(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-25
(45)【発行日】2022-06-02
(54)【発明の名称】為替レート換算装置、為替レート換算方法、および、為替レート換算プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/00 20120101AFI20220526BHJP
【FI】
G06Q40/00 400
(21)【出願番号】P 2018124297
(22)【出願日】2018-06-29
【審査請求日】2021-06-07
(73)【特許権者】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】福田 宏希
(72)【発明者】
【氏名】高橋 克也
(72)【発明者】
【氏名】矢野 雅之
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【審査官】田上 隆一
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-235801(JP,A)
【文献】特開2001-222656(JP,A)
【文献】特開2001-167210(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶部と制御部とを備えた為替レート換算装置であって、
前記記憶部は、
対象期間の利益剰余金に適用する利益剰余金レートを含む、在外子会社の利用通貨と基準通貨との為替レートを記憶する為替レート記憶手段と、
前記対象期間における株主資本の前記利用通貨による利用通貨期首残高および利用通貨期末残高、ならびに、当該対象期間の前期における前期基準通貨期末残高を記憶する株主資本記憶手段と、
を備え、
前記制御部は、
配当金の前記利用通貨による利用通貨配当金額、および、当該配当金の配当時の前記為替レートである配当時レートを取得する配当金額取得手段と、
前記利用通貨期首残高、前記利用通貨期末残高および前記各配当金の前記利用通貨配当金額に基づいて、前記利用通貨による利用通貨純利益金額を取得する利用通貨純利益取得手段と、
前記前期基準通貨期末残高を、前記対象期間における前記基準通貨による基準通貨期首残高として取得する基準通貨期首残高取得手段と、
前記利用通貨純利益金額および前記利益剰余金レートに基づいて、前記基準通貨による基準通貨純利益金額を取得する基準通貨純利益取得手段と、
前記各配当金の前記利用通貨配当金額および前記配当時レートに基づいて、前記基準通貨による前記各配当金の基準通貨配当金額を取得する基準通貨配当金取得手段と、
前記基準通貨期首残高、前記基準通貨純利益金額および前記各配当金の前記基準通貨配当金額に基づいて、基準通貨期末残高を取得する基準通貨期末残高取得手段と、
を備えたことを特徴とする為替レート換算装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記対象期間について再収集された前記利用通貨による期末残高である再収集期末残高を取得する再収集期末残高取得手段、
更に備え、
前記利用通貨純利益取得手段は、
更に、前記利用通貨期首残高、前記再収集期末残高および前記各配当金の前記利用通貨配当金額に基づいて、再収集後の前記利用通貨による利用通貨純利益金額を取得することを特徴とする請求項1に記載の為替レート換算装置。
【請求項3】
前記利用通貨純利益取得手段は、
前記利用通貨期末残高と前記各配当金の前記利用通貨配当金額との合計から、前記利用通貨期首残高を差し引いた値を前記利用通貨純利益金額として取得することを特徴とする請求項1または2に記載の為替レート換算装置。
【請求項4】
前記基準通貨純利益取得手段は、
前記利用通貨純利益金額と前記利益剰余金レートとを乗じた値を前記基準通貨純利益金額として取得し、
前記基準通貨配当金取得手段は、
前記各配当金の前記利用通貨配当金額と当該配当金の前記配当時レートとを乗じた値を前記各配当金の前記基準通貨配当金額として取得することを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の為替レート換算装置。
【請求項5】
前記基準通貨期末残高取得手段は、
前記基準通貨期首残高と前記基準通貨純利益金額との合計から、前記各配当金の前記基準通貨配当金額を差し引いた値を前記基準通貨期末残高として取得することを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の為替レート換算装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記為替レートに基づいて、前記対象期間の期中平均レートを算出し、当該期中平均レートを前記利益剰余金レートとして取得する利益剰余金レート取得手段、
を更に備えたことを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載の為替レート換算装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記配当金の配当日時を取得した場合、前記為替レートに基づいて、当該配当日時における前記配当時レートを取得する配当時レート取得手段、
を更に備えたことを特徴とする請求項1から6のいずれか一つに記載の為替レート換算装置。
【請求項8】
記憶部と制御部とを備えた為替レート換算装置に実行させるための為替レート換算方法であって、
前記記憶部は、
対象期間の利益剰余金に適用する利益剰余金レートを含む、在外子会社の利用通貨と基準通貨との為替レートを記憶する為替レート記憶手段と、
前記対象期間における株主資本の前記利用通貨による利用通貨期首残高および利用通貨期末残高、ならびに、当該対象期間の前期における前期基準通貨期末残高を記憶する株主資本記憶手段と、
を備え、
前記制御部で実行させる、
配当金の前記利用通貨による利用通貨配当金額、および、当該配当金の配当時の前記為替レートである配当時レートを取得する配当金額取得ステップと、
前記利用通貨期首残高、前記利用通貨期末残高および前記各配当金の前記利用通貨配当金額に基づいて、前記利用通貨による利用通貨純利益金額を取得する利用通貨純利益取得ステップと、
前記前期基準通貨期末残高を、前記対象期間における前記基準通貨による基準通貨期首残高として取得する基準通貨期首残高取得ステップと、
前記利用通貨純利益金額および前記利益剰余金レートに基づいて、前記基準通貨による基準通貨純利益金額を取得する基準通貨純利益取得ステップと、
前記各配当金の前記利用通貨配当金額および前記配当時レートに基づいて、前記基準通貨による前記各配当金の基準通貨配当金額を取得する基準通貨配当金取得ステップと、
前記基準通貨期首残高、前記基準通貨純利益金額および前記各配当金の前記基準通貨配当金額に基づいて、基準通貨期末残高を取得する基準通貨期末残高取得ステップと、
を含むことを特徴とする為替レート換算方法。
【請求項9】
記憶部と制御部とを備えた為替レート換算装置に実行させるための為替レート換算プログラムであって、
前記記憶部は、
対象期間の利益剰余金に適用する利益剰余金レートを含む、在外子会社の利用通貨と基準通貨との為替レートを記憶する為替レート記憶手段と、
前記対象期間における株主資本の前記利用通貨による利用通貨期首残高および利用通貨期末残高、ならびに、当該対象期間の前期における前期基準通貨期末残高を記憶する株主資本記憶手段と、
を備え、
前記制御部において、
配当金の前記利用通貨による利用通貨配当金額、および、当該配当金の配当時の前記為替レートである配当時レートを取得する配当金額取得ステップと、
前記利用通貨期首残高、前記利用通貨期末残高および前記各配当金の前記利用通貨配当金額に基づいて、前記利用通貨による利用通貨純利益金額を取得する利用通貨純利益取得ステップと、
前記前期基準通貨期末残高を、前記対象期間における前記基準通貨による基準通貨期首残高として取得する基準通貨期首残高取得ステップと、
前記利用通貨純利益金額および前記利益剰余金レートに基づいて、前記基準通貨による基準通貨純利益金額を取得する基準通貨純利益取得ステップと、
前記各配当金の前記利用通貨配当金額および前記配当時レートに基づいて、前記基準通貨による前記各配当金の基準通貨配当金額を取得する基準通貨配当金取得ステップと、
前記基準通貨期首残高、前記基準通貨純利益金額および前記各配当金の前記基準通貨配当金額に基づいて、基準通貨期末残高を取得する基準通貨期末残高取得ステップと、
を実行させるための為替レート換算プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、為替レート換算装置、為替レート換算方法、および、為替レート換算プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、会社の外国にある部門において現地の通貨で作成された貸借対照表に対して、ユーザが指定した換算日におけるレート値に従って、レート換算された貸借対照表を出力する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1記載の発明においては、株主資本に対するレート換算結果の出力をすることができるが、在外子会社の財務諸表の一つの勘定科目で複数回増減が発生する場合、対応することができなかったという課題があった。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、在外子会社の財務諸表の一つの勘定科目で複数回増減が発生する場合でも、在外子会社の支配獲得後の株主資本の変動を取引時レートで正確に換算することができる為替レート換算装置、為替レート換算方法、および、為替レート換算プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る為替レート換算装置は、記憶部と制御部とを備えた為替レート換算装置であって、前記記憶部は、対象期間の利益剰余金に適用する利益剰余金レートを含む、在外子会社の利用通貨と基準通貨との為替レートを記憶する為替レート記憶手段と、前記対象期間における株主資本の前記利用通貨による利用通貨期首残高および利用通貨期末残高、ならびに、当該対象期間の前期における前期基準通貨期末残高を記憶する株主資本記憶手段と、を備え、前記制御部は、配当金の前記利用通貨による利用通貨配当金額、および、当該配当金の配当時の前記為替レートである配当時レートを取得する配当金額取得手段と、前記利用通貨期首残高、前記利用通貨期末残高および前記各配当金の前記利用通貨配当金額に基づいて、前記利用通貨による利用通貨純利益金額を取得する利用通貨純利益取得手段と、前記前期基準通貨期末残高を、前記対象期間における前記基準通貨による基準通貨期首残高として取得する基準通貨期首残高取得手段と、前記利用通貨純利益金額および前記利益剰余金レートに基づいて、前記基準通貨による基準通貨純利益金額を取得する基準通貨純利益取得手段と、前記各配当金の前記利用通貨配当金額および前記配当時レートに基づいて、前記基準通貨による前記各配当金の基準通貨配当金額を取得する基準通貨配当金取得手段と、前記基準通貨期首残高、前記基準通貨純利益金額および前記各配当金の前記基準通貨配当金額に基づいて、基準通貨期末残高を取得する基準通貨期末残高取得手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る為替レート換算装置において、前記制御部は、前記対象期間について再収集された前記利用通貨による期末残高である再収集期末残高を取得する再収集期末残高取得手段、更に備え、前記利用通貨純利益取得手段は、更に、前記利用通貨期首残高、前記再収集期末残高および前記各配当金の前記利用通貨配当金額に基づいて、再収集後の前記利用通貨による利用通貨純利益金額を取得することを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る為替レート換算装置において、前記利用通貨純利益取得手段は、前記利用通貨期末残高と前記各配当金の前記利用通貨配当金額との合計から、前記利用通貨期首残高を差し引いた値を前記利用通貨純利益金額として取得することを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る為替レート換算装置において、前記基準通貨純利益取得手段は、前記利用通貨純利益金額と前記利益剰余金レートとを乗じた値を前記基準通貨純利益金額として取得し、前記基準通貨配当金取得手段は、前記各配当金の前記利用通貨配当金額と当該配当金の前記配当時レートとを乗じた値を前記各配当金の前記基準通貨配当金額として取得することを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る為替レート換算装置において、前記基準通貨期末残高取得手段は、前記基準通貨期首残高と前記基準通貨純利益金額との合計から、前記各配当金の前記基準通貨配当金額を差し引いた値を前記基準通貨期末残高として取得することを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る為替レート換算装置において、前記制御部は、前記為替レートに基づいて、前記対象期間の期中平均レートを算出し、当該期中平均レートを前記利益剰余金レートとして取得する利益剰余金レート取得手段、を更に備えたことを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る為替レート換算装置において、前記制御部は、前記配当金の配当日時を取得した場合、前記為替レートに基づいて、当該配当日時における前記配当時レートを取得する配当時レート取得手段、を更に備えたことを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る為替レート換算方法は、記憶部と制御部とを備えた為替レート換算装置に実行させるための為替レート換算方法であって、前記記憶部は、対象期間の利益剰余金に適用する利益剰余金レートを含む、在外子会社の利用通貨と基準通貨との為替レートを記憶する為替レート記憶手段と、前記対象期間における株主資本の前記利用通貨による利用通貨期首残高および利用通貨期末残高、ならびに、当該対象期間の前期における前期基準通貨期末残高を記憶する株主資本記憶手段と、を備え、前記制御部で実行させる、配当金の前記利用通貨による利用通貨配当金額、および、当該配当金の配当時の前記為替レートである配当時レートを取得する配当金額取得ステップと、前記利用通貨期首残高、前記利用通貨期末残高および前記各配当金の前記利用通貨配当金額に基づいて、前記利用通貨による利用通貨純利益金額を取得する利用通貨純利益取得ステップと、前記前期基準通貨期末残高を、前記対象期間における前記基準通貨による基準通貨期首残高として取得する基準通貨期首残高取得ステップと、前記利用通貨純利益金額および前記利益剰余金レートに基づいて、前記基準通貨による基準通貨純利益金額を取得する基準通貨純利益取得ステップと、前記各配当金の前記利用通貨配当金額および前記配当時レートに基づいて、前記基準通貨による前記各配当金の基準通貨配当金額を取得する基準通貨配当金取得ステップと、前記基準通貨期首残高、前記基準通貨純利益金額および前記各配当金の前記基準通貨配当金額に基づいて、基準通貨期末残高を取得する基準通貨期末残高取得ステップと、を含むことを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る為替レート換算プログラムは、記憶部と制御部とを備えた為替レート換算装置に実行させるための為替レート換算プログラムであって、前記記憶部は、対象期間の利益剰余金に適用する利益剰余金レートを含む、在外子会社の利用通貨と基準通貨との為替レートを記憶する為替レート記憶手段と、前記対象期間における株主資本の前記利用通貨による利用通貨期首残高および利用通貨期末残高、ならびに、当該対象期間の前期における前期基準通貨期末残高を記憶する株主資本記憶手段と、を備え、前記制御部において、配当金の前記利用通貨による利用通貨配当金額、および、当該配当金の配当時の前記為替レートである配当時レートを取得する配当金額取得ステップと、前記利用通貨期首残高、前記利用通貨期末残高および前記各配当金の前記利用通貨配当金額に基づいて、前記利用通貨による利用通貨純利益金額を取得する利用通貨純利益取得ステップと、前記前期基準通貨期末残高を、前記対象期間における前記基準通貨による基準通貨期首残高として取得する基準通貨期首残高取得ステップと、前記利用通貨純利益金額および前記利益剰余金レートに基づいて、前記基準通貨による基準通貨純利益金額を取得する基準通貨純利益取得ステップと、前記各配当金の前記利用通貨配当金額および前記配当時レートに基づいて、前記基準通貨による前記各配当金の基準通貨配当金額を取得する基準通貨配当金取得ステップと、前記基準通貨期首残高、前記基準通貨純利益金額および前記各配当金の前記基準通貨配当金額に基づいて、基準通貨期末残高を取得する基準通貨期末残高取得ステップと、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、一つの科目で複数回増減が発生する場合に、内訳データを登録できるようにしたことで、自動で正しい期末残高の計算ができるという効果を奏する。また、本発明によれば、在外子会社から再度データを収集した場合、内訳データを加味した計算を自動でできるという効果を奏する。また、本発明によれば、正確な外貨換算、および、決算の早期化を実現できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、従来の為替レートマスタの一例を示す図である。
【
図2】
図2は、利益剰余金計算結果の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、従来のレート換算処理の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、本実施形態におけるレート換算処理の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、本実施形態における為替レート換算装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図6】
図6は、本実施形態における為替レート換算装置の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、本実施形態における為替レート換算処理の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、本実施形態における期末残高再収集処理の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、本実施形態における明細繰越処理の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。
【0018】
[1.概要]
まず、
図1から
図4を参照して、本発明の概要を説明する。
図1は、従来の為替レートマスタの一例を示す図である。
図2は、利益剰余金計算結果の一例を示す図である。
図3は、従来のレート換算処理の一例を示す図である。
図4は、本実施形態におけるレート換算処理の一例を示す図である。
【0019】
在外子会社を有している企業グループでは、在外子会社の財務諸表は現地国通貨で記帳されているので、親会社がこれを連結する際には換算作業を行う必要がある。ここで、従来は、
図1に示すように、為替レートマスタに一つのレート種類に一つの為替レートしか保持できなかったため、利益剰余金の配当による減少が有る場合でも、
図2に示すように、(繰越)利益剰余金当期変動額が一つの利益剰余金レートを用いて¥1,100,000と算出されていたが、実際には、
図2に示すように、利益剰余金の配当による減少が有る場合、配当時の為替レートを用いて利益剰余金当期変動額を¥1,099,500と算出する必要があった。このように、従来は、利益剰余金の増減事由として当期純利益(損失)による増加(減少)、および、配当金の支払による減少があるものの、当期純利益が期中平均レートで換算される一方で、配当金が配当金支払時の為替レート(親会社が受取配当金を処理した為替レート)で換算されることが無かったため、当期純利益による増加と配当金による減少との両方の換算結果が反映されなかった。
【0020】
それにより、
図3に示すように、従来は、単体会計で修正が発生すると、連結会計で再収集・再換算をそのたびに行わなければならなかった。また、従来は、単体会計での修正の都度、手作業が発生し、在外子会社が多い場合に大変な労力を必要とし、計算ミスのリスクも増加していた。また、従来は、累計差額方式を採用する場合、常に期首からの累計で算出するため、前期末分の配当および当期分の中間配当も累積的に計算する必要があった。
【0021】
そこで、
図4に示すように、本実施形態においては、一つの科目で複数回増減が発生する場合でも、内訳データを登録することにより、利益剰余金当期変動額を自動で正しく計算できるようにしている。すなわち、従来は、在外子会社から収集した外貨期末残高を換算・調整後に、
図4(1)に示す書き戻しをすることで、基準通貨(日本円)による期末残高を取得していたが、本実施形態においては、在外子会社から収集した外貨期末残高を換算・調整後に、
図4(2)に示す内訳データに基づいて、
図4(1)に示す書き戻しをすることで、一つの科目で複数回増減が発生する場合に対応している。
【0022】
[2.構成]
本実施形態に係る為替レート換算装置100の構成の一例について、
図5を参照して説明する。
図5は、本実施形態における為替レート換算装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0023】
為替レート換算装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、為替レート換算装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0024】
為替レート換算装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。為替レート換算装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0025】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、為替レート換算装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、為替レート換算装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。
【0026】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、およびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。記憶部106は、為替レートファイル106aと、為替レートマスタ106bと、株主資本ファイル106cとを備えている。
【0027】
為替レートファイル106aは、在外子会社の利用通貨と基準通貨との為替レートを記憶する。ここで、基準通貨は、円等であってもよい。また、利用通貨は、ドル、ユーロ、ポンド、ルピー、または、元等であってもよい。ここで、為替レートファイル106aは、
図5に示すように、為替レートマスタ106bを備える。
【0028】
為替レートマスタ106bは、対象期間の利益剰余金に適用する利益剰余金レートを設定したマスタである。ここで、為替レートマスタ106bは、対象期間の期首レート、決算時レート、対象期間の期中平均レート、および/または、配当金の配当時の配当時レートを含む取引発生時の取引時レート等を設定してもよい。また、対象期間は、1年等であってもよい。
【0029】
株主資本ファイル106cは、対象期間における株主資本の利用通貨による利用通貨期首残高および利用通貨期末残高、ならびに、当該対象期間の前期における前期基準通貨期末残高を記憶する。ここで、株主資本ファイル106cは、利用通貨配当金額、利用通貨純利益金額、基準通貨期首残高、基準通貨純利益金額、基準通貨配当金額、基準通貨期末残高、および/または、再収集期末残高等を記憶していてもよい。
【0030】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(タッチパネルを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、およびマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114またはプリンタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0031】
制御部102は、為替レート換算装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部102は、機能概念的に、利益剰余金レート取得部102aと、配当時レート取得部102bと、配当金額取得部102cと、利用通貨純利益取得部102dと、基準通貨期首残高取得部102eと、基準通貨純利益取得部102fと、基準通貨配当金取得部102gと、基準通貨期末残高取得部102hと、再収集期末残高取得部102iとを備えている。
【0032】
利益剰余金レート取得部102aは、為替レートに基づいて、対象期間の期中平均レートを算出し、当該期中平均レートを利益剰余金レートとして取得する。ここで、利益剰余金レート取得部102aは、期中平均レートおよび/または利益剰余金レートを為替レートマスタ106bに格納してもよい。
【0033】
配当時レート取得部102bは、配当金の配当日時を取得した場合、為替レートに基づいて、当該配当日時における配当時レートを取得する。ここで、配当時レート取得部102bは、配当時レートを為替レートマスタ106bに格納してもよい。
【0034】
配当金額取得部102cは、配当金の利用通貨による利用通貨配当金額、および、当該配当金の配当時の為替レートである配当時レートを取得する。ここで、配当金額取得部102cは、入力装置112を介して入力された利用通貨配当金額および配当時レートを取得してもよい。また、利用通貨純利益取得部102dは、利用通貨配当金額を株主資本ファイル106cに格納してもよい。
【0035】
利用通貨純利益取得部102dは、利用通貨期首残高、利用通貨期末残高および各配当金の利用通貨配当金額に基づいて、利用通貨による利用通貨純利益金額を取得する。ここで、利用通貨純利益取得部102dは、利用通貨期首残高、再収集期末残高および各配当金の利用通貨配当金額に基づいて、再収集後の利用通貨による利用通貨純利益金額を取得してもよい。また、利用通貨純利益取得部102dは、利用通貨期末残高と各配当金の利用通貨配当金額との合計から、利用通貨期首残高を差し引いた値を利用通貨純利益金額として取得してもよい。また、利用通貨純利益取得部102dは、利用通貨純利益金額を株主資本ファイル106cに格納してもよい。
【0036】
基準通貨期首残高取得部102eは、対象期間の前期における前期基準通貨期末残高を、対象期間における基準通貨による基準通貨期首残高として取得する。ここで、基準通貨期首残高取得部102eは、基準通貨期首残高を株主資本ファイル106cに格納してもよい。
【0037】
基準通貨純利益取得部102fは、利用通貨純利益金額および利益剰余金レートに基づいて、基準通貨による基準通貨純利益金額を取得する。ここで、基準通貨純利益取得部102fは、利用通貨純利益金額と利益剰余金レートとを乗じた値を基準通貨純利益金額として取得してもよい。また、基準通貨純利益取得部102fは、基準通貨純利益金額を株主資本ファイル106cに格納してもよい。
【0038】
基準通貨配当金取得部102gは、各配当金の利用通貨配当金額および配当時レートに基づいて、基準通貨による各配当金の基準通貨配当金額を取得する。ここで、基準通貨配当金取得部102gは、各配当金の利用通貨配当金額と当該配当金の配当時レートとを乗じた値を各配当金の基準通貨配当金額として取得してもよい。また、基準通貨配当金取得部102gは、基準通貨配当金額を株主資本ファイル106cに格納してもよい。
【0039】
基準通貨期末残高取得部102hは、基準通貨期首残高、基準通貨純利益金額および各配当金の基準通貨配当金額に基づいて、基準通貨期末残高を取得する。ここで、基準通貨期末残高取得部102hは、基準通貨期首残高と基準通貨純利益金額との合計から、各配当金の基準通貨配当金額を差し引いた値を基準通貨期末残高として取得してもよい。また、基準通貨期末残高取得部102hは、基準通貨期末残高を株主資本ファイル106cに格納してもよい。
【0040】
再収集期末残高取得部102iは、対象期間について再収集された利用通貨による期末残高である再収集期末残高を取得する。ここで、再収集期末残高取得部102iは、再収集期末残高を株主資本ファイル106cに格納してもよい。
【0041】
[3.具体例]
本実施形態の具体例について、
図6から
図9を参照して説明する。
【0042】
[為替レート換算処理]
ここで、
図6から
図9を参照して、本実施形態における為替レート換算処理の一例について説明する。
図6は、本実施形態における為替レート換算装置100の処理の一例を示すフローチャートである。
【0043】
図6に示すように、配当金額取得部102cは、ユーザにより入力装置112を介して当期における配当金の在外子会社の利用通貨による利用通貨配当金額、および、当該配当金の配当時の為替レートである配当時レートが入力された場合、当該利用通貨配当金額および当該配当時レートを取得する(ステップSA-1)。
【0044】
そして、利用通貨純利益取得部102dは、株主資本ファイル106cに記憶された当期における株主資本の利用通貨による利用通貨期末残高と、配当金額取得部102cにより取得された各配当金の利用通貨配当金額との合計から、株主資本ファイル106cに記憶された当期における株主資本の利用通貨による利用通貨期首残高を差し引いた値を利用通貨純利益金額として取得する(ステップSA-2)。
【0045】
そして、基準通貨期首残高取得部102eは、株主資本ファイル106cに記憶された前期における前期基準通貨期末残高を、当期における基準通貨による基準通貨期首残高として取得する(ステップSA-3)。
【0046】
そして、基準通貨純利益取得部102fは、利用通貨純利益取得部102dにより取得された利用通貨純利益金額と為替レートマスタ106bに設定された当期の利益剰余金レートとを乗じた値を基準通貨純利益金額として取得する(ステップSA-4)。
【0047】
そして、基準通貨配当金取得部102gは、配当金額取得部102cにより取得された、各配当金の利用通貨配当金額と当該配当金の配当時レートとを乗じた値を各配当金の基準通貨配当金額として取得する(ステップSA-5)。
【0048】
そして、基準通貨期末残高取得部102hは、基準通貨期首残高取得部102eにより取得された基準通貨期首残高と基準通貨純利益取得部102fにより取得された基準通貨純利益金額との合計から、基準通貨配当金取得部102gにより取得された各配当金の基準通貨配当金額を差し引いた値を基準通貨期末残高として取得する(ステップSA-6)。
【0049】
そして、再収集期末残高取得部102iは、在外子会社にて当期の期末残高の再収集がされ、ユーザにより入力装置112を介して再収集された利用通貨による期末残高である再収集期末残高が入力されたか否かを判定する(ステップSA-7)。
【0050】
そして、再収集期末残高取得部102iは、再収集期末残高が入力されていないと判定した場合(ステップSA-7:No)、処理を終了する。
【0051】
一方、再収集期末残高取得部102iは、再収集期末残高が入力されたと判定した場合(ステップSA-7:Yes)、処理をステップSA-8に移行させる。
【0052】
そして、再収集期末残高取得部102iは、再収集期末残高を取得する(ステップSA-8)。
【0053】
そして、利用通貨純利益取得部102dは、再収集期末残高取得部102iにより取得された再収集期末残高と、配当金額取得部102cにより取得された各配当金の利用通貨配当金額との合計から、株主資本ファイル106cに記憶された当期における株主資本の利用通貨による利用通貨期首残高を差し引いた値を利用通貨純利益金額として取得し(ステップSA-9)、処理をステップSA-3に移行させる。
【0054】
ここで、
図7および
図8を参照して、本実施形態における為替レート換算処理の具体例について説明する。
図7は、本実施形態における為替レート換算処理の一例を示す図である。
図8は、本実施形態における期末残高再収集処理の一例を示す図である。
【0055】
図7に示すように、本実施形態においては、ユーザにより入力装置112を介して内訳入力画面に対して当期における配当金のドル建ての利用通貨配当金額、および、当該配当金の配当時のドル/円の為替レートである配当時レートが入力された場合、(1)外貨建金額再計算処理として、当期におけるドル建ての利用通貨期末残高と、各配当金のドル建ての利用通貨配当金額との合計から、当期における株主資本のドル建ての利用通貨期首残高を差し引いた値(($25,000+$100+$100)-$15,000)を、ドル建ての利用通貨純利益金額($10,200)として取得している。
【0056】
そして、
図7に示すように、本実施形態においては、(2)調整金額算出処理として、前期における円建ての前期基準通貨期末残高を、当期における円建ての基準通貨期首残高(¥1,500,000)として取得し、ドル建ての利用通貨純利益金額と当期のドル/円の利益剰余金レートとを乗じた値(10,200×110)を円建ての基準通貨純利益金額(¥1,122,000)として取得し、各配当金のドル建ての利用通貨配当金額と当該配当金のドル/円の配当時レートとを乗じた値(100×112、および、100×113)を各配当金の円建ての基準通貨配当金額(¥11,200、および、¥11,300)として取得している。
【0057】
そして、
図7に示すように、本実施形態においては、(3)調整後金額(期末残高)再計算処理として、基準通貨期首残高と基準通貨純利益金額との合計から、各配当金の基準通貨配当金額を差し引いた値(¥1,500,000+¥1,122,000-¥11,200-¥11,300)を基準通貨期末残高(¥2,599,500)として取得している。このように、従来は、都度手作業が発生し、在外子会社が多い場合に大変であり、計算ミスのリスクがあったが、本実施形態においては、自動で計算されるため、負荷が低減でき、計算ミスの心配もないようにしている。
【0058】
そして、
図8に示すように、本実施形態においては、ユーザにより入力装置112を介して連結データ収集処理画面に対して収集対象の期間および会社を指定して、当期におけるドル建ての利用通貨期末残高(外貨建科目期末残高)の再収集の実行が指示され、再収集された当期におけるドル建ての期末残高である再収集期末残高が取得された際に、ユーザにより入力装置112を介して内訳入力画面に対して当期におけるドル建ての再収集期末残高($26,000)が入力された場合、(1)外貨建金額再計算処理として、当期におけるドル建ての再収集期末残高と、各配当金のドル建ての利用通貨配当金額との合計から、当期における株主資本のドル建ての利用通貨期首残高を差し引いた値(($26,000+$100+$100)-$15,000)を、ドル建ての利用通貨純利益金額($11,200)として取得している。
【0059】
そして、
図8に示すように、本実施形態においては、(2)調整金額算出処理として、前期における円建ての前期基準通貨期末残高を、当期における円建ての基準通貨期首残高(¥1,500,000)として取得し、ドル建ての利用通貨純利益金額と当期のドル/円の利益剰余金レートとを乗じた値(11,200×110)を円建ての基準通貨純利益金額(¥1,232,000)として取得し、各配当金のドル建ての利用通貨配当金額と当該配当金のドル/円の配当時レートとを乗じた値(100×112、および、100×113)を各配当金の円建ての基準通貨配当金額(¥11,200、および、¥11,300)として取得している。
【0060】
そして、
図8に示すように、本実施形態においては、(3)調整後金額(期末残高)再計算処理として、基準通貨期首残高と基準通貨純利益金額との合計から、各配当金の基準通貨配当金額を差し引いた値(¥1,500,000+¥1,232,000-¥11,200-¥11,300)を基準通貨期末残高(¥2,709,500)として取得している。このように、従来は、期末残高を再収集するたびに計算のやり直しが必要であったが、本実施形態においては、一連の計算が収集と同時に自動で行われ、科目期末残高として期末残高¥2,709,500が計算されることになる。
【0061】
また、
図9を参照して、本実施形態における明細繰越処理の一例について説明する。
図9は、本実施形態における明細繰越処理の一例を示す図である。
【0062】
ここで、
図9に示すように、本実施形態においては、期末残高の算出が累計差額方式であり、且つ、現在が第一四半期(1Q)ではない場合、直近の四半期から変動明細の繰越(コピー)を行うことができる明細繰越機能を利用できるようにしている。これにより、従来は、累計差額方式の場合に、常に期首からの累計で期末残高を算出するため、1Qで発生した変動事由(例えば、配当等)の換算処理を、2Q以降の算出時にも同様に行う必要があり、前期末分の配当または当期分の中間配当に対して、累積的に計算が必要であったが、本実施形態においては、当期の直近の四半期で発生した変動事由を引き継ぐことができるため、再度その内訳を入力する必要がなくなった。
【0063】
[4.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0064】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0065】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0066】
また、為替レート換算装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0067】
例えば、為替レート換算装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて為替レート換算装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0068】
また、このコンピュータプログラムは、為替レート換算装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0069】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0070】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、本実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0071】
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0072】
また、為替レート換算装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、為替レート換算装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0073】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明は、在外子会社を有する様々な業界において有用である。
【符号の説明】
【0075】
100 為替レート換算装置
102 制御部
102a 利益剰余金レート取得部
102b 配当時レート取得部
102c 配当金額取得部
102d 利用通貨純利益取得部
102e 基準通貨期首残高取得部
102f 基準通貨純利益取得部
102g 基準通貨配当金取得部
102h 基準通貨期末残高取得部
102i 再収集期末残高取得部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 為替レートファイル
106b 為替レートマスタ
106c 株主資本ファイル
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク