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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-25
(45)【発行日】2022-06-02
(54)【発明の名称】人属性認識システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/521 20170101AFI20220526BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20220526BHJP
   G01B 11/24 20060101ALN20220526BHJP
【FI】
G06T7/521
G06T7/00 660B
G01B11/24 K
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2017216327
(22)【出願日】2017-11-09
(65)【公開番号】P2019087130
(43)【公開日】2019-06-06
【審査請求日】2020-10-22
(73)【特許権者】
【識別番号】393031586
【氏名又は名称】株式会社国際電気通信基礎技術研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100090181
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 義人
(72)【発明者】
【氏名】足立 隆弘
(72)【発明者】
【氏名】岸本 学
(72)【発明者】
【氏名】河野 みちよ
(72)【発明者】
【氏名】速水 悦子
(72)【発明者】
【氏名】田中 浩
【審査官】笠田 和宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-262527(JP,A)
【文献】特開2007-272474(JP,A)
【文献】特開2006-185166(JP,A)
【文献】特開2012-173073(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 7/521
G06T 7/00
G01B 11/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通過領域を通る人を上方から撮影して距離画像を出力する距離画像センサ、
前記距離画像を塊り毎に分離して塊り距離画像とする分離部、
前記塊り距離画像を1つまたは複数の任意の高さで切断した横断面画像を生成する第1横断面画像生成部、
前記1つまたは複数の横断面画像に基づいて前記塊り距離画像の輪郭が人の形状に類似した塊り距離画像を抽出する塊り距離画像抽出部、
それぞれが前記塊り距離画像の重心を通るように切断した、1つまたはそれ以上の縦断面画像を生成する縦断面画像生成部、および
前記縦断面画像に基づいて前記塊り距離画像に含まれる人の属性を検出する属性検出部を備える、人属性認識システム。
【請求項2】
前記属性検出部は、前記縦断面画像の輪郭線におけるピークを検出するピーク検出部を含み、
前記ピーク検出部が検出したピークの数が前記塊り距離画像に含まれる人の数を示す属性とされる、請求項記載の人属性認識システム。
【請求項3】
さらに、前記塊り距離画像の1つまたは複数の横断面画像を生成する第2横断面画像生成部を備え、
前記属性検出部は、前記第2横断面画像生成部が生成した前記横断面画像に基づいて前記属性を検出する、請求項1または2記載の人属性認識システム。
【請求項4】
前記属性検出部は、前記横断面画像の輪郭線から得られる大きさおよび形状から頭部を検出して人の数を示す属性を検出する、請求項記載の人属性認識システム。
【請求項5】
前記属性検出部は、横断面画像の輪郭線から得られる大きさおよび形状から持っている荷物を検出して人属性とする、請求項記載の人属性認識システム。
【請求項6】
通過領域を通る人を上方から撮影して距離画像を出力する距離画像センサを備える人属性認識システムのコンピュータを、
前記距離画像を塊り毎に分離して塊り距離画像とする分離部、
前記塊り距離画像を1つまたは複数の任意の高さで切断した横断面画像を生成する横断面画像生成部、
前記1つまたは複数の横断面画像に基づいて前記塊り距離画像の輪郭が人の形状に類似した塊り距離画像を抽出する塊り距離画像抽出部、
それぞれが前記塊り距離画像の重心を通るように切断した、1つまたはそれ以上の縦断面画像を生成する縦断面画像生成部、および
前記縦断面画像に基づいて前記塊り距離画像に含まれる人の属性を検出する属性検出部として機能させる、人属性認識プログラム。
【請求項7】
通過領域を通る人を上方から撮影して距離画像を出力する距離画像センサを備える人属性認識システムにおいて、
前記距離画像を塊り毎に分離して塊り距離画像とするステップ、
前記塊り距離画像を1つまたは複数の任意の高さで切断した横断面画像を生成する横断面画像生成ステップ、
前記1つまたは複数の横断面画像に基づいて前記塊り距離画像の輪郭が人の形状に類似した塊り距離画像を抽出する塊り距離画像抽出ステップ、
それぞれが前記塊り距離画像の重心を通るように切断した、1つまたはそれ以上の縦断面画像を生成する縦断面画像生成ステップ、および
前記縦断面画像に基づいて前記塊り距離画像に含まれる人の属性を検出する属性検出ステップを含む、人属性認識方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は人属性認識システムおよびプログラムに関し、特にたとえば、通路やゲートなどの通過領域に設けた距離画像センサからの距離画像に基づいて人とその人の属性を認識する、人属性認識システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の技術は、たとえば、部屋や建物の入り口やゲートを通過する人数計測等のために利用され得る。
【0003】
この発明の背景となる人数カウント装置の一例が特許文献1に開示されている。特許文献1では、人物存在領域として矩形情報を出力し、その矩形情報の縦横比または縦と横の長さに応じて人物存在状況を推定するが、その矩形比が異なる場合には、オクルージョンが発生していると判定し、部分的な検出 (上半身、下半身、右半身、左半身のような部分を検出することによって、人物が重なっている場合でも人数カウントができるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2012-108785号公報[G06T 1/00, 7/00, G06M 11/00]
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の人数カウント装置では、矩形比で人だけを検出するので、認識した人の属性を特定するのは困難である。
【0006】
それゆえに、この発明の主たる目的は、新規な、人属性認識システムおよびプログラムを提供することである。
【0007】
この発明の他の目的は、距離画像を処理することによって人とその人の属性を認識することができる、人属性認識システムおよびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、上記の課題を解決するために、以下の構成を採用した。なお、括弧内の参照符号および補足説明等は、本発明の理解を助けるために後述する実施の形態との対応関係を示したものであって、本発明を何ら限定するものではない。
【0009】
第1の発明は、通過領域を通る人を上方から撮影して距離画像を出力する距離画像センサ、距離画像を塊り毎に分離して塊り距離画像とする分離部、塊り距離画像を1つまたは複数の任意の高さで切断した横断面画像を生成する第1横断面画像生成部、1つまたは複数の横断面画像に基づいて塊り距離画像の輪郭が人の形状に類似した塊り距離画像を抽出する塊り距離画像抽出部、それぞれが塊り距離画像の重心を通るように切断した、1つまたはそれ以上の縦断面画像を生成する縦断面画像生成部、および縦断面画像に基づいて塊り距離画像に含まれる人の属性を検出する属性検出部を備える、人属性認識システムである。
【0010】
第1の発明では、距離画像センサ(12)は、通過領域を通る人を上方から撮影した距離画像を出力する。分離部(14、S21)は、距離画像を塊り毎に分離して塊り距離画像とし、第1横断面画像生成部(14、S23)がその塊り距離画像を1つまたは複数の任意の高さで切断して、横断面画像を生成する。塊り距離画像抽出部(14、S25)は1つまたは複数の横断面画像に基づいて塊り距離画像の輪郭が人の形状に類似した塊り距離画像を抽出する。縦断面画像生成部(14、S31)は、塊り距離画像の重心を通る1つまたはそれ以上の切断線で縦断面画像を生成し、属性検出部(14、S33‐S37)は、縦断面画像に基づいてその塊り距離画像に含まれる人の属性、たとえば人の数を検出する。
【0011】
第1の発明によれば、塊り距離画像の縦断面画像に基づいてその塊り距離画像に含まれる人の属性を検出するので、正確に任属性を検出することができる。
【0013】
第2の発明は、第1の発明に従属し、属性検出部は、縦断面画像の輪郭線におけるピークを検出するピーク検出部を含み、ピーク検出部が検出したピークの数が塊り距離画像に含まれる人の数を示す属性とされる、人属性認識システムである。
【0014】
第2の発明によれば、ピークの数をカウントするだけで、通過領域を通る人の正確な人数が計測可能となる。
【0015】
第3の発明は、第1または第2の発明に従属し、さらに、塊り距離画像の1つまたは複数の横断面画像を生成する第2横断面画像生成部を備え、属性検出部は、横断面画像に基づいて属性を検出する、人属性認識システムである。
【0016】
第3の発明によれば、横断面画像も用いるので、属性検出が一層正確に行える。
【0017】
第4の発明は、第3の発明に従属し、属性検出部は、横断面画像の輪郭線から得られる大きさおよび形状から頭部を検出して人の数を示す属性を検出する、人属性認識システムである。
【0018】
第5の発明は、第3の発明に従属し、属性検出部は、横断面画像の輪郭線から得られる大きさおよび形状から持っている荷物を検出して人属性とする、人属性認識システムである。
【0019】
第6の発明は、通過領域を通る人を上方から撮影して距離画像を出力する距離画像センサを備える人属性認識システムのコンピュータを、距離画像を塊り毎に分離して塊り距離画像とする分離部、塊り距離画像を1つまたは複数の任意の高さで切断した横断面画像を生成する横断面画像生成部、1つまたは複数の横断面画像に基づいて塊り距離画像の輪郭が人の形状に類似した塊り距離画像を抽出する塊り距離画像抽出部、それぞれが塊り距離画像の重心を通るように切断した、1つまたはそれ以上の縦断面画像を生成する縦断面画像生成部、および縦断面画像に基づいて塊り距離画像に含まれる人の属性を検出する属性検出部として機能させる、人属性認識プログラムである。
第7の発明は、通過領域を通る人を上方から撮影して距離画像を出力する距離画像センサを備える人属性認識システムにおいて、距離画像を塊り毎に分離して塊り距離画像とするステップ、塊り距離画像を1つまたは複数の任意の高さで切断した横断面画像を生成する横断面画像生成ステップ、1つまたは複数の横断面画像に基づいて塊り距離画像の輪郭が人の形状に類似した塊り距離画像を抽出する塊り距離画像抽出ステップ、それぞれが塊り距離画像の重心を通るように切断した、1つまたはそれ以上の縦断面画像を生成する縦断面画像生成ステップ、および縦断面画像に基づいて塊り距離画像に含まれる人の属性を検出する属性検出ステップを含む、人属性認識方法である。
【0020】
第6発明および第7の発明においても、第1の発明と同様の効果が期待できる。
【発明の効果】
【0021】
この発明によれば、距離画像を処理することによって人とその人の属性を正確に認識することができる。
【0022】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1はこの発明の一実施例の人属性認識システムを示す図解図である。
図2図2図1実施例を示すブロック図である。
図3図3図2に示すメモリのメモリマップの一例を示す図解図である。
図4図4図2に示すコンピュータが実行する人属性認識動作の一例を示すフロー図である。
図5図5図4実施例において取得した距離画像の一例を示す図解図である。
図6図6図4実施例において前処理を施した距離画像の一例を示す図解図である。
図7図7図4実施例において取得した距離画像の他の例を示す図解図である。
図8図8図4実施例において前処理を施した距離画像の他の例を示す図解図である。
図9図9図4実施例における人認識ステップを詳細に示すフロー図である。
図10図10は人認識ステップで抽出された塊り距離画像の一例を示す図解図である。
図11図11は人認識ステップで抽出された塊り距離画像の他の例を示す図解図である。
図12図12図4実施例における属性認識ステップを詳細に示すフロー図である。
図13図13は属性認識ステップにおける認識結果の一例を示す図解図である。
図14図14は属性認識ステップにおける認識結果の他の例を示す図解図である。
図15図15は属性認識ステップにおける認識結果のその他の例を示す図解図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
図1を参照して、この実施例の人属性認識システム10は、人PSNが追加する通過領域を規定するゲートGTの上方に設けられる距離画像センサ12を含む。距離画像センサ12は、一例として、前後左右にそれぞれ40°の視野角または画角を有する。
【0025】
なお、この実施例はゲートGTで規定された通過領域を通過する人およびその属性を認識する実施例であるが、この発明はさらにオープンスペースの一定の領域を通過する人や人属性を認識するシステムとしても利用可能である。つまり、この発明の人属性認識システムは、オープンスペースにおける人の動きや属性を認識するためのシステムとしても利用できる、ということを予め指摘しておく。
【0026】
距離画像センサ12は、赤外光またはレーザなどの光を照射し、対象物から反射した光(反射光)をCCD(Charge Coupled Device)センサなどの光学センサによって捉える。距離画像センサ12は、光が戻るまでの時間を画素毎に計測することで、対象物までの実際の距離を測定する。実施例の距離画像センサ12には、ASUS(登録商標)製のXtion(登録商標)と言われる製品が採用されている。なお、他の実施例では、距離画像センサ12は、Microsoft(登録商標)製のKinect(登録商標)センサ、パナソニック(登録商標)製の3次元距離画像センサD-IMager(登録商標)などを使用することも可能である。この種のセンサは、3次元距離計測センサ、3Dスキャナなどと言われる場合もある。
【0027】
なお、距離画像センサとしては、たとえばLiDAR(たとえば、Velodine社製のイメージングユニットLiDAR(HDL‐32e)(商品名))のような全方位レーザ距離計や、ステレオカメラなども利用可能である。
【0028】
距離画像センサ12からの距離画像信号は、図2に示すように、コンピュータ14に入力され、コンピュータ14では、その距離画像信号をディジタルデータとして、たとえばRAMのようなメモリ16に記憶する。このメモリ16に記憶した距離画像データを処理した結果得られた人とその人の属性、たとえば1人、2人づれ(乳幼児を抱いている、子供の手を引いている、など)、リュックを背負っている(抱いている)などの属性を認識し、その結果をディスプレイ18に表示しおよび/またはプリンタ(図示せず)に出力する。
【0029】
メモリ16は、図3に示すように、プログラム記憶領域20およびデータ記憶領域22を含む。
【0030】
プログラム記憶領域20には、データ取得プログラム20a、前処理プログラム20b、人認識プログラム20cおよび付加属性認識プログラム20dが予め設定されている。
【0031】
データ取得プログラム20aは、距離画像センサ12からの距離画像信号を、距離画像データとして取り込んで、データ記憶領域22の取得距離画像データ領域22aに記憶するプログラムである。
【0032】
前処理プログラム20bは、取得距離画像データ領域22aに記憶した距離画像データのノイズ除去などの前処理をして、人やその人の付加属性を認識するステップに送るためのプログラムである。
【0033】
人認識プログラム20cは、前処理を終えた距離画像データから人に類似した形状の塊り距離画像(3次元距離画像データ)を抽出して、データ記憶領域22の塊り距離画像データ領域22cに記憶するプログラムである。
【0034】
付加属性認識プログラム20dは、上述の塊り距離画像データから人と人の属性を識別ないし認識して、塊り距離画像データと紐付けて、付加属性データ領域22dに記憶するプログラムである。
【0035】
データ記憶領域22は、上述の取得距離画像データ領域20a、塊り距離画像データ領域20cおよび付加属性データ領域22dの他に、背景距離画像データ領域22bを含む。この背景距離画像データ領域22bには、図1に示すゲートGに人Pが存在しない背景だけの、距離画像センサ12からの距離画像(背景距離画像)を記憶するための領域であり、この背景距離画像データは後述のように前処理プログラム20bによる前処理に利用される。
【0036】
図4はこの実施例の属性認識装置10におけるコンピュータ14の動作を示すフロー図である。
【0037】
最初のステップS1では、コンピュータ14は、データ取得プログラム20aに従って、距離画像センサ12からの距離画像信号を取得して取得データ領域22aに記憶する。この取得データが示す距離画像(3次元距離画像)24の一例が、図5または図7に示される。これらの図面は、以降の同様の図面と同じく、発明者等が実験で実際に取得したり処理したりした距離画像をグレースケールで示している。
【0038】
ただし、図5図7において濃い灰色の部分と薄い灰色の部分とが見えるが、濃い部分が薄い部分に比べて、距離画像センサ12に近い部分である。図5は単独人の場合の距離画像を示しており、図7は複数人の場合の距離画像を示す。
【0039】
次にステップS3、S5およびS7において、コンピュータ14は前処理プログラム20bに従って、図5または図7のような距離画像のノイズ除去(ステップS3)、歪み補正(ステップS5)および背景情報除去(ステップS7)のような前処理を実行する。
【0040】
距離画像センサ12の計測値には様々なノイズが混入しているので、必要に応じて、この種のノイズを、ステップS3で、平滑化やメディアンフィルタ等のフィルタを使用して除去する。具体的には、計測値の外れ値を除去し、平滑化(粗い量子化)し、小さすぎる物体、細すぎる物体を除去し、その結果を取得距離画像データ領域22a(図3)または別の領域(図示せず)に記憶する。
【0041】
次のステップS5では、前処理の一環として、歪み補正を行う。赤外線レーザなどの光軸をレンズ等で曲げて広範囲の計測を行う距離画像センサの場合、歪曲収差等が発生するので、必要に応じて、ステップS5でこの補正を行い、その結果を取得距離画像データ領域22a(図3)または別の領域(図示せず)に記憶する。
【0042】
ステップS7では背景情報除去処理を実行する。人や動きのあるもののみを検出するため、静的に存在するものの反射を学習し、計測値から除去する。予め記憶している背景距離画像データをデータ記憶領域22(図3)の背景距離画像データ領域22bを読み出し、処理中の距離画像データからこの背景距離画像データを減算する。併せて、予め設定している検出範囲の外側のデータを消去し、その結果を取得距離画像データ領域22a(図3)に記憶する。
【0043】
このような前処理が終わった距離画像24の一例が、図6(単独人の場合)に示される。この図6で濃い灰色の部分26が前処理の結果残った距離画像であり、薄い灰色の部分28は範囲外などの理由で除去される。なお、複数人の場合の前処理済の距離画像は図8に示すようになる。
【0044】
ステップS9では、図9に示すサブルーチンに従って、人認識処理を実行する。
【0045】
図9の最初のステップS21でコンピュータ14は、前処理を終えた距離画像データ(図6または図8)を塊り毎に分離する。これは、それぞれの人毎に分離することを意味する。ついで、ステップS23で、コンピュータ14は、ステップS21で分離した塊り距離画像を、高さ(Z軸方向)においてたとえば600‐1800mmの範囲の1つ、もしくは複数の任意の高さで切断した横断面画像を生成する。
【0046】
そして、ステップS25で、コンピュータ14は、その横断面画像の大きさ(サイズ)や形状、特徴、複数横断面を使用した変化傾向を判別する。たとえば、2次元の大きさで考えると、X軸Y軸がそれぞれ所定以上の長さおよびそれぞれ所定の長さ以下を有するサイズの塊り距離画像であって、その塊り距離画像に外接する長方形の面積とその塊り距離画像の面積の比率が一定以上であり、縦横比が所定の比率以下であるなどその塊り距離画像の輪郭が人の形状に類似した塊り距離画像を選別する。このステップS25で選別された塊り距離画像30の一例が図10または図11に示される。
【0047】
ステップS27において、この図10または図11において点線丸印で示した塊り距離画像30の位置および3次元形状データが、互いに関連付けられて(紐付けられて)、塊りデータ領域22c(図3)に記憶される。
【0048】
このようにして、ステップS27で、人と認識した塊り距離画像30がコンピュータ14のメモリ16の塊り画像データ領域22cに記憶される。
【0049】
次に図4のステップS11で、図12に示すサブルーチンを実行して、先に人と認識した塊り距離画像30の付加属性を識別する。
【0050】
図12の最初のステップS31でコンピュータ14は、図13に示すように、塊り距離画像30の縦断面画像32vおよび32hを生成する。縦断面画像32vは、この塊り距離画像30の重心を通ってY軸(縦)方向に延びる切断線で切断した画像であり、縦断面画像32hは、同じ塊り距離画像30の重心を通ってX軸(横)方向に延びる切断線で切断した画像である。
【0051】
ただし、図13図14図15でも同様)では2つの縦断面画像32vおよび32hだけを示したが、必要に応じて、より多くの縦断面画像32を生成する。たとえば、実際には、対象が回旋している場合や、横向きになっている場合等もあるため、切断位置や方向あるいは切断位置の間隔は想定される向きに応じて動的に設定し、生成する縦断面画像の数も結果に応じて増減させることができる。
【0052】
その場合でも、これらの全ての縦断面画像もすべて重心を通る切断線で切断する。これらの縦断面画像は、各塊り距離画像と関連付けて、メモリ16の塊り距離画像データ領域22cまたは別の領域(図示せず)に記憶する。
【0053】
次のステップS33で、先に生成した1つ以上の縦断面画像32の中に存在するピーク34(図13)を検出する。縦断面画像32の輪郭線において、一定方向に上昇し、上昇が止まって或る幅でその高さを維持し、その後降下する場合、その幅の部分をピーク34として検出する。つまり、幅を持たない、ひげのようなピークはここで対象とするピークではない。
【0054】
図13(A)には距離画像センサ12からの距離画像がそのまま図示されているが、この生距離画像は単なる参考のために載せているだけで、実際にはプライバシー保護のために、この属性認識装置10は記録しない。
【0055】
図13(B)に2つの縦断面画像32vおよび32hを示すが、1つの縦断面画像32vに示すように、谷36が検出できるので、この谷36を挟む高い部分(図13(B)でX軸方向において)がそれぞれピーク34であると判断することができる。
【0056】
次のステップS35でコンピュータ14は、ステップS33で検出したピーク34の位置に基づいて、塊り距離画像30から人の頭に相当する形状の部位があるかどうか検出する。たとえば、ピークがある程度以上の大きさ(幅)を持っているとき、そのピークを人の頭と判断することができる。
【0057】
あるいは、図13(C)に示すように、塊り距離画像30の高さ方向(Z軸方向)において所定の高さにおいて、1または2以上の横断面画像(スライス画像)を生成する。そして、このスライス画像の輪郭線すなわち等高線の形状に人の頭を推定できる略丸い領域が存在するかどうか検出する。つまり、一定の高さ範囲において略丸い閉じた領域は人の頭であると推定できる。
【0058】
このステップS35での頭検出の結果が、ステップS25(図9)で人であると推定した塊り距離画像に付加すべき属性、その塊り距離画像30には2人の人間が存在するという属性を、該当の塊り距離画像と関連付けられて、メモリ16の付加属性データ領域22dに格納される。
【0059】
なお、上述の実施例では、ステップS31で縦断面画像を生成し、その縦断面画像の輪郭においてピークが幾つあるか判定するようにした。したがって、ピークを正確に検出することができる。そして、そのピークは、塊り距離画像に含まれる人の数を示す属性となる。
【0060】
また、縦断面画像だけでなく、横断面画像も利用するので、より正確に属性(人の数)を検出することができる。
【0061】
ただし、他の実施例としては、ステップS25で切り出した塊り距離画像30の輪郭、たとえば高さの分布や落差のデータから直接、頭と推定できる部位の存在を判定するようにしてもよい。
【0062】
図14に示した例でも、図13に示す実施例と同様に、所要数の縦断面画像を生成し、その縦断面画像のうちのいずれかに基づいて、人の頭と思える部位の存在を検出する。特に、図14の実施例では。塊り距離画像30だけを見ると2人の人間がその中に存在するようには見えないが、縦断面画像における谷36すなわちピーク34を検出することによって、その塊り距離画像30には2人の人間が存在することがわかる。
【0063】
図15に示した例では、ピーク34は1つしかなく、横断面からは他に人間の頭部と疑われる形状の物体が認識できないため、その塊り距離画像には1人の人間しか含まれていないことがわかる。この場合、1つのピークについて頭部の形状を認識した後に、両肩の位置を予測し、縦断面画像の輪郭線をトレースすることによってボディ(胴体)の形状を推定する。そして、胴体形状からはみ出した部分、もしくは1点以上の鋭角な頂点のある飛び出し部分があり、その部分が図13図14に示したようなしがみつきや抱き合いと異なる場合は、その部分は荷物であるとして認識する。この場合も、図15(C)に示すように、塊り距離画像30の高さ方向(Z軸方向)において所定の高さにおいて、1または2以上の横断面画像(スライス画像)を生成する。そして、このスライス画像に基づいて、その部分が荷物かどうか判定(推定)することができる。
【0064】
ただし、荷物として認識した場合は、塊り距離画像30、縦断面画像の輪郭線や横断面画像(スライス画像)の輪郭線(等高線)に基づいて、その荷物の形状や大きさの概算を算出することができる。
【0065】
このようにして、ステップS37において、人であると認識した塊り距離画像30の属性(人属性)は、必要に応じてディスプレイ18(図2)に表示される。
【0066】
また、ステップS37で人と認識した塊り距離画像30に何人の人間が含まれていたのかがわかるので、それに基づいて人数をカウントするようにすれば、通過領域を通る人の正確な人数が計測可能となる。この場合、メモリ26のデータ記憶領域22に人数カウンタ(図示せず)を設け、そのカウンタで人数をカウントすればよい。そして、その人数カウンタのカウント値を刻々ディスプレイ18に表示するようにすれば、人属性認識システム10のオペレータは、通過人数をリアルタイムに知ることができる。
【0067】
上述の実施例では、図4図9図12)のすべてのステップを1つのコンピュータ14が実行するものとして説明したが、複数のコンピュータを用いてもよく、あるいは特定の処理をコンピュータではなくDSPのような専用処理回路で処理するようにしてもよい。
【0068】
なお、上で挙げた角度や時間の長さなどの具体的数値はいずれも単なる一例であり、必要に応じて適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0069】
10 …人属性認識システム
12 …距離画像センサ
14 …コンピュータ
16 …メモリ
18 …ディスプレイ
図1
図2
図3
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