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特許7079310診断分析装置関連情報の集約方法および集約システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-24
(45)【発行日】2022-06-01
(54)【発明の名称】診断分析装置関連情報の集約方法および集約システム
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/00 20060101AFI20220525BHJP
【FI】
G01N35/00 A
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020199304
(22)【出願日】2020-12-01
(62)【分割の表示】P 2015141122の分割
【原出願日】2015-07-15
(65)【公開番号】P2021036247
(43)【公開日】2021-03-04
【審査請求日】2020-12-14
(31)【優先権主張番号】14/334,256
(32)【優先日】2014-07-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390014960
【氏名又は名称】シスメックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111383
【弁理士】
【氏名又は名称】芝野 正雅
(72)【発明者】
【氏名】ジュディー・ボスコ
(72)【発明者】
【氏名】マーク・ダールバーグ
(72)【発明者】
【氏名】クリス・キャリア
(72)【発明者】
【氏名】マーク・スミス
(72)【発明者】
【氏名】スティーブ・ポストマ
(72)【発明者】
【氏名】中平 増尚
(72)【発明者】
【氏名】杉山 知美
(72)【発明者】
【氏名】井上 麻央
【審査官】瓦井 秀憲
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-514626(JP,A)
【文献】特開2003-069771(JP,A)
【文献】特開2010-133979(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0312066(US,A1)
【文献】特開2011-064682(JP,A)
【文献】特開2013-064674(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0242928(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0290311(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/00-35/10
A61B 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
病院または検査室に設置され、血液検体の測定を行う診断分析装置と、前記診断分析装置へのネットワーク接続を有する少なくとも1つのサーバと、前記少なくとも1つのサーバへのネットワーク接続を有するポータブルコンピュータとを用いた、診断分析装置の情報を表示する方法であって、
前記診断分析装置が設置された前記病院または検査室の監督者、検査室管理者または検査室オペレータのいずれかであるユーザに対応付けられたユーザ識別情報を前記ポータブルコンピュータから前記少なくとも1つのサーバへ送信するステップと、
前記ユーザ識別情報に関連付けられた、前記病院または検査室を識別する施設情報に関連付けられた複数の診断分析装置のリストを、前記少なくとも1つのサーバから前記ポータブルコンピュータに提示するステップと、
前記リストの中から複数の前記診断分析装置のうちの少なくとも1つの選択を前記ポータブルコンピュータから前記少なくとも1つのサーバへ送信するステップと、
前記選択された診断分析装置に対応づけられた診断分析装置情報を、前記少なくとも1つのサーバから前記ポータブルコンピュータに提示するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記診断分析装置情報として、前記選択された診断分析装置に関連するキャリブレーション情報、サービス契約情報、および接続ステータス情報のうちの少なくとも1つを表示するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記診断分析装置情報として、前記選択された診断分析装置に関連するエラー情報を表示するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記診断分析装置情報として、前記選択された診断分析装置によって生成された精度管理情報を表示するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つのサーバは、前記診断分析装置情報を複数の異なるデータベースから呼び出す、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つのサーバは、前記選択の受信に応じて所定の前記診断分析装置情報を前記ポータブルコンピュータに通信し、当該通信とは異なるタイミングで、前記選択された診断分析装置に関連するエラー情報を、前記診断分析装置情報として前記ポータブルコンピュータに対して通信する、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記診断分析装置および前記ポータブルコンピュータは第1のネットワークドメイン内で動作し、前記少なくとも1つのサーバは第2のネットワークドメイン内で動作し、情報は前記第1のネットワークドメインと前記第2のネットワークドメインとの間でインターネット接続を介して通信される、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記ポータブルコンピュータに対して通信された前記診断分析装置情報は、前記ユーザの権限レベルに応じてフィルタリングされる、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記ポータブルコンピュータと通信して、前記ユーザの現場へのサービス技術者の到着推定時刻(ETA)を定める情報を提示するステップを更に含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
少なくとも部分的に前記サービス技術者の位置に基づいて前記ETAを判断するステップを更に含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記ポータブルコンピュータのカメラにより撮像された前記診断分析装置の画像から生成されたデータを、前記ポータブルコンピュータから前記少なくとも1つのサーバに送信するステップと、
信した前記データに基づき分析装置メンテナンスタスクを行うための指示を前記少なくとも1つのサーバから前記ポータブルコンピュータに対して通信するステップと、
を更に含む、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、診断分析装置情報の配布に関する。特に、本発明は、診断分析装置関連情報を集約する方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
血液分析装置等の診断分析装置は、血液検体の成分の様々な測定を行うために利用される。そのような分析装置は、病院や検査室に置かれることが多い。たとえば、ある病院には複数の検査室があり、各検査室には任意の数の分析装置が備えられることがある。
【0003】
典型的な検査室環境では、1人以上の検査室オペレータが、診断検査を行い、試薬を交換し、分析装置のキャリブレーション等の分析装置に伴う他のメンテナンス関連の作業を行う必要がある。そのようなタスクを行う必要のある検査室オペレータの数は、一般に、検査室内の分析装置の数に比例する。これらのタスクや他のタスクを行うために、検査室オペレータは、分析装置から分析装置へと移動して、分析装置が正しく作動しているか、分析装置が何らかの問題を報告していないかを、判断しなければならない。多数の分析装置をモニタリングするには時間がかかる可能性があり、検査室オペレータの数を増やす必要があり得る。
【0004】
オペレータによってはスキルレベルが非常に異なることがあり得る。そのような場合には、検査室オペレータは、所定の分析装置の使用方法に慣れていないことがあり得る。したがって、そのオペレータは、当該分析装置の操作を記述した1以上の説明書を読まなければならない。したがって、検査室には様々な操作説明書の保管庫を備える必要があり得る。説明書は、製造業者が判断した場合等、随時更新する必要があり得る。よって、各検査室は、手元の説明書を最新に保つために資源を費やさなければならない。
【0005】
検査室人員が直面する操作上の問題とともに他の問題が、以下に説明する様々な実施形態の記述を読むことにより明らかになるであろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2014-44046号公報
【文献】米国特許第7874198
【発明の概要】
【0007】
一の局面では、病院または検査室に設置され、血液検体の測定を行う診断分析装置と、診断分析装置へのネットワーク接続を有する少なくとも1つのサーバと、少なくとも1つのサーバへのネットワーク接続を有するポータブルコンピュータとを用いた、診断分析装置の情報を表示する方法が、提供される。本方法は、診断分析装置が設置された病院または検査室の監督者、検査室管理者または検査室オペレータのいずれかであるユーザに対応付けられたユーザ識別情報をポータブルコンピュータから少なくとも1つのサーバへ送信するステップと、ユーザ識別情報に関連付けられた、病院または検査室を識別する施設情報に関連付けられた複数の診断分析装置のリストを、少なくとも1つのサーバからポータブルコンピュータに提示するステップと、リストの中から複数の診断分析装置のうちの少なくとも1つの選択をポータブルコンピュータから少なくとも1つのサーバへ送信するステップと、選択された診断分析装置に対応づけられた診断分析装置情報を、少なくとも1つのサーバからポータブルコンピュータに提示するステップと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】診断検査が行われ得る例示的な検査環境である。
図2】検査環境の一部として動作する、システム、タブレット、および分析装置間に存在する例示的なネットワークトポロジを示す。
図3】ホームページ情報を表示するようにタブレットを準備するための例示的なフロー図である。
図4A】タブレットに表示され得るホームページを示す。
図4B】タブレットに表示され得るホームページを示す。
図4C】エラー情報をタブレットに対して通信するための例示的なフロー図を示す。
図4D】エラー情報をタブレットに対して通信するための例示的なフロー図を示す。
図5】分析装置関連情報を表示するようにタブレットを準備するための例示的なフロー図である。
図6A】選択された分析装置の分析装置関連情報を示すタブレットの表示例である。
図6B】複数の選択された分析装置の分析装置関連情報を示すタブレットの表示例である。
図7A】教育関連情報を示すタブレットの表示例である。
図7B】タブレットに表示された例示的なカスタマー掲示ページである。
図7C】タブレットに表示された例示的なリアルタイムトレーニングページである。
図7D】分析装置の拡張ビューを示す、タブレットに表示された例示的なリアルタイムトレーニングページである。
図8A】サービス関連情報を示すタブレットの表示例である。
図8B】タブレットに表示された例示的なサービス到着推定時刻ページである。
図8C】タブレットに表示された例示的なキャリブレーション履歴ページである。
図8D】タブレットに表示された例示的なサービス履歴ページである。
図8E】タブレットに表示された例示的なシステムメッセージページである。
図9】本明細書で参照するコンピューティングデバイスの任意の部分を表し得る汎用コンピュータシステムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の実施形態は、1以上の検査室内で動作している1以上の診断分析装置に関連する診断・教育・サービス情報を集約するための例示的なシステムを説明する。一般に、検査室オペレータ、検査室監督者、および/または他の検査室関連の人員には、タブレットコンピューティングデバイス(以下、タブレット)が与えられる。タブレットは、同じまたは異なる検査室内で動作している診断分析装置と通信し合う中央システムと、ネットワークを介して通信する。中央システムは、1以上のサーバと通信し合う1以上のデータベース等の様々な源から、検査室内で動作している診断分析装置に関連する情報を集約する。このシステムはまた、検査室内で動作している診断分析装置から情報を直接取得する。システムは、その情報をタブレットに対して通信する。様々な異種のデータベースからのデータを集約して当該データをシステムによって処理すれば、当該データをタブレット内に格納してタブレット内で当該データを処理することと比べると、タブレットの処理およびメモリ必要量が緩和される。更に、中央システムは分析装置と通信し合っているので、当該システムによって呼び出され処理されたデータは、最新のものである。
【0010】
タブレットのオペレータは、検査室内で動作している分析装置のリストをシステムによって提示される。オペレータは、リスト内の分析装置を選択し、選択した分析装置に関連する情報をシステムから呼び出し得る。
【0011】
図1は、診断検査が行われ得る例示的な検査環境100を示す。病院105とともに、様々な診断検査を行うために1以上の分析装置110a~110cが備えられ得る病院107a~107cが示されている。監督者115と、1人以上の検査室管理者117a~117cと、1人以上の検査室オペレータ120a~120cは、分析装置110a~110cを操作し得る。より具体的には、監督者115は、全ての病院105および107a~107cの動作を病院105内にて監督または管理し得る。検査室管理者117a~117cは、ある病院107a~107c内の全ての動作を監督または管理し得る。各病院内では、1人以上のオペレータ120a~120cが、たとえば、血液学的検査の準備、分析装置110a~110c内の試薬の交換、分析装置110a~110cのキャリブレーション等、様々な診断関連の仕事を行い得る。
【0012】
監督者115、検査室管理者117a~117c、および検査室オペレータ120a~120cには、たとえばApple iPad(登録商標)、Android(登録商標)オペレーティングシステムで動作するタブレット、または異なるオペレーティングシステムで動作する異なるタブレット等の、タブレットコンピュータ114a~114g(以下、タブレット)が提供され得る。タブレット114a~114gは、様々な源から分析装置関連情報を集約し、かつその集約された情報をタブレット114a~114gに対して通信するよう構成された、中央システム113と無線通信可能である。タブレットは、ポータブルコンピュータの一例である。ポータブルコンピュータとは、1つの場所から他の場所へ移動するよう設計されたコンピュータのことである。たとえば、ポータブルコンピュータは、ノートパソコンまたはスマートデバイスに相当し得るが、デスクトップコンピュータは含み得ない。スマートデバイスとは、タッチスクリーンインタフェースを備えるワイヤレスポータブルコンピュータのことである。タブレット114a~114gはスマートデバイスの一種である。他のスマートデバイスには、スマートフォンおよびウエラブルコンピュータが含まれる。持ち運び可能なタブレットを用いて各病院の検査室に設置された分析装置の動作状況を確認できるので、オペレータはわざわざ分析装置の設置場所まで移動しなくても、タブレットを用いてどこでも分析装置の動作状況を確認することができる。たとえば、監督者115は管理範囲内の全ての病院に設置された分析装置の動作状況を、わざわざ各病院まで行かなくても把握することができる。
【0013】
分析装置110は、シスメックスXNシリーズ分析装置等の任意の種類の診断分析装置に相当し得る。分析装置110は、血液学的検査等の様々な診断検査を行うよう構成され得る。分析装置110は、たとえば、分析装置110内に重大な問題が発生しているか否かの情報、試薬使用情報、および分析装置110によって格納された他の情報等の情報を、中央システム113に対して通信容易とする、ネットワークハードウエアを含み得る。分析装置110は、折り返し、中央システム113へ情報を報告し得る。中央システム113は、たとえば、分析装置110内に何らかの問題があるか否かを判断するために、この情報を分析し得る。
【0014】
図2は、例示的なネットワークトポロジ200を示す。ネットワークトポロジ200は、タブレット114と中央システム113の様々な部分との間で情報を集約し通信を行うために、システム113、タブレット114、および分析装置110間に存在する。図示するように、タブレット114および分析装置110は、多数の検査室/カスタマーネットワーク210のうちの1つに存在し得る。2つのタブレット114と3つの分析装置110が図示されているが、任意の数のタブレットと分析装置とが1つのカスタマーネットワーク210内にあってよいことを、理解されたい。タブレット114の数は、分析装置情報へのアクセスを必要とする検査室内の人員の数に応じたものでもよい。たとえば、監督者、検査室管理者、および/または検査室オペレータにタブレット114が提供され得る。
【0015】
タブレット114および分析装置110は、ネットワーク212を介して中央システムネットワーク215と通信する。中央システムネットワーク215は、シスメックスネットワーク通信システム(SNCS)または診断情報を格納するための異なるネットワークシステムに相当し得る。中央システムネットワーク215は、一次通信サーバ(PCS)217を含み得る。PCS217は、中央システムネットワーク215内に格納された様々な種類の情報へのアクセスを容易にする、ウェブサービスインタフェースを実現するものである。たとえば、PCS217は、分析装置110に関連する様々な種類の情報を格納する、1以上のデータベース225またはデータベースサーバと通信し合ってよい。
【0016】
中央システムネットワーク215はまた、ネットワーク212上に存在する様々なデバイスとの情報のやりとりを容易にする、マシンツーマシン(M2M)サーバ220も含む。たとえば、M2Mサーバ220は、分析装置110と情報のやりとりを行い得る。M2Mサーバ220は、分析装置110から受信した情報をフォーマット化し、フォーマット化された情報をPCS217へ中継し得る。M2Mサーバ220はまた、ある分析装置110に対応づけられたフォーマット化メッセージをプッシュ通知サーバ230に対して通信するように、構成され得る。プッシュ通知サーバ230は、1以上のタブレット114へのメッセージの配信を容易にするものである。
【0017】
図2に示す構成要素が行う様々な動作を、図3~8を参照して以下に説明する。これらの動作は、ネットワーク化され得る1以上のコンピュータシステムによって行われ得る。この点に関して、本コンピュータシステムは、以下に説明する1以上の動作を所定のコンピュータに行わせるコンピュータ実行可能な指示コードを記憶する、非一時的タイプの記憶メモリを含み得る。
【0018】
図3は、タブレット114のユーザを分析装置情報へアクセス可能とするための様々な動作を示す。ブロック305において、ユーザログイン入力要求メッセージ(prompt)がタブレット114のユーザに提示され得る。この入力要求メッセージは、当該ユーザを認証するために使用されるユーザ名とパスワードとを要求し得る。指紋認証や顔認証等の他の認証手段が、単独で、またはユーザを認証する他の認証手段と組み合わせて使用してよい。
【0019】
ブロック310において、PCS217はユーザ資格証明の検証を試みる。たとえば、PCS217は、ユーザを検証するためにユーザデータベースを探索し得る。表1は、ユーザに対応づけられた例示的なデータベース記録を示す。データベース記録は、PCS217と通信し合うデータベース225内に格納され得る。
【表1】
【0020】
例示的なデータベース記録は、ユーザの名前、Eメールアドレス、パスワード、病院グループID、病院ID、権限レベル、および経験レベルを特定する。Eメールアドレスおよびパスワードは、認証目的のために利用され得る。他のユーザ関連情報がデータベース内に格納され得る。
【0021】
ブロック315において、ユーザ現場情報が判断され得る。たとえば、上記記録の病院IDフィールドは、ユーザが働く病院または検査室を特定し得る。ある特定の病院IDが、任意の数の分析装置110に対応づけられてもよく、ユーザがアクセス権を有する分析装置110を判断するのに利用されてもよい。
【0022】
権限レベルフィールドは、たとえば監督者、検査室オペレータ、検査室管理者等のユーザの権限レベルを特定する。権限レベルは、ユーザに対して通信され得るメッセージのカテゴリを判断するのに利用され得る。
【0023】
経験フィールドは、対応づけられた分析装置110に対してユーザが有する経験のレベルを特定する。この情報は、ユーザのアクセスを当該ユーザが経験を有する情報に限定するのに利用され得る。
【0024】
ブロック320において、ユーザお気に入り情報が判断され得る。たとえば、ユーザのお気に入りの分析装置やドキュメント等が判断され得る。ユーザは、この情報を予め特定しておくことができる。
【0025】
ブロック325において、PCS217は、ユーザの現場に置かれている分析装置110を判断する。表2は、ある特定の病院に置かれた分析装置を判断するのに利用され得る、病院と分析装置IDとを関連づける例示的なデータベース記録を示す。分析装置IDフィールド内の情報は、1つの分析装置を一意的に識別する識別子に相当し得る。データベース記録は、PCS217と通信し合う複数のデータベース225のうちの1つに格納され得る。
【表2】
【0026】
ユーザの現場にある分析装置110を判断した後、PCS217は、各分析装置110の詳細を特定するデータベースを照会することにより、各分析装置110に関連する追加情報を判断し得る。表3は、ある分析装置110に対応づけられた例示的なデータベース記録を示す。このデータベース記録は、PCS217と通信し合う複数のデータベース225のうちの1つに格納され得る。表1、2に示された情報は、当該データベースへのネットワーク接続を有するコンピュータを介して、それらの分析装置110と関連のある1人以上の営業担当者によって提供され得る。表3の情報の一部は、ネットワーク接続を有するコンピュータを介して営業担当者によって提供され得る。表3内のEC0005やEC0007等の受信エラーコードは、分析装置110によって通信され得る。
【表3】
【0027】
上記例示的な記録では、特定の分析装置110に対応づけられた、プログラムバージョン、エラーコード、サービス履歴、およびキャリブレーション履歴が提供される。
【0028】
ブロック330において、PCS217は、ユーザの現場にあると判断された分析装置に対応づけられた分析装置ステータス情報を、M2Mサーバ220に要求する。すると、M2Mサーバ220は、ユーザの現場にあると判断された分析装置とネットワークを介して通信し、それぞれの分析装置607内に格納されているステータス情報、QC情報、および/または他の情報を要求する。
【0029】
ブロック335において、分析装置(複数可)607は、ステータス情報をM2Mサーバ220に対して通信し、M2Mサーバ220は、このステータス情報をPCS217へ転送する。ステータス情報は、当該診断分析装置によって生成されたエラー情報、当該診断分析装置によって生成された精度管理情報、および/または当該分析装置によって生成された他の情報を含み得る。
【0030】
ブロック340において、PCS217は、当該分析装置によって生成された情報をデータベースに格納し得る。
【0031】
ブロック345において、ユーザが認証されれば、タブレット114は、当該ユーザに対応づけられたホーム画面が表示され得る。
【0032】
図4Aおよび図4Bは、タブレット114に表示され得る例示的なホーム画面400を示す。ユーザ情報欄405は、たとえば、ユーザの名前や肩書き等、ユーザに対応づけられた情報を表示する。お気に入り分析装置欄407は、ユーザがお気に入り分析装置と指定した分析装置のリストを表示する。お気に入りドキュメント欄410は、ユーザがお気に入りドキュメントと指定したドキュメントのリストを表示する。お気に入りの分析装置およびドキュメントのリストは、ユーザ情報欄内の編集ボタン406を介して編集できる。たとえば、編集ボタン406を押すことにより、お気に入りのリストが立ち上げられ、削除したいお気に入りがユーザにより特定可能とされ得る。あるいは、編集ボタン406を押すことにより、お気に入り分析装置欄407内にリストアップされた項目を、ユーザがホーム画面400からその項目を削除できる状態へと変更してもよい。
【0033】
ホーム画面はまた、メモボタン422と、フィードバックボタン415と、ヘルプボタン420と、警報ボタン417とを含む。ヘルプボタン417の起動により、ある特定の時点でタブレット114に表示されている様々な欄に関連する状況依存ヘルプ情報を備える、ダイアログボックスが立ち上げられ得る。フィードバックボタン415により、中央システムネットワーク200の管理者へのフィードバック情報の送信を容易にするエディタを備える、ダイアログが立ち上げられ得る。
【0034】
メモボタン422の起動により、メモ/コメントのリストを備えるダイアログボックスが立ち上げられ得る。同じまたは異なる検査室環境内にいる、当該タブレット114のユーザ、当該タブレット114の異なるユーザ、または異なるタブレット114を使用しているユーザによって、それらのメモ/コメントが書かれ得る。この点において、これらのメモ/コメントは、PCS217と通信し合う複数のデータベース225のうちの1つに格納され、ユーザがメモボタン415を起動したときに、PCS217からタブレット114に対して通信され得る。メモダイアログボックスはまた、新規のメモ/コメントの作成を容易にするエディタを含み得る。この新規のメモ/コメントは、PCS217に対して通信され、複数のデータベース225のうちの1つに格納され得る。これらのメモ/コメントは、ユーザが互いに情報を共有できるよう、ある検査室内の全ての検査室人員が閲覧できるようになっていてよい。たとえば、検査室オペレータが、次のシフトに来る検査室オペレータのために、分析装置の試薬を交換するというメモを残すことができる。
【0035】
警報ボタン417の起動により、通知のリストを含むダイアログボックスが立ち上げられ得る。このリストは、PCS217またはM2Mサーバ220のいずれかからタブレット114へプッシュされる重要メッセージを含み得る。いくつかの実施態様では、未読の通知の数が警報ボタン417の上に重ねて表示されて、保留中の未読の通知があることをユーザに知らせる。
【0036】
M2Mサーバ220は、中央システムネットワーク215の外に存在するプッシュ通知サーバ230を介して、タブレット114へメッセージをプッシュし得る。たとえば、Apple iPad(登録商標)へメッセージをプッシュするためにApple(登録商標)プッシュ通知サーバが利用され得る。重要メッセージは、ある分析装置110から発せられたメッセージを含んでよく、たとえば、注意すべき障害状況に関するものであってよい。たとえば、分析装置110の試薬の量が少なくなっているかもしれない。別のプッシュ-通知サーバを利用することにより、タブレット114と中央システムネットワーク215との間に通信問題がある場合に、重要メッセージを当該タブレットに対して通信するための、二次的経路が提供される。
【0037】
いくつかの実施態様では、PCS217および/またはM2Mサーバ220は、所定のメッセージをタブレット114へプッシュするか否かを判断する前に、ユーザの権限レベルを評価し得る。各権限レベルは、フロー図4Cおよび4Dに示すように、所定の通知が所定のユーザのタブレット114へプッシュされるべきか否かを判断するために使用される、通知要求設定と対応づけられ得る。
【0038】
図4Cを参照して、ブロック442において、分析装置607がエラーを検知し得る。ブロック444において、分析装置607は、当該エラーに対応づけられたエラー情報をM2Mサーバ220へ送信し得る。
【0039】
ブロック446において、M2Mサーバ220は、所定のユーザ権限レベルに関して、当該エラーを、プッシュ通知サーバ230を介してユーザへプッシュすべきか否かを判断し得る。たとえば、M2Mサーバ220は、当該エラーメッセージをプッシュ通知サーバ230を介してプッシュするか否かを判断する際に、そのエラーレベルを、データベースに格納された様々なユーザ権限レベルと比較し得る。
【0040】
表4は、上記ブロック446で言及したデータベースに格納され得る、それぞれ異なる権限レベルを有するユーザに対応づけられた、様々な要求設定を特定する例示的なデータベース記録を示す。このデータベース記録は、PCS217と通信し合う複数のデータベース225のうちの1つに格納され得る。データベース記録は、1つの通知が同一の病院グループまたは病院内の複数のメンバーに送信されるように、表1に示された各病院グループIDまたは病院IDについて作成され得る。
【表4】
【0041】
たとえば、レベル1以上かつレベル2未満の精度管理(QC)警告レベルに関する通知は、検査室オペレータへプッシュされ得るが、検査室管理者または監督者へはプッシュされない。これは、検査室管理者や監督者は低レベルのQC警告に煩わされたくない可能性があるためである。他方、レベル3以上の分析装置警告レベルは、全員にプッシュされ得る。また、たとえば、試薬残量不足などの異常であれば検査室オペレータのみに通知され、分析装置の試薬分注アームの動作異常、分析装置の温度異常などであれば検査室オペレータおよび検査室管理者に通知される。
【0042】
ブロック446において、ユーザの権限レベルを考慮してエラーメッセージが重大であると判断された場合には、ブロック448において、M2Mサーバは、エラー情報をタブレット114へプッシュさせる要求を、プッシュ通知サーバ230へ送信し得る。
【0043】
ブロック452において、タブレット114は、プッシュ通知をエラー情報と共に表示し得る。
【0044】
図4Dは、エラー情報が所定の権限レベルに関して重大でないと判断された場合に行われる動作を示す。ブロック462において、分析装置607がエラーを検知し得る。ブロック464において、分析装置607は、当該エラーに対応づけられたエラー情報をM2Mサーバ220へ送信し得る。
【0045】
ブロック466において、M2Mサーバ220は、ユーザの権限レベルに基づきエラーレベルが重大でないと判断し得る。すなわち、このエラーレベルは、ユーザが属する権限レベルについて重大エラーのレベルには達しないものである。
【0046】
ブロック468において、タブレットは、M2Mサーバ220にエラー情報を要求し得る。タブレット114は、エラー情報を周期的に要求するよう構成され得る。更にまたは代替的に、この要求は、たとえば、ユーザがタブレットにログインした等の何らかのユーザの行為に応じて送信されてよい。
【0047】
ブロック470において、エラー情報がM2Mサーバ220からタブレット114に対して通信される。ブロック472において、このエラー情報は、タブレット114に表示され得る。
【0048】
分析装置固有情報を表示する分析装置ページ、1以上の分析装置に対応づけられた教育関連情報へのアクセスを容易にする教育ページ、および1以上の分析装置に対応づけられたサービス関連情報へのアクセスを容易にするサービスページ、への移行を容易にする、一群のナビゲーションタブ430a~430dがホームページ400に表示され得る。他の種類の情報を有する他のページへのアクセスを容易にする他のタブが設けられ得る。ナビゲーションタブ430a~430dは、ページ間のナビゲーションを容易にするために常時表示され得る。ホームタブ430aにより、容易にホームページ400へ戻ることができる。
【0049】
図5は、タブレット114のユーザが分析装置タブ430bを選択した際に生じる様々な動作を示す。ブロック505において、ユーザが分析装置タブ430bを選択する。分析装置タブ430bが選択されたことを示す通知がPCS217に対して通信され得る。
【0050】
ブロック515において、タブレット114は、上記決定された分析装置情報に関連する情報を提供する、分析装置ページ600(図6)を表示し得る。分析装置ページは、ユーザの現場に置かれているとPCS217が判断した分析装置110のリストを表示し得る。
【0051】
ブロック520において、ユーザは、分析装置ページ600を介して複数の分析装置607(図6)のうちの1つを選択し得る。
【0052】
ブロック525において、選択された分析装置607に関連する情報がPCS217に対して通信される。そして、PCS217は、ユーザがシステムにログインした際に当該ユーザの現場に対応づけられた分析装置情報が格納されたデータベースから、当該選択された分析装置に対応づけられた分析装置ステータス情報を取得し得る。
【0053】
ブロック530において、PCS217は、選択された分析装置607に対応づけられた追加情報を取得し、この追加情報をステータス情報と共にタブレット114に対して通信する。たとえば、この追加情報は、診断分析装置識別情報、診断分析装置のメンテナンス情報、および診断分析装置のソフトウエア更新情報であり得る。他の情報が取得されてもよい。
【0054】
ブロック535において、タブレット114は、分析装置ステータス情報と追加情報とを分析装置ページ600に表示する。
【0055】
図6Aおよび図6Bは、タブレット114に表示され得る例示的な分析装置ページ600を示す。上述したように、分析装置ページ600に示された要素のいくつかは、予めホームページ400に示されている。加えて、分析装置ページ600は、分析装置リスト欄605、選択済み分析装置情報欄610、および関連情報欄615を含む。
【0056】
分析装置リスト欄605は、上述したように、ブロック515において決定された様々な分析装置110をリストアップする。分析装置リスト欄605は、所定の分析装置110に対応づけられた画像および/またはテキストを示し得る。所定の分析装置をお気に入り分析装置として容易に示せるように、各分析装置110にウィジェット608が設けられ得る。選択されたお気に入りに関連する情報は、PCS217に対して通信され、当該ユーザに対応づけられ得る。お気に入りとして選択された分析装置110は、ホームページ400上のお気に入り分析装置欄407に示され得る。
【0057】
選択済み分析装置情報欄610は、選択された分析装置607に固有の任意の情報を含み得る、分析装置固有情報を表示する。この情報は、たとえば、当該分析装置の次のキャリブレーションの日付等の、ある特定イベントの日付を含み得る。サービス契約情報を表示して、当該選択された分析装置607を使用するためのサービス契約が切れるまでの利用可能日数を示し得る。接続アイコン612を表示して、選択された分析装置607の接続ステータスを示し得る。たとえば、接続アイコン612を緑色に表示して、選択された分析装置607が中央システムネットワーク215のM2Mサーバ220と接続されているまたは通信し合っていることを、示し得る。赤色の接続アイコン612により、選択された分析装置607がオフラインであることを示し得る。他の分析装置固有情報を、選択済み分析装置情報欄610内に表示してもよい。
【0058】
いくつかの実施態様では、図6Bの選択ボックス630で示すように、分析装置リスト欄605から複数の分析装置が選択され得る。複数の分析装置が選択された場合、追加分析装置情報欄(635参照)がページ600に追加され得る。縦スクロールバーをページに提示して、任意の数の分析装置情報欄がページ600内に収まらない場合には、それらの分析装置情報欄をスクロールしてもよい。
【0059】
関連情報欄615は、選択された分析装置607に対応づけられた教育および/またはサービス情報へのアクセスを容易にする、一群のボタンを表示し得る。これらのボタンを介して提供される情報は、ユーザの現場内の分析装置に対応づけられた、一般教育および/またはサービス情報に相当し得る。提供される情報は、選択された分析装置607に関係のある情報のみが示されるよう、分析装置でフィルタリングされる。これらボタンを介して提供され得る情報の詳細を以下に説明する。
【0060】
図7Aは、ユーザが教育タブ430cを押した際にタブレット114に表示され得る、例示的な教育ページ700を示す。教育ページ700は、様々な形態の教育情報へのアクセスを容易にする、様々なボタンを表示する。たとえば、分析装置ワークブックボタン707を選択することにより、様々な分析装置に対応づけられたワークブックのリストを表示させ得る。分析装置のリストを検査室でフィルタリングして、当該検査室内の分析装置110に対応づけられたワークブックのみが示されるようにしてもよい。このボタンが上述した分析装置ページ600に表示されると、当該リストは、選択された分析装置607に対応づけられたワークブックに、更に絞り込まれてもよい。ユーザは、リスト上のワークブックを選択してそのワークブックを呼び出し得る。このワークブックは、複数のワークブックを格納するPCS217のデータベースから呼び出され得る。代替的にまたは追加的に、ワークブックをローカルでタブレット上に格納/キャッシュして、ドキュメントへの素早いアクセスを容易にしてもよい。
【0061】
同様に、ビデオライブラリ710、カスタマー掲示712、ジャーナル717、製品パンフレット715、ガイドおよび説明書720、ならびにFAQ722と示されたボタンのうちの1つを選択することにより、当該選択されたボタンに対応づけられた項目のリストを表示させ得る。たとえば、図7Bは、表示され得る例示的なカスタマー掲示ページ730を示す。ページ730は、開く・ダウンロードボタン732を介し、カスタマー掲示関連ドキュメントを開いたりダウンロードしたりすることを容易にするよう、構成され得る。特定のドキュメントをお気に入りドキュメントとして印を付け易くするために、お気に入りボタン734が設けられ得る。
【0062】
当該検査室内の分析装置110に対応づけられた項目のみが示されるように、項目のリストが検査室でフィルタリングされ得る。上述した分析装置ページ600に所定のボタンが表示される際に、当該リストは、選択された分析装置607に対応づけられた項目に、更に絞り込まれ得る。ユーザは、リスト上の項目を選択して当該項目を呼び出し得る。この項目は、それぞれの項目を格納するPCS217のデータベースから呼び出され得る。代替的にまたは追加的に、項目をローカルでタブレット上に格納/キャッシュして、項目への素早いアクセスを容易にしてもよい。
【0063】
いくつかの例では、未視聴のビデオや未読の掲示等の数を表す数711、713を所定のボタン710、712の上に重ねて表示して、ユーザに未視聴のビデオや未読の掲示等があることを知らせ得る。一旦ユーザが読むと、PCS217に対して通知が通信され、PCS217は、ユーザが特定の項目を視聴した/読んだことを示すように、当該ユーザに対応づけられたデータベースを更新し得る。
【0064】
リアルタイムトレーニングボタン705によって、リアルタイムでの検査室オペレータのトレーニングが容易にされ得る。たとえば、ユーザはリアルタイムトレーニングボタンを選択し、これにより、トレーニングが望まれる分析装置を選択または特定するためのダイアログボックスを、タブレットに提示させることができる。この点において、ダイアログボックスは、検査室内の分析装置を選択するためのリスト、またはトレーニングが望まれる分析装置のモデルをユーザが特定できる入力フィールドを、提示し得る。いくつかの実施態様では、図7Cに示すように、ユーザは、分析装置を識別するために分析装置に配置されたQRコード(登録商標)または他の識別子のビデオ画像を、スキャンまたは撮像するよう促され得る。図7Cを参照して、ページ750は、分析装置に配置されたQRコードステッカ等の識別スタンプにユーザがタブレットカメラを向けるよう促す指示を、含み得る。そして、ユーザは、開始ボタン752を押すように指示され、これにより、分析装置のリアルタイムビデオ画像をページ750上に表示させ得る。
【0065】
選択/特定された分析装置に対応づけられた情報は、PCS217に対して通信され得る。そして、PCS217は、選択された分析装置に対応づけられたリアルタイムトレーニングおよび/またはメンテナンスタスク情報を、データベース225から探し出し得る。トレーニング/メンテナンス情報は、所定のタスクを行うためのトレーニング/メンテナンス指示と共に、タブレット114のいわゆる拡張現実エンジン(ARE)によって利用され得る、選択された分析装置の様々な3Dモデルを含み得る。代替実施態様では、この情報が、PCS217への接続が要求されないように、前もってタブレット114にダウンロードされ得る。
【0066】
タブレット114のAREは、他の画像上に画像を重ねて表示することによって動作する。AREは、ユーザが分析装置を見るビューを確認するために、分析装置の3Dモデルを使用する。次いで、AREは、ユーザに分析装置のある領域を識別させるために、パターン、ポインタ、矢印等を分析装置の画像に重ねて表示し得る。たとえば、図7Dに示すように、影を付けたパターンを分析装置のパネル上に示し得る。この影を付けたパターンは、ユーザが分析装置に対してタブレットを動かすと、リアルタイムで分析装置と共に動き得る。テキスト情報756をタブレットに提示して、たとえば、分析装置のパネルの取り外し等の特定の行為を行うよう、ユーザに指示し得る。AREは、当該パネルの取り外しをリアルタイムで検知し、次いで、分析装置の新たに見えるようになった領域または異なる領域に、パターン、ポインタ、矢印等を再配置し得る。追加のテキスト情報が、他の操作を完了させるための指示と共に、ページ750上に表示され得る。
【0067】
いくつかの例では、分析装置の問題をトラブルシューティングするためにAREが利用され得る。たとえば、AREは、カバーパネルを開くようユーザを促し得る。次いで、AREは、画像認識を介して、分析装置の何らかの構成要素が規格外であるか否かを判定し得る。たとえば、AREは、画像認識を介して、内部ラッチが完全な閉位置にないことを判定し得る。この場合、AREは、この問題を解決する手順をユーザに指示し得る。
【0068】
図8Aは、ユーザがサービスタブ430dを押した際にタブレット114に表示され得る、例示的なサービスページ800を示す。サービスページ800は、PCS217と通信し合う1以上のデータベース内に格納され得る様々な形式のサービス情報へのアクセスを容易にする、様々なボタンを表示する。いくつかの例では、このサービス情報は、中央システムネットワーク215外の源から発せられ得る。いくつかの例では、ボタンを押すことによって、当該選択されたボタンに関連する項目のリストを含むページを表示させ得る。ユーザは、リスト上の項目を選択して、当該項目を呼び出し得る。この項目は、それぞれの項目を格納するPCS217のデータベースから呼び出され得る。代替的にまたは追加的に、項目をローカルでタブレット114上に格納/キャッシュして、この項目への素早いアクセスを容易にしてもよい。項目は、PCS217により生成されるドキュメントに相当し得る。また、項目は、PDFフォーマットまたは異なるフォーマットで提供され得る。
【0069】
図8Bに示すように、サービスETAボタン805を押すことにより、サービス技術者が到着する推定時刻を示すページを表示させ得る。図8Bを参照して、技術者の写真852が、その技術者が到着する到着推定時刻(ETA)854と共に示され得る。ETA854は日数、時間数、等で表され得る。技術者がETA854を提供し得る。すなわち、技術者は、この情報を中央システム113に対して通信し得る。あるいは、中央システム113が、たとえば、GPS情報、または技術者の現在位置および/もしくは技術者の現在の仕事の量/スケジュールを示す他の情報に基づいて、ETA854を判断し得る。サービス技術者の要請は、ホームページ400の支援欄412を介してなされている。ユーザ側からサービス技術者の要請を行わなくても、サービス技術者が自発的にユーザの病院を訪問してもよい。たとえば、分析装置にユーザが対処できないエラーが発生した場合に、自動的にサービスセンターで訪問サービスのための準備を行い、ユーザに到着推定時刻を連絡してもよい。これによって、ユーザの負担を軽減し、分析装置のダウンタイムを減らすことが可能となる。
【0070】
キャリブレーション履歴807と示されたボタンを押すことにより、たとえば、図8Cに示すキャリブレーション履歴ページ等の、キャリブレーション履歴情報を含むページ860を表示させ得る。ページ860は、開く・ダウンロードボタン862を介し、キャリブレーション関連ドキュメントを開いたりダウンロードしたりすることを容易にするよう、構成され得る。特定のドキュメントをお気に入りドキュメントとして印を付け易くするために、お気に入りボタン864が設けられ得る。
【0071】
証拠に基づくメンテナンス810と示されたボタンを押すことにより、1以上の分析装置上で行われたメンテナンスに関連するドキュメントのリストを含むページを表示させ得る。これらのドキュメントは、分析装置上で行われたメンテナンスの証拠を提供するのに利用され得る。この証拠は、認証のために必要となることがある。
【0072】
サービス要約ボタン812を押すことにより、ある検査室内の1以上の分析装置110に対応づけられたオープンサービス項目と保留中の項目とクローズド項目とを示すダイアログボックスを、表示させ得る。
【0073】
サービス現場レポート815と示されたボタンを押すことにより、1以上の分析装置に対応づけられたサービス現場レポートに関連するドキュメントのリストを含むページを表示させてもよい。
【0074】
サービス履歴ボタン817を押すことにより、たとえば、図8Dに示すサービス履歴ページ870等の、選択された分析装置に対応づけられたサービス履歴情報を含むページ870を表示させ得る。サービス履歴情報は、サービス履歴項目のリスト872に相当し得る。各項目に対応づけられたRID、種類、日付、および内容等の情報が示され得る。リストをフィルタリングするためのフィルタボタン874が設けられ得る。たとえば、フィルタは、クローズされたサービス履歴項目のみがリストされるように「クローズド」に設定され得る。他のフィルタオプションが指定され得る。
【0075】
システムメッセージボタン820を押すことにより、たとえば、図8Eに示す、分析装置110自身によって生成されたエラーログおよび/または他のログ等の、様々なログ882を示すページ880を表示させ得る。ある期間中に生成されたシステムメッセージの数のヒストグラム884が表示され得る。ログおよびヒストグラムに関連する情報は、予めPCS217のデータベースに格納され得る。代替的にまたは追加的に、この情報は、システムメッセージボタン820の押下と同時発生的に当該分析装置に要求されてもよい。たとえば、ボタン押下を示す通知がPCS217に対して通信され得る。PCS217は、この要求をM2Mサーバ220へ転送し、これにより、当該情報を分析装置110に要求し得る。次いで、分析装置110から受信されたデータが、PCS217へ転送され、必要に応じて転送前にフォーマット化され、タブレット114へ転送される。
【0076】
発注追跡ボタン822を押すことにより、追跡情報を示すダイアログボックスを表示させ得る。この追跡情報は、当該検査室に出荷予定の1以上のアイテムに対応づけられる。いくつかの実施態様では、このダイアログボックスは、FedExやUPS等の追跡ウェブサイト等、運送業者の追跡ウェブサイトをロードするように構成されたウェブブラウザを実行し得る。この追跡情報は、様々な検査室および/または特定の分析装置に追跡情報を関連づける記録を含む、データベースに格納され得る。ボタン押下を示す通知がPCS217に対して通信され得る。次いで、PCS217は、当該ユーザが働く検査室に対応づけられた追跡情報を探索し転送し得る。そして、追跡番号のリストがユーザに提示されてよい。ユーザは、追跡番号を選択することで、その追跡番号に対応づけられた追跡ウェブサイトをダイアログボックスに呼び出すことができる。
【0077】
e供給ボタン825を押すことにより、検査室の分析装置110において使用された材料量を示すダイアログボックスを表示させ得る。たとえば、検査室で消費されたある種類の試薬量が示され得る。いくつかの例では、このダイアログボックスはまた、検査室によって使用されるであろう材料量の予測を示し得る。この予測は検査室における材料使用履歴に基づき得る。このダイアログボックスに示された情報は、PCS217によって決定され、ボタン825の押下に応じてタブレット114に対して通信され得る。
【0078】
TAC連絡ボタン827を押すことにより、技術問題に関して技術スペシャリストへのEメールまたは他の形式のメッセージの送信を容易にする、ダイアログボックスを表示させ得る。このメッセージは、PCS217に対して通信される。そして、PCS217は、このメッセージを、当該問題に取り組むべく技術スペシャリストへ転送し得る。このメッセージは、技術スペシャリストへEメールまたはSMSとして送信され得る。いくつかの実施態様では、PCS217は、様々な手法を用いて質問の本質を判断し、問題に対する示唆される解決策のリストをタブレット114に提供し得る。
【0079】
QC例外把握(insight)ボタン830を押すことにより、ある検査室内の1以上の分析装置110によって生成された精度管理例外についてのレポートを表示する、ダイアログボックスを表示させ得る。このレポートは、異なる複数の検査室に置かれた類似の分析装置モデルから報告されたデータを示し、分析装置110間のデータの比較を可能にし得る。これらのレポートは、PCS217と通信し合うデータベース内に格納され得る。
【0080】
QCレポート把握ボタン832を押すことにより、ある検査室内の1以上の分析装置110に対する精度管理測定を示すレポートを表示するダイアログボックスを表示させ得る。このレポートは、PCS217と通信し合うデータベース内に格納され得る。このレポートには、一の病院内で行われた内部精度管理の結果だけでなく、他の病院で得られた精度管理測定の結果との比較に基づいて行われる外部精度管理の結果が含まれてもよい。
【0081】
図9は、本明細書で参照する任意のコンピューティングデバイスを表すまたはその一部を構成し得る、汎用コンピュータシステム900を示す。コンピュータシステム900は、本明細書で開示する任意の1以上の方法またはコンピュータベースの機能をコンピュータシステム900に行わせるように実行され得る、指示945のセットを含み得る。コンピュータシステム900は、単独の装置として動作し、または、たとえばネットワークを使用して他のコンピュータシステムもしくは周辺機器に接続され得る。
【0082】
ネットワーク内に配置されている場合、コンピュータシステム900は、サーバ-クライアントオペレータネットワーク環境ではサーバの立場としてもしくはクライアント-オペレータコンピュータの立場としてとして動作し、または、ピアツーピア(すなわち分散型)ネットワーク環境ではピアコンピュータシステムとして動作し得る。コンピュータシステム900は、たとえば、そのマシンが行うべきアクションを指定する(逐次または他の様式の)指示945のセットを実行可能なパーソナルコンピュータまたはモバイル装置等の、様々な装置として実現され、またはそのような様々な装置に組み込まれ得る。更に、上述の各システムは、1または複数のセットの指示を個別にまたは協働して実行して1以上のコンピュータ機能を実現する、サブシステムのあらゆる集合体を含み得る。
【0083】
コンピュータシステム900は、本願において記述した任意のデータベース等の情報を通信するためのバスに、1以上のメモリデバイス910を含み得る。更に、本明細書で記述したアクションまたは動作のいずれかをコンピュータシステムに実行させるように構成可能なコードが、メモリ910に格納され得る。メモリ910は、ランダムアクセスメモリ、リードオンリーメモリ、プログラマブルメモリ、ハードディスクドライブ、または任意の他の種類のメモリもしくは記憶装置であり得る。
【0084】
コンピュータシステム900は、たとえば、液晶ディスプレイ(LCD)、陰極線管(CRT)、または情報伝達に適する任意の他のディスプレイ等の、ディスプレイ930を含み得る。ディスプレイ930は、プロセッサ905の機能状態をオペレータが見るためのインタフェースとして、または特に、メモリ910もしくはドライブユニット915に格納されたソフトウエアとのインタフェースとして、作用し得る。
【0085】
加えて、コンピュータシステム900は、オペレータがシステム900の任意の構成要素と対話できるように構成された、キーボードやマウス等の入力装置925を含み得る。
【0086】
コンピュータシステム900はまた、高レイテンシ記憶装置110(図1)等のディスクまたは光学ドライブユニット915を含み得る。ディスクドライブユニット915は、ソフトウエア等の1以上のセットの指示945を組み込むことのできる、コンピュータ読み取り可能な媒体940を含み得る。更に、指示945は、本明細書において記述したような動作の1以上を行い得る。指示945は、コンピュータシステム900による実行の間、その全体または少なくともその一部分が、メモリ910内および/またはプロセッサ905内に保持され得る。メモリ910およびプロセッサ905はまた、上述したようなコンピュータ読み取り可能な媒体を含み得る。
【0087】
コンピュータシステム900は、ネットワーク950を介して通信を可能にする通信インタフェース935を含み得る。ネットワーク950は、有線ネットワーク、無線ネットワーク、またはその組み合わせを含み得る。通信インタフェース935ネットワークは、たとえば802.11、802.12、802.20、WiMax、携帯電話規格、または他の通信規格等の、任意の数の通信規格を介して通信を可能とされ得る。
【0088】
したがって、本方法およびシステムは、ハードウエア、ソフトウエア、またはハードウエアとソフトウエアの組み合わせにおいて実現され得る。本方法およびシステムは、少なくとも1つのコンピュータシステムにおける集中型方式で、または異なる要素が複数の相互接続されたコンピュータシステムにまたがって分散された分散型方式で、実現され得る。本明細書で記述した方法を実施するように構成された、あらゆる種類のコンピュータシステムまたは他の装置が適している。ハードウエアおよびソフトウエアの典型的な組み合わせは、読み込み実行されると本明細書で記述した方法を実行するようにコンピュータシステムを制御するコンピュータプログラムを有する、汎用コンピュータシステムであろう。
【0089】
本方法およびシステムはまた、本明細書で記述した動作の実施を可能にする全ての特徴を含み、かつコンピュータシステムに読み込まれるとこれらの動作を実行することが可能な、コンピュータプログラムプロダクトに組み込まれ得る。本明細書の文脈におけるコンピュータプログラムは、直接に、あるいは、a)他の言語、コード、もしくは表記法への変換;b)異材質の形式での再生;のいずれか一方または両方を行った後に、情報処理能力を有するシステムに特定の機能を実行させるように意図された一連の指示の、任意の言語、コード、または表記法によって記述された、いかなる表現をも意味する。
【0090】
本方法およびシステムを特定の実施形態を参照に説明してきたが、本発明の範囲から逸脱することなく様々な変更がなされ得ることおよび等価物によって代用され得ることは、当業者には自明であろう。更に、その範囲から逸脱することなく、特定の状況または材料を本教示に適応させるように、多くの変形例が可能である。したがって、本方法およびシステムは、開示した特定の実施形態に限定されず、本方法およびシステムは、添付の請求の範囲に含まれる全ての実施形態を含むことが意図されている。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図7D
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図9