(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-25
(45)【発行日】2022-06-02
(54)【発明の名称】電子写真機器用導電性部材
(51)【国際特許分類】
G03G 15/00 20060101AFI20220526BHJP
G03G 15/02 20060101ALI20220526BHJP
G03G 15/08 20060101ALI20220526BHJP
G03G 15/16 20060101ALI20220526BHJP
F16C 13/00 20060101ALI20220526BHJP
【FI】
G03G15/00 550
G03G15/02 101
G03G15/08 235
G03G15/08 221
G03G15/16 103
F16C13/00 B
(21)【出願番号】P 2018221846
(22)【出願日】2018-11-28
【審査請求日】2021-08-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000219602
【氏名又は名称】住友理工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002158
【氏名又は名称】特許業務法人上野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 仁宏
(72)【発明者】
【氏名】堀内 健
【審査官】中澤 俊彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-235954(JP,A)
【文献】特開2004-163578(JP,A)
【文献】特開平8-211773(JP,A)
【文献】特開2010-276810(JP,A)
【文献】国際公開第2017/135325(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/02
G03G 15/00
G03G 15/08
G03G 15/16
F16C 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性体層と、前記弾性体層の外側に形成された表層と、を備え、
前記弾性体層が、ゴムポリマーを含み、
前記表層が、(a)二重結合を有していないバインダーポリマー、(b)過酸化物架橋剤、(c)粗さ形成粒子、を含有する表層形成用組成物の架橋体で構成されていることを特徴とする電子写真機器用導電性部材。
【請求項2】
前記(a)が、ポリウレタン、ポリアミド、アクリル樹脂のうちの少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真機器用導電性部材。
【請求項3】
前記(c)が、ポリウレタン、ポリアミド、アクリル樹脂のうちの少なくとも1種の材料を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真機器用導電性部材。
【請求項4】
前記(b)が、芳香環を有していない過酸化物を含むことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の電子写真機器用導電性部材。
【請求項5】
前記弾性体層のゴムポリマーが、二重結合を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の電子写真機器用導電性部材。
【請求項6】
前記弾性体層のゴムポリマーが、ニトリルゴム、ヒドリンゴムのうちの少なくとも1種であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の電子写真機器用導電性部材。
【請求項7】
前記(b)の含有量が、前記(a)100質量部に対し、0.01~0.5質量部の範囲内であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の電子写真機器用導電性部材。
【請求項8】
前記弾性体層のゴムポリマーの架橋剤が、硫黄系架橋剤を含まないことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の電子写真機器用導電性部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式を採用する複写機、プリンター、ファクシミリなどの電子写真機器において好適に用いられる電子写真機器用導電性部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式を採用する複写機、プリンター、ファクシミリなどの電子写真機器において、感光ドラムの周囲には、帯電ロール、現像ロール、転写ロール、トナー供給ロールなどの各種導電性部材が配設されている。電子写真機器による複写や印字は、感光ドラムに原稿像を静電潜像として形成し、静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成し、トナー像を複写紙に転写することにより行われている。
【0003】
感光ドラムに静電潜像を形成するには、帯電ロールにより予め感光ドラムの表面を帯電させた後、この帯電部分に光学系を介して原稿像を投射し、光の当たった部分の帯電を打ち消すことが行われている。感光ドラムの表面を帯電させる方式としては、帯電ロールを感光ドラムの表面に直接接触させて帯電させる接触帯電方式が採用されている。
【0004】
また、感光ドラムにトナー像を形成するには、トナーが付着された現像ロールを感光ドラムの表面に直接接触させる接触現像方式が採用されている。この現像ロールは、トナー供給ロールにより表面に供給されたトナーを、層形成ブレードとの摩擦により帯電させ、感光ドラム表面に移す。そして、感光ドラムの表面のトナー像は、転写ロールあるいは転写ベルトにより、複写紙上に転写される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように、各種導電性部材は、感光ドラムなどの相手部材に接触させた状態で連れ回る動作をする。導電性部材は、ベース層としての弾性体層の外側に表層を有するものから構成されており、連れ回る動作において、相手部材に接触する表層と直接は接触しないその下の弾性体層との間には、せん断応力がかかる。そして、その表層は、粗さ形成粒子を含み、その粗さ形成粒子が存在する部分で相手部材に接触することから、粗さ形成粒子が存在する部分に垂直応力がかかる。このとき、粗さ形成粒子とその周囲の表層材料との間にも、せん断応力がかかる。表層材料が弾性体層や粗さ形成粒子に追従しないと、表層と弾性体層の間や表層材料と粗さ形成粒子の間でクラックが発生するおそれがある。特に、耐久時には、表層材料の劣化に伴い、クラックがより発生しやすくなる。
【0007】
特許文献1には、シャフトと、シャフトの外周に順次形成された弾性層および表層と、を備える導電性ローラにおいて、表層が、表層用樹脂組成物と粒子との混合物からなり、表層用樹脂組成物が熱硬化型のウレタン樹脂を含み、粒子がウレタン(メタ)アクリレートを含む粒子用樹脂組成物からなることが記載されている。そして、熱重合開始剤として有機過酸化物が挙げられている。
【0008】
しかしながら、特許文献1には、粒子の脱落や粒子の削れを抑えることは記載されていても、弾性層と表層との間のせん断応力によるクラックの発生や、表層材料と粒子との間のせん断応力によるクラックの発生を抑える方法については記載されていない。
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、弾性体層と表層との間のせん断応力や表層材料と粗さ形成粒子との間のせん断応力によるクラックの発生が抑えられる電子写真機器用導電性部材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため本発明に係る電子写真機器用導電性部材は、弾性体層と、前記弾性体層の外側に形成された表層と、を備え、前記弾性体層が、ゴムポリマーを含み、前記表層が、(a)二重結合を有していないバインダーポリマー、(b)過酸化物架橋剤、(c)粗さ形成粒子、を含有する表層形成用組成物の架橋体で構成されていることを要旨とするものである。
【0011】
前記(a)は、ポリウレタン、ポリアミド、アクリル樹脂のうちの少なくとも1種であることが好ましい。前記(c)は、ポリウレタン、ポリアミド、アクリル樹脂のうちの少なくとも1種の材料を含むことが好ましい。前記(b)は、芳香環を有していない過酸化物を含むことが好ましい。前記弾性体層のゴムポリマーは、二重結合を有することが好ましい。前記弾性体層のゴムポリマーは、ニトリルゴム、ヒドリンゴムのうちの少なくとも1種であることが好ましい。前記(b)の含有量は、前記(a)100質量部に対し、0.01~0.5質量部の範囲内であることが好ましい。前記弾性体層のゴムポリマーの架橋剤は、硫黄系架橋剤を含まないことが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る電子写真機器用導電性部材によれば、弾性体層がゴムポリマーを含み、表層が(a)二重結合を有していないバインダーポリマー(b)過酸化物架橋剤(c)粗さ形成粒子を含有する表層形成用組成物の架橋体で構成されていることから、弾性体層のゴムポリマーと表層のバインダーポリマーとが架橋によって化学的に結合し、表層と弾性体層の変形が一体化するとともに、表層のバインダーポリマーと粗さ形成粒子とが架橋によって化学的に結合し、表層のバインダーポリマーと粗さ形成粒子の変形が一体化する。これにより、弾性体層と表層との間のせん断応力や表層材料と粗さ形成粒子との間のせん断応力によるクラックの発生が抑えられる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施形態に係る電子写真機器用帯電ロールの外観模式図(a)と、そのA-A線断面図(b)である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0015】
本発明に係る電子写真機器用導電性部材は、帯電部材、現像部材、転写部材、トナー供給部材などの各種導電性部材に好適に用いることができる。本発明に係る電子写真機器用導電性部材は、特に形状が限定されるものではない。例えば、ロール状、プレート状、ブロック状、ベルト状などの形状のものが適用可能である。特に好ましいものとしては、ロール状のものである。以下、ロール状のもの(導電性ロール)を例に挙げて説明する。
【0016】
図1には、本発明の一実施形態に係る電子写真機器用導電性ロールを示している。本発明の一実施形態に係る電子写真機器用導電性ロール10(以下、単に導電性ロール10ということがある。)は、軸体12と、軸体12の外周に形成された弾性体層14と、弾性体層14の外周に形成された表層16と、を備える。弾性体層14は、導電性ロール10のベースとなる層である。表層16は、導電性ロール10の表面に現れる層となっている。表層16は、弾性体層14に接している。
【0017】
弾性体層14は、ゴムポリマーを含む。これにより、ゴム弾性を有する層となる。弾性体層14は、ゴムポリマー(ベースゴム)を含む導電性ゴム組成物により形成される。弾性体層14のゴムポリマー(架橋ゴム)は、未架橋ゴムを架橋することにより得られる。未架橋ゴムは、極性ゴムであってもよいし、非極性ゴムであってもよい。導電性に優れるなどの観点から、未架橋ゴムは極性ゴムがより好ましい。
【0018】
極性ゴムは、極性基を有するゴムであり、極性基としては、クロロ基、ニトリル基、カルボキシル基、エポキシ基などを挙げることができる。極性ゴムとしては、具体的には、ヒドリンゴム、ニトリルゴム(NBR)、ウレタンゴム(U)、アクリルゴム(アクリル酸エステルと2-クロロエチルビニルエーテルとの共重合体、ACM)、クロロプレンゴム(CR)、エポキシ化天然ゴム(ENR)などを挙げることができる。極性ゴムのうちでは、体積抵抗率が特に低くなりやすいなどの観点から、ヒドリンゴム、ニトリルゴム(NBR)がより好ましい。
【0019】
ヒドリンゴムとしては、エピクロルヒドリンの単独重合体(CO)、エピクロルヒドリン-エチレンオキサイド二元共重合体(ECO)、エピクロルヒドリン-アリルグリシジルエーテル二元共重合体(GCO)、エピクロルヒドリン-エチレンオキサイド-アリルグリシジルエーテル三元共重合体(GECO)などを挙げることができる。
【0020】
ウレタンゴムとしては、分子内にエーテル結合を有するポリエーテル型のウレタンゴムを挙げることができる。ポリエーテル型のウレタンゴムは、両末端にヒドロキシル基を有するポリエーテルとジイソシアネートとの反応により製造できる。ポリエーテルとしては、特に限定されるものではないが、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどを挙げることができる。ジイソシアネートとしては、特に限定されるものではないが、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなどを挙げることができる。
【0021】
非極性ゴムとしては、イソプレンゴム(IR)、天然ゴム(NR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)などが挙げられる。
【0022】
弾性体層14のゴムポリマー(架橋ゴム)は、二重結合を有することが好ましい。ゴムポリマーが二重結合を有すると、後述する表層形成用組成物に配合する過酸化物架橋剤から発生したラジカルが、弾性体層14のゴムポリマーの表面(弾性体層14と表層16の界面における表面)において水素原子を引き抜きやすく、これによりゴムポリマーの表面にラジカルが発生しやすくなる。二重結合を有するゴムポリマーとしては、ニトリルゴム(NBR)、ヒドリンゴム(GCO、GECO)などが挙げられる。
【0023】
弾性体層14のゴムポリマーを形成するための架橋剤としては、過酸化物架橋剤、硫黄架橋剤、脱塩素架橋剤を挙げることができる。これらの架橋剤は、単独で用いても良いし、2種以上組み合わせて用いても良い。これらのうちでは、過酸化物架橋剤が特に好ましい。弾性体層14のゴムポリマーを形成するための架橋剤は、硫黄系架橋剤を含まないことがより好ましい。この架橋剤として硫黄系架橋剤を含むと、後述する表層形成用組成物の過酸化物架橋剤から発生したラジカルから硫黄ラジカルが優先的に発生し、弾性体層14のゴムポリマーの表面(弾性体層14と表層16の界面における表面)や表層形成用組成物の粗さ形成粒子の表面のラジカル発生量が低下する。そうすると、表層16のバインダーポリマーと弾性体層14のゴムポリマーの間や表層16のバインダーポリマーと粗さ形成粒子の間の架橋量が低下し、表層16と弾性体層14の変形の一体性や表層16におけるバインダーポリマーと粗さ形成粒子の変形の一体性が低下しやすい。
【0024】
過酸化物架橋剤としては、パーオキシケタール、ジアルキルパーオキサイド、パーオキシエステル、ケトンパーオキサイド、パーオキシジカーボネート、ジアシルパーオキサイド、ハイドロパーオキサイドなどの従来より公知の過酸化物架橋剤を挙げることができる。この過酸化物架橋剤は、芳香環を有する過酸化物であってもよいし、芳香環を有していない過酸化物であってもよい。芳香環を有する過酸化物は、残渣がロール表面に現れて汚染の原因となりやすい。また、残渣がロール表面に現れて表層16と弾性体層14の接着を阻害しやすい。したがって、この過酸化物架橋剤は、芳香環を有していない過酸化物がより好ましい。
【0025】
硫黄架橋剤としては、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、表面処理硫黄、不溶性硫黄、塩化硫黄、チウラム系加硫促進剤、高分子多硫化物などの従来より公知の硫黄架橋剤を挙げることができる。
【0026】
脱塩素架橋剤としては、ジチオカーボネート化合物を挙げることができる。より具体的には、キノキサリン-2,3-ジチオカーボネート、6-メチルキノキサリン-2,3-ジチオカーボネート、6-イソプロピルキノキサリン-2,3-ジチオカーボネート、5,8-ジメチルキノキサリン-2,3-ジチオカーボネートなどを挙げることができる。
【0027】
架橋剤の配合量としては、ブリードしにくいなどの観点から、未架橋ゴム100質量部に対して、好ましくは0.1~2質量部の範囲内、より好ましくは0.3~1.8質量部の範囲内、さらに好ましくは0.5~1.5質量部の範囲内である。
【0028】
架橋剤として脱塩素架橋剤を用いる場合には、脱塩素架橋促進剤を併用しても良い。脱塩素架橋促進剤としては、1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン-7(以下、DBUと略称する。)もしくはその弱酸塩を挙げることができる。脱塩素架橋促進剤は、DBUの形態として用いても良いが、その取り扱い面から、その弱酸塩の形態として用いることが好ましい。DBUの弱酸塩としては、炭酸塩、ステアリン酸塩、2-エチルヘキシル酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩、3-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸塩、フェノール樹脂塩、2-メルカプトベンゾチアゾール塩、2-メルカプトベンズイミダゾール塩などを挙げることができる。
【0029】
脱塩素架橋促進剤の含有量としては、ブリードしにくいなどの観点から、未架橋ゴム100質量部に対して、0.1~2質量部の範囲内であることが好ましい。より好ましくは0.3~1.8質量部の範囲内、さらに好ましくは0.5~1.5質量部の範囲内である。
【0030】
弾性体層14には、必要に応じて、各種添加剤を適宜添加しても良い。添加剤としては、導電剤、滑剤、加硫促進剤、老化防止剤、光安定剤、粘度調整剤、加工助剤、難燃剤、可塑剤、発泡剤、充填剤、分散剤、消泡剤、顔料、離型剤などを挙げることができる。導電剤としては、イオン導電剤、電子導電剤が挙げられる。イオン導電剤としては、第4級アンモニウム塩、第4級ホスホニウム塩、ホウ酸塩、界面活性剤などが挙げられる。電子導電剤としては、カーボンブラック、グラファイト、導電性チタン酸化物、導電性亜鉛酸化物、導電性錫酸化物などの導電性金属酸化物などが挙げられる。
【0031】
弾性体層14は、架橋ゴムの種類、導電剤の配合などにより、所定の体積抵抗率に調整することができる。弾性体層14の体積抵抗率は、用途などに応じて102~1010Ω・cm、103~109Ω・cm、104~108Ω・cmの範囲などに適宜設定すればよい。
【0032】
弾性体層14の厚みは、特に限定されるものではなく、用途などに応じて0.1~10mmの範囲内などで適宜設定すればよい。弾性体層14は、発泡体であってもよいし、非発泡体であってもよい。
【0033】
弾性体層14は、例えば、次のようにして製造することができる。まず、軸体12をロール成形金型の中空部に同軸的に設置し、未架橋の導電性ゴム組成物を注入して、加熱・硬化(架橋)させた後、脱型するか、あるいは、軸体12の表面に未架橋の導電性ゴム組成物を押出成形するなどにより、軸体12の外周に弾性体層14を形成する。
【0034】
表層16は、(a)二重結合を有していないバインダーポリマー、(b)過酸化物架橋剤、(c)粗さ形成粒子、を含有する表層形成用組成物の架橋体で構成されている。
【0035】
(a)としては、ポリアミド、ポリウレタン、アクリル樹脂(アクリル樹脂、メタクリル樹脂)、フッ素樹脂、ポリカーボネート、メラミン樹脂、シリコーン系樹脂などが挙げられる。(a)としては、ポリアミド、ポリウレタン、アクリル樹脂などが好ましい。好ましいこれらはいずれもラジカル発生可能な化学構造を有するため、(b)から発生したラジカルにより(a)の分子内にラジカルが発生し、(a)が架橋可能となる。(a)のバインダーポリマーは、二重結合を有していない。(a)のバインダーポリマーが二重結合を有すると、(b)から発生したラジカルにより、後述する(c)の表面や上述する弾性体層14のゴムポリマーの表面よりもバインダーポリマーの分子内に優先的にラジカルが発生する。そうすると、弾性体層14のゴムポリマーと表層16のバインダーポリマーの間の架橋が抑制される。また、表層16のバインダーポリマーと粗さ形成粒子の間の架橋が抑制される。(a)のバインダーポリマーが二重結合を有していないことで、(b)から発生したラジカルにより、バインダーポリマーの分子内だけでなく、後述する(c)の表面や上述する弾性体層14のゴムポリマーの表面にも、ラジカルが発生する。これにより、弾性体層14のゴムポリマーと表層16のバインダーポリマーとが架橋によって化学的に結合し、表層16と弾性体層14の変形が一体化するとともに、表層16のバインダーポリマーと粗さ形成粒子とが架橋によって化学的に結合し、表層16のバインダーポリマーと粗さ形成粒子の変形が一体化する。これにより、弾性体層と表層との間のせん断応力や表層材料と粗さ形成粒子との間のせん断応力によるクラックの発生が抑えられる。
【0036】
(b)は、過酸化物架橋剤からなる。(b)として過酸化物架橋剤を用いることで、(b)から発生したラジカルにより、バインダーポリマーの分子内だけでなく、後述する(c)の表面や上述する弾性体層14のゴムポリマーの表面にも、ラジカルが発生する。これにより、表層16のバインダーポリマーと弾性体層14のゴムポリマーの間や、表層16のバインダーポリマーと粗さ形成粒子の間の架橋が進行する。(b)として硫黄系架橋剤を用いると、バインダーポリマーの硫黄架橋が進行するだけで、弾性体層14のゴムポリマーと表層16のバインダーポリマーの間の架橋や、表層16のバインダーポリマーと粗さ形成粒子の間の架橋は進行しない。
【0037】
(b)としては、パーオキシケタール、ジアルキルパーオキサイド、パーオキシエステル、ケトンパーオキサイド、パーオキシジカーボネート、ジアシルパーオキサイド、ハイドロパーオキサイドなどの従来より公知の過酸化物架橋剤を挙げることができる。
【0038】
(b)は、芳香環を有する過酸化物であってもよいし、芳香環を有していない過酸化物であってもよい。芳香環を有する過酸化物は、残渣がロール表面に現れて汚染の原因となりやすい。また、残渣がロール表面に現れて表層16と弾性体層14の接着を阻害しやすい。したがって、(b)は、芳香環を有していない過酸化物がより好ましい。
【0039】
(b)の配合量は、表層形成用組成物において、(a)100質量部に対し、0.01~0.5質量部の範囲内であることが好ましい。(b)が0.01質量部以上であると、弾性体層14のゴムポリマーと表層16のバインダーポリマーの架橋や表層16のバインダーポリマーと粗さ形成粒子の架橋によるクラックの発生を抑える効果に優れる。この観点から、(b)の配合量は、(a)100質量部に対し、より好ましくは0.05質量部以上、さらに好ましくは0.10質量部以上である。そして、(b)が0.5質量部以下であると、表層形成用組成物における(b)の分散性に優れ、表層16の均一性に優れる。この観点から、(b)の配合量は、(a)100質量部に対し、より好ましくは0.4質量部以下、さらに好ましくは0.3質量部以下である。
【0040】
(c)は、表層16に表面粗さ(表面凹凸)を形成するために表層16に添加される。例えば帯電ロールでは、表面粗さにより、放電領域と放電の起点が形成される。(c)の形状は、特に限定されるものではないが、球状、真球状などが好ましい。(c)は、無機粒子であってもよいし、有機粒子(樹脂粒子)であってもよい。無機粒子としては、シリカ粒子などが挙げられる。樹脂粒子としては、ポリウレタン粒子、ポリアミド粒子、アクリル樹脂粒子などが挙げられる。
【0041】
(c)としては、(c)が存在する部分が感光ドラムなどの相手部材との接触部となる場合、接触部の柔軟性を確保しやすい有機粒子(樹脂粒子)であることが好ましい。樹脂粒子のうち、ポリウレタン粒子、ポリアミド粒子、アクリル樹脂粒子は、いずれもラジカル発生可能な化学構造を有するため、(b)から発生したラジカルにより(c)の表面にラジカルが発生し、(c)が架橋可能となる。樹脂粒子のうちでは、柔軟性を確保しやすいなどの観点から、ポリウレタン粒子が好ましい。また、低変形率による低ヘタリ性などの観点から、アクリル樹脂粒子が好ましい。また、抵抗への影響度が小さいなどの観点から、ポリアミド粒子(ナイロン粒子)が好ましい。
【0042】
(c)の含有量は、特に限定されるものではないが、表層形成用組成物において、(a)100質量部に対し、5~50質量部の範囲内であることが好ましい。より好ましくは10~40質量部の範囲内である。
【0043】
(c)の平均粒子径は、15μm以上であることが好ましい。より好ましくは20μm以上、さらに好ましくは25μm以上である。また、50μm以下であることが好ましい。より好ましくは45μm以下、さらに好ましくは40μm以下である。(c)の平均粒子径は、レーザー回折・散乱式粒子径分布測定装置により測定されるメジアン径である。
【0044】
表層形成用組成物は、本発明に影響を与えない範囲において、上記(a)(b)(c)に加え、添加剤を含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。このような添加剤としては、導電剤、充填剤、安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、離形剤、染料、顔料、難燃剤などが挙げられる。導電剤としては、イオン導電剤、電子導電剤が挙げられる。導電剤は、弾性体層14において記載したものを適宜選択して用いることができる。
【0045】
表層形成用組成物は、硫黄系架橋剤を含まないことが好ましい。表層形成用組成物が硫黄系架橋剤を含むと、表層形成用組成物の過酸化物架橋剤から発生したラジカルから硫黄ラジカルが優先的に発生し、弾性体層14のゴムポリマーの表面や表層形成用組成物の粗さ形成粒子の表面のラジカル発生量が低下する。そうすると、表層16のバインダーポリマーと弾性体層14のゴムポリマーの間や表層16のバインダーポリマーと粗さ形成粒子の間の架橋量が低下し、表層16と弾性体層14の変形の一体性や表層16におけるバインダーポリマーと粗さ形成粒子の変形の一体性が低下しやすい。
【0046】
表層16は、材料種、導電剤の配合などにより、所定の体積抵抗率に調整することができる。表層16の体積抵抗率は、用途などに応じて105~1011Ω・cm、108~1010Ω・cmの範囲などに適宜設定すればよい。
【0047】
表層16の厚みは、特に限定されるものではないが、0.1μm以上であることが好ましい。より好ましくは0.3μm以上、さらに好ましくは0.5μm以上である。また、3.0μm以下であることが好ましい。より好ましくは2.5μm以下、さらに好ましくは2.0μm以下である。表層16の厚みは、レーザー顕微鏡(例えばキーエンス製、「VK-9510」など)を用いて断面を観察することにより測定することができる。例えば任意の位置の5か所について、弾性体層14の表面から表層16の表面までの距離をそれぞれ測定し、その平均によって表すことができる。
【0048】
表層16の表面粗さRzは、2.0μm以上であることが好ましい。より好ましくは2.5μm以上、さらに好ましくは3.0μm以上である。また、表面粗さRzは40μm以下であることが好ましい。より好ましくは30μm以下、さらに好ましくは20μm以下である。
【0049】
表層16は、表層形成用組成物を用い、これを弾性体層14の外周面に塗工し、乾燥処理などを適宜行うことにより形成することができる。表層形成用組成物は、分散媒を用いて分散液として調製することができる。分散媒としては、メチルエチルケトン(MEK),メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶媒、イソプロピルアルコール(IPA),メタノール,エタノールなどのアルコール系溶媒、ヘキサン,トルエンなどの炭化水素系溶媒、酢酸エチル,酢酸ブチルなどの酢酸系溶媒、ジエチルエーテル,テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、水などが挙げられる。
【0050】
軸体12は、導電性を有するものであれば特に限定されない。具体的には、鉄、ステンレス、アルミニウムなどの金属製の中実体、中空体からなる芯金などを例示することができる。軸体12の表面には、必要に応じて、接着剤、プライマーなどを塗布しても良い。つまり、弾性体層14は、接着剤層(プライマー層)を介して軸体12に接着されていてもよい。接着剤、プライマーなどには、必要に応じて導電化を行なっても良い。
【0051】
以上の構成の導電性ロール10によれば、弾性体層14がゴムポリマーを含み、表層16が(a)二重結合を有していないバインダーポリマー(b)過酸化物架橋剤(c)粗さ形成粒子を含有する表層形成用組成物の架橋体で構成されていることから、弾性体層14のゴムポリマーと表層16のバインダーポリマーとが架橋によって化学的に結合し、表層16と弾性体層14の変形が一体化するとともに、表層16のバインダーポリマーと粗さ形成粒子とが架橋によって化学的に結合し、表層16のバインダーポリマーと粗さ形成粒子の変形が一体化する。これにより、弾性体層と表層との間のせん断応力や表層材料と粗さ形成粒子との間のせん断応力によるクラックの発生が抑えられる。また、表層16と弾性体層14の変形が一体化することで、弾性体層14の高い弾性回復率が活かされ、セット性(圧縮永久歪)が良化する。さらに、表層16と弾性体層14の変形や表層16のバインダーポリマーと粗さ形成粒子の変形が一体化することで、変形が小さくなり、感光ドラムなどの相手部材との接触面積が小さくなるため、摩擦力が低下し、粗さ形成粒子の摩耗量を少なくすることができる。これにより、ロール表面の粗さが維持されやすくなる。
【0052】
本発明に係る導電性ロールの構成としては、
図1に示す構成に限定されるものではない。例えば、
図1に示す導電性ロール10において、軸体12と弾性体層14との間に他の弾性体層を備えた構成であってもよい。この場合、他の弾性体層は、導電性ロールのベースとなる層であり、弾性体層14が導電性ロールの抵抗調整を行う抵抗調整層などとして機能する。他の弾性体層は、例えば、弾性体層14を構成する材料として挙げられた材料のいずれかにより構成することができる。また、例えば、
図1に示す導電性ロール10において、弾性体層14と表層16との間に他の弾性体層を備えた構成であってもよい。この場合、弾性体層14が導電性ロールのベースとなる層であり、他の弾性体層は、導電性ロールの抵抗調整を行う抵抗調整層などとして機能する。
【実施例】
【0053】
以下、実施例および比較例を用いて本発明を詳細に説明する。
【0054】
<弾性体層形成用材料>
・ゴム<1>:NBR(ニトリルゴム) 日本ゼオン製「Nipol DN3335」
・ゴム<2>:GECO(ヒドリンゴム) 日本ゼオン製「Hydrin T3100」
・ゴム<3>:EPDM(エチレンプロピレンジエンゴム) 三井化学製「三井EPT」
・架橋剤<1>:過酸化物系(PO系・Ar環無) 日本油脂製「パーヘキサ25B」
・架橋剤<2>:過酸化物系(PO系・Ar環有) 日本油脂製「パークミルD」
・架橋剤<3>:硫黄系(S系) 三新化学工業製「A120」
【0055】
<表層形成用材料>
・バインダー<1>:ポリウレタン(PU) 三井化学製「タケラックWS-400」
・バインダー<2>:ポリアミド(PA) 鉛市製「ファインレジンFR-105」、N-メトキシメチル化ナイロン
・バインダー<3>:アクリル樹脂(PMMA) 旭化成製「デルペット60N」
・バインダー<4>:ウレタンアクリレート(UA) 共栄社化学製「UA-306H」
・架橋剤<1>:過酸化物系(PO系・Ar環無) 日本油脂製「パーヘキサ25B」
・架橋剤<2>:過酸化物系(PO系・Ar環有) 日本油脂製「パークミルD」
・架橋剤<3>:硫黄系(S系) 三新化学工業製「A120」
・粗さ形成粒子<1>:ポリウレタン粒子(PU) 根上工業製「アートパールC800」、平均粒径6μm
・粗さ形成粒子<2>:ポリアミド粒子(PA) 東レ製「SP-500」、平均粒径5μm
・粗さ形成粒子<3>:アクリル粒子(PMMA) 根上工業製「アートパールGR800」、平均粒径6μm
【0056】
(実施例1)
<弾性体層形成用ゴム組成物の調製>
ゴム<1>(ニトリルゴム)100質量部に対し、架橋剤<1>(過酸化物系)を1.0質量部、イオン導電剤(テトラn-ブチルアンモニウムパークロレート)を1.0質量部、カーボンブラック(東海カーボン製「シースト116」)を1.0質量部添加し、これらを攪拌機により撹拌、混合して弾性体層形成用ゴム組成物を調製した。
【0057】
<弾性体層の作製>
成形金型(パイプ状)に芯金(軸体、直径6mm)をセットし、上記の弾性体層形成用ゴム組成物を注入し、170℃で30分加熱した後、冷却、脱型して、芯金の外周に厚み5mmの弾性体層を形成した。
【0058】
<表層の作製>
バインダー<1>(ポリウレタン)100質量部に対し、架橋剤<1>(過酸化物系)0.2質量部、粗さ形成粒子<1>(ポリウレタン粒子)20質量部を配合し、固形分濃度20質量%となるようにメチルエチルケトン(MEK)を加え、混合攪拌することにより、表層形成用組成物を調製した。次いで、この表層形成用組成物を弾性体層の外周面にロールコートし、熱処理を施すことにより、弾性体層の外周に表層(厚み10μm)を形成した。これにより、導電性ロールを作製した。
【0059】
(実施例2~11)
弾性体層形成用ゴム組成物のゴム、架橋剤、表層形成用組成物のバインダー、架橋剤、粗さ形成粒子を表1に記載のように構成した以外は実施例1と同様にして、導電性ロールを作製した。
【0060】
(比較例1~2)
弾性体層形成用ゴム組成物のゴム、架橋剤、表層形成用組成物のバインダー、架橋剤、粗さ形成粒子を表1に記載のように構成した以外は実施例1と同様にして、導電性ロールを作製した。比較例1は、表層形成用組成物のバインダーが炭素-炭素二重結合を有するバインダー(ウレタンアクリレート)からなる。比較例2は、表層形成用組成物の架橋剤が過酸化物系ではなく硫黄系である。
【0061】
作製した各導電性ロールについて、クラック発生の有無を調べた。また、ロール表面への成分のブリード、表層形成用組成物の分散性、横スジ画像の有無を調べた。
【0062】
(クラック 層間起因)
作製した導電性ロールを導電性ロールとしてコニカミノルタ製の複合機「bizhubC658」に組み込み、10℃×10%RH環境下で、印字濃度1%の罫線モードで20万枚印刷後、ロール表面をキーエンス製のレーザー顕微鏡「VK-X100」で200倍率で観察し、クラックの有無を確認した。弾性体層と表層の間のせん断応力に起因するクラックがロール表面に発生し、印字画像にそのクラック模様が出ている場合を不良「×」、上記クラックがロール表面に発生しているものの、印字画像にそのクラック模様が出ていない場合を良好「○」、上記クラックがロール表面に発生しておらず、印字画像にクラック模様が出ていない場合を特に良好「◎」とした。層間起因のクラックは、粗さ形成粒子を起点とせず、ロールの長軸方向にのみ発生する。
【0063】
(クラック 表層内起因)
上記(クラック 層間起因)におけるクラックの有無の確認において、表層内のバインダーポリマーと粗さ形成粒子の間のせん断応力に起因するクラックがロール表面に発生し、印字画像にそのクラック模様が出ている場合を不良「×」、上記クラックがロール表面に発生しているものの、印字画像にそのクラック模様が出ていない場合を良好「○」、上記クラックがロール表面に発生しておらず、印字画像にクラック模様が出ていない場合を特に良好「◎」とした。表層内起因のクラックは、粗さ形成粒子を中心に無秩序方向に発生する。
【0064】
(ブリード)
作製した導電性ロールを50℃×95%RH環境下に2週間放置した後、ロール表面をキーエンス製のレーザー顕微鏡「VK-X100」で1000倍率で観察し、析出の有無を確認した。ロール表面に析出物が無いものを良好{〇」、ロール表面に析出物が確認されたものを不良{×」とした。
【0065】
(分散性)
表層形成用組成物を容器に適量ずつ入れ、撹拌羽根で1時間以上撹拌した後の液を400メッシュに通したとき、メッシュ上に架橋剤起因の残渣が確認されなかったものを良好「〇」、メッシュ上に架橋剤起因の残渣が確認されたものを不良「×」とした。
【0066】
【0067】
実施例および比較例によれば、ゴムポリマーを含む弾性体層の外側に形成する表層の形成用組成物が、二重結合を有していないバインダーポリマーと、過酸化物架橋剤と、粗さ形成粒子と、を含むことで、弾性体層のゴムポリマーと表層のバインダーポリマーとが架橋によって化学的に結合し、表層と弾性体層の変形が一体化するとともに、表層のバインダーポリマーと粗さ形成粒子とが架橋によって化学的に結合し、表層のバインダーポリマーと粗さ形成粒子の変形が一体化するので、弾性体層と表層との間のせん断応力や表層材料と粗さ形成粒子との間のせん断応力によるクラックの発生が抑えられ、これによる画像悪化が抑えられることがわかる。
【0068】
比較例1は、表層形成用組成物のバインダーポリマーが二重結合を有するバインダーポリマー(ウレタンアクリレート)からなる。このため、バインダーポリマーにおける水素引き抜きが優先的に発生し、バインダーポリマーの架橋が優先的に起こり、弾性体層のゴムポリマーと表層のバインダーポリマーの間の架橋や、表層のバインダーポリマーと粗さ形成粒子の間の架橋は進行せず、弾性体層と表層との間のせん断応力や表層材料と粗さ形成粒子との間のせん断応力によるクラックの発生が抑えられない。
【0069】
比較例2は、表層形成用組成物の架橋剤が過酸化物系ではなく硫黄系である。このため、バインダーポリマーの硫黄架橋が進行するだけで、弾性体層のゴムポリマーと表層のバインダーポリマーの間の架橋や、表層のバインダーポリマーと粗さ形成粒子の間の架橋は進行せず、弾性体層と表層との間のせん断応力や表層材料と粗さ形成粒子との間のせん断応力によるクラックの発生が抑えられない。
【0070】
以上、本発明の実施形態・実施例について説明したが、本発明は上記実施形態・実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改変が可能である。
【符号の説明】
【0071】
10 導電性ロール
12 軸体
14 弾性体層
16 表層