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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-25
(45)【発行日】2022-06-02
(54)【発明の名称】木材加工システム
(51)【国際特許分類】
   B27C 9/04 20060101AFI20220526BHJP
   B23Q 17/24 20060101ALI20220526BHJP
   B27D 1/00 20060101ALI20220526BHJP
   B23Q 3/155 20060101ALN20220526BHJP
   B23Q 7/04 20060101ALN20220526BHJP
【FI】
B27C9/04
B23Q17/24 B
B27D1/00 C
B27D1/00 A
B23Q3/155 K
B23Q7/04 M
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2018054130
(22)【出願日】2018-03-22
(65)【公開番号】P2019166657
(43)【公開日】2019-10-03
【審査請求日】2020-12-16
(73)【特許権者】
【識別番号】304021831
【氏名又は名称】国立大学法人千葉大学
(73)【特許権者】
【識別番号】000201478
【氏名又は名称】前田建設工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】誠真IP特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】平沢 岳人
(72)【発明者】
【氏名】綱川 隆司
(72)【発明者】
【氏名】山戸 敦策
【審査官】石田 宏之
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第01923183(EP,A1)
【文献】特許第6001106(JP,B2)
【文献】特開2017-168065(JP,A)
【文献】特開平04-176535(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第01712337(EP,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0043496(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第00462940(EP,A2)
【文献】国際公開第2007/144922(WO,A1)
【文献】特開2010-036337(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第02165811(EP,A2)
【文献】特開2007-152502(JP,A)
【文献】特開2001-246602(JP,A)
【文献】特許第5331956(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B27C 9/04
B23Q 17/24
B27D 1/00
B23Q 3/155
B23Q 7/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平方向の一方向に沿って長手方向を有するとともに前記長手方向に沿って木材を搬送可能な木材搬送装置と、
前記木材搬送装置の前記長手方向の一方に配置される多軸工作機械であって、第1工具を装着可能なスピンドルと、前記スピンドルを移動するための互いに直交する2軸以上の直動軸及び2軸以上の回転軸を有するスピンドル移動装置と、を含む多軸工作機械と、
前記木材搬送装置の前記長手方向の他方に前記木材搬送装置に沿うように配置される多関節ロボットであって、第2工具を含む工具ユニットを装着可能なリストと、前記リストを移動するための6軸以上の回転軸を有するアームと、を含む少なくとも1つの多関節ロボットと、
前記木材を撮影可能な撮影装置と、
前記撮影装置により撮影された撮影画像を画像処理することにより前記木材の位置座標を検出する画像処理装置と、を備え、
前記画像処理装置は、前記撮影画像を画像処理することにより前記木材の木目又は節の少なくとも何れか一方を検出可能に構成され、
前記多軸工作機械又は前記多関節ロボットの少なくとも一方は、前記木材の木目又は節の位置に応じた加工動作であって前記木材の木取の位置を変更すること又は前記第1工具又は前記第2工具の送り速度を変更することを含む加工動作を行う
木材加工システム。
【請求項2】
前記少なくとも1つの多関節ロボットは、
第1多関節ロボットと、前記木材搬送装置を挟んで前記第1多関節ロボットとは反対側に配置される第2多関節ロボットと、を含む
請求項1に記載の木材加工システム。
【請求項3】
前記木材加工システムは、
前記少なくとも1つの多関節ロボットを前記木材搬送装置の前記長手方向に沿って搬送可能な多関節ロボット搬送装置をさらに備える
請求項1又は2に記載の木材加工システム。
【請求項4】
前記木材搬送装置は、
前記長手方向に沿って延在する走行レールと、
前記走行レールの上に配置されて前記木材を支持可能に構成されているとともに前記走行レールの前記長手方向に沿って往復動可能な作業台と、を含む
請求項1乃至の何れか1項に記載の木材加工システム。
【請求項5】
前記スピンドル移動装置の2軸以上の直動軸は、
前記木材搬送装置の前記長手方向に直交する水平方向に沿って延在する水平直動軸と、
鉛直方向に沿って延在する鉛直直動軸と、を含む
請求項に記載の木材加工システム。
【請求項6】
前記多軸工作機械は、
前記木材搬送装置の前記長手方向に直交する方向に沿って前記木材搬送装置を挟んで互いに離れて立設する一対のコラムをさらに含み、
前記多軸工作機械の前記スピンドル移動装置は、
前記一対のコラムに架け渡されるとともに前記一対のコラムに支持されるクロスレールと、前記スピンドルを支持するとともに前記クロスレールに支持されるスピンドル支持部と、を含む
請求項1乃至の何れか1項に記載の木材加工システム。
【請求項7】
前記多関節ロボットは、接地面の上に載せられるロボットベースをさらに含み、
前記アームは、前記ロボットベースに支持されるとともに前記リストを支持する
請求項1乃至の何れか1項に記載の木材加工システム。
【請求項8】
前記木材加工システムは、前記第1工具を装着可能な第1ツールマガジンを含むとともに前記第1工具を交換可能な工具交換装置をさらに備える
請求項1乃至の何れか1項に記載の木材加工システム。
【請求項9】
前記木材加工システムは、前記第2工具を装着可能な第2ツールマガジンをさらに備える
請求項1乃至の何れか1項に記載の木材加工システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、木材を加工するための木材加工システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、木造住宅を構成する柱や梁などの木材は、主として建設現場における手作業により加工が施されていたが、近年、工期や人件費を削減するために、現場施工前に工場などに設置された工作機械により木材に加工を施すプレカット工法が行われている。
【0003】
上述したプレカット工法をするための木材加工システムには、特許文献1に記載されているような、木材加工ラインの上流側から工程順に配置された切断機、中間加工機及び木口加工機などを含む複数の各工程専用の加工機と、これらの加工機に木材を搬入及び搬出するために、加工機の上流側や下流側に配置されて、加工機同士を直列に接続する複数のラインコンベアと、を備えるものがある。該木材加工システムは、木材加工ラインの上流側に配置された加工機から順々に必要な加工を施すことで、木材を所望の形状に加工する。
【0004】
また、木材加工システムには、特許文献2に記載されているような、上面視において円弧を描くように配置された複数の作業台と、該作業台の上に載せた木材に加工を施すために上述した円弧の内側及び外側に配置された複数のマニピュレータ型の多関節ロボットと、該多関節ロボットの先端部に装着される回転工具と、木材(ワーク)を搬送するために該多関節ロボットの先端部に装着される把持装置と、回転工具及び把持装置を交換するための工具交換台と、を備えるものがある。該木材加工システムは、木材の把持、搬送、斜め孔加工、曲面切削加工及び曲面研磨加工を、複数の多関節ロボットに役割分担することで、木材を所望の形状に加工する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2015-102918号公報
【文献】特開2007-152502号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の木材加工システムは、各加工機が可能な加工の種類が少なく、且つ、各加工機は自由度が低いので、木材を複雑な形状に加工することや多品種少量生産に対応することは困難な虞がある。また、特許文献1に記載の木材加工システムは、複数の加工機と複数のラインコンベアとを備える必要があるので、システムの大型化、複雑化及び高価格化を招く虞がある。
【0007】
また、特許文献2に記載の木材加工システムは、複数の作業台が上面視において円弧を描くように配置されているので、加工対象である木材が長尺の場合には、作業台の上に木材を載せて加工を施すことが困難な虞がある。また、特許文献2に記載の木材加工システムは、加工対象である木材が長尺の場合には、多関節ロボットの可動範囲内に木材の全てが入らない。このため、木材の加工の際に多関節ロボットにより木材の位置を複数回にわたり移動する必要があるので、木材を効率的に加工することができない虞がある。
【0008】
上述した事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態の目的は、多品種少量生産に対応可能、且つ、長尺木材を含む木材を効率的に加工可能であり、システムの大型化、複雑化及び高価格化を防止可能な木材加工システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る木材加工システムは、
水平方向の一方向に沿って長手方向を有するとともに前記長手方向に沿って木材を搬送可能な木材搬送装置と、
前記木材搬送装置の長手方向の一方に配置される多軸工作機械であって、第1工具を装着可能なスピンドルと、前記スピンドルを移動するための互いに直交する2軸以上の直動軸及び2軸以上の回転軸を有するスピンドル移動装置と、を含む多軸工作機械と、
前記木材搬送装置の長手方向の他方に前記木材搬送装置に沿うように配置される多関節ロボットであって、第2工具を含む工具ユニットを装着可能なリストと、前記リストを移動するための6軸以上の回転軸を有するアームと、を含む少なくとも1つの多関節ロボットと、を備える。
【0010】
上記(1)の構成によれば、多軸工作機械は、第1工具を装着可能なスピンドルと、スピンドルを移動するための互いに直交する2軸以上の直動軸及び2軸以上の回転軸を有するスピンドル移動装置と、を含んでいるので、スピンドルが互いに直交する2軸以上の直動軸に沿って移動、及び、2軸以上の回転軸に沿って回転することにより、スピンドルに装着された第1工具を木材に対して相対移動させることができる。また、多関節ロボットは、第2工具を含む工具ユニットを装着可能なリストと、リストを移動するための6軸以上の回転軸を有するアームと、を含んでいるので、リストが6軸以上の回転軸に沿って回転することにより、リストに装着された第2工具を含む工具ユニットを木材に対して相対移動させることができる。このため、上述した多軸工作機械と多関節ロボットは、工具を交換することで多種の加工が可能であり、且つ、木材を複雑な形状に加工することができるので、多品種少量生産に対応可能である。
【0011】
多軸工作機械は、一般的に、剛性が低くたわみが発生するとともに関節間のわずかな誤差が累積される多関節ロボットに比べて、絶対位置決め精度が高いという利点がある。多関節ロボットは、一般的に、多軸工作機械に比べて、工具の位置や姿勢の自由度が高いという利点がある。木材加工システムは、多軸工作機械及び多関節ロボットの両方を備えるので、例えば剛性や絶対位置決め精度が高い多軸工作機械に切断加工や孔開け加工を行わせるなどの、多軸工作機械と多関節ロボットに役割分担することができるので、上述した多軸工作機械や多関節ロボットの利点を活かした加工を行うことができる。
【0012】
そして、木材加工システムは、長手方向に沿って木材を搬送可能な木材搬送装置を備えるとともに、木材搬送装置の長手方向の一方に多軸工作機械が配置され、木材搬送装置の長手方向の他方に多関節ロボットが木材搬送装置に沿うように配置されている。多軸工作機械は第1工具を、多関節ロボットは第2工具や工具ユニットを交換することで、様々な加工が可能である。このような木材加工システムは、システムの大型化、複雑化及び高価格化を防止可能である。また、木材搬送装置により搬送される長尺木材を含む木材を多軸工作機械や多関節ロボットにより加工することができるので、木材加工システムは、長尺木材を含む木材を効率的に加工可能である。
【0013】
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、
前記少なくとも1つの多関節ロボットは、
第1多関節ロボットと、前記木材搬送装置を挟んで前記第1多関節ロボットとは反対側に配置される第2多関節ロボットと、を含む。
【0014】
上記(2)の構成によれば、木材加工システムは、第1多関節ロボットと第2多関節ロボットとが木材搬送装置を間に挟んで配置されるので、システムの大型化を防止可能である。また、第1多関節ロボットと第2多関節ロボットは、木材搬送装置を間に挟んで配置されるので、木材搬送装置により搬送される木材を加工する際に、第1多関節ロボットや第2多関節ロボットのリストやアームが不安定な姿勢になることを防止することができる。このため、第1多関節ロボットや第2多関節ロボットによる木材の加工精度の低下を防止することができる。
【0015】
(3)幾つかの実施形態では、上記(1)又は(2)の構成において、
前記木材加工システムは、
前記少なくとも1つの多関節ロボットを前記木材搬送装置の長手方向に沿って搬送可能な多関節ロボット搬送装置をさらに備える。
【0016】
上記(3)の構成によれば、多関節ロボット搬送装置は、多関節ロボットを木材搬送装置の長手方向に沿って搬送することができるので、多関節ロボットによる木材を加工可能な範囲を広くすることができる。このため、木材加工システムは、木材搬送装置により木材を搬送する回数を低減できるとともに、加工される木材が長尺の木材であっても効率的に加工可能である。
【0017】
(4)幾つかの実施形態では、上記(1)~(3)の構成において、
前記木材加工システムは、
前記木材を撮影可能な撮影装置と、
前記撮影装置により撮影された撮影画像を画像処理することにより前記木材の位置座標を検出する画像処理装置と、をさらに備える。
【0018】
上記(4)の構成によれば、画像処理装置で撮影装置により撮影された木材の撮影画像を画像処理することにより木材の位置座標を検出することができるので、多軸工作機械や多関節ロボットは、検出された木材の位置座標や該位置座標により求められる木材の位置や形状に基づいて、木材の加工をすることができる。このため、木材加工システムは、木材の加工精度を向上させることができる。
【0019】
(5)幾つかの実施形態では、上記(4)の構成において、
前記画像処理装置は、前記撮影画像を画像処理することにより前記木材の木目又は節の少なくとも何れか一方を検出可能に構成され、
前記多軸工作機械又は前記多関節ロボットの少なくとも一方は、前記木材の木目又は節の位置に応じた加工動作を行う。
【0020】
上記(5)の構成によれば、画像処理装置は、撮影装置により撮影された木材の撮影画像を画像処理することにより木材の木目又は節を検出することができる。そして、多軸工作機械や多関節ロボットは、木材の木目又は節の位置に応じた加工動作を行うことができる。木材の木目又は節の位置に応じた加工動作には、例えば木取りの位置を変更することや、加工工具の送り速度を変更することなどが含まれる。このような木材加工システムは、木材を加工することにより成形される加工品の品質向上を図ることができる。
【0021】
(6)幾つかの実施形態では、上記(1)~(5)の構成において、
前記木材搬送装置は、
前記長手方向に沿って延在する走行レールと、
前記走行レールの上に配置されて前記木材を支持可能に構成されているとともに前記走行レールの長手方向に沿って往復動可能な作業台と、を含む。
【0022】
上記(6)の構成によれば、木材搬送装置は、長手方向に沿って延在する走行レールと、走行レールの上に配置されて木材を支持可能な作業台と、を含んでいる。そして、作業台は、走行レールの長手方向に沿って往復動可能であるので、走行レールの長手方向に沿って木材を往復動させることができる。このため、木材搬送装置により多軸工作機械と多関節ロボットとの間で木材を移動できるので、多軸工作機械と多関節ロボットとの間における木材の加工の役割分担を細分化することができる。このため、多軸工作機械や多関節ロボットが適切な加工を行うことができるので、加工品の品質向上を図ることができる。
【0023】
(7)幾つかの実施形態では、上記(6)の構成において、
前記2軸以上の直動軸は、
前記木材搬送装置の長手方向に直交する水平方向に沿って延在する水平直動軸と、
鉛直方向に沿って延在する鉛直直動軸と、を含む。
【0024】
上記(7)の構成によれば、多軸工作機械の2軸以上の直動軸は、木材搬送装置の長手方向に直交する水平方向に沿って延在する水平直動軸と、鉛直方向に沿って延在する鉛直直動軸と、を含む。そして、木材搬送装置は、作業台を走行レールの長手方向に沿って往復動可能であるので、多軸工作機械と木材搬送装置とを備える木材加工システムは、スピンドルを3軸以上の直動軸及び2軸以上の回転軸により木材に対して相対移動させることができる。このため、多軸工作機械による木材の加工の自由度を高めることができる。
【0025】
(8)幾つかの実施形態では、上記(1)~(7)の構成において、
前記多軸工作機械は、
前記木材搬送装置の長手方向に直交する方向に沿って前記木材搬送装置を挟んで互いに離れて立設する一対のコラムをさらに含み、
前記多軸工作機械の前記スピンドル移動装置は、
前記一対のコラムに架け渡されるとともに前記一対のコラムに支持されるクロスレールと、前記スピンドルを支持するとともに前記クロスレールに支持されるスピンドル支持部と、を含む。
【0026】
上記(8)の構成によれば、多軸工作機械は一対のコラムを含み、スピンドル移動装置は、一対のコラムに架け渡されるとともに一対のコラムに支持されるクロスレールと、スピンドルを支持するとともにクロスレールに支持されるスピンドル支持部と、を含んでいる。このため、スピンドルは、スピンドル移動装置及び一対のコラムにより木材に対して相対移動可能に支持されている。また、一対のコラムは、木材搬送装置の長手方向に直交する方向に沿って木材搬送装置を挟んで互いに離れて立設しているので、一本のコラムで支持する場合に比べて、多軸工作機械の剛性を向上させることができる。このような多軸工作機械は、スピンドルの可動範囲、ひいてはスピンドルによる木材の加工範囲を広くすることができるので、長尺の木材に対しても加工が可能である。また、一対のコラムは、木材搬送装置の長手方向に直交する方向に沿って木材搬送装置を挟んで配置されるので、水平方向におけるスペースを有効に利用できるので、システムの大型化を防止することができる。
【0027】
(9)幾つかの実施形態では、上記(1)~(8)の構成において、
前記多関節ロボットは、接地面の上に載せられるロボットベースをさらに含み、
前記アームは、前記ロボットベースに支持されるとともに前記リストを支持する。
【0028】
上記(9)の構成によれば、多関節ロボットは接地面の上に載せられたロボットベースを含み、多関節ロボットのアームはロボットベースに支持されるとともにリストを支持する。このため、リストは、アーム及びロボットベースにより木材に対して相対移動可能に支持されている。
【0029】
(10)幾つかの実施形態では、上記(1)~(9)の構成において、
前記木材加工システムは、前記第1工具を装着可能な第1ツールマガジンを含むとともに前記第1工具を交換可能な工具交換装置をさらに備える。
上記(10)の構成によれば、木材加工システムが第1工具を装着可能な第1ツールマガジンを含むとともに第1工具を交換可能な工具交換装置を備えるので、多軸工作機械は、第1工具の交換が容易であり、且つ、木材を効率的に加工可能である。
【0030】
(11)幾つかの実施形態では、上記(1)~(10)の構成において、
前記木材加工システムは、前記第2工具を装着可能な第2ツールマガジンをさらに備える。
上記(11)の構成によれば、木材加工システムが第2工具を装着可能な第2ツールマガジンを備えるので、多関節ロボットは、第2工具の交換が容易であり、且つ、木材を効率的に加工可能である。
【発明の効果】
【0031】
本発明の少なくとも一実施形態によれば、多品種少量生産に対応可能、且つ、長尺木材を含む木材を効率的に加工可能であり、システムの大型化、複雑化及び高価格化を防止可能な木材加工システムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本発明の一実施形態にかかる木材加工システムを説明するための概略構成図である。
図2】本発明の一実施形態における木材搬送装置及び多軸工作機械の概略斜視図である。
図3】本発明の一実施形態における多関節ロボットの概略斜視図である。
図4図3に示す多関節ロボットのリストに装着される工具ユニットを説明するための概略斜視図である。
図5】本発明の他の一実施形態にかかる木材加工システムを説明するための概略構成図であって、複数の多関節ロボット及び多関節ロボット搬送装置を備える木材加工システムの概略構成図である。
図6】本発明の他の一実施形態にかかる木材加工システムを説明するための概略構成図であって、複数の多関節ロボットを搬送する多関節ロボット搬送装置及び撮影装置を備える木材加工システムの概略構成図である。
図7】本発明の一実施形態にかかる木材加工システムにおける制御装置の構成の一例を示す概略構成図である。
図8】本発明の一実施形態における画像処理装置により検出される木材の木目や節を説明するための図であって、撮影画像により撮影された木材の概略斜視図である。
図9】本発明の他の一実施形態における第2工具を装着可能な第2ツールマガジンを説明するための概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
【0034】
図1、5及び6は、本発明の一実施形態にかかる木材加工システムを説明するための概略構成図である。そして、図5は、複数の多関節ロボット及び多関節ロボット搬送装置を備える木材加工システムの概略構成図である。図6は、複数の多関節ロボットを搬送する多関節ロボット搬送装置及び撮影装置を備える木材加工システムの概略構成図である。
【0035】
図1、5及び6に示されるように、幾つかの実施形態にかかる木材加工システム1は、水平方向の一方向に沿って長手方向を有する木材搬送装置3と、木材搬送装置3の長手方向の一方に配置される多軸工作機械4と、木材搬送装置3の長手方向の他方に木材搬送装置3に沿うように配置される少なくとも1つの多関節ロボット5と、を備えている。
【0036】
木材搬送装置3、多軸工作機械4、多関節ロボット5及び後述する多関節ロボット搬送装置15は、各々の所定の位置を原点とした機械座標系が設定されている。つまり、機械座標系について互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸が予め定められている。以下、木材搬送装置3の長手方向(図1、5、6中上下方向)をY軸とし、木材搬送装置3の長手方向に直交する水平方向(図1、5、6中左右方向)をX軸とする。また、鉛直方向、すなわちX軸及びY軸に垂直な方向をZ軸とする。
【0037】
木材搬送装置3は、図1、2、5及び6に示されるように、木材搬送装置3の長手方向(Y軸)に沿って木材2を搬送可能に構成されている。ここで、図2は、本発明の一実施形態における木材搬送装置及び多軸工作機械の概略斜視図である。木材搬送装置3は、図1、2、5及び6に示されるように、長手方向に沿って延在する走行レール31と、走行レール31の上に配置されるとともに走行レール31の長手方向に沿って往復動可能な作業台32と、を含んでいる。また、走行レール31は床面10の上に設置されている。作業台32は、木材2を支持可能に構成されている。図1、2、5及び6に示される実施形態では、作業台32の上面に固定された4つのL字状の木材支持部材9によって木材2が固定されることにより、作業台32は木材2を支持している。木材搬送装置3は、不図示のリニアサーボモータを含む駆動装置をさらに含み、該駆動装置により該リニアサーボモータを駆動させることで、走行レール31の長手方向に沿って作業台32を往復動させることができる。
【0038】
図1、5及び6における木材搬送装置3の長手方向の両端近傍の矢印は、木材2が搬入される方向を示しており、図中上方又は下方から木材2が搬入される。木材2は、木材を人工的に再構成した材料である木質材料を含んでいる。より詳細には、木材2は、単板、単板積層材、集成材、無垢材、合板、若しくはこれらを重ねた複合材、又は木材同士を結合した結合木材を含んでいる。なお、木材2は、図1、2及び5に示されるような、Y軸に沿って長手方向を有する長尺木材(角材)や、図6に示されるような湾曲材であってもよく、丸材や板状部材などの他の形状であってもよい。
【0039】
多軸工作機械4は、図2に示されるように、第1工具6を装着可能なスピンドル41と、スピンドル41を移動するための互いに直交する2軸以上の直動軸(第1直動軸421、第2直動軸422)及び2軸以上の回転軸(第1回転軸423、第2回転軸424)を有するスピンドル移動装置42と、を含んでいる。このような多軸工作機械4は、スピンドル41が互いに直交する2軸以上の直動軸に沿って移動、及び、2軸以上の回転軸に沿って回転することにより、スピンドル41に装着された第1工具6を木材搬送装置3により搬送される木材2に対して相対移動させることができ、木材2の任意の点に、任意の角度で第1工具6を当てることができる。
【0040】
より詳細には、スピンドル移動装置42は、不図示の2つ以上のリニアサーボモータを含む駆動装置をさらに含み、該駆動装置により該リニアサーボモータを駆動させることで、2軸以上の直動軸に沿ってスピンドル41を木材2に対して相対的に移動させることができる。
【0041】
また、スピンドル移動装置42は、不図示の2つ以上のサーボモータを含む駆動装置を含み、該駆動装置により該サーボモータを駆動させることで、2軸以上の回転軸に沿ってスピンドル41を木材2に対して相対的に回転移動させることができる。図2に示される実施形態では、スピンドル移動装置42の2軸以上の回転軸は、Z軸の周りを回転するC軸と、Y軸の周りを回転するB軸と、を含んでいる。
【0042】
第1工具6は、エンドミル、ドリル、フライスカッター、バイトなどの切削工具や砥石などの研磨工具を含んでいる。スピンドル41に装着された第1工具6は、スピンドル41と一緒に木材2に対して相対的に移動するとともに、スピンドル41と一緒に回転しながら木材2を加工する。
【0043】
多関節ロボット5は、図3及び4に示されるように、第2工具71を含む工具ユニット7を装着可能なリスト56と、リスト56を移動するための6軸以上の回転軸を有するアーム50と、を含んでいる。ここで、図3は、本発明の一実施形態における多関節ロボットの概略斜視図である。図4は、図3に示す多関節ロボットのリストに装着される工具ユニットを説明するための概略斜視図である。このような多関節ロボット5は、リスト56が6軸以上の回転軸に沿って回転することにより、リスト56に装着された第2工具71を含む工具ユニット7を木材搬送装置3により搬送される木材2に対して相対移動させることができ、木材2の任意の点に、任意の角度で第2工具71を当てることができる。
【0044】
より詳細には、多関節ロボット5は、不図示の6つ以上のサーボモータを含む駆動装置をさらに含み、該駆動装置により該サーボモータを駆動させることで、6軸以上の回転軸に沿ってリスト56を木材2に対して相対的に移動させることができる。
【0045】
工具ユニット7は、図4に示されるように、第2工具71と、第2工具71を装着可能なスピンドル72と、スピンドル72を回転駆動するためのモータを含む駆動装置73と、スピンドル72及び駆動装置73を支持するとともにリスト56に装着可能に構成されているホルダ74と、を含んでいる。第2工具71は、エンドミル、ドリル、フライスカッター、バイトなどの切削工具や砥石などの研磨工具を含んでいる。スピンドル72に装着された第2工具71は、リスト56と一緒に木材2に対して相対的に移動するとともに、駆動装置73が駆動することにより、スピンドル72と一緒に回転しながら木材2を加工する。
【0046】
上述したように、幾つかの実施形態に係る木材加工システム1は、図1、5及び6に示されるように、上述した木材搬送装置3と、上述したスピンドル41及びスピンドル移動装置42を含む多軸工作機械4と、上述したリスト56及びアーム50を含む多関節ロボット5と、を備えている。
【0047】
上記の構成によれば、多軸工作機械4は、図2に示されるように、第1工具6を装着可能なスピンドル41と、スピンドル41を移動するための互いに直交する2軸以上の直動軸(第1直動軸421、第2直動軸422)及び2軸以上の回転軸(第1回転軸423、第2回転軸424)を有するスピンドル移動装置42と、を含んでいるので、スピンドル41が互いに直交する2軸以上の直動軸に沿って移動、及び、2軸以上の回転軸に沿って回転することにより、スピンドル41に装着された第1工具6を木材2に対して相対移動させることができる。また、多関節ロボット5は、図3及び4に示されるように、第2工具71を含む工具ユニット7を装着可能なリスト56と、リスト56を移動するための6軸以上の回転軸(第1回転軸501~第6回転軸506)を有するアーム50と、を含んでいるので、リスト56が6軸以上の回転軸に沿って回転することにより、リスト56に装着された第2工具71を含む工具ユニット7を木材2に対して相対移動させることができる。このため、上述した多軸工作機械4と多関節ロボット5は、工具(第1工具6、第2工具71、工具ユニット7)を交換することで多種の加工が可能であり、且つ、木材2を複雑な形状に加工することができるので、多品種少量生産に対応可能である。
【0048】
多軸工作機械4は、一般的に、剛性が低くたわみが発生するとともに関節間のわずかな誤差が累積される多関節ロボット5に比べて、絶対位置決め精度が高いという利点がある。多関節ロボット5は、一般的に、多軸工作機械4に比べて、工具の位置や姿勢の自由度が高いという利点がある。木材加工システム1は、多軸工作機械4及び多関節ロボット5の両方を備えるので、例えば剛性や絶対位置決め精度が高い多軸工作機械4に切断加工や孔開け加工を行わせるなどの、多軸工作機械4と多関節ロボット5に役割分担することができるので、上述した多軸工作機械4や多関節ロボット5の利点を活かした加工を行うことができる。
【0049】
そして、木材加工システム1は、長手方向に沿って木材2を搬送可能な木材搬送装置3を備えるとともに、木材搬送装置3の長手方向の一方に多軸工作機械4が配置され、木材搬送装置3の長手方向の他方に多関節ロボット5が木材搬送装置3に沿うように配置されている。多軸工作機械4は第1工具6を、多関節ロボット5は第2工具71や工具ユニット7を交換することで、様々な加工が可能である。このような木材加工システム1は、システムの大型化、複雑化及び高価格化を防止可能である。また、木材搬送装置3により搬送される長尺木材を含む木材2を多軸工作機械4や多関節ロボット5により加工することができるので、木材加工システム1は、長尺木材を含む木材2を効率的に加工可能である。
【0050】
幾つかの実施形態では、図5及び6に示されるように、上述した少なくとも1つの多関節ロボット5は、第1多関節ロボット5Aと、木材搬送装置3を挟んで第1多関節ロボット5Aとは反対側に配置される第2多関節ロボット5Bと、を含んでいる。図5及び6に示される実施形態では、第1多関節ロボット5Aは、木材搬送装置3よりも木材搬送装置3の長手方向に直交する水平方向(X軸)における一方(図中左側)に配置され、第2多関節ロボット5Bは、木材搬送装置3よりも木材搬送装置3の長手方向に直交する水平方向(X軸)における他方(図中右側)に配置されている。
【0051】
上記の構成によれば、木材加工システム1は、第1多関節ロボット5Aと第2多関節ロボット5Bとが木材搬送装置3を間に挟んで配置されるので、木材加工システム1の大型化を防止可能である。また、第1多関節ロボット5Aと第2多関節ロボット5Bは木材搬送装置3を間に挟んで配置されるので、木材搬送装置3により搬送される木材2を加工する際に、第1多関節ロボット5Aや第2多関節ロボット5Bのリスト56やアーム50が不安定な姿勢になることを防止することができる。このため、第1多関節ロボット5Aや第2多関節ロボット5Bによる木材2の加工精度の低下を防止することができる。
【0052】
幾つかの実施形態では、図5及び6に示されるように、上述した木材加工システム1は、少なくとも1つの多関節ロボット5を、木材搬送装置3の長手方向(Y軸)に沿って搬送可能な多関節ロボット搬送装置15をさらに備えている。多関節ロボット搬送装置15は、図5及び6に示されるように、木材搬送装置3の長手方向に沿って延在するとともに走行レール31に並んで配置されるロボット搬送レール151と、ロボット搬送レール151の上に配置されてロボット搬送レール151の長手方向に沿って往復動可能なロボット搬送台152と、を含んでいる。また、ロボット搬送レール151は床面10の上に設置されている。ロボット搬送台152は、上面153に多関節ロボット5を固定可能に構成されている。
【0053】
多関節ロボット搬送装置15は、不図示のリニアサーボモータを含む駆動装置をさらに含み、該駆動装置により該リニアサーボモータを駆動させることで、ロボット搬送レール151の長手方向に沿ってロボット搬送台152を往復動させることができる。図5に示される実施形態では、多関節ロボット搬送装置15は、1つのロボット搬送レール151の上に1つのロボット搬送台152が配置されている。図6に示される実施形態では、多関節ロボット搬送装置15は、1つのロボット搬送レール151の上に2つのロボット搬送台152が配置されている。
【0054】
上記の構成によれば、多関節ロボット搬送装置15は、多関節ロボット5を木材搬送装置3の長手方向に沿って搬送することができるので、多関節ロボット5による木材2を加工可能な範囲を広くすることができる。このため、木材加工システム1は、木材搬送装置3により木材2を搬送する回数を低減できるとともに、加工される木材2が長尺の木材であっても効率的に加工可能である。
【0055】
幾つかの実施形態では、図6に示されるように、上述した木材加工システム1は、木材2を撮影可能な撮影装置16と、画像処理装置84と、を備えている。撮影装置16は、木材2を撮像して撮影画像を生成するものである。また、画像処理装置84は、撮影装置16により撮影された撮影画像を、例えば濃度変化から木材2の境界を見出すエッジ検出などの画像処理をすることにより、木材2の位置座標を検出可能に構成されている。複数の撮影装置16は、図6に示されるように、木材搬送装置3の長手方向に直交する水平方向(X軸)において走行レール31から離れた位置に配置されるとともに、木材搬送装置3の長手方向に互いに離れて配置されている。図6に示されるように、複数の撮影装置16のうちの幾つかは、第1多関節ロボット5Aを間に挟んで走行レール31とは反対側(図中左側)に配置されており、複数の撮影装置16のうちの他の幾つかは、第2多関節ロボット5Bやロボット搬送レール151を間に挟んで走行レール31とは反対側(図中右側)に配置されている。
【0056】
上記の構成によれば、画像処理装置84で撮影装置16により撮影された木材2の撮影画像を画像処理することにより木材2の位置座標を検出することができるので、多軸工作機械4や多関節ロボット5は、検出された木材2の位置座標や該位置座標により求められる木材2の位置や形状に基づいて、木材2の加工をすることができる。このため、木材加工システム1は、木材2の加工精度を向上させることができる。
【0057】
幾つかの実施形態では、上述した画像処理装置84は、撮影装置16により撮影された木材2の撮影画像を画像処理することにより、図8に示されるような、木材2の木目21又は節22の少なくとも一方を検出可能に構成されている。ここで、図8は、本発明の一実施形態における画像処理装置により検出される木材の木目や節を説明するための図であって、撮影画像により撮影された木材の概略斜視図である。上述した多軸工作機械4又は上述した多関節ロボット5の少なくとも一方は、木材2の木材2の木目21又は節22の位置に応じた加工動作を行うようになっている。例えば、図8中の一点鎖線は木材2の切断位置を示しているが、図8に示すように木目21に対して垂直に切断する場合には、木目21に沿って切断する場合に比べて工具(第1工具6、第2工具71)の送り速度を変更してもよい。この場合には、切断面の加工品質を向上させることができる。また、仮に切断位置で木材2を切断すると、切断工程の後の工程において形成予定の孔の位置と節22の位置とが重なるような場合には、多軸工作機械4や多関節ロボット5は、形成予定の孔の位置と節22の位置とが重ならないように、木材2の切断位置を図中上方や下方にずらすようになっている。この場合には、節22を打ち抜いて予期しない形状の孔が形成されることを防止できるので、加工品の品質向上を図ることができる。
【0058】
上記の構成によれば、画像処理装置84は、撮影装置16により撮影された木材2の撮影画像を画像処理することにより木材2の木目21又は節22を検出することができる。そして、多軸工作機械4や多関節ロボット5は、木材2の木目21又は節22の位置に応じた加工動作を行うことができる。木材2の木目21又は節22の位置に応じた加工動作には、例えば木材2の木取りの位置を変更することや、工具(第1工具6、第2工具71)の送り速度を変更することなどが含まれる。このような木材加工システム1は、木材2を加工することにより成形される加工品の品質向上を図ることができる。
【0059】
幾つかの実施形態では、上述した多軸工作機械4は、図1、5及び6に示されるように、多軸工作機械4を構成する構成要素を制御するための第1制御装置47をさらに含んでいる。また、上述した多関節ロボット5は、図1、5及び6に示されるように、多関節ロボット5を構成する構成要素を制御するためのコントローラ58をさらに含んでいる。そして、木材加工システム1は、図1、5及び6に示されるように、木材搬送装置3、多軸工作機械4及び多関節ロボット5を制御するための第2制御装置8(制御装置)をさらに備えている。第1制御装置47やコントローラ58は、一般的な構成及び制御については割愛するが、入出力装置(入出力インターフェース)、記憶装置(ROM、RAM)及び演算装置(CPU)を含むマイクロコンピュータ等を含むものである。
【0060】
第2制御装置8は、図1、5及び6に示されるように、木材搬送装置3、多軸工作機械4の第1制御装置47及び多関節ロボット5のコントローラ58に電気的に接続されており、装置間における信号の送受信が可能に構成されている。また、図5及び6に示される実施形態では、第2制御装置8は、不図示であるが多関節ロボット搬送装置15に電気的に接続されており、装置間における信号の送受信が可能に構成されている。図6に示される実施形態では、第2制御装置8は、撮影装置16に電気的に接続されており、装置間における信号の送受信が可能に構成されている。
【0061】
第2制御装置8は、図7に示されるように、入出力装置81と、記憶装置82と、演算装置83と、上述した画像処理装置84と、を備えている。ここで、図7は、本発明の一実施形態にかかる木材加工システムにおける制御装置の構成の一例を示す概略構成図である。第2制御装置8の入出力装置81、記憶装置82、演算装置83及び画像処理装置84はバス85に電気的に接続されており、装置間における信号の送受信が可能に構成されている。
【0062】
第2制御装置8の入出力装置81(入出力インターフェース)は、木材加工システム1において用いられる各構成要素(多軸工作機械4や多関節ロボット5など)からの各種情報が入力され、且つ、演算結果などに基づく各種情報を上述した各構成要素に出力する。記憶装置82(ROM、RAM)は、入力された各種情報や制御実施のために必要な各種プログラムや演算結果などを記憶可能に構成されている。演算装置83(CPU)は、上述した各種情報に基づいて演算処理を行う。なお、第2制御装置8は、入出力装置81、記憶装置82及び演算装置83を含むマイクロコンピュータから構成されているが、一般的な構成及び制御については適宜割愛することとする。
【0063】
第2制御装置8の記憶装置82は、図7に示されるように、木材情報データ821と、木材搬送装置情報データ822と、多軸工作機械情報データ823と、多関節ロボット情報データ824と、が記憶されている。木材情報データ821には、木材2の位置や姿勢、形状、材質などの木材2の情報と、加工パスなどの木材2を加工するための加工情報と、が含まれる。木材搬送装置情報データ822には、木材搬送装置3の作業台32の位置情報が含まれる。多軸工作機械情報データ823には、第1工具6の位置や姿勢、寸法、切削条件などの第1工具6の情報と、スピンドル41やスピンドル移動装置42の位置や姿勢などの多軸工作機械4の情報が含まれる。多関節ロボット情報データ824には、第2工具71を含む工具ユニット7の位置や姿勢、寸法、切削条件などの第2工具71の情報と、リスト56やアーム50の位置や姿勢などの多関節ロボット5の情報が含まれる。
【0064】
第2制御装置8は、記憶装置82に記憶された木材情報データ821、木材搬送装置情報データ822、多軸工作機械情報データ823及び多関節ロボット情報データ824に基づき、木材搬送装置3、多軸工作機械4及び多関節ロボット5の動作の制御を行う。また、第2制御装置8は、記憶装置82に記憶された木材情報データ821、木材搬送装置情報データ822、多軸工作機械情報データ823及び多関節ロボット情報データ824に基づき、多軸工作機械4と多関節ロボット5との間における木材2の加工の役割分担を決定する。
【0065】
幾つかの実施形態では、図1、2、5及び6に示されるように、上述した木材搬送装置3は、上述した走行レール31と、上述した作業台32と、を含んでいる。
【0066】
上記の構成によれば、木材搬送装置3は、長手方向に沿って延在する走行レール31と、走行レール31の上に配置されて木材2を支持可能な作業台32と、を含んでいる。そして、作業台32は、走行レール31の長手方向に沿って往復動可能であるので、走行レール31の長手方向に沿って木材2を往復動させることができる。このため、木材搬送装置3により多軸工作機械4と多関節ロボット5との間で木材2を移動できるので、多軸工作機械4と多関節ロボット5との間における木材2の加工の役割分担を細分化することができる。このため、多軸工作機械4や多関節ロボット5が適切な加工を行うことができるので、加工品の品質向上を図ることができる。
【0067】
幾つかの実施形態では、図2に示されるように、上述した多軸工作機械4の2軸以上の直動軸は、木材搬送装置3の長手方向に直交する水平方向(X軸)に沿って延在する第1直動軸421(水平直動軸)と、鉛直方向(Z軸)に沿って延在する第2直動軸422(鉛直直動軸)と、を含んでいる。また、上述した木材搬送装置3は、図2に示されるように、上述した作業台32を走行レール31の長手方向に沿って往復動可能である。
【0068】
上記の構成によれば、多軸工作機械4の2軸以上の直動軸は、木材搬送装置3の長手方向に直交する水平方向(X軸)に沿って延在する第1直動軸421(水平直動軸)と、鉛直方向(Z軸)に沿って延在する第2直動軸422(鉛直直動軸)と、を含む。そして、木材搬送装置3は、作業台32を走行レール31の長手方向(Y軸)に沿って往復動可能であるので、多軸工作機械4と木材搬送装置3とを備える木材加工システム1は、スピンドル41を木材搬送装置3のY軸を含んだ3軸以上の直動軸及び2軸以上の回転軸により木材2に対して相対移動させることができる。このため、多軸工作機械4による木材2の加工の自由度を高めることができる。
【0069】
幾つかの実施形態では、図1、2、5及び6に示されるように、上述した多軸工作機械4は、木材搬送装置3の長手方向に直交する水平方向(X軸)に沿って木材搬送装置3を挟んで互いに離れて配置されるとともに、床面10の上に立設する一対のコラム43、44をさらに含んでいる。図2に示されるように、上述した多軸工作機械4のスピンドル移動装置42は、一対のコラム43、44に架け渡されるとともに一対のコラム43、44に支持されるクロスレール45と、スピンドル41を支持するとともにクロスレール45に支持されるスピンドル支持部46と、を含んでいる。
【0070】
図2に示される実施形態では、スピンドル支持部46は、上述した第1直動軸421と上述した第2直動軸422とを有し、クロスレール45に対して第1直動軸421や第2直動軸422に沿って往復動可能に構成されている。なお、他の実施形態では、クロスレール45が上述した第1直動軸421や上述した第2直動軸422の少なくとも一方を有し、一対のコラム43、44に対して第1直動軸421や第2直動軸422に沿って往復動可能に構成されていてもよい。スピンドル支持部46は、上述した第1回転軸423と上述した第2回転軸424とを有し、スピンドル41をC軸やB軸に沿って回転可能に構成されている。
【0071】
上記の構成によれば、多軸工作機械4は一対のコラム43、44を含み、スピンドル移動装置42は、一対のコラム43、44に架け渡されるとともに一対のコラム43、44に支持されるクロスレール45と、スピンドル41を支持するとともにクロスレール45に支持されるスピンドル支持部46と、を含んでいる。このため、スピンドル41は、スピンドル移動装置42及び一対のコラム43、44により木材2に対して相対移動可能に支持されている。また、一対のコラム43、44は、木材搬送装置3の長手方向に直交する方向に沿って木材搬送装置3を挟んで互いに離れて立設しているので、一本のコラム43、44で支持する場合に比べて、多軸工作機械4の剛性を向上させることができる。このような多軸工作機械4は、スピンドル41の可動範囲、ひいてはスピンドル41による木材2の加工範囲を広くすることができるので、長尺の木材2に対しても加工が可能である。また、一対のコラム43、44は、木材搬送装置3の長手方向に直交する方向に沿って木材搬送装置3を挟んで配置されるので、水平方向におけるスペースを有効に利用できるので、木材加工システム1の大型化を防止することができる。
【0072】
幾つかの実施形態では、図3に示されるように、上述した多関節ロボット5は、設置面(床面10、多関節ロボット搬送装置15の上面153)の上に載せられるロボットベース57をさらに含んでいる。そして、多関節ロボット5のアーム50は、ロボットベース57に支持されるとともにリスト56を支持するようになっている。つまり、多関節ロボット5は、図3に示すように、ロボットベース57と、ロボットベース57に軸支される上述したアーム50と、アーム50に軸支される上述したリスト56と、を含んでいる。アーム50は、図3に示されるように、ロボットベース57側から順に、第1アーム51、第2アーム52、第3アーム53、第4アーム54及び第5アーム55を含んでいる。
【0073】
第1アーム51は、軸方向の一方がロボットベース57に軸支される。第1アーム51は、不図示のサーボモータを含む駆動装置により駆動されることで、ロボットベース57との間に設けられた第1回転軸501に沿って回転する。第2アーム52は、軸方向の一方が第1アーム51の軸方向の他方に軸支される。第2アーム52は、不図示のサーボモータを含む駆動装置により駆動されることで、第1アーム51との間に設けられた第2回転軸502に沿って回転し、第1アーム51の軸方向と第2アーム52の軸方向とが成す角度を変化させる。
【0074】
第3アーム53は、軸方向の一方が第2アーム52の軸方向の他方に軸支される。第3アーム53は、不図示のサーボモータを含む駆動装置により駆動されることで、第2アーム52との間に設けられた第3回転軸503に沿って回転し、第2アーム52の軸方向と第3アーム53の軸方向とが成す角度を変化させる。第4アーム54は、軸方向が第3アーム53の軸方向に沿った方向であり、軸方向の一方が第3アーム53の軸方向の他方に軸支される。第4アーム54は、不図示のサーボモータを含む駆動装置により駆動されることで、第3アーム53との間に設けられた第4回転軸504に沿って回転する。
【0075】
第5アーム55は、軸方向の一方が第4アーム54の軸方向の他方に軸支される。第5アーム55は、不図示のサーボモータを含む駆動装置により駆動されることで、第4アーム54との間に設けられた第5回転軸505に沿って回転し、第4アーム54の軸方向と第5アーム55の軸方向とが成す角度を変化させる。リスト56は、軸方向が第5アーム55の軸方向に沿った方向であり、軸方向の一方が第5アーム55の軸方向の他方に軸支される。リスト56は、不図示のサーボモータを含む駆動装置により駆動されることで、第5アーム55との間に設けられた第6回転軸506に沿って回転する。
【0076】
上記の構成によれば、多関節ロボット5は接地面(床面10、多関節ロボット搬送装置15の上面153)の上に載せられたロボットベース57を含み、多関節ロボット5のアーム50はロボットベース57に支持されるとともにリスト56を支持する。このため、リスト56は、アーム50及びロボットベース57により木材2に対して相対移動可能に支持されている。
【0077】
幾つかの実施形態では、図1、5及び6に示されるように、上述した木材加工システム1は、第1工具6を装着可能な第1ツールマガジン12を含むとともに第1工具6を交換可能な工具交換装置11をさらに備えている。図1、5及び6に示される実施形態では、工具交換装置11は、第1ツールマガジン12と、多軸工作機械4のスピンドル41や第1ツールマガジン12に第1工具6を着脱可能な着脱機構を有するツールチェンジャ13と、を含んでいる。第1ツールマガジン12は、後述する図9に示す第2ツールマガジン14と同様の構成を有しているので、説明を省略する。ツールチェンジャ13は、不図示のモータ等の駆動源と、該駆動源により動作する不図示の工具把持部等を有するアクチュエータと、を有しており、多軸工作機械4のスピンドル41や第1ツールマガジン12に第1工具6を取り付けること、及び、多軸工作機械4のスピンドル41や第1ツールマガジン12から第1工具6を取り外すことができるようになっている。なお、工具交換装置11は、多軸工作機械4のスピンドル41の可動範囲内に第1ツールマガジン12が位置しており、スピンドル41が第1ツールマガジン12から直に第1工具6を装着できるのであれば、第1ツールマガジン12を含まなくてもよい。
【0078】
上記の構成によれば、木材加工システム1は、第1工具6を装着可能な第1ツールマガジン12を含むとともに第1工具6を交換可能な工具交換装置11を備えるので、多軸工作機械4は、第1工具6の交換が容易であり、且つ、木材2を効率的に加工可能である。
【0079】
幾つかの実施形態では、図1、5、6、及び9に示されるように、上述した木材加工システム1は、第2工具71を装着可能な第2ツールマガジン14をさらに備えている。ここで、図9は、本発明の他の一実施形態における第2工具を装着可能な第2ツールマガジンを説明するための概略斜視図である。図9に示されるように、第2ツールマガジン14は、長手方向を有する板状のラック141と、ラック141の長手方向において互いに間隔をおいて設けられた複数の係止部142と、を含んでいる。複数の係止部142は、図9に示されるように、半円弧状の切り欠きが形成されており、該切り欠きに第2工具71が係止されるようになっている。第2ツールマガジン14は、図1、5及び6に示されるように、多関節ロボット5の可動範囲内に配置される。
【0080】
上記の構成によれば、木材加工システム1は、第2工具71を装着可能な第2ツールマガジン14を備えるので、多関節ロボット5は、第2工具71の交換が容易であり、且つ、木材2を効率的に加工可能である。
【0081】
なお、上述した木材2を加工することにより成形される加工品は、木造住宅を構成する柱や梁であってもよく、また、鴨居などの造作材や、家具、木工工芸品などであってもよい。よって、上述した木材2の加工には、切断加工や、組み手や仕口、孔、溝などの形成だけでなく、装飾を目的とするような加工が含まれる。
【0082】
上述した幾つかの実施形態では、上述した木材搬送装置3は、長手方向に沿って木材2を搬送可能に構成されていたが、長手方向に沿った方向だけでなく、長手方向に直交する方向に沿って木材2を搬送可能に構成されていてもよい。つまり、木材搬送装置3は、長手方向に直交する方向に沿った方向に木材2を搬送するための不図示のリニアサーボモータを含む駆動装置を含んでいてもよい。この場合には、多軸工作機械4や多関節ロボット5による木材2の加工の自由度を高めることができる。
【0083】
上述した幾つかの実施形態では、木材搬送装置3、多軸工作機械4及び多関節ロボット5における駆動装置は、回転検出器がモータに組み込まれたサーボモータを含んでいたが、サーボモータ以外のモータを含んでもよい。例えば、駆動装置は、ボールネジ機構とボールネジ機構のネジ軸を回転させるモータとを含んでもよい。
【0084】
幾つかの実施形態では、図4に示されるように、多関節ロボット5のリスト56と工具ユニット7のホルダ74との間に荷重を検出する荷重センサ17が設けられる。この場合には、荷重センサ17により木材2の加工時の木材2の切削抵抗などを検出することにより、木材2の切削抵抗に応じて第2工具71の送り速度を調整することなどができるので、多関節ロボット5による加工の精度を向上させることができる。
【0085】
幾つかの実施形態では、図5及び6に示されるように、上述した木材加工システム1は、多軸工作機械4及び多関節ロボット5により加工された木材2を置くための加工品置場18をさらに備えている。多関節ロボット5は、リスト56に木材2を搬送するための搬送治具を装着可能に構成されている。加工品置場18は、木材搬送装置3の長手方向(Y軸)に沿って延在するとともに、木材搬送装置3の長手方向に直交する水平方向(X軸)において走行レール31から離れた位置に配置されている。図5及び6に示される実施形態では、加工品置場18は、多関節ロボット5やロボット搬送レール151を間に挟んで走行レール31とは反対側に配置されている。この場合には、多関節ロボット5により加工が完了した木材2を加工品置場18に搬送させている間に、木材搬送装置3に木材2を搬入することができるので、作業性を向上させることができる。また、加工品置場18は、多関節ロボット5やロボット搬送レール151を間に挟んで走行レール31とは反対側に配置されているので、木材加工システム1の大型化を防止することができる。
【0086】
また、幾つかの実施形態では、図6に示されるように、上述した木材加工システム1は、取付金物を置くための取付金物置場19をさらに備えている。取付金物は、木材2同士を接合するためのものであり、木材2にネジなどの固定部材で固定される。取付金物置場19は、図6に示されるように、木材搬送装置3の長手方向に直交する水平方向(X軸)において走行レール31から離れた位置に配置されている。図6に示される実施形態では、取付金物置場19は、多関節ロボット5やロボット搬送レール151を間に挟んで走行レール31とは反対側に配置されている。また、上述した第2工具71は、例えばドライバービットなどの取付金物を木材2に固定するための取付工具をさらに含んでいる。この場合には、多関節ロボット5により取付金物を木材2に取り付けることができる。このため、取付金物を取り付ける作業を行うための作業スペースを別に設ける必要がないので、木材加工システム1の大型化を防止することができる。
【0087】
幾つかの実施形態では、上述した多軸工作機械4と上述した多関節ロボット5は、互いの可動範囲が重なり合わない位置に配置されている。この場合には、多軸工作機械4と多関節ロボット5とが干渉したり、動作が制限されたりすることがないので、多軸工作機械4や多関節ロボット5の各々の作業性を向上させることができる。
【0088】
他の幾つかの実施形態では、上述した多軸工作機械4と上述した多関節ロボット5は、互いの可動範囲が重なり合う位置に配置されている。この場合には、多軸工作機械4と多関節ロボット5とを近い位置に配置できるので、多軸工作機械4と多関節ロボット5とに同時に加工させて、木材搬送装置3による木材2の移動回数を少なくすることができる。また、多軸工作機械4と多関節ロボット5とを近い位置に配置できるので、木材加工システム1の大型化を防止することができる。また、多関節ロボット5が工具交換装置11のツールチェンジャ13の代わりに、多軸工作機械4のスピンドル41や第1ツールマガジン12に第1工具6を着脱するようになっていてもよい。この場合には、木材加工システム1の複雑化を防止することができる。
【0089】
また、上述した幾つかの実施形態において、上述した多軸工作機械4や上述した多関節ロボット5が干渉する虞がある場合には、上述した第2制御装置8は、上述した多軸工作機械4や上述した多関節ロボット5の動作前にシミュレーションを行って、干渉しないことを確認した上で、上述した多軸工作機械4や上述した多関節ロボット5を動作させるようになっていてもよい。
【0090】
本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
【符号の説明】
【0091】
1 木材加工システム
2 木材
21 木目
22 節
3 木材搬送装置
31 走行レール
32 作業台
4 多軸工作機械
41 スピンドル
42 スピンドル移動装置
421 第1直動軸
422 第2直動軸
423 第1回転軸
424 第2回転軸
43,44 コラム
45 クロスレール
46 スピンドル支持部
47 第1制御装置
5 多関節ロボット
5A 第1多関節ロボット
5B 第2多関節ロボット
50 アーム
501 第1回転軸
502 第2回転軸
503 第3回転軸
504 第4回転軸
505 第5回転軸
506 第6回転軸
51 第1アーム
52 第2アーム
53 第3アーム
54 第4アーム
55 第5アーム
56 リスト
57 ロボットベース
58 コントローラ
6 第1工具
7 工具ユニット
71 第2工具
72 スピンドル
73 駆動装置
74 ホルダ
8 第2制御装置
81 入出力装置
82 記憶装置
821 木材情報データ
822 木材搬送装置情報データ
823 多軸工作機械情報データ
824 多関節ロボット情報データ
83 演算装置
84 画像処理装置
85 バス
9 木材支持部材
10 床面
11 工具交換装置
12 第1ツールマガジン
13 ツールチェンジャ
14 第2ツールマガジン
141 ラック
142 係止部
15 多関節ロボット搬送装置
151 ロボット搬送レール
152 ロボット搬送台
153 上面
16 撮影装置
17 荷重センサ
18 加工品置場
19 取付金物置場
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9