(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-25
(45)【発行日】2022-06-02
(54)【発明の名称】分析業務支援装置、分析業務支援方法および分析業務支援プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/06 20120101AFI20220526BHJP
【FI】
G06Q10/06 302
(21)【出願番号】P 2018098927
(22)【出願日】2018-05-23
【審査請求日】2021-05-12
(73)【特許権者】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮 康博
(72)【発明者】
【氏名】矢崎 俊平
(72)【発明者】
【氏名】濱村 康平
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【審査官】阿部 潤
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-248435(JP,A)
【文献】特開2014-137698(JP,A)
【文献】特開2016-146205(JP,A)
【文献】特開2012-059074(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部を備える分析業務支援装置であって、
前記制御部は、
(一)分析識別情報と、業務情報を特定するための業務情報特定情報と、の組を複数含む第一情報から、設定されている分析識別情報に紐付く業務情報特定情報を取得し、当該取得した業務情報特定情報を基に業務情報を取得する第一取得処理と、(二)分析識別情報と、業務情報に設定されている項目識別情報と、項目識別情報の表示を識別するための表示識別情報および項目識別情報の非表示を識別するための非表示識別情報のうちのいずれか一方と、の組を複数含む第二情報から、当該設定されている分析識別情報および表示識別情報に紐付く項目識別情報を取得する第二取得処理と、(三)複数の分析で構成される分析フローにおける或る分析に対応する分析識別情報である基準分析識別情報と、業務情報に設定されている項目識別情報のうち当該項目識別情報に関する値を画面に表示させたときの当該値の表示領域を指定可能な状態にするものと、当該或る分析の次に行う分析に対応する分析識別情報である次分析識別情報と、の組を含む第三情報から、当該設定されている分析識別情報と同じ基準分析識別情報に紐付く項目識別情報を取得する第三取得処理と、を任意の順に実行する第一取得手段と、
前記第一取得処理で取得した業務情報に格納されている、前記第二取得処理で取得した項目識別情報に関する値と当該取得した項目識別情報とが表示されており、前記第三取得処理で取得した項目識別情報に関する値の表示領域が指定可能な状態になっている分析画面を生成する生成手段と、
前記生成手段で生成した分析画面を表示部に表示させる表示実行手段と、
指定可能な状態になっている表示領域が指定されると、(一)前記第三情報から、前記設定されている分析識別情報と同じ基準分析識別情報に紐付く次分析識別情報を取得する処理と、(二)分析識別情報と、次に行う分析に用いる業務情報を取得するときの抽出条件として設定する項目識別情報と、次に行う分析に用いる業務情報を取得するときの抽出条件として設定する値の分析画面における表示領域を特定するための表示領域特定情報と、の組を複数含む第四情報から、前記設定されている分析識別情報に紐付く項目識別情報および表示領域特定情報を取得し、当該取得した表示領域特定情報を基に値を取得する処理と、を任意の順に実行する第二取得手段と、
前記設定されている分析識別情報を前記第二取得手段で取得した次分析識別情報に更新する更新手段と、
前記第二取得手段で取得した項目識別情報および値で定義される抽出条件を、前記第一取得処理において業務情報を取得するときの抽出条件として設定する設定手段と、
を備えること、
を特徴とする分析業務支援装置。
【請求項2】
前記第二取得手段は、前記第三情報から次分析識別情報を複数取得した場合、当該取得した複数の次分析識別情報のうちのいずれか一つを選択させるための選択画面を生成し、当該生成した選択画面を前記表示部に表示させ、次分析識別情報が選択されると、当該選択された次分析識別情報を取得すること、
を特徴とする請求項1に記載の分析業務支援装置。
【請求項3】
前記生成手段は、前記第三取得処理で項目識別情報を取得できなかった場合、前記第一取得処理で取得した業務情報に格納されている、前記第二取得処理で取得した項目識別情報に関する値と当該取得した項目識別情報とが表示されており、項目識別情報に関する値の表示領域が指定不可能な状態になっている分析画面を生成すること、
を特徴とする請求項1または2に記載の分析業務支援装置。
【請求項4】
前記生成手段は、前記設定されている分析識別情報と前記第一取得処理で用いた抽出条件とがさらに表示されている分析画面を生成すること、
を特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の分析業務支援装置。
【請求項5】
制御部を備える情報処理装置で実行される分析業務支援方法であって、
前記制御部で実行される、
(一)分析識別情報と、業務情報を特定するための業務情報特定情報と、の組を複数含む第一情報から、設定されている分析識別情報に紐付く業務情報特定情報を取得し、当該取得した業務情報特定情報を基に業務情報を取得する第一取得処理と、(二)分析識別情報と、業務情報に設定されている項目識別情報と、項目識別情報の表示を識別するための表示識別情報および項目識別情報の非表示を識別するための非表示識別情報のうちのいずれか一方と、の組を複数含む第二情報から、当該設定されている分析識別情報および表示識別情報に紐付く項目識別情報を取得する第二取得処理と、(三)複数の分析で構成される分析フローにおける或る分析に対応する分析識別情報である基準分析識別情報と、業務情報に設定されている項目識別情報のうち当該項目識別情報に関する値を画面に表示させたときの当該値の表示領域を指定可能な状態にするものと、当該或る分析の次に行う分析に対応する分析識別情報である次分析識別情報と、の組を含む第三情報から、当該設定されている分析識別情報と同じ基準分析識別情報に紐付く項目識別情報を取得する第三取得処理と、を任意の順に実行する第一取得ステップと、
前記第一取得処理で取得した業務情報に格納されている、前記第二取得処理で取得した項目識別情報に関する値と当該取得した項目識別情報とが表示されており、前記第三取得処理で取得した項目識別情報に関する値の表示領域が指定可能な状態になっている分析画面を生成する生成ステップと、
前記生成ステップで生成した分析画面を表示部に表示させる表示実行ステップと、
指定可能な状態になっている表示領域が指定されると、(一)前記第三情報から、前記設定されている分析識別情報と同じ基準分析識別情報に紐付く次分析識別情報を取得する処理と、(二)分析識別情報と、次に行う分析に用いる業務情報を取得するときの抽出条件として設定する項目識別情報と、次に行う分析に用いる業務情報を取得するときの抽出条件として設定する値の分析画面における表示領域を特定するための表示領域特定情報と、の組を複数含む第四情報から、前記設定されている分析識別情報に紐付く項目識別情報および表示領域特定情報を取得し、当該取得した表示領域特定情報を基に値を取得する処理と、を任意の順に実行する第二取得ステップと、
前記設定されている分析識別情報を前記第二取得ステップで取得した次分析識別情報に更新する処理と、前記第二取得ステップで取得した項目識別情報および値で定義される抽出条件を、前記第一取得処理において業務情報を取得するときの抽出条件として設定する処理と、を任意の順に実行する更新・設定ステップと、
を含むこと、
を特徴とする分析業務支援方法。
【請求項6】
制御部を備える情報処理装置に実行させるための分析業務支援プログラムであって、
前記制御部に実行させるための、
(一)分析識別情報と、業務情報を特定するための業務情報特定情報と、の組を複数含む第一情報から、設定されている分析識別情報に紐付く業務情報特定情報を取得し、当該取得した業務情報特定情報を基に業務情報を取得する第一取得処理と、(二)分析識別情報と、業務情報に設定されている項目識別情報と、項目識別情報の表示を識別するための表示識別情報および項目識別情報の非表示を識別するための非表示識別情報のうちのいずれか一方と、の組を複数含む第二情報から、当該設定されている分析識別情報および表示識別情報に紐付く項目識別情報を取得する第二取得処理と、(三)複数の分析で構成される分析フローにおける或る分析に対応する分析識別情報である基準分析識別情報と、業務情報に設定されている項目識別情報のうち当該項目識別情報に関する値を画面に表示させたときの当該値の表示領域を指定可能な状態にするものと、当該或る分析の次に行う分析に対応する分析識別情報である次分析識別情報と、の組を含む第三情報から、当該設定されている分析識別情報と同じ基準分析識別情報に紐付く項目識別情報を取得する第三取得処理と、を任意の順に実行する第一取得ステップと、
前記第一取得処理で取得した業務情報に格納されている、前記第二取得処理で取得した項目識別情報に関する値と当該取得した項目識別情報とが表示されており、前記第三取得処理で取得した項目識別情報に関する値の表示領域が指定可能な状態になっている分析画面を生成する生成ステップと、
前記生成ステップで生成した分析画面を表示部に表示させる表示実行ステップと、
指定可能な状態になっている表示領域が指定されると、(一)前記第三情報から、前記設定されている分析識別情報と同じ基準分析識別情報に紐付く次分析識別情報を取得する処理と、(二)分析識別情報と、次に行う分析に用いる業務情報を取得するときの抽出条件として設定する項目識別情報と、次に行う分析に用いる業務情報を取得するときの抽出条件として設定する値の分析画面における表示領域を特定するための表示領域特定情報と、の組を複数含む第四情報から、前記設定されている分析識別情報に紐付く項目識別情報および表示領域特定情報を取得し、当該取得した表示領域特定情報を基に値を取得する処理と、を任意の順に実行する第二取得ステップと、
前記設定されている分析識別情報を前記第二取得ステップで取得した次分析識別情報に更新する処理と、前記第二取得ステップで取得した項目識別情報および値で定義される抽出条件を、前記第一取得処理において業務情報を取得するときの抽出条件として設定する処理と、を任意の順に実行する更新・設定ステップと、
を含むこと、
を特徴とする分析業務支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、企業において行われる業務情報(例えば売上データなどのビジネスデータ)の分析業務を支援する分析業務支援装置、分析業務支援方法および分析業務支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
企業において行われる業務情報の分析業務を支援する従来のデジタルダッシュボードとして、例えば特許文献1,2,3などが挙げられる。そして、従来のデジタルダッシュボードでは、設定したKPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)について、データの切り口を詳細なものに掘り下げることは可能であった。例えば、KPIとして設定した売上、目標および達成率について、事業所単位のこれらの数値(売上金額、目標金額および達成率(=(売上金額÷目標金額)×100))を、特定の事業所における部門単位の数値に掘り下げることは可能であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-237900号公報
【文献】特開2012-059074号公報
【文献】国際公開第2016/080413号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、上述した掘り下げだけでなく、設定したKPIを別のものに切り替えることも、業務情報の適切な分析を実現する上で重要であると考えられる。例えば、上述した部門単位の数値への掘り下げだけでなく、KPIとして設定した売上、目標および達成率を、売上金額、仕入金額、人件費および粗利金額といった別のKPIに切り替えることも、業務情報の適切な分析を実現する上で重要であると考えられる。しかし、従来のデジタルダッシュボードはKPIを切り替えるという発想に基づき構築されたものではないので、この切り替えと同じようなことを従来のデジタルダッシュボードで行うには、切り替え後のKPIを新規に設定したり数値の抽出条件を新規に設定したりして新規のデジタルダッシュボードを立ち上げる(起動する)しかなかった。そして、この作業はオペレータにとって煩雑なものであった。
【0005】
また、業務情報の適切な分析を実現するには、分析の適切な流れ(例えば、或るKPIの数値を確認した後に次にどのような切り口またはKPIの数値を確認するのが適切なのか、など)を判断することが重要であるが、この判断には専門知識が必要なため、分析業務に携わることができる者は限られていた。
【0006】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであって、業務情報の適切な分析の実現を、煩雑さを軽減し且つ属人化を防ぎつつ図ることができる分析業務支援装置、分析業務支援方法および分析業務支援プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る分析業務支援装置は、制御部を備える分析業務支援装置であって、前記制御部は、(一)分析識別情報と、業務情報を特定するための業務情報特定情報と、の組を複数含む第一情報から、設定されている分析識別情報に紐付く業務情報特定情報を取得し、当該取得した業務情報特定情報を基に業務情報を取得する第一取得処理と、(二)分析識別情報と、業務情報に設定されている項目識別情報と、項目識別情報の表示を識別するための表示識別情報および項目識別情報の非表示を識別するための非表示識別情報のうちのいずれか一方と、の組を複数含む第二情報から、当該設定されている分析識別情報および表示識別情報に紐付く項目識別情報を取得する第二取得処理と、(三)複数の分析で構成される分析フローにおける或る分析に対応する分析識別情報である基準分析識別情報と、業務情報に設定されている項目識別情報のうち当該項目識別情報に関する値を画面に表示させたときの当該値の表示領域を指定可能な状態にするものと、当該或る分析の次に行う分析に対応する分析識別情報である次分析識別情報と、の組を含む第三情報から、当該設定されている分析識別情報と同じ基準分析識別情報に紐付く項目識別情報を取得する第三取得処理と、を任意の順に実行する第一取得手段と、前記第一取得処理で取得した業務情報に格納されている、前記第二取得処理で取得した項目識別情報に関する値と当該取得した項目識別情報とが表示されており、前記第三取得処理で取得した項目識別情報に関する値の表示領域が指定可能な状態になっている分析画面を生成する生成手段と、前記生成手段で生成した分析画面を表示部に表示させる表示実行手段と、指定可能な状態になっている表示領域が指定されると、(一)前記第三情報から、前記設定されている分析識別情報と同じ基準分析識別情報に紐付く次分析識別情報を取得する処理と、(二)分析識別情報と、次に行う分析に用いる業務情報を取得するときの抽出条件として設定する項目識別情報と、次に行う分析に用いる業務情報を取得するときの抽出条件として設定する値の分析画面における表示領域を特定するための表示領域特定情報と、の組を複数含む第四情報から、前記設定されている分析識別情報に紐付く項目識別情報および表示領域特定情報を取得し、当該取得した表示領域特定情報を基に値を取得する処理と、を任意の順に実行する第二取得手段と、前記設定されている分析識別情報を前記第二取得手段で取得した次分析識別情報に更新する更新手段と、前記第二取得手段で取得した項目識別情報および値で定義される抽出条件を、前記第一取得処理において業務情報を取得するときの抽出条件として設定する設定手段と、を備えること、を特徴とする。
【0008】
本発明に係る前記分析業務支援装置において、前記第二取得手段は、前記第三情報から次分析識別情報を複数取得した場合、当該取得した複数の次分析識別情報のうちのいずれか一つを選択させるための選択画面を生成し、当該生成した選択画面を前記表示部に表示させ、次分析識別情報が選択されると、当該選択された次分析識別情報を取得すること、を特徴とする。
【0009】
本発明に係る前記分析業務支援装置において、前記生成手段は、前記第三取得処理で項目識別情報を取得できなかった場合、前記第一取得処理で取得した業務情報に格納されている、前記第二取得処理で取得した項目識別情報に関する値と当該取得した項目識別情報とが表示されており、項目識別情報に関する値の表示領域が指定不可能な状態になっている分析画面を生成すること、を特徴とする。
【0010】
本発明に係る前記分析業務支援装置において、前記生成手段は、前記設定されている分析識別情報と前記第一取得処理で用いた抽出条件とがさらに表示されている分析画面を生成すること、を特徴とする。
【0011】
本発明に係る分析業務支援方法は、制御部を備える情報処理装置で実行される分析業務支援方法であって、前記制御部で実行される、(一)分析識別情報と、業務情報を特定するための業務情報特定情報と、の組を複数含む第一情報から、設定されている分析識別情報に紐付く業務情報特定情報を取得し、当該取得した業務情報特定情報を基に業務情報を取得する第一取得処理と、(二)分析識別情報と、業務情報に設定されている項目識別情報と、項目識別情報の表示を識別するための表示識別情報および項目識別情報の非表示を識別するための非表示識別情報のうちのいずれか一方と、の組を複数含む第二情報から、当該設定されている分析識別情報および表示識別情報に紐付く項目識別情報を取得する第二取得処理と、(三)複数の分析で構成される分析フローにおける或る分析に対応する分析識別情報である基準分析識別情報と、業務情報に設定されている項目識別情報のうち当該項目識別情報に関する値を画面に表示させたときの当該値の表示領域を指定可能な状態にするものと、当該或る分析の次に行う分析に対応する分析識別情報である次分析識別情報と、の組を含む第三情報から、当該設定されている分析識別情報と同じ基準分析識別情報に紐付く項目識別情報を取得する第三取得処理と、を任意の順に実行する第一取得ステップと、前記第一取得処理で取得した業務情報に格納されている、前記第二取得処理で取得した項目識別情報に関する値と当該取得した項目識別情報とが表示されており、前記第三取得処理で取得した項目識別情報に関する値の表示領域が指定可能な状態になっている分析画面を生成する生成ステップと、前記生成ステップで生成した分析画面を表示部に表示させる表示実行ステップと、指定可能な状態になっている表示領域が指定されると、(一)前記第三情報から、前記設定されている分析識別情報と同じ基準分析識別情報に紐付く次分析識別情報を取得する処理と、(二)分析識別情報と、次に行う分析に用いる業務情報を取得するときの抽出条件として設定する項目識別情報と、次に行う分析に用いる業務情報を取得するときの抽出条件として設定する値の分析画面における表示領域を特定するための表示領域特定情報と、の組を複数含む第四情報から、前記設定されている分析識別情報に紐付く項目識別情報および表示領域特定情報を取得し、当該取得した表示領域特定情報を基に値を取得する処理と、を任意の順に実行する第二取得ステップと、前記設定されている分析識別情報を前記第二取得ステップで取得した次分析識別情報に更新する処理と、前記第二取得ステップで取得した項目識別情報および値で定義される抽出条件を、前記第一取得処理において業務情報を取得するときの抽出条件として設定する処理と、を任意の順に実行する更新・設定ステップと、を含むこと、を特徴とする。
【0012】
本発明に係る分析業務支援プログラムは、制御部を備える情報処理装置に実行させるための分析業務支援プログラムであって、前記制御部に実行させるための、(一)分析識別情報と、業務情報を特定するための業務情報特定情報と、の組を複数含む第一情報から、設定されている分析識別情報に紐付く業務情報特定情報を取得し、当該取得した業務情報特定情報を基に業務情報を取得する第一取得処理と、(二)分析識別情報と、業務情報に設定されている項目識別情報と、項目識別情報の表示を識別するための表示識別情報および項目識別情報の非表示を識別するための非表示識別情報のうちのいずれか一方と、の組を複数含む第二情報から、当該設定されている分析識別情報および表示識別情報に紐付く項目識別情報を取得する第二取得処理と、(三)複数の分析で構成される分析フローにおける或る分析に対応する分析識別情報である基準分析識別情報と、業務情報に設定されている項目識別情報のうち当該項目識別情報に関する値を画面に表示させたときの当該値の表示領域を指定可能な状態にするものと、当該或る分析の次に行う分析に対応する分析識別情報である次分析識別情報と、の組を含む第三情報から、当該設定されている分析識別情報と同じ基準分析識別情報に紐付く項目識別情報を取得する第三取得処理と、を任意の順に実行する第一取得ステップと、前記第一取得処理で取得した業務情報に格納されている、前記第二取得処理で取得した項目識別情報に関する値と当該取得した項目識別情報とが表示されており、前記第三取得処理で取得した項目識別情報に関する値の表示領域が指定可能な状態になっている分析画面を生成する生成ステップと、前記生成ステップで生成した分析画面を表示部に表示させる表示実行ステップと、指定可能な状態になっている表示領域が指定されると、(一)前記第三情報から、前記設定されている分析識別情報と同じ基準分析識別情報に紐付く次分析識別情報を取得する処理と、(二)分析識別情報と、次に行う分析に用いる業務情報を取得するときの抽出条件として設定する項目識別情報と、次に行う分析に用いる業務情報を取得するときの抽出条件として設定する値の分析画面における表示領域を特定するための表示領域特定情報と、の組を複数含む第四情報から、前記設定されている分析識別情報に紐付く項目識別情報および表示領域特定情報を取得し、当該取得した表示領域特定情報を基に値を取得する処理と、を任意の順に実行する第二取得ステップと、前記設定されている分析識別情報を前記第二取得ステップで取得した次分析識別情報に更新する処理と、前記第二取得ステップで取得した項目識別情報および値で定義される抽出条件を、前記第一取得処理において業務情報を取得するときの抽出条件として設定する処理と、を任意の順に実行する更新・設定ステップと、を含むこと、を特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、業務情報の適切な分析の実現を、煩雑さを軽減し且つ属人化を防ぎつつ図ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、分析業務支援装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、ヘッダ定義マスタの一例を示す図である。
【
図3】
図3は、出力項目定義マスタの一例を示す図である。
【
図4】
図4は、抽出条件定義マスタの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、遷移対象定義マスタの一例を示す図である。
【
図6】
図6は、遷移対象抽出条件定義マスタの一例を示す図である。
【
図7】
図7は、分析業務支援処理の一例を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、事業所別売上目標対比に関する分析画面の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、部門別収支実績に関する分析画面の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、本実施形態で実現される分析画面の遷移の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。
【0016】
[1.構成]
本発明を含む本実施形態に係る分析業務支援装置の構成の一例について、
図1から
図6を参照して説明する。
図1は、分析業務支援装置の構成の一例を示すブロック図である。
【0017】
分析業務支援装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータを基に構築されたものである。なお、分析業務支援装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置を基に構築されたものに限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置を基に構築されたものであってもよい。
【0018】
分析業務支援装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。分析業務支援装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0019】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置及び専用線等の有線又は無線の通信回線を介して、分析業務支援装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。
【0020】
ネットワーク300は、分析業務支援装置100とデータベース200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。
【0021】
データベース200は、例えば売上・目標データおよび収支実績データなどの各種の業務情報(ビジネスデータ)を記憶している。
【0022】
ここで、売上・目標データは、カラム名として「事業所コード」、「事業所名」、「部門名」、「売上」、「目標」および「達成率」などが設定されたテーブルであって、事業所コード、事業所名、部門名、売上金額、目標売上金額および達成率(=「売上金額÷目標売上金額」×100)などを含むレコードを複数含むものである。
【0023】
また、収支実績データは、カラム名として「事業所名」、「部門名」、「売上金額」、「仕入金額」、「人件費」および「粗利金額」などが設定されたテーブルであって、事業所名、部門名、売上金額、仕入金額、人件費および粗利金額などを含むレコードを複数含むものである。
【0024】
このように、業務情報には、項目識別情報(カラム名)が複数設定されており、各項目識別情報に関する値が格納されている。なお、本実施形態では、データベース200に記憶されている業務情報の例として、売上・目標データおよび収支実績データを挙げたが、データベース200に記憶されている業務情報はこれらに限定されない。
【0025】
入出力インターフェース部108には、入力装置112及び出力装置114(本発明の表示部に相当)が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0026】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、及びファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び光ディスク等を用いることができる。
【0027】
記憶部106は、ヘッダ定義マスタ106a(本発明の第一情報を含む)と出力項目定義マスタ106b(本発明の第二情報を含む)と抽出条件定義マスタ106cと遷移対象定義マスタ106d(本発明の第三情報を含む)と遷移対象抽出条件定義マスタ106e(本発明の第四情報を含む)とを記憶している。
【0028】
図2は、ヘッダ定義マスタ106aの一例を示す図である。ヘッダ定義マスタ106aは、カラム名として「ダッシュボード名称」および「データ取得元」が設定されたテーブルであって、以下のa1およびa2の情報を含むレコードを複数含むものである。
(a1)分析画面(デジタルダッシュボード)の名称として分析画面のヘッダ領域に表示させる、行う分析を識別するための分析識別情報(例えば「事業所別売上目標対比」や「部門別収支実績」など)
(a2)分析画面の明細領域に表示させる業務情報を特定するための業務情報特定情報(例えば、業務情報に割り当てられた名称(例えば「売上・目標データ」や「収支実績データ」など)や業務情報の格納場所(例えば売上・目標データのディレクトリや収支実績データのディレクトリなど)など)
【0029】
図3は、出力項目定義マスタ106bの一例を示す図である。出力項目定義マスタ106bは、カラム名として「ダッシュボード名称」、「列項目」および「表示区分」が設定されたテーブルであって、以下のb1からb3の情報を含むレコードを複数含むものである。
(b1)分析識別情報
(b2)業務情報に設定されている項目識別情報(例えば、売上・目標データに設定されているカラム名や収支実績データに設定されているカラム名など)
(b3)分析画面への項目識別情報の表示を識別するための表示識別情報(例えば表示区分名「表示」など)および分析画面への項目識別情報の非表示を識別するための非表示識別情報(例えば表示区分名「非表示」など)のうちのいずれか一方
【0030】
図4は、抽出条件定義マスタ106cの一例を示す図である。抽出条件定義マスタ106cは、カラム名として「ダッシュボード名称」および「抽出条件項目」が設定されたテーブルであって、以下のc1およびc2の情報を含むレコードを複数含むものである。
(c1)分析識別情報
(c2)業務情報を取得するときの抽出条件として設定する項目識別情報
【0031】
図5は、遷移対象定義マスタ106dの一例を示す図である。遷移対象定義マスタ106dは、カラム名として「ダッシュボード名称」、「遷移列項目」および「遷移先ダッシュボード名称」が設定されたテーブルであって、以下のd1からd3の情報を含むレコードを含むものである。なお、遷移先は、何階層でも掘り下げて設定することができる。具体的には、遷移先として設定されている「部門別収支実績」に係る分析画面から更に次の遷移先の分析画面に遷移させることができる。
(d1)複数の分析で構成される分析フローにおける或る分析に対応する分析識別情報である基準分析識別情報
(d2)業務情報に設定されている項目識別情報のうち当該項目識別情報に関する値を画面に表示させたときの当該値の表示領域を指定可能な状態にするもの
(d3)前記或る分析の次に行う分析に対応する分析識別情報である次分析識別情報
【0032】
図6は、遷移対象抽出条件定義マスタ106eの一例を示す図である。遷移対象抽出条件定義マスタ106eは、カラム名として「ダッシュボード名称」、「遷移列項目」、「遷移抽出条件項目」および「受け渡し項目」が設定されたテーブルであって、以下のe1からe4の情報を含むレコードを含むものである。なお、以下のe4の情報について、画面上に表示されていない値であっても取得した業務情報に格納されている値であれば次の分析における抽出条件として受け渡すことができる。具体的には、出力項目定義マスタ106bにおいてカラム名「表示区分」に関する値が「非表示」となっているレコード中のカラム名「列項目」に関する値である「事業所コード」を次の分析における抽出条件として受け渡すことができる。
(e1)分析識別情報
(e2)業務情報に設定されている項目識別情報のうち当該項目識別情報に関する値を画面に表示させたときの当該値の表示領域を指定可能な状態にするもの
(e3)前記次に行う分析に用いる業務情報を取得するときの抽出条件として設定する項目識別情報
(e4)前記次に行う分析に用いる業務情報を取得するときの抽出条件として設定する値の分析画面における表示領域を特定するための表示領域特定情報
【0033】
制御部102は、分析業務支援装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0034】
制御部102は、機能概念的に、第一取得部102aと生成部102bと表示実行部102cと第二取得部102dと更新部102eと設定部102fとを備える。
【0035】
第一取得部102aは、以下の11から13の処理を任意の順に実行する。
(11)ヘッダ定義マスタ106aから、設定されている分析識別情報(以下「設定分析識別情報」とする。)に紐付く業務情報特定情報を取得し、当該取得した業務情報特定情報を基にデータベース200から業務情報を取得する第一取得処理(具体的には、カラム名「ダッシュボード名称」に関する値が設定分析識別情報と同じレコード中のカラム名「データ取得元」に関する値を取得し、当該取得した値を基にデータベース200から業務情報を取得する処理)
(12)出力項目定義マスタ106bから、設定分析識別情報および表示識別情報に紐付く項目識別情報を取得する第二取得処理(具体的には、カラム名「ダッシュボード名称」に関する値が設定分析識別情報と同じものであり且つカラム名「表示区分」に関する値が「表示」となっているレコード中のカラム名「列項目」に関する値を取得する処理)
(13)遷移対象定義マスタ106dから、設定分析識別情報と同じ基準分析識別情報に紐付く項目識別情報を取得する第三取得処理(具体的には、カラム名「ダッシュボード名称」に関する値が設定分析識別情報と同じレコード中のカラム名「遷移列項目」に関する値を取得する処理)
【0036】
なお、第一取得部102aは、第一取得処理において、取得した業務情報特定情報および設定部102fが設定した抽出条件(項目識別情報と当該項目識別情報に関する値についての1つ以上の組み合わせ)を基にデータベース200から業務情報を取得してもよい。具体的には、取得したカラム名「データ取得元」に関する値および設定部102fが設定した抽出条件を基にデータベース200から業務情報を取得してもよい。
【0037】
また、第一取得部102aは、第一取得処理において、抽出条件定義マスタ106cから、設定分析識別情報に紐付く項目識別情報を取得し、当該取得した項目識別情報と当該項目識別情報に関する値からなる抽出条件および取得した業務情報特定情報を基にデータベース200から業務情報を取得してもよい。具体的には、カラム名「ダッシュボード名称」に関する値が設定分析識別情報と同じレコード中のカラム名「抽出条件項目」に関する値を取得し、当該取得したカラム名「抽出条件項目」に関する値と当該カラム名「抽出条件項目」に関する値に関する値からなる抽出条件および取得したカラム名「データ取得元」に関する値を基にデータベース200から業務情報を取得してもよい。
【0038】
生成部102bは、第二取得処理で取得した項目識別情報と第一取得処理で取得した業務情報に格納されている当該取得した項目識別情報に関する値とがテーブル形式で表示されている明細領域であって第三取得処理で取得した項目識別情報に関する値の表示領域が指定可能な状態になっているものを含む分析画面を生成する。
【0039】
なお、生成部102bは、第三取得処理で項目識別情報を取得できなかった場合、第二取得処理で取得した項目識別情報と第一取得処理で取得した業務情報に格納されている当該取得した項目識別情報に関する値とがテーブル形式で表示されている明細領域であって項目識別情報に関する値の表示領域が指定不可能な状態になっているものを含む分析画面を生成してもよい。
【0040】
また、生成部102bは、設定分析識別情報が表示されているヘッダ領域と第一取得処理で用いた抽出条件が表示されている抽出条件領域とをさらに含む分析画面を生成してもよい。
【0041】
表示実行部102cは、生成部102bで生成した分析画面をモニタ114に表示させる。なお、遷移前の分析画面をモニタ114に表示させた状態のまま遷移先の分析画面をさらにモニタ114に表示させてもよい。これにより、オペレータは遷移前後の両方の分析画面をモニタ114内で並べて確認することができる。
【0042】
第二取得部102dは、分析画面内の指定可能な状態になっている表示領域がオペレータにより指定されると、以下の21および22の処理を任意の順に実行する。
(21)遷移対象定義マスタ106dから、設定分析識別情報と同じ基準分析識別情報に紐付く次分析識別情報を取得する処理(具体的には、カラム名「ダッシュボード名称」に関する値が設定分析識別情報と同じレコード中のカラム名「遷移先ダッシュボード名称」に関する値を取得する処理)
(22)遷移対象抽出条件定義マスタ106eから、設定分析識別情報に紐付く項目識別情報および表示領域特定情報を取得し、当該取得した表示領域特定情報を基に分析画面から値を取得する処理(具体的には、カラム名「ダッシュボード名称」に関する値が設定分析識別情報と同じレコード中のカラム名「遷移抽出条件項目」に関する値およびカラム名「受け渡し項目」に関する値を取得し、当該取得したカラム名「受け渡し項目」に関する値を基に分析画面から値を取得する処理)
【0043】
なお、第二取得部102dは、遷移対象定義マスタ106dから次分析識別情報を複数取得した場合、当該取得した複数の次分析識別情報のうちのいずれか一つを選択させるための定義選択画面を生成し、当該生成した定義選択画面をモニタ114に表示させ、一つの次分析識別情報がオペレータにより選択されると、当該選択された次分析識別情報を取得してもよい。つまり、当該選択された次分析識別情報を、遷移対象定義マスタ106dから取得したものと決定してもよい。
【0044】
更新部102eは、設定分析識別情報を第二取得部102dで取得した次分析識別情報(前記21の処理で取得したもの)に更新する。
【0045】
設定部102fは、第二取得部102dで取得した項目識別情報および値(前記22の処理で取得したもの)で定義される抽出条件を、第一取得処理において業務情報を取得するときの抽出条件として設定する。
【0046】
なお、更新部102eと設定部102fの実行順序は任意でよい。
【0047】
[2.処理]
分析業務支援装置100で実行される分析業務支援処理の一例について、
図7から
図11を参照して説明する。
図7は、分析業務支援処理の一例を示すフローチャートである。
【0048】
なお、本説明では、オペレータに所望の分析(分析フローにおける初回の分析に相当)を指定させるためのメニュー画面(図示せず)が予めモニタ114に表示されている状況においてオペレータが「事業所別売上目標対比」を指定したことにより、当該指定された「事業所別売上目標対比」が設定分析識別情報として設定されていることを前提とする。また、本説明では、2018/1/1に本分析業務支援処理が実行されることを前提とする。
【0049】
[ステップSA1:業務情報等の取得]
まず、第一取得部102aは、以下のA11からA13の処理を任意の順に実行する。
(A11)ヘッダ定義マスタ106aから、カラム名「ダッシュボード名称」の値が設定分析識別情報(「事業所別売上目標対比」)と同じレコード中のカラム名「データ取得元」の値を取得し、また、抽出条件定義マスタ106cから、カラム名「ダッシュボード名称」の値が設定分析識別情報(「事業所別売上目標対比」)と同じレコード中のカラム名「抽出条件項目」の値を取得し、そして、取得したこれらの値と本分析業務支援処理の実行日(2018/1/1)を基に、データベース200から業務情報を取得する(ここでは、取得したカラム名「データ取得元」の値が「売上・目標データ」であり、取得したカラム名「抽出条件項目」の値が「基準日」であり、取得した業務情報が2018/1/1時点の売上・目標データであるとする)。
(A12)出力項目定義マスタ106bから、カラム名「ダッシュボード名称」の値が設定分析識別情報(「事業所別売上目標対比」)と同じで且つカラム名「表示区分」の値が「表示」となっているレコード中のカラム名「列項目」の値を取得する(ここでは、取得したカラム名「列項目」の値が「事業所名」、「売上」、「目標」および「達成率」であるとする)。
(A13)遷移対象定義マスタ106dから、カラム名「ダッシュボード名称」の値が設定分析識別情報(「事業所別売上目標対比」)と同じレコード中のカラム名「遷移列項目」の値を取得する(ここでは、取得したカラム名「遷移列項目」の値が「事業所名」であるとする)。
【0050】
[ステップSA2:分析画面の生成]
つぎに、生成部102bは、
図8に示す分析画面MAを生成する。具体的には、生成部102bは、(1)A12の処理で取得した「事業所名」、「売上」、「目標」および「達成率」とA11の処理で取得した売上・目標データに格納されている当該取得した「事業所名」、「売上」、「目標」および「達成率」の値とがテーブル形式で表示されている明細領域MA1であってA13の処理で取得した「事業所名」の値の表示領域MA12が指定可能な状態になっているものと、(2)設定分析識別情報(「事業所別売上目標対比」)が表示されているヘッダ領域MA2と、(3)A11の処理で用いた抽出条件(「基準日」および「2018/1/1」)が表示されている抽出条件領域MA3と、を含む分析画面MAを生成する。
【0051】
[ステップSA3:分析画面の表示]
つぎに、表示実行部102cは、ステップSA2で生成した分析画面MAをモニタ114に表示させる。
【0052】
ステップSA1からステップSA3までの処理が実行されたことにより、分析フローにおける初回の分析(事業所別売上目標対比)に対応する分析画面MA(
図8参照)がモニタ114に表示された。なお、明細領域MA1に指定可能な表示領域がない場合は、本分析業務支援処理はここで終了する。
【0053】
[ステップSA4:次分析識別情報等の取得]
オペレータにより表示領域MA12に表示されている例えば「東京」が指定されると(
図9参照)、第二取得部102dは、以下のA41およびA42の処理を任意の順に実行する。
(A41)遷移対象定義マスタ106dから、カラム名「ダッシュボード名称」の値が設定分析識別情報(「事業所別売上目標対比」)と同じレコード中のカラム名「遷移先ダッシュボード名称」の値を取得する(ここでは、取得したカラム名「遷移先ダッシュボード名称」の値が「部門別収支実績」および「部門別売上目標対比」の2つであるとする)。
そして、カラム名「遷移先ダッシュボード名称」に関する値を複数取得したので、当該取得した「部門別収支実績」および「部門別売上目標対比」のうちのいずれか一つを選択させるための定義選択画面MC(
図10参照)を生成し、当該生成した定義選択画面MCをモニタ114に表示させる。なお、定義選択画面MCは、
図10に示す通り、リスト領域MC1と選択ボタンMC2とヘッダ領域MC3とを含む。
そして、オペレータにより例えば「部門別収支実績」が選択されると、当該選択された「部門別収支実績」を取得する。
(A42)遷移対象抽出条件定義マスタ106eから、カラム名「ダッシュボード名称」の値が設定分析識別情報(「事業所別売上目標対比」)と同じレコード中のカラム名「遷移抽出条件項目」の値およびカラム名「受け渡し項目」の値を取得し、当該取得したカラム名「受け渡し項目」の値を基に分析画面MAから値を取得する(ここでは、取得したカラム名「遷移抽出条件項目」の値が「基準日」および「事業所名」であり、取得したカラム名「受け渡し項目」の値が「抽出条件の基準日」および「画面上の事業所名」であり、分析画面MAから取得した値が「2018/1/1」および「東京」であるとする)。
【0054】
[ステップSA5:設定分析識別情報の更新等]
つぎに、更新部102eは、設定分析識別情報(「事業所別売上目標対比」)をA41の処理で取得した「部門別収支実績」に更新し、また、設定部102fは、A42の処理で取得した「基準日」および「2018/1/1」ならびに「事業所名」および「東京」で定義される抽出条件を、ステップSA1の処理において業務情報を取得するときの抽出条件として設定する。なお、この更新の処理と設定の処理の実行順序は任意でよい。
【0055】
ステップSA4およびステップSA5の処理が実行されたことにより、分析フローにおける次回の分析(部門別収支実績)を行うための前準備が整った。
【0056】
そして、ステップSA5が実行された後は、再びステップSA1の処理から順に実行される。具体的には、ステップSA5が実行された後、ステップSA1の処理では第一取得部102aが以下のA11´からA13´の処理を任意の順に実行し、ステップSA2の処理では生成部102bが以下のA21の処理を実行し、ステップSA3の処理では表示実行部102cが以下のA31の処理を実行する。
【0057】
(A11´)ヘッダ定義マスタ106aから、カラム名「ダッシュボード名称」の値が設定分析識別情報(「部門別収支実績」)と同じレコード中のカラム名「データ取得元」の値を取得し、取得した値(ここでは、取得した値が「収支実績データ」であるとする)およびステップSA5で設定された抽出条件(「基準日」および「2018/1/1」ならびに「事業所名」および「東京」)を基にデータベース200から業務情報を取得する(ここでは、取得した業務情報が2018/1/1時点の東京事業所の収支実績データであるとする)。
(A12´)出力項目定義マスタ106bから、カラム名「ダッシュボード名称」の値が設定分析識別情報(「部門別収支実績」)と同じで且つカラム名「表示区分」の値が「表示」であるレコード中のカラム名「列項目」の値を取得する(ここでは、取得した値が「部門名」、「売上金額」、「仕入金額」、「人件費」および「粗利金額」であるとする)。
(A13´)遷移対象定義マスタ106dから、カラム名「ダッシュボード名称」の値が設定分析識別情報(「部門別収支実績」)と同じレコード中のカラム名「遷移列項目」の値を取得する(ここでは、カラム名「遷移列項目」の値は取得できなかったものとする)。
【0058】
(A21)
図9に示す分析画面MBを生成する。具体的には、(1)A12´の処理で取得した「部門名」、「売上金額」、「仕入金額」、「人件費」および「粗利金額」とA11´の処理で取得した収支実績データに格納されている当該取得した「部門名」、「売上金額」、「仕入金額」、「人件費」および「粗利金額」の値とがテーブル形式で表示されている明細領域MB1(A13´の処理でカラム名「遷移列項目」の値は取得できなかったので明細領域MB1に指定可能な表示領域はない)と、(2)設定分析識別情報(「部門別収支実績」)が表示されているヘッダ領域MB2と、(3)A11´の処理で用いた抽出条件(「基準日」および「2018/1/1」ならびに「事業所名」および「東京」)が表示されている抽出条件領域MB3と、を含む分析画面MBを生成する。
【0059】
(A31)生成された分析画面MBをモニタ114に表示させる。
【0060】
以上の処理により、例えば
図11に示すような分析フローを、煩雑さを軽減し且つ属人化を防ぎつつ実現することができる。具体的には、分析業務支援装置100は、事業所別売上目標対比に係る初回の分析に対応する分析画面として、次回の分析を行うトリガーとして機能するオペレータが指定可能な表示領域が設けられているものを生成してモニタ114に表示させ、指定可能な例えば事業所名「東京」の表示領域をオペレータが指定すると、部門別収支実績に係る次回の分析に対応する分析画面を生成してモニタ114に表示させるので、オペレータは、所望の指定可能な表示領域を指定するだけでしかも分析フローを意識することなく、業務情報についての適切な分析を行うことができる。もちろん、分析業務支援装置100は、例えば事業所別売上目標対比に係る分析から部門別売上目標対比に係る分析への掘り下げも、これまで同様行うことができる。
【0061】
[3.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0062】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0063】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0064】
また、分析業務支援装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0065】
例えば、分析業務支援装置100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて分析業務支援装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0066】
また、このコンピュータプログラムは、分析業務支援装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0067】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0068】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0069】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、及び、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0070】
また、分析業務支援装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、分析業務支援装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0071】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明は、特に、企業における業務情報(例えば売上データなどのビジネスデータ)の分析業務において有用である。
【符号の説明】
【0073】
100 分析業務支援装置
102 制御部
102a 第一取得部
102b 生成部
102c 表示実行部
102d 第二取得部
102e 更新部
102f 設定部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a ヘッダ定義マスタ
106b 出力項目定義マスタ
106c 抽出条件定義マスタ
106d 遷移対象定義マスタ
106e 遷移対象抽出条件定義マスタ
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 データベース
300 ネットワーク