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  • 特許-デッキ昇降用階段及びデッキ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-25
(45)【発行日】2022-06-02
(54)【発明の名称】デッキ昇降用階段及びデッキ
(51)【国際特許分類】
   E04F 11/112 20060101AFI20220526BHJP
   E04F 11/028 20060101ALI20220526BHJP
【FI】
E04F11/112
E04F11/028
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2017220227
(22)【出願日】2017-11-15
(65)【公開番号】P2019090252
(43)【公開日】2019-06-13
【審査請求日】2020-05-25
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000175560
【氏名又は名称】三協立山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136331
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 陽一
(72)【発明者】
【氏名】南塚 信二
(72)【発明者】
【氏名】伊東 由佳
【審査官】河内 悠
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-197525(JP,A)
【文献】登録実用新案第3023065(JP,U)
【文献】特開2007-146499(JP,A)
【文献】西独国特許出願公開第01509781(DE,A)
【文献】特開2008-190216(JP,A)
【文献】特開2005-030083(JP,A)
【文献】特開2006-029004(JP,A)
【文献】特開2008-106551(JP,A)
【文献】特開2000-120243(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 11/00-11/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
デッキ材と、支持体と、取付材とを備え、デッキに昇り降りするために用いられるものであり、支持体は、デッキの束柱から地面に向けて斜めに設けた桁と、桁の上面に斜め上向きに取付けた踏板受けを有し、取付材は、踏板受けの上面に取付けてあり、デッキ材は、前後の見付面と左右の見込面にカバーが取付けてあり、カバーを取付けたデッキ材を、後端部を取付材に係合するとともに前方から取付材にねじ止めして、デッキの外周において取付材の上面に対して固定してあることを特徴とするデッキ昇降用階段。
【請求項2】
請求項1記載のデッキ昇降用階段を備えることを特徴とするデッキ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デッキ昇降用階段とこれを備えるデッキに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、デッキにアルミ製の定型サイズの階段を取付けることがあったが(例えば、非特許文献1参照)、材質の違い等からデッキと統一感がなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】三協立山株式会社 三協アルミ社発行のカタログ「ウォールエクステリアカタログ」(カタログNo.STW0455A KY.17.02-1030)、2017年2月、p.644
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は以上に述べた実情に鑑み、デッキとの統一感があり、施工性も良好なデッキ昇降用階段とこれを備えるデッキの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を達成するために請求項1記載の発明によるデッキ昇降用階段は、デッキ材と、支持体と、取付材とを備え、デッキに昇り降りするために用いられるものであり、支持体は、デッキの束柱から地面に向けて斜めに設けた桁と、桁の上面に斜め上向きに取付けた踏板受けを有し、取付材は、踏板受けの上面に取付けてあり、デッキ材は、前後の見付面と左右の見込面にカバーが取付けてあり、カバーを取付けたデッキ材を、後端部を取付材に係合するとともに前方から取付材にねじ止めして、デッキの外周において取付材の上面に対して固定してあることを特徴とする。
【0006】
請求項2記載の発明によるデッキは、請求項1記載のデッキ昇降用階段を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
請求項1記載の発明によるデッキ昇降用階段は、デッキ材と、支持体と、取付材とを備え、支持体は、デッキの束柱から地面に向けて斜めに設けた桁と、桁の上面に斜め上向きに取付けた踏板受けを有し、取付材は、踏板受けの上面に取付けてあり、デッキ材は、前後の見付面と左右の見込面にカバーが取付けてあり、カバーを取付けたデッキ材を、後端部を取付材に係合するとともに前方から取付材にねじ止めして、デッキの外周において取付材の上面に対して固定するので、施工性が良い。しかも、踏板にデッキ材を用いたことで、デッキとの統一感が得られる。デッキ材は、前後の見付面と左右の見込面にカバーが取付けてあるので、意匠性が良い。
【0008】
請求項2記載の発明によるデッキは、請求項1記載のデッキ昇降用階段を備えることで、デッキとデッキ昇降用階段の意匠を統一化できる。また、デッキ昇降用階段の横幅を長くすることができ、デッキへの昇り降りをしやすくできる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図3のA-A断面図である。
図2】デッキ材を拡大して示す縦断面図である。
図3】本発明のデッキ昇降用階段及びデッキの一実施形態を示す平面図である。
図4図3のX方向矢視図である。
図5】同デッキ昇降用階段及びデッキの斜視図である。
図6】デッキ材の分解斜視図である。
図7】取付材を支持体と分離した状態で示す斜視図である。
図8】デッキ材の取付け手順を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1~5は、本発明に係るデッキ昇降用階段1及びデッキ2の一実施形態を示している。本実施形態は、図3に示すように、住宅等の建物9の外部のフェンス10で囲まれた敷地11にデッキ2が設置してあり、デッキ2の前側が空きスペースとなっており、その空きスペースからデッキ2に昇り降りするために、デッキ2の前側にデッキ昇降用階段1が設置してある。デッキ昇降用階段1は、横幅がデッキ2の左右方向の長さと略同じになっている。なお、本明細書及び図面において前後左右は、便宜上、デッキ昇降用階段1を正面から見ての前後左右に統一している。
【0011】
デッキ2は、図3に示すように、束柱12で支持した大引き13が左右方向に間隔をおいて3本設置してあり、大引き13上に床板としてのデッキ材14,14,…を前後方向に並べて取付け、前後両側と右側の縁を囲むように幕板15を取付けて構成される。デッキ材14は、木粉を混ぜた合成樹脂を押出成形して形成した人口木のデッキ材であり、図1に示すように、複数の中空部16を長手方向に沿って有し、両側の縁部に凹部17を長手方向に沿って有している。幕板15は、デッキ材14に取付けられる上幕板15aと、上幕板15aよりも下方で且つ上幕板15aよりも奥側に配置した下幕板15bとに分割して構成してある。
【0012】
図1,3,4に示すように、デッキ2の前側に位置する3本の束柱12には、デッキ2の外周側の地面Gに向けて桁18が斜めに設けてあり、桁18の上面には斜め上向きに踏板受け19が設けてあり、この桁18と踏板受け19とで階段の踏板を支持する支持体5が構成されている。桁18は、矩形断面のアルミ押出形材を用いて形成したものであり、斜めに切断された長手方向の端部が束柱12と地面Gにそれぞれ金具20で固定してある。桁18は、上面に一対の突条21,21を有している。踏板受け19も、矩形断面のアルミ形材で形成したものであり、下端部が桁18上面の一対の突条21,21間に挿入され、側方からのネジ22で桁18に固定してある。
【0013】
デッキ昇降用階段1は、図1に示すように、上述の支持体5の踏板受け19の上端部に取付材4を取付け、取付材4に踏板としてのデッキ材3を取付けて構成される。取付材4は、アルミ押出形材で形成したものであり、図2に示すように、後側の端部にデッキ材3の係合部23が上向きの鉤状に設けてあり、前側の端部に、後述する取付補助材24をねじ止めするためのネジ止め部25を有し、その後方に取付補助材24が係合する係合溝26を有している。さらに取付材4は、下面に下向きに突出してタッピングホール27,27が2箇所に設けてある。取付材4は、図7に示すように、下面に突出したタッピングホール27,27を踏板受け19の中空部内に上方から挿入し、踏板受け19の側壁を貫通したネジ48をタッピングホール27,27に捩じ込むことで、踏板受け19の上端に取付けてある。
【0014】
デッキ昇降用階段1の踏板に用いているデッキ材3は、図1,2に示すように、デッキ2の床板に用いているデッキ材14と同様に、木粉を混ぜた合成樹脂を押出成形して形成した人口木のデッキ材であり、デッキ2のデッキ材14と同一のもの(材質・色・断面形状が同一)となっている。
デッキ材3は、図6に示すように、前部に左右方向に間隔をおいて取付補助材24が取付けてあり、前側の見付面に前カバー6が取付けてあり、後側の見付面に後カバー7が取付けてあり、左右の見込み面に側カバー8,8が取付けてある。取付補助材24、前カバー6、後カバー7及び側カバー8は、何れもアルミ形材で形成してある。デッキ材3の前側及び後側の中空部16内には、金属製の芯材28が設けてある。
【0015】
取付補助材24は、取付材4と対応する位置に設けられるものであって、図2に示すように、デッキ材3の前側の凹部17に係合させてネジ29で固定されるデッキ材固定部30と、デッキ材固定部30の上方に位置し、前カバー6の上部が係合する前カバー係合溝31と、デッキ材固定部30の下方に位置し、前カバー6の下部をねじ止めするための前カバーネジ止め部32と、前カバーネジ止め部32より後方に延出し、デッキ材3の下面に当接する延出部33と、延出部33の中間部に位置し、取付材4のネジ止め部25に当接してネジ止めされる被ネジ止め部34と、延出部33の後端部に下方に突出して設けられ、取付材4の係合溝26に係合する突片35を有している。
前カバー6は、上部に取付補助材24の前カバー係合溝31に係合する係合部36を有し、下部に取付補助材24の前カバーネジ止め部32と下方からのネジ37で固定される固定部38と、中間部に後方に突出して設けたタッピングホール39を有している。前カバー6は、上部の係合部36を取付補助材24の前カバー係合溝31に係合させた後、下部の固定部38を取付補助材24の前カバーネジ止め部32に下方からのネジ37で固定することで、取付補助材24に取付けている。
後カバー7は、デッキ材3の後側の凹部17に係合させてネジ40で固定されるデッキ材固定部41と、タッピングホール42と、デッキ材2の後端部上面側に覆い被さる突片43と、取付材4の係合部23と係合する被係合部44を有している。
側カバー8は、デッキ材3の左右の見込み面に当接し、側方からネジ45を前カバー6及び後カバー7のタッピングホール39,42に捩じ込んで取付けられる。側カバー8の前後の端部には、樹脂製の端部キャップ46が取付けてあり、前カバー6及び後カバー7の長手方向端部が端部キャップ46に当接している。
【0016】
デッキ材3は、取付補助材24と前カバー6と後カバー7と側カバー8を取付けた上で、支持体5上に取付けた取付材4に対して、デッキ2の外周側から係合して取付けられる。すなわち、図8(a)に示すように、デッキ材3を取付材4に対してデッキ外周側から近付け、図8(b)に示すように、デッキ材3の後側が低くなるようにデッキ材3を傾けた状態でデッキ材3を取付材4上に載せ、後方に押し込む。すると、デッキ材3の後部(後カバー7の被係合部44)が取付材4の係合部23と係合する。その後、デッキ材3の前側を下ろすと、図8(c)に示すように、取付補助材24の突片35が取付材4の係合溝26に上方から係合し、これによりデッキ材3の前後移動が規制される。さらに、取付材4のネジ止め部25と取付補助材24の被ネジ止め部34とを合わせ、前方からのネジ47で両者を固定する。これにより、デッキ材3が取付補助材24の係合部(デッキ材固定部30)と取付材4の係合部23とで前後から挟み込んで保持され、デッキ材3が固定される。
【0017】
以上に述べたように本デッキ昇降用階段1は、踏板にデッキ材3を用いたことで、デッキ2との統一感が得られる。デッキ材3をデッキ2のデッキ材14と同一のものを使用することで、一層の統一感が得られ、コストも抑えられる。
また本デッキ昇降用階段1は、取付材4が支持体5上に取付けてあり、デッキ材3を取付材4に対してデッキ2の外周側から係合し固定するため、階段の横幅を長くすることができ、階段の横幅が長くても敷地11の条件に左右されることなくデッキ材3の取付けが行え、施工性が良い。仮に、デッキ材3を取付材4に対して左右方向(デッキ材3の長手方向)から係合するものであったとすると、図3に示すような敷地11の状況では、建物9やフェンス10が邪魔になりデッキ材3を取付けできないが、本デッキ昇降用階段1は上述のとおり、デッキ材3を取付材4に対してデッキ2の外周側から係合することで、デッキ材3がデッキ2の左右長さの全長に亘る長いものであり、しかも階段の左右に建物9やフェンス10があっても、デッキ材3の取付けが問題なく行える。
本デッキ昇降用階段1は、デッキ材3を取付材4に載置しているので、支持体5の数を変更することで(少なくとも2つあれば良い)デッキ2の幅より短くすることも可能であるし、デッキ2が実施例より大きいものであっても、支持体5の数を増やすことで、デッキ2の幅いっぱいに設置することができる。
さらに本デッキ昇降用階段1は、デッキ材3の見付面と見込面にカバー(前カバー6、後カバー7、側カバー8)が取付けてあるので、意匠性が良い。
本デッキ昇降用階段1は、デッキ材3に取付けた取付補助材24を有し、取付補助材24が取付材4と係合するため、デッキ材3の取付けが簡単に行える。さらに、取付材4と取付補助材24とを見込み方向のネジ47で固定するので、デッキ材3の固定が容易に行える。
また本デッキ昇降用階段1は、デッキ材3の後カバー7が取付材4と係合するようにしたので、デッキ材3を取付材4と係合する際にカバーが邪魔にならず、デッキ材3を取付材4に載せた状態で後方に押し込むだけで係合させられため、施工性が良い。
【0018】
本デッキ2は、上述のデッキ昇降用階段1を備えることで、デッキ2とデッキ昇降用階段1の意匠を共通化し、統一感が得られる。また、デッキ昇降用階段1の横幅を長くすることができ、デッキ2への昇り降りをしやすくできる。
【0019】
本発明は以上に述べた実施形態に限定されない。デッキ材の材質、色、断面形状は、適宜変更することができる。実施形態のものは、デッキ昇降用階段をデッキの前方に設けているが、デッキ昇降用階段をデッキの側方に設けることもできる。デッキ昇降用階段は、必ずしもデッキの前後方向又は左右方向長さの全長に亘って設けてある必要はなく、任意の横幅で設けることができる。支持体の形状、構造は問わない。デッキ材は、取付材に対してデッキの外周側から取付けできればよく、係合する方向は左右方向以外の何れの方向(例えば、前後、上方、斜め)であってもよい。実施形態は、後カバーが取付材と係合するようになっているが、カバーではなくデッキ材自体が取付材と係合するものであってもよい。
【符号の説明】
【0020】
1 デッキ昇降用階段
2 デッキ
3 デッキ材
4 取付材
5 支持体
6 前カバー(カバー)
7 後カバー(カバー)
8 側カバー(カバー)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8