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特許7079288ヒンジ、ヒンジアセンブリ並びに折りたたみ式電子機器
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-24
(45)【発行日】2022-06-01
(54)【発明の名称】ヒンジ、ヒンジアセンブリ並びに折りたたみ式電子機器
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/16 20060101AFI20220525BHJP
   E05D 1/04 20060101ALI20220525BHJP
   E05D 3/12 20060101ALI20220525BHJP
   F16C 11/04 20060101ALI20220525BHJP
【FI】
G06F1/16 312J
G06F1/16 312F
G06F1/16 312G
G06F1/16 312S
E05D1/04 D
E05D3/12 A
F16C11/04 F
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2020120405
(22)【出願日】2020-07-14
(65)【公開番号】P2021131837
(43)【公開日】2021-09-09
【審査請求日】2020-07-14
(31)【優先権主張番号】202010104844.6
(32)【優先日】2020-02-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517188574
【氏名又は名称】ペキン シャオミ モバイル ソフトウェア カンパニー, リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BEIJING XIAOMI MOBILE SOFTWARE CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 018, Floor 8, Building 6, Yard 33, Middle Xierqi Road, Haidian District, Beijing 100085, China
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】ジャン シュエフー
(72)【発明者】
【氏名】ジャオ リアンジア
(72)【発明者】
【氏名】ワン ジェンチュアン
(72)【発明者】
【氏名】ジン ホンウェイ
【審査官】白石 圭吾
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-129968(JP,A)
【文献】国際公開第2018/149238(WO,A1)
【文献】特開昭62-002018(JP,A)
【文献】中国実用新案第210007737(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/16 - 1/18
F16C 11/00 - 11/12
E05D 1/00 - 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒンジであって、
第1スライダと第2スライダとを備える軌道制限機構と、
前記第1スライダおよび前記第2スライダに嵌合して、前記第1スライダおよび前記第2スライダの回転軌道を制限するように構成される第1ヒンジブラケットと、
前記軌道制限機構に嵌合し、前記第1スライダおよび前記第2スライダがそれぞれ前記第1ヒンジブラケットに対して、プリセットされた方向を中心に回転するように駆動するように構成される同期機構であって、前記プリセットされた方向は、前記ヒンジの開閉方向である、同期機構と、
前記同期機構に嵌合し、ロック状態を含むロック機構であって、前記ロック状態での前記ロック機構は、前記第1スライダと前記第2スライダの相対的な位置関係を維持するために、前記同期機構の移動を防止するように構成されるロック機構
備えるヒンジ。
【請求項2】
前記同期機構は円筒歯車組第1ガイドロッド歯車第2ガイドロッド歯車とを備え、前記第1スライダおよび前記第2スライダがそれぞれ前記第1ヒンジブラケットに対して回転するように駆動するために、前記第1ガイドロッド歯車および前記第2ガイドロッド歯車はそれぞれ歯車端およびガイドロッド端を備え、前記第1ガイドロッド歯車の歯車端は、前記円筒歯車組の端部歯車と噛合し、前記第2ガイドロッド歯車の歯車端は、前記円筒歯車組の他端部歯車と噛合し、前記第1ガイドロッド歯車のガイドロッド端は、前記第1スライダまで延び、前記第2ガイドロッド歯車のガイドロッド端は、前記第2スライダまで延びる請求項1に記載のヒンジ。
【請求項3】
前記第1ガイドロッド歯車のガイドロッド端の延在方向および前記第2ガイドロッド歯車のガイドロッド端の延在方向は平行であり、且つ両方とも、前記プリセットされた方向および前記ヒンジの厚さ方向に対して垂直である請求項2に記載のヒンジ。
【請求項4】
前記第1ヒンジブラケットは、第1円弧ガイド部を備え、前記第1スライダは、第1円弧部を備え、前記第2スライダは、第2円弧部を備え、前記第1円弧部および前記第2円弧部は、それぞれ前記第1円弧ガイド部に嵌合され、
前記第1ヒンジブラケットは、前記第1円弧ガイド部にそれぞれ接続される2つの直立ブロックをさらに備え、且つ前記2つの直立ブロックは、前記第1スライダの2つの第1円弧部と前記第2スライダの2つの第2円弧部との間に配置され、前記第1ガイドロッド歯車の歯車端および前記第2ガイドロッド歯車の歯車端および前記円筒歯車組は、前記2つの直立ブロックの間に配置される請求項3に記載のヒンジ。
【請求項5】
前記第1ガイドロッド歯車のガイドロッド端の延在方向および前記第2ガイドロッド歯車のガイドロッド端の延在方向は同じであり、且つ両方とも、前記プリセットされた方向に平行である請求項2に記載のヒンジ。
【請求項6】
前記軌道制限機構および前記同期機構および前記ロック機構は、前記プリセットされた方向に沿って順次に設置される請求項5に記載のヒンジ。
【請求項7】
前記第1ヒンジブラケットは、第1円弧ガイド部を備え、前記第1スライダは、第1円弧部を備え、前記第2スライダは、第2円弧部を備え、前記第1円弧部および前記第2円弧部は、それぞれ前記第1円弧ガイド部に嵌合され、
前記第1ガイドロッド歯車のガイドロッド端は、前記第1スライダの前記同期機構に近い側に接続され、前記第2ガイドロッド歯車のガイドロッド端は、前記第2スライダの前記同期機構に近い側に接続される請求項6に記載のヒンジ。
【請求項8】
前記第1スライダは、第1中空シュートを備え、前記第2スライダは、第2中空シュートを備え、前記第1ガイドロッド歯車のガイドロッド端は、前記第1中空シュート内に挿入し、前記第2ガイドロッド歯車のガイドロッド端は、前記第2中空シュート内に挿入する請求項2に記載のヒンジ。
【請求項9】
前記第1スライダは第1溝を備え、前記第2スライダは第2溝を備え、
前記ヒンジは、第1制限片第2制限片とをさらに備え、前記第1制限片は、前記第1溝をカバーして、前記第1ガイドロッド歯車のガイドロッド端と嵌合するシュートを形成し、前記第2制限片は、前記第2溝をカバーして、前記第2ガイドロッド歯車のガイドロッド端と嵌合するシュートを形成する請求項2に記載のヒンジ。
【請求項10】
前記同期機構は、回転軸を備え、各前記回転軸は、前記円筒歯車組の任意の歯車に接続され、
前記ロック機構は、第1伝動部材第2伝動部材とを備え、前記第1伝動部材は、前記回転軸に接続されて、前記回転軸と共に回転し、前記回転軸は、前記第1伝動部材を駆動して、前記第2伝動部材とプリセットされた嵌合状態に切り替えられる場合、前記ロック機構がロック状態に切り替える請求項2に記載のヒンジ。
【請求項11】
前記第1伝動部材および前記第2伝動部材のうちの一方は、少なくとも1つの凸部を備え、前記第1伝動部材および前記第2伝動部材のうちの他方は、前記凸部と嵌合する凹部を備え、前記凸部が前記凹部内に挿入する場合、前記第1伝動部材および前記第2伝動部材は、前記プリセットされた嵌合状態に切り替えられ、
前記ロック機構は、
前記第2伝動部材と接触し、且つ前記第2伝動部材が前記プリセットされた方向に沿って移動すると、それに応じて伸長または圧縮する緩衝部材をさらに備える請求項10に記載のヒンジ。
【請求項12】
前記緩衝部材は、伸縮可能な可撓性部材を備える、請求項11に記載のヒンジ。
【請求項13】
前記緩衝部材は、
ガイドロッドであって、前記ガイドロッドの一端が前記第2伝動部材に接続され、前記ガイドロッドの他端が前記第1ヒンジブラケットに接続されるガイドロッドと、
前記ガイドロッドにスリーブされ、前記第2伝動部材と接触する圧縮ばね
を備える請求項11に記載のヒンジ。
【請求項14】
ヒンジアセンブリであって、
電子機器に適用され、
請求項113のいずれか一項に記載のヒンジである少なくとも1つの第1ヒンジと、
第1スライダに接続される第1支持鋼片と、
第2スライダに接続される第2支持鋼片であって、前記第1スライダと前記第2スライダの相対的な位置関係の変化により、前記第1支持鋼片と前記第2支持鋼片の相対的な位置関係の変化を駆動する第2支持鋼片
を備えるヒンジアセンブリ。
【請求項15】
前記ヒンジアセンブリは、少なくとも1つの第2のヒンジをさらに備え、前記少なくとも1つの第2のヒンジは、第2ヒンジブラケット第3スライダ第4スライダとを備え前記第2ヒンジブラケットは、第2円弧ガイド部を備え
前記第3スライダは第3円弧部を備え、前記第4スライダは第4円弧部を備え、前記第3円弧部および前記第4円弧部は、それぞれ前記第2円弧ガイド部と嵌合する請求項14に記載のヒンジアセンブリ。
【請求項16】
前記ヒンジアセンブリは、少なくとも1つの水平展開支持部材をさらに備え、前記少なくとも1つの水平展開支持部材は、第1支持部材第2支持部材水平展開ブラケットとを備え前記水平展開ブラケットは、前記第1支持部材および前記第2支持部材の両方に接続され、且つ前記水平展開ブラケットは、前記第1支持鋼片および前記第2支持鋼片に接続され
前記第1支持鋼片および前記第2支持鋼片が水平展開状態である場合、前記第1支持部材および前記第2支持部材は相互作用し、前記第1支持鋼片および前記第2支持鋼片が位置する平面に平行な作用力が発生して、前記第1支持鋼片および前記第2支持鋼片を前記水平展開状態に維持する請求項14に記載のヒンジアセンブリ。
【請求項17】
前記第1支持部材および前記第2支持部材はすべて磁石を備え、前記第1支持部材の一側面の極性と前記第2支持部材の一側面の極性は異なり、且つ前記第1支持鋼片および前記第2支持鋼片の両方が水平展開状態である場合、極性の異なる両側の表面が対向的に設置される請求項16に記載のヒンジアセンブリ
【請求項18】
前記第1支持部材および前記第2支持部材のうちの一方は磁石を備え、前記第1支持部材および前記第2支持部材のうちの他方は電磁コイルを備え、
前記第1支持鋼片および前記第2支持鋼片の両方が水平展開状態である場合、前記電磁コイルが通電状態であり、前記磁石と相互作用して、前記第1支持鋼片および前記第2支持鋼片の両方を水平展開状態に維持させる作用力を発生する請求項16に記載のヒンジアセンブリ
【請求項19】
折りたたみ式電子機器であって、
請求項1418のいずれか一項に記載のヒンジアセンブリと、
前記ヒンジアセンブリの第1支持鋼片および第2支持鋼片の両方に接続されて、前記第1支持鋼片の位置変化および前記第2支持鋼片の位置変化に応じて状態を切り替えるように構成されるミドルフレーム
を備える折りたたみ式電子機器。
【請求項20】
前記折りたたみ式電子機器は、
前記ヒンジアセンブリのヒンジブラケットに固定接続されるヒンジハウジングをさらに備える請求項19に記載の折りたたみ式電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2020年02月20日に中国特許局に提出された、出願番号がCN2020101048446である中国特許出願に基づいて提出されるものであり、当該中国特許出願の優先権を主張し、当該中国特許出願の全ての内容が参照によって本願に組み込まれる。
【0002】
本開示は、端末技術分野に関し、特に、ヒンジ、ヒンジアセンブリ並びに折りたたみ式電子機器に関する。
【背景技術】
【0003】
フレキシブルOLEDディスプレイ技術の発展につれて、折りたたみ式電子機器は、通常の電子機器の携帯性と、展開後の大画面ディスプレイの究極のエクスペリエンスを兼ね備えるこれにより、折りたたみ式電子機器は、移動端末の開発において次第に重要なトレンドになり、各端末メーカにとって重要な競争分野となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、関連技術の欠点を解決するためのヒンジ、ヒンジアセンブリ並びに折りたたみ式電子機器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の実施例の第1態様によれば、ヒンジを提供し、前記ヒンジは、
第1スライダと第2スライダとを備える軌道制限機構と、
前記第1スライダおよび前記第2スライダに嵌合して、前記第1スライダおよび前記第2スライダの回転軌道を制限するように構成される第1ヒンジブラケットと、
前記軌道制限機構に嵌合し、前記第1スライダおよび前記第2スライダがそれぞれ前記第1ヒンジブラケットに対して、プリセットの方向を中心に回転するように駆動するように構成される同期機構と、
前記同期機構に嵌合し、ロック状態を含むロック機構であって、前記ロック状態での前記ロック機構は、前記第1スライダと前記第2スライダの相対的な位置関係を維持するために、前記同期機構の移動を防止するように構成されるロック機構とを、備える。
【0006】
例示的に、前記同期機構は、
円筒歯車組と、第1ガイドロッド歯車と、第2ガイドロッド歯車とを備え、前記第1スライダおよび前記第2スライダがそれぞれ前記第1ヒンジブラケットに対して回転するように駆動するために、前記第1ガイドロッド歯車および前記第2ガイドロッド歯車はそれぞれ歯車端およびガイドロッド端を備え、前記第1ガイドロッド歯車の歯車端は、前記円筒歯車組の端部歯車と噛合し、前記第2ガイドロッド歯車の歯車端は、前記円筒歯車組の他端部歯車と噛合し、前記第1ガイドロッド歯車のガイドロッド端は、前記第1スライダまで延び、前記第2ガイドロッド歯車のガイドロッド端は、前記第2スライダまで延びる。
【0007】
例示的に、前記第1ガイドロッド歯車のガイドロッド端および前記第2ガイドロッド歯車のガイドロッド端の延在方向は平行であり、且つ両方とも、前記プリセットの方向および前記ヒンジの厚さ方向に対して垂直である。
【0008】
例示的に、前記第1ヒンジブラケットは、第1円弧ガイド部を備え、前記第1スライダは、第1円弧部を備え、前記第2スライダは、第2円弧部を備え、前記第1円弧部および前記第2円弧部は、それぞれ前記第1円弧ガイド部に嵌合され、
前記第1ヒンジブラケットは、第1円弧ガイド部の底面から上方に延びる2つの直立ブロックをさらに備え、且つ前記2つの直立ブロックは、前記第1スライダの2つの第1円弧部と前記第2スライダの2つの第2円弧部との間に配置され、前記第1ガイドロッド歯車の歯車端、前記第2ガイドロッド歯車の歯車端、および前記円筒歯車組は、前記2つの直立ブロックの間に配置される。
【0009】
例示的に、前記第1ガイドロッド歯車のガイドロッド端と、前記第2ガイドロッド歯車のガイドロッド端の延在方向は同じであり、且つ両方とも、前記プリセットの方向に平行である。
【0010】
例示的に、前記軌道制限機構、前記同期機構、および前記ロック機構は、前記プリセットの方向に沿って順次に設置される。
【0011】
例示的に、前記第1ヒンジブラケットは、第1円弧ガイド部を備え、前記第1スライダは、第1円弧部を備え、前記第2スライダは、第2円弧部を備え、前記第1円弧部および前記第2円弧部は、それぞれ前記第1円弧ガイド部に嵌合され、
前記第1ガイドロッド歯車のガイドロッド端は、前記第1スライダの前記同期機構に近い側に接続され、前記第2ガイドロッド歯車のガイドロッド端は、前記第2スライダの前記同期機構に近い側に接続される。
【0012】
例示的に、前記第1スライダは、第1中空シュートを備え、前記第2スライダは、第2中空シュートを備え、前記第1ガイドロッド歯車のガイドロッド端は、前記第1中空シュート内に挿入し、前記第2ガイドロッド歯車端のガイドロッド端は、前記第2中空シュート内に挿入する。
【0013】
例示的に、前記第1スライダは第1溝を備え、前記第2スライダは第2溝を備え、
前記ヒンジは、第1制限片および第2制限片をさらに備え、前記第1制限片は、前記第1溝をカバーして、前記第1ガイドロッド歯車のガイドロッド端と嵌合するシュートを形成し、前記第2制限片は、前記第2溝をカバーして、前記第2ガイドロッド歯車のガイドロッド端と嵌合するシュートを形成する。
【0014】
例示的に、前記同期機構は回転軸を備え、前記回転軸が、前記円筒歯車組の任意の歯車に接続され、
前記ロック機構は、第1伝動部材と、第2伝動部材とを備え、前記第1伝動部材が、前記回転軸に接続されて、前記回転軸と共に回転し、前記回転軸が前記第1伝動部材を駆動して、前記第2伝動部材とプリセットの嵌合状態に切り替えられる場合、前記ロック機構がロック状態に切り替える。
【0015】
例示的に、前記第1伝動部材および前記第2伝動部材の一方は、少なくとも1つの凸部を備え、他方は、前記凸部と嵌合する凹部を備え、前記凸部が前記凹部内に挿入する場合、前記第1伝動部材と前記第2伝動部材は、前記プリセットの嵌合状態に切り替えられ、
前記ロック機構は、
前記第2伝動部材と接触し、且つ前記第2伝動部材が前記プリセットの方向に沿って移動すると、それに応じて伸長または圧縮する緩衝部材をさらに備える。
【0016】
例示的に、前記緩衝部材は、伸縮可能な可撓性部材を備える。
【0017】
例示的に、前記緩衝部材は、
一端が前記第2伝動部材に接続され、他端が前記第1ヒンジブラケットに接続されるガイドロッドと、
前記ガイドロッドにスリーブされ、前記第2伝動部材と接触する圧縮ばねと、を備える。
【0018】
本開示の実施例の第2態様によれば、電子機器に適用されるヒンジアセンブリを提供し、前記ヒンジアセンブリは、
上記のいずれかの実施例に記載のヒンジである少なくとも1つの第1ヒンジと、
第1スライダに接続される第1支持鋼片と、
第2スライダに接続される第2支持鋼片であって、前記第1スライダと前記第2スライダの相対的な位置関係の変化により、前記第1支持鋼片と前記第2支持鋼片の相対的な位置関係が変化する第2支持鋼片と、を備える。
【0019】
例示的に、前記ヒンジアセンブリは、
第2ヒンジブラケットと、第3スライダと、第4スライダとを備える第2ヒンジであって、前記第2ヒンジブラケットは、第2円弧ガイド部を備える少なくとも1つの第2ヒンジをさらに備え、
前記第3スライダは第3円弧部を備え、前記第4スライダは第4円弧部を備え、前記第3円弧部および前記第4円弧部は、それぞれ前記第2円弧ガイド部と嵌合する。
【0020】
例示的に、前記ヒンジアセンブリは、
第1支持部材と、第2支持部材と、水平展開ブラケットとを備える水平展開支持部材であって、前記水平展開ブラケットが、前記第1支持部材および前記第2支持部材の両方に接続され、且つ前記水平展開ブラケットが、前記第1支持鋼片と前記第2支持鋼片に接続される、少なくとも1つの水平展開支持部材をさらに備え、
ここで、前記第1支持鋼片と前記第2支持鋼片が水平展開状態である場合、前記第1支持部材と前記第2支持部材は相互作用し、前記第1支持鋼片と前記第2支持鋼片が位置する平面に平行な作用力が発生して、前記支持鋼片を前記水平展開状態に維持する。
【0021】
例示的に、前記第1支持部材と前記第2支持部材はすべて磁石を備え、前記第1支持部材の一側面の極性と第2支持部材の一側面の極性は異なり、且つ前記支持鋼片がすべて水平展開状態である場合、極性の異なる両側の表面が対向的に設置される。
【0022】
例示的に、前記第1支持部材および前記第2支持部材の一方は磁石を備え、他方は電磁コイルを備え、
前記支持鋼片が水平展開状態である場合、前記電磁コイルが通電状態であり、前記磁石と相互作用して、前記支持鋼片を水平展開状態に維持させる作用力を発生する。
【0023】
本開示の実施例の第3態様によれば、折りたたみ式電子機器を提供し、前記折りたたみ式電子機器は、
上記のいずれかの実施例に記載のヒンジアセンブリと、
前記ヒンジアセンブリの第1支持鋼片および第2支持鋼片の両方に接続されて、前記第1支持鋼片と前記第2支持鋼片の位置変化に応じて状態を切り替えるように構成されるミドルフレームと、を備える。
【0024】
例示的に、前記折りたたみ式電子機器は、
前記ヒンジアセンブリのヒンジブラケットに固定接続されるヒンジハウジングをさらに備える。
【0025】
例えば、本願は以下の項目を提供する。
(項目1)
ヒンジであって、
第1スライダと第2スライダとを備える軌道制限機構と、
上記第1スライダおよび上記第2スライダに嵌合して、上記第1スライダおよび上記第2スライダの回転軌道を制限するように構成される第1ヒンジブラケットと、
上記軌道制限機構に嵌合し、上記第1スライダおよび上記第2スライダがそれぞれ上記第1ヒンジブラケットに対して、プリセットの方向を中心に回転するように駆動するように構成される同期機構と、
上記同期機構に嵌合し、ロック状態を含むロック機構であって、上記ロック状態での上記ロック機構は、上記第1スライダと上記第2スライダの相対的な位置関係を維持するために、上記同期機構の移動を防止するように構成されるロック機構とを、備えることを特徴とする、上記ヒンジ。
(項目2)
上記同期機構は、
円筒歯車組と、第1ガイドロッド歯車と、第2ガイドロッド歯車とを備え、上記第1スライダおよび上記第2スライダがそれぞれ上記第1ヒンジブラケットに対して回転するように駆動するために、上記第1ガイドロッド歯車および上記第2ガイドロッド歯車はそれぞれ歯車端およびガイドロッド端を備え、上記第1ガイドロッド歯車の歯車端は、上記円筒歯車組の端部歯車と噛合し、上記第2ガイドロッド歯車の歯車端は、上記円筒歯車組の他端部歯車と噛合し、上記第1ガイドロッド歯車のガイドロッド端は、上記第1スライダまで延び、上記第2ガイドロッド歯車のガイドロッド端は、上記第2スライダまで延びることを特徴とする、
上記項目に記載のヒンジ。
(項目3)
上記第1ガイドロッド歯車のガイドロッド端および上記第2ガイドロッド歯車のガイドロッド端の延在方向は平行であり、且つ両方とも、上記プリセットの方向および上記ヒンジの厚さ方向に対して垂直であることを特徴とする、
上記項目のいずれか一項に記載のヒンジ。
(項目4)
上記第1ヒンジブラケットは、第1円弧ガイド部を備え、上記第1スライダは、第1円弧部を備え、上記第2スライダは、第2円弧部を備え、上記第1円弧部および上記第2円弧部は、それぞれ上記第1円弧ガイド部に嵌合され、
上記第1ヒンジブラケットは、上記第1円弧ガイド部にそれぞれ接続される2つの直立ブロックをさらに備え、且つ上記2つの直立ブロックは、上記第1スライダの2つの第1円弧部と上記第2スライダの2つの第2円弧部との間に配置され、上記第1ガイドロッド歯車の歯車端、上記第2ガイドロッド歯車の歯車端、および上記円筒歯車組は、上記2つの直立ブロックの間に配置されることを特徴とする、
上記項目のいずれか一項に記載のヒンジ。
(項目5)
上記第1ガイドロッド歯車のガイドロッド端と、上記第2ガイドロッド歯車のガイドロッド端の延在方向は同じであり、且つ両方とも、上記プリセットの方向に平行であることを特徴とする、
上記項目のいずれか一項に記載のヒンジ。
(項目6)
上記軌道制限機構、上記同期機構、および上記ロック機構は、上記プリセットの方向に沿って順次に設置されることを特徴とする、
上記項目のいずれか一項に記載のヒンジ。
(項目7)
上記第1ヒンジブラケットは、第1円弧ガイド部を備え、上記第1スライダは、第1円弧部を備え、上記第2スライダは、第2円弧部を備え、上記第1円弧部および上記第2円弧部は、それぞれ上記第1円弧ガイド部に嵌合され、
上記第1ガイドロッド歯車のガイドロッド端は、上記第1スライダの上記同期機構に近い側に接続され、上記第2ガイドロッド歯車のガイドロッド端は、上記第2スライダの上記同期機構に近い側に接続されることを特徴とする、
上記項目のいずれか一項に記載のヒンジ。
(項目8)
上記第1スライダは、第1中空シュートを備え、上記第2スライダは、第2中空シュートを備え、上記第1ガイドロッド歯車のガイドロッド端は、上記第1中空シュート内に挿入し、上記第2ガイドロッド歯車端のガイドロッド端は、上記第2中空シュート内に挿入することを特徴とする、
上記項目のいずれか一項に記載のヒンジ。
(項目9)
上記第1スライダは第1溝を備え、上記第2スライダは第2溝を備え、
上記ヒンジは、第1制限片と、第2制限片とをさらに備え、上記第1制限片は、上記第1溝をカバーして、上記第1ガイドロッド歯車のガイドロッド端と嵌合するシュートを形成し、上記第2制限片は、上記第2溝をカバーして、上記第2ガイドロッド歯車のガイドロッド端と嵌合するシュートを形成することを特徴とする、
上記項目のいずれか一項に記載のヒンジ。
(項目10)
上記同期機構が回転軸を備え、各上記回転軸が、上記円筒歯車組の任意の歯車に接続され、
上記ロック機構は、第1伝動部材と、第2伝動部材とを備え、上記第1伝動部材が、上記回転軸に接続されて、上記回転軸と共に回転し、上記回転軸が上記第1伝動部材を駆動して、上記第2伝動部材とプリセットの嵌合状態に切り替えられる場合、上記ロック機構がロック状態に切り替えることを特徴とする、
上記項目のいずれか一項に記載のヒンジ。
(項目11)
上記第1伝動部材および上記第2伝動部材の一方は、少なくとも1つの凸部を備え、他方は、上記凸部と嵌合する凹部を備え、上記凸部が上記凹部内に挿入する場合、上記第1伝動部材と上記第2伝動部材が、上記プリセットの嵌合状態に切り替えられ、
上記ロック機構は、
上記第2伝動部材と接触し、且つ上記第2伝動部材が上記プリセットの方向に沿って移動すると、それに応じて伸長または圧縮する緩衝部材をさらに備えることを特徴とする、
上記項目のいずれか一項に記載のヒンジ。
(項目12)
上記緩衝部材が、伸縮可能な可撓性部材を備えることを特徴とする、
上記項目のいずれか一項に記載のヒンジ。
(項目13)
上記緩衝部材が、
一端が上記第2伝動部材に接続され、他端が上記第1ヒンジブラケットに接続されるガイドロッドと、
上記ガイドロッドにスリーブされ、上記第2伝動部材と接触する圧縮ばねと、を備えることを特徴とする、
上記項目のいずれか一項に記載のヒンジ。
(項目14)
ヒンジアセンブリであって、
電子機器に適用され、
上記項目のいずれか一項に記載のヒンジである少なくとも1つの第1ヒンジと、
第1スライダに接続される第1支持鋼片と、
第2スライダに接続される第2支持鋼片であって、上記第1スライダと上記第2スライダの相対的な位置関係の変化により、上記第1支持鋼片と上記第2支持鋼片の相対的な位置関係の変化を駆動する第2支持鋼片と、を備えることを特徴とする、上記ヒンジアセンブリ。
(項目15)
上記ヒンジアセンブリが、
第2ヒンジブラケットと、第3スライダと、第4スライダとを備える第2ヒンジであって、上記第2ヒンジブラケットは、第2円弧ガイド部を備える少なくとも1つの第2ヒンジをさらに備え、
上記第3スライダは第3円弧部を備え、上記第4スライダは第4円弧部を備え、上記第3円弧部および上記第4円弧部は、それぞれ上記第2円弧ガイド部と嵌合することを特徴とする、
上記項目に記載のヒンジアセンブリ。
(項目16)
上記ヒンジアセンブリが、
第1支持部材と、第2支持部材と、水平展開ブラケットとを備える水平展開支持部材であって、上記水平展開ブラケットが、上記第1支持部材および上記第2支持部材の両方に接続され、且つ上記水平展開ブラケットが、上記第1支持鋼片と上記第2支持鋼片に接続される、少なくとも1つの水平展開支持部材をさらに備え、
上記支持鋼片が水平展開状態である場合、上記第1支持部材と上記第2支持部材は相互作用し、上記支持鋼片が位置する平面に平行な作用力が発生して、上記支持鋼片を上記水平展開状態に維持することを特徴とする、
上記項目のいずれか一項に記載のヒンジアセンブリ。
(項目17)
上記第1支持部材と上記第2支持部材はすべて磁石を備え、上記第1支持部材の一側面の極性と第2支持部材の一側面の極性は異なり、且つ上記第1支持鋼片と上記第2支持鋼片の両方が水平展開状態である場合、極性の異なる両側の表面が対向的に設置されることを特徴とする、
上記項目のいずれか一項に記載のヒンジアセンブリ
(項目18)
上記第1支持部材および上記第2支持部材の一方は磁石を備え、他方は電磁コイルを備え、
上記第1支持鋼片と上記第2支持鋼片の両方が水平展開状態である場合、上記電磁コイルが通電状態であり、上記磁石と相互作用して、上記第1支持鋼片と上記第2支持鋼片の両方を水平展開状態に維持させる作用力を発生することを特徴とする、
上記項目のいずれか一項に記載のヒンジアセンブリ
(項目19)
折りたたみ式電子機器であって、
上記項目のいずれか一項に記載のヒンジアセンブリと、
上記ヒンジアセンブリの第1支持鋼片および第2支持鋼片の両方に接続されて、上記第1支持鋼片と上記第2支持鋼片の位置変化に応じて状態を切り替えるように構成されるミドルフレームと、を備えることを特徴とする、上記折りたたみ式電子機器。
(項目20)
上記折りたたみ式電子機器が、
上記ヒンジアセンブリのヒンジブラケットに固定接続されるヒンジハウジングをさらに備えることを特徴とする、
上記項目に記載の折りたたみ式電子機器。
(摘要)
本開示は、ヒンジ、ヒンジアセンブリ並びに折りたたみ式電子機器に関する。前記ヒンジは、第1スライダと第2スライダとを備える制限機構と、前記第1スライダおよび前記第2スライダに嵌合して、前記第1スライダおよび前記第2スライダの回転軌道を制限するように構成される第1ヒンジブラケットと、前記軌道制限機構に嵌合し、前記第1スライダおよび前記第2スライダがそれぞれ前記第1ヒンジブラケットに対して、プリセットの方向を中心に回転するように駆動するように構成される同期機構と、前記同期機構に嵌合し、ロック状態を含むロック機構であって、前記ロック状態での前記ロック機構は、前記第1スライダと前記第2スライダの相対的な位置関係を維持するために、前記同期機構の移動を防止するように構成されるロック機構とを備える。
【発明の効果】
【0026】
本開示の実施例によって提供される技術的解決策は、以下の有益な効果を含み得る。
【0027】
上記した実施例からわかるように、本開示において、第1ヒンジブラケットを介して軌道制限スライダの回転方向を制限することにより、軌道制限スライダの動きによる不要な移動ストロークの生成を防止し、さらに、ロック機構と同期機構の嵌合、および同期機構と軌道制限機構の嵌合を介して、当該ヒンジをユーザの目標状態にロックでき、特に、当該ヒンジを折りたたみ式電子機器に適用する場合、ロック機構を使用して折りたたみ式電子機器を水平展開または折りたたみ状態に維持できるため、ユーザの使用体験を改善し、モジュール化により、軌道制限機構、同期機構、およびロック機構を同じヒンジに設置することにより、当該ヒンジを備えた電子機器のコンポーネントの数を減らすことに有益であり、制御が容易である。
【0028】
上記の一般的な説明および後述する詳細な説明は、単なる例示および説明に過ぎず、本開示を限定するものではないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0029】
ここでの図面は、本明細書に組み込まれてその一部を構成し、本開示と一致する実施例を示し、明細書とともに本開示の原理を説明するために使用される。
図1】一例示的な実施例によるヒンジの概略的な状態図である。
図2図1におけるヒンジの別の概略的な状態図である。
図3】一例示的な実施例による同期機構の概略的な構造図である。
図4】一例示的な実施例による同期機構と軌道制限機構の概略的な嵌合図である。
図5】一例示的な実施例による別の同期機構と軌道制限機構の概略的な嵌合図である。
図6】一例示的な実施例による軌道制限機構の概略的な状態図である。
図7図6における軌道制限機構の別の概略的な状態図である。
図8】一例示的な実施例による別の同期機構と軌道制限機構の概略的な嵌合図である。
図9図8における軌道制限機構の別の概略的な状態図である。
図10】一例示的な実施例によるさらに別の同期機構と軌道制限機構の概略的な嵌合図である。
図11図10における軌道制限機構の別の概略的な状態図である。
図12】一例示的な実施例による別の軌道制限機構の概略的な構造図である。
図13】一例示的な実施例による同期機構と軌道制限機構の概略的な断面図である。
図14図13における軌道制限機構の別の概略的な状態図である。
図15】一例示的な実施例によるヒンジの概略的な分解図である。
図16】一例示的な実施例によるヒンジアセンブリの概略的な構造図である。
図17】一例示的な実施例による第2ヒンジの概略的な分解図である。
図18】一例示的な実施例による第2ヒンジの概略的な状態図である。
図19図18における第2ヒンジの別の概略的な状態図である。
図20】一例示的な実施例による別のヒンジアセンブリの概略的な構造図である。
図21】一例示的な実施例による水平展開支持部材の概略的な構造図である。
図22】一例示的な実施例による水平展開支持部材の概略的な部分分解図である。
図23】一例示的な実施例によるヒンジとミドルフレームの概略的な嵌合図である。
図24】一例示的な実施例によるヒンジとミドルフレームの概略的な分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
ここで、例示的な実施例について詳細に説明し、その例は図面に示す。特に明記しない限り、以下の説明が図面に関する場合、異なる図面の同じ数字は同じまたは類似の要素を表す。以下の例示的な実施例で説明される実施形態は、本開示と一致するすべての実施形態を表すものではない。むしろ、それらは、添付された特許請求の範囲に詳述されたように、本開示の特定の態様と一致する装置および方法の例である。
【0031】
本開示で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的とし、本開示を限定することを意図するものではない。本開示および添付の特許請求の範囲で使用された単数形の「1つの」、「前記」および「当該」は、文脈が他の意味を明確に示さない限り、複数形も含むものとする。また、本明細書で使用された「および/または」という用語は、1つまたは複数の関連する列挙されたプロジェクトのいずれかまたはすべての可能な組み合わせを指し、それらを含むことを理解されたい。
【0032】
本開示では、「第1」、「第2」、「第3」などの用語を使用して様々な情報を説明することができるが、これらの情報はこれらの用語に限定されないことを理解されたい。これらの用語は、同じタイプの情報をお互いに区別するためにのみ使用される。例えば、本開示の範囲から逸脱することなく、第1の情報は第2の情報とも称し得、同様に、第2の情報は第1の情報とも称し得る。文脈に応じて、本明細書で使用される「…ば」という語は、「…場合」または「…時」または「…決定に応答して」と解釈することができる。
【0033】
図1は、一例示的な実施例によるヒンジ100の概略的な状態図であり、図2は、一例示的な実施例によるヒンジ100の別の概略的な状態図である。図1および図2に示されるように、当該ヒンジ100が、軌道制限機構1と、第1ヒンジブラケット2と、同期機構3と、ロック機構4とを備えることができる。ここで、当該軌道制限機構1は、第1スライダ11と第2スライダ12を備えることができ、当該第1ヒンジブラケット1は、第1スライダ11および第2スライダ12と嵌合して、当該第1ヒンジブラケット1によって第1スライダ11および第2スライダ12の回転軌道を制限する。例えば、当該第1ヒンジブラケット1が、円弧溝を備えることができ、当該第1スライダ11および第2スライダ12が、当該円弧溝と嵌合する円弧部分を備え、且つ円弧部分は円弧溝の内面に沿ってスライドすることができるため、第1スライダ11および第2スライダ12の両方は、矢印Aの方向を中心に回転でき、ヒンジ100が図1に示す状態から図2に示す状態に切り替えることができる。
【0034】
当該同期機構3は、軌道制限機構1と嵌合することができ、当該同期機構3は、第1スライダ11および第2スライダ12がそれぞれ第1ヒンジブラケットに対して、プリセットの方向を中心に回転するように駆動するように構成される。同期機構3はさらに、ロック機構4と嵌合することができ、当該ロック機構4は、ロック状態を備え、当該ロック機構4がロック状態に切り替えられる場合、当該ロック機構4は、同期機構3の移動を防止するように構成される。これにより、当該ロック機構4がロック状態にある場合、同期機構3は、第1スライダ11および第2スライダ12を駆動して移動することができず、即ち、ロック機構4がロック状態にある場合、第1スライダ11と第2スライダ12の相対的な位置関係を変化しないように維持することができるため、ヒンジ100をユーザの所望の目標状態に維持することができる。例えば、ヒンジ100を、図1に示される状態に維持してもよいし、図2に示される状態に維持してもよいし、もちろん他の状態であってもよいが、本開示はこれらに限定されない。
【0035】
上記した実施例からわかるように、本開示において、第2ヒンジブラケットを介して軌道制限スライダ2の回転方向を制限することにより、軌道制限スライダ32の動きによる不要な移動ストロークの生成を防止し、さらに、ロック機構4と同期機構3の嵌合、および同期機構4と軌道制限機構1の嵌合を介して、当該ヒンジ100をユーザの目標状態にロックでき、特に、当該ヒンジ100を折りたたみ式電子機器に適用する場合、ロック機構4を使用して折りたたみ式電子機器を水平展開または折りたたみ状態に維持できるため、ユーザの使用体験を改善し、モジュール化により、軌道制限機構1、同期機構3、およびロック機構4を同じヒンジ100に設置することにより、当該ヒンジ100を備えた電子機器のコンポーネントの数を減らすことに有益であり、制御が容易である。
【0036】
本実施例では、図3に示されるように、当該同期機構3は、円筒歯車組31と、第1ガイドロッド歯車32と、第2ガイドロッド歯車33とを備えることができ、当該第1ガイドロッド歯車32は、歯車端321と、ガイドロッド端322とを備えることができ、同様に、第2ガイドロッド歯車33も、対応する歯車端331と、ガイドロッド端332とを備えることができ、第1ガイドロッド歯車32の歯車端321は、円筒歯車組31の端部歯車と噛合し、第2ガイドロッド歯車33の歯車端331は、円筒歯車組31の他端部歯車と噛合し、第1ガイドロッド歯車32のガイドロッド端322は、第1スライダ11まで延びることができ、第2ガイドロッド歯車33のガイドロッド端332は、第2スライダ12まで延びることができ、当該第1スライダ11および第2スライダ12がそれぞれ第1ヒンジブラケット2に対して回転するように駆動することにより、ヒンジ100の状態変化を実現する。
【0037】
当該実施例において、図3に示されるように、当該第1ガイドロッド歯車32のガイドロッド端321および第2ガイドロッド歯車33のガイドロッド端332の延在方向は平行であり、且つ両方とも、図1の矢印Aの方向に垂直であり、ヒンジ100にも垂直である。即ち、ヒンジ100の厚さ方向、ガイドロッド端の延在方向、矢印Aの方向は互いに垂直である。
【0038】
本実施例では、第1ガイドロッド歯車32のガイドロッド端322および第2ガイドロッド歯車33のガイドロッド端332の延在方向に従って、第1スライダ11および第2スライダ12を適応的に設計できる。例えば、図4ないし図8に示されるように、本実施例では、第1ヒンジブラケット2に対する第1スライダ11および第2スライダ12の回転を実現するために、図4に示されるように、当該第1ヒンジブラケット2は、第1円弧ガイド部21を備えることができ、第1スライダ11は、第1円弧部111を備えることができ、第2スライダ12は、第2円弧部121を備えることができ、当該第1円弧部111および第2円弧部121は、それぞれ第1円弧ガイド部21に嵌合する。例えば、第1円弧部111および第2円弧部121の外円弧面は、第1円弧ガイド部21の第1スライダ11および第2スライダ12に向かう円弧面と接触し、これにより、同期機構3が回転すると、第1円弧部111および第2円弧部121は、第1円弧ガイド部21の拘束下で回転するため、第1スライダ11および第2スライダ12の移動軌道が一定になり、第1円弧ガイド部21に従って、折り畳み後のヒンジ100のフィレットを決定し、第1円弧ガイド部21のフィレットは固定値であるため、折り畳み後のヒンジ100の側のフィレットが一定であることを保証でき、折り畳み式電子機器の画面への損傷の低減に有益である。
【0039】
本実施例では、ヒンジ100の厚さを減らすために、図4に示されるように、当該第1ヒンジブラケット2は、2つの直立ブロック22をさらに備えることができ、当該2つの直立ブロック22は、それぞれ第1円弧ガイド部21に接続され、当該2つの直立ブロック22間に一定間隔の距離があり得、当該2つの直立ブロック22は、第1スライダ11の2つの第1円弧部111間および第2スライダ12の2つの第2円弧部121間に設置でき、第1ガイドロッド歯車32の歯車端321、第2ガイドロッド歯車33の歯車端331、および円筒歯車組31はすべて、当該2つの直立ブロック22間に設置される。ここで、2つの直立ブロック22の間に位置する第1円弧ガイド部21の底面上の領域は、第1ガイドロッド歯車32の歯車端321、第2ガイドロッド歯車33の歯車端331、および円筒歯車組31のために適応的に設計できるが、本開示はこれに限定されない。
【0040】
当該実施例において、第1円弧ガイド部21内に、直立ブロック22の制限によって形成された逃げ部23が存在するので、当該逃げ部23との接触を避けるために、第1スライダ11は、第1ガイドロッド歯車32のガイドロッド端321の延在方向に沿って凹んで形成された第1凹部112を備えることができ、第2スライダ12は、第2ガイドロッド歯車33のガイドロッド端331の延在方向に沿って凹んで形成された第2凹部122を備えることができ、当該第1凹部112および第2凹部122の両方は、逃げ部23に道を譲ることができる。また、第1ガイドロッド歯車32のガイドロッド端321の延在方向、および第2ガイドロッド歯車33のガイドロッド端331の延在方向の第1ヒンジ2の長さを短くするため、第1スライダ11が備える第1円弧部111の一部が、第2凹部122内に設置されることができ、または、他の実施例では、第2スライダ12が備える第2円弧部121の一部が、第1凹部112内に設置されることができるが、本開示はこれに限定されない。
【0041】
別の実施例において、図5ないし図7に示されるように、第1ガイドロッド歯車32のガイドロッド端322の延在方向と第2ガイドロッド歯車33のガイドロッド端332の延在方向は同じであり、図1の矢印Aの方向に垂直である。例えば、図1および図2に示されるように、当該軌道制限機構1、同期機構3、およびロック機構4は、第1スライダ11および第2スライダ12の回転軸方向に沿って順次に設置される。図5に示されるように、軌道制限機構1と同期機構3との嵌合を実現するために、当該第1ヒンジブラケット2は、第1円弧ガイド部21を備えることができ、第1スライダ11は、第1円弧部111を備えることができ、第2スライダ12は、第2円弧部121を備えることができ、当該第1円弧部111および第2円弧部121は、それぞれ第1円弧ガイド部21に嵌合する。例えば、第1円弧部111および第2円弧部121の外円弧面は、第1円弧ガイド部21の第1スライダ11および第2スライダ12に向かう円弧面と接触し、これにより、同期機構3が回転すると、第1円弧部111および第2円弧部121は、第1円弧ガイド部21の拘束下で回転し、例えば、第1スライダ11と第2スライダ12の相対的な位置関係が、図6および図7に示される状態の間で切り替えることができ、且つ第1スライダ11および第2スライダ12の移動軌道が一定になり、第1円弧ガイド部21に従って、折り畳み後のヒンジ100の側のフィレットを決定し、第1円弧ガイド部21のフィレットは固定値であるため、折り畳み後のヒンジ100の側のフィレットが一定であることを保証でき、折り畳み式電子機器の画面への損傷の低減に有益である。
【0042】
さらに、第1ガイドロッド歯車32のガイドロッド端322は、第1スライダ11の同期機構3に近い側に接続されることができ、第2ガイドロッド歯車33のガイドロッド端332は、第2スライダ12の同期機構3に近い側に接続されることができる。例えば、在第1スライダ11の同期機構3に近い側に溝を形成し、第2スライダ12の同期機構3に近い側にも溝を形成して、第1ガイドロッド歯車32のガイドロッド端322および第2ガイドロッド歯車33のガイドロッド端332をそれぞれ収容する。ここで、溝と、第1ガイドロッド歯車32のガイドロッド端322および第2ガイドロッド歯車33のガイドロッド端332との具体的な嵌合方式については、以下の実施例を参照することができる。
【0043】
上記した各実施例において、第1ガイドロッド歯車32のガイドロッド端322および第2ガイドロッド歯車33のガイドロッド端332の動力は、以下のいずれかの実施例による方式で、第1スライダー11および第2スライダ12に伝達することができる。
【0044】
一実施例において、図8ないし図11に示されるように、当該第1スライダ11は、第1中空シュート112とを備えることができ、第2スライダ12は、第2中空シュート122を備えることができ、第1ガイドロッド歯車32のガイドロッド端322は、第1中空シュート112内に挿入することができ、第2ガイドロッド歯車33のガイドロッド端332は、第2中空シュート122内に挿入することができ、即ち、第1スライダ11および第2スライダ12内を部分的に中空にして対応する中空シュートを得ることができる。これにより、ヒンジ100に外力が作用し、当該力が第1スライダ11にさらに伝達されると、第1ガイドロッド歯車32のガイドロッド端322は、第1中空シュート112内でスライドでき、歯車端321によって、動力を円筒歯車組31に伝達でき、さらに第2ガイドロッド歯車33の歯車端331に伝達され、第2ガイドロッド歯車33のガイドロッド端332を駆動して、第2中空シュート122内でスライドする。第1中空シュート112および第2中空シュート122の制限により、ヒンジ100が、図8および図9に示される状態の間、または図10および図11に示される状態の間で切り替えることができ、つまり、同時に第1ヒンジブラケット2に対する第1スライダ11および第2スライダ12の角度を、基本的に同じにすることができ(即ち、第1ヒンジブラケット2に対する第1スライダ11の夾角と、第1ヒンジブラケット2に対する第2スライダ12の夾角との差は小さく、許容範囲内である)、基本的に第1スライダ11と第2スライダ12の同期移動を実現する。もちろん、ここでは、第1スライダ11に加えられる作用力のみを例に挙げて説明したが、第2スライダ12に作用力が伝達される場合、または第1スライダ11および第2スライダ12に作用力が伝達される場合は、上記の実施例を参照することができ、ここでは繰り返さない。
【0045】
本実施例では、図8ないし図11に示されるように、当該第1スライダ11は、第1ガイド貫通部113をさらに備えることができ、第1中空シュート112は、当該第1ガイド貫通部113を介して外部に貫通することができ、同様に、第2スライダ12も、第2ガイド貫通部123をさらに備えることができ、第2中空シュート122は、当該第2ガイド貫通部123を介して外部に貫通することができる。第1ガイドロッド歯車32は、第1凸部323をさらに備えることができ、第2ガイドロッド歯車33は、第2凸部333をさらに備えることができ、当該第1凸部323の一部は、第1ガイド貫通部113内に挿入し、第2凸部333の一部は、第2ガイド貫通部123内に挿入する。これにより、ヒンジ100が完全に展開される場合、第1ガイド貫通部113を介して第1凸部323を制限することができ、第2ガイド貫通部123を介して第2凸部333を制限することができ、ヒンジ100が完全に折り畳まれる場合も、第1ガイド貫通部113を介して第1凸部323を制限することができ、第2ガイド貫通部123を介して第2凸部333を制限することができるため、ヒンジ100が過度に伸ばされたり、折られたりすることを防止できる。
【0046】
第1スライダ11および第2スライダ12内を中空にして、ガイドロッド端に嵌合する中空シュートを形成することは、前述のように図3の実施例に適用されることができ、もちろん図4の実施例にも適用されることができるが、本開示はこれらに限定されないことを留意されたい。
【0047】
別の実施例において、図12ないし図14に示されるように、第1スライダ11は、第1溝114を備えることができ、第2スライダ12は、第2溝124を備えることができ、当該ヒンジ100は、第1制限片5と、第2制限片6とをさらに備えることができ、当該第1制限片5は、第1溝114をカバーして、第1ガイドロッド歯車32のガイドロッド端322と嵌合するシュートを形成し、第2制限片6は、第2溝124をカバーして、第2ガイドロッド歯車33のガイドロッド端332と嵌合するシュートを形成し、第1制限片5および第2制限片6の制限により、第1ガイドロッド歯車32のガイドロッド端322は、第1スライダ11を駆動して、第1ガイドロッド歯車33のガイドロッドを回転させることができ、第1ガイドロッド歯車33のガイドロッド端332を介して、第2スライダ12を回転させるように駆動することができ、例えば、第1スライダ11および第2スライダ12の両方が、図13および図14に示される状態の間で切り替えることができる。具体的な力伝達方式については、前述の実施例を参照することができ、ここでは繰り返さない。
【0048】
第1スライダ11および第2スライダ12には、それぞれ溝が形成されており、さらに第1制限片5および第2制限片6の制限により、移動伝達を行うような実施形態は、前述のように図5の実施例に適用されることができ、もちろん図3の実施例にも適用されることができるが、本開示はこれらに限定されないことを留意されたい。
【0049】
本開示の技術的解決策に基づいて、以下でロック構造4の詳細な構造を説明する。図15に示されるように、当該同期機構3は、回転軸34を備えることができ、当該回転軸34は、円筒歯車組31に備えられる歯車に1つずつ対応することができ、例えば、図15に示されるように、同期機構3は、第1回転軸341と、第2回転軸342とを備えることができ、円筒歯車組31は、第1歯車311と、第2歯車312とを備えることができ、当該第1歯車311は、第1回転軸341に接続され、第2歯車312は、第2回転軸342に接続され、これにより、第1歯車311および第2歯車312を介して、第1回転軸341および第2回転軸342をそれぞれ駆動して回転させることができる。当該ロック機構4は、第1伝動部材41と、第2伝動部材42とを備えることができ、当該第1伝動部材41は、少なくとも1つの回転軸34に接続されて、回転軸34と共に回転することができ、回転軸34の駆動により、第1伝動部材41が、第2伝動部材42とのプリセットの嵌合状態に切り替える場合、当該ロック機構4がロック状態に切り替える。
【0050】
例えば、一実施例において、当該第2伝動部材42は、バックルを備えることができ、第1伝動部材41がバックルに嵌合されるまで回転すると、ロック機構4はロック状態に切り替える。あるいは、別の実施例において、図14に示されるように、当該第1伝動部材41は、凸部411を備えることができ、第2伝動部材42は、凹部421を備えることができ、当該凸部411が当該凹部421内に挿入する場合、第1伝動部材41および第2伝動部材42は、プリセットの嵌合状態に切り替える。ここで、当該凸部411と凹部421の数は、等しくても、等しくなくてもよく、例えば、一実施例において、凸部411と凹部421の数は等しく、且つすべての凸部411が同時に対応する凹部421に挿入し、この時、ヒンジ100の現在状態を維持することができる。別の実施例において、当該凸部411と凹部421の数は等しくなくてもよく、例えば、1つの凸部411と、複数の均一に分布された凹部421とを備えることができ、凸部411が異なる凹部421内に挿入する場合、ヒンジ100を異なる目標状態に制限することができ、当該ヒンジ100を備えた折りたたみ式電子機器の折り畳み感を向上させることができる。
【0051】
もちろん、当該実施例において、第1伝動部材41および第2伝動部材42の両方は、剛性材料で作られることができ、第1伝動部材が、スムーズに回転できるように保証するために、当該ロック機構4は、緩衝部材43をさらに備えることができ、当該緩衝部材43は、第2伝動部材42と接触し、第2伝動部材42が、第1伝動部材41の作用により、回転軸34の延在方向に沿って移動すると、当該緩衝部材4はそれに応じて伸長または圧縮することにより、凸部411と凹部421が嵌合するための空間を提供することができる。
【0052】
一実施例において、当該緩衝部材43は、伸縮可能な可撓性部材を備えることができ、例えば、当該伸縮可能な可撓性部材は、発泡体、ゴム、またはシリコーンなどの塑性変形可能な材料で作られてもよい。別の実施例において、図14に示されるように、当該緩衝部材43は、ガイドロッド431と、圧縮ばね432とを備えることができ、当該ガイドロッド431の一端は、第2伝動部材42に接続され、他端は第1ヒンジブラケット2に接続され、圧縮ばね432は、ガイドロッド431にスリーブされ、第2伝動部材42と接触し、これにより、第1伝動部材41が回転すると、第2伝動部材42が、同期機構3から離れるように移動して、圧縮ばね432が圧縮されることができ、または、第1伝動部材41が回転すると、第2伝動部材42が、同期機構3に近くように移動して、圧縮ばね432が圧縮されることができる。
【0053】
上記した各実施例に基づいて、図16に示されるように、本開示は、ヒンジアセンブリ200をさらに提供し、当該ヒンジアセンブリ200は、折りたたみ式電子機器に適用されることができ、当該ヒンジアセンブリ200は、少なくとも1つの第1ヒンジ201と、第1支持鋼片202と、第2支持鋼片203とを備えることができる。ここで、当該第1ヒンジ201は、上記のいずれかの実施例に記載のヒンジ100であることができ、当該第1支持鋼片202は、第1スライダ11に接続されることができ、第2支持鋼片203は、第2スライダ12に接続されることができ、第1スライダ11と第2スライダ12の相対的な位置関係の変化により、第1支持鋼片202と第2支持鋼片203の相対的な位置関係の変化を駆動し、これにより、第1支持鋼片202と第2支持鋼片203は、両方とも平坦な状態であることができ、または両者のなす角度が非ゼロであることができる。
【0054】
当該実施例において、図16に示されるように、当該ヒンジアセンブリ200は、3つの第1ヒンジ201を備えることができ、当該3つの第1ヒンジ201は、ヒンジアセンブリ200の長さの方向に沿って順次に設置されることができる。もちろん、当該ヒンジアセンブリ200は、他の数の第1ヒンジ201も備えることができるが、本開示はこれに限定されない。あるいは、他の実施例において、当該ヒンジアセンブリ200は、他のヒンジを備えることができる。例えば、図17ないし図19に示されるように、当該ヒンジアセンブリ200は、第2ヒンジ204をさらに備えることができ、当該第2ヒンジ204は、第2ヒンジブラケット2043と、第3スライダ2041と、第4スライダ2042とを備えることができる。ここで、当該第2ヒンジブラケット2043は、第2円弧ガイド部20431をさらに備えることができ、第3スライダ2041は、第3円弧部20411を備えることができ、第4スライダ2042は、第4円弧部20421を備えることができ、当該第3円弧部20411および第4円弧部20421は、第2円弧ガイド部20431と嵌合するので、第1ヒンジ201の移動が第2ヒンジ204に伝達されると、第3円弧部20411および第4円弧部20421が、第2円弧ガイド部20431に対して回転するように駆動され、第2ヒンジ204は、図18および図19に示される状態の間で切り替える。ヒンジアセンブリ100の美観性を改善するために、当該第2円弧ガイド部20431の外側のフィレットは、第1円弧ガイド部21の外側のフィレットと等しくてもよい。
【0055】
ここでの第2ヒンジ204は、図17に示されるの構造を例に挙げて説明したが、他の実施例では、当該第2ヒンジ204の構造は、第1ヒンジ201の軌道制限機構1の構造を参照することができ、ここでは繰り返さない。あるいは、第3スライダ2041および第4のスライダ2042の関連する構造は、適応的に設計されてもよい。
【0056】
上記した各実施例において、図20ないし図22に示されるように、当該ヒンジアセンブリ100は、少なくとも1つの水平展開支持部材205を備えることができ、各組の水平展開支持部材205は、第1支持部材2051と、第2支持部材2052と、水平展開ブラケット2053とを備えることができ、当該水平展開ブラケット2053は、第1支持部材2051および第2支持部材2052の両方に接続され、当該水平展開ブラケット2053は、第1支持鋼片202と第2支持鋼片203にも接続される。第1支持鋼片202および第2支持鋼片203が水平展開状態にある場合、当該第1支持部材2051と第2支持部材2052は相互作用し、第1支持鋼片202と第2支持鋼片203が位置する平面に平行な作用力(図20に示される作用力Fなど)が発生して、当該第1支持鋼片202および第2支持鋼203の両方を水平展開状態に維持する。
【0057】
当該実施例において、水平展開支持部材205の数は限定されず、必要に応じて設計されてもよい。例えば、図20に示される実施例において、ヒンジアセンブリ100は、4つの水平展開支持部材205を備えることができ、当該4つの水平展開支持部材205は、端部の2つの第1ヒンジ201の間に設置され、1つの第2ヒンジ204も、当該2つの第1ヒンジ201の間に設置される。実際に、他の実施例において、水平展開支持部材205の数は、第1支持鋼片202および第2支持鋼片203を維持するために必要な作用力、および各水平展開支持部材205が提供できる作用力に従って設計することができる。例えば、3つまたは5つまたはこれ以上の数の水平展開支持部材205を備えることができるが、本開示はこれに限定されない。同様に、ヒンジアセンブリ200の長さに従って、第1ヒンジ201および第2ヒンジ204の数を選択することもできる。
【0058】
上記した実施例からわかるように、本開示で提供されるヒンジ100に備えられる第1支持鋼片202および第2支持鋼片203が水平展開状態である場合、水平展開支持部材205よって生成される、第1支持鋼片202および第2支持鋼片203が位置する平面に平行な作用力によって、当該第1支持鋼片202および第2支持鋼片203を水平展開状態に維持することができ、これにより、当該第1支持鋼片202および第2支持鋼片203が弱い外力の影響でフィードバック状態に切り替わることを防止し、ヒンジアセンブリ200をユーザの目標状態に維持することに有益である。
【0059】
本実施例では、図21および図22に示されるように、当該水平展開ブラケット2053は、第1水平展開ブラケット20531と、第2水平展開ブラケット20532とを備えることができ、当該第1水平展開ブラケット20531は、第1支持部材2051に接続され、第2水平展開ブラケット20532は、第2支持部材2052に接続される。第1水平展開ブラケット20531および第2水平展開ブラケット20532を、第1支持部材2051と第2支持部材2052との間の相対的な位置関係の変化に適応させるために、一実施例において、図21および図22に示されるように、当該第1水平展開ブラケット20531と第2水平展開ブラケット20532は、独立した2つのブラケットであることができ、第1水平展開ブラケット20531は、第1支持鋼片202の状態変化に伴って移動し、第2水平展開ブラケット20532は、第2支持鋼片203の状態変化に伴って移動し、第1水平展開ブラケット20531と第2水平展開ブラケット20532が平坦化状態である場合、第1支持部材2051および第2支持部材2052によって、第1支持鋼片202と第2支持鋼片203との間の相対状態を維持する作用力を発生する。別の実施例において、当該第1水平展開ブラケット20531と第2水平展開ブラケット20532は、回転可能に接続され、第1支持鋼片202と第2支持鋼片203間の相対的な位置関係の変化により、第1水平展開ブラケット20531と第2水平展開ブラケット20532間の相対的な位置関係の変化を駆動する。
【0060】
上記した各実施例に基づいて、図21および図22に示されるように、当該第1支持部材2051および第2支持部材2052の両方が磁石を備えることができ、第1支持鋼片202および第2支持鋼片203が水平展開状態にある場合、当該第1支持部材2051と第2支持部材2052で対向的に設置された2つの側の極性は異なるため、磁石極性の原理によって、第1支持部材2051と第2支持部材2052との間に作用力が発生する。例えば、図21および図22に示されるように、第1支持鋼片202および第2支持鋼片203が水平展開状態にある場合、第2支持部材2052に向かって設置された第1支持部材2051の側がS極であり、第1支持部材2051に向かって設置された第2支持部材2052の側がN極である。当該実施例において、バックルまたは接触摩擦などの方式とは異なり、磁石組を使用して第1支持鋼片202および第2支持鋼片203の水平展開状態での作用力を実現するのは、摩擦による摩耗がなく、第1支持部材2051のS極と、第2支持部材2052のN極とが対向する場合、当該第1支持部材2051と第2支持部材2052との間の作用力は最も大きく、外力がない場合、当該第1支持部材2051と第2支持部材2052は、現在の位置関係を維持することができ、揺れを防止することができる。
【0061】
別の実施例において、当該第1支持部材2051および第2支持部材2052の一方は、磁石を備えることができ、他方は、電磁コイルを備えることができ、電磁コイルが通電状態である場合、当該電磁コイルによって生成される磁場が磁石と相互作用して、第1支持鋼片2022および第2支持鋼片203を水平展開状態に維持する作用力を発生することができる。例えば、当該第1支持部材2051は、磁石を備えることができ、第2支持部材2052は、電磁コイルを備えることができ、第1ヒンジ201の状態を取得することにより、第1支持鋼片202および第2支持鋼片203の状態を判断することができ、当該第1支持鋼片202および第2支持鋼片203が水平展開状態にあると判断した場合、第2支持部材2052に通電して、第1支持鋼片202および第2支持鋼片203を水平展開状態に維持する作用力を発生することができ、第1ヒンジ201の状態を変化するための外力を検出した場合、第1支持鋼片202および第2支持鋼片203の状態を変化するために、第2支持部材2052を断電する。
【0062】
上記した各実施例において、当該第1支持鋼片202および第2支持鋼片203は、それぞれ第1ヒンジ201および第2ヒンジ204に接続される。ここで、第1支持鋼片202と第2支持鋼片203の同じ側を向く面が同じ平面内にある場合、当該第1支持鋼片202と第2支持鋼片203の全体は、水平展開状態であり、第1支持鋼片202と第2支持鋼片203の同じ側を向く面の夾角がゼロでない場合、当該第1支持鋼片202と第2支持鋼片203は、折りたたみ状態である。ここで、当該ゼロでない夾角は、30°、50°、60°または90°などに等しくてもよく、本開示はこれに限定されない。
【0063】
上記した各実施例に記載のヒンジアセンブリ200に基づいて、図23および図24に示されるように、本開示は、折りたたみ式電子機器をさらに提供し、当該電子機器は、ミドルフレーム301と、ヒンジアセンブリ200とを備えることができ、当該ヒンジアセンブリ200の第1支持鋼片202および第2支持鋼片203の両方は、ミドルフレーム301に接続され、第1ヒンジ201の第1スライダ11は、第1支持鋼片202に接続され、第2スライダ12は、第2支持鋼片203に接続され、第2ヒンジ204が設置されている場合、当該第2ヒンジ204の第3スライダ2041は、第1支持鋼片202に接続され、第4スライダ2042は、第2支持鋼片2042に接続され、第1支持鋼片202および第2支持鋼片203の両方は、ミドルフレーム200に接続され、これにより、ミドルフレーム301を駆動して、水平展開および折りたたみ状態のまで切り替える。例えば、当該ミドルフレーム301は、第1ミドルフレーム3011と、第2ミドルフレーム3012とを備えることができ、当該第1ミドルフレーム3011は、第1支持鋼片202に接続され、第2ミドルフレーム3012は、第2支持鋼片203に接続され、第1支持鋼片202および第2支持鋼片203の移動により、図23に示されるように、第1ミドルフレーム3011および第2ミドルフレーム3012を上から下に折り曲げたり、下から上に折り曲げたりすることができる。当該電子機器は、ハンドヘルド端末または電子リーダーを含み得るが、本開示はこれに限定されない。
【0064】
当該実施例において、図24に示されるように、当該折りたたみ式電子機器は、ヒンジハウジング302をさらに備えることができ、当該ヒンジハウジング302は、ヒンジアセンブリ200のヒンジブラケットに固定接続される。例えば、当該ヒンジハウジング302が、第1ヒンジ201の第1ヒンジブラケット2に接続され、当該折りたたみ式電子機器に、第2ヒンジ204が設置されている場合、当該ヒンジハウジング302はさらに、第2ヒンジブラケット2041に接続されることができ、これにより、ヒンジアセンブリ200は、ヒンジハウジング302に対して移動することができ、ヒンジハウジング302の遮蔽により、ユーザはヒンジアセンブリ200を見ることができず、美観性を改善する。
【0065】
当業者は、明細書を考慮して、本明細書に開示される発明を実施した後、本開示の他の実施形態を容易に想到し得るであろう。本出願は、本開示のあらゆる変形、応用または適応性変化を網羅することを意図し、これらの変形、応用または適応性変化は、本開示の普通の原理に準拠し、本開示によって開示されない本技術分野における公知知識または従来の技術的手段を含む。明細書と実施例は、例示としてのみ考慮され、本開示の真の範囲および思想は添付の特許請求の範囲によって示される。
【0066】
本開示は、前述に既に説明し、図面に示した正確な構造に限定されるものではなく、その範囲から逸脱することなく様々な修正および変更を行うことができることを理解されたい。本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ制限される。
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