IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社インフィルの特許一覧

<>
  • 特許-組み込み式デスク及びシステム収納 図1
  • 特許-組み込み式デスク及びシステム収納 図2
  • 特許-組み込み式デスク及びシステム収納 図3
  • 特許-組み込み式デスク及びシステム収納 図4
  • 特許-組み込み式デスク及びシステム収納 図5
  • 特許-組み込み式デスク及びシステム収納 図6
  • 特許-組み込み式デスク及びシステム収納 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-24
(45)【発行日】2022-06-01
(54)【発明の名称】組み込み式デスク及びシステム収納
(51)【国際特許分類】
   A47B 83/04 20060101AFI20220525BHJP
   A47B 1/05 20060101ALI20220525BHJP
   A47B 17/00 20060101ALI20220525BHJP
   A47B 17/03 20060101ALI20220525BHJP
   A47B 88/483 20170101ALI20220525BHJP
【FI】
A47B83/04
A47B1/05 A
A47B17/00 A
A47B17/03
A47B88/483
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021047193
(22)【出願日】2021-03-22
【審査請求日】2022-04-04
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516265687
【氏名又は名称】株式会社インフィル
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】特許業務法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】北野 敦
(72)【発明者】
【氏名】林 旻毅
【審査官】広瀬 杏奈
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-068974(JP,A)
【文献】特開2016-000173(JP,A)
【文献】実開昭59-120929(JP,U)
【文献】国際公開第2017/024284(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 83/04
A47B 1/05
A47B 17/00
A47B 17/03
A47B 88/00-88/994
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内側面に複数の係合孔を有する一対の支持板部の間に配置される組み込み式デスクであって、
前記係合孔に取り付けられた支持部材の上に載置される固定側デスクと、
使用時に前記固定側デスクの前方に配置される可動側デスクと、
前記係合孔に係合した状態で前記固定側デスクの上面に当接し、前記固定側デスクの回転を防止する一対の回転防止部材と、を備える
組み込み式デスク。
【請求項2】
前記係合孔は、上下方向に配列され且つ前後に2列設けられており、
前記回転防止部材は、後列の前記係合孔にのみ係合している、請求項1に記載の組み込み式デスク。
【請求項3】
前記係合孔は、上下方向に配列され且つ前後に2列設けられており、
前記回転防止部材は、前列及び後列の前記係合孔に係合している、請求項1に記載の組み込み式デスク。
【請求項4】
前記固定側デスク及び前記可動側デスクの前後方向寸法は、前記一対の支持板部の前後方向寸法よりも小さい、請求項1~3の何れか一項に記載の組み込み式デスク。
【請求項5】
前記固定側デスクは、前記支持部材の移動規制部により前方への移動を規制されている、請求項1~4の何れか一項に記載の組み込み式デスク。
【請求項6】
左右に対面する前記一対の支持板部の間に収容空間を有する収容部と、前記収容空間に配置された請求項1~5の何れか一項に記載の組み込み式デスクと、を備える、システム収納。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組み込み式デスク及びシステム収納に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、自宅で仕事(例えば、テレワーク)や学習等の作業を行う際、デスクが使用されている。
【0003】
特許文献1には、作業を行う天板の上下方向の高さを変えることができるデスクが開示されている。このような特許文献1に開示されたデスクは、自宅の所定箇所に常設される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-64979号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されたデスクは、自宅の所定場所(例えば、リビングや書斎)に常設されているため、自宅の所定面積を占有している。このため、省スペース化の観点から望ましくない場合がある。
【0006】
本発明の目的は、省スペース化を図ることができる組み込み式デスク及びシステム収納を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る組み込み式デスクの一態様は、
内側面に複数の係合孔を有する一対の支持板部の間に配置される組み込み式デスクであって、
係合孔に取り付けられた支持部材の上に載置される固定側デスクと、
使用時に固定側デスクの前方に配置される可動側デスクと、
係合孔に係合した状態で固定側デスクの上面に当接し、固定側デスクの回転を防止する一対の回転防止部材と、を備える。
【0008】
本発明に係るシステム収納の一態様は、
左右に対面する前記一対の支持板部の間に収容空間を有する収容部と、
収容空間に配置された上述の組み込み式デスクと、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、省スペース化を図ることができる組み込み式デスク及びシステム収納を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本発明の実施形態1に係るシステム収納の斜視図である。
図2図2は、本発明の実施形態1に係るシステム収納の斜視図である。
図3図3は、組み立て式デスクの斜視図である。
図4図4は、支持部材、回転防止部材、及びレールの斜視図である。
図5図5は、本発明の実施形態2に係る組み立て式デスクの斜視図である。
図6図6は、本発明の実施形態3に係る組み立て式デスクの使用状態の斜視図である。
図7図7は、本発明の実施形態3に係る組み立て式デスクの非使用状態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて詳細に説明する。
【0012】
[実施形態1]
図1図4を参照して、本実施形態に係るシステム収納1及び組み込み式デスク3について説明する。
【0013】
尚、本実施形態に係るシステム収納1及び組み込み式デスク3は、本発明に係るシステム収納及び組み込み式デスクの一例であり、本発明は後述の実施形態により限定されない。
【0014】
以下の説明では、図1図4に示す直交座標系(X,Y,Z)を使用する。X方向は、システム収納1及び組み込み式デスク3の前後方向である。Y方向は、システム収納1及び組み込み式デスク3の左右方向である。Z方向は、システム収納1及び組み込み式デスク3の上下方向である。
【0015】
本実施形態に係るシステム収納1は、クローゼット2と、組み込み式デスク3と、を備える。クローゼット2は、左右方向に対面する一対の側板21a、21bを有する。側板21aは、内側面に、複数の係合孔211a、211bを有する。側板21bは、内側面に、複数の係合孔211c、211dを有する。
【0016】
組み込み式デスク3は、固定側デスク31及び可動側デスク32を有し、一対の側板21a、21bの間に配置される。可動側デスク32は、使用時に固定側デスク31の前方に配置される。
【0017】
このような組み込み式デスク3の使用状態において、使用者は、可動側デスク32の上面に、ノートパソコンやノート、筆記用具等をおいて作業する。
【0018】
この際、可動側デスク32に下方への力が作用すると、組み込み式デスク3には、固定側デスク31の後端部を上方に浮き上がらせるような力が作用する。このような固定側デスク31の後端部の浮き上がりを抑制する機構がない場合、固定側デスク31の後端部が浮き上がり、組み込み式デスク3が前方に回転してしまう。
【0019】
そこで、本実施形態の組み込み式デスク3は、一対の側板21a、21bの係合孔211b、211dに係合した状態で固定側デスク31の上面に当接し、固定側デスク31の回転を防止する一対の回転防止部材33a、33bを備えている。
【0020】
以下、本実施形態に係るシステム収納1の具体的な構造について説明する。
【0021】
(システム収納)
システム収納1は、クローゼット2と、組み込み式デスク3と、を備える。
【0022】
(クローゼット)
クローゼット2は、収容部の一例に該当し、一対の側板21a、21b、背板22、天板23、一対の扉24a、24b、及び支持部材25を有し、所定場所の床面上に設置される。
【0023】
(側板)
一対の側板21a、21bはそれぞれ、支持板部の一例に該当し、XZ平面に平行な板状である。一対の側板21a、21bは、左右方向に所定の距離間隔をあけて対面している。以下、側板21aを、左側板21aと称することもある。又、側板21bを、右側板21bと称することもある。
【0024】
以下、左側板21aの右側面を、左側板21aの内側面と称する。又、右側板21bの左側面を、右側板21bの内側面と称する。
【0025】
左側板21aは、内側面に、複数の係合孔211a、211bを有する。係合孔211a、211bは、左側板21aの内側面において、上下方向に配列され且つ前後に2列設けられている。
【0026】
係合孔211aは、左側板21aの内側面における前端部に上下方向に配列されている。係合孔211aは、左側板21aの下端部から上端部にかけて設けられている。以下、係合孔211aを、左側板21aの前側係合孔211a又は前列の係合孔211aと称することもある。
【0027】
係合孔211bは、左側板21aの内側面における後端部に上下方向に配列されている。係合孔211bは、左側板21aの下端部から上端部にかけて設けられている。以下、係合孔211bを、左側板21aの後側係合孔211b又は後列の係合孔211bと称することもある。
【0028】
尚、複数の係合孔211a、211bは、上下方向において等間隔に設けられている。但し、複数の係合孔211a、211bの上下方向における間隔は、等間隔でなくてもよい。
【0029】
右側板21bは、内側面に、複数の係合孔211c、211dを有する。複数の係合孔211c、211dはそれぞれ、左側板21aの係合孔211a、211bと同じ高さに設けられている。係合孔211c、211dは、右側板21bの内側面において、上下方向に配列され且つ前後に2列設けられている。
【0030】
係合孔211cは、右側板21bの内側面における前端部に上下方向に配列されている。係合孔211cは、右側板21bの下端部から上端部にかけて設けられている。以下、係合孔211cを、右側板21bの前側係合孔211c又は前列の係合孔211cと称することもある。
【0031】
係合孔211dは、右側板21bの内側面における後端部に上下方向に配列されている。係合孔211dは、右側板21bの下端部から上端部にかけて設けられている。以下、係合孔211dを、右側板21bの後側係合孔211d又は後列の係合孔211dと称することもある。
【0032】
尚、複数の係合孔211c、211dは、上下方向において等間隔に設けられている。但し、複数の係合孔211c、211dの上下方向における間隔は、等間隔でなくてもよい。
【0033】
(背板)
背板22は、YZ平面に平行な板状である。背板22は、左側板21aの後端部と、右側板21bの後端部とに固定されている。背板22の上下方向における寸法は、左側板21a及び右側板21bの上下方向における寸法と同じである。
【0034】
(天板)
天板23は、XY平面に平行な板状である。天板23は、左側板21aの上端部と、右側板21bの上端部と、背板22の上端部とに固定されている。
【0035】
(一対の扉)
一対の扉24a、24bはそれぞれ、板状であって、一対の側板21a、21bの前端部に、例えば、ヒンジ等の連結部品を介して、連結されている。一対の扉24a、24bはそれぞれ、一対の側板21a、21bに対して、Z方向に平行な回動中心軸(不図示)を中心とした回動可能である。
【0036】
以下、扉24aを、左扉24aと称することもある。又、扉24bを、右扉24bと称することもある。
【0037】
一対の扉24a、24bが背板22と平行な状態を、一対の扉24a、24bの閉状態と称する。又、一対の扉24a、24bが、回動中心軸を中心に、少なくとも90°回転した状態を、一対の扉24a、24bの開状態と称する。
【0038】
一対の扉24a、24bは、それぞれ閉状態から、回動中心軸を中心に90°以上回転可能である。
【0039】
(支持部材)
支持部材25は、組み込み式デスク3を下方から支持するための部材である。支持部材25は、一対の前側支持部材251、252と、一対の後側支持部材253、254と、を有する。
【0040】
(前側支持部材)
前側支持部材251、252はそれぞれ、係合部251a、252a、載置部251b、252b、及び移動規制部251c、252cを有する。以下、前側支持部材251を、左側の前側支持部材251と称することもある。又、前側支持部材252を右側の前側支持部材252と称することもある。
【0041】
又、係合部251aを、左側係合部251aと称することもある。又、係合部252aを、右側係合部252aと称することもある。
【0042】
又、載置部251bを、左側載置部251bと称することもある。又、載置部252bを、右側載置部252bと称することもある。
【0043】
又、移動規制部251cを、左側移動規制部251cと称することもある。又、移動規制部252cを、右側移動規制部252cと称することもある。
【0044】
(係合部)
左側係合部251a及び右側係合部252aはそれぞれ、左側の前側支持部材251及び右側の前側支持部材252を、一対の側板21a、21bに、着脱可能に固定するための部材である。
【0045】
左側係合部251a及び右側係合部252aはそれぞれ、円柱状の所謂ダボである。左側係合部251a及び右側係合部252aはそれぞれ、左側板21aの前側係合孔211a及び右側板21bの前側係合孔211cに挿通された状態で係合している。
【0046】
左側係合部251a及び右側係合部252aが係合している左側板21aの前側係合孔211a及び右側板21bの前側係合孔211cの高さは、同じである。
【0047】
本実施形態の場合、左側係合部251a及び右側係合部252aはそれぞれ、後述の左側載置部251b及び右側載置部252bとは別部材により構成されている。具体的には、左側係合部251a及び右側係合部252aは、左側載置部251b及び右側載置部252bの下端部に設けられた円輪部251d、252dに挿通された状態で、左側載置部251b及び右側載置部252bに係合している。但し、左側係合部251a及び右側係合部252aはそれぞれ、左側載置部251b及び右側載置部252bと一体に構成されてもよい。
【0048】
(載置部)
左側載置部251b及び右側載置部252bはそれぞれ、後述の固定側デスク31の前端部を載置するための部分である。
【0049】
左側載置部251b及び右側載置部252bはそれぞれ、XY平面に平行な板状である。左側載置部251b及び右側載置部252bはそれぞれ、円輪部251d、252dを介して、左側係合部251a及び右側係合部252aに支持されている。
【0050】
(移動規制部)
左側移動規制部251c及び右側移動規制部252cはそれぞれ、固定側デスク31の前方への移動を規制するための部分である。
【0051】
左側移動規制部251c及び右側移動規制部252cはそれぞれ、YZ平面に平行な板状である。左側移動規制部251c及び右側移動規制部252cはそれぞれ、左側載置部251b及び右側載置部252bの前端部に固定されている。
【0052】
左側移動規制部251c及び右側移動規制部252cはそれぞれ、固定側デスク31の前端面と、前後方向に対面している。
【0053】
(後側支持部材)
一対の後側支持部材253、254はそれぞれ、後述の固定側デスク31の後端部を載置するための部材である。よって、一対の後側支持部材253、254はそれぞれ、固定側デスク31を下方から支持する載置部としての機能を有する。
【0054】
以下、後側支持部材253を、左側の後側支持部材253と称することもある。又、後側支持部材254を、右側の後側支持部材254と称することもある。
【0055】
左側の後側支持部材253及び右側の後側支持部材254はそれぞれ、円柱状の所謂ダボである。左側の後側支持部材253及び右側の後側支持部材254はそれぞれ、左側板21aの後側係合孔211b及び右側板21bの後側係合孔211dに挿通された状態で係合している。
【0056】
後側係合孔211b及び後側係合孔211dに係合した状態で、左側の後側支持部材253及び右側の後側支持部材254の一部は、左側板21aの内側面及び右側板21bの内側面から内側に突出している。
【0057】
後側係合孔211b及び後側係合孔211dのうち左側板21aの内側面及び右側板21bの内側面から内側に突出した部分には、固定側デスク31の後端部が載置されている。
【0058】
尚、左側の後側支持部材253及び右側の後側支持部材254が係合している左側板21aの後側係合孔211b及び右側板21bの後側係合孔211dの高さと、左側の前側支持部材251及び右側の前側支持部材252が係合している左側板21aの前側係合孔211a及び右側板21bの前側係合孔211cの高さは、同じである。
【0059】
以上のような構成を有するクローゼット2は、一対の側板21a、21b、背板22、天板23により画定された収容空間26を有する。又、図示は省略するが、クローゼット2は、一対の側板21a、21bに支持された棚板を有してもよい。棚板は、クローゼット2に固定されてもよいし、上述の支持部材25と同様の構造の支持部材により、一対の側板21a、21bに支持されてもよい。
【0060】
(組み込み式デスク)
組み込み式デスク3は、クローゼット2における一対の扉24a、24bの開状態において、支持部材25に載置された状態で、クローゼット2の収容空間26に配置される。
【0061】
組み込み式デスク3は、固定側デスク31、可動側デスク32、及び一対の回転防止部材33a、33bを有する。以下、回転防止部材33aを、左側の回転防止部材33aと称することもある。又、回転防止部材33bを、右側の回転防止部材33bと称することもある。
【0062】
(固定側デスク)
固定側デスク31は、一対の側板311、312、天板313、及び背板314を有する。
【0063】
(側板)
一対の側板311、312は、それぞれ、XZ平面に平行な板状である。一対の側板311、312は、左右方向に所定の距離間隔をあけて対面している。以下、側板311を、左側板311と称することもある。又、側板312を、右側板312と称することもある。
【0064】
左側板311及び右側板312はそれぞれ、内側面に、固定側レール315a、315b(図4参照)を有する。固定側レール315a、315bは、後述の可動側レール325a、325bと組み合わされて、可動側デスク32を固定側デスク31に対して前後方向に移動させるためのレールを構成する。
【0065】
以下、固定側レール315aを、左側の固定側レール315aと称することもある。又、固定側レール315bを、右側の固定側レール315bと称することもある。
【0066】
(背板)
背板314は、YZ平面に平行な板状である。背板314は、左側板311の後端部と、右側板312の後端部とに固定されている。
【0067】
(天板)
天板313は、XY平面に平行な板状である。天板313は、左側板311の上端部及び右側板312の上端部に固定されている。天板313は、平坦な上面を有する。天板313(つまり、固定側デスク31)の前後方向における寸法は、クローゼット2における側板21a、21bの前後方向における寸法よりも小さい。よって、天板313の前端部は、クローゼット2における側板21a、21bの前端部よりも後方に位置する。
【0068】
天板313の左端部は、左側板311よりも左側に延在している。又、天板313の右端部は、右側板312よりも右側に延在している。天板313における左端部の下面及び天板313における右端部の下面は、上述の支持部材25に下方から支持される被支持部である。
【0069】
以上のような構成を有する固定側デスク31は、天板313の下面、左側板311の内側面、及び右側板312の内側面により画定された固定側収容空間を有する。固定側収容空間は、後述の可動側デスク32を収納可能に構成されている。
【0070】
固定側デスク31は、クローゼット2への組み込み状態(以下、単に組込状態と称する。)において、左側板311の左端部と、右側板312の右端部とが、支持部材25に載置されている。具体的には、左側板311における左端部の前端部は、組込状態において、左側の前側支持部材251の左側載置部251bに載置されている。又、左側板311における左端部の後端部は、組込状態において、左側の後側支持部材253に載置されている。
【0071】
又、右側板312における右端部の前端部は、組込状態において、右側の前側支持部材252の右側載置部252bに載置されている。又、右側板312における右端部の後端部は、組込状態において、右側の後側支持部材254に載置されている。
【0072】
又、組込状態において、天板313は、支持部材25により前方への移動が規制されている。具体的には、天板313は、天板313の前端面と、、右側の前側支持部材252における左側移動規制部251c及び右側の前側支持部材252における右側移動規制部252cとの当接に基づいて、前方への移動が規制されている。
【0073】
(可動側デスク)
可動側デスク32は、一対の側板321、322、背板323、天板324、及び前板325を有する。
【0074】
(側板)
一対の側板321、322は、それぞれ、XZ平面に平行な板状である。一対の側板321、322は、左右方向に所定の距離間隔をあけて対面している。以下、側板321を、左側板321と称することもある。又、側板322を、右側板322と称することもある。
【0075】
左側板321及び右側板322はそれぞれ、外側面に、可動側レール325a、325b(図4参照)を有する。可動側レール325a、325bは、固定側レール315a、315bと組み合わされて、可動側デスク32を固定側デスク31に対して前後方向に移動させるためのレールを構成する。
【0076】
以下、可動側レール325aを、左側の可動側レール325aと称することもある。又、可動側レール325bを、右側の可動側レール325bと称することもある。
【0077】
(背板)
背板323は、YZ平面に平行な板状である。背板323は、天板324の後端部に固定されている。背板323の上半部は、天板324の上面よりも上方に延在している。背板323の上端面は、固定側デスク31における天板313の下面よりも下方に位置している。
【0078】
背板323の上端面と、固定側デスク31における天板313の下面とは、上下方向に近接対向している。このような構成により、背板323は、作業時に、天板324の上面に置かれた部材が天板324よりも後方に入り込むことを防止している。
【0079】
(天板)
天板324は、XY平面に平行な板状である。天板324は、左側板321の上端部及び右側板322の上端部に固定されている。天板324は、平坦な上面を有する。天板324の上面は、固定側デスク31における天板313の下面よりも下方に位置している。
【0080】
天板324(つまり、可動側デスク32)の前後方向における寸法は、クローゼット2における側板21a、21bの前後方向における寸法よりも小さい。よって、可動側デスク32が、固定側デスク31の固定側収容空間に収容された状態(以下、可動側デスク32の収容状態と称する。)において、天板324の前端部は、クローゼット2における側板21a、21bの前端部よりも後方に位置する。
【0081】
(前板)
前板325は、YZ平面に平行な板状である。前板325は、天板324の前端部に固定されている。前板325、の上面は、天板324の上面と同一面上に位置している。
【0082】
以上のような構成を有する可動側デスク32は、可動側レール325a、325bが固定側レール315a、315bに対して滑ることにより、固定側デスク31に対して前後方向に移動可能に構成されている。可動側デスク32が、固定側デスク31に対して最も後方に移動した状態で、可動側デスク32は、固定側デスク31の固定側収容空間に収容された収容状態となる。
【0083】
可動側デスク32が、固定側デスク31に対して最も前方に移動した状態で、可動側デスク32は、固定側デスク31の前方に配置された使用状態となる。つまり、可動側デスク32は、組み込み式デスク3の使用時に、固定側デスク31の前方に配置される。又、可動側デスク32は、可動側デスク32の収容状態において、固定側デスク31と上下方向に重畳した状態で、固定側デスク31の下方に配置される。
【0084】
(回転防止部材)
回転防止部材33a、33bは、固定側デスク31の回転を防止するための部材である。以下、回転防止部材33aを、左側の回転防止部材33aと称することもある。又、回転防止部材33bを、右側の回転防止部材33bと称することもある。
【0085】
左側の回転防止部材33a及び右側の回転防止部材33bはそれぞれ、XZ平面に平行な矩形板状の本体部331a、331bと、係合部332a、332bと、を有する。
【0086】
係合部332a、332bはそれぞれ、本体部331a、331bの外側面に設けられている。係合部332a、332bの先端部は、本体部331a、331bの外側面から外側に突出している。このような係合部332a、332bは、クローゼット2における側板21a、21bの係合孔211a、211b、211c、211dと係合可能に構成されている。
【0087】
左側の回転防止部材33aは、係合部332aとクローゼット2における左側板21aの後側係合孔211bとの係合に基づいて、左側板21aに着脱可能に固定されている。つまり、左側の回転防止部材33aは、後列の係合孔211bにのみ係合している。係合部332aが係合している左側板21aの後側係合孔211bの位置は、左側の後側支持部材253が係合している左側板21aの後側係合孔211bの位置よりも上方である。
【0088】
右側の回転防止部材33bは、係合部332bとクローゼット2における右側板21bの後側係合孔211dとの係合に基づいて、右側板21bに着脱可能に固定されている。つまり、右側の回転防止部材33bは、後列の係合孔211dにのみ係合している。係合部332bが係合している右側板21bの後側係合孔211dの位置は、右側の後側支持部材254が係合している右側板21bの後側係合孔211dの位置よりも上方である。
【0089】
左側の回転防止部材33aがクローゼット2における左側板21aに固定された状態で、左側の回転防止部材33aにおける本体部331aの下面が、固定側デスク31における天板313の上面と、上下方向において当接又は近接対向している。
【0090】
又、右側の回転防止部材33bがクローゼット2における右側板21bに固定された状態で、右側の回転防止部材33bにおける本体部331bの下面が、固定側デスク31における天板313の上面と、上下方向において当接又は近接対向している。
【0091】
本実施形態の場合、左側の回転防止部材33a及び右側の回転防止部材33bはそれぞれ、天板313の上面における後端部の上方に配置されている。
【0092】
(作用・効果)
以上のような構成を有する本実施形態の組み込み式デスク3の場合、使用時において、固定側デスク31が回転することを防止できる。以下、この理由について説明する。
【0093】
組み込み式デスク3の使用時において、固定側デスク31の前方に配置された可動側デスク32に対して下向きの力が作用すると、固定側デスク31の後端部を浮き上がらせるようなモーメントが、固定側デスク31に作用する。
【0094】
本実施形態の場合、クローゼット2における側板21a、21bに固定された回転防止部材33a、33bが固定側デスク31における天板313の上面と当接している。このため、上述のモーメントにより、固定側デスク31が回転することを防止できる。この結果、上述のモーメントにより固定側デスク31の後端部が浮き上がることを防止できる。
【0095】
[実施形態2]
図5は、本発明の実施形態2に係る組み込み式デスク3Aの斜視図である。本実施形態の場合、一対の回転防止部材34a、34bの構造が、実施形態1における一対の回転防止部材33a、33bの構造と異なる。
【0096】
以下、一対の回転防止部材34a、34bの構造について説明する。組み込み式デスク3Aにおける回転防止部材34a、34b以外の構成は、実施形態1に係る組み込み式デスク3Aの構成とほぼ同様であるため、説明を省略する。
【0097】
回転防止部材34a、34bはそれぞれ、XZ平面に平行な板状の本体部341a、341bを有する。以下、回転防止部材34aを、左側の回転防止部材34aと称することもある。又、回転防止部材34bを、右側の回転防止部材34bと称することもある。
【0098】
本体部341a、341bの前後方向における寸法は、実施形態1の本体部331a、331bの前後方向における寸法よりも大きい。具体的には、本体部341a、341bの前後方向における寸法は、クローゼット2における一対の側板21a、21bの前列の係合孔211a、211c(図1及び図2参照)と後列の係合孔211b、211dとの前後方向における距離間隔よりも大きい。
【0099】
又、回転防止部材34a、34bはそれぞれ、本体部341a、341bの外側面に、複数(本実施形態の場合、2個)の係合部342a、342bを有する。
【0100】
左側の回転防止部材33aは、係合部342aとクローゼット2における左側板21a(図1参照)の前側係合孔211a及び後側係合孔211bとの係合に基づいて、左側板21aに着脱可能に固定されている。
【0101】
右側の回転防止部材34bは、係合部342bとクローゼット2における右側板21b(図2参照)の前側係合孔211c及び後側係合孔211dとの係合に基づいて、右側板21bに着脱可能に固定されている。
【0102】
左側の回転防止部材33aがクローゼット2における左側板21aに固定された状態で、左側の回転防止部材33aにおける本体部341aの下面が、固定側デスク31における天板313の上面と、上下方向において当接又は近接対向している。本実施形態の場合、本体部341aは、天板313の上面の前端部から後端部にわたる部分と上下方向において当接又は近接対向している。
【0103】
右側の回転防止部材34bがクローゼット2における右側板21bに固定された状態で、右側の回転防止部材34bにおける本体部341bの下面が、固定側デスク31における天板313の上面と、上下方向において当接又は近接対向している。本実施形態の場合、本体部341bは、天板313の上面の前端部から後端部にわたる部分と上下方向において当接又は近接対向している。
【0104】
(作用・効果)
以上のような構成を有する本実施形態の組み込み式デスク3Aの場合、使用時において、固定側デスク31が回転することを防止できる。以下、この理由について説明する。
【0105】
組み込み式デスク3の使用時において、固定側デスク31の前方に配置された可動側デスク32に対して下向きの力が作用すると、固定側デスク31の後端部を浮き上がらせるようなモーメント(以下、第一モーメントと称する。)が、固定側デスク31に作用する。一方、固定側デスク31の前方に配置された可動側デスク32に対して上向きの力が作用すると、固定側デスク31の前端部を浮き上がらせるようなモーメント(以下、第二モーメントと称する。)が、固定側デスク31に作用する。
【0106】
本実施形態の係る組み込み式デスク3Aの場合、左側の回転防止部材33a及び右側の回転防止部材34bが、固定側デスク31における天板313の上面の前端部から後端部にわたる部分と当接している。このため、上述の第一モーメント又は第二モーメントにより、固定側デスク31が回転することを防止できる。この結果、上記第一モーメントにより固定側デスク31の後端部が浮き上がること、及び、上記第二モーメントにより固定側デスク31の前端部が浮き上がることを防止できる。その他の作用・効果は、実施形態1と同様である。
【0107】
[実施形態3]
図6は、本発明の実施形態3に係る組み込み式デスク3Bの模式図である。本実施形態の場合、主に固定側デスク31B及び可動側デスク32Bの構造が、実施形態1の固定側デスク31及び可動側デスク32と異なる。
【0108】
尚、回転防止部材35a、35bの構造は、本体部351a、351bの底面の形状が実施形態1の回転防止部材33a、33bの構造と異なる以外、ほぼ同様である。本体部351a、351bの下面は、後述の固定側デスク31Bにおける天板313Bに沿う形状を有する。
【0109】
以下、固定側デスク31B及び可動側デスク32Bの構造について説明する。組み込み式デスク3Bにおける固定側デスク31B及び可動側デスク32B以外の構成は、実施形態1に係る組み込み式デスク3Aの構成とほぼ同様であるため、説明を省略する。
【0110】
固定側デスク31Bは、一対の側板311B、312B、底板316B、天板313B、背板314B、及び前板317Bが組み合わされた四角柱状である。
【0111】
天板313Bの上面は、後端部よりも前端部が低くなるように傾斜した平坦面である。
【0112】
可動側デスク32Bは、一対の側板321B、322B、背板323B、及び天板324Bが組み合わされた三角柱状である。天板324Bの上面は、図6に示す使用状態において、後端部よりも前端部が低くなるように傾斜した平坦面である。
【0113】
可動側デスク32Bの背板323Bの上端部は、ヒンジ等の連結部品を介して、固定側デスク31Bの前板317Bの上端部に回動可能に接続されている。可動側デスク32Bは、固定側デスク31Bに対して、左右方向に平行な軸を中心に回動可能である。
【0114】
可動側デスク32Bは、図6に示す使用状態において、固定側デスク31Bよりも前方に配置される。可動側デスク32Bは、図6に示す使用状態から、固定側デスク31Bに対して後方に回動すると、図7に示す非使用状態となる。可動側デスク32Bにおける天板324Bの上面は、図6に示す使用状態において、固定側デスク31Bにおける天板313Bの上面と同一平面上に位置する。
【0115】
可動側デスク32Bは、図7に示す非使用状態において、固定側デスク31Bと上下方向に重畳した状態で、固定側デスク31Bの上方に配置される。可動側デスク32Bにおける天板324Bの上面は、図7に示す非使用状態において、固定側デスク31Bにおける天板313Bの上面と当接する。
【0116】
尚、本実施形態の場合、固定側デスク31Bにおける天板313Bの上面及び可動側デスク32Bにおける天板324Bの上面が傾斜面である。このため、例えば、固定側デスク31Bにおける天板313Bの上面及び可動側デスク32Bにおける天板324Bの上面に、載置物が滑りにくくなるような表面処理を施してもよい。
【0117】
表面処理は、例えば、コーティング処理でもよいし、天板313Bの上面及び天板324Bの上面に、シート状の滑り防止部材を張り付けてもよい。又、載置物の滑落を防止するためのストッパを、天板324Bの前端部に設けてもよい。又、固定側デスク31Bにおける天板313Bの上面及び可動側デスク32Bにおける天板324Bの上面は、XY平面に平行な平坦面であってもよい。
【0118】
(付記)
上述の実施形態では、可動側デスクが固定側デスクに対して前後方向にスライドするスライド式の組み込み式デスク(実施形態1参照)、及び、可動側デスクが固定側デスクに対して回動する回動式の組み込み式デスク(実施形態3参照)について説明した。
【0119】
ただし、本発明に係る組み込み式デスクは、上述の実施形態1~3の構造に限定されない。例えば、本発明に係る組み込み式デスクを実施する場合に、固定側デスクと可動側デスクとは、分離可能な構造であってもよい。
【0120】
このような構成の場合、組み込み式デスクの非使用状態では、可動側デスクは、固定側デスクから分離される。一方、組み込み式デスクの使用状態では、可動側デスクは、固定側デスクの前端部に連結された状態で、固定側デスクの前方に配置される。
【0121】
又、上述の実施形態では、収容部の一例として、クローゼット2について説明した。但し、収容部は、クローゼットに限定されない。例えば、収容部は、一対の支持板部の間に収容空間を有する種々の構造であってよい。具体的には、収容部として、棚が上げられる。棚は、例えば、本棚や飾り棚、テレビ台等の複数の棚が組み合わされた構造であってもよい。又、収容部は、移動可能なものであってもよいし、例えば、壁等に固定された移動不可能なものであってもよい。
【0122】
以上、本発明の実施形態について説明した。尚、以上の説明は本発明の好適な実施形態の一例であり、本発明の範囲はこれに限定されない。つまり、上述の構成や各部分の形状についての説明は一例であり、本発明の技術的範囲においてこれらの例に対する様々な変更や追加が可能であることは明らかである。
【産業上の利用可能性】
【0123】
本発明に係る組み込み式デスクは、クローゼットに限らず、種々のシステム収納に適用できる。
【符号の説明】
【0124】
1 システム収納
2 クローゼット
21a、21b 側板
211a、211b、211c、211d 係合孔
22 背板
23 天板
24a、24b 扉
25 支持部材
251、252 前側支持部材
251a、252a 係合部
251b、252b 載置部
251c、252c 移動規制部
251d、252d 円輪部
253、254 後側支持部材
26 収容空間
3、3A、3B 組み込み式デスク
31、31B 固定側デスク
311、312、311B、312B 側板
313、313B 天板
314、314B 背板
315a、315b 固定側レール
316B 底板
317B 前板
32、32B 可動側デスク
321、322、321B、322B 側板
323、323B 背板
324、324B 天板
325 前板
325a、325b 可動側レール
33a、33b、34a、34b、35a、35b 回転防止部材
331a、331b、341a、341b、351a、351b 本体部
332a、332b、342a、342b 係合部
【要約】
【課題】使省スペース化を図ることができる組み込み式デスクを提供する。
【解決手段】組み込み式デスクは、内側面に複数の係合孔を有する一対の支持板部の間に配置される組み込み式デスクであって、係合孔に取り付けられた支持部材の上に載置される固定側デスクと、使用時に固定側デスクの前方に配置される可動側デスクと、係合孔に係合した状態で固定側デスクの上面に当接し、固定側デスクの回転を防止する一対の回転防止部材と、を備える。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7