(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-25
(45)【発行日】2022-06-02
(54)【発明の名称】統計的な胸部モデルの生成及びパーソナライズ
(51)【国際特許分類】
G06T 7/143 20170101AFI20220526BHJP
A61B 5/055 20060101ALI20220526BHJP
【FI】
G06T7/143
A61B5/055 380
(21)【出願番号】P 2018566954
(86)(22)【出願日】2017-06-29
(86)【国際出願番号】 EP2017066207
(87)【国際公開番号】W WO2018002265
(87)【国際公開日】2018-01-04
【審査請求日】2020-06-19
(32)【優先日】2016-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(74)【代理人】
【識別番号】100163809
【氏名又は名称】五十嵐 貴裕
(74)【代理人】
【識別番号】100145654
【氏名又は名称】矢ヶ部 喜行
(72)【発明者】
【氏名】クトラ ドミニク ベンジャミン
(72)【発明者】
【氏名】ビューロー トーマス
(72)【発明者】
【氏名】サビツェンスキー ヨルグ
(72)【発明者】
【氏名】メーツ キルステン レジーナ
【審査官】真木 健彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-130972(JP,A)
【文献】特開2011-177517(JP,A)
【文献】国際公開第2008/129506(WO,A1)
【文献】特表2011-510415(JP,A)
【文献】Uicheul Yoon, Jong-Min Lee, B.B. Koo, Yong-Wook Shin, Kyung Jin Lee, In Young Kim, Jun Soo Kwon, Sun I. Kim,Quantitative analysis of group-specific brain tissue probability map for schizophrenic patients,NeuroImage,米国,Elsevier Inc.,2005年04月07日,Vol. 26, No. 2 (June 2005),pp. 502-512,https://s-space.snu.ac.kr/bitstream/10371/25960/1/Yoon-2005-Quantitative%20analysi.pdf
【文献】川口 拓之, 小畠 隆行, 佐野 ひろみ, 吉田 英治, 菅 幹生, 生駒 洋子, 山谷 泰賀,骨盤部T1強調MRIによるPET減弱補正用画像の生成,電子情報通信学会技術研究報告,日本,電子情報通信学会,2015年02月23日,MI2014-99 (2015-3),pp. 221-226
【文献】Albert Gubern-Merida, Michiel Kallenberg, Ritse M. Mann, Robert Marti, Nico Karssemeijer,Breast Segmentation and Density Estimation in Breast MRI: A Fully Automatic Framework,IEEE Journal of Biomedical and Health Informatics,米国,IEEE,2014年03月11日,Vol. 19, No. 1 (January 2015),pp. 349-357,https://ieeexplore.ieee.org/document/6762834/
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 7/00
G06T 1/00
A61B 5/055
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査対象の取得された複数の入力画像を受信するための、入力インタフェースと、
前記入力画像内の対応する位置における物質タイプ読み取り値を生成するよう構成された、物質タイプ解析器と、
前記読み取り値に基づいて、前記対応する位置について物質タイプの確率分布の推定を決定するよう構成された、統計モジュールと、
を有
し、確率分布モデルが、自動化された画像分析及び分類により、前記入力画像の情報からトレーニングされ、トレーニングされた確率分布モデルが、組織タイプをエンコードしていないか又は前記入力画像よりも低い程度で組織タイプをエンコードしている画像に適用される、画像処理システム。
【請求項2】
前記確率分布の推定を前記検査対象のメタデータと相関付けて、前記対応する位置についてのパラメータ化された確率分布の推定を得るよう構成された、相関器を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記画像についてそれぞれの座標系における座標に基づいて前記対応する位置を確立するよう構成された空間対応要素を有し、前記それぞれの座標系は、共通幾何モデルから導出される、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記それぞれの座標系は、前記検査対象における1つ以上の対称性を反映するよう構成された、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記パラメータ化された確率分布の推定に基づいて、対象物の所与の画像における所与の位置について、物質タイプの推定を生成するよう構成された、物質タイプ推定器を有する、請求項
2、請求項2を引用する請求項3、又は請求項2を間接的に引用する請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記入力画像は、軟組織の識別が可能な撮像装置により予め取得された、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記検査対象は、種々の対象の哺乳動物の胸部を含む、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の
システム。
【請求項8】
検査対象の取得された複数の入力画像を受信するステップと、
前記入力画像内の対応する位置における物質タイプ読み取り値を生成するステップと、
前記読み取り値に基づいて、前記対応する位置について物質タイプの確率分布の推定を決定するステップと、
を有し、
確率分布モデルが、自動化された画像分析及び分類により、前記入力画像の情報からトレーニングされ、トレーニングされた確率分布モデルが、組織タイプをエンコードしていないか又は前記入力画像よりも低い程度で組織タイプをエンコードしている画像に適用される、画像処理方法。
【請求項9】
前記確率分布の推定を前記検査対象のメタデータと相関付けて、前記対応する位置についてのパラメータ化された確率分布の推定を得るステップ
を有する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記対応する位置は、前記画像についてそれぞれの座標系における座標に基づいて確立され、前記それぞれの座標系は、共通幾何モデルから導出される、請求項8又は9に記載の方法。
【請求項11】
前記パラメータ化された確率分布の推定に基づいて、対象物の所与の画像における所与の位置について、物質タイプの推定を生成するステップ
を有する、
請求項9又は請求項9を引用する請求項10に記載の方法。
【請求項12】
処理ユニットにより実行されたときに、請求項8乃至11のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成された、コンピュータプログラ
ム。
【請求項13】
請求項12に記載の
コンピュータプログラムが保存された、コンピュータ読み取り可能な媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理システム、画像処理方法、コンピュータプログラム要素、及びコンピュータ読み取り可能な媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
腹臥位、背臥位又は直立位のような種々の患者の姿勢における胸部をシミュレートするため、胸部の生体力学的なシミュレーションが用いられることができる。最近では、手術のシミュレーションにおいて、生体力学的なモデルも利用されてきている。斯かる用途は、精密な胸部の幾何学的なモデルを必要とする。該モデルは通常、MR撮像から生成され、コストがかかり時間を浪費する手順である。乳癌の広まり、及びMRIが標準的な撮像モダリティではないという事実に鑑みると、罹患した患者の一部のみしか、決定支援としての術前シミュレーションから利益を得ることができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
それ故、以上の欠点を少なくとも部分的に解決するためのシステム又は方法に対するニーズが存在し得る。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の目的は、独立請求項の主題により解決され、更なる実施例は、従属請求項に組み込まれている。以下に説明される本発明の態様は、画像処理方法、コンピュータプログラム要素、及びコンピュータ読み取り可能な媒体にも等しく当てはまることは、留意されるべきである。
【0005】
本発明の第1の態様によれば、
検査対象の取得された複数の入力画像を受信するための、入力インタフェースと、
前記入力画像内の対応する位置における物質タイプ読み取り値を生成するよう構成された、物質タイプ解析器と、
前記読み取り値に基づいて、前記対応する位置について物質タイプの確率分布の推定を決定するよう構成された、統計モジュールと、
を有する、画像処理システムが提供される。
【0006】
一実施例によれば、該システムは更に、前記確率分布の推定を前記検査対象のメタデータと相関付けて、前記対応する位置についてのパラメータ化された確率分布の推定を得るよう構成された、相関器を有する。
【0007】
一実施例によれば、該システムは、前記画像についてそれぞれの座標系における座標に基づいて前記対応する位置を確立するよう構成された空間対応要素を有し、前記それぞれの座標系は、共通幾何モデルから導出される。
【0008】
一実施例によれば、前記それぞれの座標系は、前記検査対象における1つ以上の対称性を反映するよう構成される。
【0009】
一実施例によれば、該システムは、前記パラメータ化された確率分布の推定に基づいて、対象物の所与の画像における所与の位置について、物質タイプの推定を生成するよう構成された、物質タイプ推定器を有する。
【0010】
一実施例によれば、前記入力画像は、軟組織の識別が可能な撮像装置により予め取得される。
【0011】
一実施例によれば、前記検査対象は、種々の対象の哺乳動物(特に人間の女性)の胸部を含む。
【0012】
更なる態様によれば、
検査対象の取得された複数の入力画像を受信するステップと、
前記入力画像内の対応する位置における物質タイプ読み取り値を生成するステップと、
前記読み取り値に基づいて、前記対応する位置について物質タイプの確率分布の推定を決定するステップと、
を有する、画像処理方法が提供される。
【0013】
一実施例によれば、該方法は、
前記確率分布の推定を前記検査対象のメタデータと相関付けて、前記対応する位置についてのパラメータ化された確率分布の推定を得るステップ
を有する。
【0014】
一実施例によれば、前記対応する位置は、前記画像についてそれぞれの座標系における座標に基づいて確立され、前記それぞれの座標系は、共通幾何モデルから導出される。
【0015】
一実施例によれば、該方法は、
前記パラメータ化された確率分布の推定に基づいて、対象物の所与の画像における所与の位置について、物質タイプの推定を生成するステップ
を有する。
【0016】
更なる態様によれば、処理ユニットにより実行されたときに、上述した方法ステップを実行するように構成された、コンピュータプログラム要素が提供される。
【0017】
更なる態様によれば、該プログラム要素が保存された、コンピュータ読み取り可能な媒体が提供される。
【0018】
提案される方法及びシステムは、女性の胸部の比較的大きな(形状及び組成における)多様性を考慮に入れることを可能とする。提案される方法及びシステムは、内部の組織の分布についての単なる一般的な経験的な仮定を用いず、いずれの所与の患者に対しても真にパーソナライズ/適合され得る仮想的な胸部モデルを構造化された態様で生成することを可能とする。斯かる単なる経験則は回避され、より現実的なモデルを導出し、従ってより現実的な生体力学的なシミュレーションを導出する。
【0019】
提案される方法及びシステムは、現実の患者において観察され得るような組織タイプの分布を生成することを可能とする。該組織タイプの分布の生成は、場当たりのもの又は「ランダム」なものではなく、検査対象(「コホート」)からトレーニングされた対象物(例えば胸部)についての一般的な統計モデルに組み込まれた解剖学的な知識により導出される。
【0020】
要約すると、提案される手法は、主にここで想定される胸部画像に適用されたときに、MRI及びCTのような高解像度のモダリティを用いた、母集団内の胸部組織の統計的な分布モデルをトレーニングすることを含む。各胸部を標準的な胸部モデルにマッピングすることにより、組織の空間的な分布のモデルを生成することが可能となる。該組織の分布モデルは、例えばBMI、年齢、身長、更年期状態のような同一の母集団からのメタ情報、更には低コストのモダリティ(例えば3Dスキャン、写真撮影、マンモグラフィ、トモシンセシス)から導出された情報と、相関付けられる。トレーニングコホートの一部ではなく、特定の患者の斯かる情報を用いることにより、統計的なモデルが、適切なサイズ及び組織分布を持つパーソナライズされた胸部モデルへと、後のパーソナライズされることができる。斯かるパーソナライズされたモデルは、パーソナライズ段階において、MRIのような高価で組織を識別するモダリティの必要なく、例えば胸部の患者特有の生体力学的なモデル化を可能とする。
【0021】
本発明の実施例は、図面(必ずしも定縮尺で描かれていない)を参照しながら、以下に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【発明を実施するための形態】
【0023】
最初に
図1を参照すると、ここで提案される画像処理システムの模式的なブロック図が示されている。
【0024】
広義には、画像処理システムIPSは、対象の組織の入力画像に基づいて、当該組織の一般化された統計的モデルを生成するよう構成され、該モデルは次いで、所与の患者PATに対して任意にパーソナライズされても良い。必ずしも全ての実施例ではないが、一実施例においては、該組織は、人間の女性の胸部であるが、他の組織もまたここで想到され得る。また、提案される画像処理システムの、医療以外の状況に対する適用もまた想到され得る。
【0025】
一般的な統計的な胸部モデルは基本的に、組織タイプについての確率分布の空間的に分解されたファミリー又は集合である。これらの分布は、所与の患者PATの年齢、体重等のようなメタデータに基づいてパーソナライズされることができる。一般的な統計的モデル又はそのパーソナライズされたものは、生体力学的なシミュレーションのための入力モデルとして用いられることができる。異なる組織タイプは力学的な負荷に対して異なる態様で反応するため、組織タイプの空間的な分布についての正確な推定の利用可能性は、現実的な生体力学的なシミュレーションを可能とする。
【0026】
画像処理システムIPSの要素又はモジュールは、単一のソフトウェアの一式において協働するようプログラムされたソフトウェアルーチンとして実装されても良い。システムIPSは、撮像器IMと関連するワークステーションのような汎用計算ユニットPU上で、又は撮像器の群と関連するサーバコンピュータ上で、実行されても良い。代替としては、画像処理システムIPSの構成要素は、分散アーキテクチャにより構成され、適切な有線又は無線通信ネットワークに接続されていても良い。代替としては、画像処理システムの幾つかの又は全ての構成要素は、適切にプログラムされたFPGA(field-programmable-gate-array)として又は配線ICチップのような、ハードウェアで構成されても良い。
【0027】
ここで
図1をより詳細に参照すると、画像処理システムの入力ポートINにおいて、必ずしも同時にではないが、患者のコホートCHの入力画像IM
j(CH)が受信される。該画像は、1つ以上の撮像器IAにより前もって取得されている。好適には、入力画像IMCHは、磁気共鳴撮像器又は位相差撮像器等のような、軟組織識別が可能な撮像器IAにより取得されたものである。
【0028】
患者のコホートCHからの入力画像IMCHは、例えば病院情報システムHIS等における画像保存システムPACSから取得されても良い。他の例においては、異なる患者から過去に取得された履歴の軟組織撮像データが、利用されても良い。以下により詳細に説明されるように、当該履歴の入力画像は、統計的な胸部モデルを対照させるためのトレーニングコーパスとして機能する。必須ではないが好適には、該画像は、DICOMタイプのものである。DICOM画像は、それぞれの画像ファイルのヘッダファイルにエンコードされたそれぞれの患者のメタデータを持つ。以下により詳細に説明されるように、該メタデータは、特定の所与の患者に対して一般的なモデルをパーソナライズするために用いられ得る。コホートCHのなかの患者は、この例では一般化された統計的モデルが構築されるべき人間の胸部のものである、同じ対象又は組織クラスを表す検査対象としてここで閲覧され得る。
【0029】
示されているように、入力画像は、コホートがサンプルである母集団内の胸部組織の統計的な分布モデルをトレーニングするために用いられる。ここで生成される統計的な分布モデルは、該サンプルが大きくなるほど、より正確なものとなることが予期され得る。数百又は数千のオーダーの画像にける女性からランダム的にコホートをピックアップすることは、十分な品質の結果をもたらす。一実施例においては、約100枚の画像が用いられる。入力画像IM(CH)jの以下の処理は、必ずしも一回限りの動作ではないが、開始から十分な数のトレーニング画像が利用可能である場合には依然として想到され得る。しかしながらしばしば、入力画像IM(CH)の特定の初期セットから開始して、次いでモデルが精錬され、以下に説明される処理が、新たに利用可能な入力画像を考慮に入れるために反復されても良い。
【0030】
システムIPSは、物質タイプ解析器MTAを有する。物質タイプ解析器は、物質タイプ特定要素MTCと、空間対応要素SCCと、を含む。
【0031】
システムIPSの空間対応要素SCCは、物質タイプ解析器が物質タイプ読み取り情報を収集する入力コホート画像IM(CH)内の対応する解剖学的位置のそれぞれのセットを確立するよう動作する。換言すれば、該解析器は、画像位置がどのタイプの物質(特にどのタイプの組織)を表すかを決定する。
【0032】
ここで最初に空間対応要素SCCを詳細に参照すると、一実施例においては、考慮される組織の対称性に対応するそれぞれの座標系で表現された座標に、入力画像における位置の世界座標を変換することにより、空間的な又は解剖学的な対応が確立される。例えば、人間の女性の胸部については、D.Kutraらによる「An anatomically oriented breast model for MRI」(Proc. SPIE 9415、Medical Imaging 2015、Image-Guided Procedures Robotic Interventions, and Modeling、941521頁(2015年3月18日))において提案されるような半楕円座標系が好適な結果を導出することが示されており、ここで好適な実施例において想到され得る。他の組織が対象となる場合、異なる対称性を持つ別の座標系が代わりに呼び出されても良い。それぞれの座標系は、個々のフィッティング演算(以下により詳細に説明される)においてそれぞれの画像に同一の形状モデル(幾何プリミティブ)をフィッティングすることにより導出されたものである。これらそれぞれの座標系は従って、それぞれの入力画像IM(CH)にエンコードされた、それぞれの幾何/対称性に適合される。それぞれに適合された座標系の座標に関して、各画像における画像位置を表現することは、画像中の空間-組織対応を確立する。特に、空間対応要素SCCは、入力画像中の、同一の解剖学的特徴の空間座標を見出すことを可能とする。例えば、画像の各々における乳頭部のそれぞれの位置が特定されることができ、他のいずれの解剖学的な位置も同様である。同一の(それ故対応する)特徴又は解剖学的な位置は、入力画像IMCHの画像のそれぞれの座標系において、同一の座標を持つことが予期され得る。例えば、Kurtaら(上述)により提案されるような半楕円座標系において、uを極成分、vを方位角成分、rを径方向成分とした、座標(u,v,r)を持つ所与の位置が、コホートの胸部における同一の解剖学的特徴を示すことが予期され得る。しかしながら、解剖学的対称性適合された座標系により入力画像中の解剖学的な対応を確立することは、好適ではあるが、単に数あるなかの1つのとり得る実施例であることは、留意されるべきである。例えば、その代わりに、ユーザは、画像に対するマウスのクリックにより、又は他のいずれかの指定ツールにより、該解剖学的な対応を表すとみなされる位置を規定しても良い。
【0033】
引き続き空間対応要素の動作を参照すると、該動作は、言及されたように、入力画像IM(CH)のそれぞれに対して別個に幾何プリミティブ(半楕円のような)をフィッティングして、それぞれの幾何学的に適合された画像座標系を導出することを含む。該それぞれフィッティングされた幾何プリミティブは、それぞれの入力画像においてエンコードされた胸部の形状を近似する。フィッティング動作は、幾何プリミティブの幾何学的な特徴を、適切な解剖学的部分を表す画像構造にマッチングすることにより、コホートにおける種々の患者画像の解剖学的な患者間対応を確立する。例えば、半楕円モデルの先端部が画像の乳頭部にフィッティングされ、半楕円モデルの後部の広い部分が胸筋を表す画像構造にフィッティングされても良い。このようにして、プリミティブな幾何学的モデルの種々の部分が、入力画像における種々の目立つ解剖学的位置に固定される。同一のプリミティブな幾何がフィッティングのために利用されるため、解剖学的な対応が確立されることができる。更に好適なフィッティングを実現するため、モデルが自由形式の変形等により変形されても良い。換言すれば、一般的にフィッティング動作は柔軟な変換を含む。
【0034】
それぞれの入力画像IM(CH)における種々の組織タイプを表す画素又はボクセルの位置の世界座標は、空間対応要素SCCにより、プリミティブが(半)楕円である実施例の場合には三個の組(u,v,r)のような、幾何プリミティブの幾何学的に固有なパラメータに変換される。これらのパラメータは、フィッティング動作において用いられるような、幾何プリミティブの共通幾何にそれぞれ基づいて、それぞれ適合された座標系における座標を定義する。この手法は、コホート画像IM(CH)に表された、生成された患者間の対応を利用することを可能とする。世界座標は、画像内座標(ボクセルのインデクスのような)、又は画像を取得するために用いられた撮像システムの基準フレームに対する適切な長さ単位(例えばmm)での座標を含む。画像形式がDICOMである場合、これらのタイプの世界座標間で互いに変換されても良い。
上述したように、画像における位置の間の対応を確立する一方法は、それぞれ適合された座標系において、各画像において同一の座標
【数1】
を単に利用することである。代替としては、それぞれの幾何プリミティブをフィッティングするときにそれぞれの位置において経験される堅固な又は柔軟な変換の量に基づいて、オフセット
【数2】
が座標に適用されても良い。
【0035】
フィッティング動作は、いずれの既知の最適化方式によって実装されても良い。例えば、目的関数は、プリミティブからの胸部画像の逸脱の二乗の合計として設定されても良い。このとき、プリミティブの幾何パラメータは、目的関数を最小化するように解かれる。他の目的関数の形式もまた想到され得る。
【0036】
好適には、入力画像IM(CH)及び幾何プリミティブは3Dであるが、2Dモデルのフィッティングによる提案される方法の2D画像への適用もまた、代替の実施例において想到され得る。
【0037】
入力コホート画像IM(CH)は、物質タイプ特定要素MTCにより処理される。このことは又は、入力画像の各位置において、例えば脂肪組織、水分、線維腺組織、血管組織、筋組織等といった組織タイプのような、物質タイプを確立することを可能とする、既知の自動化された組織解析/分類アルゴリズムにより実装されても良い。組織解析アルゴリズムは、画像値(例えばグレイ値)を既知の組織特性と照合する。例えば、特にMRI画像値は、それぞれの組織クラスに照合され得る。
【0038】
物質特性特定及び空間的な対応の確立の2つのタスクは、いずれの順序で実行されても良いことは、理解されるべきである。即ち、画像が最初に、物質タイプ特定要素MTCにより処理され、次いで空間対応要素SCCによって処理されるか、又はその逆である。処理順序にかかわらず、物質タイプ解析器の(中間の)出力は、空間-組織対応位置の各セットについて、物質タイプ読み取り値mjから形成される。換言すれば、対応する位置の各セットjについて、N個の物質タイプ読み取り値(m1,…mN)jがあり、ここでNは、入力画像IM(CH)における画像の数である。空間的に分解された物質タイプの読み取り値の当該出力は、インデクスj…J、n…Nを持つ行列構造で保存されても良い。
【0039】
空間的に分解された物質タイプ読み取り値は、統計モジュールSMにより処理される。該統計モジュールは、所与の対応する位置において、それぞれの確率分布(又は密度)推定を計算する。当該動作は次いで、(他の)対応する位置の各セットjについて繰り返される。換言すれば、種々の対応する位置のN個のセットの各々について、種々の組織タイプに対して、それぞれの(一般的には異なる)確率分布が得られる。更に換言すれば、組織タイプの確率分布の各々は、画像についてそれぞれ適合された座標系において、本質的な座標で表現された対応する位置のそれぞれのセットに「固定」される。
【0040】
確率分布の当該集合又はファミリーは、所与の位置において、そこにある確率(例えば脂肪)を計算することを可能とする。種々の位置におけるそれぞれの確率分布(又は確率密度)は、例えばそれぞれの組織タイプ読み取り値の比を形成することにより、他の既知の方法で推定されても良い。例えば、対応する位置の所与のセットについて、脂肪の出現の回数を調べ、当該数を考慮対象の画像の総数で除算しても良い。他の統計的な方法が利用されても良い。例えば代替として、局所的な確率は、考慮対象の患者の年齢、BMI等を考慮に入れても良い。組織確率を計算する際、(メタデータに関して)類似する対象のみが考慮に入れられても良いし、又は検査コホートからのデータの寄与が考慮対象の患者に対する類似度により重み付けされても良い。
【0041】
代替としては、各画像についての種々の適合される座標系におけるそれぞれの座標は、第2の変換において、更なる変換段要素(図示されていない)により、共通座標系(球形又はその他の形状のような)へと変換される。統計モジュールSMは次いで、例えば空間的な統計の方法を用いることにより、当該共通座標系における組織タイプの空間的パターンを解析するよう動作する。共通座標フレームへの第2の変換は、組織分布の正規化を可能とし、このことは分布の最適な視覚化を可能とする。
【0042】
統計モデルSMにより提供されるこれらの局所化された確率分布の集合は、胸部の一般化された統計モデルを形成する。該一般化された統計モデルは、患者コホートCHにおける患者のメタデータにこれら分布を相関付ける相関器CORRにより精練され得る。相関器CORRは、年齢、体重、BMIインデクス等のような、コホートにおける患者の患者メタデータとともに、これら確率分布がどのように変化するかについての、機能的な関係を確立することを目的としている。相関器CORR段を実装するためには、いずれの既知の機械学習、又は曲線フィッティングアルゴリズム、応答面方法が利用されても良い。相関器CORRにより計算される機能的な関係は、明示的なもの(機能的表現のように)であっても良いし、又はニューラルネットワークのような機械学習方式におけるように暗黙的なものであっても良く、求められる機能的関係は、種々の層におけるニューラルネットワークのノードに割り当てられた重みにエンコードされる。
【0043】
相関器CORRの出力は、以前に得られた空間的に局所化された確率分布のパラメータ化されたファミリーを形成する。各パラメータαは、異なるメタデータの組み合わせを表し、これらパラメータ化された確率分布Fα(特に密度fα)は次いで、出力ポートOUTにおいて出力され、コホートCHからのものではない(新たな)患者PATの所与の画像IM(PAT)をパーソナライズするために用いられることができる。相関器CORR段において生成されるパラメータ化された確率分布は、条件付き確率分布としても理解され得る。例えば、所与の位置における脂肪についての確率はこのとき、患者が特定の年齢及び/又はBMI等を持つという事実に対して条件付けられる。
【0044】
パーソナライズ化動作は、物質タイプ推定器MTEにより実現される。物質タイプ推定器MTEは、新たな患者PATの新たな画像IM(PAT)を入力として受信し、該新たな画像IM(PAT)における所与の位置について物質タイプの推定を提供する。好適には、想到され得るように、新たな画像IM(PAT)は、より「安価な」撮像モダリティIA'により事前に取得されたものである。斯かる「安価な」撮像モダリティの例は、トモシンセシス、X線等を含む。他の実施例においては、新たな画像IM(PAT)は、光学的なスキャンにより得られた3D面スキャンのような単純なものであっても良い。換言すれば、物質タイプ推定器MTEのための入力画像IM(PAT)は一般的に、コホート画像IM(CH)よりも低い解像度のものであり、組織タイプをエンコードしていないか又は一般化された統計モデルのトレーニングに用いられるコホート画像IM(CH)よりも低い程度にしかエンコードしていない。
【0045】
より詳細には、新たな非組織タイプ識別型入力画像IM(PAT)が、ここでは可能ではない組織タイプ解析を除いて、以上に説明されたものと同様な態様で、物質タイプ推定器MTEにより処理される。具体的には、上述のとおり、幾何プリミティブ(例えば半楕円)が、低コストの画像IM(PAT)においてエンコードされたもののように幾何学的な形状に対してのみフィッティングされる。プリミティブのフィッティングは、以上に説明されたような適合された解剖学的座標系を用いた位置(u,v,r)の特定を可能とする。患者PATのメタデータは、DICOMヘッダファイル又はその他(例えば患者PAT自身にクエリ送信することによって)から得られ、該メタデータは次いで、出力ポートOUTにおいて供給される確率分布のパラメータ化されたファミリーから、患者PATの所与のメタデータに合致するファミリーを計算するために用いられる。本質的な座標(例えばu,v,r)で表現された、各所与の位置について、それぞれの位置に見出される見込みが高い組織タイプの推定m(u,v,r)が作成されることができる。該推定は、確率分布のメタデータ照合されたファミリーから、該所与の位置に関連するものを用いることにより得られる。例えば、物質タイプ推定器MTEは、考慮対象の位置についての確率分布に対して、最も高い確率を持つ組織タイプを割り当てても良い。一実施例においては、これに加えて、トレーニングデータのメタデータに対する患者のメタデータの類似度が、該最も高い確率を調節(例えば重み付けによる)するために考慮に入れられる。以上から、物質タイプ推定器MTEは、三重の動作、即ちi)メタデータに対する照合により確率分布のファミリーを見出すこと、ii)確率分布のファミリーからの位置に対する照合、及びiii)確率分布に用いられる実際の推定、を実行する。次いで、パーソナライズされたモデルが、生体力学的なシミュレーションパッケージに処理されても良いし、又はメモリに保存されるか若しくは他の態様で処理されても良い。
【0046】
要約すると、組織の識別が可能な撮像モダリティから導出されたコホート入力画像が、組織識別を学習するために用いられ、内部組織の当該知識が、遺伝的統計胸部モデルとして提供される。このことは、後に処理された非コホート画像が、単に形状のコントラストを持ち、組織タイプのコントラストを持たない(又はあまり持たない)ようにすることができるという利点を持つ。非コホート画像はこのとき、単にパーソナライズされたモデルの形状を学習するために用いられ、次いで一般化された統計モデルのような組織タイプ識別に対する解剖学的な知識により強化される。
【0047】
ここで、画像処理システムIPSの潜在的な動作である画像処理方法のフロー図を示す、
図2が参照される。しかしながら、以下のフロー図は、それ自体で理解され得るものであり、
図1のような画像処理システムIPSのアーキテクチャに必ずしも束縛されるものではない。
【0048】
ステップS210において、検査対象の取得された複数の入力コホート画像が受信される。該検査対象は、複数の患者(のコホート)の胸部又はその他の解剖学的構造のような、同一のクラスのものである。好適には、入力コホート画像は、組織識別が可能な撮像モダリティにより取得される。
【0049】
ステップS220において、該入力コホート画像の対応する位置において物質タイプ読み取り値が生成される。
【0050】
ステップS220は、それぞれの座標系を用いることにより入力コホート画像の対応する位置を自動的に確立すること(S220a)を含む。これらは、共通形状モデルをそれぞれの入力コホート画像に別個にフィッティングすることにより導出される。これらの座標系は好適には、入力コホート画像において記録された対象の組織を表す画像構造の1つ以上の対称性に適合される。好適には、該画像は胸部画像であり、用いられる座標系は半楕円である。
【0051】
物質タイプ読み取り値を生成するステップS220は更に、コホート画像における画像値に基づいて物質タイプを特定すること(S220b)を含む。
【0052】
ステップS220a、S220bは、いずれの順序で実行されても良い。
【0053】
次いでステップS230において、対応する位置についての該読み取り値に基づいて、物質タイプのそれぞれの確率分布が決定される。このようにして、対応する位置の各セットについて、それぞれの専用の確率分布推定が得られる。
【0054】
次いでステップS240において、対応する位置の各セットについて決定された確率分布が、検査対象のメタデータと相関付けられる。該相関付けステップは、パラメータ化された確率推定に導き、各パラメータは、種々のカテゴリのメタデータ(例えば体重、年齢、BMI等)を表す。対応する位置の各セットについてのパラメータ化された確率分布推定の集合は、検査対象からトレーニングされた一般化された統計モデルを形成する。
【0055】
当該一般化された統計モデルは、検査対象と同じクラスの特定の対象の特定の所与の画像についてパーソナライズ化され得るが、該特定の対象は一般化された統計モデルをトレーニングするために用いられた検査対象から引き出されたものではない。より具体的には、パーソナライズ化動作は、ステップS250において実行され、該ステップにおいては、ステップS230における相関付けステップにおいて得られるパラメータ化された確率分布に基づいて、非検査対象の非コホート画像における所与の位置についての物質タイプ推定が得られる。
【0056】
更に具体的には、ステップS250は、所与の非検査対象のメタデータを用いて、確率分布のパラメータ化された集合を非検査対象に適合させることを有する。
【0057】
そのように適合された確率分布の集合は次いで、非コホート画像について組織タイプを推定するために用いられる。例えば、最も高い確率を持つ組織タイプが、所与に位置に割り当てられる。具体的には、非コホート画像における位置を、当該位置についての対応する確率分布(集合からの)にマッチングするため、ステップS220において以上に用いられた何らかの幾何形状プリミティブが、該非コホート画像にフィッティングされる。次いで、該フィッティングされたモデルに基づく座標系が利用されて、i)該非コホート画像における所与の位置、及びii)当該位置についての集合からの適合された確率分布を規定する。ステップS240は次いで各位置について繰り返され、所与の対象についてのパーソナライズされたモデルが得られる。換言すれば、該パーソナライズされたモデルは、適合された確率分布のように、フィッティングされた形状及び内部組織分布を有する。
【0058】
任意のステップにおいて、パーソナライズされたモデルは、生体力学的シミュレーションツールに送られるか、又は処理されても良い。
【0059】
以上において、コホート画像は組織コントラストを含むが、非コホート画像は含まないか、又はより少ない度合いしか含まない。特に、非コホート画像は単に、形状情報を含むことで十分である。一実施例においては、非コホート画像は、表面スキャン又はX線画像のような単純なものであっても良いが、コホート画像は、MRI等のような組織撮像モダリティから得られる。
【0060】
好適には以上において、入力コホート画像及び新たな特定の非コホート画像は、重力に対して同じ姿勢をとる患者に対して取得される。例えば、コホート入力画像及び新たな画像は、腹臥位で取得されたものである。
【0061】
該方法の最終結果は、例えば腹臥位の胸部の外側形状と、線維腺組織、脂肪等のような内部構造の分布と、を有する、パーソナライズされた解剖学的なソフトウェア/仮想胸部モデルである。当該パーソナライズされたモデルは、例えばniftysym、FeBio等といった有限要素パッケージのような生体力学的ソフトウェアシミュレーションパッケージにおいて利用されても良い。
【0062】
本発明の他の実施例においては、適切なシステム上で以上の実施例の1つによる方法の方法ステップを実行するよう構成されたことを特徴とするコンピュータプログラム又はコンピュータプログラム要素が提供される。
【0063】
それ故、該コンピュータプログラム要素は、本発明の実施例の一部であっても良いコンピュータユニットに保存されても良い。当該コンピュータユニットは、以上に説明された方法のステップを実行する又は該ステップの実行を誘導するよう構成されても良い。更に、該コンピュータユニットは、以上に説明された装置の構成要素を動作させるよう構成されても良い。該コンピュータユニットは、自動的に動作するよう構成されても良く、及び/又はユーザの命令を実行するよう構成されても良い。コンピュータプログラムは、データプロセッサのワーキングメモリにロードされても良い。斯くしてデータプロセッサは、本発明の方法を実行するために備えられても良い。
【0064】
本発明の当該実施例は、最初から本発明を利用するコンピュータプログラムと、更新によって既存のプログラムを本発明を利用するプログラムに切り換えるコンピュータプログラムと、の両方をカバーする。
【0065】
更に、該コンピュータプログラム要素は、以上に説明された本発明の実施例の手順を実行するために必要な全てのステップを提供することが可能であっても良い。
【0066】
本発明の更なる実施例によれば、CD-ROMのようなコンピュータ読み取り可能な媒体が提供され、該コンピュータ読み取り可能な媒体は、以上の節において説明されたコンピュータプログラム要素が保存されたものである。
【0067】
コンピュータプログラムは、他のハードウェアと共に又は他のハードウェアの一部として供給される光記憶媒体又は固体媒体のような適切な媒体上で保存/配布されても良いが、インターネット又はその他の有線若しくは無線通信システムを介してのような、他の形態で配布されても良い。
【0068】
しかしながら、コンピュータプログラムは、ワールドワイドウェブのようなネットワークを通して提供されても良く、斯かるネットワークからデータプロセッサのワーキングメモリにダウンロードされても良い。本発明の更なる実施例によれば、コンピュータプログラム要素をダウンロードのために利用可能とするための媒体が提供され、該コンピュータプログラム要素は、本発明の以上に説明された実施例の1つによる方法を実行するよう構成されたものである。
【0069】
本発明の実施例は、種々の主題に関して説明されたことは、留意されるべきである。特に、幾つかの実施例は、方法タイプの請求項に関して説明され、他の実施例は、装置タイプの請求項に関して説明されている。しかしながら、当業者は、他に言及されていない限り、以上の及び以降の記載から、本発明の1つのタイプに属する特徴のいずれかの組み合わせに加えて、種々の主題に関する特徴間のいずれか組み合わせもが、本明細により開示されたものとみなされることを、理解するであろう。しかしながら、いずれの特徴も組み合わせられて、これら特徴の単なる合計を超えた相乗効果を提供し得る。
【0070】
本発明は図面及び以上の記述において説明され記載されたが、斯かる説明及び記載は説明するもの又は例示的なものとみなされるべきであり、限定するものではない。本発明は開示された実施例に限定されるものではない。図面、説明及び従属請求項を読むことにより、請求される本発明を実施化する当業者によって、開示された実施例に対する他の変形が理解され実行され得る。
【0071】
請求項において、「有する(comprising)」なる語は他の要素又はステップを除外するものではなく、「1つの(a又はan)」なる不定冠詞は複数を除外するものではない。単一のプロセッサ又はその他のユニットが、請求項に列記された幾つかのアイテムの機能を実行しても良い。特定の手段が相互に異なる従属請求項に列挙されているという単なる事実は、これら手段の組み合わせが有利に利用されることができないことを示すものではない。請求項におけるいずれの参照記号も、請求の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。