(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-25
(45)【発行日】2022-06-02
(54)【発明の名称】連袋の箱詰め装置及び箱詰め方法
(51)【国際特許分類】
B65B 5/10 20060101AFI20220526BHJP
B65B 35/38 20060101ALI20220526BHJP
B65B 63/04 20060101ALI20220526BHJP
【FI】
B65B5/10
B65B35/38
B65B63/04
(21)【出願番号】P 2017249818
(22)【出願日】2017-12-26
【審査請求日】2020-11-21
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成29年10月3日から10月6日開催のJAPAN PACK 2017(2017 日本国際包装機械展)にて公開された
(73)【特許権者】
【識別番号】000151461
【氏名又は名称】株式会社東京自働機械製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100090022
【氏名又は名称】長門 侃二
(72)【発明者】
【氏名】栗原 雄治
(72)【発明者】
【氏名】土屋 明弘
【審査官】永田 勝也
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-245988(JP,A)
【文献】特開2011-050668(JP,A)
【文献】特開2016-078878(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102006039561(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 5/10
B65B 35/38
B65B 63/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の袋が連なる連袋を折り込んで箱に詰め込む連袋の箱詰め装置であって、
前記連袋の前記袋を吸着する吸着部材と、
前記連袋の前記吸着部材で吸着されない前記袋を含む一端部が接触することにより、前記連袋の前記吸着部材で吸着された前記袋を含む他端部に対し前記一端部が折り返され、前記一端部と前記他端部との重なり部が形成されるテーブルと、
前記テーブルにて前記重なり部を抱え込む抱え込み部材と、
前記吸着部材及び前記抱え込み部材が取り付けられたヘッドと、
前記吸着部材により前記袋を吸着する吸着位置、前記重なり部を形成するとともに前記抱え込み部材で前記重なり部を抱え込む折り込み位置、前記重なり部が形成された前記連袋を前記箱に詰め込む詰め込み位置に、順に前記ヘッドを移動させる移動ユニットと
を備える、連袋の箱詰め装置。
【請求項2】
前記連袋が搬送される搬送路をさらに備え、
前記吸着部材は、前記搬送路にて搬送中の前記連袋の前記袋を前記吸着位置で吸着する、請求項1に記載の連袋の箱詰め装置。
【請求項3】
前記テーブルは、前記重なり部が形成される形成面に凹部を有し、
前記凹部は、前記折り込み位置にて前記抱え込み部材が前記重なり部を抱え込む際に、前記抱え込み部材の前記形成面への衝突を回避する、請求項1又は2に記載の
連袋の箱詰め装置。
【請求項4】
前記テーブルは、前記吸着位置から前記折り込み位置に前記ヘッドが移動する際に、前記連袋の前記一端部が接触するガイドを有する、請求項3に記載の
連袋の箱詰め装置。
【請求項5】
前記ガイドは、前記形成面から下方に傾斜した傾斜面を有する、請求項4に記載の
連袋の箱詰め装置。
【請求項6】
前記テーブルは、前記重なり部の前記形成面を挟んで突出した一対の突出部を有する、請求項3から5の何れか一項に記載の
連袋の箱詰め装置。
【請求項7】
複数の袋が連なる連袋を折り込んで箱に詰め込む連袋の箱詰め方法であって、
前記連袋の前記袋を吸着部材で吸着する吸着工程と、
前記連袋の前記吸着部材で吸着されない前記袋を含む一端部がテーブルに接触することにより、前記連袋の前記吸着部材で吸着された前記袋を含む他端部に対し前記一端部が折り返され、前記一端部と前記他端部との重なり部を形成する折り込み工程と、
前記テーブルにて前記重なり部を抱え込む抱え込み工程と、
前記重なり部が形成された前記連袋を前記箱に詰め込む詰め込み工程と、
前記吸着部材及び前記抱え込み部材が取り付けられたヘッドを移動させる移動工程と
を含み、
前記移動工程では、前記吸着工程を行う吸着位置と、前記折り込み工程及び前記抱え込み工程を行う折り込み位置と、前記詰め込み工程を行う詰め込み位置とに、順に前記ヘッドを移動させる、連袋の箱詰め方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連袋の箱詰め装置及び箱詰め方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、連袋の箱詰め装置及び箱詰め方法が開示されている。この装置及び方法では、搬送中の連袋を停止位置で停止し、停止した連袋の中央の複数の袋を下方から吸着し、吸着されていない袋を折り込み爪により上方へ折り返し、折り返した袋を上方から吸着して移動して箱詰めしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、搬送中の連袋を所定の停止位置で停止して吸着し、折り込み爪により折り込む。従って、連袋をずれやばらけなく安定的に折り込むためには、停止位置における位置決め精度が要求される。また、搬送を停止しなければならないため、折り込み工程に時間がかかる。また、袋の上方、下方の双方からの吸着が必要であり、また、折り込み爪を作動させなければならないため、装置構成が複雑になるとともに、折り込み工程も複雑となり、連袋を安定的に折り込むのは困難である。
【0005】
本発明はこのような課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、簡単な構成で連袋を安定的に且つ迅速に折り込んで箱詰めすることができる、連袋の箱詰め装置及び箱詰め方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は以下の態様として実現することができる。
本態様に係る連袋の箱詰め装置は、複数の袋が連なる連袋を折り込んで箱に詰め込む連袋の箱詰め装置であって、連袋の袋を吸着する吸着部材と、連袋の吸着部材で吸着されない袋を含む一端部が接触することにより、連袋の吸着部材で吸着された袋を含む他端部に対し一端部が折り返され、一端部と他端部との重なり部が形成されるテーブルと、テーブルにて重なり部を抱え込む抱え込み部材と、吸着部材及び抱え込み部材が取り付けられたヘッドと、吸着部材により袋を吸着する吸着位置、重なり部を形成するとともに抱え込み部材で重なり部を抱え込む折り込み位置、重なり部が形成された連袋を箱に詰め込む詰め込み位置に、順にヘッドを移動させる移動ユニットとを備える。
【0007】
また、本態様に係る前述した連袋の箱詰め装置は、連袋が搬送される搬送路をさらに備え、吸着部材は、搬送路にて搬送中の連袋の袋を吸着位置で吸着する。
また、本態様に係る前述した連袋の箱詰め装置において、テーブルは、重なり部が形成される形成面に凹部を有し、凹部は、折り込み位置にて抱え込み部材が重なり部を抱え込む際に、抱え込み部材の形成面への衝突を回避する。
【0008】
また、本態様に係る前述した連袋の箱詰め装置において、テーブルは、吸着位置から折り込み位置にヘッドが移動する際に、連袋の一端部が接触するガイドを有する。
また、本態様に係る前述した連袋の箱詰め装置において、ガイドは、形成面から下方に傾斜した傾斜面を有する。
【0009】
また、本態様に係る前述した連袋の箱詰め装置において、テーブルは、重なり部の形成面を挟んで突出した一対の突出部を有する。
【0010】
一方、本態様に係る連袋の箱詰め方法は、複数の袋が連なる連袋を折り込んで箱に詰め込む連袋の箱詰め方法であって、連袋の袋を吸着部材で吸着する吸着工程と、連袋の吸着部材で吸着されない袋を含む一端部がテーブルに接触することにより、連袋の吸着部材で吸着された袋を含む他端部に対し一端部が折り返され、一端部と他端部との重なり部を形成する折り込み工程と、テーブルにて重なり部を抱え込む抱え込み工程と、重なり部が形成された連袋を箱に詰め込む詰め込み工程と、吸着部材及び抱え込み部材が取り付けられたヘッドを移動させる移動工程とを含み、移動工程では、吸着工程を行う吸着位置と、折り込み工程及び抱え込み工程を行う折り込み位置と、詰め込み工程を行う詰め込み位置とに、順にヘッドを移動させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の前述した態様によれば、簡単な構成で連袋を安定的に且つ迅速に折り込んで箱詰めすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施形態に係る連袋の箱詰め装置を側方から見た図である。
【
図2】
図1のヘッド及びチャックを連袋の搬送方向から見た図である。
【
図3】ヘッドが
図1に示した吸着位置(P1)から上昇しながら搬送方向に移動したときを示す図である。
【
図4】ヘッドが
図3に示した状態から下降しながらさらに搬送方向に移動したときを示す図である。
【
図5】ヘッドが
図4に示した状態から下降しながらさらに搬送方向に移動して折り込み位置(P2)に到達したときを示す図である。
【
図6】一対のフィンガが
図5に示した状態から閉動作したときを示す図である。
【
図7】
図6のヘッド及びチャックを搬送方向から見た図である。
【
図8】
図6のテーブルをB-B方向矢視で見た上面図である。
【
図9】ヘッドが
図6に示した状態から箱の近くまで移動し、詰め込み位置(P3)に到達したときを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態に係る連袋の箱詰め装置を図面に基づき説明する。
図1は、連袋の箱詰め装置を側方から見た図である。箱詰め装置1は、複数の袋2が連なる連袋4を2つに折り込んで、後述する箱6に自動的に詰め込む。本実施形態の連袋4は、
図1に矢印で示した搬送方向Aの1番目に位置する第1袋2aから、6番目に位置する第6袋2fまでの6つの袋2を連結して構成されている。
【0014】
箱詰め装置1は、連袋4が搬送される搬送路8を有するコンベア10と、連袋4が2つに折り込まれるテーブル12と、ヘッド14を移動させる移動ユニット16とを備えている。コンベア10は、例えばベルトコンベアであって、第1袋2a~第6袋2fの並び方向が搬送方向Aと一致するように、連袋4を搬送路8に載置した状態で搬送する(搬送工程)。
【0015】
テーブル12は、コンベア10の終端から搬送方向Aに離間して配置され、連袋4の折り込みが行われる載置面12aを有する。テーブル12には、載置面12aのコンベア10側にガイド18が設けられている。ガイド18は、例えば板状であって、その上面は載置面12aからコンベア10側に向けて下方に傾斜した傾斜面18aをなしている。
【0016】
また、載置面12aからは、後で詳述するが、一対の突出部30a、30bが突出されている。
ヘッド14は例えば板状をなし、その下面には、連袋4の袋2を吸着する第1及び第2吸着パッド20a、20bと、折り込まれた連袋4を抱え込むためのチャック22とが搬送方向Aの下流側からこれらの順で取り付けられている。2つの第1及び第2吸着パッド20a、20bと、1つのチャック22とは、隣り合う袋2の間隔と略同一の間隔で離間している。
【0017】
第1及び第2吸着パッド20a、20bは、図示しない吸引源と連通された吸引孔を有し、吸引孔からのエア吸引により袋2を吸着保持する。
移動ユニット16は、例えばパラレルリンクロボットを用いた多自由度・多次元の高速動作を実現する位置決め機構であって、ヘッド14の高速且つ精密な移動を可能とする。移動ユニット16は、ヘッド14を少なくとも搬送方向と昇降方向とに移動させる。
【0018】
図1は、ヘッド14が図示しない初期位置から搬送路8の直上の袋2の吸着位置(P1)に移動したときを示している。吸着位置(P1)では、第1吸着パッド20a、第2吸着パッド20bが搬送路8を搬送中の連袋4の第4袋2d、第5袋2eをそれぞれ吸着保持する(吸着工程)。
【0019】
図2は、
図1のヘッド14及びチャック22を搬送方向Aの上流側から見た図である。チェック22は、開閉動作される一対のフィンガ24a、24bを有する。各フィンガ24a、24bの先端部には、それぞれ抱え爪26a、26bが取り付けられている。
【0020】
各フィンガ24a、24bは、例えば、図示しないピストンの往復動により動作するカム機構によって開閉動作する。詳しくは、各フィンガ24a、24bは、互いの先端部が離間する方向に開いて水平姿勢となることで開状態となる(開動作)。一方、各フィンガ24a、24bは、互いの先端部が近づく方向に閉じて鉛直姿勢となって閉状態となる(閉動作)。
【0021】
各抱え爪26a、26bは、折り曲げられた板状をなし、それぞれ各フィンガ24a、24bの先端部に取り付けられている。
図1及び
図2では、フィンガ24a、24bが開状態となっており、抱え爪26a、26bも拡開されて開状態となっている。
【0022】
図3は、ヘッド14が
図1に示した吸着位置(P1)から上昇しながら搬送方向Aに移動したときを示す。第4袋2d、第5袋2eがそれぞれ第1吸着パッド20a、第2吸着パッド20bで吸着されているため、連袋4はヘッド4の上昇に伴い持ち上げられる。
【0023】
この際、吸着されない第1袋2a~第3袋2cを含む連袋4の一端部4Aと、他の吸着されない第6袋2fとが自重により垂れ下がった状態となる。一方、吸着された第4袋2d、第5袋2eと、吸着されない第6袋2fとを含む連袋4の他端部4Bの側がヘッド14側に支持されることとなる。
【0024】
図4は、ヘッド14が
図3に示した状態から下降しながらさらに搬送方向Aに移動したときを示す。この状態では、垂れ下がった連袋4の一端部4Aのうち、例えば第1袋2aと第2袋2bとがガイド18の傾斜面18aに接触している。この際、連袋4は、第3袋2cと第4袋2dとの間、即ち一端部4Aと他端部4Bとの間を境目として、90°よりも小となる予備折り込み角度αで折り返され、連袋4の2つ折りが開始される。
【0025】
図5は、ヘッド14が
図4に示した状態から下降しながらさらに搬送方向Aに移動して折り込み位置(P2)に到達したときを示す。ヘッド14は第1及び第2吸着パッド20a、20bによりそれぞれ第4袋2d、第5袋2eを吸着保持した状態で、移動ユニット16の作動により、吸着位置(P1)から折り込み位置(P2)に至る過程で停止することなく移動する。
【0026】
この過程で、
図4に示した予備折り込み角度αが徐々に減じられ、ヘッド14は、折り込み位置(P2)に至ると、テーブル12の上方であって、第1吸着パッド20aがテーブル12から搬送方向Aにはみ出る位置まで移動する。そして、折り込み位置(P2)では、連袋4が第3袋2cと第4袋2dとの間の境目で2つに折り重ねられて載置面12aに載置される。
【0027】
詳しくは、連袋4の一端部4Aが傾斜面18a、載置面12aに順に接触することにより、他端部4Bに対し一端部4Aが折り返され、一端部4Aを構成する第1袋2a~第3袋2cの上側に、他端部4Bを構成する第4袋2d~第6袋2fがそれぞれ重ね合わせられる。これにより、第1袋2a~第3袋2cと、第4袋2d~第6袋2fとがそれぞれ重なり合った連袋4の第1重なり部4a~第3重なり部4cが形成される(折り込み工程)。
【0028】
第1重なり部4aは、テーブル12から搬送方向Aにはみ出て位置付けられる。しかし、第4袋2dが第1吸着パッド20aで吸着されているため、第1重なり部4a~第3重なり部4c、ひいては連袋4は載置面12aに水平に載置される。
【0029】
図6は、一対のフィンガ24a、24bが
図5に示した状態から閉動作したときを示す。また、
図7は、
図6のヘッド14及びチャック22を搬送方向Aの上流側から見た図である。各抱え爪26a、26bは折り曲げられていることから、各フィンガ24a、24bが閉状態となると、
図7に示すように各抱え爪26a、26bが第3重なり部4cの両側部をそれぞれ絞り込むようにして挟み込む。これにより、テーブル12にて、第3重なり部4cはチャック22により抱え込まれて保持される(抱え込み工程)。
【0030】
図8は、
図6のテーブル12をB-B方向矢視から見た上面図である。テーブル12の載置面12aは、第3重なり部4cが形成される領域としての形成面12bを含み、この形成面12bには凹部28が形成されている。凹部28は、折り込み位置(P2)にて各抱え爪26a、26bが第3重なり部4cを抱え込む際に、各抱え爪26a、26bが形成面12bに衝突するのを回避可能な形状及び大きさに形成されている。
【0031】
また、
図8に示すように、テーブル12の第3重なり部4cが形成される形成面12bを挟んで前述した一対の突出部30a、30bが突出されている。各突出部30a、30bは、
図8に示す連袋4の幅方向Cに対向し、
図1、
図3~
図7において棒状の部材として示されている。詳しくは、本実施形態の各突出部30a、30bは凹部28から突出されている。
【0032】
図9は、ヘッド14が
図6に示した状態から箱6の近くまで移動し、詰め込み位置(P3)に到達したときを示す。ヘッド14は、第1及び第2吸着パッド20a、20bでそれぞれ第4袋2d、第5袋2eを吸着しつつ、第3重なり部4cをチャック22で保持した状態で、折り込み位置(P2)から詰め込み位置(P3)に至る過程で停止することなく移動する。
【0033】
箱6は、例えばコンベア10の側方に配置され、ヘッド14は、箱6の直上に移動した後、箱6内に下降して詰め込み位置(P3)に到達する。詰め込み位置(P3)では、各フィンガ24a、24bが開動作することにより、抱え爪26a、26bによる第3重なり部4cの抱え込み保持が解除される。
【0034】
この抱え込み保持解除と略同一のタイミングで、第1及び第2吸着パッド20a、20bによる第4袋2d、第5袋2eの吸着保持も解除される。これにより、連袋4は、ばらけることなく2つ折り状態を維持しながら自重により箱6内に落下して箱詰めされる(詰め込み工程)。
【0035】
以上のように、本実施形態の連袋4の箱詰め装置1は、
図1に示す吸着位置(P1)と、
図5及び
図6に示す折り込み位置(P2)と、
図8に示す詰め込み位置(P3)とに、順にヘッド14を停止させることなく移動させている(移動工程)。これにより、連袋4の搬送、折り込み、箱詰めの一連の動作が停止することなく連続的に行われる。これにより、簡単な構成で、連袋4を安定的に且つ迅速に折り込んで箱詰めすることができる。
【0036】
詳しくは、本実施形態では、ヘッド14に第1及び第2吸着パッド20a、20bとチャック22とを設け、ヘッド14を移動ユニット16により移動させる。これにより、ヘッド14が移動中に吸着位置(P1)、折り込み位置(P2)、詰め込み位置(P3)にて連袋4の上方から第1及び第2吸着パッド20a、20b、チャック22を適切に作動させるだけで、連袋4の箱詰めに至る上記一連の動作を停止することなく確実に行うことができる。
【0037】
また、吸着位置(P1)から折り込み位置(P2)へのヘッド14の移動に伴い、非吸着袋としての第1袋2a~第3袋2c、つまり一端部4Aが垂れ下がってテーブル12に先に載置される。そして、ヘッド14のさらなる移動に伴い、次に非吸着袋の上方に、吸着袋としての第4袋2d、第5袋2e、及び非吸着袋である第6袋2f、つまり他端部4Bが重ね合わせられることで、第1重なり部4aから第3重なり部4cが形成される。
【0038】
このように、本実施形態の箱詰め装置1は、ヘッド14の移動中に垂れ下がった非吸着袋をガイド18、テーブル12に順に接触させることを利用して予備折り込み角度αを形成し、さらなるヘッド14の移動に伴い予備折り込み角度αを減じていき、連袋4の折り込みを開始する。これにより、連袋4を折り込み爪等の部材により機械的に折り込む場合に比して、装置構成及び折り込み工程を大幅に簡素化することができる。
【0039】
特に、ヘッド14の移動が高速になると、非吸着袋がガイド18ひいてはテーブル12に接触する前に、吸着袋に対し90°よりも小となる予備折り込み角度αを有して傾斜して垂れ下がる。このため、連袋4の折り込みを高速且つ安定的に行うことができる。
【0040】
また、テーブル12がガイド18を有することにより、吸着位置(P1)から折り込み位置(P2)にヘッド14が移動する過程で、垂れ下がる非吸着袋がテーブル12に接触する前にガイド18に接触する。これにより、ヘッド14の移動速度にかかわらず、連袋4が折り込み位置(P2)に到達する前に、垂れ下がる非吸着袋を傾斜させ、連袋4に90°よりも小となる予備折り込み角度αを強制的に作り出すことができる。従って、連袋4の折り込みをさらに安定的に行うことができる。
【0041】
また、ガイド18がテーブル12の載置面12aから下方に傾斜した傾斜面18aを有することにより、連袋4が折り込み位置(P2)に到達する前に、垂れ下がる非吸着袋を傾斜面18aの傾斜角度に沿って傾斜させることができる。従って、所望の予備折り込み角度αを強制的に作り出すことができるため、連袋4の折り込みをより一層安定的に行うことができる。
【0042】
また、テーブル12の載置面12aにおいて第3重なり部4cが形成される領域としての形成面12bに凹部28が形成されている。凹部28は、各フィンガ24a、24bが折り込み位置(P2)にて閉状態となり、各抱え爪26a、26bが第3重なり部4cを抱え込む際に、各抱え爪26a、26bが形成面12bに衝突するのを回避する。
【0043】
従って、各抱え爪26a、26bは、第3重なり部4cの側部をその高さ方向の全域に亘って確実に抱え込んで保持することができるため、折り込み位置(P2)から詰め込み位置(P3)への連袋4の移送を2つ折り状態を維持しながら安定的に行うことができる。
【0044】
また、テーブル12の第3重なり部4cが形成される形成面12bを挟んで一対の突出部30a、30bが突出される。各突出部30a、30bは、ヘッド14が折り込み位置(P2)に移動して連袋4が載置面12aに載置されたとき、第1重なり部4a~第3重なり部4cの
図8に示した連袋4の幅方向Cにおけるずれやばらけを規制しながら案内する。これにより、折り込み位置(P2)において第1重なり部4a~第3重なり部4cを確実に形成することができる。
【0045】
以上で本発明の一実施形態についての説明を終えるが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更ができるものである。
例えば、上記実施形態では、連袋4は6つの袋2を連結して構成されているが、箱詰め装置1は、少なくとも、吸着袋と非吸着袋とが1つずつ存在し、少なくとも2つの袋2が連なる連袋4の2つ折りに適用可能である。
【0046】
また、上記実施形態では、2つの第1及び第2吸着パッド20a、20bと、1つのチャック22とが隣り合う袋2の間隔と略同一の間隔でヘッド14に設けられている。しかし、これに限らず、連袋4を構成する袋2の連数や、連袋4の折り込み箇所に応じて、ヘッダ14は、少なくとも吸着パッドとチャックとを1つずつ有していれば良く、また、これらは必ずしも隣り合う袋2の間隔と略同一の間隔でヘッダ14に配置しなくとも良い。
【0047】
例えば、2連の袋2を有する連袋4の場合には、1つの袋2を吸着しながら、当該袋2を含む重なり部を形成し、この重なり部をチャック22で抱え込んでも良い。これにより、2連の袋2を有する連袋4であっても重なり部がばらけることなく箱詰め可能である。
【0048】
また、箱詰め装置1には、必ずしもコンベア10で搬送中の連袋4を吸着位置(P1)で吸着しなくとも良い。しかし、搬送中の連袋4を吸着することにより、連袋4の搬送から箱詰めに至る一連の動作をより一層高速化できるので好ましい。
また、ガイド18は必ずしも必要なく、非吸着袋をテーブル12に接触させるだけで予備折り込み角度αを形成するようにしても良い。
【0049】
また、本実施形態では、折り込み位置(P2)において、第1吸着パッド22aがテーブル12から搬送方向Aにはみ出る位置まで移動することにより第1重なり部4a~第3重なり部4cが形成される。しかし、これに限らず、ヘッド14を搬送方向Aの下流側に移動した後に上流側に若干戻るように移動させることで第1重なり部4a~第3重なり部4cを形成しても良い。
【符号の説明】
【0050】
1 箱詰め装置
2 袋
4 連袋
4a 第1重なり部(重なり部)
4b 第2重なり部(重なり部)
4c 第3重なり部(重なり部)
4A 一端部
4B 他端部
6 箱
8 搬送路
12 テーブル
12b 形成面
14 ヘッド
16 移動ユニット
18 ガイド
18a 傾斜面
20a 第1吸着パッド(吸着部材)
20b 第2吸着パッド(吸着部材)
26a、26b 抱え爪(抱え込み部材)
28 凹部
30a、30b 突出部
P1 吸着位置
P2 折り込み位置
P3 詰め込み位置