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▶ ブリティッシュ アメリカン タバコ (インヴェストメンツ) リミテッドの特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-24
(45)【発行日】2022-06-01
(54)【発明の名称】パッケージ
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/10 20060101AFI20220525BHJP
   B65D 5/66 20060101ALI20220525BHJP
【FI】
B65D85/10
B65D5/66 301C
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2020560609
(86)(22)【出願日】2019-01-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-06
(86)【国際出願番号】 GB2019050154
(87)【国際公開番号】W WO2019145689
(87)【国際公開日】2019-08-01
【審査請求日】2020-07-30
(31)【優先権主張番号】1801347.4
(32)【優先日】2018-01-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】500252844
【氏名又は名称】ブリティッシュ アメリカン タバコ (インヴェストメンツ) リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BRITISH AMERICAN TOBACCO (INVESTMENTS) LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100183782
【弁理士】
【氏名又は名称】轟木 哲
(72)【発明者】
【氏名】ホルフォード、スティーヴン
【審査官】永田 勝也
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/120674(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/059366(WO,A1)
【文献】特表2013-542893(JP,A)
【文献】特表2014-504994(JP,A)
【文献】特開平11-049151(JP,A)
【文献】国際公開第2016/087819(WO,A1)
【文献】国際公開第2008/142540(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 85/10
B65D 5/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パッケージであって、
パッケージを開けた際にタバコ産業製品を取り出すための取り出し開口部を画定するセクションを含むバリアー層に包まれた一群のタバコ産業製品を収容する基部と、
開閉位置間で回転するために基部に貼り付けられ、内面を有する蓋前壁と、この前壁に対して折り曲げられている蓋前壁フラップとを含む蓋と、
前記セクションに貼り付けられ、蓋に貼り付けられ部分を有し、蓋を開いた位置に回転させると、そのセクションが持ち上げられ、取り出し開口部を開くようにするラベルとを含み、
蓋前壁フラップがラベルの前記部分が蓋前壁フラップではなく蓋前壁の内面に貼り付けられるような形を有し、
蓋はさらに蓋前壁によって隔てられた対向側壁を含み、蓋に貼り付けられたラベルの前記部分は、対向側壁の間を延びる蓋前壁の幅より小さい幅のタブを含み、さらに、
タブは蓋前壁フラップに少なくとも部分的に囲まれる、パッケージ。
【請求項2】
タブは蓋前壁フラップの一部がタブと各対向側壁の間を延びるように蓋前壁の内面に貼り付けられることを特徴とする請求項記載のパッケージ。
【請求項3】
タブは蓋前壁フラップに完全に囲まれることを特徴とする請求項記載のパッケージ。
【請求項4】
蓋前壁フラップに開口部を含み、ラベルの前記部分がこの開口部を介して蓋前壁の内面に貼り付けられることを特徴とする請求項記載のパッケージ。
【請求項5】
蓋前壁フラップの縁部から延びた凹部を含み、タブはこの凹部内、蓋前壁の内面に貼り付けられていることを特徴とする請求項記載のパッケージ。
【請求項6】
蓋前壁フラップの一部がタブと各対向側壁の間で延びるようにタブが凹部内、蓋前壁の内面に貼り付けられることを特徴とする請求項記載のパッケージ。
【請求項7】
タブの一部が蓋前壁フラップと各対向側壁の間で延びるようにタブが凹部内、蓋前壁の内面に貼り付けられることを特徴とする請求項記載のパッケージ。
【請求項8】
タブは折り曲げ線によってラベルの残りの部分から隔てられていることを特徴とする請求項乃至いずれか1項記載のパッケージ。
【請求項9】
基部と蓋は金属化された表面層を有する板材シートから形成されることを特徴とする請求項1乃至いずれか1項記載のパッケージ。
【請求項10】
板材の反対の面は金属化された表面層を持たず、ラベルが貼り付けられる蓋前壁の内面は前記反対の面であることを特徴とする請求項記載のパッケージ。
【請求項11】
ラベルは前記セクションに貼り付けられた内面と、タブによって形成され蓋に貼り付けられ外面とを含むことを特徴とする請求項乃至10いずれか1項記載のパッケージ。
【請求項12】
蓋前壁フラップは蓋前壁の内面に貼り付けられたラベルの前記部分に亘って延びていることを特徴とする請求項1記載のパッケージ。
【請求項13】
蓋は蓋前壁によって隔てられた対向側壁を含み、蓋に貼り付けられたラベルの部分は、これら対向側壁の間を延びる蓋前壁フラップの幅より小さい幅を有するタブを含むことを特徴とする請求項12記載のパッケージ。
【請求項14】
ラベルは前記セクションを越えて延びる周辺部を含み、この周辺部は、その周辺部が蓋を開いた際にバリアー層から剥がされ、蓋を閉じた際にバリアー材を再封止するために元の位置に戻されるように繰り返し使用可能な接着剤でバリアー層に貼り付けられていることを特徴とする請求項1乃至13いずれか1項記載のパッケージ。
【請求項15】
バリアー層は第1および第2の層を含むラミネート材から形成され、ラベルは第2の層から形成されることを特徴とする請求項14記載のパッケージ。
【請求項16】
ラベルは前記セクションに貼り付けられ内面を含み、ラベルの外面は蓋に貼り付けられることを特徴とする請求項1乃至15いずれか1項記載のパッケージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は紙巻きタバコを含む喫煙品などのタバコ産業製品パッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
紙巻きタバコなどの喫煙品はパッケージに入れられて販売される。それらのパッケージは、基部、ヒンジ式蓋および基部から突出し、基部に貼り付けられ、蓋が閉じられると蓋内に収容される内部フレームを有するボール紙から作製される外方容器を含む。基部は一束の喫煙材を含む。喫煙品は、蓋を開けた際に消費者がパッケージから喫煙品を取り出しやすくするための取り出し開口部を有する可撓性のバリアー層に包まれている。
【0003】
開口部はこれを覆って延びる可撓性のラベルによって閉じてもよい。そのラベルは、蓋を開いた位置に枢動させた際に取り出し開口部を露出させるために剥がされ、蓋が閉じた位置に回転させて戻された際に再度封止するように蓋に貼り付けられてもよい。蓋は多くは蓋の前壁の底縁部から延びたフラップを含み、これは底縁部で折り曲げられ、蓋前壁の内面に貼り付けられている。これにより蓋の前壁の底縁部までそしてその周囲まで印刷が可能になる。
【発明の概要】
【0004】
本明細書で説明する一部の実施態様ではパッケージが提供され、このパッケージは、パッケージを開けた際にタバコ産業製品を取り出すための取り出し開口部を画定するセクションを含むバリアー層に包まれた一群のタバコ産業製品を収容する基部と、開閉位置間で回転するために基部に貼り付けられ、内面を有する蓋前壁とこの前壁に対して折り曲げられている蓋前壁フラップとを含む蓋と、前記セクションに貼り付けられ、蓋に貼り付けられる部分を有し、蓋を開いた位置に回転させると、その取り外し可能なセクションが持ち上げられ、取り出し開口部を開くようにするラベルとを含み、蓋前壁フラップがラベルの前記部分が蓋前壁フラップではなく蓋前壁の内面に貼り付けられるような形を有する。
【0005】
蓋は蓋前壁によって隔てられた対向側壁を含み、蓋に貼り付けられたラベルの部分は、対向側壁の間を延びる蓋前壁の幅より小さい幅のタブを含む。
【0006】
タブは蓋前壁フラップによって少なくとも部分的に囲まれてもよい。タブは蓋前壁フラップの一部がタブと各対向側壁の間を延びるように蓋前壁の内面に貼り付けることができる。
【0007】
タブは蓋前壁フラップによって完全に囲まれてもよい。パッケージは蓋前壁フラップに開口部を含み、ラベルの前記部分がこの開口部を介して蓋前壁の内面に貼り付けられる。また当然のことながらパッケージは蓋前壁に一連の開口部を含んでもよく、この場合ラベルは各開口部を介して内面に貼り付けることができる。
【0008】
パッケージは蓋前壁フラップの縁部から延びた凹部を含んでもよく、タブはこの凹部内に受けられ、蓋前壁の内面に貼り付けられる。タブは蓋前壁フラップの一部がタブと各対向側壁の間を延びるように蓋前壁の内面に貼り付けてもよい。
【0009】
これとは別にタブの一部が蓋前壁フラップと各対向側壁の間で延びるようにタブが凹部内に受けられ、蓋前壁の内面に貼り付けられてもよい。
【0010】
ラベルは前記セクションに貼り付けられた内面を含んでもよく、タブによって形成されたラベルの外面は蓋に貼り付けることができる。
【0011】
タブは折り曲げ線によってラベルの残りの部分から隔てられてもよい。ラベルの内面は前記セクションにそして蓋にも貼り付けられてもよい。
【0012】
パッケージの基部および蓋は一体に形成してもよく、それらは両方とも金属化されたまたは他の種類の表面層を有する板材のシートから形成されてもよい。板材の反対の面は金属化された表面層を有してなくてもよく、ラベルが貼り付けられる蓋前壁の内面はその反対の面である。
【0013】
本明細書で説明する一部の実施態様ではパッケージが提供され、このパッケージは、パッケージを開けた際に束からタバコ産業製品を取り出すための取り出し開口部を画定するセクションを含むバリアー層に包まれた一群のタバコ産業製品を収容する基部と、開閉位置間で回転するために基部に貼り付けられた蓋であって、内面を有する蓋前壁と、前後面を有する蓋前壁フラップとを含み、この蓋前壁フラップは蓋前壁に対して蓋前壁の下方縁部に沿って延びた折り目で折り曲げられ、前記折り目から延びた第1部分を含み、この第1部分によって形成された蓋前壁フラップの後面は蓋前壁の前記内面に貼り付けられ、蓋前壁フラップは第1部分の縁部から延びた第2部分を含み、この第2部分によって形成された蓋前壁フラップの後面を露出させるために第1部分に対して折りたたまれる蓋と、前記セクションに貼り付けられ、蓋に貼り付けられる部分を有し、蓋を開いた位置に回転させると、そのセクションが持ち上げられ、取り出し開口部を開くようにするラベルとを含む。
【0014】
蓋前壁フラップの第1および第2部分は互いに取り外し自在にまたは永久的に貼り付けられてもよい。
【0015】
蓋前壁フラップが折り目を中心に第1部分に対して回転するための第1部分から延びた中間部分を含み、第2部分は別の折り目を中心にこの中間部分に対して回転するために中間部分から延びてもよい。
【0016】
基部および蓋は表面が金属加工された板材のシートから形成してもよい。板材の反対の面は表面が金属加工されてなくてもよい。ラベルの一部が貼り付けられる第2部分によって形成される蓋前壁フラップの後面は反対の面であってもよい。
【0017】
一部の実施態様では蓋前壁フラップは蓋前壁の内面に貼り付けられたラベルの前記部分に亘って延びてもよい。
【0018】
蓋は蓋前壁によって隔てられた対向側壁を含んでもよく、蓋に貼り付けられたラベルの部分は、これら対向側壁の間を延びる蓋前壁フラップの幅より小さい幅を有するタブを含んでもよい。
【0019】
蓋前壁フラップはタブと蓋前壁に貼り付けられてもよい。
【0020】
ラベルは前記セクションを越えて延びる周辺部を含んでもよく、この周辺部は、その周辺部が蓋を開いた際にバリアー層から剥がされ、蓋を閉じた際にバリアー材を再封止するために元の位置に戻されるように繰り返し使用可能な接着剤でバリアー層に貼り付けられる。
【0021】
基部と蓋は蓋前壁フラップの前面を含む1つの金属化された表面層を有する板材のシートから形成されてもよい。
【0022】
バリアー層は第1および第2の層を含むラミネート材から形成されてもよく、ラベルは第2の層から形成される。
【0023】
取り出し開口部を画定する領域は、前記ラベルに貼り付けられるバリアー層の一部になってもよい。
【0024】
最初に開封する前に前記領域は蓋を最初に開けた際に破れる弱化された線によってバリアー層の残りの部分に貼り付けることができる。
【0025】
ラベルは取り外し可能なセクションに貼り付けられる内面を含んでもよく、ラベルの外面は蓋に貼り付けられる。しかしながら、当然のことながらラベルはこれとは別に取り外し可能なセクションに貼り付けられた内面を含んでもよく、ラベルの内面は蓋に貼り付けられてもよい。
【0026】
当然のことながらパッケージまたは蓋前壁フラップは、説明される実施態様からの特徴の任意の組み合わせをさらに含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0027】
添付図面を参照して本発明の実施態様をあくまで例示を目的として説明する。
図1】パックの一例を示す斜視図であり、その中に収容された包装された束の喫煙品を露出させるために蓋が開いた位置にあり、取り出し開口部を覆うラベルが剥がされる前の状態を示している。
図2】蓋が開いている本発明の実施態様によるパッケージの斜視図であり、蓋を開けたと同時に取り出し開口部を露出させるようにラベルが剥がされるようにラベルのタブの下方縁部が蓋の前壁の内面に貼り付けられている。
図3図3によるパッケージの上方部分の側部断面図であり、フラップが蓋の下方縁部から延び、蓋の内側で折り曲げられており、ラベルは蓋を開けたと同時に取り出し開口部を露出させるようにラベルが剥がされるように構成されている。
図4】蓋が閉じている図3のパッケージの上方部分の側部断面図である。
図5】本発明の第1の実施態様による図3のフラップの斜視図であり、これは開口部を含み、フラップが蓋の前壁の底縁部で折り曲げられる前の状態を示している。
図6】フラップが蓋の前壁の底縁部で折り曲げられた後の図5のフラップの斜視図である。
図7】本発明の第2の実施態様による図3のフラップの斜視図であり、輪郭形成された縁部を含み、フラップが蓋の前壁の底縁部で折り曲げられる前の状態を示している。
図8図7のフラップの斜視図であり、フラップが蓋の前壁の底縁部で折り曲げられた後の状態を示している。
図9】本発明の第3の実施態様による図3のフラップの斜視図であり、フラップが蓋の前壁の底縁部で折り曲げられる前の状態を示している。
図10図9のフラップの斜視図であり、フラップが蓋の前壁の底縁部で折り曲げられた後の状態を示している。
図11】第4の実施態様によるパッケージの上方部分の側部断面図であり、フラップが第2の折り目を含み、蓋が開けられた際にユーザーにさらなる部分を示す。
図12図11のパッケージの2つの例の上方部分を示し、フラップは第2の折り目と角の折り目を含む。
図13】本発明の第5の実施態様によるパッケージの上方部分の側部断面図であり、ラベルが蓋に接着され、フラップが少なくともラベルの一部に重なりながら接着されている。
図14図3~10のいずれかのパッケージの上方部分の側部断面図であり、ラベルとバリアーが多層ラミネートで形成されている。
図15】平らにした際の図14のラベルの平面図である。
図16A】異なるラミネート材から作製されたラベルとバリアーの一部を断面にて示している。
図16B】異なるラミネート材から作製されたラベルとバリアーの一部を断面にて示している。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1はヒンジ式蓋2および束5を形成するためにバリアー層4に包まれた一群の紙巻きタバコ3(図2参照)を含む基部2aを有する硬質の板紙からなるパッケージ1の一例を示している。紙巻きタバコ3に触れられるようにするためにバリアー層の取り外し可能な領域4aから形成された取り出し開口部の境界または縁部8は、束5の頂部を横断してバリアー層4の後ろ側から下方前方壁部にある取り出し開口縁部8aの所まで前方を下方に延びた破線によって示されている。紙巻きタバコ3を包むバリアー層4は金属化プラスチックまたはプラスチックまたは金属箔ラミネートで作製したものであってもよい。取り出し開口部6に亘って位置しているのがラベル9であり、これはバリアー層4に近い方のその下側にラベル9を取り外し可能な領域4aに確実に接着したままにするには充分な強度の繰り返し接着可能な接着剤を有する。繰り返し接着可能な接着剤はラベル9の下面を覆う。これとは別に永久接着剤をバリアー層4の縁部に重ならないラベル9の下面の部分、即ちバリアー層4の取り外し可能な領域4aに重なる部分に塗布してもよい。しかしながら、ラベル9が取り出し開口部6の縁部8を越えて延びた所では下面に繰り返し接着可能な接着剤が塗布される。
【0029】
確実に良好に接着されるように内部フレーム(図示せず)をそれがバリアー層4の下で紙巻きタバコ3の周囲を部分的に延びるように束5の中に設けてもよい。内部フレームは取り出し開口部6の周囲でラベル9によって掛かる再封止の際の圧力に対してバリアー層4の下で反応面を提供する。
【0030】
ラベル9は下方前方壁縁部10を有し、その下方前方壁縁部10から延びたタブ11を含み、このタブは、取り出し開口部6を開口するためにラベル9を剥がすために使用されるように繰り返し接着可能な接着剤が少なくとも部分的に塗布されていない。
【0031】
本発明による実施態様ではラベル9の最下方縁部またはタブ25は、蓋2を開けたと同時に取り出し開口部6を露出させるためにラベルがめくられるように蓋2の前壁に貼り付けられる。特に図2に示すように蓋2が開いた位置にあるとき、バリアー層4の取り外し可能なセクション4aは後ろに引っ張られ、取り出し開口部6を露出させ、消費者が簡単に束5から紙巻きタバコ3を取り出すことができるようにする。セクション4aを「取り外し可能」としているが、当然のことながら取り出し開口部6を露出させた際にバリアー層の残りの部分に少なくとも部分的に貼り付いたままであってもよい。
【0032】
蓋2とラベル9の同時に開くことができるようにするためにタブ25によって形成されたラベルの外面の一部は、蓋2を開口位置に回転させる際にタブ25がラベル9の残りの部分に対して折り返されるように永久接着剤を使用して蓋2に貼り付けられる(図3および14参照)。
【0033】
蓋2をその開いた位置にヒンジ30を中心に枢動させると、ラベル9はタブ25と蓋2の間の接続によって引っ張られる。その結果、ラベル9がバリアー層4から離れるようにめくられるまたは巻かれて、バリアー層4のセクション4aはラベル9と共に取り出し開口部6から離れるように持ち上げられ、取り出し開口部が設けられる。パッケージ1が初めて開けられるなら、領域4aも蓋2が開けられる際にバリアー層4の残りの部分からバリアー層4の残りの部分から領域4aを分離する脆弱化された線に沿って分離させてもよい。
【0034】
当然のことながら蓋2をその閉じた位置にヒンジ30を中心に回転させて戻すと、ラベル9がバリアー層4を横断して巻き戻り、バリアー層4の取り外し可能な領域4aが取り出し開口部6内の元の位置に戻る。ラベル9の周辺領域の繰り返し剥がすことができるコーティングによってパッケージ1を繰り返し封止するために取り出し開口部9を囲むバリアー層4に繰り返し接着する。
【0035】
蓋は蓋の前壁35の下方縁部32から延びた蓋前壁フラップ31を含む。蓋前壁フラップ31は折り曲げ線33を中心に実質的に180度折り曲げられ、蓋2の内方前面24に接して位置する。蓋前壁フラップ31は、折り曲げ線33の反対に位置する第1縁部50、第2側縁部51および第3側縁部52を有し、第2側縁部51および第3側縁部52は互いに平行に延びている。蓋2は外面48と内面49を有する。
【0036】
蓋前壁フラップ31の後面28は、少なくとも部分的に蓋2の内面49に蓋の内方の前面24で永久的に接着され、蓋前壁フラップ31の後面28は、折り曲げられた際に蓋前壁35の蓋の内方前面24に接して内面49上に位置する。この折り曲げられたフラップ31によって折り曲げ線33を中心にした蓋2の前壁の下方縁部32までそしてその周囲まで印刷が可能になる。ラベル9のタブ25は蓋前壁フラップ31の前面36に接着される。
【0037】
蓋2および基部2aを含むパッケージの構成に使用される材料の一部は、消費者に見える方の外面である金属化またはコーティングされた外側表面層を有してもよい。例えば、蓋と基部が作製される板材は、Transmet板であってもよく、これは板紙用のフィルム無しの金属ラミネートであり、明るい金属仕上げの基材に印刷受容コーティングを供する。TransmetラミネートはAPIグループが製造している。金属化またはコーティングされた表面は、良好な接着を形成するために接着剤が材料に染みこむのを妨げることができる。当然のことながら蓋前壁フラップ31を折り曲げた結果として、金属化された表面が蓋前壁フラップ31の前面36に亘って延びることになる。その結果、ラベル9は蓋前壁フラップ31の前面36に特に良好に接着しないかもしれない。これとは別に板材は、Metpolであってもよく、これはポリマー層でコーティングされた金属化層を有する。この材料は外部ポリマー層が非孔性であり、従って接着剤を吸収しないのでTransmet板と同じ問題を有する。
【0038】
図5および6に示す本発明の第1の実施態様では、パッケージは蓋前壁フラップ31を通る開口部37を含むように変更されている。この開口部によって蓋前壁フラップ31が上述のように折り曲げられ、内面49に接着されると蓋の内方の前面24の内面49のある領域が確実に露出したままになる。開口部37によって露出される内面の領域49を露出内面38とする。ラベル9は蓋前壁フラップ31の前面36に向いて蓋2の露出内面38に接着され、これにより良好な接着を形成する。
【0039】
当然のことながらフラップを複数の開口部37を含むようにすることも可能である。この複数の開口部は内面49の複数の領域38を露出させることができる。これら開口部はフラップ横断して軸方向に整列させてもよく、等間隔に配置されてもよくまたはランダムに配置されてもよく、ラベル9は蓋の内方の前面24の内面49に亘る露出内面38の領域に接着される。1つ以上の開口部37を複数の異なる形状にしてラベル9の一部が開口部37によって露出された内面49の領域に確実に貼り付けられるようにすることも予想される。単独の開口部37が設けられている場合、側縁部51、52の間の真ん中に配置してもよい。
【0040】
本発明の第2の実施態様では上述のようなパッケージが提供され、ここでは同じような特徴は同じ参照番号のまま示している。図7および8を参照するとこのパッケージは蓋前壁フラップ31に輪郭形成された縁部41を含むように変更されており、蓋前壁フラップの一部が切り取られ、凹部40を形成している。これにより蓋前壁35の内面49の一部はフラップが上述のように折り曲げられ、接着されると露出内面38になる。
【0041】
凹部40は蓋前壁フラップ31の一部を取り除くことによって形成することができる。この凹部は側縁部51、52の間の真ん中に配置してもよい。これとは別に凹部40はオフセットしてもよく、あるいは1つ以上の凹部があってもよく、これら第2および第3側縁部51、52から蓋前壁フラップ31内に延びてもよい。
【0042】
蓋前壁フラップ31は、第1縁部50に沿って複数の凹部40を含んでもよく、あるいは第2縁部51および第3縁部52の一方または両方に少なくとも1つの凹部を含んでもよい。
【0043】
本発明の第3の実施態様を図9および10を参照して説明する。この実施態様ではパッケージ1は変更され、蓋前壁フラップ31に折り目42によって分けられている第1および第2部分31a、31bが設けられている。第1部分31aは、折り曲げ線33から折り目42へと延び、第2部分は折り目42から延びている。第2部分31bは、折り目42を中心に第1部分31aに対して折り曲げられる。第1部分31aの後面は、蓋2の内方の前面24の内面49に接着される。第2部分31bを折り曲げることによってラベル9が貼り付けられる第2部分31bによって形成された内面を露出させる。第2部分の前面は接着剤を使用して第1部分の前面に貼り付けてもよい。
【0044】
折り目42は、第1および第2部分31a、31bが同じ大きさになるように第1縁部50と折り曲げ線33の実質的に中間に配置することができる。しかしながら、折り目42は第1および第2部分31a、31bが異なる大きさになるように配置してもよい。折り目42は折り曲げ線33対して実質的に平行である。しかしながら折り目42を折り曲げ線33に対して平行であることは必須ではなく、例えばフラップ31は、内面38の領域を露出させるために第1部分から延びた2つの三角形状の第2部分を形成するために折り曲げられた角を有してもよい。これらの角は第1縁部50から第2縁部51までのまたは第1縁部50から第3縁部52までの折り曲げ線を有する。
【0045】
図11および12に示す第4の実施態様では蓋前壁フラップ31は、第1および第2部分31a、31bの間に中間部分47を形成するために第1の折り目42に平行な第2の折り目46を含む。この中間部分47は、第2部分31bを第1部分31aから隔てている。第2部分の前面および第1部分の前面は、蓋が開けられたときに消費者に露出し、情報または他の印を印刷するための表面を提供することができる。中間部分は蓋の内方の前面24またはラベルのいずれかに接着されなくてもよい。
【0046】
1つの実施態様は、角の折り曲げ線と第2の折り目46の組み合わせを含む。ラベルは、角43が折り曲げられた露出内面38に接着され、蓋2が開けられてラベル9が同時に剥がされ、第2の折り目46が中間部分47がユーザーに示される。当然のことながらフラップは上記実施態様で説明した特徴のあらゆる組み合わせを含んでもよい。
【0047】
1つ以上の開口部37の外形、輪郭形成された縁部または凹部40が折り曲げられた部分に合うように変更されたラベルを上述の実施態様のいずれに使用してもよい。ラベルのタブの外形は露出内面38の領域内に完全にまたは部分的に位置するように構成される。タブが露出内面38の領域内に完全にまたは部分的に位置する、即ちタブの形がフラップの外形に合うようになっている場合、フラップは蓋前壁の内面に対して平らになり、これにより確実に良好に接着される。
【0048】
本発明の第5の実施態様では上述のようなパッケージが提供され、類似の特徴は同じ参照番号が付されている。図13を参照するとラベル9がタブ25として指定されたその最下方縁部に隣接する領域を有する。タブ25の外面29は蓋2の内面24に永久的に接着することができる。
【0049】
タブが蓋の内面に貼り付けられると、蓋前壁フラップ31が実質的に180度折り曲げ線33を中心に折り曲げられ、ラベルのタブ部分25と少なくとも部分的に重なって蓋24の内面に接着される。ラベルの少なくとも一部は蓋の内方の前面24とフラップ31の内面の間に挟まれる。
【0050】
1つの実施態様ではラベル9とバリアー層4は同じラミネート材で作製される。図16~16Bはこの実施態様の例を示している。ラミネート102は、外層103と内層104を有し、外層は第1の切れ目105を有し、これはそれによって境界が定められた外層領域108を画定し、内層は第2の切れ目106を有し、これはそれによって境界が定められた内層領域112を画定する。内層領域112は外層領域108内に位置する。蓋をその開いた位置に回転させた際に内外層領域が持ち上げられ、第1および第2の切れ目(105、106)とラミネートに製せられる開口部6の間の周辺領域115で内外層を剥離させる。
【0051】
図16Bは上述のようなしかしながら3層であるラミネート材のさらなる例を示している。図示の例では外層103と第3の層121は感圧性の「繰り返し接着可能な」接着剤を使用して接着され、内層104と第3の層121は永久接着剤を使用して接着されている。図16Bの例と類似する別の例では 外層103と第3の層121は永久的に互いに接着され、内層104と第3の層121は感圧性接着剤を使用して互いに接着される。この場合、第1の切れ目105が外層103と第3の層121に設けられ、第2の切れ目106は内層104のみに設けられる。第1および第2の切れ目105、106は上述の通りオフセットしている。
【0052】
当然のことながらラミネート材102は、上述と同じように互いに接着された4つ以上の層を有してもよく、第1および第2の切れ目105、106はそれぞれ1つ以上の層に設けられてもよい。上述のようなラベルとバリアーが一体の例を上述の実施態様のいずれかと組み合わせてもよい。
【0053】
本明細書中で使用する「タバコ産業製品」なる用語は、紙巻きタバコ、シガリロ、シガー、パイプ用または手巻き紙巻きタバコ用タバコ(タバコ、タバコ派生物、膨張タバコ、再生タバコ、タバコ代替え品または他の喫煙材をベースにしているかに関係なく)などの燃焼性喫煙品、電子タバコなどの電子喫煙品、タバコ加熱製品などの燃焼させずに基材から化合物を放出する加熱装置および例えば液体または固体基材を含むハイブリッドシステムのような基材を組あわせたものからエアロゾルを発生させるハイブリッドシステムを含む喫煙品を包含すると理解されるべきである。
【0054】
1つの実施態様では タバコ産業製品は紙巻きタバコ、シガリロおよびシガーからなる群から選択される燃焼喫煙品である。
【0055】
1つの実施態様では タバコ産業製品は非燃焼性喫煙品である。
【0056】
1つの実施態様では タバコ産業製品は基材を燃やさずに加熱することによって化合物を放出する加熱装置である。基材は、タバコまたはニコチンを含むまたは含まない非タバコ製品であってもよい。1つの実施態様では加熱装置はタバコ加熱装置である。
【0057】
別の実施態様では タバコ産業製品は基材を組あわせたものを燃やさずに加熱することによってエアロゾル発生させるハイブリッドシステムである。基材は、例えば固体、液体またはゲルを含んでもよく、これらはニコチンを含んでも含まなくてもよい。1つの実施態様ではハイブリッドシステムは液体またはゲル基材と固体基材とを含んでもよい。固体基材は、例えばタバコまたはタバコまたはニコチンを含むまたは含まない非タバコ製品であってもよい。1つの実施態様ではハイブリッドシステムは液体またはゲル基材とタバコとを含んでもよい。
【0058】
本発明の実施態様は、タバコ産業製品、例えば紙巻きタバコを参照して説明されている。しかしながら、当然のことながら本発明のパッケージはこれとは別に非タバコ産業関連製品に使用してもよい。
【0059】
種々の問題の対処と技術の発展のため、本開示全体は種々の実施形態を例示的に示しており、これらの実施形態では特許請求された発明が実践され、優れたタバコ産業製品用パッケージを提供することができる。本開示の利点および特徴は実施形態の単なる代表的な具体例であり、包括的でも排他的でもない。これらは特許請求された特徴の理解と教示の単なる補助に提供されている。当然だが、本開示の利点、実施形態、具体例、機能、特徴、構造、および/または他の側面は本開示を特許請求の範囲に規定されたとおりに限定するあるいは特許請求の範囲の均等物に限定すると考えるべきではなく、本開示の範囲および/または思想から乖離することなく他の実施形態を利用しても改変してもよいと考えるべきである。種々の実施形態は、開示された構成要素、成分、特徴、部品、工程、手段他の組合せを適切に備えても、これらで構成されても、基本的にこれらで構成されてもよい。また本開示は、現在は特許請求されていないが将来特許請求される可能性がある他の発明を含む。
図1
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図16A
図16B