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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-25
(45)【発行日】2022-06-02
(54)【発明の名称】車両用照明装置、および車両用灯具
(51)【国際特許分類】
   B60Q 1/00 20060101AFI20220526BHJP
   F21S 45/40 20180101ALI20220526BHJP
   F21S 43/14 20180101ALI20220526BHJP
   F21W 103/00 20180101ALN20220526BHJP
   F21W 103/10 20180101ALN20220526BHJP
   F21W 103/20 20180101ALN20220526BHJP
   F21W 103/35 20180101ALN20220526BHJP
   F21W 103/40 20180101ALN20220526BHJP
   F21W 103/45 20180101ALN20220526BHJP
   F21W 103/55 20180101ALN20220526BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20220526BHJP
   F21Y 115/15 20160101ALN20220526BHJP
   F21Y 115/30 20160101ALN20220526BHJP
【FI】
B60Q1/00 C
F21S45/40
F21S43/14
F21W103:00
F21W103:10
F21W103:20
F21W103:35
F21W103:40
F21W103:45
F21W103:55
F21Y115:10 300
F21Y115:15
F21Y115:30
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018115807
(22)【出願日】2018-06-19
(65)【公開番号】P2019217872
(43)【公開日】2019-12-26
【審査請求日】2021-02-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【弁理士】
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 浩
(72)【発明者】
【氏名】小杉 大資
【審査官】山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-021988(JP,A)
【文献】特開2013-235649(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60Q 1/00
F21S 45/40
F21S 43/14
F21W 103/00
F21W 103/10
F21W 103/20
F21W 103/35
F21W 103/40
F21W 103/45
F21W 103/55
F21Y 115/10
F21Y 115/15
F21Y 115/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フランジと;
前記フランジの一方の面に設けられ、前記フランジ側とは反対側の端部に開口する収納部を有する装着部と;
前記収納部の内部に設けられた基板と;
前記基板の、前記収納部の底面側とは反対側の面に設けられた少なくとも1つの発光素子と;
前記基板の、前記収納部の底面側とは反対側の面に設けられ、前記発光素子と電気的に接続された少なくとも1つの抵抗と;
前記基板の、前記収納部の底面側とは反対側の面に設けられ、前記発光素子と電気的に接続され、温度が上昇すると電気抵抗が高くなる少なくとも1つの制御素子と;
前記発光素子、および前記抵抗の少なくともいずれかにおいて発生し、前記基板、または、前記基板および前記装着部を介して前記制御素子に伝わる熱を制御する温度制御部と;
を具備し
前記温度制御部は、前記基板に設けられた孔、凹部、および切り欠きの少なくともいずれかを有する車両用照明装置。
【請求項2】
前記温度制御部は、前記発光素子と前記制御素子との間、および前記抵抗と前記制御素子との間の少なくともいずれかに設けられている請求項記載の車両用照明装置。
【請求項3】
フランジと;
前記フランジの一方の面に設けられ、前記フランジ側とは反対側の端部に開口する収納部を有する装着部と;
前記収納部の内部に設けられた基板と;
前記基板の、前記収納部の底面側とは反対側の面に設けられた少なくとも1つの発光素子と;
前記基板の、前記収納部の底面側とは反対側の面に設けられ、前記発光素子と電気的に接続された少なくとも1つの抵抗と;
前記基板の、前記収納部の底面側とは反対側の面に設けられ、前記発光素子と電気的に接続され、温度が上昇すると電気抵抗が高くなる少なくとも1つの制御素子と;
前記発光素子、および前記抵抗の少なくともいずれかにおいて発生し、前記基板、または、前記基板および前記装着部を介して前記制御素子に伝わる熱を制御する温度制御部と;
を具備し
前記温度制御部は、前記収納部の底面に設けられた孔、凹部、および切り欠きの少なくともいずれかを有する車両用照明装置。
【請求項4】
平面視において、前記温度制御部は、前記制御素子の位置、前記発光素子と前記制御素子との間、および前記抵抗と前記制御素子との間の少なくともいずれかに設けられている請求項記載の車両用照明装置。
【請求項5】
請求項1~のいずれか1つに記載の車両用照明装置と;
前記車両用照明装置が取り付けられる筐体と;
を具備した車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、車両用照明装置、および車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
ソケットと、ソケットの一方の端部側に設けられた発光モジュールと、を備えた車両用照明装置がある。発光モジュールは、配線パターンが設けられた基板と、配線パターンに電気的に接続された発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)とを有している。 車両用照明装置を点灯させる際には、車両用照明装置(発光モジュール)に電圧を印加する。発光モジュールに電圧が印加されると、発光ダイオードに電流が流れて熱が発生し、発光ダイオードの温度が上昇する。ここで、自動車に設けられる車両用照明装置の場合には、車両用照明装置に印加される電圧が変動する。そのため、過電圧により、発光ダイオードの温度が高くなりすぎて、発光ダイオードが故障したり、発光ダイオードの寿命が短くなったりするおそれがある。
【0003】
そこで、抵抗とサーミスタ(正特性サーミスタ)とを直列接続した回路と、抵抗と、を並列接続し、過電圧の場合にはサーミスタが電流を遮断して並列接続された抵抗のみに電流を流す技術が提案されている。この様にすれば、過電圧の場合に、発光ダイオードに直列接続された抵抗の値が大きくなるので、発光ダイオードの温度が高くなり過ぎるのを抑制することができる。
ところが、発光ダイオードの数や仕様が変わったり、発光ダイオードとサーミスタとの間の距離が変わったりすると、サーミスタの温度が変わる。そのため、車両用照明装置の仕様、大きさ、用途などに応じて、適切なキュリー点と抵抗値を有するサーミスタを選定する必要がある。
しかしながら、車両用照明装置の仕様などに応じてサーミスタを選定するようにすると、多数種類のサーミスタを在庫しておく必要がある。また、最適なキュリー点と抵抗値を有するサーミスタが存在せず、所望の温度において、サーミスタが動作しない場合が生じ得る。
そこで、サーミスタなどの制御素子の温度を制御することができる技術の開発が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2000-278859号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、制御素子の温度を制御することができる車両用照明装置、および車両用灯具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に係る車両用照明装置は、フランジと;前記フランジの一方の面に設けられ、前記フランジ側とは反対側の端部に開口する収納部を有する装着部と;前記収納部の内部に設けられた基板と;前記基板の、前記収納部の底面側とは反対側の面に設けられた少なくとも1つの発光素子と;前記基板の、前記収納部の底面側とは反対側の面に設けられ、前記発光素子と電気的に接続された少なくとも1つの抵抗と;前記基板の、前記収納部の底面側とは反対側の面に設けられ、前記発光素子と電気的に接続され、温度が上昇すると電気抵抗が高くなる少なくとも1つの制御素子と;前記発光素子、および前記抵抗の少なくともいずれかにおいて発生し、前記基板、または、前記基板および前記装着部を介して前記制御素子に伝わる熱を制御する温度制御部と;を具備し、前記温度制御部は、前記基板に設けられた孔、凹部、および切り欠きの少なくともいずれかを有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の実施形態によれば、制御素子の温度を制御することができる車両用照明装置、および車両用灯具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施の形態に係る車両用照明装置の模式分解図である。
図2】発光モジュールの回路図である。
図3】他の実施形態に係る温度制御部を例示するための模式平面図である。
図4】他の実施形態に係る温度制御部を例示するための模式平面図である。
図5】車両用灯具を例示するための模式部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しつつ、実施の形態について例示をする。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0010】
(車両用照明装置)
本実施の形態に係る車両用照明装置1は、例えば、自動車や鉄道車両などに設けることができる。自動車に設けられる車両用照明装置1としては、例えば、フロントコンビネーションライト(例えば、デイライトランニングランプ(DRL;Daylight Running Lamp)、ポジションランプ、ターンシグナルランプなどが適宜組み合わされたもの)や、リアコンビネーションライト(例えば、ストップランプ、テールランプ、ターンシグナルランプ、バックランプ、フォグランプなどが適宜組み合わされたもの)などに用いられるものを例示することができる。ただし、車両用照明装置1の用途は、これらに限定されるわけではない。
【0011】
図1は、本実施の形態に係る車両用照明装置1の模式分解図である。
図2は、発光モジュール20の回路図である。
図1に示すように、車両用照明装置1には、ソケット10、給電部30、発光モジュール20、および温度制御部40が設けられている。
【0012】
ソケット10は、装着部11、バヨネット12、フランジ13、および放熱フィン14を有する。
装着部11は、フランジ13の、放熱フィン14が設けられる側とは反対側の面に設けられている。装着部11の外形形状は、柱状とすることができる。装着部11の外形形状は、例えば、円柱状である。装着部11は、フランジ13側とは反対側の端部に開口する凹状の収納部11aを有する。
装着部11には、少なくとも1つのスリット11bを設けることができる。スリット11bの内部には、基板21の角部が設けられる。装着部11の周方向におけるスリット11bの寸法(幅寸法)は、基板21の角部の寸法よりも僅かに大きくなっている。そのため、スリット11bの内部に基板21の角部を挿入することで、基板21の位置決めができるようになっている。
また、スリット11bを設けるようにすれば、基板21の平面形状を大きくすることができる。そのため、基板21上に実装する素子の数を増加させることができる。あるいは、装着部11の外形寸法を小さくすることができるので、装着部11の小型化、ひいては車両用照明装置1の小型化を図ることができる。
【0013】
バヨネット12は、装着部11の外側面に複数設けられている。複数のバヨネット12は、車両用照明装置1の外側に向けて突出している。複数のバヨネット12は、フランジ13と対峙している。複数のバヨネット12は、車両用照明装置1を車両用灯具100の筐体101に装着する際に用いられる。複数のバヨネット12は、ツイストロックに用いられるものである。
【0014】
フランジ13は、板状を呈している。フランジ13は、例えば、円板状を呈したものとすることができる。フランジ13の外側面は、バヨネット12の外側面よりも車両用照明装置1の外方に位置している。
【0015】
放熱フィン14は、フランジ13の装着部11側とは反対側に設けられている。放熱フィン14は、少なくとも1つ設けることができる。図1に例示をしたソケット10には複数の放熱フィンが設けられている。複数の放熱フィン14は、所定の方向に並べて設けることができる。放熱フィン14は、板状を呈したものとすることができる。
【0016】
また、ソケット10には、孔10aと孔10bが設けられている。孔10aの一方の端部は収納部11aの底面11a1に開口している。孔10aの内部には、絶縁部32が設けられている。孔10bの一方の端部は、孔10aの他方の端部に接続されている。孔10bの他方の端部は、ソケット10の放熱フィン14側に開口している。孔10bには、シール部材105aを有するコネクタ105が挿入される。そのため、孔10bの断面形状は、シール部材105aを有するコネクタ105の断面形状に適合したものとなっている。
【0017】
発光モジュール20において発生した熱は、主に、装着部11およびフランジ13を介して放熱フィン14に伝わる。放熱フィン14に伝わった熱は、主に、放熱フィン14から外部に放出される。
この場合、ソケット10は、発光モジュール20において発生した熱を効率よく放熱することができ、且つ、軽量であることが望まれる。そのため、発光モジュール20において発生した熱を外部に伝えることを考慮して、ソケット10は高い熱伝導率を有する材料から形成することが好ましい。高い熱伝導率を有する材料は、例えば、アルミニウムやアルミニウム合金などの金属や、高熱伝導性樹脂などとすることができる。高熱伝導性樹脂は、例えば、PET(Polyethylene terephthalate)、PBT(polybutylene terephthalate)、ナイロン(Nylon)等の樹脂に、無機材料を用いたフィラーを混合させたものである。フィラーは、例えば、酸化アルミニウムなどのセラミックスや炭素などを含むことができる。高熱伝導性樹脂を用いてソケット10を形成すれば、発光モジュール20において発生した熱を効率よく放熱することができ、且つ、さらなる軽量化を図ることができる。
【0018】
装着部11、バヨネット12、フランジ13、および放熱フィン14は、ダイカスト(die casting)や、射出成形などにより一体成形することができる。これらの要素が一体成形されていれば、熱伝達が容易となるので放熱性を向上させることができる。また、製造コストの低減、小型化、軽量化などを図るのが容易となる。
【0019】
給電部30は、複数の給電端子31と絶縁部32を有する。
複数の給電端子31は、例えば、棒状体とすることができる。複数の給電端子31は、収納部11aの底面11a1から突出している。複数の給電端子31は、所定の方向に並べて設けることができる。複数の給電端子31は、絶縁部32の内部に設けられている。複数の給電端子31は、絶縁部32の内部を延び、絶縁部32の発光モジュール20側の端部、および絶縁部32の放熱フィン14側の端部から突出している。複数の給電端子31の発光モジュール20側の端部は、基板21に設けられた配線パターン21aと電気的および機械的に接続されている。すなわち、給電端子31の一方の端部は、配線パターン21aと半田付けされている。複数の給電端子31の放熱フィン14側の端部は、孔10bの内部に露出している。孔10bの内部に露出する複数の給電端子31には、コネクタ105が嵌め合わされる。給電端子31は、導電性を有する。給電端子31は、例えば、銅合金などの金属から形成することができる。なお、給電端子31の数、形状、配置、材料などは例示をしたものに限定されるわけではなく、適宜変更することができる。
【0020】
前述したように、ソケット10は熱伝導率の高い材料から形成することが好ましい。ところが、熱伝導率の高い材料は導電性を有している場合がある。例えば、炭素からなるフィラーを含む高熱伝導性樹脂などは、導電性を有している。そのため、絶縁部32は、給電端子31と、導電性を有するソケット10との間を絶縁するために設けられている。また、絶縁部32は、複数の給電端子31を保持する機能をも有する。なお、ソケット10が絶縁性を有する高熱伝導性樹脂(例えば、セラミックスからなるフィラーを含む高熱伝導性樹脂など)などから形成される場合には、絶縁部32を省くことができる。この場合、ソケット10が複数の給電端子31を保持する。
【0021】
絶縁部32は、複数の給電端子31とソケット10との間に設けられている。絶縁部32は、絶縁性を有している。絶縁部32は、絶縁性を有する樹脂から形成することができる。絶縁部32は、例えば、PETやナイロンなどから形成することができる。絶縁部32は、ソケット10に設けられた孔10aの内部に設けられている。
【0022】
発光モジュール20は、ソケット10の一方の端部側に設けられている。発光モジュール20は、収納部11aの内部に設けることができる。
発光モジュール20は、基板21、発光素子22、抵抗23、ダイオード24、枠部25、封止部26、および制御素子27を有する。
基板21は、収納部11aの内部に設けられている。基板21は、例えば、収納部11aの底面11a1に設けることができる。基板21は、板状を呈している。基板21の平面形状は、例えば、四角形とすることができる。基板21の材料や構造には特に限定はない。例えば、基板21は、セラミックス(例えば、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなど)などの無機材料、紙フェノールやガラスエポキシなどの有機材料などから形成することができる。また、基板21は、金属板の表面を絶縁性材料で被覆したものであってもよい。なお、金属板の表面を絶縁性材料で被覆する場合には、絶縁性材料は、有機材料からなるものであってもよいし、無機材料からなるものであってもよい。発光素子22の発熱量が多い場合には、放熱の観点から熱伝導率の高い材料を用いて基板21を形成することが好ましい。熱伝導率の高い材料としては、例えば、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなどのセラミックス、高熱伝導性樹脂、金属板の表面を絶縁性材料で被覆したものなどを例示することができる。また、基板21は、単層構造を有するものであってもよいし、多層構造を有するものであってもよい。
【0023】
また、基板21の表面には、配線パターン21aが設けられている。配線パターン21aは、例えば、銅を主成分とする材料から形成することができる。ただし、配線パターン21aの材料は、銅を主成分とする材料に限定されるわけではない。配線パターン21aは、例えば、銀を主成分とする材料などから形成することもできる。配線パターン21aは、例えば、銀や銀合金から形成することもできる。
【0024】
発光素子22は、基板21の、収納部11aの底面11a1側とは反対側の面に設けられている。発光素子22は、基板21の上に設けられている。発光素子22は、基板21の表面に設けられた配線パターン21aと電気的に接続されている。発光素子22は、例えば、発光ダイオード、有機発光ダイオード、レーザダイオードなどとすることができる。発光素子22は、少なくとも1つ設けることができる。図1および図2に例示をした発光モジュール20には、複数の発光素子22が設けられている。複数の発光素子22は、直列接続することができる。
【0025】
発光素子22は、チップ状の発光素子とすることができる。チップ状の発光素子22は、COB(Chip On Board)により実装されている。この様にすれば、狭い領域に多くの発光素子22を設けることができる。そのため、発光モジュール20の小型化、ひいては車両用照明装置1の小型化を図ることができる。発光素子22は、配線21bにより配線パターン21aと電気的に接続されている。発光素子22と配線パターン21aとは、例えば、ワイヤーボンディング法により電気的に接続することができる。発光素子22は、上下電極型の発光素子、上部電極型の発光素子、フリップチップ型の発光素子などとすることができる。なお、図1に例示をした発光素子22は、上下電極型の発光素子である。発光素子22がフリップチップ型の発光素子の場合には、発光素子22は配線パターン21aと直接接続される。
また、発光素子22は、表面実装型の発光素子やリード線を有する砲弾型の発光素子とすることもできる。
【0026】
抵抗23は、基板21の、収納部11aの底面11a1側とは反対側の面に設けられている。抵抗23は、基板21の上に設けられている。抵抗23は、基板21の表面に設けられた配線パターン21aと電気的に接続されている。抵抗23は、発光素子22と電気的に接続されている。抵抗23は、少なくとも1つ設けることができる。抵抗23は、例えば、表面実装型の抵抗器、リード線を有する抵抗器(酸化金属皮膜抵抗器)、スクリーン印刷法などを用いて形成された膜状の抵抗器などとすることができる。なお、図1に例示をした抵抗23は、表面実装型の抵抗器である。
【0027】
ここで、発光素子22の順方向電圧特性には、ばらつきがあるので、アノード端子とグランド端子との間の印加電圧を一定にすると、発光素子22から照射される光の明るさ(光束、輝度、光度、照度)にばらつきが生じる。そのため、発光素子22から照射される光の明るさが所定の範囲内に収まるように、抵抗23により、発光素子22に流れる電流の値が所定の範囲内となるようにする。この場合、抵抗23の抵抗値を変化させることで、発光素子22に流れる電流の値が所定の範囲内となるようにする。
【0028】
抵抗23が表面実装型の抵抗器やリード線を有する抵抗器などの場合には、発光素子22の順方向電圧特性に応じて適切な抵抗値を有する抵抗23を選択する。抵抗23が膜状の抵抗器の場合には、抵抗23の一部を除去すれば、抵抗値を増加させることができる。例えば、抵抗23にレーザ光を照射すれば抵抗23の一部を容易に除去することができる。
【0029】
ダイオード24は、基板21の、収納部11aの底面11a1側とは反対側の面に設けられている。ダイオード24は、基板21の上に設けられている。ダイオード24は、基板21の表面に設けられた配線パターン21aと電気的に接続されている。ダイオード24は、発光素子22と電気的に接続されている。ダイオード24は、逆方向電圧が発光素子22に印加されないようにするため、および、逆方向からのパルスノイズが発光素子22に印加されないようにするために設けられている。
ダイオード24は、例えば、表面実装型のダイオードや、リード線を有するダイオードなどとすることができる。図1に例示をしたダイオード24は、表面実装型のダイオードである。
【0030】
チップ状の発光素子22の場合には、枠部25および封止部26を設けることができる。
枠部25は、基板21の、収納部11aの底面11a1側とは反対側の面に設けることができる。枠部25は、基板21の上に設けることができる。枠部25は、基板21に接着することができる。枠部25は、例えば、環状形状を有し、内側に複数の発光素子22が配置されるようになっている。すなわち、枠部25は、複数の発光素子22を囲むことができる。枠部25は、樹脂から形成することができる。樹脂は、例えば、PBT、PC(polycarbonate)、PET、ナイロン、PP(polypropylene)、PE(polyethylene)、PS(polystyrene)などの熱可塑性樹脂とすることができる。
【0031】
また、樹脂に酸化チタンなどの粒子を混合して、発光素子22から出射した光に対する反射率を向上させることができる。なお、酸化チタンの粒子に限定されるわけではなく、発光素子22から出射した光に対する反射率が高い材料からなる粒子を混合させるようにすればよい。また、枠部25は、例えば、白色の樹脂から形成することもできる。
【0032】
枠部25の内壁面は、基板21から離れるに従い枠部25の中心軸から離れる方向に傾斜する斜面となっている。そのため、発光素子22から出射した光の一部は、枠部25の内壁面で反射されて、車両用照明装置1の前面側に向けて出射する。すなわち、枠部25は、封止部26の形成範囲を規定する機能と、リフレクタの機能とを有することができる。
【0033】
封止部26は、枠部25の内側に設けられている。封止部26は、枠部25の内側を覆うように設けられている。すなわち、封止部26は、枠部25の内側に設けられ、発光素子22や配線21bなどを覆っている。封止部26は、透光性を有する材料から形成されている。封止部26は、例えば、枠部25の内側に樹脂を充填することで形成することができる。樹脂の充填は、例えば、ディスペンサなどの液体定量吐出装置を用いて行うことができる。充填する樹脂は、例えば、シリコーン樹脂などとすることができる。
【0034】
また、封止部26には、蛍光体を含めることができる。蛍光体は、例えば、YAG系蛍光体(イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体)とすることができる。ただし、蛍光体の種類は、車両用照明装置1の用途などに応じて所望の発光色が得られるように適宜変更することができる。
また、枠部25を設けずに封止部26のみを設けることもできる。封止部26のみを設ける場合には、ドーム状の封止部26が基板21の上に設けられる。
【0035】
制御素子27は、基板21の、収納部11aの底面11a1側とは反対側の面に設けられている。制御素子27は、基板21の上に設けられている。制御素子27は、基板21の表面に設けられた配線パターン21aと電気的に接続されている。制御素子27は、発光素子22と電気的に接続されている。制御素子27は、温度が上昇すると電気抵抗が高くなるものとすることができる。制御素子27は、例えば、正特性サーミスタ(Positive Temperature Coefficient Thermistor)とすることができる。制御素子27が正特性サーミスタである場合には、制御素子27の温度がキュリー点(Curie Point)を超えると、制御素子27の抵抗値が上昇する。
なお、以下においては一例として、制御素子27が正特性サーミスタである場合を説明する。
【0036】
制御素子27は、少なくとも1つ設けることができる。制御素子27の数は、設定する総電流の値に応じて適宜変更することができる。複数の制御素子27を設ける場合には、複数の制御素子27を並列接続することができる。また、並列接続された複数の制御素子27は、直列接続された複数の発光素子22と直列接続することができる。
【0037】
ここで、車両用照明装置1を点灯させる際には、発光モジュール20に電圧を印加する。すると、発光素子22に電流が流れて熱が発生し、発光素子22の温度が上昇する。
車両用照明装置1は、バッテリーを電源としているが、車両用照明装置1に印加される電圧は変動する。例えば、一般的な自動車用の車両用照明装置1の動作標準電圧(定格電圧)は13.5V程度であるが、これより高い電圧が印加される場合がある。発光モジュール20に印加される電圧が高くなると、発光素子22の温度が高くなりすぎて、発光素子22が故障したり、発光素子22の寿命が短くなったりするおそれがある。
【0038】
そこで、発光モジュール20には制御素子27が設けられている。車両用照明装置1(発光モジュール20)に電圧が印加されて、制御素子27に電流が流れるとジュール熱が発生し、制御素子27の温度が上昇する。この場合、入力電圧Vinが高くなると、それに応じて制御素子27の温度が高くなる。前述したように、制御素子27の温度がキュリー点を超えると、制御素子27の抵抗値が増加する。制御素子27の抵抗値が増加すると、発光素子22に流れる電流が減少するので発光素子22の温度上昇を抑制することができる。例えば、入力電圧Vinが12V~14.5V程度までは、抵抗値の上昇が起きないような制御素子27を選定することができる。
【0039】
以上は、制御素子27の自己発熱を考慮した場合である。しかしながら、実際には、発光素子22や抵抗23においてもジュール熱が発生し、発生した熱の一部は、基板21やソケット10(装着部11)などを介して制御素子27に伝わる。すなわち、制御素子27の温度は、自己発熱と、発光素子22などによる熱干渉の影響を受ける。自己発熱は、入力電圧Vinによりほぼ決まるので、車両用照明装置1の仕様、大きさ、用途などが変わっても変動は少ない。これに対して、熱干渉は、発光素子22および抵抗23の数や仕様、発光素子22などと制御素子27との間の距離(配置)などが変わると変動が大きくなるおそれがある。
【0040】
この場合、自己発熱と熱干渉を考慮して適切なキュリー点と抵抗値を有する制御素子27を選定することができる。しかしながらこの様にすると、車両用照明装置1の仕様などに応じて多数種類の制御素子27が必要になる。また、最適なキュリー点と抵抗値を有する制御素子27が存在せず、所望の温度において、制御素子27が動作しない場合が生じ得る。
そこで、車両用照明装置1には温度制御部40が設けられている。
後述するように、温度制御部40は、発光素子22、および抵抗23の少なくともいずれかにおいて発生し、基板21、または、基板21および装着部11を介して制御素子27に伝わる熱を制御する。
【0041】
温度制御部40は、基板21に設けられた孔、凹部、および切り欠きの少なくともいずれかを有する。なお、孔は、例えば、基板21の厚み方向を貫通するものとすることができる。凹部は、例えば、底のある孔とすることができる。切り欠きは、例えば、基板21の周縁に開口する孔または凹部とすることができる。図1に例示をした温度制御部40は、基板21の厚み方向を貫通する孔である。
温度制御部40は、発光素子22と制御素子27との間、および抵抗23と制御素子27との間の少なくともいずれかに設けることができる。一般的には、発光素子22の発熱量は、抵抗23の発熱量よりも多いので、温度制御部40は、少なくとも発光素子22と制御素子27との間に設けることが好ましい。図1に例示をした温度制御部40は、発光素子22と制御素子27との間、および抵抗23と制御素子27との間に設けられている。
【0042】
温度制御部40の内部には、基板21の材料の熱伝導率よりも低い熱伝導率を有する物質を充填することができる。この様にすれば、熱が制御素子27に伝わるのを抑制することができる。例えば、温度制御部40の内部には空気を充填することができる。すなわち、温度制御部40の内部は空間とすることができる。あるいは、温度制御部40の内部には樹脂などの熱伝導率の低い材料を充填することもできる。ただし、温度制御部40の内部が空間であれば、熱干渉の影響を小さくすることができ、且つ、製造コストの低減を図ることができる。
【0043】
また、温度制御部40の内部には、基板21の材料の熱伝導率よりも高い熱伝導率を有する物質を充填することもできる。この様にすれば、熱が制御素子27に伝わり易くなる。例えば、所望のキュリー点よりも高いキュリー点を有する制御素子27を用いる必要がある場合には、熱干渉の影響を大きくして、制御素子27の温度が上昇し易くなるようにすることが好ましい。例えば、温度制御部40の内部に銅やアルミニウムなどの金属を充填することができる。
【0044】
すなわち、温度制御部40の内部には、基板21の材料の熱伝導率と異なる熱伝導率を有する物質を充填することができる。ただし、近年においては、車両用照明装置1の小型化、すなわち、発光モジュール20の小型化が進んでいる。また、発光モジュール20の高輝度化も進んでいる。そのため、熱干渉の影響が大きくなる傾向がある。そのため、温度制御部40の内部には、基板21の材料の熱伝導率よりも低い熱伝導率を有する物質を充填することが好ましい。
なお、温度制御部40の平面寸法、平面形状、数、制御素子27と温度制御部40との間の距離、充填する物質などは、実験やシミュレーションなどを行うことで適宜決定することができる。
【0045】
以上に説明したように、温度制御部40が設けられていれば、基板21を介して制御素子27に伝わる熱の制御、ひいては制御素子27の温度の制御を行うことができる。そのため、車両用照明装置1の仕様などが変わったとしても、制御素子27が所望の温度において動作するようにすることができるので、制御素子27の共用化を図ることができる。その結果、在庫が必要となる制御素子27の種類を少なくすることができるので、車両用照明装置1の製造コストを低減させることができる。
【0046】
図3は、他の実施形態に係る温度制御部40aを例示するための模式平面図である。
なお、図3においては、煩雑となるのを避けるために、発光素子22、抵抗23、ダイオード24、枠部25、および封止部26などを省いて描いている。
図3に示すように、温度制御部40aは、収納部11aの底面11a1に設けることができる。温度制御部40aは、底面11a1に設けられた孔、凹部、および切り欠きの少なくともいずれかを有する。なお、孔は、例えば、ソケット10の中心軸方向を貫通するものとすることができる。凹部は、例えば、底のある孔とすることができる。切り欠きは、例えば、装着部11の外側面に開口する孔または凹部とすることができる。図3に例示をした温度制御部40aは、底面11a1に設けられた凹部である。平面視において(車両用照明装置1を発光モジュール20側から見て)、温度制御部40aは、制御素子27の位置、発光素子22と制御素子27との間、および抵抗23と制御素子27との間の少なくともいずれかに設けることができる。この場合、平面視において、温度制御部40aが、制御素子27の位置に設けられていれば、発光素子22からの熱、および抵抗23からの熱を同時に制御することができる。図3に例示をした温度制御部40aは、平面視において制御素子27の位置に設けられた凹部である。
【0047】
温度制御部40aの内部には、装着部11の材料の熱伝導率よりも低い熱伝導率を有する物質、または、装着部11の材料の熱伝導率よりも高い熱伝導率を有する物質を充填することができる。すなわち、温度制御部40aの内部には、装着部11の材料の熱伝導率と異なる熱伝導率を有する物質を充填することができる。
なお、装着部11の材料の熱伝導率よりも高い熱伝導率を有する物質を充填する場合には、温度制御部40aは、平面視において、発光素子22と制御素子27との間を延びる形状、または、抵抗23と制御素子27との間を延びる形状を有するものとすることができる。
前述したように、近年においては、熱干渉の影響が大きくなる傾向にあるので、温度制御部40aの内部には、装着部11の材料の熱伝導率よりも低い熱伝導率を有する物質を充填することが好ましい。充填する物質は、例えば、前述した温度制御部40の場合と同様とすることができる。
なお、温度制御部40aの平面寸法、平面形状、数、制御素子27と温度制御部40aとの間の距離、充填する物質などは、実験やシミュレーションなどを行うことで適宜決定することができる。
【0048】
以上に説明したように、温度制御部40aが設けられていれば、装着部11を介して制御素子27に伝わる熱の制御、ひいては制御素子27の温度の制御を行うことができる。そのため、車両用照明装置1の仕様などが変わったとしても、制御素子27が所望の温度において動作するようにすることができるので、制御素子27の共用化を図ることができる。その結果、在庫が必要となる制御素子27の種類を少なくすることができるので、車両用照明装置1の製造コストを低減させることができる。
【0049】
図4は、他の実施形態に係る温度制御部40bを例示するための模式斜視図である。
温度制御部40bは、基板21と制御素子27との間に設けることができる。例えば、図4に示すように、温度制御部40bは、制御素子27の側面と基板21との間に設けることができる。
前述した温度制御部40の場合と同様に、温度制御部40bの材料の熱伝導率は、基板21の材料の熱伝導率と異なるものとすることができる。前述したように、近年においては、熱干渉の影響が大きくなる傾向にあるので、温度制御部40bの材料の熱伝導率は、基板21の材料の熱伝導率よりも低くなるようにすることが好ましい。例えば、半田に代えて導電性接着剤を用いることで温度制御部40bを形成することができる。なお、温度制御部40bは、制御素子27の下面と基板21との間に設けられたシートなどであってもよい。
【0050】
なお、温度制御部40bの寸法、形状、数、材料などは、実験やシミュレーションなどを行うことで適宜決定することができる。
以上に説明したように、温度制御部40bが設けられていれば、基板21を介して制御素子27に伝わる熱の制御、ひいては制御素子27の温度の制御を行うことができる。そのため、車両用照明装置1の仕様などが変わったとしても、制御素子27が所望の温度において動作するようにすることができるので、制御素子27の共用化を図ることができる。その結果、在庫が必要となる制御素子27の種類を少なくすることができるので、車両用照明装置1の製造コストを低減させることができる。
なお、温度制御部40、40a、40bは、相互に組み合わせて実施することもできる。
【0051】
(車両用灯具)
次に、車両用灯具100について例示する。
なお、以下においては、一例として、車両用灯具100が自動車に設けられるフロントコンビネーションライトである場合を説明する。ただし、車両用灯具100は、自動車に設けられるフロントコンビネーションライトに限定されるわけではない。車両用灯具100は、自動車や鉄道車両などに設けられる車両用灯具であればよい。
【0052】
図5は、車両用灯具100を例示するための模式部分断面図である。
図5に示すように、車両用灯具100には、車両用照明装置1、筐体101、カバー102、光学要素部103、シール部材104、およびコネクタ105が設けられている。
【0053】
筐体101には車両用照明装置1が取り付けられる。筐体101は、装着部11を保持する。筐体101は、一方の端部側が開口した箱状を呈している。筐体101は、例えば、光を透過しない樹脂などから形成することができる。筐体101の底面には、装着部11のバヨネット12が設けられた部分が挿入される取付孔101aが設けられている。取付孔101aの周縁には、装着部11に設けられたバヨネット12が挿入される凹部が設けられている。なお、筐体101に取付孔101aが直接設けられる場合を例示したが、取付孔101aを有する取付部材が筐体101に設けられていてもよい。
【0054】
車両用照明装置1を車両用灯具100に取り付ける際には、装着部11のバヨネット12が設けられた部分を取付孔101aに挿入し、車両用照明装置1を回転させる。すると、取付孔101aの周縁に設けられた凹部にバヨネット12が保持される。この様な取り付け方法は、ツイストロックと呼ばれている。
【0055】
カバー102は、筐体101の開口を塞ぐようにして設けられている。カバー102は、透光性を有する樹脂などから形成することができる。カバー102は、レンズなどの機能を有するものとすることもできる。
【0056】
光学要素部103には、車両用照明装置1から出射した光が入射する。光学要素部103は、車両用照明装置1から出射した光の反射、拡散、導光、集光、所定の配光パターンの形成などを行う。
例えば、図5に例示をした光学要素部103はリフレクタである。この場合、光学要素部103は、車両用照明装置1から出射した光を反射して、所定の配光パターンが形成されるようにする。
【0057】
シール部材104は、フランジ13と筐体101の間に設けられている。シール部材104は、環状を呈するものとすることができる。シール部材104は、ゴムやシリコーン樹脂などの弾性を有する材料から形成することができる。
【0058】
車両用照明装置1が車両用灯具100に取り付けられた際には、シール部材104は、フランジ13と筐体101との間に挟まれる。そのため、シール部材104により、筐体101の内部空間が密閉される。また、シール部材104の弾性力により、バヨネット12が筐体101に押し付けられる。そのため、車両用照明装置1が、筐体101から脱離するのを抑制することができる。
【0059】
コネクタ105は、孔10bの内部に露出している複数の給電端子31の端部に嵌め合わされる。コネクタ105には、図示しない電源などが電気的に接続されている。そのため、コネクタ105を複数の給電端子31の端部に嵌め合わせることで、図示しない電源などと、発光素子22とが電気的に接続される。
また、コネクタ105は、段差部分を有している。そして、シール部材105aが、段差部分に取り付けられている。シール部材105aは、孔10bの内部に水が侵入するのを防ぐために設けられている。シール部材105aを有するコネクタ105が孔10bに挿入された際には、孔10bが水密となるように密閉される。
【0060】
シール部材105aは、環状を呈するものとすることができる。シール部材105aは、ゴムやシリコーン樹脂などの弾性を有する材料から形成することができる。コネクタ105は、例えば、接着剤などを用いてソケット10側の要素に接合することもできる。
【0061】
以上、本発明のいくつかの実施形態を例示したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0062】
1 車両用照明装置、10 ソケット、11 装着部、11a 収納部、11a1 底面、20 発光モジュール、21 基板、22 発光素子、23 抵抗、27 制御素子、40 温度制御部、40a 温度制御部、40b 温度制御部、100 車両用灯具、101 筐体
図1
図2
図3
図4
図5