(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-25
(45)【発行日】2022-06-02
(54)【発明の名称】光照射装置及びピンホール部材
(51)【国際特許分類】
G01N 21/84 20060101AFI20220526BHJP
【FI】
G01N21/84 E
(21)【出願番号】P 2018104044
(22)【出願日】2018-05-30
【審査請求日】2021-05-17
(73)【特許権者】
【識別番号】596099446
【氏名又は名称】シーシーエス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121441
【氏名又は名称】西村 竜平
(74)【代理人】
【識別番号】100154704
【氏名又は名称】齊藤 真大
(74)【代理人】
【識別番号】100129702
【氏名又は名称】上村 喜永
(74)【代理人】
【識別番号】100206151
【氏名又は名称】中村 惇志
(72)【発明者】
【氏名】八木 一乃大
【審査官】今浦 陽恵
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-069612(JP,A)
【文献】特開平02-251943(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0263981(US,A1)
【文献】特開平09-062831(JP,A)
【文献】特表2009-538737(JP,A)
【文献】国際公開第2014/196010(WO,A1)
【文献】特表平06-504377(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像装置とワークの間に設けられて、該ワークに光を照射する光照射装置であって、
前記ワークに対して光を射出する第1光射出面と、前記第1光射出面に形成された開口とを有する本体と、
前記開口を形成する貫通孔に嵌まり込むように前記本体に取付けられ、前記ワークからの反射光を通過させるピンホールが厚み方向に貫通する板状のピンホール部材と、を備え、
前記ピンホール部材が、その一方の面側又は側周部に、前記撮像装置が取付けられる取付部を有し、
前記ピンホール部材の他方の面が、前記ワークに対して光を射出す第2光射出面である、光照射装置。
【請求項2】
前記取付部は前記撮像装置の鏡筒が係合して取付けられるものである、請求項1記載の光照射装置。
【請求項3】
前記取付部が前記ピンホール部材の一方の面側に形成された凹部であり、前記鏡筒が該凹部の内側面又は外側面に係合する、請求項2記載の光照射装置。
【請求項4】
前記撮像装置が前記取付部に取り付けられた場合に、前記撮像装置の鏡筒の先端が、前記ピンホール部材の一方の面に形成された前記ピンホールの開口よりも前記ワーク側に位置する、請求項2又は3記載の光照射装置。
【請求項5】
前記取付部は前記撮像装置が着脱可能に取り付けられるように構成されている、請求項1~4のいずれか記載の光照射装置。
【請求項6】
前記ピンホール部材が前記本体に着脱可能に取り付けられるものである、請求項1~5のいずれか記載の光照射装置。
【請求項7】
前記ピンホール部材が
、前記本体に
固定して取り付けられたものである、請求項1~
5のいずれか記載の光照射装置。
【請求項8】
前記第1光射出面及び前記第2光射出面に対して光を射出する光源を更に具備し、
前記第1光射出面及び前記第2光射出面が、前記光源から射出された光を拡散反射させるものである、請求項1~7のいずれか記載の光照射装置。
【請求項9】
撮像装置とワークの間に設けられて該ワークに光を照射する光照射装置であって、
その本体が、前記ワークに対して光を射出する光射出面と、前記光射出面に形成された開口とを有するものに適用されるものであり、
前記開口を形成する貫通孔に嵌まり込むように前記本体に取付けられ、前記ワークからの反射光を通過させるピンホールが厚み方向に貫通する板状のピンホール部材であって、
一方の面側又は側周部に、前記撮像装置が取付けられる取付部を備え、
他方の面が前記ワークに対して光を射出する光射出面である、ピンホール部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製品検査やマーク検出等に好適に用いられる光照射装置及びピンホール部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、製品(ワーク)の表面検査をする際に、例えば特許文献1に記載のドーム型の光照射装置を用いてワークの表面に光を照射している。この種の光照射装置では、外部のカメラによりワークの表面を撮影できるように、そのボディに覗き穴が形成されている。このような光照射装置を用いて表面に光沢があるワークを検査する場合には、覗き穴がワークに映り込み、検査に悪影響を与える恐れがある。
【0003】
ワークへの覗き穴の映り込みを低減するため、例えば特許文献2には、カメラのレンズをピンホールレンズにするとともに、このピンホールレンズで覗き穴を塞ぐようにしてワークを撮影するようにした画像検知ユニットが開示されている。
【0004】
しかしながら、この画像検知ユニットが備えるカメラは、ピンホールレンズとカメラ本体とが一体になっており、これに代えて汎用品のカメラを適用することができない。そのため、ワークの種類等に応じて仕様が異なるカメラで検査するためには、その検査毎に、ピンホールレンズとカメラ本体とが一体になったカメラを準備する必要があり、コストと手間が掛かる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2004-184241号公報
【文献】特表2009-538737号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、ワークへの覗き穴の映り込みを低減でき、しかも様々なタイプの汎用の撮像装置を適用することができる光照射装置及び該光照射装置に用いられるピンホール部材を提供することを、その主たる所期課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち本発明に係る光照射装置は、撮像装置とワークの間に設けられて、該ワークに光を照射するものであって、前記ワークに対して光を射出する第1光射出面と、前記第1光射出面に形成された開口とを有する本体と、前記開口を塞ぐように配置され、前記ワークからの反射光を通過させるピンホールが厚み方向に貫通する板状のピンホール部材とを備え、前記ピンホール部材が、その一方の面側又は側周部に、前記撮像装置が取付けられる取付部を有し、前記ピンホール部材の他方の面が、前記ワークに対して光を射出する第2光射出面であることを特徴とする。
【0008】
このような構成であれば、ピンホール部材が第1光射出面の開口を塞ぐとともに、当該開口に比べて穴径が小さいピンホールを撮像装置のための覗き穴としているので、ワークの表面が光沢を有していても、ワークへの覗き穴の映り込みを低減できる。
さらにこのピンホール部材は、撮像装置が取り付けられる取付部を有するので、当該取付部に取付けられる所定の構造を有する撮像装置であれば、異なる仕様のものであっても取り付けることができる。そのため、検査対象の種類等に応じて、様々なタイプの汎用の撮像装置を適用できる。
また、ピンホール部材の取付部に撮像装置を取り付けるだけで、ピンホールに対する撮像装置のレンズの位置決めを容易に行うことができる。
また、ピンホール部材のワーク側の面は、ワークに対して光を射出する第2光射出面であるので、ワークに対して、裏側を除く略全方向から略均一に光を照射することができる。
【0009】
前記光照射装置の態様として、前記取付部は、前記撮像装置の鏡筒が係合して取付けられるものを挙げることができる。なお、一例としては、前記取付部が前記ピンホール部材の一方の面側に形成された凹部であり、前記鏡筒が該凹部の内側面又は外側面に係合する。
このようなものであれば、取付部に撮像装置を確りと取り付けることができる。
【0010】
前記撮像装置が前記取付部に取り付けられた場合に、前記撮像装置の鏡筒の先端が、前記ピンホール部材の一方の面に形成された前記ピンホールの開口よりも前記ワーク側に位置することが好ましい。
このようなものであれば、撮像装置を取付部に取付けた際に、撮像装置のレンズとピンホール部材のピンホールとの距離を近くでき、撮像装置の画角を広くすることができる。これにより、撮像装置への光の取り込み量をより多くでき、より明るい画像を撮影できる。
【0011】
1つのピンホール部材に対して異なる撮像装置を取付可能にするには、前記取付け部は、前記撮像装置が着脱可能に取り付けられるように構成すればよい。
【0012】
前記ピンホール部材は、前記本体に着脱可能に取り付けられるものが好ましい。
このような構成であれば、第1光射出面に開口を有するタイプの光照射装置に対して、本発明に係るピンホール部材を取り付けることができるので、ユーザが既に所有している光照射装置や、既製の光照射装置に容易に取り付けることができる。
【0013】
また前記ピンホール部材は、前記本体に一体的に設けられたものであってもよい。
このようなものであれば、本体の第1光射出面に対するピンホールの位置を予め決定しておくことができるので、ユーザ自らピンホール部材を位置決めする必要がない。
【0014】
前記光照射装置の態様として、前記第1光射出面及び第2光射出面に対して光を射出する光源を更に具備し、前記第1光射出面及び第2光射出面が、前記光源から射出された光を拡散反射させるものを挙げることができる。
【発明の効果】
【0015】
このように構成した本発明によれば、ワークへの覗き穴の映り込みを低減でき、しかも様々なタイプの汎用の撮像装置を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本実施形態の光照射装置の全体構成を模式的に示す断面図。
【
図2】本実施形態の光照射装置の構成を分解した状態を示す断面図。
【
図3】同実施形態のピンホール部材の構成を模式的に示す斜視図及び断面図。
【
図4】他の実施形態のピンホール部材の構成を模式的に示す斜視図及び断面図。
【
図5】他の実施形態のピンホール部材の構成を模式的に示す斜視図及び断面図。
【
図6】ピンホールとレンズとの間の距離を比較する模式図。
【
図7】他の実施形態の光照射装置の全体構成を模式的に示す断面図。
【
図8】他の実施形態のピンホール部材の構成を模式的に示す斜視図及び断面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係などは、説明を明確にするため誇張していることがある。
【0018】
本実施形態に係る光照射装置100は、工場等において製品等の対象物(ワーク)の表面検査で用いられるものである。
図1に示すように、光照射装置100は、ワークWと撮像装置Mとの間に設けられてワークWに対して光を照射するドーム型照明である。そして、ワークWで反射した光が撮像装置Mにより捕捉されてワークWが撮像され、ワークWの表面検査等が行われる。
【0019】
具体的に光照射装置100は、所定位置に配置されたワークWに対して光を射出する第1光射出面11aを有する本体1と、本体1に取り付けられて第1光射出面11aに光を射出する光源2と、本体1に着脱可能に取付けられたピンホール部材3と、を備えている。
【0020】
本体1は外観視して半球状をなすものであり、その底面に開口する半球状の凹部11が形成されている。本実施形態では、第1光射出面11aはこの凹部11の内面である。凹部11の内面には白色塗料が塗布されており、第1光射出面11aは光源2からの光を拡散反射して、いわゆる二次光源として機能する。
【0021】
図2に示すように、本体1には、凹部11の内面の頂部から外面12にわたって軸方向に貫通する貫通孔13が形成されている。この貫通孔13によって、第1光射出面11a及び外面12の中央部に、円形状の開口13a及び13bがそれぞれ形成されている。
【0022】
光源2は、凹部11の開口端近傍において、凹部11の内周面に沿って1列又は複数列設けられた複数のLED21(発光ダイオード)を具備する。光源2は、第1光射出面11aに向かって光を射出するように配置されている。
【0023】
ピンホール部材3は、ワークWで反射された光の一部を撮像装置側に通過させるピンホール311が厚み方向に貫通した板状体31を具備し、この板状体31が貫通孔13内の所定位置に配置され、第1光射出面11aに形成された開口13aを塞いでいる。
【0024】
前記板状体31は円板状であり、外径が本体1の貫通孔13の内径とほぼ同じに構成され、貫通孔13内に隙間なく嵌まるようになっている。なお、ピンホール311は、板状体31の中央部に形成され、板状体31の一方の面312及び他方の面313に円形状に開口している。
【0025】
一方の面312におけるピンホール311の径d
о(以下、単にピンホール径という)は、撮像装置Mが所定の画角を得られるように決定される。具体的にピンホール径d
оは、
図1に示すように、板状体31の厚みをt、視野径をV、ピンホール311(板状体31の厚み方向の中心位置)とワークWの観測面との間の距離をWDとして、次式(1)の関係を満たすようにしている。
【0026】
【0027】
例えば、本体1が汎用仕様(t=2mm、WD=100mm)である場合には、ピンホール径dоは、次式(2)で示される。
【0028】
【0029】
視野径VはワークWや本体1の形状に応じて任意で設定される。本実施形態では、本体1の凹部11の開口端における直径が視野径Vの最大値となる。従って、本体1の凹部11の開口端における直径が、距離WDの2倍(すなわち200mm)である場合、ピンホール径dоの最大値は2mmとなる。
【0030】
板状体31の他方の面313は、ワークWに対して光を射出する第2光射出面である。この第2光射出面313は、第1光射出面11aと同様、白色塗料が塗布されており、光源2からの光を拡散反射する、いわゆる二次光源として機能する。
【0031】
板状体31が貫通孔13内の所定位置に配置されている状態において、第2光射出面313と第1光射出面11aとは、隙間なく連続しており、これにより、連続的に光射出面が形成されている。
なお、第1光射出面11aと第2光射出面313との間には、隙間があってもよい。
【0032】
ピンホール部材3は、貫通孔13内における板状体31の位置を決める位置決め部32を更に有する。具体的には、ピンホール部材3は、板状体31の外周面314から径方向に向かって延び出るフランジ321を有している。位置決め部32は、このフランジ321の裏面321a(第2光射出面313側の面)と、板状体31の外周面314によって形成される。
【0033】
フランジ321の外径は、本体1の外面12における開口13bの径よりも大きくなっており、板状体31を貫通孔13内に挿入すると、裏面321aが外面12に当接して、貫通孔13内における板状体31の軸方向の位置が決定される。また、板状体31の外周面314が、貫通孔13の内側周面13cにほぼ隙間なく接触して、径方向にずれることなく確りと固定され、貫通孔13内における板状体31の径方向の位置が決定される。
【0034】
しかして、本実施形態のピンホール部材3は、板状体31の一方の面312側に、撮像装置Mが着脱可能にガタなく取り付けられる取付部33を有している。この取付部33は、板状体31の一方の面312側に形成された凹部であり、この凹部の内側面に、撮像装置Mの鏡筒の先端部が係合して取り付けられるようになっている。
【0035】
本実施形態では、板状体31の一方の面312上に、板状体31と同軸の凸状の環状部材331がピンホール311の開口を囲むように設けられている。取付部33である凹部は、この環状部材331の内周面331aと、板状体31の一方の面312とによって形成される。環状部材331の内径は、撮像装置Mの鏡筒の外径と略同一になっており、撮像装置Mの鏡筒を取付部33に取り付けると、鏡筒の外周面が取付部33の内周面に係合し、鏡筒の径方向にずれることなく確りと固定される。なお、このとき、鏡筒の先端は、板状体31の一方の面312に接触する。
【0036】
このように構成された本実施形態の光照射装置100によれば、ピンホール部材3が第1光射出面11aの開口13aを塞ぐとともに、当該開口13aに比べて穴径が小さいピンホール311を撮影のための覗き穴としているので、例えばワークWの表面が光沢を有していても、ワークWへの覗き穴の映り込みを低減できる。さらにこのピンホール部材3は、撮像装置Mを着脱可能に取り付けられる取付部33を有するので、異なる仕様のものであっても取付部33に取り付けることができる。そのため、検査対象の種類等に応じて、様々なタイプの汎用の撮像装置Mを適用することができる。また、ピンホール部材3には撮像装置Mがガタなく取り付けられることができるので、取付部33に撮像装置Mを取り付けるだけで、ピンホール311に対する撮像装置Mのレンズの位置決めを容易かつ正確に行うことができる。また、板状体31のワーク側の面は、ワークWに対して光を射出するものであり、しかも、板状体31の第2光射出面313と第1光射出面11aとが連続的に形成されているので、ワークWに対して、裏側を除く略全方向から略均一に光を照射することができる。
【0037】
また、ピンホール部材3は、本体1に着脱可能に取り付けられるタイプのものなので、第1光射出面11aに開口を有するタイプの光照射装置100に対して取り付けることができる。例えば、ユーザが既に所有している光照射装置100や、既製の光照射装置100に容易に取り付けることができる。
【0038】
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
【0039】
他の実施形態では、
図4に示すように、取付部33である凹部は、ピンホール311を取り囲むように板状体31の一方の面312に形成された環状溝332の内周面又は外周面と、その底面から形成されてもよい。この場合、撮像装置Mの鏡筒の先端部が環状溝332内に嵌まり込み、その内周面又は外周面に嵌合してガタなく固定される。
【0040】
なお、一方の面312には、同心状に形成された異なる径を有する複数の環状溝(ここでは2つ)3321、3322を形成してもよい。このようなものであれば、1つのピンホール部材3に対して、異なる径の鏡筒を有する複数種の撮像装置を取り換えて使用することができる。
【0041】
また、
図5に示すように、取付部33である凹部は、一方の面312の外縁に形成された環状のものであってもよい。この場合、取付部33は、環状凹部333の外周面333aとその底面333bから構成される。このようなものであっても、撮像装置Mの鏡筒の先端部が環状凹部333の外側に嵌まり込み、その外周面333aに嵌合して取り付けられる。
【0042】
図4、
図5及び
図6の右側に示すピンホール部材3では、撮像装置Mが取付部33に取り付けられた場合、撮像装置Mの鏡筒の先端が、一方の面312に形成されたピンホール311の開口よりもワーク側に位置する。このようなものであれば、
図6に示すように、取付部33が、板状体31の一方の面312と、環状部材331の内周面331aによって形成されるもの(
図6の左側)に比べて、撮像装置Mのレンズとピンホール311との間の距離を、取付部33たる凹部の深さ(即ち、一方の面312が鏡筒の内部に入り込んだ)分だけ近くすることができる。これにより撮像装置Mの画角を広くできるとともに、撮像装置Mに取り込まれる光量をより多くすることができ、より明るい画像を撮影できる。
【0043】
前記実施形態のピンホール311は、一方の面312側の径と第2光射出面313側の径とが略同一になるように形成されていたが、これに限らない。
図4に示すように、一方の面312側から第2光射出面313側に向かって径が大きくなるテーパ状に形成してもよい。この場合、ピンホール311の内面には白色塗料を塗布し、光射出面として機能させると好ましい。また
図5に示すように、一方の面312側から第2光射出面313側に向かって径が小さくなるテーパ状に形成してもよい。
【0044】
前記実施形態では、板状体31に1つのピンホール311が形成されていたが、複数個のピンホール311が形成されていてもよい。
【0045】
前記実施形態において、ピンホール部材3は本体1の貫通孔13に対して着脱可能であったが、接着剤等によって、本体1に固定されるものであってもよい。また、
図7に示すように、本体1に対して一体的に設けられたものであってもよい。
【0046】
前記実施形態において、板状体31は貫通孔13内に配置され、これにより開口13aを塞いでいたがこれに限定されず、貫通孔13を覆うように本体1の外面12上に配置され、これにより開口13aを塞いでもよい。
【0047】
また、板状体31を貫通孔13内に挿入した状態において、板状体31の外周面314と、貫通孔13の内周面13cとの間に隙間があってもよい。このようなものであっても、貫通孔13内における板状体31の径方向の位置を大まかに決定することができる。
【0048】
取付部33の内側面(又は外側面)の断面形状は、撮像装置Mの鏡筒の外側面(又は内側面)の断面形状と異なっていてもよい。また、前記実施形態のピンホール311は、板状体31の一方の面312及び他方の面313に円形状の開口を形成していたが、例えば、
図8に示すように、スリット状の開口としてもよい。また、開口形状としては、この他、楕円状、長穴状、矩形状、その他の多角形状とすることができる。また、一方の面312及び他方の面313に異なる形状の開口を形成してもよい。
【0049】
前記実施形態では、取付部33は、撮像装置Mの鏡筒がガタなく取り付けられるものであったがこれに限定されず、鏡筒との間に隙間を有して取り付けられるように構成されていてもよい。このようなものであっても、ピンホール311に対する撮像装置Mの位置を大まかに合わせることができる。また、撮像装置Mの鏡筒を、取付部に対して所定の方向から押し当てることで、ピンホール311に対する撮像装置Mのより正確な位置決めを行うことができるようにしてもよい。
【0050】
他の実施形態では、取付部33は、ネジ構造を用いて撮像装置Mを取付けられるように構成されていてもよい。具体的には、取付部33である凹部の内側面(又は外側面)に螺旋溝が形成され、この螺旋溝に撮像装置Mの鏡筒の外側面(又は内側面)に形成された螺旋溝が嵌まり込む。また、取付部33に取り付けられた撮像装置Mは、例えば、接着剤等により接着固定されるようになっていてもよい。
【0051】
前記実施形態では、本体の凹部11の内面及び板状体31の第2光射出面313に白色塗料が塗布されていたが、これに限定されない。例えば、これらの面が、電解研磨等の鏡面加工を施されたものであってもよい。また、本体1が導光部材からなり、光源2からの光を本体1の周囲から導光させて発光させる導光方式のものにしてもよい。
【0052】
前記実施形態では、本体1の貫通孔13は、凹部11の内面の頂部から外面12にわたって軸方向に貫通するように形成されていたがこれに限定されない。貫通孔13は、例えば凹部11の内面における頂部以外の面から、当該面に垂直な方向に沿って本体1を貫通するように形成されていてもよい。また、
図7に示すように、本体1に複数(ここでは2つ)の貫通孔13が形成されていてもよく、このようにすれば、複数の位置からワークWを撮影することができる。
【0053】
前記実施形態の光照射装置は、本体1が所謂ドーム型照明であったがこれに限定されない。光照射装置100は、光照射面11aに開口が形成されているものであればよく、例えば、光照射面11aが平面かつ環状または矩形状に形成されたものであってもよい。
【0054】
前記実施形態では、第1光射出面11a及び第2光射出面313は、光源2からの光を受けて光を射出する二次光源であったが、これに限定されない。例えば、LEDを設けて、第1光射出面11a及び第2光射出面313が自ら光を射出する一次光源であってもよい。
【0055】
前記実施形態では板状体31は円板状であったが、この他、楕円状、矩形状、多角形状、その他の任意の形状を採用することができる。また、前記実施形態では、一方の面312と第2光射出面313は、互いに平行な平面であったがこれに限らず、互いに平行でなくてもよく、また曲面であってもよい。また厚みが均一でなくてもよく、厚みが大きい部分と薄い部分とを有していてもよい。また、厚み方向の長さが、厚み方向に垂直な方向の長さと同等又はそれ以上のものであってもよい。
【0056】
その他、本発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
【符号の説明】
【0057】
100・・・光照射装置
1 ・・・本体
11a・・・光射出面
13a・・・開口
3 ・・・ピンホール部材
31 ・・・板状体
311・・・ピンホール
312・・・一方の面
313・・・第2光射出面
33 ・・・取付部
M ・・・撮像装置
W ・・・ワーク