IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社カプコンの特許一覧

特許7079406ゲームプログラム、ゲーム装置およびゲームシステム
<>
  • 特許-ゲームプログラム、ゲーム装置およびゲームシステム 図1
  • 特許-ゲームプログラム、ゲーム装置およびゲームシステム 図2
  • 特許-ゲームプログラム、ゲーム装置およびゲームシステム 図3
  • 特許-ゲームプログラム、ゲーム装置およびゲームシステム 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-25
(45)【発行日】2022-06-02
(54)【発明の名称】ゲームプログラム、ゲーム装置およびゲームシステム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/69 20140101AFI20220526BHJP
   A63F 13/58 20140101ALI20220526BHJP
【FI】
A63F13/69 510
A63F13/58
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020122945
(22)【出願日】2020-07-17
(65)【公開番号】P2022019226
(43)【公開日】2022-01-27
【審査請求日】2020-11-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135677
【弁理士】
【氏名又は名称】澤井 光一
(72)【発明者】
【氏名】木村 哲
【審査官】岸 智史
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-170739(JP,A)
【文献】特開2019-170740(JP,A)
【文献】特開2019-198657(JP,A)
【文献】特開2016-214465(JP,A)
【文献】『ファンタジーライフオンライン』本日をもって引退します。ありがとうございました。,mtg60.com -HARDCORE GAME BLOG- [online],2018年07月23日,https://mtg60.com/archives/flo-intai.html,[2021年11月11日検索]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/69
A63F 13/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
ユーザの要求に応じてゲーム媒体の抽選を実行する抽選実行手段、
前記抽選実行手段によって前記ゲーム媒体のうち第1種ゲーム媒体が当選された後、次回以降のゲーム媒体の抽選を実行する際に、前記当選した第1種ゲーム媒体に適している前記第1種ゲーム媒体とは異なる種別の第2種ゲーム媒体の当選確率を、前記当選した第1種ゲーム媒体が有するパラメータに応じて変更する確率変更手段、
前記確率変更手段による前記当選確率の変更を解除条件に基づいて解除する変更解除手段、として機能させ、
前記解除条件は、前記抽選実行手段が前記抽選を実行した時点から所定期間を経過することを含む、
ゲームプログラム。
【請求項2】
前記確率変更手段は、前記抽選実行手段によって前記第1種ゲーム媒体が当選された後、次回以降のゲーム媒体の抽選を実行する際に、前記当選した第1種ゲーム媒体が第1条件を満たす場合、前記当選した第1種ゲーム媒体に適している前記第2種ゲーム媒体のうち、第2条件を満たす前記第2種ゲーム媒体の当選確率を上昇させ、前記第2条件を満たさない前記第2種ゲーム媒体の当選確率を低下させる、
請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
前記第1条件は、前記当選した第1種ゲーム媒体が有するパラメータが第1閾値以上であることを含み、
前記第2条件は、前記第2種ゲーム媒体が有するパラメータが第2閾値以下であることを含む、
請求項2に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
前記確率変更手段は、前記第2種ゲーム媒体の当選確率を変更した後に、前記第2種ゲーム媒体に適している前記第1種ゲーム媒体が当選しても、次の抽選を実行する際に、当選確率が変更された前記第2種ゲーム媒体の当選確率をさらに変更しない、
請求項1から3のいずれか一項に記載のゲームプログラム。
【請求項5】
前記確率変更手段は、前記第2種ゲーム媒体の当選確率を変更した後に、当選確率が変更された前記第2種ゲーム媒体が当選した場合、次の抽選を実行する際に、前記当選した第2種ゲーム媒体に適している前記第1種ゲーム媒体の当選確率を、前記当選した第2種ゲーム媒体が有するパラメータに応じて変更する、
請求項1から4のいずれか一項に記載のゲームプログラム。
【請求項6】
前記確率変更手段は、前記第2種ゲーム媒体の当選確率を変更した後に、当選した前記第1種ゲーム媒体に適していない前記第2種ゲーム媒体が当選した場合、次の抽選を実行する際に、前記当選した第2種ゲーム媒体に適している前記第1種ゲーム媒体の当選確率を、前記当選した第2種ゲーム媒体が有するパラメータに応じて変更する、
請求項1から5のいずれか一項に記載のゲームプログラム。
【請求項7】
前記第1種ゲーム媒体は、複数の区分に区別され、
前記確率変更手段は、前記第2種ゲーム媒体の当選確率を、前記第2種ゲーム媒体に適している前記第1種ゲーム媒体の前記区分の数に応じて変更する、
請求項1から6のいずれか一項に記載のゲームプログラム。
【請求項8】
コンピュータを、
ユーザの要求に応じてゲーム媒体の抽選を実行する抽選実行手段、
前記抽選実行手段によって前記ゲーム媒体のうち第1種ゲーム媒体が当選された後、次回以降のゲーム媒体の抽選を実行する際に、前記当選した第1種ゲーム媒体に適している前記第1種ゲーム媒体とは異なる種別の第2種ゲーム媒体の当選確率を、前記当選した第1種ゲーム媒体が有するパラメータに応じて変更する確率変更手段、として機能させ、
前記確率変更手段は、前記第2種ゲーム媒体の当選確率を変更した後に、前記第2種ゲーム媒体に適している前記第1種ゲーム媒体が当選しても、次の抽選を実行する際に、当選確率が変更された前記第2種ゲーム媒体の当選確率をさらに変更せず、
解除条件が満たされた場合には、
前記確率変更手段は、前記第2種ゲーム媒体の当選確率を変更した後に、前記第2種ゲーム媒体に適している前記第1種ゲーム媒体が当選したことに応じて、次の抽選を実行する際に、当選確率が変更された前記第2種ゲーム媒体の当選確率をさらに変更し、
前記解除条件は、前記抽選実行手段が前記抽選を実行した時点から所定期間を経過することを含む、
ゲームプログラム。
【請求項9】
コンピュータを、
ユーザの要求に応じてゲーム媒体の抽選を実行する抽選実行手段、
前記抽選実行手段によって前記ゲーム媒体のうち第1種ゲーム媒体が当選された後、次回以降のゲーム媒体の抽選を実行する際に、前記当選した第1種ゲーム媒体に適している前記第1種ゲーム媒体とは異なる種別の第2種ゲーム媒体の当選確率を、前記当選した第1種ゲーム媒体が有するパラメータに応じて変更する確率変更手段、として機能させ、
前記確率変更手段は、前記第2種ゲーム媒体の当選確率を変更した後に、前記第2種ゲーム媒体に適している前記第1種ゲーム媒体が当選しても、次の抽選を実行する際に、当選確率が変更された前記第2種ゲーム媒体の当選確率をさらに変更せず、
解除条件が満たされた場合には、
前記確率変更手段は、前記第2種ゲーム媒体の当選確率を変更した後に、前記第2種ゲーム媒体に適している前記第1種ゲーム媒体が当選したことに応じて、次の抽選を実行する際に、当選確率が変更された前記第2種ゲーム媒体の当選確率をさらに変更し、
前記解除条件は、前記抽選を含むイベントであって複数の前記ユーザに対して共通に第1期間と第2期間が設定されたイベントにおいて、第1期間が経過することを含む、
ゲームプログラム。
【請求項10】
コンピュータを、
ユーザの要求に応じてゲーム媒体の抽選を実行する抽選実行手段、
前記抽選実行手段によって前記ゲーム媒体のうち第1種ゲーム媒体が当選された後、次回以降のゲーム媒体の抽選を実行する際に、前記当選した第1種ゲーム媒体に適している前記第1種ゲーム媒体とは異なる種別の第2種ゲーム媒体の当選確率を、前記当選した第1種ゲーム媒体が有するパラメータに応じて変更する確率変更手段、
前記確率変更手段による前記当選確率の変更を解除条件に基づいて解除する変更解除手段、として機能させ、
前記解除条件は、前記抽選を含むイベントであって複数の前記ユーザに対して共通に第1期間と第2期間が設定されたイベントにおいて、第1期間が経過することを含む、
ゲームプログラム。
【請求項11】
ユーザの要求に応じてゲーム媒体の抽選を実行する抽選実行部と、
前記抽選実行部によって前記ゲーム媒体のうち第1種ゲーム媒体が当選された後、次回以降のゲーム媒体の抽選を実行する際に、前記当選した第1ゲーム媒体に適している前記第1種ゲーム媒体とは異なる種別の第2種ゲーム媒体の当選確率を、前記当選した第1種ゲーム媒体が有するパラメータに応じて変更する確率変更部と、
前記確率変更部による前記当選確率の変更を解除条件に基づいて解除する変更解除部と、を備え、
前記解除条件は、前記抽選実行部が前記抽選を実行した時点から所定期間を経過することを含む、
ゲーム装置。
【請求項12】
ユーザの要求に応じてゲーム媒体の抽選を実行する抽選実行部と、
前記抽選実行部によって前記ゲーム媒体のうち第1種ゲーム媒体が当選された後、次回以降のゲーム媒体の抽選を実行する際に、前記当選した第1種ゲーム媒体に適している前記第1種ゲーム媒体とは異なる種別の第2種ゲーム媒体の当選確率を、前記当選した第1種ゲーム媒体が有するパラメータに応じて変更する確率変更部と、
前記確率変更部による前記当選確率の変更を解除条件に基づいて解除する変更解除部と、を備え、
前記解除条件は、前記抽選実行部が前記抽選を実行した時点から所定期間を経過することを含む、
ゲームシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームプログラム、ゲーム装置およびゲームシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、抽選(以下、「ガチャ」ともいう)の実行によりアイテムやキャラクタなどのゲーム媒体をユーザに付与する技術が知られている(非特許文献1参照)。この技術における選択対象のゲーム媒体について、キャラクタやアイテムなどの異なる種別のゲーム媒体が混在することがある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】“ドラガリアロストのガチャで闇鍋の意味は何でヤバすぎる内容を暴露!”,[online],無課金者のかけ込み寺,[令和2年6月29日],インターネット,<https://possangames.work/dragalia-lost-gacha-dark-pot/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術における異なる種別のゲーム媒体が混在するガチャでは、ユーザにおいて、特定の種別のゲーム媒体の組み合わせ(例えば、キャラクタ「戦士」と戦士が装備可能なアイテム「剣」との組み合わせ)を獲得したい場合がある。しかしながら、特定の種別の組み合わせを獲得することは、確率としてそれぞれの種別のゲーム媒体の当選確率の積であるため、特定のゲーム媒体を単独で獲得する場合と比べてより困難となる。
【0005】
上記のようにより困難な特定の種別のゲーム媒体の組み合わせを獲得するために、ガチャの引き直しやゲームのリセットによる初回ガチャのやり直し(いわゆる「リセマラ」)をユーザによって繰り返し行われてしまうことがある。このようにガチャのやり直しが繰り返し行われてしまうと、ユーザにおいてガチャに対する興味を持続させることが難しくなり、ガチャに対する興味を早期に失ってしまうおそれがある。
【0006】
本開示は、異なる種別のゲーム媒体が混在する抽選において、ゲーム媒体獲得の興趣性を改善できるゲームプログラム、ゲーム装置およびゲームシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の側面は、コンピュータを、
ユーザの要求に応じてゲーム媒体の抽選を実行する抽選実行手段であって、前記ゲーム媒体は、第1種ゲーム媒体と、前記第1種ゲーム媒体とは異なる種別の第2種ゲーム媒体とを含む、抽選実行手段、
前記抽選実行手段によって前記第1種ゲーム媒体が当選された後、次回以降のゲーム媒体の抽選を実行する際に、前記当選した第1種ゲーム媒体に適している前記第2種ゲーム媒体の当選確率を、前記当選した第1種ゲーム媒体が有するパラメータに応じて変更する確率変更手段、として機能させる、
プログラムである。
【0008】
また、第1の側面において、前記確率変更手段は、前記抽選実行手段によって前記第1種ゲーム媒体が当選された後、次回以降のゲーム媒体の抽選を実行する際に、前記当選した第1種ゲーム媒体が第1条件を満たす場合、前記当選した第1種ゲーム媒体に適している前記第2種ゲーム媒体のうち、第2条件を満たす前記第2種ゲーム媒体の当選確率を上昇させ、前記第2条件を満たさない前記第2種ゲーム媒体の当選確率を低下させることができる。
【0009】
また、第1の側面において、前記第1条件は、前記当選した第1種ゲーム媒体が有するパラメータが第1閾値以上であることを含み、
前記第2条件は、前記第2種ゲーム媒体が有するパラメータが第2閾値以下であることを含むことができる。
【0010】
また、第1の側面において、前記確率変更手段は、前記第2種ゲーム媒体の当選確率を変更した後に、前記第2種ゲーム媒体に適している前記第1種ゲーム媒体が当選しても、次の抽選を実行する際に、当選確率が変更された前記第2種ゲーム媒体の当選確率をさらに変更しないことができる。
【0011】
また、第1の側面において、前記確率変更手段は、前記第2種ゲーム媒体の当選確率を変更した後に、当選した前記第1種ゲーム媒体に適していない前記第2種ゲーム媒体が当選した場合、次の抽選を実行する際に、前記当選した第2種ゲーム媒体に適している前記第1種ゲーム媒体の当選確率を、前記当選した第2種ゲーム媒体が有するパラメータに応じて変更することができる。
【0012】
また、第1の側面において、前記第1種ゲーム媒体は、複数の区分に区別され、
前記確率変更手段は、前記第2種ゲーム媒体の当選確率を、前記第2種ゲーム媒体に適している前記第1種ゲーム媒体の前記区分の数に応じて変更することができる。
【0013】
また、第1の側面において、解除条件が満たされた場合には、
前記確率変更手段は、前記第2種ゲーム媒体の当選確率を変更した後に、前記第2種ゲーム媒体に適している前記第1種ゲーム媒体が当選したことに応じて、次の抽選を実行する際に、当選確率が変更された前記第2種ゲーム媒体の当選確率をさらに変更することができる。
【0014】
また、第1の側面において、前記コンピュータを、前記確率変更手段による前記当選確率の変更を解除条件に基づいて解除する変更解除手段として機能させることができる。
【0015】
また、第1の側面において、前記解除条件は、前記抽選実行手段が前記抽選を実行した時点から所定期間を経過することを含むことができる。
【0016】
また、第1の側面において、前記解除条件は、前記抽選実行手段が、所定回数の抽選を実行すること、または、抽選を実行するための前記ユーザの要求を所定回数受け付けることを含むことができる。
【0017】
また、第1の側面において、前記解除条件は、前記抽選を含むイベントであって複数の前記ユーザに対して共通に第1期間と第2期間が設定されたイベントにおいて、第1期間が経過することを含むことができる。
【0018】
第2の側面は、ユーザの要求に応じてゲーム媒体の抽選を実行する抽選実行部であって、前記ゲーム媒体は、第1種ゲーム媒体と、前記第1種ゲーム媒体とは異なる種別の第2種ゲーム媒体とを含む、抽選実行部と、
前記抽選実行部によって前記第1種ゲーム媒体が当選された後、次回以降のゲーム媒体の抽選を実行する際に、前記当選した第1種ゲーム媒体に適している第2種ゲーム媒体の当選確率を、前記当選した第1種ゲーム媒体が有するパラメータに応じて変更する確率変更部と、を備える、
ゲーム装置である。
【0019】
第3の側面は、ユーザの要求に応じてゲーム媒体の抽選を実行する抽選実行部であって、前記ゲーム媒体は、第1種ゲーム媒体と、前記第1種ゲーム媒体とは異なる種別の第2種ゲーム媒体とを含む、抽選実行部と、
前記抽選実行部によって前記第1種ゲーム媒体が当選された後、次回以降のゲーム媒体の抽選を実行する際に、前記当選した第1種ゲーム媒体に適している第2種ゲーム媒体の当選確率を、前記当選した第1種ゲーム媒体が有するパラメータに応じて変更する確率変更部と、を備える、
ゲームシステムである。
【0020】
本開示によれば、異なる種別のゲーム媒体が混在する抽選において、ゲーム媒体獲得の興趣性を改善できるゲームプログラム、ゲーム装置およびゲームシステムを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本実施形態におけるゲームシステムの構成を示すブロック図である。
図2】本実施形態におけるゲームシステムの抽選リストの一例を示す概念図である。
図3】本実施形態におけるゲームシステムの動作の流れを表すフロー図である。
図4】本実施形態におけるゲームシステムの抽選リストの一例を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[実施形態]
本開示の実施形態(以下、「本実施形態」という)にかかるゲームシステム1について、図面を参照して説明する。
【0023】
<ゲームの説明>
図1に示すゲームシステム1では、サーバ装置2および複数のゲーム装置5が通信ネットワーク6を介して互いに通信可能に接続され、ゲーム装置5においてゲームが実行される。
【0024】
本実施形態にかかるゲームは、ゲームシステム1にて実行されるオンラインのゲームである。このゲームでは、ゲーム装置5のユーザは、1または複数のプレイヤキャラクタ(オブジェクトに相当)を仮想ゲーム空間で活動させたり、プレイヤキャラクタを、ノンプレイヤキャラクタである敵キャラクタと対戦させたりする。
【0025】
上記のようなゲームは、プレイステーション(登録商標)などの家庭用ゲーム機、ニンテンドースイッチ(登録商標)などの携帯用ゲーム機、もしくは、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレットなどの電子機器であるゲーム装置5、を用いて実行される。以下では、ゲーム装置5がスマートフォンである場合を例示する。
【0026】
<ゲームシステム1の概要>
ゲームシステム1は、サーバ装置2および複数のゲーム装置5にて構成される。サーバ装置2は、ゲームプログラムおよびゲームデータを記憶しており、ゲーム装置5の(下記のアカウント情報ごとの)ゲームデータの管理を行う。
【0027】
ゲーム装置5は、ユーザの操作に基づいて所定のゲームを実行する。そのために、ゲーム装置5は、通信ネットワーク6を介して、サーバ装置2からゲームプログラムおよびゲームデータを受信(具体的にはダウンロードおよびインストール)する。各ユーザには、ゲーム装置5に対応づけて、識別情報およびパスワードを含むアカウント情報が、ユーザごとに割り当てられている。このアカウント情報は、ログイン時、ゲーム装置5からサーバ装置2に送信され、サーバ装置2におけるユーザ認証に利用される。
【0028】
ユーザ認証を経て、サーバ装置2とゲーム装置5との相互通信が可能となる。ログイン後、ゲーム装置5は、ゲーム進行に必要なデータ(ゲーム進行状況に関するデータ)をサーバ装置2から受信すると、ユーザの操作に基づいてゲーム画像や音声をディスプレイ61およびスピーカ62に出力しながら、ゲームを進行させる。
【0029】
<ゲームシステム1の構成>
以下、図1を参照して、サーバ装置2およびゲーム装置5の各ハードウェア構成について説明する。なお、複数のゲーム装置5それぞれは、互いに同じ構成を有する。
【0030】
<サーバ装置2の構成>
図1に示すように、サーバ装置2は、ネットワークインターフェース21、記憶部22および制御部23を有する。ネットワークインターフェース21および記憶部22は、バス29を介して制御部23と電気的に接続されている。
【0031】
ネットワークインターフェース21は、インターネットおよびLANなどの通信ネットワーク6を介して各ゲーム装置5と通信可能接続されている。
【0032】
記憶部22は、HDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)およびSSD(Solid State Drive)などで構成される。記憶部22には、本実施形態にかかるゲームプログラムの一部を含む各種プログラムの他、ユーザDB221、抽選リスト222などの各種データなどが記憶されている。
【0033】
ユーザDB221には、ゲームをプレイするユーザの識別番号ごとに、ユーザが操作するプレイヤキャラクタに関する情報(ステータスなど)、仮想ゲーム空間内にて使用可能な消費媒体の額などが、対応づけて記憶されている。
【0034】
ここで、消費媒体は、仮想ゲーム空間内で使用可能な通貨やポイントなどであって、ゲームを進めるにあたりゲーム内で消費される媒体である。消費媒体は、クエストのクリア報酬として、また現実社会での課金により、ユーザに付与される。
【0035】
抽選リスト222は、一般にガチャと呼ばれる抽選処理を抽選実行手段233(後述)が行う際に用いるものであって、選択対象となるゲーム媒体に関する情報を複数含む。図2に示すように、抽選リスト222には、ゲーム媒体に関する情報(名称、パラメータ(希少価値(以下、「レアリティ」という)、レベルなど)など)と、抽選による当選確率(選択割合)とが、対応づけられている。なお本実施形態では、ゲーム媒体のパラメータをレアリティとし、またレアリティの値をSレア、Aレア、およびBレア3段階とする例を用いて説明するが、これに限る趣旨ではない。
【0036】
「ガチャ」とは、サーバ装置2にて、抽選リスト222の中から、所定の当選確率に基づき任意のゲーム媒体を抽選により選択する方法である。選択された任意のゲーム媒体は、ユーザのゲーム装置5に付与される。“ガチャで選択したゲーム媒体を、ユーザに付与する/ユーザが所有する”とは、「抽選処理で選択されたゲーム媒体を、ユーザを示す識別情報と関連づける/関連づけられている」ことと同義である。
【0037】
「ゲーム媒体」とは、ゲームに関する要素を表した電子データであって、プレイヤキャラクタとして使用するキャラクタの名称、プレイヤキャラクタが仮想ゲーム空間内にて使用するアイテム(武器、防具、道具)などが含まれる。ユーザは、ゲーム媒体を、課金による直接購入やクエストクリアの他、ガチャと呼ばれる抽選方法によって入手することができる。入手したゲーム媒体は、そのゲーム媒体を所有することとなったユーザの識別情報と対応づけて、ユーザDB221に記憶され管理される。
【0038】
制御部23は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、自装置2の動作を制御する。
【0039】
制御部23は、各種プログラムを実行することにより、情報処理手段231、照合手段232、抽選実行手段233、確率変更手段234および変更解除手段235として機能する。
【0040】
―情報処理手段―
情報処理手段231は、各ゲーム装置5との間で各種データを送受信する。情報処理手段231が受信する主なデータとしては、ゲームプログラムのダウンロード要求情報、ユーザの操作に応じたガチャの抽選要求、クエスト実行要求、アカウント情報などが挙げられる。情報処理手段231が送信する主なデータとしては、ゲームプログラムをゲーム装置5が受信したことを確認するための情報、ガチャにて得られたゲーム媒体に関する情報などが挙げられる。
【0041】
-照合手段―
照合手段232は、ゲーム装置5から受信したユーザの識別情報を用いて、ユーザアカウントの認証を行う。
【0042】
―抽選実行手段―
抽せん実行手段233は、ガチャの抽選要求(以下、単に「要求」ともいう)に伴って、抽選リスト222の中から、ゲーム媒体ごとの当選確率に基づいて1以上のゲーム媒体を抽選により選択する。抽せん実行手段233は、選択したゲーム媒体に関する情報と、抽選要求の送信元となる操作を行ったユーザの識別情報とを、ユーザDB221にて関連付ける。これにより、当該ユーザには、自身でガチャを引いた結果当選したゲーム媒体が付与される。
【0043】
抽選実行手段233は、ユーザの要求に応じてゲーム媒体の抽選を実行する。具体的には、まずゲーム装置5の制御部56が、タッチパッド63および操作部54を介してユーザからの要求を受け付ける。次いで制御部56が、受け付けた要求を、ネットワークインターフェース51を介してサーバ装置2の抽選実行手段233に送信する。次いで抽選実行手段233は、上記要求を受信すると、この要求に応じてゲーム媒体ごとの当選確率に基づいて抽選リスト222の中から1以上のゲーム媒体を抽選により選択する。
【0044】
ゲーム媒体は、第1種ゲーム媒体と、第2種ゲーム媒体とを含む。第2種ゲーム媒体とは、第1種ゲーム媒体とは異なる種別のゲーム媒体をいう。なお本実施形態では、第1種ゲーム媒体の種別を「キャラクタ」の場合、第2種別ゲーム媒体の種別をキャラクタとは異なる「装備アイテム」とする例を用いて説明するが、これに限る趣旨ではない。
【0045】
ゲーム媒体は、複数の区分に区別される。例えば、種別「キャラクタ」のゲーム媒体においては、「戦士」や「魔法使い」などの区分に区別される。またゲーム媒体は、例えば、種別「装備アイテム」のゲーム媒体においては、「剣」や「杖」などの区分に区別される。
【0046】
以降、説明を簡単にするために、例えば、「戦士」に区分けされるゲーム媒体は単に「戦士」ともいい、「剣」に区分けされるゲーム媒体は単に「剣」ともいう。また、以降、説明を簡単にするために、確率変更手段234の当選確率の変更処理に用いられるパラメータが「レアリティ」とする場合、例えば、レアリティが「Sレア」である剣を、「剣のSレア」ともいう。
【0047】
―確率変更手段-
確率変更手段234は、抽選実行手段233によって第1種ゲーム媒体が当選された後、次回以降のゲーム媒体の抽選を実行する際に、当選した第1種ゲーム媒体に適している第2種ゲーム媒体の当選確率を、当選した第1種ゲーム媒体が有するパラメータに応じて変更する。
【0048】
「第1種ゲーム媒体に適している第2種ゲーム媒体」とは、例えば、種別が「キャラクタ」で戦士のゲーム媒体を第1種ゲーム媒体とする場合、キャラクタとは異なる種別「装備アイテム」であって戦士が装備可能な「剣」などが第2種ゲーム媒体に該当する。
【0049】
確率変更手段234は、第1種ゲーム媒体として戦士が当選された後、次回以降のゲーム媒体の抽選を実行する際に、当選した戦士に適している剣の当選確率を、当選した剣が有するパラメータに応じて変更する。確率変更手段234は、例えば、戦士のレアリティがSレアの場合には、剣の当選確率を元の値より低くなるように変更(以下、単に「低下」または「ダウン」ともいう)させる。また他の例として、確率変更手段234は、例えば、戦士のレアリティがBレアの場合には、剣の当選確率を元の値より高くなるように変更(以下、単に「上昇」または「アップ」ともいう)させる。ここで「元の値」とは、抽選リスト222に格納されているゲーム媒体ごとの当選確率の変更前の値をいう。
【0050】
上記構成によれば、確率変更手段234は、例えば、当選した第1種ゲーム媒体のパラメータの値が相対的に高いものであれば、第2種ゲーム媒体の当選確率の値を通常より低く変更することができる。このように上記構成によれば、パラメータの値が優れている第1種ゲーム媒体を獲得した時点でガチャのやり直しをやめるきっかけを提供することができる。すなわち上記構成によれば、第1種ゲーム媒体を獲得することで当選確率が低くなった第2種ゲーム媒体を獲得することは非常に困難となるため、ユーザに、ガチャのやり直しをこれ以上繰り返すのはやめようとするきっかけを提供することができる。また逆に、確率変更手段234は、第2種ゲーム媒体の当選確率の値を通常より高くして獲得しやすくさせて、ガチャのやり直しを繰り返すことを抑止させることもできる。したがって、上記構成によれば、確率変更手段234は、異なる種別のゲーム媒体の獲得について興趣性を改善できる。
【0051】
確率変更手段234は、例えば、抽選実行手段233によって第1種ゲーム媒体が当選された後、次回以降のゲーム媒体の抽選を実行する際に、当選した第1種ゲーム媒体が第1条件を満たす場合、当選した第1種ゲーム媒体に適している第2種ゲーム媒体のうち、第2条件を満たす第2種ゲーム媒体の当選確率を上昇させ、第2条件を満たさない第2種ゲーム媒体の当選確率を低下させてもよい。
【0052】
「第1条件」とは、当選した第1種ゲーム媒体のパラメータなどに応じて第2種ゲーム媒体の当選確率の変更を実施するか否かを判定するための条件である。またここで「第2条件」とは、第2種ゲーム媒体のパラメータなどに応じて当該第2種ゲーム媒体の当選確率を上昇させるか、または低下させるかを判定するための条件である。
【0053】
上記構成によれば、確率変更手段234は、第1種ゲーム媒体が第1条件を満たすか否かに応じて第2種ゲーム媒体の当選確率の変更を実施するか否かを変えることができる。また上記構成によれば、確率変更手段234は、第2種ゲーム媒体について第2条件に満たすか否かに応じて当選確率の変更の態様を変えることができる。このため上記構成によれば、確率変更手段234は、第1条件および第2条件により、第2種ゲーム媒体の当選確率の変更にバリエーションをもたせることができる。
【0054】
第1条件は、例えば、当選した第1種ゲーム媒体が有するパラメータが第1閾値以上であることを含む。また第2条件は、第2種ゲーム媒体が有するパラメータが第2閾値以下であることを含む。
【0055】
上記構成によれば、確率変更手段234は、第1種ゲーム媒体のパラメータが第1閾値以上の場合には、その後の抽選において、第2種ゲーム媒体においてパラメータが第2閾値を超えるものを獲得しにくくすることができ、その分パラメータが第2閾値以下のものを獲得しやすくすることができる。このため上記構成によれば、例えば、確率変更手段234は、第1種ゲーム媒体としてレアリティの高いものが当選した場合には、その後の抽選において第2種ゲーム媒体のレアリティが高いものは獲得しにくくすることができる。したがって上記構成によれば、確率変更手段234は、レアリティの高い第1種ゲーム媒体を獲得してさらにそれに合わせてレアリティの高い第2種ゲーム媒体を何とか獲得しようと抽選を繰り返すユーザの気持ちを低減させ、レアリティの高い第1種ゲーム媒体を獲得できた時点でそこで抽選の繰り返しをストップさせることができる。
【0056】
確率変更手段234は、例えば、第2種ゲーム媒体の当選確率を変更した後に、当選確率が変更された第2種ゲーム媒体が当選した場合、次の抽選を実行する際に、当選した第2種ゲーム媒体に適している第1種ゲーム媒体の当選確率を、当選した第2種ゲーム媒体が有するパラメータに応じて変更する。
【0057】
上記構成によれば、確率変更手段234は、例えば、当選した第2種ゲーム媒体が剣のBレアの場合、Bレアに相反するレアリティを有する戦士のSレアの当選確率を通常の値よりアップさせることができる。
【0058】
<抽選実行手段および確率変更手段>
ここで図2を用いて、抽選実行手段233および確率変更手段234の処理の一例について説明する。図2は、ゲームシステム1における抽選リスト222の一例を示す表である。本例の抽選リスト222の当選確率においては、「-(ハイフン)」または「Stay」は元の値のまま、「UP」は元の値よりアップさせた値、「Down」は元の値よりダウンさせた値を示す。
【0059】
図2(a)では1回目の抽選に用いる抽選リスト222を示し、図2(b)では1回目に続く2回目の抽選に用いる抽選リスト222を示し、図2(c)では2回目に続く3回目の抽選に用いる抽選リスト222を示す。この1~3回の連続する抽選は、典型的には1~N回分のガチャをまとめて連続実行するいわゆるN連ガチャのうち連続する3回分の抽選であるが、これに限る趣旨ではない。
【0060】
本例では、説明を簡単にするため、抽選リスト222において、ゲーム媒体の種別・区分ごと、かつレアリティごとに当選確率を対応づけられている例を用いて説明する。厳密には、それぞれの区分には複数のゲーム媒体が含まれており、ゲーム媒体それぞれにレアリティや当選確率が対応づけられている。本例では、さらに説明を簡単にするために、各情報を直接的に対応づけて一つのリストに格納するよう表現しているが、これに限定する趣旨ではない。
【0061】
本例では、第1条件を、当選した第1種ゲーム媒体が有するレアリティ(パラメータ)がSレア(第1閾値)以上であることとする。また本例では、第2条件を、第2種ゲーム媒体が有するレアリティがBレア(第2閾値)以下であることとする。
【0062】
図2に示すように、抽選リスト222には、キャラクタ(例えば、「戦士」や「魔法使い」など)や装備アイテム(例えば、「剣」や「杖」など)といった異なる種別のゲーム媒体が含まれている。また種別・区分ごとに、それぞれのレアリティの値をSレア、Aレア、およびBレアとするゲーム媒体が含まれている。
【0063】
まず図2(a)に示すように、例えば、抽選実行手段233が1回目の抽選を実行して、第1種ゲーム媒体として戦士のSレアが当選したとする。この際、この当選した戦士のSレアは、レアリティがSレア(第1閾値)以上のため第1条件を満たす。
【0064】
次いで図2(b)に示すように、抽選実行手段233が2回目の抽選を実行する際に、確率変更手段234は、抽選リスト222において、当選した第1種ゲーム媒体の戦士に適している異なる種別(装備アイテム)の剣を第2種ゲーム媒体としてそのレアリティを変更する。具体的には、確率変更手段234は、剣のSレアの当選確率をダウンさせて、他方剣のBレアの当選確率をアップさせる。なお、確率変更手段234は、このように特定のゲーム媒体の当選確率をダウンさせた際には、別のゲーム媒体の当選確率をアップさせることで当選確率全体の平仄(全てのゲーム媒体の当選確率の合計が「1」となるような調整)を図る。
【0065】
次いで抽選実行手段233が2回目の抽選を実行して、第1種ゲーム媒体の戦士に適していて、かつ当選確率が変更された剣のBレアが当選したとする。
【0066】
次いで図2(c)に示すように、抽選実行手段233が3回目の抽選を実行する際に、確率変更手段234は、抽選リスト222において、当選した剣に適している戦士の当選確率を、当選した剣のレアリティ(Bレア)に応じて変更する。具体的には、確率変更手段234は、当選した剣のレアリティ(Bレア)とは相反するレアリティを有する戦士のSレアの当選確率をアップさせて、他方当選した剣のレアリティ(Bレア)に相応するレアリティを有する戦士のBレアの当選確率をダウンさせる。
【0067】
上記構成によれば、確率変更手段234は、1回目の抽選でSレアの戦士が当選した際に、2回目の抽選にあたって戦士に適している剣のSレアの当選確率をダウンさせることができる。このため上記構成によれば、確率変更手段234は、1回のN連ガチャにおいて戦士のSレアと剣のSレアの組み合わせを獲得することをより困難にすることができる。他方、確率変更手段234は、戦士に適している剣のBレアの当選確率はアップさせることができる。したがって、上記構成によれば、N連ガチャのいくらやり直しても戦士のSレアと剣のSレアの組み合わせを獲得することは非常に困難であるため、このやり直しの繰り返しをやめるきっかけをユーザに提供することができる。
【0068】
図1に戻って説明を続ける。確率変更手段234は、例えば、第2種ゲーム媒体の当選確率を変更した後に、第2種ゲーム媒体に適している第1種ゲーム媒体が当選しても、次の抽選を実行する際に、当選確率が変更された第2種ゲーム媒体の当選確率をさらに変更しない。
【0069】
確率変更手段234は、例えば、図2の例において3回目の抽選で再び戦士が当選しても、4回目の抽選を実行する際に、当選確率を既に一度変更された剣の当選確率を再度変更しない。
【0070】
上記構成によれば、確率変更手段234は、第2種ゲーム媒体の当選確率を二重に変更することを防ぐことができる。このため上記構成によれば、確率変更手段234は、元の値と比較して極端に当選確率を低くしてしまったり、逆に高くしてしまったりすることを抑止する。
【0071】
上記とは他のケースにおいて、例えば、戦士のSレアのゲーム媒体が当選して剣のSレアの当選確率を変更(ダウン)した後、戦士のBレアが当選すると剣のSレアの当選確率が元の値に戻ってしまう。この場合、獲得しにくくした剣のSレアが通常どおり獲得できるようになることも考えうる。上記構成によれば、剣のSレアの当選確率を変更した後、戦士のBレアが当選しても剣のSレアの当選確率は変更を維持することができる。
【0072】
第1解除条件が満たされた場合には、確率変更手段234は、第2種ゲーム媒体の当選確率を変更した後に、第2種ゲーム媒体に適している第1種ゲーム媒体が当選したことに応じて、次の抽選を実行する際に、当選確率が変更された第2種ゲーム媒体の当選確率をさらに変更する。すなわち第1解除条件が満たされた場合には、確率変更手段234は、次の抽選を実行する際に、当選確率が変更された第2種ゲーム媒体の当選確率を再度変更する。
【0073】
「第1解除条件」は、当選確率が変更されたゲーム媒体の当選確率をさらに変更することを開放するか否かを判定するための条件である。言い換えれば、第1条件は、確率変更手段234において当選確率の再変更を可能にするための条件でもある。なお、第1解除条件と後述の第2解除条件について、総称して「解除条件」という。
【0074】
解除条件は、例えば、(ア)抽選実行手段233が所定回数の抽選を実行すること、または、抽選を実行するためのユーザの要求を所定回数受け付けること、を含む。言い換えれば、確率変更手段234が変更した当選確率は、所定回数分引き継がれて、その後は元の値に戻る。ここで「所定回数」とは、例えば、ゲームシステム1でユーザ共通に設定された回数、またはユーザの要求に応じて設定された回数などである。
【0075】
上記構成によれば、当選確率の変更を、設定された回数分引き継いで自動的に元の値に戻すことができる。
【0076】
解除条件は、例えば、(イ)抽選実行手段233が抽選を実行した時点から所定期間を経過すること、を含む。ここで「所定期間」とは、例えば、ゲームシステム1でユーザ共通に設定された期間、またはユーザの要求に応じて設定された期間などである。所定期間は、例えば、抽選実行手段233が抽選を実行した時点から1日(当日)、または1週間などの期間である。
【0077】
上記構成によれば、確率変更手段234が当選確率の変更を、設定された期間中は引き継いで自動的に元の値に戻すことができる。
【0078】
解除条件は、例えば、(ウ)抽選を含むイベントであって複数のユーザに対して共通に第1期間と第2期間が設定されたイベントにおいて、第1期間内において第2種ゲーム媒体の当選確率が変更され、かつ第1期間が経過することを含む。例えば、イベントの全期間が2週間であれば、第1期間は前半の1週間、第2期間は後半の1週間となる。確率変更手段234は、前半の1週間が経過した際に、変更した当選確率を元の値に戻す。
【0079】
上記構成によれば、確率変更手段234が当選確率の変更を、設定された第1期間中は引き継いで第1期間から第2期間に移る際に自動的に元の値に戻すことができる。上記構成によれば、例えば、イベントの前半に当選確率がダウンするように変更されたSレアの剣がイベントの後半になって元の当選確率に戻るため、イベントの後半において抽選に対する興味が失われることを抑止する。
【0080】
解除条件は、例えば、上記(ア)~(ウ)の少なくともいずれか二つの組み合わせであってもよい。
【0081】
「イベント」には、実施期間が定められた抽選、言い換えれば期間限定の抽選、いわゆるイベントガチャが含まれる。また、第1期間はイベントの前半期間、第2期間はイベントの後半期間とする。
【0082】
上記構成によれば、変更解除手段235は、イベントの全期間のうち前半期間に実施されるガチャにおいては変更された当選確率の値を維持して、前半期間を経過して後半期間に実施されるガチャにおいては当選確率の変更を通常の値に戻すことができる。
【0083】
確率変更手段234は、例えば、当選した第1種ゲーム媒体に適している第2種ゲーム媒体の当選確率を変更した後に、当選した第1種ゲーム媒体に適していない第2種ゲーム媒体が当選した場合、次の抽選を実行する際に、当選した第2種ゲーム媒体に適している第1種ゲーム媒体の当選確率を、当選した第2種ゲーム媒体が有するパラメータに応じて変更する。
【0084】
例えば、確率変更手段234が当選した戦士(第1種ゲーム媒体)に適している異なる種別の剣(第2種ゲーム媒体)の当選確率を変更した後に、戦士に適していない異なる種別の杖(第2種ゲーム媒体)が当選したとする。この場合、確率変更手段234は、その次の抽選を実行する際に、当選した杖に適している異なる種別の魔法使い(第1種ゲーム媒体)の当選確率を、当選した剣のレアリティに応じて変更する。
【0085】
上記構成によれば、確率変更手段234は、当選した第1種ゲーム媒体に適していない第2種ゲーム媒体が当選した場合には、この第2種ゲーム媒体に適している第1種ゲーム媒体の当選確率を変更することができる。このため上記構成によれば、確率変更手段234は、ゲーム媒体の当選確率が二重に更新することまたは元の値に戻ることを回避しつつ、第2種ゲーム媒体に適している第1種ゲーム媒体の当選確率を変更することができる。
【0086】
確率変更手段234は、例えば、第2種ゲーム媒体の当選確率を、第2種ゲーム媒体に適している第1種ゲーム媒体の区分の数に応じて変更する。ここで「区分の数」とは、例えば、キャラクタの役割(ジョブ)で区別した区分の場合、装備可能なジョブの数である。確率変更手段234は、例えば、当選確率の変動幅を、剣に適しているキャラクタ(第1種ゲーム媒体)の区分の数で除して値を小さくする。確率変更手段234は、この小さくした変動幅により剣の当選確率をダウンさせる。
【0087】
上記構成によれば、確率変更手段234は、例えば第2種ゲーム媒体が装備アイテムの場合、この装備アイテムが装備可能な第1種ゲーム媒体、すなわち装備可能なキャラクタの区分の数に応じて変更することができる。上記構成によれば、確率変更手段234は、例えば特定のキャラクタ専用装備アイテム、すなわち区分の数が少ないほどダウンさせる幅を多くして、特定のキャラクタとこの特定のキャラクタ専用装備アイテムの組み合わせを獲得困難にしてもよい。
【0088】
―変更解除手段-
変更解除手段235は、確率変更手段234による当選確率の変更を第2解除条件に基づいて解除する。ここで「当選確率の変更を解除する」とは、変更した当選確率の値を変更前の元の値に戻すことをいう。第2解除条件は、変更した当選確率の値を元の値に戻すか否かを判定するための条件である。
【0089】
第2解除条件は、第1解除条件と同様に、上記(ア)~(ウ)の少なくともいずれかの条件を含む。
【0090】
上記構成によれば、変更解除手段235は、抽選実行手段233が所定回数の抽選を実行することなどの条件を満たせば変更した当選確率の値を元の値に自動的に戻すことができる。
【0091】
<ゲーム装置5の構成>
ゲーム装置5には、ディスプレイ61、スピーカ62およびタッチパッド63が外部接続または内蔵される。また、ゲーム装置5は、ネットワークインターフェース51、グラフィック処理部52、オーディオ処理部53、操作部54、記憶部55および制御部56を有する。ネットワークインターフェース51、グラフィック処理部52、オーディオ処理部53、操作部54および記憶部55は、バス59を介して制御部56と電気的に接続されている。
【0092】
ネットワークインターフェース51は、ゲーム装置5とサーバ装置2との間で各種データを送受信するために、通信ネットワーク6に通信可能に接続される。
【0093】
グラフィック処理部52は、制御部56から出力されるゲーム画像情報に従って、キャラクタおよび仮想ゲーム空間に関する各種オブジェクトを含むゲーム画像を、動画形式で描画する。グラフィック処理部52は、例えば液晶型であるディスプレイ61と接続されており、動画形式に描画されたゲーム画像は、ゲーム画面としてディスプレイ61上に表示される。
【0094】
オーディオ処理部53は、スピーカ62と接続され、制御部56の指示に従ってゲーム音声を再生および合成すると、これをスピーカ62から出力させる。
【0095】
操作部54は、タッチパッド63と接続され、操作入力に関するデータをタッチパッド63との間で送受信する。ユーザは、タッチパッド63をタッチすることで、ゲーム装置5に操作信号を入力する。
【0096】
記憶部55は、HDD、SSD、RAMおよびROMなどで構成される。記憶部55には、サーバ装置2からダウンロードしたゲームデータ、ゲームプログラムの一部を含む各種プログラム、自装置5のアカウント情報などが格納されている。
【0097】
制御部56は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、自装置5の動作を制御する。
【0098】
制御部56は、各種プログラムを実行することにより、通信手段561、ゲーム実行手段562、音声制御手段563、および表示制御手段564として機能する。
【0099】
―通信手段561―
通信手段561は、ネットワークインターフェース51を介してサーバ装置2との通信を行う機能である。
【0100】
通信手段561は、操作部54がタッチパッド63から受信した各種操作信号に応じて、サーバ装置2が把握可能な情報を生成して送信する。例えば、通信手段561は、アカウント情報、新たなゲームデータのダウンロード要求情報、ガチャ実行要求、クエスト実行要求などを、サーバ装置2に送信する。また、通信手段561は、ダウンロード要求情報に応じてサーバ装置2から送られてきた新たなゲームデータ、抽選処理により選択されたゲーム媒体に関する情報などを、サーバ装置2から受信する。
【0101】
―ゲーム実行手段-
ゲーム実行手段562は、自装置5のユーザによるタッチパッド63の操作に従って、ゲームデータに含まれる仮想ゲーム空間オブジェクトおよびテクスチャなどのデータを記憶部55から読み出すかまたはサーバ装置2から受信したデータを用いて、ゲームプログラムを実行しつつ、2次元または3次元のゲーム画像情報を生成する。ゲーム画像情報がグラフィック処理部52によって処理されることにより、ディスプレイ61には処理後のゲーム画像が逐次表示される。
【0102】
そして、ゲーム実行手段562は、ゲーム画像上に、自装置5のユーザの操作に従ってキャラクタを配置させ、そのユーザの操作およびゲームの進行状況に応じて仮想ゲーム空間におけるキャラクタの行動を制御する。例えば、ゲーム実行手段562は、ユーザのタッチパッド63を介した操作に応じて、ゲームにおいてクエストを実行させる。また、ゲーム実行手段562は、ユーザのタッチパッド63を介した操作に応じて、ユーザにより選択されたゲーム媒体をプレイヤキャラクタに使用させる。
【0103】
―音声制御手段-
音声制御手段563は、ゲームの実行にあたり、自装置5のユーザの操作などに応じてスピーカ62の音声出力制御を行う。
【0104】
―表示制御手段-
表示制御手段564は、ゲームの実行にあたり、自装置5のユーザの操作などに応じてディスプレイ61の表示出力制御を行う。
【0105】
<ゲームシステム1の動作の流れ>
図3を用いて、抽選の実行処理から当選確率の変更の解除処理までの流れについて説明する。図3は、これらの処理の流れを示すフローチャートである。
【0106】
本例では、10回分の抽選をまとめて連続実行する、いわゆる10連ガチャの例を用いて説明する。Nの初期値は「1」とする。また本例では、第1解除条件を、「所定回数(本例では、5回とする)の抽選を実行すること」とする。
【0107】
図3に示すように、サーバ装置2の抽選実行手段233は、ユーザの要求に応じてゲーム媒体のN回目の抽選を実行する(ステップst1)。
【0108】
次いで、抽選実行手段233は、N回目の抽選の実行によりゲーム媒体をユーザに関連付ける(ステップst2)。
【0109】
次いで、当選したゲーム媒体が第1条件を満たしている場合(ステップst3のYes)、かつ、当選したゲーム媒体に適している異なる種別のゲーム媒体の当選確率が変更されていない、または当選確率の再変更が可能となっている場合(ステップst4のYes)、確率変更手段234は、当選したゲーム媒体に適している異なる種別のゲーム媒体の当選確率を変更(再変更も含む)する(ステップst5)。
【0110】
例えば、当選したゲーム媒体が第1種ゲーム媒体であれば、このゲーム媒体が有するパラメータが第1閾値以上であり(ステップst3のYes)、かつこのゲーム媒体に適している第2種ゲーム媒体の当選確率が変更されていない場合(ステップst4のYes)、確率変更手段234は、この第2種ゲーム媒体の当選確率を変更する(ステップst5)。
【0111】
他方、当選したゲーム媒体が第2種ゲーム媒体であれば、このゲーム媒体が有するパラメータが第1閾値以上であり(ステップst3のYes)、かつこのゲーム媒体に適している第1種ゲーム媒体の当選確率が変更されていない場合(ステップst4のYes)、確率変更手段234は、この第1種ゲーム媒体の当選確率を変更する(ステップst5)。
【0112】
次いで、抽選実行手段233が5回の抽選を実行することとする第1解除条件を満たす場合、すなわちN=5の場合(ステップst6)、確率変更手段234によるゲーム媒体の当選確率の再変更を解除する(ステップst7)。
【0113】
抽選の実行回数が10回に満たない場合(スタップst8のNo)、制御部23は、Nをインクリメントする(ステップst9)。Nがインクリメントされると、フローチャートのステップst1の前に戻る。
【0114】
抽選の実行回数が10回に達した場合(ステップst8のYes)、図3に示す処理は終了する。
【0115】
以上をまとめると、サーバ装置2の制御部23(コンピュータ)を、ユーザの要求に応じてゲーム媒体の抽選を実行する抽選実行手段233であって、ゲーム媒体は、第1種ゲーム媒体と、第1種ゲーム媒体とは異なる種別の第2種ゲーム媒体とを含む、抽選実行手段233、抽選実行手段233によって第1種ゲーム媒体が当選された後、次回以降のゲーム媒体の抽選を実行する際に、当選した第1種ゲーム媒体に適している第2種ゲーム媒体の当選確率を、当選した第1種ゲーム媒体が有するパラメータに応じて変更する確率変更手段234、として機能させるものである。
【0116】
<効果>
本実施形態によれば、例えば、当選した第1種ゲーム媒体のパラメータの値が相対的に高いものであれば、第2種ゲーム媒体の当選確率の値を通常より低く変更することができる。また逆に、本実施形態によれば、当選した第1種ゲーム媒体のパラメータの値が相対的に低いものであれば、第2種ゲーム媒体の当選確率の値を通常より低くして獲得しやすくさせることもできる。いずれにおいても、ガチャのやり直しをユーザが繰り返すことを抑止させることができる。したがって本実施形態によれば、異なる種別のゲーム媒体の獲得について興趣性を改善できる。
【0117】
[変形例]
なお、本発明を上記実施形態に基づいて説明してきたが、本発明は、上記実施形態に限定されない。以下のような場合も本発明に含まれる。
【0118】
[第1変形例]
上記実施形態では、N回分の抽選をまとめて連続実行する、いわゆるN連ガチャの例を用いて説明したが、例えば、単独の抽選、いわゆる単発ガチャを複数回順に実行させてもよい。「順に実行する」とは、単独の抽選とその次の単独の抽選を順序立てて実行することをいい、これらの単独の抽選が実行される合間に一定の期間があることや他のイベントが実行されることを否定しない。
【0119】
[第2変形例]
上記実施形態では、抽選リスト222において直接的にゲーム媒体と、その当選確率と、そのレアリティと、を対応づけて格納する例を用いて説明したが、例えば、複数のリストにわたって間接的に対応づけて格納するようにしてもよい。例えば、レアリティと当選確率が対応づけられたリストと、それとは別にゲーム媒体と当選確率が対応付けられたレアリティごとのリストがあってもよい。この場合、抽選実行手段233は、まずはレアリティの抽選を実行し、その次に当選したレアリティにおけるゲーム媒体の抽選を実行する。
【0120】
[第3変形例]
上記実施形態では示していないが、確率変更手段234は、例えば、第1種ゲーム媒体が当選された後、次回以降のゲーム媒体の抽選を実行する際に、当選した第1種ゲーム媒体と同じ種別のゲーム媒体、すなわち第1種ゲーム媒体の当選確率を、当選した第1種ゲーム媒体が有するパラメータに応じて変更してもよい。
【0121】
ここで図4を用いて、抽選実行手段233および確率変更手段234の処理の一例について説明する。図4は、ゲームシステム1における抽選リスト222の一例を示す表である。表記の前提や適用する条件などは図2と同様である。
【0122】
図4(a)では1回目の抽選に用いる抽選リスト222を示し、図4(b)では1回目に続く2回目の抽選に用いる抽選リスト222を示し、図4(c)では2回目に続く3回目の抽選に用いる抽選リスト222を示す。
【0123】
まず図4(a)に示すように、例えば、抽選実行手段233が1回目の抽選を実行して、第1種ゲーム媒体として戦士のSレアが当選したとする。この際、この当選した戦士のSレアは、レアリティがSレア(第1閾値)以上のため第1条件を満たす。
【0124】
次いで図4(b)に示すように、抽選実行手段233が2回目の抽選を実行する際に、確率変更手段234は、抽選リスト222において、当選した第1種ゲーム媒体の戦士と同じ種別・区分の戦士の当選確率をダウンさせて他方同じ種別・異なる区分の魔法使いをアップさせる。さらに確率変更手段234は、抽選リスト222において、当選した第1種ゲーム媒体の戦士に適している異なる種別(アイテム)の剣を第2種ゲーム媒体としてそのレアリティを変更する。具体的には、確率変更手段234は、剣のSレアの当選確率をダウンさせて、他方剣のBレアの当選確率をアップさせる。
【0125】
次いで抽選実行手段233が2回目の抽選を実行して、第1種ゲーム媒体の戦士に適していて、かつ当選確率が変更された剣のBレアが当選したとする。
【0126】
次いで図2(c)に示すように、抽選実行手段233が3回目の抽選を実行する際に、確率変更手段234は、抽選リスト222において、当選した剣に適している戦士の当選確率を、当選した剣のレアリティ(Bレア)に応じて変更する。具体的には、確率変更手段234は、当選した剣のレアリティ(Bレア)とは相反するレアリティを有する戦士のSレアの当選確率をアップ、すなわち元の値より低くなった値を元に戻すだけではなくさらにアップさせる。他方確率変更手段234は、当選した剣のレアリティ(Bレア)より高いレアリティを有する戦士のAレアの当選確率を元の値に戻すようにアップさせる。
【0127】
上記構成によれば、確率変更手段234は、一度当選したゲーム媒体と同じ種別・同じ区分のゲーム媒体を獲得しにくくすることができる。また上記構成によれば、確率変更手段234は、当選したゲーム媒体に適している異なる種別のゲーム媒体が当選した場合には、獲得しにくくしていたゲーム媒体の当選確率を元に戻すことができる。
【0128】
[第4変形例]
抽選の初回におけるゲーム媒体の当選確率の値は、ユーザ共通の初期値が設定されていてもよいし、ユーザのゲーム媒体の獲得・保有状況に応じて調整された値が設定されてもよい。ここでいう「初回」とは、例えば、ゲーム装置5にゲームプログラムをインストールしてからゲームを開始して初めて抽選を実行するとき(ゲームのリセットも含む)、当選確率の変更が解除された後初めて抽選を実行するとき、または前回の抽選からログアウトした後ログインして初めて抽選を実行するときなどを含んでもよい。
【0129】
制御部23は、例えば、前回の抽選で戦士のSレアをユーザが獲得した場合や戦士のSレアをユーザが保有している場合には、剣のSレアの当選確率の値を初期値からダウンさせるように調整してもよい。また制御部23は、例えば、ユーザが戦士のSレアと剣のBレアを多数保有している場合には、剣のSレアの当選確率の値を初期値からアップさせるように調整してもよい。制御部23は、これらの調整した当選確率の値を、抽選リスト222の当選確率のフィールドに設定してもよい。
【0130】
[第5変形例]
上記実施形態では、抽選の実行処理から当選確率の変更の解除処理までの流れについて、図3の例では、(a1)5回目の抽選を実行して第1解除条件が成立→(b1)6回目の抽選でゲーム媒体が当選(再変更のトリガー)→(c1)当選したゲーム媒体に適している異なる種別のゲーム媒体の当選確率を7回目の抽選に向けて再変更、という流れの例を説明したが、これに限定されない。例えば、第1解除条件が「抽選を実行するためのユーザの要求を所定回数(本例では、6回)受け付けること」とする場合、(a2)5回目の単発ガチャで第1種ゲーム媒体が当選(再変更のトリガー)→(b2)6回目の単発ガチャの受け付けによって第1解除条件が成立→(c2)6回目の単発ガチャの実行にあたって2種ゲーム媒体の当選確率を再変更、という流れでもよい。すなわち、第1解除条件の成立と当選確率再変更のトリガーの順序とは順番が前後してもよい。
【0131】
[他の実施形態]
上記実施形態において説明した各種制御手段および処理手順は一例であり、本発明、その適用物、またはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。各種制御手段および処理手順は、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜設計変更が可能である。
【0132】
上記実施形態では、ゲーム装置5がスマートフォンである場合を例示したが、ゲーム装置5は、ゲームセンターなどに提供されるアミューズメント機器であってもよい。
【0133】
ゲームは、アクションゲーム、シューティングゲーム、ロールプレイングゲーム、シミュレーションゲーム、ボードゲーム、およびパズルゲームなどであってもよく、様々な種類のゲームに適用することができる。
【0134】
上記実施形態では、オブジェクトがプレイヤキャラクタである場合を例示したが、これに限定されない。例えば、オブジェクトは、仮想ゲーム空間内で使用されるカードやアイテム(武器、防具などの装備品)などであることができる。
【0135】
上記実施形態では、サーバ装置2および複数のゲーム装置5が一体となってゲームプログラムを機能させる場合を例示したが、これに限定されない。ゲームプログラムのすべての手段、すなわち、抽選実行手段、確率変更手段、および変更解除手段などが、サーバ装置2単体、ゲーム装置5単体、サーバ装置2およびゲーム装置5とは別の通信端末単体、これらのうち組み合わせられる2つの装置、に備えられていてもよい。また、サーバ装置2、ゲーム装置5、通信端末を一体となって機能させる場合、どの手段をどの装置にて機能させるかも、適宜変更が可能である。本実施形態で説明したゲームプログラムを実施するコンピュータはサーバ装置2とする例を説明したが、これに限定されない。本実施形態で説明したゲームプログラムを実施するコンピュータは、例えば、ゲーム装置5であってもよいし、サーバ装置2およびゲーム装置5の組み合わせであってもよい。
【0136】
これらの他の実施形態を採用した場合においても、本実施形態の作用効果は発揮される。また、本実施形態と他の実施形態、および他の実施形態同士を適宜組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0137】
1 ゲームシステム
2 サーバ装置
23 制御部
233 抽選実行手段
234 確率変更手段
235 変更解除手段
5 ゲーム装置
56 制御部
図1
図2
図3
図4