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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-25
(45)【発行日】2022-06-02
(54)【発明の名称】包装材の包装装置及び包装方法
(51)【国際特許分類】
   B65C 9/06 20060101AFI20220526BHJP
   B65B 13/16 20060101ALI20220526BHJP
【FI】
B65C9/06
B65B13/16
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021566429
(86)(22)【出願日】2019-12-24
(86)【国際出願番号】 JP2019050606
(87)【国際公開番号】W WO2021130854
(87)【国際公開日】2021-07-01
【審査請求日】2022-04-06
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000205306
【氏名又は名称】大阪シーリング印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】柴尾 賢一
(72)【発明者】
【氏名】石塚 昭範
(72)【発明者】
【氏名】朝倉 尚貴
【審査官】▲高▼辻 将人
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-141044(JP,A)
【文献】特開平10-45103(JP,A)
【文献】特開平8-133241(JP,A)
【文献】実開昭62-146708(JP,U)
【文献】特開2005-162312(JP,A)
【文献】特開2016-97975(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65C 1/00-11/06
B65B13/00-13/34
B65B27/00-27/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送物を搬送方向に搬入する搬入コンベアと、
上記搬送物を上記搬送方向に搬出する搬出コンベアと、
上記搬入コンベア及び上記搬出コンベアの少なくとも一方を移動させるコンベア移動機構と、
上記搬入コンベアと、上記搬出コンベアとの間に搬送されてきた搬送物に帯状包装材を押し付けて貼り付ける包装材押付機構と、
上記コンベア移動機構により、上記搬入コンベア及び上記搬出コンベアの少なくとも一方を移動させることで、上記搬入コンベアと上記搬出コンベアとの間における、上記包装材押付機構によって上記帯状包装材を上記搬送物に貼り付ける貼付スペースを形成する制御装置とを備え、
上記包装材押付機構は、
上記搬送物の上面に帯状包装材の両端が該搬送物の側面側に垂れ下がるように該帯状包装材を載置する包装材把持機構と、
上記包装材把持機構によって供給されてきた上記帯状包装材を上記搬送物の上面及び側面に押し付ける上面押付機構と、
互いに近付く方向に水平方向に移動し、上記搬送物の両側面に垂れ下がる該帯状包装材の両端部を上記搬送物の底面に押し付けて貼り付ける一対の底折ローラとを備え、
上記一対の底折ローラは、上記貼付スペースにおいて、上記搬送物の下方を移動可能に構成されており、
上記上面押付機構は、
上記帯状包装材を上記搬送物の上面に押し付ける上面押付部と、
上記帯状包装材を上記搬送物の側面に押し付ける側面押付部とを有し、
上記上面押付部と、上記側面押付部とは、別々に上下方向に移動可能に構成されている
ことを特徴とする包装材の包装装置。
【請求項2】
請求項1に記載の包装材の包装装置において、
上記包装材把持機構は、
上記帯状包装材の両端を掴んだ状態で揺動して上記搬送物の上面に該帯状包装材を載置し、
上記上面押付部が上記帯状包装材を上記搬送物の上面に押し付けた後に該帯状包装材の両端を離す開閉可能な一対のクランプ部を有する
ことを特徴とする包装材の包装装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の包装材の包装装置において、
上記搬出コンベア側には、上記搬送物に上記帯状包装材を貼り付けるときに降下してきて該搬送物の移動を規制する昇降式の搬送物ストッパが設けられている
ことを特徴とする包装材の包装装置。
【請求項4】
搬送物を搬送方向に搬入する搬入コンベアと、
上記搬送物を上記搬送方向に搬出する搬出コンベアと、
上記搬入コンベア及び上記搬出コンベアの少なくとも一方を移動させるコンベア移動機構と、
上記搬入コンベアと、上記搬出コンベアとの間に搬送されてきた搬送物に帯状包装材を押し付けて貼り付ける包装材押付機構とを有する包装材の包装装置を準備する準備工程と、
上記搬入コンベアの下流側端部と、上記搬出コンベアの上流側端部とを近付けた乗り継ぎ位置で待機する待機工程と、
上記搬入コンベアに上記搬送物が搬入されてくるのをセンサーで検出する搬入検出工程と、
上記搬入検出工程で上記搬送物が搬入されてきたのを検知して所定時間経過後、上記搬入コンベア及び上記搬出コンベアの少なくとも一方を退避位置に移動させる退避工程と、
上記退避工程の後、上記搬入コンベア及び上記搬出コンベアの駆動を停止させるコンベア停止工程と、
上記包装材押付機構で、上記搬入コンベアと上記搬出コンベアとの間における貼付スペースを利用して上記搬送物に帯状包装材を押し付けて貼り付ける包装材貼付工程と、
上記包装材貼付工程の後に上記搬入コンベア及び上記搬出コンベアの少なくとも一方を上記乗り継ぎ位置に戻し、上記搬入コンベア及び上記搬出コンベアの駆動を再開させるコンベア再駆動工程とを含み、
上記包装材貼付工程において、
上記搬送物の上面に帯状包装材の両端が該搬送物の側面側に垂れ下がるように該帯状包装材を載置し、
上記帯状包装材を上記搬送物の上面に押し付け、
その後、上記帯状包装材を上記搬送物の両側面に押し付け、
上記搬送物の両側面に垂れ下がる該帯状包装材の両端部を、一対の底折ローラを互いに近付く方向に水平方向に移動させ、上記貼付スペースにおいて上記搬送物の底面に押し付けて貼り付ける
ことを特徴とする包装方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬入コンベアなどで運ばれてきた食品用容器などの搬送物に帯状の包装材を貼り付ける包装材の包装装置及び包装方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、特許文献1のように、蓋付きの容器を載置して搬送する導入コンベアと、この導入コンベアから受け渡された容器を載置して搬送する搬送コンベアと、両コンベア間の渡り部に到来した容器に粘着テープで止着する貼付手段とを備えた帯紙の貼付装置が知られている。この渡り部に搬送されてきた容器に帯紙をかけて貼り付けるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-112414号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1のような帯紙の貼付装置では、常に渡り部が確保されているため、搬送物は、この渡り部を通過しなければならず、このときに容器の姿勢が不安定となり、この不安定な状態で帯紙を貼り付けなければならないという問題がある。
【0005】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、搬送物の姿勢を保ちながら、帯状包装材を搬送物に貼り付けることができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、この発明では、搬入コンベア及び搬出コンベアの少なくとも一方を移動させて帯状包装材を貼り付けるための貼付スペースを確保するようにした。
【0007】
具体的には、第1の発明では、搬送物を搬送方向に搬入する搬入コンベアと、
上記搬送物を上記搬送方向に搬出する搬出コンベアと、
上記搬入コンベア及び上記搬出コンベアの少なくとも一方を移動させるコンベア移動機構と、
上記搬入コンベアと、上記搬出コンベアとの間に搬送されてきた搬送物に帯状包装材を押し付けて貼り付ける包装材押付機構と、
上記コンベア移動機構により、上記搬入コンベア及び上記搬出コンベアの少なくとも一方を移動させることで、上記搬入コンベアと上記搬出コンベアとの間における、上記包装材押付機構によって上記帯状包装材を上記搬送物に貼り付ける貼付スペースを形成する制御装置とを備えている。
【0008】
上記の構成によると、制御装置によって、搬送物が搬送されてきたときに、搬入コンベア及び搬出コンベアの少なくとも一方を移動させて搬入コンベアと搬出コンベアとの間に貼付スペースを形成し、この貼付スペースで包装材押付機構によって帯状包装材を搬送物に貼り付けることができるので、搬送物の側面から底面にわたる帯状包装材であっても確実に貼り付けられる。貼付後には、搬入コンベア及び搬出コンベアを元の位置に戻してから搬送物を搬送すればよいので、搬送物が安定して搬送される。
【0009】
第2の発明では、第1の発明において、
上記包装材押付機構は、
上記搬送物の上面に帯状包装材の両端が該搬送物の側面側に垂れ下がるように該帯状包装材を載置する包装材把持機構と、
上記包装材把持機構によって供給されてきた上記帯状包装材を少なくとも上記搬送物の上面に押し付ける上面押付機構と、
互いに近付く方向に水平方向に移動し、上記帯状包装材の両側面に垂れ下がる該帯状包装材の両端部を上記搬送物の底面に押し付けて貼り付ける一対の底折ローラとを備え、
上記一対の底折ローラは、上記貼付スペースにおいて、上記搬送物の下方を移動可能に構成されている。
【0010】
上記の構成によると、貼付スペースにおいて帯状包装材は、上面押付機構で搬送物の上面に貼り付けられた後、一対の底折ローラによって搬送物の底面にも貼り付けられる。このため、帯状包装材が確実に搬送物の底面から上面にわたって貼り付けられる。
【0011】
第3の発明では、第2の発明において、
上記上面押付機構は、
上記帯状包装材を上記搬送物の上面に押し付ける上面押付部と、
上記帯状包装材を上記搬送物の側面に押し付ける側面押付部とを有し、
上記上面押付部と、上記側面押付部とは、別々に上下方向に移動可能に構成されている。
【0012】
上記の構成によると、上面押付機構の上面押付部によって帯状包装材の長さ方向中央が搬送物の上面に押し付けられた後、側面押付部を押し下げて搬送物の側面にも帯状包装材が貼り付けられる。
【0013】
第4の発明では、第3の発明において、
上記包装材把持機構は、
上記帯状包装材の両端を掴んだ状態で揺動して上記搬送物の上面に該帯状包装材を載置し、
上記上面押付部が上記帯状包装材を上記搬送物の上面に押し付けた後に該帯状包装材の両端を離す開閉可能な一対のクランプ部を有する。
【0014】
上記の構成によると、一対のクランプ部によって帯状包装材が搬送方向に垂直に延びる状態で供給されるので、その後の上面押付機構による動作が容易となる。
【0015】
第5の発明では、第1から第4のいずれか1つの発明において、
上記搬出コンベア側には、上記搬送物に上記帯状包装材を貼り付けるときに降下してきて該搬送物の移動を規制する昇降式の搬送物ストッパが設けられている。
【0016】
上記の構成によると、搬送物ストッパで搬送物の移動を遮った状態で、包装材押付機構で帯状包装材を搬送物に押し付けて貼り付けるので、帯状包装材が確実に貼り付けられる。帯状包装材の貼付後には、搬送物ストッパを上昇させて回避させることで、搬送物が搬出される。
【0017】
第6の包装方法の発明では、
搬送物を搬送方向に搬入する搬入コンベアと、
上記搬送物を上記搬送方向に搬出する搬出コンベアと、
上記搬入コンベア及び上記搬出コンベアの少なくとも一方を移動させるコンベア移動機構と、
上記搬入コンベアと、上記搬出コンベアとの間に搬送されてきた搬送物に帯状包装材を押し付けて貼り付ける包装材押付機構とを有する包装材の包装装置を準備する準備工程と、
上記搬入コンベアの下流側端部と、上記搬出コンベアの上流側端部とを近付けた乗り継ぎ位置で待機する待機工程と、
上記搬入コンベアに上記搬送物が搬入されてくるのをセンサーで検出する搬入検出工程と、
上記搬入検出工程で上記搬送物が搬入されてきたのを検知して所定時間経過後、上記搬入コンベア及び上記搬出コンベアの少なくとも一方を退避位置に移動させる退避工程と、
上記退避工程の後、上記搬入コンベア及び上記搬出コンベアの駆動を停止させるコンベア停止工程と、
上記包装材押付機構で、上記搬入コンベアと上記搬出コンベアとの間における貼付スペースを利用して上記搬送物に帯状包装材を押し付けて貼り付ける包装材貼付工程と、
上記包装材貼付工程の後に上記搬入コンベア及び上記搬出コンベアの少なくとも一方を上記乗り継ぎ位置に戻し、上記搬入コンベア及び上記搬出コンベアの駆動を再開させるコンベア再駆動工程とを含む構成とする。
【0018】
上記の構成によると、搬送物が搬送されてきたときに、搬入コンベア及び搬出コンベアの少なくとも一方を退避位置に移動させ、搬入コンベアと搬出コンベアとの間に貼付スペースを形成し、この貼付スペースで包装材押付機構によって帯状包装材を搬送物に貼り付けることができるので、搬送物の側面から底面にわたる帯状包装材であっても確実に貼り付けられる。貼付後には、搬入コンベア及び搬出コンベアを元の位置に戻してから搬送物を搬送すればよいので、搬送物が安定して搬送される。
【0019】
第7の発明では、第6の発明において、
上記包装材貼付工程において、
上記搬送物の上面に帯状包装材の両端が該搬送物の側面側に垂れ下がるように該帯状包装材を載置し、
上記帯状包装材を少なくとも上記搬送物の上面に押し付け、
上記帯状包装材の両側面に垂れ下がる該帯状包装材の両端部を、一対の底折ローラを互いに近付く方向に水平方向に移動させ、上記貼付スペースにおいて上記搬送物の底面に押し付けて貼り付けるように構成されている。
【0020】
上記の構成によると、貼付スペースにおいて帯状包装材は、まず、搬送物の上面に貼り付けられた後、垂れ下がるその両端部を一対の底折ローラによって搬送物の底面にも貼り付けられる。このため、帯状包装材が確実に搬送物の底面から上面にわたって貼り付けられる。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したように、本発明によれば、搬送物の姿勢を保ちながら、帯状包装材を搬送物の上面から底面にわたって確実に貼り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1A】実施形態に係る搬入検出工程及び待機工程の概要を示す正面図である。
図1B】実施形態に係る退避工程の概要を示す正面図である。
図1C】実施形態に係る包装材貼付工程における上面押付動作の概要を示す正面図である。
図1D】実施形態に係る包装材貼付工程における側面押付動作の概要を示す正面図である。
図1E】実施形態に係る包装材貼付工程における底折動作を示す正面図である。
図2A】実施形態に係る搬入検出工程及び待機工程の概要を示す右側面図である。
図2B】実施形態に係る退避工程の概要を示す右側面図である。
図2C】実施形態に係る包装材貼付工程における上面押付動作の概要を示す右側面図である。
図2D】実施形態に係る包装材貼付工程における側面押付動作の概要を示す右側面図である。
図2E】実施形態に係る包装材貼付工程における底折動作を示す右側面図である。
図3】本発明の実施形態に係る包装材の包装装置を示す右側面図である。
図4】本発明の実施形態に係る包装材の包装装置を示す正面図である。
図5】本発明の実施形態に係るコンベア移動機構及び搬出コンベアを示す正面図である。
図6】本発明の実施形態に係る包装材の貼り付け方法を示すフローチャートである。
図7】包装方法における包装工程の概要を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0024】
図3及び図4は、本発明の実施形態に係る包装材の包装装置1を示し、この包装材の包装装置1は、搬送されてきた搬送物としての食品用容器50に帯状包装材60を貼り付けるものである。図1Aに示すように、この食品用容器50は、例えば、薄い樹脂成形品からなる円盤状蓋部材51と断面円形容器部52とを備え、断面円形容器部52に食品を収容した状態で円盤状蓋部材51で閉じ、包装材の包装装置1によって帯状包装材60を貼り付けられるものである。なお、帯状包装材60は、例えば、フィルム製で日付などの書誌事項が印刷されているが、無地の包装用フィルム、紙等でもよい。
【0025】
包装材の包装装置1は、金属フレーム等で構成されたベースフレーム2を備え、このベースフレーム2には、ベルトコンベアなどよりなる搬入コンベア3が設けられ、食品用容器50が、図4の左側から右側へ、その搬送面3a上を搬送されるようになっている。この搬入コンベア3の上方に例えば、包装材供給機構4、包装材印刷機構5、包装材押付機構6などが設けられている。搬入コンベア3の両側には、この搬入コンベア3から食品用容器50がはみ出さないように規制する一対の幅方向ガイド7,7が立設されている。搬入コンベア3の下流側には、食品用容器50を搬送方向に搬出する搬出コンベア8が設けられている。
【0026】
詳しい説明は省略するが、包装材の包装装置1は、例えば、搬入コンベア3の上流側にセンタリング装置10を有し、このセンタリング装置10によって食品用容器50が帯状包装材60を貼り付けやすい姿勢に修正されるようになっている。包装材の包装装置1は、制御装置40によって、その全体の作動を制御されるようになっている。
【0027】
搬送されてきた食品用容器50における搬入コンベア3の幅方向を規制する包装材押付機構6は、センタリング装置10によってセンタリングされた食品用容器50に帯状包装材60を貼り付ける役割を有する。例えば、本実施形態では、包装材供給機構4から搬送方向に垂直な方向に多数連結された状態で供給され、それぞれの帯状包装材60に対して包装材印刷機構5で必要事項を印刷し、包装材押付機構6で食品用容器50に、その帯状包装材60を貼り付けるように構成されている。
【0028】
そして、本実施形態では、搬入コンベア3及び搬出コンベア8の少なくとも一方を移動させるコンベア移動機構9を備えている。図3図5等に示すように、搬出コンベア8は、搬送面8aを構成する搬送ベルトと、この搬送ベルトを駆動する搬出コンベア用電動モータ8bとを備え、コンベア移動機構9の上に設けられている。コンベア移動機構9は、例えば、制御装置40の制御により、適宜、搬出コンベア8を搬入コンベア3に対して電動モータ、シリンダ等を利用して指定した距離だけ水平移動させることができるようになっている。このコンベア移動機構9によって搬出コンベア8を移動させることで、搬入コンベア3と搬出コンベア8との間に貼付スペースSを形成できるようになっている。
【0029】
そして、この貼付スペースSに到達し、搬入コンベア3と搬出コンベア8との間に停止された食品用容器50に対し、包装材押付機構6によって帯状包装材60を上面から底面にかけて貼り付けるように構成されている。
【0030】
この包装材押付機構6は、食品用容器50の上面に帯状包装材60の両端が、この食品用容器50の側面側に垂れ下がるように、この帯状包装材60を載置する包装材把持機構20を備えている。図2Bにも示すように、包装材把持機構20は、包装材供給機構4から供給されてきて包装材印刷機構5で印刷された一枚の帯状包装材60の両端を掴んだ状態で前後に揺動して食品用容器50の上面に、その帯状包装材60を載置する一対のクランプ部20a,20aを備えている。クランプ部20aは、開閉することで、帯状包装材60を掴んだり離したりできるようになっている。包装材把持機構20は、制御装置40の制御信号により、後述する上面押付部21a(図2Cに示す)が帯状包装材60を食品用容器50の上面に押し付けた後に、この帯状包装材60の両端を離す開閉可能となっている。
【0031】
包装材押付機構6は、包装材把持機構20によって供給されてきた帯状包装材60を少なくとも食品用容器50の上面に押し付ける上面押付機構21を備えている。具体的には、図2C及び図2Dにも示すように、この上面押付機構21は、帯状包装材60を食品用容器50の上面に押し付ける上面押付部21aと、帯状包装材60を食品用容器50の側面に押し付ける側面押付部21bとを有し、これら上面押付部21aと側面押付部21bとは、別々に上下方向に移動可能に構成されている。
【0032】
具体的には、上面押付部21aは、例えば、下端に水平な板状の押付面がそれぞれ形成された一対の棒状部材で構成され、上下に移動可能であると共に、一対の棒状部材間の距離も調整可能となっている。そして、下降してきたときに帯状包装材60を食品用容器50の上面に押し付けるようになっている。例えば、帯状包装材60の下面に粘着剤が塗布されていると、帯状包装材60は食品用容器50の上面に仮固定される。
【0033】
また、側面押付部21bは、例えば、上面押付部21aの左右外側にそれぞれ設けられた搬送方向に沿って延びる一対の略板状部材で構成され、上面押付部21aが帯状包装材60を食品用容器50の上面に押し付けた後に、それに遅れて下降され、帯状包装材60の両端を食品用容器50の側面に押し付けるようになっている。
【0034】
さらに、包装材押付機構6は、図2D及び図2Eに示すように、互いに近付く方向に水平方向に移動し、帯状包装材60の両側面に垂れ下がる帯状包装材60の両端部を食品用容器50の底面に押し付けて貼り付ける一対の底折ローラ23を備えている。詳しくは図示しないが、一対の底折ローラ23は、制御装置40の指示を受けた電動モータ、エアシリンダ等により、貼付スペースSにおいて、食品用容器50の下方をスライド移動可能に構成されている。
【0035】
また、図1Aに示すように、この包装材押付機構6の搬出コンベア8側には、食品用容器50に帯状包装材60を貼り付けるときに降下してきて食品用容器50の移動を規制する昇降式の搬送物ストッパとしての食品用容器ストッパ24が設けられている。食品用容器ストッパ24は、例えば、制御装置40に制御されたエアシリンダ等のアクチュエータ(図示せず)によって上下に移動可能に構成されている。
【0036】
次に、本実施形態に係る包装材の包装装置1の作動について説明する。
【0037】
まず、準備工程において、上述した構成の包装材の包装装置1を準備する。以下の制御は、図6及び図7に示すように、制御装置40によって行われる。
【0038】
次いで、ステップS01の待機工程において、図1A及び図2Aに示すように、搬入コンベア3の下流側端部と、搬出コンベア8の上流側端部とを近付けた乗り継ぎ位置P1で待機させる。搬入コンベア3及び搬出コンベア8は、駆動状態にあり、食品用容器ストッパ24は下降した位置にある。
【0039】
次いで、ステップS02の搬入検出工程において、搬入コンベア3に食品用容器50が搬入されてくるのをセンサー30で検出する。このセンサー30は、搬入コンベア3の末端付近に到達した食品用容器50を検出可能に構成されており、その検出方法は特に限定されず、検出信号は、制御装置40に送られる。
【0040】
次いで、退避工程において、ステップS03において、搬入検出工程で食品用容器50が搬入されてきたのを検知した後、所定時間経過したかを判定したのち、食品用容器50が食品用容器ストッパ24で停止される。図示しないが、包装材把持機構20が搬送方向下流側に揺動し、あらかじめ包装材印刷機構5で印刷が終了した一枚の帯状包装材60を掴んでおく。
【0041】
次いで、ステップS04において、図1B及び図2Bに示すように、コンベア移動機構9によって搬出コンベア8を退避位置P2に移動させると、搬入コンベア3と搬出コンベア8との間に、食品用容器50が落下してしまわない程度の大きさの貼付スペースSが形成される。搬出コンベア8の移動量は、搬送する食品用容器50を指定したときに、制御装置40が、あらかじめ設定した量だけ移動するように指示する。
【0042】
次いで、ステップS05において、退避位置P2へ移動が完了したのを検知すると、ステップS06のコンベア停止工程において、搬入コンベア3及び搬出コンベア8の駆動を停止させる。
【0043】
次いで、ステップS07の包装材貼付工程において、包装を開始する。ここでは、包装材押付機構6によって、貼付スペースSを利用して食品用容器50に帯状包装材60を押し付けて貼り付ける。
【0044】
この包装材貼付工程において、図7に示すように、ステップS11の帯状包装材載置工程において、図2B及び図2Bに示すように、包装材把持機構20が両端をクランプ部20a,20aで掴んだ帯状包装材60を下流側へ回動させる。次いで、食品用容器50の上面に帯状包装材60の両端が食品用容器50の側面側に垂れ下がるように載置する。このように、一対のクランプ部20a,20aによって帯状包装材60が搬送方向に垂直に延びる状態で供給されるので、その後の上面押付機構21による動作が容易となる。
【0045】
次いで、ステップS12の上面押付工程において、図1C及び図2Cに示すように、上面押付機構21の上面押付部21aを下降させ、帯状包装材60を食品用容器50の上面に押し付ける。
【0046】
次いで、ステップS13の側面押付工程において、図1D及び図2Dに示すように、上面押付機構21の側面押付部21bを下降させ、帯状包装材60を食品用容器50の両側面に押し付ける。このように、側面押付部21bは、上面押付部21aと別々に移動可能である。例えば、図2Cに示したように、上面押付機構21全体がまず下降し、図2Dに示したように、側面押付部21bが単独で下降するように構成すればよい。
【0047】
次いで、ステップS14の底折曲げ工程において、図1E及び図2Eに示すように、帯状包装材60の両側面に垂れ下がる両端部を、一対の底折ローラ23を互いに近付く方向に水平方向に移動させ、貼付スペースSにおいて食品用容器50の底面に押し付けて貼り付ける。このように、上面押付部21a及び側面押付部21bで帯状包装材60を食品用容器50に押し付けた状態で、底折ローラ23で帯状包装材60を押さえつけるので、帯状包装材60が確実に食品用容器50の底面から上面にわたって貼り付けられる。
【0048】
これにより、ステップS08で包装が終了する。本実施形態では、食品用容器ストッパ24で食品用容器50の移動を遮って下方に貼付スペースを確保した状態で、包装材押付機構6で帯状包装材60を食品用容器50に押し付けて貼り付けるので、帯状包装材60が確実に貼り付けられる。
【0049】
次いで、ステップS20のコンベア再駆動工程において、包装材貼付工程の後に、搬出コンベア8を乗り継ぎ位置P1に戻す。
【0050】
次いで、ステップS21において、食品用容器ストッパ24を上昇させて回避させる。これにより、食品用容器50の搬出が可能になる。その後、搬入コンベア3及び搬出コンベア8の駆動を再開させ、帯状包装材60が貼り付けられた後の食品用容器50が搬出される。このように、貼付後には、搬出コンベア8を元の位置に戻してから食品用容器50を搬送すればよいので、食品用容器50が安定して搬送される。
【0051】
次いで、ステップS22において、一定時間経過したかが判定され、食品用容器50が通過する程度の時間が経過すると、ステップS23に進んで食品用容器ストッパ24が再び下降する。
【0052】
次いで、ステップS02に戻って動作が繰り返される。
【0053】
このように、本実施形態では、食品用容器50が搬送されてきたときに、搬出コンベア8を退避位置P2に移動させ、搬入コンベア3と搬出コンベア8との間に、貼付スペースSを形成し、この貼付スペースSで包装材押付機構6によって帯状包装材60を食品用容器50に貼り付けることができるので、食品用容器50の側面から底面にわたる長い帯状包装材60であっても確実に貼り付けられる。
【0054】
したがって、本実施形態に係る包装材の包装装置1によると、搬出コンベア8を移動させて貼付スペースSを確保して食品用容器50の姿勢を保ちながら、帯状包装材60を食品用容器50の上面から底面にわたって確実に貼り付けることができる。
【0055】
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
【0056】
すなわち、上記実施形態では、食品用容器50が搬送されてきたときに、搬出コンベア8のみを退避位置P2に移動させたが、搬入コンベア3及び搬出コンベア8の両方を退避位置に退避させてもよいし、搬入コンベア3を退避位置に退避させてもよい。
【0057】
上記実施形態では、搬送物は、食品用容器50としたが、底面に及ぶ長い帯状包装材60を貼り付ける搬送物であれば、特に対象は限定されない。
【0058】
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物や用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【符号の説明】
【0059】
1 包装材の包装装置
2 ベースフレーム
3 搬入コンベア
3a 搬送面
4 包装材供給機
5 包装材印刷機構
6 包装材押付機構
7,7 幅方向ガイド
8 搬出コンベア
8a 搬送面
8b 搬出コンベア用電動モータ
9 コンベア移動機構
10 センタリング装置
20 包装材把持機構
20a,20a クランプ部
21 上面押付機構
21a 上面押付部
21b 側面押付部
23 底折ローラ
24 食品用容器ストッパ(搬送物ストッパ)
30 センサー
40 制御装置
50 食品用容器(搬送物)
51 円盤状蓋部材
52 断面円形容器部
60 帯状包装材
S 貼付スペース
P1 乗り継ぎ位置
P2 退避位置
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3
図4
図5
図6
図7