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特許7079366携帯端末支持具および携帯端末支持システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-24
(45)【発行日】2022-06-01
(54)【発明の名称】携帯端末支持具および携帯端末支持システム
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/12 20060101AFI20220525BHJP
   A47G 29/00 20060101ALI20220525BHJP
   G06F 1/16 20060101ALI20220525BHJP
【FI】
H04M1/12 A
A47G29/00 A
G06F1/16 313A
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021173435
(22)【出願日】2021-10-22
【審査請求日】2021-10-22
【権利譲渡・実施許諾】特許権者において、権利譲渡・実施許諾の用意がある。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521465577
【氏名又は名称】岸村 昌樹
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】岸村 昌樹
【審査官】白川 瑞樹
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0231056(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2021/0153644(US,A1)
【文献】特表2013-535123(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0116383(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0305479(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G29/00
F16M11/00
13/04
G06F1/00
1/16-1/18
H04M1/02-1/23
H05K5/00-5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末を支持するための支持部材と、
前記支持部材を前記携帯端末を操作する操作者の身体に取付けるための取付け部材と、を備え、
前記支持部材は、
一端が前記取付け部材によって前記操作者の肩の位置に取付けられ、他端が前記携帯端末を支持する第1支持棒と、
一端が前記取付け部材によって前記操作者の肩よりも下の身体に取付けられ、他端が前記第1支持棒によって支持されている前記携帯端末を支持する第2支持棒と、を含み、
前記取付け部材が前記操作者に装着された状態で、前記第1支持棒は、前記操作者が直立した状態で当該操作者の肩から当該操作者の前方に伸び、且つ、当該操作者が当該第1支持棒の他端側に向ける視線に対して平行な状態で前記携帯端末を支持する、携帯端末支持具。
【請求項2】
前記第1支持棒は、伸縮自在である、請求項1に記載の携帯端末支持具。
【請求項3】
前記第2支持棒は、伸縮自在である、請求項1または2に記載の携帯端末支持具。
【請求項4】
前記第2支持棒の少なくとも一部は、可撓性を有する、請求項1~3の何れか1項に記載の携帯端末支持具。
【請求項5】
前記支持部材は、一端が前記携帯端末を支持し、他端が前記操作者によって支持される支持アームをさらに含む、請求項1~の何れか1項に記載の携帯端末支持具。
【請求項6】
請求項1~の何れか1項に記載の携帯端末支持具と、
前記携帯端末支持具によって支持される携帯端末を操作するリモコンと、を含む携帯端末支持システム。
【請求項7】
携帯端末を支持するための支持部材と、
前記支持部材を前記携帯端末を操作する操作者の身体に取付けるための取付け部材と、を備え、
前記支持部材は、
一端が前記取付け部材によって前記操作者の肩の位置に取付けられ、他端が前記携帯端末を支持する第1支持棒と、
一端が前記携帯端末を支持し、他端が前記操作者によって支持される支持アームと、を含み、
前記取付け部材が前記操作者に装着された状態で、前記第1支持棒は、前記操作者が直立した状態で当該操作者の肩から当該操作者の前方に伸び、且つ、当該操作者が当該第1支持棒の他端側に向ける視線に対して平行な状態で前記携帯端末を支持する、携帯端末支持具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末を支持する携帯端末支持具に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、スマートフォン等の携帯端末を操作する場合、操作者は携帯端末を片手で持ち、表示画面を見ながら操作する。この時、通常、操作者は、手に持った携帯端末を操作するために、首を傾ける姿勢となる。首は、頭を支えているため、首を傾けた姿勢が長く続くと、頭の重みによって首にかかる負担が大きくなる。従って、携帯端末を手に持って操作する場合、操作者の姿勢によっては、首にかかる負担が大きくなるという問題が生じる。
【0003】
そこで、例えば特許文献1に開示された携帯端末支持具のように、携帯端末を手に持たずに当該携帯端末を操作することで、操作者の首にかかる負担を軽減することが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2014-142899号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述のような従来技術では、操作者が好みの位置に携帯端末の表示画面がくるように当該携帯端末を支持することができる。このため、操作者の首にかかる負担を軽減させる姿勢で携帯端末の表示画面を見ることが可能になる一方、操作者の首にかかる負担を増加させる姿勢で携帯端末の表示画面を見ることも可能になる。これは、携帯端末を支持する位置として、携帯端末の表示画面が見やすい位置が、必ずしも首に負担がかからない位置といえないためである。つまり、従来技術では、操作者の好みに応じて携帯端末の支持位置を決めることができるため、操作者の首にかかる負担を軽減させる姿勢を強制的に行わせるものではない。
【0006】
本発明の一態様は、携帯端末の操作者の首にかかる負担を軽減させる姿勢を強制的にとらせることができる携帯端末支持具を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様にかかる携帯端末支持具は、携帯端末を支持するための支持部材と、前記支持部材を前記携帯端末の操作者の身体に取付けるための取付け部材と、を備え、前記支持部材は、一端が前記取付け部によって前記操作者の肩の位置に取付けられ、他端が前記携帯端末を支持する第1支持棒を含み、前記取付け部材が前記操作者に装着された状態で、前記第1支持棒は、前記操作者が直立した状態で当該操作者の肩から当該操作者の前方に伸び、且つ、当該操作者が当該第1支持棒の他端側に向ける視線に対して平行な状態で前記携帯端末を支持する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、携帯端末の操作者の首にかかる負担を軽減させる姿勢を強制的にとらせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態1に係る携帯端末支具を操作者に装着した状態の側面図である。
図2図1に示す携帯端末支持具を操作者に装着した状態の背面図および正面図である。
図3図1に示す携帯端末支持具を上方からみた平面図である。
図4】操作者の視線の向きに伴う首の骨の形状変化を説明する図である。
図5図1に示す携帯端末支持具を操作者に装着した状態における、操作者の視線の向きと、携帯端末の支持位置との関係を説明する図である。
図6】本発明の他の実施形態に係る携帯端末支持具を操作者に装着した状態の側面図である。
図7図6に示す携帯端末支持具を操作者に装着した状態の背面図および正面図である。
図8】本発明のさらに他の実施形態に係る携帯端末支持具を操作者に装着した状態の側面図である。
図9】本発明のさらに他の実施形態に係る携帯端末支持具を操作者に装着した状態の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
〔実施形態1〕
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。
【0011】
<携帯端末支持具の概要>
図1は、本実施形態に係る携帯端末支持具200をスマートフォン等の携帯端末301を操作する操作者100に装着した状態を示す。図2は、図1に示す携帯端末支持具200を操作者100の身体に装着した状態における背面図および正面図を示す。図3は、図1に示す携帯端末支持具200を操作者100に装着した状態において上方から見た平面図を示す。
【0012】
携帯端末支持具200は、第1支持棒201、第2支持棒202、端末固定部203、支持部204、取付け部220を含む。第1支持棒201、第2支持棒202、端末固定部203および支持部204は、携帯端末301を支持するための支持部材として機能する。取付け部220は、操作者100に装着され、第1支持棒201および第2支持棒202を取付ける取付け部材として機能する。以下、支持部材、取付け部材について説明する。
【0013】
<支持部材の詳細>
第1支持棒201は、金属製のパイプ状の部材からなる。第1支持棒201は、図1に示すように、一端である端部201aが操作者100の左側の肩103の位置で支持するように取付け部220によって取付けられている。また、第1支持棒201は、他端である端部201bに、携帯端末301を固定するための端末固定部203を、パイプ205を介して支持する支持部204が取付けられている。パイプ205は、金属製の伸縮自在なパイプであり、支持部204によって固定されている。端末固定部203は、携帯端末301の表示画面301aを所望する方向に向くように固定する。ここでは、端末固定部203は、携帯端末301の表示画面301aが操作者100の顔側に向くように当該携帯端末301を固定する。このように、携帯端末301は、第1支持棒201の端部201bに取付けられた支持部204によって固定されたパイプ205に接続された端末固定部203によって固定されている。つまり、第1支持棒201は、操作者100の肩103から前方に伸びた先の端部201bによって、携帯端末301を支持しているといえる。また、端末固定部203は、携帯端末301をワンタッチで着脱可能にしてもよい。
【0014】
端末固定部203には、固定した携帯端末301の一方の側面側(例えば左の肩103で第1支持棒201を支持している場合には右側)を覆う遮蔽部材を設けてもよい。これにより、携帯端末301の表示画面301aののぞき見を防止することができる。また、端末固定部203の携帯端末301を固定する領域以外の領域にミラーを配置してもよい。これにより、携帯端末301を見ているときに、ミラーにより自分の背面側の様子を確認することができる。
【0015】
第1支持棒201は、操作者100が直立した状態で取付け部220を装着した当該操作者100の左側の肩103から前方に伸び、且つ、地面に対して平行な状態で携帯端末301を支持するように、取付け部220によって固定されている。なお、第1支持棒201は、操作者100が当該第1支持棒201の他端側である端部201b側(携帯端末301)に向ける視線Xと平行な状態で携帯端末301を支持するように取付け部220によって固定されていればよく、当該第1支持棒201が地面に対して平行な状態である必要はない。ここで、第1支持棒201と、操作者100が携帯端末301に向ける視線Xとが平行な状態は、厳密な平行状態を含むが、厳密な平行状態から少しずれている状態も含む。例えば、操作者100の視線Xが第1支持棒201によって支持されている携帯端末301の表示画面301aの範囲内にあれば、第1支持棒201は、操作者100が携帯端末301に向ける視線Xよりも上になってもよく、また、下になってもよい。さらに、操作者100の視線Xが携帯端末301の表示画面301aの範囲内にあれば、第1支持棒201は左右にずれていてもよい。なお、取付け部220による第1支持棒201の固定についての詳細は後述する。
【0016】
第2支持棒202は、金属製のパイプ状の部材からなり、一端である端部202aが取付け部220によって操作者100の左側の腰105の位置に取付けられ、他端である端部202bが支持部204に固定されたパイプ205に接続されている。第2支持棒202は、端部202a側において取付け部220によって操作者100の胸104の位置においても支持されている。このように、第2支持棒202は、端部202bが支持部204に固定されたパイプ205に接続されているので、支持部204が取付けられた第1支持棒201を支持することにもなり、第1支持棒201が地面側に傾き難くすることができる。第2支持棒202は、操作者100が直立した状態で、第1支持棒201を、操作者100が携帯端末301に向ける視線Xに対して平行になるように支持するために、略S字状に折り曲がった形状をしている。つまり、第2支持棒202は、端部202aが取付け部220によって操作者100の腰105の位置に取付けられ、端部202bが第1支持棒201によって支持されている携帯端末301を支持するのに適した形状をしている。
【0017】
操作者100は、携帯端末支持具200を装着した状態では、携帯端末301の表示画面301aを見ることができるものの、直接タッチしながら操作するのは難しい。このため、携帯端末支持具200を装着した場合には、携帯端末301を操作するためのリモコン310を用いる。例えば、図1に示すように、携帯端末支持具200が装着された操作者100は、手106にリモコン310を持って、当該操作者100の視線Xの先にある携帯端末301の操作を行う。リモコン310には、図示しないが、レバーやボール、各操作を実行するためのボタンが設けられ、操作者100は、手106によってレバーやボールを操作しながらボタンを押下することで、画面のスクロール、ピンチイン、ピンチアウト等を行う。なお、携帯端末301の操作は、リモコン310による操作だけでなく、音声による操作であってもよい。ここで、携帯端末301を支持した状態の携帯端末支持具200と、リモコン310とを含めたシステムを、携帯端末支持システムとする。
【0018】
携帯端末支持具200を、操作者100が直立した姿勢で、頭部101を正しい位置にした状態で装着して、操作者100の視線Xの先には携帯端末301の表示画面301aが存在するようにするためには、操作者100の体格、視力等を考慮する必要がある。操作者100の体格、視力等を考慮するためには、少なくとも第1支持棒201および第2支持棒202は伸縮自在であることが好ましい。これにより、操作者100の体格や視力等に応じて、第1支持棒201および第2支持棒202の長さを調整することで、体格、視力等に応じた適切な位置で携帯端末301を支持することができる。さらに、パイプ205が伸縮自在であるので、端末固定部203の位置の高さ調整を容易に行うことができる。
【0019】
第1支持棒201を長くすれば、操作者100から携帯端末301までの距離が長くなり、第1支持棒201を短くすれば、操作者100から携帯端末301までの距離が短くなる。つまり、第1支持棒201の長さ調整は、主に、操作者100の視力に応じて行う。
【0020】
第2支持棒202を長くすれば、第1支持棒201が上側に傾斜し、第2支持棒202を短くすれば、第1支持棒201が下側に傾斜する。つまり、第2支持棒202の長さ調整は、主に、第1支持棒201と操作者100の視線Xとが平行な状態を保つように行う。
【0021】
なお、第2支持棒202は、少なくとも一部が可撓性を有する棒状の部材であることが好ましい。このように、第2支持棒202が可撓性を有していれば、第2支持棒202に加わる外力を吸収することが可能となり、携帯端末支持具200を装着している操作者100の安全を確保することができる。さらに、可撓性を有する棒状の部材として、曲げた形状を保持できる金属フレキシブルチューブを用いれば、第2支持棒202の形状の自由度が高くなる。これにより、第2支持棒202の形状を予め決める必要はなく、操作者100の体格に合わせて、第2支持棒202の形状を自由に変化させることができる。第2支持棒202を全て金属フレキシブルチューブで構成すれば、さらに、操作者100にとって適切な形状で第2支持棒202を取付け部220に取付けることができる。また、第2支持棒202は、パイプ205と一体化した一本の金属フレキシブルチューブからなっていてもよい。
【0022】
第1支持棒201および第2支持棒202を、図1に示す状態になるように維持するには、当該第1支持棒201および第2支持棒202は操作者100に装着された取付け部220によってしっかりと固定される必要がある。
【0023】
<取付け部材の詳細>
図2の符号1021は、取付け部220を装着した操作者100を背面から見た図を示し、符号1022は、取付け部220を装着した操作者100を正面から見た図を示す。
【0024】
取付け部220は、図2に示すように、紐状の第1取付具221および第2取付具222、棒状の支持棒固定具230を含む。第1取付具221は、第1ベルト221aと第2ベルト221bと第3ベルト221cと含む。第1ベルト221aは、操作者100の両方の肩103から胸104まで延び、胸104から両方の脇を通り背中107まで延び、さらに、背中107から両方の肩103まで延びたベルトである。第2ベルト221bは、胸104側で第1ベルト221a同士を接続するベルトである。第3ベルト221cは、背中107側で第1ベルト221a同士を接続するベルトである。
【0025】
支持棒固定具230は、金属製のパイプ状の部材からなり、両端部が操作者100の両方の肩103の位置で、両方の肩103それぞれに存在する第1ベルト221aに固定されている。さらに、支持棒固定具230は、両方の端部それぞれ第1固定部231と第2固定部232とが取付けられている。第1固定部231は、操作者100の左側の肩103において、支持棒固定具230の一端部である端部230aに第1支持固定部211を固定する固定部である。第2固定部232は、操作者100の右側の肩103において、支持棒固定具230の他端部である端部230bに肩掛け棒240を固定するための固定部である。
【0026】
第1固定部231は、図3に示すように、第1支持固定部211の第1固定部材211aおよび第2固定部材211bをネジ231bによって固定する。図3では、パイプ205は、第1支持棒201に対して右側に配置されているが、第1支持棒201に対して左側に配置されていてもよい。
【0027】
第2固定部232は、ネジ232aによって肩掛け棒240を固定する。肩掛け棒240は、曲げた形状を保持できるフレキシブルな棒状の部材(例えば形状保持チューブ)からなり、ほぼ中央で第2固定部232によって固定される。肩掛け棒240は、携帯端末支持具200を操作者100に装着する際に、操作者100の右側の肩103の形状に合わせて折曲げることによって、操作者100の肩103における携帯端末支持具200の装着を安定化させる。
【0028】
第2取付具222は、図1に示すように、操作者100の腰105の周囲に巻かれた紐状の部材であり、操作者100の前面側において第2支持棒202の他端を固定して支持する第1支持固定部212が設けられている。なお、操作者100がズボン、スカート等を履く際に、腰105にベルトを巻く場合であれば、腰105に巻いたベルトを第2取付具222として使用してもよい。
【0029】
なお、第1支持固定部212による第2支持棒202の固定支持をより強固なものにするために、図1に示すように、上述した第1取付具221における操作者100の胸104側の第1ベルト221aに第2支持棒202の端部202a側を支持固定する第2支持固定部213を設けてもよい。
【0030】
(効果)
図4は、操作者100の視線Xの向きに伴う首102の骨110の形状変化を説明する図である。図5は、操作者100の視線Xの向きと、携帯端末301の支持位置との関係を説明する図である。
【0031】
一般に、携帯端末301を手に持った状態で当該携帯端末301の表示画面301aを見る場合、図4の符号1041に示すように、操作者100の首102は、視線Xの先が手元に向うように曲がる。このとき、首102の骨110は、真っ直ぐに伸びた状態となる。この状態を長時間続けると、首102に負担がかかる。一方、操作者100が直立した状態で正面を向いた場合、図4の符号1042に示すように、操作者100の首102は曲がらない。このとき、首102の骨110は、カーブを描いた状態となる。この状態では、首102に負担がかからない。
【0032】
そこで、上記構成の携帯端末支持具200を、操作者100が直立した姿勢で、頭部101を正しい位置にした状態で装着すれば、図5の符号1051に示すように、操作者100の視線Xの先には携帯端末301の表示画面301aが存在するようになる。この場合、操作者100の視線Xは、第1支持棒201と平行、且つ、地面と平行になるので、操作者100は頭部101を前側下向きに傾ける姿勢とはならず、首102も曲がった状態(図4の符号1041)にはならない。つまり、携帯端末支持具200を装着した操作者100が直立した状態であれば、携帯端末301は常に操作者100の肩103から第1支持棒201に対して平行に伸びる線上に配置されていることになる。これにより、操作者100は、直立した状態で首102を下に曲げた場合、図5の符号1052に示すように、操作者100の視線Xが携帯端末301の表示画面301aから外れるので、携帯端末301の表示画面301aを見ることができない。従って、携帯端末301の表示画面301aを見るために、操作者100は必然的に直立した状態で正面を向く姿勢をとることになり、携帯端末301を見る際には首102を曲げることがないので、首102に負担がかかりにくい。以上のように、携帯端末支持具200を用いれば、携帯端末301を見る際の操作者100の姿勢を、首102に負担がかからない姿勢に強制的にすることが可能となる。
【0033】
なお、携帯端末支持具200を装着した操作者100が首102を曲げずに、腰105を曲げて前傾姿勢をとった場合、第1支持棒201と地面とは平行にならないものの、操作者100の視線Xと第1支持棒201とは平行になる。従って、操作者100は携帯端末301の表示画面301aを見ることができる。この場合においても、操作者100は、首102を曲げていないため、首102への負担がかからない。
【0034】
なお、本実施形態では、第1支持棒201を操作者100の左側の肩103の位置で支持するように取付け、第2支持棒202を操作者100の左側の腰105の位置で支持するように取付けた例について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、図3に示す支持棒固定具230の第1固定部231と第2固定部232とを左右入替えることで、第1支持棒201を操作者100の右側の肩103の位置で支持するように取付け、第2支持棒202を操作者100の右側の腰105の位置で支持するように取付けてもよい。また、図3に示すように、支持棒固定具230の第1固定部231を左側に配置して、第1支持棒201を操作者100の左側の肩103の位置で支持するように取付け、第2支持棒202を操作者100の右側の腰105の位置で支持するように取付けてもよい。
【0035】
また、第1支持棒201および第2支持棒202が金属製のパイプからなる例について説明したが、金属製のパイプに限定されない。ある程度の強度を有するものであれば、例えば樹脂製のパイプを、第1支持棒201および第2支持棒202に使用してもよい。携帯端末支持具200を操作者100に装着することを考慮した場合、当該携帯端末支持具200はできるだけ軽量であることが好ましいので、軽量化と強度とを担保できる素材を、第1支持棒201、第2支持棒202として用いるのが好ましい。
【0036】
さらに、取付け部220の構成についても、上述した構成に限定されるものではなく、第1支持棒201および第2支持棒202を安定して固定できるように取付けることができる構造であればよい。
【0037】
また、携帯端末301を2本の支持棒(第1支持棒201、第2支持棒202)によって保持しているため、当該携帯端末301の重さを第1支持棒201と第2支持棒202に分散させることができる。つまり、携帯端末301の重さを操作者100の肩103と腰105に分散させることができる。これにより、携帯端末301を支持する場合の操作者100の重さの負担を軽減することができる。
【0038】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0039】
<携帯端末支持具の概要>
図6は、本実施形態に係る携帯端末支持具400をスマートフォン等の携帯端末301を操作する操作者100に装着した状態を示す概略図である。本実施形態の携帯端末支持具400は、携帯端末301を支持するために一本の支持棒401を使用している点で、前記実施形態1の携帯端末支持具200と異なる。
【0040】
携帯端末支持具400は、支持棒401、端末固定部403、支持部404、取付け部420を含む。支持棒401、端末固定部403、支持部404は、携帯端末301を支持するための支持部材として機能する。取付け部420は、操作者100に装着され、支持棒401を取付ける取付け部材として機能する。以下、支持部材、取付け部材について説明する。
【0041】
<支持部材の詳細>
支持棒401は、金属製のパイプ状の部材からなる。支持棒401は、図6に示すように、一端である端部401aが操作者100の左側の肩103の位置で支持するように取付け部材420によって取付けられる。さらに、支持棒401は、他端である端部401bに、携帯端末301を固定するための端末固定部403を、パイプ405を介して支持する支持部404が取付けられている。パイプ405は、金属製の伸縮自在なパイプであり、支持部404によって固定されている。端末固定部403は、携帯端末301の表示画面301aを所望する方向に向くように固定する。ここでは、端末固定部403は、携帯端末301の表示画面301aが操作者100の顔側に向くように固定する。このように、携帯端末301は、支持棒401に取付けられた支持部404によって固定されたパイプ405に接続された端末固定部403によって固定されている。つまり、支持棒401は、操作者100の肩103から前方に伸びた先の端部401bによって、携帯端末301を支持しているといえる。
【0042】
支持棒401は、操作者100が直立した状態で当該操作者100の左側の肩103から前方に伸び、且つ、地面に対して平行な状態で携帯端末301を支持するように、取付け部420によって固定されている。なお、支持棒401は、操作者100が携帯端末301に向ける視線Xと平行な状態となるように、取付け部420によって固定されていればよく、当該支持棒401が地面に対して平行な状態である必要はない。ここで、支持棒401と、操作者100が携帯端末301に向ける視線Xとが平行な状態は、厳密な平行状態を含むが、厳密な平行状態から少しずれている状態も含む。例えば、操作者100の視線Xが支持棒401によって支持されている携帯端末301の表示画面301aの範囲内にあれば、支持棒401は、操作者100が携帯端末301に向ける視線Xよりも上になってもよく、また、下になってもよい。さらに、操作者100の視線Xが携帯端末301の表示画面301aの範囲内にあれば、支持棒401は左右にずれていてもよい。なお、取付け部420による支持棒401の固定についての詳細は後述する。また、携帯端末支持具400によって支持される携帯端末301の操作については、前記実施形態1と同じリモコン310を用いて行う。ここでは、リモコン310の詳細については省略する。
【0043】
携帯端末支持具400を、操作者100が直立した姿勢で、頭部101を正しい位置にした状態で装着して、操作者100の視線Xの先には携帯端末301の表示画面301aが存在するようにするためには、操作者100の体格、視力等を考慮する必要がある。操作者100の体格、視力等を考慮するためには、少なくとも支持棒401は伸縮自在であることが好ましい。これにより、操作者100の体格や視力等に応じて、支持棒401の長さを調整することで、体格、視力等に応じた位置で携帯端末301を支持することができる。さらに、パイプ405が伸縮自在であるので、端末固定部403の位置の高さ調整を容易に行うことができる。
【0044】
支持棒401を長くすれば、操作者100から携帯端末301までの距離が長くなり、支持棒401を短くすれば、操作者100から携帯端末301までの距離が短くなる。つまり、支持棒401の長さ調整は、主に、操作者100の視力に応じて行う。
【0045】
支持棒401を、図6に示す状態に維持するには、当該支持棒401は操作者100に装着された取付け部420によってしっかりと固定される必要がある。
【0046】
<取付け部材の詳細>
図7の符号1071は、取付け部420を装着した操作者100を背面から見た図を示し、符号1072は、取付け部420を装着した操作者100を正面から見た図を示す。
【0047】
取付け部420は、図7に示すように、紐状の取付具421を含む。取付具421は、第1ベルト421a、第2ベルト421b、第3ベルト421cを含む。第1ベルト421aは、操作者100の両方の肩103から胸104まで延び、胸104から両方の脇を通り背中107まで延び、さらに、背中107から両方の肩103まで延びたベルトである。第2ベルト421bは、胸104側で第1ベルト421a同士を接続するベルトである。第3ベルト421cは、背中107側で第1ベルト421a同士を接続するベルトである。
【0048】
支持棒固定具430は、金属製のパイプ状の部材からなり、両端部が操作者100の両方の肩103位置で、両方の肩103それぞれに存在する第1ベルト421aに固定されている。さらに、支持棒固定具430は、一端部(左の肩103側)に第1支持固定部411を固定するための第1固定部431、他端部(右の肩103側)に肩掛け棒440を固定するための第2固定部432が取付けられている。第1固定部431は、ネジ431aによって支持棒固定具430に固定される。
【0049】
第1固定部431は、第1支持固定部411の第1固定部材411aおよび第2固定部材411bをネジ(図示せず)によって固定すると共に、肩掛け棒440を固定する。この肩掛け棒440は、曲げた形状を保持できるフレキシブルな棒状の部材からなり、操作者100の左側の肩103の形状に合わせて折曲げることによって、当該操作者100の肩103における携帯端末支持具400の装着を安定化させる。ここで、第1固定部材411aは、操作者100の肩103の位置における背中側に設けられ、第2固定部材411bは、操作者100の肩103の位置における正面側に設けられている。これによって、支持棒401を安定して操作者100の肩103で固定することが可能となる。
【0050】
第2固定部432は、ネジ432aによって肩掛け棒440を固定する。肩掛け棒440は、曲げた形状を保持できるフレキシブルな棒状の部材からなり、ほぼ中央が第2固定部432によって固定される。肩掛け棒440は、携帯端末支持具400を操作者100に装着する際に、操作者100の右側の肩103の形状に合わせて折曲げることによって、操作者100の肩103における携帯端末支持具400の装着を安定化させる。
【0051】
以上のように、取付け部420は、操作者100の両方の肩103それぞれに肩掛け棒440によって当該取付け部420を固定するようになっているので、当該取付け部420に取付けられた支持棒401も安定して固定される。
【0052】
(効果)
携帯端末支持具400においても、前記実施形態1で説明した携帯端末支持具200と同様の効果を奏することができる。すなわち、携帯端末支持具400を装着した操作者100は、図6に示すように、直立状態であれば、当該操作者100の視線Xが地面に対して平行、且つ、支持棒401に対して平行となる。これにより、支持棒401によって支持されている携帯端末301の表示画面301aを見ることができる。このとき、操作者100の首102は、図4の符号1042に示すように、骨110が正常な状態とであるため、首102への負担がかからない。
【0053】
一方、携帯端末支持具400を装着した操作者100は、直立状態で頭101を下側に傾けて首102だけを曲げた状態であれば、当該操作者100の視線Xが支持棒401に対して平行とはならず、支持棒401によって支持されている携帯端末301の表示画面301aを見ることができない。
【0054】
このように、携帯端末支持具400を装着した状態で、携帯端末301の表示画面301aを見るためには、操作者100は正面を向かざるを得ないので、首102は曲がらない。つまり、首102への負担がかからない。
【0055】
なお、携帯端末支持具400を装着した操作者100が首102を曲げずに、腰105を曲げて前傾姿勢となった場合、支持棒401と地面とは平行にならないものの、操作者100の視線Xと支持棒401との平行が維持されているため、操作者100は携帯端末301の表示画面301aを見ることができる。この場合においても、操作者100は、首102を曲げていないため、首102への負担がかからない。
【0056】
なお、本実施形態では、支持棒401、支持部404、パイプ405を別々の部材として説明したが、これらの部材が一体化してもよい。例えば、支持棒401、支持部404、パイプ405を、略L字状に形成した1本のパイプで構成してもよい。
【0057】
また、本実施形態では、支持棒401を操作者100の左側の肩103の位置で支持するように取付けた例について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、図3に示す支持棒固定具230の第1固定部231と第2固定部232とを左右入替えることで、支持棒401を操作者100の右側の肩103の位置で支持するように取付けてもよい。
【0058】
さらに、支持棒401が金属製のパイプからなる例について説明したが、金属製のパイプに限定されない。ある程度の強度を有するものであれば、例えば樹脂製のパイプを、支持棒401に使用してもよい。携帯端末支持具400を操作者100に装着することを考慮した場合、当該携帯端末支持具400はできるだけ軽量であることが好ましいので、軽量化と強度とを担保できる素材を、支持棒401として用いるのが好ましい。
【0059】
また、取付け部420の構成についても、上述した構成に限定されるものではなく、操作者100に装着可能であって、支持棒401を安定して固定できるように取付けることができる構造であればよい。
【0060】
携帯端末301は、図1に示す携帯端末支持具200、および図6に示す携帯端末支持具400の何れの支持具であっても十分に安定して支持することができ、しかも、操作時の携帯端末301の揺れもある程度防止することができる。しかしながら、操作者100が乗り物等に乗って移動する際には、携帯端末301の揺れを防止するためのさらなる構成を追加することが好ましい。以下の実施形態3,4において、携帯端末301の揺れをさらに防止するための構成について説明する。実施形態3では、前記実施形態1の携帯端末支持具200に揺れを防止するための構成を加えた例、実施形態4では、前記実施形態2の携帯端末支持具400に揺れを防止するための構成を加えた例について説明する。
【0061】
〔実施形態3〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態1にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0062】
<携帯端末支持具200に追加した場合>
図8は、本実施形態に係る携帯端末支持具200Aをスマートフォン等の携帯端末301を操作する操作者100に装着した状態を示す概略図である。本実施形態の携帯端末支持具200Aは、基本的な構成は、前記実施形態1の携帯端末支持具200と同じであり、支持アーム500を備えている点で異なる。つまり、携帯端末支持具200Aは、第1支持棒201および第2支持棒202を含む支持部材に、さらに、支持アーム500を加え、携帯端末301を支持する構成となっている。
【0063】
支持アーム500は、伸縮自在な金属製のパイプ状の部材からなる支持棒501と、支持棒501の一方の端部501aに取付けられた把持部502とを含む。把持部502は、支持棒501の端部501aにおいて支持軸503によって回動自在に支持されている。支持軸503は、支持棒501に対して例えばネジ止め可能な構造となっている。支持軸503は、把持部502を支持棒501の端部501aにネジ止めすることで、当該把持部502を支持棒501に対して所望する位置で固定する。この所望する位置は、把持部502がパイプ205を把持した状態で、操作者が支持棒501を持ち易い位置である。支持棒501における把持部502と反対側の端部501bは、操作者100の手106によって把持される取手として機能する。つまり、支持アーム500は、一端が携帯端末301を支持し、他端が操作者100によって支持される。
【0064】
把持部502は、支持部204と端末固定部203との間に配置されたパイプ205を把持する。把持部502は、例えば金属製のクリップからなりパイプ205を挟み込むようにして把持する。なお、把持部502によるパイプ205の把持の方法としては、上述したクリップによる挟み込みに限定されるものではなく、二つの部材によってパイプ205を挟み込むようにして、二つの部材をネジ止めすることで当該パイプ205に固定するような方法であってもよい。また、把持部502の素材としては、金属に限定されるものではなく、ある程度の剛性を有する樹脂等の素材であってもよい。
【0065】
支持アーム500は、把持部502によってパイプ205を把持し、支持棒501の端部501bが操作者100の手106によって把持されることで、端末固定部203によって支持されている携帯端末301をさらに支持することになる。これにより、携帯端末301の支持を、第1支持棒201と第2支持棒202のみによって行う場合よりも、さらに安定化させることができる。従って、携帯端末301の揺れをより低減することが可能となるため、操作者100は当該携帯端末301の表示画面301aを安定して見ることができる。つまり、支持アーム500を使用することで携帯端末301の揺れを大幅に低減することが可能となる。一般に、携帯端末301が揺れることに起因して酔いが生じる場合がある。しかしながら、支持アーム500によって携帯端末301をさらに支持することで、携帯端末301の揺れに起因する酔いを低減させることができる。
【0066】
つまり、上記構成の携帯端末支持具200Aを用いれば、携帯端末301を見る際の操作者100の姿勢を、首102に負担がかからない姿勢にすることと、携帯端末301の揺れに起因する酔いを低減させることとの両方を担保することが可能となる。
【0067】
なお、図8に示す例では、第1支持棒201を操作者100の左側の肩103の位置で支持し、支持アーム500を右側の手106で把持する例について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、図3に示す支持棒固定具230において第1固定部231と第2固定部232とを左右入替えて、支持部204におけるパイプ205を第1支持棒201に対して左側に配置することで、第1支持棒201を操作者100の右側の肩103の位置で支持し、支持アーム500を左側の手106で把持するようにしてもよい。
【0068】
また、第1支持棒201を支持している肩103と同じ側の手106で支持アーム500を把持するようにしてもよい。具体的には、第1支持棒201を支持しているのが左の肩103であれば、左の手106で支持アーム500を把持し、第1支持棒201を支持しているのが右の肩103であれば、右の手106で支持アーム500を把持してもよい。例えば、図3に示すように、支持棒固定具230の第1固定部231を左の肩103の位置に置いた場合に、支持部204におけるパイプ205を第1支持棒201に対して左側に配置することで、支持アーム500を左の手106で把持してもよい。また、図3に示す支持棒固定具230の第1固定部231と第2固定部232とを左右入替えることで、第1支持棒201を右側の肩103で支持し、支持アーム500を右の手106で把持してもよい。
【0069】
さらに、携帯端末301を、第1支持棒201、第2支持棒202に加えて、支持アーム500によって支持することで、当該携帯端末301の重さを3つの支持部材(第1支持棒201、第2支持棒202、支持アーム500)に分散させることができる。そのため、操作者100への重さの負担を軽減することができる。
【0070】
〔実施形態4〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態2にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0071】
<携帯端末支持具400に追加した場合>
図9は、本実施形態に係る携帯端末支持具400Aをスマートフォン等の携帯端末301を操作する操作者100に装着した状態を示す概略図である。本実施形態の携帯端末支持具400Aは、基本的な構成は、前記実施形態2の携帯端末支持具400と同じであり、支持アーム500を備えている点で異なる。つまり、携帯端末支持具400Aは、支持棒401を含む支持部材に、さらに、支持アーム500を加え、携帯端末301を支持する構成となっている。この支持アーム500は、前記携帯端末支持具200Aに備えられた支持アーム500と同じであるため、詳細な説明は省略する。
【0072】
支持アーム500は、把持部502が支持部404と端末固定部403との間に配置されたパイプ405を把持することによって、端末固定部403によって支持されている携帯端末301をさらに支持することになる。これにより、携帯端末301の支持を支持棒401のみによって行う場合よりも、さらに安定化させることができる。従って、携帯端末301の揺れをより低減することが可能となるため、操作者100は当該携帯端末301の表示画面301aを安定して見ることができる。つまり、支持アーム500を使用することで携帯端末301の揺れを大幅に低減することが可能となる。一般に、携帯端末301が揺れることに起因して酔いが生じる場合がある。しかしながら、支持アーム500によって携帯端末301をさらに支持することで、携帯端末301の揺れに起因する酔いを低減させることができる。
【0073】
つまり、上記構成の携帯端末支持具400Aを用いれば、携帯端末301を見る際の操作者100の姿勢を、首102に負担がかからない姿勢にすることと、携帯端末301の揺れに起因する酔いを低減させることとの両方を担保することが可能となる。
【0074】
また、携帯端末301を、支持棒401に加えて、支持アーム500によって支持することで、当該携帯端末301の重さを2つの支持部材(支持棒401、支持アーム500)に分散させることができる。そのため、操作者100への重さの負担を軽減することができる。
【0075】
なお、図9に示す例では、支持棒401を操作者100の左側の肩103の位置で支持し、支持アーム500を右側の手106で把持する例について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、支持棒401を操作者100の右側の肩103の位置で支持し、支持アーム500を左側の手106で把持するようにしてもよい。また、支持棒401を支持している肩103と同じ側の手106で支持アーム500を把持するようにしてもよい。具体的には、支持棒401を支持しているのが左の肩103であれば、左の手106で支持アーム500を把持し、支持棒401を支持しているのが右の肩103であれば、右の手106で支持アーム500を把持する。
【0076】
また、図9に示す例では、支持棒501は、支持棒401に対して右側(図面では奥側)に配置されているが、これに限定されるものではなく、支持棒501は、支持棒401に対して左側(図面では手前側)に配置されていてもよい。
【0077】
前記実施形態3,4において、支持アーム500における支持棒501の長さはできるだけ短いほうが、携帯端末301の揺れの防止効果が高い。但し、支持棒501が短すぎる場合、携帯端末301の揺れの防止効果が高いものの、操作者100が持つ手を伸ばしぎみになるため、当該操作者100に負担がかかる。このため、支持棒501は、揺れの防止効果を高めることと、操作者100への負担がかかり難いこととの両方を担保できる長さに調整することが好ましい。
【0078】
さらに、支持アーム500の支持棒501が金属製のパイプからなる例について説明したが、金属製のパイプに限定されない。ある程度の強度を有するものであれば、例えば樹脂製のパイプを、支持棒501に使用してもよい。
【0079】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0080】
100 操作者、101 頭部、102 首、103 肩、104 胸、105 腰、106 手、107 背中、200、200A 携帯端末支持具、201 第1支持棒(支持部材)、201a 端部(一端)、201b 端部(他端)、202 第2支持棒(支持部材)、202a 端部(一端)、202b 端部(他端)、203 端末固定部(支持部材)、204 支持部(支持部材)、205 パイプ(支持部材)、211 第1支持固定部、211a 第1固定部材、211b 第2固定部材、212 第1支持固定部、213 第2支持固定部、220 取付け部、221 第1取付具、221a 第1ベルト、221b 第2ベルト、221c 第3ベルト、222 第2取付具、230 支持棒固定具、230a 端部(一端)、230b 端部(他端)、231 第1固定部、231a ネジ、231b ネジ、232 第2固定部、232a ネジ、301 携帯端末、301a 表示画面、310 リモコン、400、400A 携帯端末支持具、401 支持棒(支持部材)、401a 端部(一端)、401b 端部(他端)、403 端末固定部(支持部材)、404 支持部(支持部材)、405 パイプ(支持部材)、411 第1支持固定部、411a 第1固定部材、411b 第2固定部材、420 部材、421 取付具、421a 第1ベルト、421b 第2ベルト、421c 第3ベルト、430 支持棒固定具、431 第1固定部、431a ネジ、432 第2固定部、432a ネジ、500 支持アーム、501 支持棒、502 把持部、503 支持軸、X 視線
【要約】
【課題】携帯端末の操作者の首にかかる負担を軽減させる姿勢を強制的にとらせること。
【解決手段】携帯端末支持具(200)は、操作者(100)が直立した状態で当該操作者(100)の肩(103)から前方に伸び、且つ、当該操作者(100)が携帯端末(301)に向ける視線(X)に対して平行な状態で当該携帯端末(301)を支持する第1支持棒(201)および第2支持棒(202)を備える。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9