調節し、水性媒体を柔軟な袋(4)の外側で箱の内部チャンバ(3)内を循環させ、チャンバ(3)内に存在する水性媒体の加圧する、少なくとも1つのポンプ(111A)を有する回路(110)、
弁(602)の制御デバイス(601)に作用することができる移動ツール(631)を備える、分配される食品の量を制御する手段(105)。
【0067】
移動ツールは、少なくとも、弁を開位置に至らせるように弁の制御デバイス(601)に作用する位置と、弁デバイスの制御デバイス(601)が弁の閉位置に相当する位置にある休止位置との間で、保定部(605)の窓(625)を通って動くことができる、少なくとも1つの爪状要素(631)を有する。
【0068】
移動ツール(631)は、爪が箱の中空部またはチャンバの外側に位置する位置と、爪がカバーの中空部またはチャンバ内に位置する端部を有し、弁の制御デバイスに作用して開位置に至らせる位置との間で、(有利には、少なくとも1つの枢動移動によって)動くことができる少なくとも1つの爪状要素を有し、中間位置では、爪は、爪がカバーの中空部またはチャンバ内に位置する端部を有するが、弁を開位置に至らせるように弁の制御デバイスに作用しない位置にある。
【0069】
装置は、装置の底部に対する箱の適正な位置決めを確保する手段を備える。この目的のため、ユニットは、容器(1)の基部に対する支持プレート(PS)であって、(例えば、制御されたモータ(PSM)を介して)実質的に垂直または垂直な軸線(容器(1)の中心軸A-Aに平行)の周りで回転する、プレート(PS)と、ユニット(100)の後面上の突起(150)とを備え、この突起は、カバー(1C)の陥凹部(627)に嵌合するように設計される。本発明による箱を支えるプレート(PS)のわずかな回転移動により、突起(150)をカバー(1C)の中空部(627)に挿入することによって、箱の適正な位置決めを確保することが可能である。
適正に位置決めされると、例えばアクチュエータ(105V)によって、垂直方向で爪ホルダ(105)が動かされ(爪ホルダ(105)が下方に動かされるか、カバー(1C)に向かって動かされるか、もしくはプレート(PS)が上方に動かされる)、それによって爪(631)が保定部(605)の窓(625)に近付き、それらが回転移動によって、窓(625)を通ってカバーの中空体に入って、箱の除去に対向すると共に弁のラグ(608)に作用することができるように位置決めされる。例えば、爪(631)の回転移動は、第1のステップで、爪を箱の引抜きに対向するがラグ608には作用しない第1の位置(631bis)に至らせ、第2のステップで、爪を(弁5Vを開くために箱の引抜きに対向すると共にラグに作用して)第1の位置から第2の位置(631ter)まで動かして、実行することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23A
図23B