(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-24
(45)【発行日】2022-06-01
(54)【発明の名称】飲料ポッドを製造する装置および方法
(51)【国際特許分類】
B65B 9/04 20060101AFI20220525BHJP
【FI】
B65B9/04
(21)【出願番号】P 2019562374
(86)(22)【出願日】2018-05-04
(86)【国際出願番号】 IB2018053103
(87)【国際公開番号】W WO2018207062
(87)【国際公開日】2018-11-15
【審査請求日】2021-02-04
(31)【優先権主張番号】102017000049857
(32)【優先日】2017-05-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】519395961
【氏名又は名称】オーペム エス.ピー.エー.
(74)【代理人】
【識別番号】100118913
【氏名又は名称】上田 邦生
(74)【代理人】
【識別番号】100142789
【氏名又は名称】柳 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100163050
【氏名又は名称】小栗 眞由美
(74)【代理人】
【識別番号】100201466
【氏名又は名称】竹内 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】ファビオ ビナッチ
【審査官】種子島 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第1705122(EP,A1)
【文献】国際公開第2017/017515(WO,A1)
【文献】特表2018-532657(JP,A)
【文献】特開昭63-275511(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 9/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
耐水性材料のベル
トを所定の直線方
向で前進させる移動手段と、
前記ベル
トの下方に配置され、前記ベル
ト自体に面する少なくとも1つのキャビテ
ィを個々に備えた複数の成形プレー
トと、
前記成形プレー
トを前記ベル
トと同じ方
向に、前記ベル
トと同期して前進させる移動手段と、
前記ベル
トの進行方
向に沿って連続して配置された複数の動作デバイスと、を備え、
前記動作デバイスが、少なくとも、
前記ベル
トの一部分を下方にある前記成形プレー
トの前記キャビテ
ィに押し込んで、キャッ
プの形状をその中に型押しする1つのデバイ
スと、
一回量の粉末物質を、前記成形プレー
トの前記キャビテ
ィ内に配置された前記キャッ
プ内部に放出するデバイ
スと、
前記成形プレー
トの前記キャビテ
ィ内に配置された前記キャッ
プ内部の前記一回量を圧密化して、圧密化されたタブレッ
トを得るデバイ
スと、
耐水性材料の第2のキャッ
プと、
該第2のキャッ
プを、前記成形プレー
トの前記キャビテ
ィ内に配置された前記キャッ
プ内部の前記圧密化されたタブレッ
ト上に適用するデバイ
スと、
前記第2のキャッ
プを前記ベル
トに封止して、ポッ
ドを得るデバイ
スと、
前記ベルトを切断して、前記ポッ
ドを分離するデバイ
スと、を備え、
前記一回量を圧密化する前記デバイ
スが、機械的振動を前記一回量に伝達するように適合された振動
群を備え、
該振動群が、
超音波範囲の周波数を有する電波を発生させるように適合された超音波発生器と、
前記電波を機械的振動に変換するように適合された電気機械変換
器と、
前記電気機械変換
器によって発生させた前記機械的振動を前記一回量に伝達するように適合されたソノトロー
ドと、を備え、
前記一回量を圧密化する前記デバイ
スが、前記一回量から分離される上昇位置と、前記成形プレー
トの前記キャビテ
ィ内に配置された前記キャッ
プに前記一回量を押し付ける下降位置との間で、前記ソノトロー
ドを移動させるように適合された手段を備え、
前記ソノトロー
ドが、前記ベル
トから離隔される上昇位置と、前記成形プレー
トに前記ベル
トを押し付けて係止して、前記成形プレー
トの前記キャビテ
ィ内に配置された前記キャッ
プおよび一回量のコーヒーを横方向で取り囲む下降位置との間で移動可能なガイドジャケッ
ト内部に摺動可能に受け入れられる、飲料抽出機用のポッ
ドを製造する装
置。
【請求項2】
前記一回量を圧密化する前記デバイ
スが、前記機械的振動を増幅する、前記電気機械変換
器と前記ソノトロー
ドとの間に挟み込まれたブースタ
ーを更に備える、請求項1に記載の装
置。
【請求項3】
耐水性材料の前記第2のキャッ
プを適用する前記デバイ
スが、
耐水性材料の第2のベル
トを所定の直線方
向で前進させる移動手段と、
前記第2のベル
トの下方に配置され、前記第2のベル
ト自体に面する少なくとも1つのキャビテ
ィを備えた成形プレー
トと、
前記第2のベル
トの一部分を前記成形プレー
トの前記キャビテ
ィに押し込んで、その中に前記第2のキャッ
プの形状を型押しするデバイ
スと、
前記第2のベル
トを切断して、前記第2のキャッ
プを含むシー
トを分離する切断手
段と、
前記シー
トを受け入れ、前記シートを前記圧密化されたタブレッ
トと重なり合う位置に至らせるように適合された移送手
段と、を備える、請求項1または2に記載の装
置。
【請求項4】
前記移送手段が、少なくとも1つのキャビテ
ィを個々に備えた複数の支持ビームを備える回転式円形コンベ
ヤを備え、前記円形コンベ
ヤの回転によって、前記支持ビー
ムの前記キャビテ
ィが位置合わせされ、前記第2のベル
トから分離された前記シー
ト上に得られた前記第2のキャッ
プに面する受入れ位置と、前記支持ビー
ムの前記キャビテ
ィが下方に面し、前記圧密化されたタブレッ
トと位置合わせされる解放位置との間で移動可能である、請求項
3に記載の装
置。
【請求項5】
前記移送手
段が、前記支持ビー
ムの前記キャビテ
ィ内部に真空を作り出す吸引手段を備える、請求項
4に記載の装
置。
【請求項6】
耐水性材料のベル
トを所定の直線方
向で前進させるステップと、
前記ベル
トの下方に、前記ベル
ト自体に面する少なくとも1つのキャビテ
ィを個々に備えた複数の成形プレー
トを配置するステップと、
前記成形プレー
トを前記ベル
トと同じ方向に前記ベル
トと同期して前進させるステップと、
前記ベル
トの一部分を押し下げて下方にある前記成形プレー
トの前記キャビテ
ィに押し込んで、キャッ
プの形状を型押しするステップと、
一回量の粉末物質を、前記成形プレー
トの前記キャビテ
ィ内に配置された前記キャッ
プ内部に放出するステップと、
前記成形プレー
トの前記キャビテ
ィ内に配置された前記キャッ
プ内部の前記一回量を圧密化して、圧密化されたタブレッ
トを得るステップと、
耐水性材料の第2のキャッ
プを、前記成形プレー
トの前記キャビテ
ィ内に配置された前記キャッ
プ内部の前記圧密化されたタブレッ
ト上に適用するステップと、
前記第2のキャッ
プを前記ベル
トに封止して、ポッ
ドを得るステップと、
前記ベル
トを切断して前記ポッ
ドを分離するステップと、を含み、
前記圧密化するステージは、前記ソノトロー
ドが一回量から分離される上昇位置と、前記ソノトロー
ドが、前記成形プレー
トの前記キャビテ
ィ内に配置されたキャッ
プに前記一回量を押し付ける下降位置との間で移動されるソノトロー
ドにより、超音波機械的振動を前記一回量に伝達することを提供し、
前記ソノトロー
ドが、前記ベル
トから離隔される上昇位置と、前記成形プレー
トに前記ベル
トを押し付けて係止して、前記成形プレー
トの前記キャビテ
ィ内に配置された前記キャッ
プおよび一回量のコーヒーを横方向で取り囲む下降位置との間で移動可能なガイドジャケッ
ト内部に摺動可能に受け入れられる、飲料抽出機用のポッ
ドを製造する方法。
【請求項7】
前記ガイドジャケッ
トは、前記ソノトロー
ドが一回量のコーヒーと接触するまでは、下降位置で保たれる、請求項6に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の抽出機で飲料を作成する使い捨てポッド、一般的にはコーヒーポッドの製造に関する。
【0002】
より詳細には、本発明は、周囲フランジに沿って互いに接合された、例えば円形を有する、耐水性材料の2つの薄いキャップの間に/それらによって収容された、一回量のコーヒーから成るポッドを製造することに関する。
【0003】
更に具体的には、本発明は、コーヒー一回量が圧密化されたコーヒー粉末の実質的に固体のタブレットから成る、コーヒーポッドを製造することに関する。
【0004】
このタイプのコーヒーポッドは、例えば、「ネスプレッソ(登録商標)プロフェッショナル」の商品名で知られている。
【背景技術】
【0005】
上記に概説したコーヒーポッドを製造するシステムは、固体のタブレットを作るのに十分な圧力で個々のコーヒー一回量を圧密化する、特定の機械作動式または油圧作動式のプレス機を使用する。
【0006】
圧密化後、固体の圧密化されたコーヒータブレットは、プレス機から離れる方向で移動させられ、タブレットを耐水性材料の2つのベルトの間に挟み込む装置へと移送される。それらのベルトは、キャップを規定するように適合された局所的な窪みを作るために、前もって塑性変形されている。
【0007】
次に、耐水性材料の2つのベルトは互いに封止され、個々のポッドを分離するように切断される。
【0008】
しかしながら、この製造システムの欠点は、コーヒー一回量の圧密化操作が、そのようにして耐水性材料のキャップの内部に得られるタブレットのパッケージ化とは別個の独立した形で行われて、システムの複雑性が増大すると共に生産性が低減されることである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
したがって、本発明の目的は、上述のコーヒーポッドを実質的に連続的な統合された形で製造することを可能にする、装置および方法を提供することである。
【0010】
本発明の別の目的は、上述した目的を、単純で合理的であって比較的手頃な解決策の範囲内で達成することである。
【0011】
これらおよび他の目的は、独立請求項において示される本発明の特徴によって得られる。従属請求項は、本発明の好ましいまたは特に有利な態様を概略的に述べる。
【0012】
特に、本発明の一実施形態によって、飲料抽出機用のポッドを製造する装置が利用可能になり、該装置は、
耐水性材料のベルトを所定の直線方向で前進させる移動手段と、
ベルトの下方に配置され、ベルト自体に面する少なくとも1つのキャビティを個々に備えた複数の成形プレートと、
前記成形プレートをベルトと同じ方向に、ベルトと同期して前進させる移動手段と、
ベルトの進行方向に沿って連続して配置された複数の動作デバイスと、を備え、
前記動作デバイスは、少なくとも、
ベルトの一部分を下方にある成形プレートのキャビティに押し込んで、その中にキャップの形状を型押しする1つのデバイスと、
一回量の粉末物質を、成形プレートのキャビティ内に配置されたキャップ内部に放出するデバイスと、
成形プレートのキャビティ内に配置されたキャップ内部の一回量を圧密化して、圧密化されたタブレットを得るデバイスと、
耐水性材料の第2のキャップを、成形プレートのキャビティ内に配置されたキャップ内部の圧密化されたタブレット上に適用するデバイスと、
第2のキャップをベルトに封止して、ポッドを得るデバイスと、
ベルトを切断して、ポッドを分離するデバイスと、を備える。
【0013】
この解決策によって、粉末物質、一般的にはコーヒー粉の各一回量を圧密化する操作は、ベルト(キャップ)の変形部分の内部で直接行われ、その中でコーヒー粉が次にパッケージ化されて、完全に連続的で統合された製造システムが得られる。
【0014】
本発明の一態様によれば、一回量を圧密化するデバイスは、機械的振動を一回量に伝達するように適合された振動群を備えてもよい。
【0015】
それにより、有利には、概説したような連続システムに統合することが困難であろう強力なプレス機を使用することなく、一回量の圧密化レベルを増大することができる。
【0016】
特に、振動群は、
超音波範囲の周波数を有する電波を発生させるように適合された超音波発生器と、
電波を機械的振動に変換するように適合された電気機械変換器と、
電気機械変換器によって発生させた機械的振動を一回量に伝達するように適合されたソノトロードと、を備えてもよい。
【0017】
この超音波圧密化システムにより、有利には、非常に効率良くコーヒー一回量を非常に高レベルで圧密化することができる。
【0018】
このシステムの一態様によれば、一回量を圧密化するデバイスは、機械的振動を増幅する、電気機械変換器とソノトロードとの間に挟み込まれたブースターを備えてもよい。
【0019】
それにより、事実上、過度にエネルギーを浪費することなく、十分に大きい振幅を有する振動を得ることができる。
【0020】
システムの別の態様では、一回量を圧密化するデバイスはまた、一回量から分離された上昇位置と、成形プレートのキャビティ内に配置されたキャップに一回量を押し付ける下降位置との間で、ソノトロードを移動させるように適合された手段を備える。
【0021】
この解決策により、超音波周波数を有する機械的振動を適用することに加えて、ソノトロードはまた、定圧を一回量に適用することができ、粉末を圧密化することおよび粉末に適切な形状を与えることに寄与する。
【0022】
システムの更なる態様では、ソノトロードは、ベルト上に置かれるように適合されたガイドジャケット内部に摺動可能に受け入れられて、成形プレートのキャビティ内に配置されたキャップを取り囲む。
【0023】
このガイドフレームは、ソノトロードの移動をガイドし、一回量の粉末物質を横方向で収容し、ポッドの周囲フランジを予成形する機能を有する。
【0024】
本発明の別の態様によれば、耐水性材料の第2のキャップを適用するデバイスは、
耐水性材料の第2のベルトを所定の直線方向で前進させる移動手段と、
第2のベルトの下方に配置され、第2のベルト自体に面する少なくとも1つのキャビティを備えた成形プレートと、
第2のベルトの一部分を成形プレートのキャビティに押し込んで、その中に第2のキャップの形状を型押しする1つのデバイスと、
第2のベルトを切断して、第2のキャップを含むシートを分離する切断手段と、
前記シートを受け入れ、シートを圧密化されたタブレットと重なり合う位置に至らせるように適合された移送手段と、を備えてもよい。
【0025】
この解決策により、有利には、圧密化された粉末物質のタブレットの上側部分を受け入れるように適合された、特定の窪み(キャップ)を備えた、変形可能な材料のシートを連続的に作成することができる。
【0026】
本発明の特定の態様は、少なくとも1つのキャビティを個々に備えた複数の支持ビームを備える回転式円形コンベヤを備え、円形コンベヤがその回転によって、支持ビームのキャビティが、第2のベルトから分離されたシート上に得られた第2のキャップに位置合わせされてそれに面する受入れ位置から、支持ビームのキャビティが下方に面し、圧密化されたタブレットと位置合わせされる解放位置へと周期的に移動可能である、移送手段を提供する。
【0027】
この解決策により、耐水性材料の第1のベルトに型押しされたキャップと、第2のベルトから得られた耐水性材料のシートに型押しされた第2のキャップとの間に、圧密化されたタブレットを封入する、迅速で安全なシステムを利用することができる。
【0028】
本発明の更なる態様は、支持ビームのキャビティ内部に真空を作り出す吸引手段も備える、移送手段を提供する。
【0029】
それにより、回転式円形コンベヤが受入れ位置から解放位置へと回転する間、耐水性材料のシートが支持ビームによってしっかり保定される。
【0030】
本発明はまた、飲料抽出機用のポッドを製造する方法を利用可能にし、該方法は、
耐水性材料のベルトを所定の直線方向で前進させるステップと、
ベルトの下方に、ベルト自体に面する少なくとも1つのキャビティを個々に備えた複数の成形プレートを配置するステップと、
前記成形プレートをベルトと同じ方向に、ベルトと同期して前進させるステップと、
ベルトの一部分を下方にある成形プレートのキャビティに押し込んで、その中にキャップの形状を型押しするステップと、
一回量の粉末物質を、成形プレートのキャビティ内に配置されたキャップ内部に放出するステップと、
成形プレートのキャビティ内に配置されたキャップ内部の一回量を圧密化して、圧密化されたタブレットを得るステップと、
耐水性材料の第2のキャップを、成形プレートのキャビティ内に配置されたキャップ内部の圧密化されたタブレット上に適用するステップと、
第2のキャップをベルトに封止して、ポッドを得るステップと、
ベルトを切断してポッドを分離するステップと、を含む。
【0031】
この方法は、実質的に、上記に概説した装置と同じ利点を、特に、一回量が後でパッケージ化されるベルト(キャップ)の変形部分の内部で直接、各一回量の圧密化動作を実施するという利点を達成する。
【0032】
上述した装置の付属的な態様は全て、当然ながら、方法にも適用可能である。特に、圧密化ステップは、例えばソノトロードを用いて、好ましくは超音波範囲の周波数を有する、機械的振動を一回量に伝達することを含んでもよい。圧密化ステップはまた、ソノトロードを、一回量から分離された上昇位置と、一回量を成形プレートのキャビティ内に配置されたキャップに押し付ける下降位置との間で移動させて、場合によっては、前記キャップを取り囲むベルトの上に置かれるように適合されたガイドジャケット内部で摺動させてもよい。他方で、耐水性材料の第2のキャップを適用することは、耐水性材料の第2のベルトを所定の直線方向で前進させるステップと、第2のベルトの下方に、第2のベルト自体に面する少なくとも1つのキャビティを備えた成形プレートを位置付けるステップと、第2のベルトの一部分を成形プレートのキャビティに押し込んで、その中に第2のキャップの形状を型押しするステップと、第2のベルトを切断して、第2のキャップを含むシートを分離するステップと、前記シートを移送し、シートを圧密化されたタブレットに重なり合う位置に至らせるステップと、を含んでもよい。
【0033】
本発明の更なる特徴および利点は、添付図面を利用して、非限定例として提供される以下の説明を読んだ後で、より明白となるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図3】
図1のポッドを得るためのプラントを示す側面模式図である。
【
図4】
図3の装置の第1の加圧デバイスを示す拡大図である。
【
図5】
図3の装置の計量デバイスを示す拡大図である。
【
図6】
図3の装置の圧密化デバイスを示す拡大図である。
【
図7】
図3の装置のアプリケータデバイスを示す拡大図である。
【
図10】
図3の装置の封止デバイスを示す拡大図である。
【
図11】
図3の装置の切断デバイスを示す拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
参照番号100は、飲料を作る、例えばコーヒーを作る、使い捨てポッドMを製造する装置を全体的に示している。
【0036】
図1および2に示されるように、各ポッドMは、浸出プロセスを通して所望の飲料を作るように適合された、粉末状食品物質、一般的にはコーヒー粉のタブレットPを備える。粉末物質は、タブレットPが実質的に固体の硬度を有するような形で、高度に圧密化される。タブレットPは、2つの薄いキャップの間に挟み込まれて封止され、その下側キャップC1および上側キャップC2は、相互に対向し、タブレットPを受け入れ完全に封入して、外部から保護する内側キャビティを規定するように、周囲フランジに沿って封止される。キャップC1およびC2は、耐液性であり、好ましくは耐ガス性でもある材料で作られる。キャップC1およびC2は、例えば、アルミニウム、プラスチック、または例えばアルミニウム層、プラスチック層、および場合によっては紙層など、様々な層によって形成された複合材料から成ってもよい。キャップC1およびC2に使用されるプラスチックは、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、ポリアミド(PA)、ポリスチレン(PS)、エチレンビニルアルコール(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、およびポリビニルアルコール(PVA)などのポリマーであってもよい。
【0037】
ポッドMを作るため、装置100は、好ましくは水平方向の所定の直線方向Aに沿って、可撓性ベルト110を前進させるように適合された、移動手段を備える。ベルト110は、下側キャップC1が作られるのと同じ材料で作られる。移動手段(それ自体は従来のものなので図示なし)は、ベルト110がそこから巻き出される第1の水平軸リールと、ベルトが延長され上述の直線方向Aで伸びる動作長さを移動した後に、ベルト110がその上に巻かれる第2の水平軸リールとを備えてもよい。ベルト110が動作長さを伸びることを可能にするため、第1および/または第2のリールは、ベルト110の前進が一定の幅で間欠的に行われるように制御される、適切なモータシステムに接続されてもよい。
【0038】
装置100は、ベルト110の動作長さの下方に、ベルト110の前進方向Aに平行な方向で、前後に列状に同一面内で配置された複数の成形プレート125を備える。特に、成形プレート125は、ベルト110の動作長さにおいて、前進方向Aに平行に延在する硬い支持表面130上に置かれて保持されてもよく、その上面は、ベルト110の下面と直接接触して配置されてもよい。
図4により良く示されるように、各成形プレート125は、例えば円形または楕円形の口が、上方にあるベルト110のそれぞれの部分によって覆われるようにして、凹面が上方に面するカップの形状を実質的に有してもよい、少なくとも1つの陥凹部またはキャビティ135を有する。好ましくは、各成形プレート125は、ベルトの全幅にわたって、ベルト110の前進方向Aに直交する方向で水平方向および横断方向に延在し、横断延長方向に沿って、ベルト110の対応する部分によって個別に閉止され覆われた、上述の複数のキャビティ135を有する。各成形プレート125上のキャビティ135の数は、当然ながら、生産上の必要性に応じて変動してもよい。各成形プレート125はまた、それぞれのキャビティ135を、真空を中に作り出すように適合された吸引システムと連通させるように適合された、1つまたは複数の貫通穴140を備えてもよい。この吸引システムは、支持表面130の上面に作られた陥凹部145と、前記陥凹部145を真空にするように適合された真空ポンプ(図示なし)とを備えてもよい。それにより、陥凹部145は、それぞれの貫通穴140を通して、支持表面130上にある成形プレート125のキャビティ135と直接連通させられる、吸引コレクタとして作用する。
【0039】
装置100はまた、成形プレート125の列をベルト110と同じ前進方向Aで前進させるように適合された、移動手段を備える。特に、これらの移動手段は、各成形プレート125のキャビティ135が、動作長さ全体にわたってベルト110の同じ部分によって常に覆われているようにして、成形プレート125が一定の幅で、ベルト110と同時に、同じ量または幅だけ前進するような形で、ベルト110の移動手段と協調された形で制御される。移動手段(それ自体は従来のものなので図示なし)は、例えば、平行および水平の回転軸を有する一対のローラの周りに閉回路状に巻かれた2つのチェーンを備えてもよく、それにより、前記チェーンが係合されて、ベルト110の動作長さに平行であって支持表面130に隣接した上側長さを有する、閉経路内を摺動する。成形プレート125は、各成形プレート125がベルト110の動作長さと接触して周期的に通ってもよいような形で、チェーンにしっかり締結されてもよい。
【0040】
装置100は、ベルト110の前記動作長さの上方に、ベルト110が前進方向Aで前進するにつれて複数の異なる処理ステップを実行するように、ベルト110の前記方向に沿って連続して配置された、複数の動作デバイスを備える。
【0041】
第1の動作デバイスは、ポッドMの下側キャップC1を作るように、ベルト110の一部分を押し下げて下方にある成形プレート125のキャビティ135に押し込むことによって、その部分を変形させるように適合された、加圧デバイス165である。
【0042】
図4に示されるように、加圧デバイス165は、例えば実質的に円筒状であって垂直軸を有し、ベルト110の動作長さの上方に位置付けられ、成形プレート125のキャビティ135の口と実質的に同軸である、パンチ170を備えてもよい。パンチ170は、ベルト110の一部分を押し下げて間に挟み込むようにして、パンチ170の下端部がベルト110の上面から離隔される上昇位置(
図4に示される)と、間に挟み込まれたベルト110の一部分を押し込んで、その部分を変形させて下側キャップC1の形状にするように、パンチ170の下端部が下方にある成形プレート125のキャビティ135内に挿入される下降位置(図示なし)との間で、パンチを垂直方向で移動させるように適合された、例えば空圧式(例えば、空気圧シリンダなど)の移動手段と関連付けられる。この変形ステップを改善するため、パンチ170の下端部は、キャビティ135に対して補完的に形作られてもよく、更に、ベルト110の一部分にある種の熱成形を施すために、パンチ170を加熱することができる。パンチ170によって与えられる圧力は、空気圧シリンダの圧力を調節することによって調節されてもよい。
【0043】
加圧デバイス165の一態様によれば、かかるデバイスはまた、パンチ170が同軸で摺動可能に受け入れられる貫通穴を有する、係止プレート175を備えてもよい。係止プレート175は、ベルト110から離隔される上昇位置(
図4に図示)と、係止プレート175が下方にある成形プレート125の上面にベルト110を押し付けて係止して、貫通穴によって境界を定められた部分のみを自由なまま残す下降位置(図示なし)との間で、垂直方向で移動可能である。好ましくは、係止プレート175は、パンチ170がベルト110と接触するまでは、下降位置で保たれる。
【0044】
この移動を得るため、係止プレート175は、パンチ170を作動させる手段とは独立した移動手段と関連付けられてもよい。しかしながら、より好ましくは、パンチ170および係止プレート175は、同じ垂直方向で移動可能なクロスビーム185と関連付けられてもよく、それに対してパンチ170はしっかり接続されてもよく、係止プレート175は、通常はパンチ170の下端部よりも低い高さで懸架させた状態で保たれる、一連の弾性ばね要素(図示なし)によって接続されてもよい。
【0045】
それにより、パンチ170および係止プレート175の両方が上昇位置にあるとき、ベルト110および成形プレート125は、成形プレート125を、キャビティ135がパンチ170の下方で位置合わせされる位置に至らせてそこで停止するまで、自由に摺動する。この時点で、クロスビーム185を作動させて下方に移動させ、最初に係止プレート175をベルト110と接触させ、次にパンチ170を係止プレート175の貫通穴に挿入すると同時に、成形プレート125のキャビティ135を貫通するまで弾性ばね要素を圧縮してもよい。この圧縮後、パンチ170および係止プレート175を初期位置に戻すように、クロスビーム185を上昇させて、ベルト110および成形プレート125の前進を可能にしてもよい。
【0046】
図4に示されるように、これらのステップの間、成形プレート125は常に支持表面130の陥凹部145の上方にあるので、キャビティ135内部に真空が作られ、パンチ170が上昇させられたとき、および成形プレート125が連続する動作デバイスに向かって前進するときも、その真空によって、ポッドMの下側キャップC1であるベルト110の変形部分が、キャビティ135自体の下面に接着したまま保たれる。
【0047】
上述の説明では1つのパンチ170のみについて言及したが、各成形プレート125が上記に説明したように複数のキャビティ135を有する場合、加圧デバイス165が、それぞれのキャビティ135と垂直方向でそれぞれ位置合わせされ、係止プレート175のそれぞれの貫通穴内部に摺動可能に受け入れられる、複数のパンチ170を備えることができることは明白である。
【0048】
動作デバイスは、ベルト110の前進方向Aに対して加圧デバイス165の下流に、一回量の粉末物質を、下方にある成形プレート125のキャビティ135内に配置されたキャップC1内部に放出するように適合された、計量デバイス200を備える。粉末物質は、必要に応じて様々な粒径を有するコーヒー、例えば挽いたコーヒーまたは粉末コーヒーであってもよい。
【0049】
図5に示されるように、計量デバイス200は少なくとも1つの分配ユニット205を備える。前記分配ユニット205は、下方にある成形プレート125のキャビティ135と実質的に位置合わせされた、ベルト110の上方に位置付けられる、垂直軸の円筒状本体210を備えてもよい。この円筒状本体210の内部には、それら自体が既知である駆動システムを用いて適切なモータ220によって作動させられる、ウォームスクリュー215が軸線方向で挿入される。校正済みバッファ225は、円筒状本体210の下端部において関連付けられてもよく、そのバッファは、粉末物質を下方に分配するのを可能にする、ウォームスクリュー215と同軸の貫通キャビティを有する。前記貫通キャビティは、一回量の粉末を収容して所定の形状を与えるように適合された、例えば実質的に切頭円錐状である、凹面が下方に面するテーパー状の下側部分を有してもよい。好ましくは、校正済みバッファ225は、共通軸を中心にして回転するように、円筒状本体210に接続される。円筒状本体210の上端部は、漏斗状であってもよく、例えば、コレクタ230内に配置された特定のセンサによって測定される粉末物質のレベルに基づいて選択的に操作されるウォームスクリュー群を備えてもよい、粉末物質をコーヒー粉末物質の供給システムから受け入れる、タンクまたはコレクタ230と連通している。
【0050】
少なくとも円筒状本体210によって、ウォームスクリュー215によって、また校正済みバッファ225によって形成される分配ユニット205は、校正済みバッファ225がベルト110から離隔される上昇位置(図面には図示なし)と、校正済みバッファ225がベルト110を下方にある成形プレート125に押し付けて、それを取り囲んでキャビティ135内のキャップC1にアクセス可能なままにする、下降位置(
図5に図示)との間で分配ユニットを移動させるように適合された、特定の移動手段と関連付けられてもよい。それにより、分配ユニット205が上昇位置にあるとき、ベルト110および成形プレート125は、成形プレート125を、キャビティ135がそれぞれのキャップC1が中にある状態で円筒状本体210の下方で位置合わせされる位置に至らせてそこで停止するまで、自由に摺動する。この時点で、分配ユニット205は下降させられ、ウォームスクリュー215は、一回量の粉末物質を、上述のキャップC1であるベルト110の変形部分の内部に直接放出するように、所定量回転させられる。分配される粉末物質の量は、ウォームスクリュー215の回転速度を調節することによって制御されてもよい。分配される粉末物質は、後で校正済みバッファ225の下側部分の内部に収容されて、一回量に特定の事前圧縮を与えることが可能になる。分配が完了すると、特定の作動システム(図示なし)が校正済みバッファ225に少しの回転を付与して、一回量の粉末物質の分離を可能にしてもよい。次に、分配ユニット205が上昇させられて、ベルト110および成形プレート125を一回量と共に前進させることが可能にされてもよい。
【0051】
上述の説明では1つの分配ユニット205のみについて言及したが、ここでも、各成形プレート125が上記に説明したように複数のキャビティ135を有する場合、計量デバイス200は、それぞれのキャビティ135と垂直方向でそれぞれ位置合わせされた複数の分配ユニット205を備えることができ、それらのユニットは、タンク230から粉末物質の単一の供給システムに接続することができる。全ての分配ユニット205はまた、予想される保守点検および制御動作のために計量デバイス200から取り出すために、摺動ガイド上に装着されてもよい。
【0052】
動作デバイスは、ベルト110の前進方向Aに対して計量デバイス200の下流に、一回量の粉末物質を、成形プレート125のキャビティ135内に配置された下側キャップC1内部で直接圧密化する、圧密化デバイス300を備える。
【0053】
図6に示されるように、圧密化デバイス300は少なくとも1つの振動群305を備える。前記振動群305は、下方にある成形プレート125のキャビティ135と実質的に位置合わせされたベルト110の上方に位置付けられる、実質的に垂直軸の円筒状本体のような形状のソノトロード310を備えてもよい。ソノトロード310は電気機械変換器315に接続され、それが次に超音波発生器(図示なし)に接続される。超音波発生器は、超音波範囲に含まれる周波数を有する電波を発生させるように適合され、電波は、電気機械変換器315によって、ソノトロード310に伝達されるのと同じ周波数を有する機械的振動に変換される。好ましくは、機械的振動の振幅を増幅するように適合されたブースター320が、ソノトロード310と電気機械変換器315との間に挟み込まれてもよい。振動群305は、ソノトロード310がベルト110から離隔される上昇位置(図面には図示なし)と、ソノトロード310の下端部が、下方にある成形プレート125のキャビティ135内にある、下側キャップC1内部に配置された一回量の粉末物質と接触する下降位置(
図6に図示)との間で振動群を移動させるように適合された、特定の移動手段と関連付けられる。
【0054】
圧密化デバイス300の一態様によれば、振動群305はまた、ソノトロード310の端部長さが同軸で摺動可能に受け入れられる貫通穴を有する、ガイドジャケット325を備えてもよい。ガイドジャケット325は、ベルト110から離隔される上昇位置(図示なし)と、ガイドジャケット325が下方にある成形プレート125の上面にベルト110を押し付けて係止して、一回量のコーヒーを横方向で取り囲み収容する、下降位置(
図6に図示)との間で、垂直方向で移動可能である。好ましくは、ガイドジャケット325は、ソノトロード310が一回量のコーヒーと接触するまでは、下降位置で保たれる。
【0055】
この移動を得るため、ガイドジャケット325は、振動群305を作動させる手段とは独立した移動手段と関連付けられてもよい。しかしながら、より好ましくは、振動群305およびガイドジャケット325は、同じ垂直方向で移動可能なクロスビーム335と関連付けられてもよく、それに対して振動群305はしっかり接続されてもよく、ガイドジャケット325は、通常はソノトロード310の下端部よりも低い高さで懸架させた状態で保たれる、一連の弾性ばね要素340によって接続されてもよい。
【0056】
それにより、振動群305およびガイドジャケット325の両方が上昇位置にあるとき、ベルト110および成形プレート125は、複数回量の粉末物質と共に、成形プレート125を、キャビティ135がそれぞれの下側キャップC1および中にあるそれぞれの一回量の粉末物質と共にソノトロード310の下方で位置合わせされる位置に至らせてそこで停止するまで、自由に摺動する。この時点で、クロスビーム335を作動させて下方に移動させ、最初にガイドジャケット325をベルト110と接触させ、次にソノトロード310をガイドジャケット325の貫通穴に挿入して、下降位置に達するまでばね340を圧縮してもよい。それにより、ソノトロード310の下端部は、一回量の粉末物質を下側キャップC1の内部で直接圧縮し、ガイドジャケット325は、圧縮ステップにおいて一回量を横方向で収容し、ポッドMの周囲フランジを予成形する機能を解除する。下降位置に達すると、上述の軸線方向の圧縮を与えることに加えて、ソノトロード310は、電気機械変換器315によって振動させられて、一回量のコーヒーにも、一般的には超音波範囲内である高周波数の機械的振動を与える。一回量の粉末物質の圧密化レベルは、軸線方向圧縮によって支援されるこれらの機械的振動によって著しく増加して、実質的に固体の圧密化された粉末タブレットPを得ることが可能になる。前記タブレットPの圧縮レベルは、機械的振動の振幅、一回量が前記振動を受け続ける時間、先に放出され軸線方向圧力が与えられた一回量の高さを便利に修正することによって、調節されてもよい。適切な形状をタブレットPに与えるために、ソノトロード310の下端部は、成形プレート125のキャビティ135に実質的に等しくそれを鏡映する陥凹部を有するように、形作られてもよい。超音波圧密化ステップが完了すると、クロスビーム335が上昇させられて、ソノトロード310およびガイドジャケット325が初期位置に戻され、ベルト110および成形プレート125をタブレットPと共に前進させることが可能になってもよい。
【0057】
上述の説明では1つの振動群305のみについて言及したが、ここでも、各成形プレート125が上記に説明したように複数のキャビティ135を有する場合、圧密化デバイス300は、それぞれのキャビティ135と位置合わせされそれぞれのガイドジャケット325に摺動可能に受け入れられるソノトロード310をそれぞれ有する、複数の振動群305を備えることができる。全ての振動群305はまた、予想される保守点検および制御動作のために圧密化デバイス300から取り出すために、摺動ガイド345上に装着されてもよい。
【0058】
動作デバイスは、ベルト110の前進方向Aに対して圧密化デバイス300の下流に、成形プレート125のキャビティ内に配置された下側キャップC1内部のタブレットPを覆うように、耐水性材料115のシートをベルト110上に適用するように適合された、アプリケータデバイス400を備える。シート115は、上側キャップC2が作られるのと同じ材料で作られる。特に、シート115は、上述の上側キャップC2を規定するように適合され、かかるキャップC2が鏡映する形で下側キャップC1に重なり合うようにしてベルト110上に適用されて、圧密化された粉末タブレットPを封入するシェルを規定する、少なくとも1つの変形部分を有する。成形プレート125が複数のキャビティ135を有する場合、当然ながら、シート115がベルト110の全幅を横断して延在し、成形プレート125の対応するキャビティ135内で支持されたタブレットPを覆うようにそれぞれ意図された、上側キャップC2と同じ数を規定するように適合された、複数の変形部分を有することが好ましいであろう。シート115は、ベルト110が作られるのと同じ材料で作られてもよく実質的に同じサイズを有してもよい、第2の可撓性ベルト120を材料として得られてもよい。
【0059】
図8に示されるように、アプリケータデバイス400は、所定の直線方向Bに沿って第2のベルト120を前進させるように適合された、移動手段を備える。移動手段(それ自体は従来のものなので図示なし)は、ベルト120の端部長さが、ベルトが延長され上述の直線方向Bで伸びる動作長さを移動することを可能にする、電動ローラ405と一連のガイド手段とを備えてもよい。移動手段は、第2のベルト120の前進が一定の幅で間欠的に行われるように制御される。
【0060】
アプリケータデバイス400は、ベルト120の動作長さで成形プレート425を備え、その成形プレートはバックプレート430によって保持される。成形プレート425は、実質的に成形プレート125の1つと同一であり、したがって、凹面がその上にあるベルト120に面するカップの形状を実質的に有してもよい、少なくとも1つの陥凹部またはキャビティ435を有する。成形プレート425のキャビティ435は、実質的に、成形プレート125のキャビティ135と同一である。バックプレート430は、成形プレート425がベルト120と直接接触して配置される前進位置(図面には図示なし)と、成形プレート425がキャビティ435の深さよりも大きい量、ベルト120から分離している後退位置(
図8に図示)との間で、動作長さにおけるベルト120の設置表面に直交する方向で、バックプレート430を移動させるように適合された、それぞれの移動手段(それ自体は既知なので図示なし、例えば空気圧シリンダ)と関連付けられる。好ましくは、成形プレート425は、ベルトの全幅にわたってベルト120の前進方向Bに直交する方向で水平方向に延在し、その横断方向延長に沿って、全て個々にベルト112に面する、複数の上述のキャビティ435を有する。成形プレート425上のキャビティ435の数は、各成形プレート125上のキャビティ135の数に等しい。成形プレート425はまた、キャビティ435を、所定の真空を中に作り出すように適合された吸引システムと連通させるように適合された、1つまたは複数の貫通穴440を備えてもよい。この吸引システムは、バックプレート430の上面に作られた陥凹部445と、該陥凹部445を真空にするように適合された真空ポンプ(図示なし)とを備えてもよい。それにより、陥凹部445は、それぞれの貫通穴140を通して、成形プレート425のキャビティ435と直接連通させられる、吸引コレクタとして作用する。
【0061】
アプリケータデバイス400は、成形プレート425の位置に、ベルトを押し下げて下方にある成形プレート425のキャビティ435に押し込むことによって、ベルト120の一部分を変形させて、上側キャップC2の形状にするように適合された、加圧デバイス450を備える。
図8に示されるように、加圧デバイス450は、例えば実質的に円筒状であって、動作長さにおけるベルト120の設置表面に直交する軸線を有し、成形プレート425とは反対側に位置付けられ、キャビティ435の口と実質的に同軸である、パンチ455を備えてもよい。パンチ455は、パンチ455の端部がベルト120の表面から少なくともわずかに離隔される後退位置(
図8に図示)と、間に挟み込まれたベルト120の一部分を押し下げて中に押し込んで、ベルトを変形させるように、パンチ455の端部が成形プレート425のキャビティ435内部に挿入される、前進位置(図示なし)との間で、パンチを軸線方向で移動させるように適合された、例えば空圧式(例えば、空気圧シリンダなど)の移動手段と関連付けられる。この変形ステップを改善するため、パンチ455の端部は、キャビティ435に対して補完的に形作られてもよく、更に、ベルト120の一部分にある種の熱成形を施すために、パンチ455を加熱することができる。パンチ455によって与えられる圧力は、空気圧シリンダの圧力を調節することによって調節されてもよい。
【0062】
更に、加圧デバイス450はまた、パンチ455が同軸で摺動可能に受け入れられる貫通穴を有する、係止プレート460を備えてもよい。また、係止プレート460は、ベルト120と面一であるかまたはそこからわずかに離隔される後退位置(
図8に図示)と、係止プレート460がベルト112を成形プレート425の表面に押し付けて係止して、貫通穴によって境界を定められたベルト120の一部分のみを自由なまま残す前進位置(図示なし)との間で、ベルト112の設置表面に直交する方向で移動可能である。好ましくは、係止プレート460は、パンチ455がベルト120と接触するまでは、下降位置で保たれる。
【0063】
この移動を得るため、係止プレート460は、パンチ455を作動させる手段とは独立した移動手段と関連付けられてもよい。しかしながら、より好ましくは、パンチ455および係止プレート460は、ベルト120の設置表面に直交する方向で移動可能である、同じクロスビーム470と関連付けられてもよく、ベルト120に対してパンチ455はしっかり接続されてもよく、係止プレート460は、通常はパンチ455の端部よりもベルト120に近い位置で懸架させた状態で保たれる、一連の弾性ばね要素によって接続されてもよい。
【0064】
それにより、パンチ455、係止プレート460、およびバックプレート430が全てそれぞれの後退位置にあるとき、ベルト120は、その変形していない部分がキャビティ435と位置合わせされて位置付けられるまで、成形プレート425に対して自由に伸びる。この時点で、バックプレート430は前進位置で作動させられてもよく、クロスビーム470はベルト120に近付けられてもよく、最初に係止プレート460をベルト120と接触させ、成形プレート425上のグリップで係止し、次にパンチ455を係止プレート460の貫通穴に挿入することが可能にされ、同時に、成形プレート425のキャビティ435を貫通するまで弾性ばね要素を圧縮する。これらのステップの間、成形プレート425のキャビティ435は、パンチ455がベルト120の一部分を変形するのを支援するように、穴440に接続された吸引システムによって真空に保たれる。この変形ステップ後、クロスビーム470およびバックプレート430は、再び離れる方向に移動させられて、パンチ455、係止プレート460、および成形プレート425をそれぞれの初期位置に至らせて、ベルト112を、その上に形成されたポッドMの上側キャップC2である変形部分と共に前進させることが可能にされてもよい。
【0065】
上述の説明では1つのパンチ455のみについて言及したが、ここでも、各成形プレート425が上記に説明したように複数のキャビティ435を有する場合、加圧デバイス450は、それぞれのキャビティ435とそれぞれ位置合わせされ、係止プレート460のそれぞれの貫通穴内部に摺動可能に受け入れられる、複数のパンチ455を備えることができる。
【0066】
図9に示されるように、アプリケータデバイス400は、ベルト120の前進方向Bに対して加圧デバイス450の下流に、シート115を上側キャップC2と共にベルト120から分離する切断手段410と、シート115を受け入れ、ベルト110上の圧密化された粉末タブレットPと重なり合う位置に至らせるように適合された移送手段475とを備える。
【0067】
移送手段475は、ベルト110の上方に配置され、ベルト110自体の前進方向Aに垂直な水平軸を中心にして回転するように適合された、円形コンベヤ480を備える。円形コンベヤ480の回転は電気モータを用いて得られてもよい。複数のクロスビーム485(例では3つ)がこの円形コンベヤ480上に設置され、好ましくは、角度方向で互いから均等に離隔される。各クロスビーム485は、実質的に成形プレート125と同一であってもよく、円形コンベヤ480の回転軸に直交すると共に径方向外側に面する、外表面を有する。この外表面上の各クロスビーム485は、少なくとも1つの陥凹部またはキャビティ490を有し、その形状は、成形プレート125のキャビティ135の1つと実質的に同一であってもよい。好ましくは、各クロスビーム485は、ベルト110の前進方向Aに対して直交する方向で水平方向および横断方向に延在し、その横断延長方向に沿って、成形プレート125のキャビティ135の数に等しい数のキャビティ490を有する。各クロスビーム485は、後退構成(
図9に図示)と、クロスビーム485が後退構成のときよりも回転軸から更に離れる取出し構成(図示なし)との間で、径方向で円形コンベヤに対して移動するように、円形コンベヤ480と関連付けられる。クロスビーム485のこの径方向移動は、円形コンベヤ480上に装着された特定の空気圧シリンダを用いて得られてもよい。各クロスビーム485はまた、それぞれのキャビティ490を、所定の真空を中に作り出すように適合された吸引システムと連通させるように適合された、1つまたは複数の貫通穴495を備えてもよい。この吸引システム(それ自体が従来のものなので詳細には図示なし)は、円形コンベヤ480の回転中、および/または後退位置と取出し位置との間でのクロスビーム485の移動中も、上述の真空を発生させることができる。
【0068】
自身を中心にした円形コンベヤ480の回転は、不連続的な形で行われ、各クロスビーム485を周期的に保持し、
図9にP1およびP2でそれぞれ示される、シート115を受け入れる角度位置とシート115を解放する角度位置とで停止させる。
【0069】
受入れ位置P1では、クロスビーム485は、各キャビティ490が、ベルト112の自由端に作られたそれぞれの上側キャップC2と同軸で位置合わせされるような形で配置される。それにより、変形ステップに続いてベルト120を前進させた後、受入れ位置P1にあるクロスビーム485は、取出し構成に達するまで、径方向で移動させられる。この構成では、ベルト120の自由端で得られる上側キャップC2は、キャビティ490の内部に受け入れられ、そこで保定されて、吸引システムの作動によってしっかり保定されてもよい。この時点で、加圧デバイス450のクロスビーム470と直接接続された刃の形態で作られてもよい、切断手段410は、ベルト120上へと下降させられて、自由端を分離し、シート115を作成する。切断後、クロスビーム485は後退構成に戻され、円形コンベヤ480は、クロスビーム485を解放位置P2に配置するまで、連続ステップのために回転させられる。シート115は、吸引システムにより、これら全ての移動ステップの間、クロスビーム485に固着されたままである。
【0070】
解放位置P2では、クロスビーム485は、各キャビティ490が下方に面しており、下方にある成形プレート125のそれぞれのキャビティ135と垂直方向で位置合わせされるような形で配置される。それにより、解放位置P2にあるクロスビーム485は、シート115を逆転させてベルト110に載せ、成形プレート125上にある圧密化された粉末のタブレットPそれぞれを、ベルト110に作られた下側キャップC1とシート115に作られた対応する上側キャップC2との間で閉止することによって、取出し構成に戻されてもよい。解放ステップの間にベルト110上にあるシート115の端部の封止も行う封止手段は、ベルト110とシート115との間の移動を回避するように、クロスビーム485と関連付けられてもよい。解放ステップおよび含まれ得る封止ステップは、好ましくは、保護された雰囲気中で実行される。シート115の解放後、クロスビーム485は後退構成に戻されて、円形コンベヤ480が新しい回転ステップを実施することが可能になり、同時にベルト110および成形プレート125を前進させることが可能になる。
【0071】
動作デバイスは、ベルト110の前進方向Aに対してアプリケータデバイス400の下流に、シート115をベルト110に封止して、圧密化されたコーヒータブレットをキャップC1およびC2の間に封止し、したがってポッドMを得るように適合された、封止デバイス500を備える。
図10に示されるように、封止デバイス500は、ベルト110の上方に配置され、下面が下方にある成形プレート125のキャビティ135と垂直方向で位置合わせされた少なくとも1つの陥凹部510を有する、封止バー505を備えてもよい。この陥凹部510は、圧密化された粉末タブレットPを覆う、シート115で作られた上側キャップC2を受け入れ取り囲むようにサイズ決めされる。封止を実施するため、封止バー505は、その温度を適切な値まで増加させるように適合された、適切な加熱素子に接続され、封止バー510の下面が、上側キャップC2を取り囲むシート115の変形していない部分に接触し、下側キャップC1を取り囲むベルト110の下方の変形していない部分に押し付ける、下降位置(
図10に図示)と、封止バー505の下面が、上側キャップC2の高さよりも大きい量、ベルト110によって分離される、上昇位置(図示なし)との間で、バーを垂直方向で移動させるように適合された、移動手段(例えば、空気圧シリンダ)に接続される。それにより、封止バー505が上昇位置にあるとき、ベルト110および成形プレート125は、成形プレート125を、キャビティ135が封止バー505の陥凹部510の下方で位置合わせされる位置に至らせてそこで停止するまで、自由に摺動する。この時点で、封止バー505は、シート115の変形していない部分に接触しそれを押圧するまで下方に移動するように作動させられ、シートは、圧力および温度の効果によって、下方にあるベルト110の一部分に封止されて、圧密化された粉末タブレットPを恒久的に封止し、ポッドMを得る。この封止ステップは、好ましくは、保護された雰囲気で実施される。封止後、封止バー505は再び上昇させられてもよく、それにより、成形プレート125とポッドMが上に作られるベルト110との前進が可能になる。
【0072】
上述の説明では1つの陥凹部510のみを有する1つの封止バー505について言及したが、ここでも、各成形プレート125が上記に説明したように複数のキャビティ135を有する場合、封止バー505が、ベルト110の全幅にわたって横断方向で延在することができ、成形プレート125のそれぞれのキャビティ135と垂直方向でそれぞれ位置合わせされた、複数の陥凹部510を有することができることは明白である。
【0073】
成形プレート125は、ベルト110の前進方向Aに対して封止デバイス500の下流で、支持表面130を離れ、チェーンの経路を辿って戻って、ベルト110上に作られたポッドMを解放し、ベルトはその経路の動作長さに沿って方向Aで前進し続ける。
【0074】
動作デバイスは、動作長さのこの最後の部分に、個々のポッドMを分離するために、ベルト110を切断するように適合された切断デバイス600を備える。
図11に示されるように、切断デバイス600は、ベルト110の下方に配置され、例えば、ベルト110上に作られたポッドMと実質的に同軸で配置された垂直軸を有する円筒状のキャビティ610を備えた、下側プレート605を備えてもよい。キャビティ610の直径はポッドMの直径よりも大きい。下側プレート605は、下側キャップC1の深さよりも大きい量、ベルトから離隔される下降位置(
図11に図示)と、下側プレート605がベルト110と接触して配置される上昇位置(図示なし)との間で、垂直方向で移動させるように適合された、移動手段(即ち、空気圧シリンダなど)と関連付けられてもよい。切断デバイス600は、ベルト110の反対側に、キャビティ610に対して補完的な形状を有し、キャビティ内に導入することができるようにキャビティに対して同軸で配置された、中空のパンチ615、例えば円筒状のものを備える。パンチ615の外径は実質的にキャビティ610の内径に等しく、キャビティの壁の縁部は一種のカッターとなるように形作られる。パンチ615は、パンチ615の下端部がベルト110の上面から離隔される上昇位置(
図11に図示)と、パンチ615が下側プレート605のキャビティ610に挿入されて、間に挟み込まれたベルト110を切断してポッドMを分離する、下降位置(図示なし)との間で、垂直方向で移動させるように適合された、例えば空気圧式(例えば、空気圧シリンダなど)の移動手段と関連付けられる。ベル620を底部に保持するロッドは、パンチ615内部に受け入れられてもよく、そのロッドは、パンチ615と共に垂直方向で移動可能であり、切断後にポッドMを保定する適切な吸引システムと関連付けられる。
【0075】
この切断ステップを改善するため、切断デバイス600はまた、パンチ615が同軸で摺動可能に受け入れられる貫通穴を有する、係止プレート625を備えてもよい。係止プレート625は、ベルト110から離隔される上昇位置(
図11に図示)と、係止プレート625がベルト110を下側プレート605の上面に押し付けて係止して、貫通穴によって境界を定められた部分のみを自由なまま残す下降位置(図示なし)との間で、垂直方向で移動可能である。好ましくは、係止プレート625は、パンチ615がベルト110と接触する前に、下降位置に達する。
【0076】
この移動を得るため、係止プレート625は、パンチ615を作動させる手段とは独立した移動手段と関連付けられてもよい。しかしながら、より好ましくは、パンチ615および係止プレート625は、同じ垂直方向で移動可能なクロスビーム635と関連付けられてもよく、それに対してパンチ615はしっかり接続されてもよく、係止プレート625は、通常はパンチ615の下端部よりも低い高さで懸架させた状態で保たれる、一連の弾性ばね要素640によって接続されてもよい。それにより、パンチ615および係止プレート625の両方が上昇位置にあり、下側プレート605が下降位置にあるとき、ベルト110は、パンチ615のキャビティと下側プレート605のキャビティ610との間で、垂直方向で位置合わせされた位置にポッドMを至らせ、そこで停止するまで、自由に進む。この時点で、クロスビーム635は下方に移動するように作動させられてもよく、下側プレート605は上昇させられてもよく、それによってベルト110は、最初に下側プレート605と係止プレート625との間で圧締めされ、次にパンチ615を係止プレート625の貫通穴に挿入すると同時に、下側プレート605のキャビティ610をやはり貫通するまで弾性ばね要素640を圧縮して、ポッドMを切断することが可能にされる。切断後、クロスビーム635は上昇させられ、下側プレート605は下降させられて、初期位置に戻るようにして、ベルト110の前進および回収リール上への廃棄物の巻取りを可能にしてもよい。
【0077】
代わりに、別個のポッドMが、ベル620によって最初に保定され、次にベルがポッドを、下側プレート605のキャビティ610を通して、秤量デバイス645(それ自体は従来のもの)へと放出し、最終的にそこから離れる方向でポッドMが移動させられ、場合によっては他のプロセスステップに、例えばパッケージングへと送られる。
【0078】
上述の説明では1つのパンチユニット615のみについて言及したが、ここでも、各成形プレート125が上記に説明したように複数のキャビティ135を有する場合、切断デバイス600は、係止プレート625のそれぞれのキャビティおよび下側プレート605のそれぞれのキャビティと垂直方向でそれぞれ位置合わせされた、複数のパンチ615を備えることができ、下側プレートのキャビティは、それぞれのポッドMと垂直方向で位置合わせされる。切断デバイス600はまた、予想される保守点検および制御動作のために装置100から取り出すために、摺動ガイド650上に装着されてもよい。
【0079】
当然ながら、当業者であれば、以下に請求する本発明の範囲から逸脱することなく、上述した装置100に対して複数の技術的に適用可能な修正を行ってもよい。