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特許7079776廃棄された透析器を用いる水濾過のための装置と方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-25
(45)【発行日】2022-06-02
(54)【発明の名称】廃棄された透析器を用いる水濾過のための装置と方法
(51)【国際特許分類】
   C02F 1/44 20060101AFI20220526BHJP
   B01D 61/58 20060101ALI20220526BHJP
   B01D 65/02 20060101ALI20220526BHJP
   B01D 63/00 20060101ALI20220526BHJP
【FI】
C02F1/44 A
B01D61/58
B01D65/02
C02F1/44 D
B01D63/00
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019519317
(86)(22)【出願日】2017-09-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-10-31
(86)【国際出願番号】 IL2017051104
(87)【国際公開番号】W WO2018065979
(87)【国際公開日】2018-04-12
【審査請求日】2020-08-19
(31)【優先権主張番号】62/404,257
(32)【優先日】2016-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519122666
【氏名又は名称】ヌフィルトレイション エルティーディー
【氏名又は名称原語表記】Nufiltration Ltd.
【住所又は居所原語表記】2 Eshkolit Street, Caesarea, Israel
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】特許業務法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ネグリン ジャコモ
(72)【発明者】
【氏名】アムラミ イェホシュア
【審査官】富永 正史
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0074060(US,A1)
【文献】国際公開第2013/094533(WO,A1)
【文献】米国特許第04707335(US,A)
【文献】特開2005-028122(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0056894(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F 1/44
B01D 61/00-71/82
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
透析器を水パイプの側壁のホールに接続するためのコネクタであって、
空洞を有するコネクタ本体を備えており、
前記空洞が、前記コネクタ本体の第1の端部から前記コネクタ本体の第2の端部まで前記コネクタ本体を横断しており、前記第1の端部から前記第2の端部までの水流を可能にしており、
前記コネクタ本体の前記第1の端部における前記空洞が、透析器のポート上への押し付け用に成形されて寸法付けされており、
前記コネクタ本体の前記第2の端部における前記空洞が、水パイプの側壁のホール内への押し込み用に成形されて寸法付けされている、前記コネクタ。
【請求項2】
前記コネクタ本体の前記第1の端部における前記空洞が、透析器の血液ポート上への押し付け用に成形されて寸法付けされている、請求項に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記コネクタ本体の前記第1の端部における前記空洞が、透析器の透析液ポート上への押し付け用に成形されて寸法付けされている、請求項に記載のコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2016年10月5日に出願された米国仮特許出願第62/404257号からの優先権を主張する。
【0002】
本発明は、その一部の実施形態において、水濾過と、医療用途から廃棄された医療用フィルタを水濾過システムに再利用することと、それを水濾過システムに接続することと、に関し、更に詳しくは、しかしながら限定的ではなく、医療用途から廃棄された透析器に関する。
【背景技術】
【0003】
廃水、地表水、雨水、地下水及び海水は、しばしば人間又は他の動物の糞便物質で汚染されている。クリプトスポリジウムオーシスト(cryptosporidium oocyst)(原虫感染)と、大腸菌及びコレラ菌(細菌感染)と、A型肝炎(ウイルス感染)とは、汚染物質のほんの数例にすぎない。水濾過及び水浄化は、多くの状況において必要とされる。更に、汚染された水はコロイド状物質を含むことがあり、これらは、水浄化に、特に脱塩化に使用される高価な逆浸透(Reversed Osmosis)(「RO」)膜を破壊する可能性がある。このような高価な膜が詰まることは、逆浸透処理を実施する前に水を前処理することによって防ぐことができる。
【0004】
限外濾過(ultra-filtration)(「UF」)が、例えば、サンドフィルタの三次排水の「ポリシング(polishing)」用のような地方自治体の廃水処理施設における二次排水からの三次排水の生成用と、例えば、海水及び汽水性水の脱塩化のような逆浸透用途における水の前処理用と、に使用できる。限外濾過は、0.1ミクロン(100ナノメートル)~0.001ミクロン(1ナノメートル)の範囲内の孔径を有するフィルタ膜を使用する分離処理である。UF膜は、逆浸透脱塩化施設又はその他のタイプの脱塩化施設において、一次処理として又は前処理として、地表水、雨水、地下水、海水及び廃水を処理するために使用される。これらの用途及びその他の用途において、UFフィルタは、高分子量物質、コロイド状物質、有機及び無機ポリマ分子、並びに病原体を除去する水濾過に使用される。
【0005】
しかしながら、UF水フィルタは高価である。
【0006】
大規模浄水施設は、一般的に500~1000個のUFフィルタを(サポートシステムも含めて)何百万ドルもの費用で使用している。1個のそのようなフィルタは、一般的に1000ドルを超える費用が掛かる。例えば、本願出願時での現在の小売価格では、Applied Membrane Model M-UB8040PES 8"×40" UF PES Membrane 10,000 MWCO (Molecular Weight Cut Off) の費用は、圧力タンクなしで、1544ドルである。Hydranautics HydracapのUFフィルタは、2550ドルで販売されている。
【0007】
UF膜自体とは別に、水濾過装置は、当業界で使用されているような、あるいは、特許文献1、2及び3のような刊行物に記載されているような種々のチューブ及びカプリング(例えばクイックリリース(quick release))を必要とする。
【0008】
その他の背景技術には、Yoram LASS氏の特許文献4も含まれる。
【0009】
上述の、及び、本明細書全体を通じて言及される全ての参考文献の開示事項と、これらの参考文献において言及されている全ての参考文献の開示事項とは、ここでは参考として組み込まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】米国特許第4,923,226号明細書
【文献】米国特許第2009/227954号明細書
【文献】国際公開第2007/049053号明細書
【文献】国際公開第2010/143184号明細書
【発明の概要】
【0011】
本発明は、その一部の実施形態において、水濾過と、医療用途から廃棄された医療用フィルタを水濾過システムに再利用することと、それを水濾過システムに接続することと、に関し、更に詳しくは、しかしながら限定的ではなく、医療用途から廃棄された透析器に関する。
【0012】
本発明の一部の実施形態の一態様によれば、水濾過用のシステムであって、少なくとも1つの透析器と、透析器の血液ポートに接続された水投入パイプと、第1のプレスフィットコネクタによって透析器の透析液ポートに直接接続されたクリーン水放出パイプと、を備えており、透析器の透析液ポートが放出パイプの側壁のホールに接続されている、システムが提供される。
【0013】
本発明の一部の実施形態によれば、放出パイプは2つのプレスフィットコネクタによって透析器の両方の透析液ポートに直接接続されている。
【0014】
本発明の一部の実施形態によれば、第1のプレスフィットコネクタは、透析器の透析液ポートを放出パイプの側壁のホールに接続して、その結果、透析器の透析液ポートの先端部が放出パイプの該側壁の該ホールの内側に位置するように、成形されている。
【0015】
本発明の一部の実施形態によれば、第1のプレスフィットコネクタは、透析器の透析液ポートを放出パイプの側壁のホールに接続して、その結果、透析器の透析液ポートの先端部と放出パイプの該側壁との距離が10ミリメートルよりも長くならないように、成形されている。
【0016】
本発明の一部の実施形態によれば、第1のプレスフィットコネクタは、透析器の透析液ポートを放出パイプの側壁のホールに接続して、その結果、透析器の透析液ポートの先端部と放出パイプの該側壁との距離が5ミリメートルよりも長くならないように、成形されている。
【0017】
本発明の一部の実施形態によれば、第1のプレスフィットコネクタは、少なくとも部分的に、透析器の透析液ポートの外側表面に適合するように成形された内側表面を備えている。
【0018】
本発明の一部の実施形態によれば、第1のプレスフィットコネクタの内側表面は、透析器の透析液ポートのニップルの形状に適合する溝を備えていることによって、透析器の透析液ポートの外側表面に適合している。
【0019】
本発明の一部の実施形態によれば、第1のプレスフィットコネクタは、第1のテーパ状端部と、第1のテーパ状端部に続いて、第1のプレスフィットコネクタの周りの切り欠き部であり、少なくともクリーン水放出パイプの壁と同じ幅を有する該切り欠き部と、を備えた外側表面を備えている。
【0020】
本発明の一部の実施形態によれば、水投入パイプは、少なくとも1つの第2のプレスフィットコネクタによって、透析器の血液ポートに接続されている。
【0021】
本発明の一部の実施形態によれば、第2のプレスフィットコネクタは、少なくとも部分的に、透析器の透析液ポートの外側表面に適合するように成形された内側表面を備えている。
【0022】
本発明の一部の実施形態によれば、第2のプレスフィットコネクタは、第1のテーパ状端部と、第1のテーパ状端部に続いて、第2のプレスフィットコネクタの周りの切り欠き部であり、少なくともクリーン水放出パイプの壁と同じ幅を有する該切り欠き部と、を備えた外側表面を備えている。
【0023】
本発明の一部の実施形態によれば、本システムは、第2の透析器と、第2の透析器を逆洗するために、第1の透析器からのクリーンな放出水を第2の透析器の透析液ポートに接続することを可能にする少なくとも1つのバルブと、を更に備えている。
【0024】
本発明の一部の実施形態の一態様によれば、透析器を水パイプの側壁のホールに接続するためのコネクタであって、空洞を有するコネクタ本体を備えており、空洞が、コネクタ本体の第1の端部からコネクタ本体の第2の端部までコネクタ本体を横断しており、第1の端部から第2の端部までの水流を可能にしており、コネクタ本体の第1の端部における空洞が、透析器のポート上への押し付け用に成形されて寸法付けされており、コネクタ本体の第2の端部における空洞が、水パイプの側壁のホール内への押し込み用に成形されて寸法付けされている、コネクタが提供される。
【0025】
本発明の一部の実施形態によれば、コネクタ本体の第1の端部における空洞は、透析器の血液ポート上への押し付け用に成形されて寸法付けされている。
【0026】
本発明の一部の実施形態によれば、コネクタ本体の第1の端部における空洞は、透析器の透析液ポート上への押し付け用に成形されて寸法付けされている。
【0027】
本発明の一部の実施形態の一態様によれば、水を濾過するための方法であって、少なくとも1つの透析器と、透析器の血液ポートに接続された水投入パイプと、少なくとも1つの第1のプレスフィットコネクタによって透析器の透析液ポートに接続されたクリーン水放出パイプと、を備えた水濾過用のシステムを設けるステップと、水投入パイプに水を供給するステップと、クリーン水放出パイプからクリーンな水を引き出すステップと、を備えており、透析器の透析液ポートが放出パイプの側壁のホールに接続されている、方法が提供される。
【0028】
本発明の一部の実施形態によれば、放出パイプは、2つのプレスフィットコネクタによって透析器の両方の透析液ポートに接続されている。
【0029】
本発明の一部の実施形態によれば、第1のプレスフィットコネクタは、透析器の透析液ポートを放出パイプの側壁のホールに接続して、その結果、透析器の透析液ポートの先端部が放出パイプの該側壁の該ホールの内側に位置するように、成形されている。
【0030】
本発明の一部の実施形態によれば、第1のプレスフィットコネクタは、少なくとも部分的に、透析器の透析液ポートの外側表面に適合するように成形された内側表面を備えている。
【0031】
本発明の一部の実施形態によれば、水投入パイプは、少なくとも1つの第2のプレスフィットコネクタによって、透析器の血液ポートに接続されている。
【0032】
本発明の一部の実施形態によれば、第2のプレスフィットコネクタは、少なくとも部分的に、透析器の透析液ポートの外側表面に適合するように成形された内側表面を備えている。
【0033】
本発明の一部の実施形態の一態様によれば、水濾過用の透析器を備えた水濾過システムにおいて透析器を洗浄する方法であって、1つの第1の透析器のクリーン水放出部からのクリーンな水を1つの第2の透析器のクリーン水放出部に、第2の透析器を逆洗するために、供給するステップを備えている方法が提供される。
【0034】
本発明の一部の実施形態によれば、クリーン水放出部からのクリーンな水を供給するステップは、第1の複数の透析器のクリーン水放出部からのクリーンな水を第2の複数の透析器のクリーン水放出部に供給して第2の複数の透析器を逆洗するステップを含み、第1の複数の透析器に含まれている透析器の数は、第2の複数の透析器における透析器の数よりも多くない。
【0035】
本発明の一部の実施形態によれば、クリーン水放出部からのクリーンな水を供給するステップは、第1の複数の透析器のクリーン水放出部からのクリーンな水を第2の複数の透析器のクリーン水放出部に供給して第2の複数の透析器を逆洗するステップを含み、第1の複数の透析器の総膜面積は、第2の複数の透析器の総膜面積よりも大きくない。
【0036】
本発明の一部の実施形態の一態様によれば、水濾過用のシステムであって、第1の透析器と、第1の透析器の血液ポートに接続された水投入パイプと、第1の透析器の透析液ポートに接続されたクリーン水放出パイプと、第2の透析器と、第2の透析器の血液ポートに接続された水投入パイプと、第2の透析器の透析液ポートに接続されたクリーン水放出パイプと、第2の透析器を逆洗するために、第1の透析器からのクリーンな放出水を第2の透析器の透析液ポートに接続するためのバルブと、を備えている、システムが提供される。
【0037】
本発明の一部の実施形態によれば、本システムは、第1の透析器の両方の透析液ポートに接続されたクリーン水放出パイプを更に備えている。
【0038】
本発明の一部の実施形態によれば、第1の透析器は第1の複数の透析器を含み、第2の透析器は第2の複数の透析器を含み、バルブは、少なくとも1つのバルブを含んでおり、第2の複数の透析器を逆洗するために、第1の複数の透析器からのクリーンな放出水を第2の複数の透析器の透析液ポートに接続することを可能にする。
【0039】
本発明の一部の実施形態によれば、第1の複数の透析器に含まれている透析器の個数は、第2の複数の透析器に含まれている透析器の個数よりも多くない。本発明の一部の実施形態によれば、第1の複数の透析器に含まれている透析器の総膜面積は、第2の複数の透析器に含まれている総膜面積よりも大きくない。
【0040】
特に断りのない限り、ここに使用される全ての技術用語及び/又は科学用語は、本発明が属する分野の当業者によって普通に理解されているものと同じ意味を有する。本明細書に記載される方法と資料とに類似した又はそれらと等価なものが本発明の実施形態の実践又は検査に使用できるが、代表的な方法及び/又は資料を以下に記載する。紛争が生じた場合には、定義を含む特許明細書が統制するであろう。また、資料、方法及び例は、単なる説明用の例示であり、必ずしも本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0041】
本明細書において、添付図面を参照して、本発明の一部の実施形態を、単なる例として、説明する。次に、詳細な図面を具体的に細かく参照していくが、図示の詳細事項は、例に過ぎず、本発明の実施形態を例として説明するためのものであることを強調する。この点に関して、これらの図面を用いて為される説明により、本発明の実施形態がどのように実践され得るかが、当業者に明確になる。
【0042】
図1A】従来技術による透析器の断面の簡略化された線画の説明図を示す図である。
図1B】従来技術による可撓性管系に接続された透析器の画像を示す図である。
図2】本発明の一実施形態例に従って水フィルタとして使用される際の透析器の濾過効率を、種々の液体浄化フィルタと比較して、示すグラフを示す図である。
図3】本発明の一実施形態例に従って透析器をパイプに接続するコネクタの簡略化された線画の説明図を示す図である。
図4】本発明の一実施形態例に従って透析器をパイプに接続するコネクタの簡略化された線画の説明図を示す図である。
図5A】本発明の一実施形態例に従って透析器をパイプに接続するコネクタの簡略化された線画の説明図を示す図である。
図5B】本発明の一実施形態例に従って透析器をパイプに接続するコネクタの簡略化された線画の説明図を示す図である。
図5C】本発明の一実施形態例に従って透析器をパイプに接続するコネクタの簡略化された線画の説明図を示す図である。
図5D】本発明の一実施形態例に従って透析器をパイプに接続するコネクタの簡略化された線画の説明図を示す図である。
図6A】本発明の一実施形態例に従って水を濾過するために使用される第1の透析器及び第2の透析器の放出部からのクリーンな水の流路の簡略化された線画の説明図を示す図である。
図6B】本発明の一実施形態例に従って第2の透析器を逆洗によって洗浄するために使用される第1の透析器の放出部からのクリーンな水の流路の簡略化された線画の説明図を示す図である。
図7A】本発明の一実施形態例に従って水を濾過するために使用される数個の透析器の放出部からのクリーンな水の流路の簡略化された線画の説明図を示す図である。
図7B】本発明の一実施形態例に従って第2のグループの透析器を逆洗によって洗浄するために使用される第1のグループの透析器の放出部からのクリーンな水の流路の簡略化された線画の説明図を示す図である。
図8】本発明の一実施形態例による水濾過装置の簡略化された図式の説明図を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
本発明は、その一部の実施形態において、水濾過と、医療用途から廃棄された医療用フィルタを水濾過システムに再利用することと、それを水濾過システムに接続することと、に関し、更に詳しくは、しかしながら限定的ではなく、医療用途から廃棄された透析器に関する。
【0044】
[概説]
上述のYoram LASS氏の特許文献4は、リサイクルされた医療用フィルタ、あるいは、何らかの理由で医療用途から廃棄された医療用フィルタを使用した水濾過を記載している。
【0045】
本発明の一部の実施形態の一態様は、廃棄された医療用透析器を水パイプに緊密に接続することを含む水濾過システムに関する。
【0046】
一部の実施形態において、透析器のポートを水パイプに接続するコネクタが、短くなるように、且つ、透析器を水パイプに留める機械的支持又は少なくとも一部の機械的支持を提供するように、設計されている。そのようなコネクタは、場合によっては、透析器と水パイプとの間に、同じく、組み合わされた構造体の機械的支持用に流体コネクタを使用することがある。このようなコネクタは、同じく、場合によっては、透析器の所望の機械的支持を実現する一方で、より少ない部品、より少ない機械的支持部品を使用して、水濾過システムの組み立てに利点を提供することがある。
【0047】
一部の実施形態において、水パイプは、透析器を機械的に支持するために、非限定的な例として、金属又は硬質プラスチックのような硬質材料で製作されてもよい。
【0048】
一部の実施形態において、透析器のポートを水パイプに接続するためのコネクタは、透析器ポートの先端部が実際に水パイプの側壁のホールの内側に位置するように、設計されている。
【0049】
一部の実施形態において、そのようなコネクタはプレスフィットコネクタであってもよく、このプレスフィットコネクタは、液体給送用に設計された内側流路を備えており、且つ、透析液ポートなどの透析器のポートを受け入れるための形状を有しており、透析器のポートが、このコネクタの内側流路内に押し込まれることによって、このコネクタ内に嵌合して封止される。
【0050】
このように透析器ポートをコネクタ内に押し込むことによって、水濾過システムの組み立てが潜在的に単純化され、その組み立て用の道具を使用する必要性が潜在的に取り除かれ、水濾過システムの潜在的に限られたスペース内で、透析器を回転させてコネクタ上に取り付ける、あるいは、コネクタを回転させて透析器上に取り付ける必要性が潜在的に取り除かれる。
【0051】
一部の実施形態において、そのようなコネクタはプレスフィットコネクタであってもよく、このプレスフィットコネクタが有する外側表面形状は、このコネクタが水パイプの側壁内に押し込まれることによって水パイプの側壁内に挿入されて水パイプに封止されるように、設計されている。
【0052】
このようにコネクタを水パイプの側壁内に押し込むことによって、水濾過システムの組み立てが潜在的に単純化され、その組み立て用の道具を使用する必要性が潜在的に取り除かれ、水濾過システムの潜在的に限られたスペース内で、コネクタを回転させて水パイプのホール内に取り付ける、あるいは、パイプを回転させてコネクタに取り付ける必要性が潜在的に取り除かれる。
【0053】
一部の実施形態において、このコネクタは、可撓性であり、透析器のポート上にまで伸びて透析器ポートとコネクタとを封止するのに十分な可撓性を有している。
【0054】
一部の実施形態において、このコネクタは、可撓性であり、水パイプのホール内にまで伸びてコネクタと水パイプとを封止するのに十分な可撓性を有している。
【0055】
一部の実施形態において、内側流路の形状によって決まる透析器のポートの先端部と水パイプの壁との距離は、1、2、5、10、15、20ミリメートルよりも短くなるように設計されている。
【0056】
一部の実施形態において、このコネクタは、プラスチック、及び/又はゴム、及び/又はEPDM(エチレンプロピレンジエンモノマ(ethylene propylene diene monomer))ゴム、及び/又は可撓性シリコーンゴム、などの可撓性材料で製作されている。
【0057】
本発明の一部の実施形態の一態様には、1つの透析器から放出されるクリーンな水を使用して、別の透析器を、これを通る逆流(逆洗)によって、洗浄することが含まれている。
【0058】
透析器は、膜材料が特に滑らかである毛細管膜で構成されており、透析器を別の透析器の放出水で洗浄することを可能にしている。
【0059】
一部の実施形態において、1つの透析器の濾過済み放出水を使用して他の1つの透析器を逆洗する。
【0060】
一部の実施形態において、2つの透析器を備えた水濾過システムは、1つの透析器の濾過済み放出水を使用して他の1つの透析器を逆洗する。
【0061】
一部の実施形態において、1つ又は複数のバルブが水濾過システム内に設置されており、1つ又は複数の位置で、バルブが、投入水を2つの透析器の投入部に流れ込ませるようにして、両方の透析器から放出されるクリーンな濾過済み水を生成するように設定され、別の位置では、バルブが、投入水を透析器のうちの第1の透析器の投入部に流れ込ませるようにして、その第1の透析器から放出されるクリーンな濾過済み水を生成して、そのクリーンな濾過済み水を透析器のうちの第2の透析器に逆流で通して、その第2の透析器を逆洗するように設定される。
【0062】
図面の図2~8に例示されたような本発明の一部の実施形態をより良く理解する目的で、先ず、従来技術による透析器の簡略化された線画の説明図である図1Aを参照することにする。
【0063】
図1Aは、血液投入/放出ポート102a、102bと透析液投入/放出ポート103a、103bとを備えた透析器100を示している。図1Aは、断面であって、毛細管膜管106の簡略化された線画の説明図を示している。
【0064】
また、従来技術による可撓性管系に接続された透析器の画像である図1Bも参照することにする。
【0065】
図1Bは、血液投入/放出ポート102a、102bと透析液投入/放出ポート103a、103bとを備えた透析器100を示している。また、図1Bは、従来技術のコネクタ108a、108bによって接続された血液投入及び放出管107a、 107bも示している。また、図1Bは、従来技術のコネクタ110a、110bによって接続された透析液投入及び放出管109a、109bも示している。
【0066】
血液投入/放出ポート102a、102bと透析液投入/放出ポート103a、103bとは、一般的に、標準的なサイズと形状を有している。血液投入/放出ポート102a、102bに対するコネクタ108a、108bと、透析液投入/放出ポート103a、103bに対するコネクタ110a、110bとは、一般的に、クリップ留めコネクタ又はハンセンコネクタ(Hansen connector)又はルアーテーパ(Luer taper)によって、可撓性の血液管107a、107b及び/又は透析液管109a、109bの端部に接続されている。これらの従来技術のコネクタは、一般的に、プラスチックの先端部によって、これらの可撓性管の端部内に接続されており、このプラスチックの先端部はこれらの可撓性管を拡張してこの先端部を押圧させている。
【0067】
本発明の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明が、その適用に関して、必ずしも、以下の説明において述べる、及び/又は、図面及び/又は実施例において例示する構造の詳細と、構成要素及び/又は方法の構成と、には限定されないことを理解されたい。本発明は、その他の実施形態についても実施可能であり、あるいは、種々の態様で実践または実行できる。
【0068】
[序説]
透析器は、拡散によって血液から老廃物を除去する装置として医療目的に使用されている。その目的のために、透析器は、特にそのような拡散に適した膜材料および孔径を有する膜フィルタを使用している。
【0069】
本発明の一部の実施形態において、血液透析器の膜が濾過に有用であり、医療用に構成された1つ又は複数の透析器が別の目的に変更されて汚れた水を濾過して濾過水を供給するフィルタとして使用されることが分かる。
【0070】
透析器は、1組の毛細管膜の管の内側に在る2つの血液投入/放出ポートと、それらの毛細管膜の管の外側に在る2つの透析液投入/放出ポートと、を備えている。
【0071】
透析器は、もともと医療機器として設計、製造、耐久加工および品質検査されている。透析器は、30nm(ナノメートル)の孔径に対応する絶対濾過および3.3nmの孔径に対応する公称濾過を提供できる。
【0072】
透析器は工業用フィルタに比べて滑らかな膜表面を備えており、従って、潜在的に低汚染が可能になり、膜表面の洗浄が容易になる。
【0073】
透析器は丈夫であり、実験的に水フィルタとして用いた透析器は、連続稼働で3年を超える期間使用しており、今でも機能している。
【0074】
本発明の一部の実施形態において、透析器が、水が血液透析器膜の一方側にある1つ又は2つの投入ポートを通じて投入されて、その血液透析器膜のもう一方側から放出される水フィルタとして、構成される。この膜の一方側では、オプションとして、少なくとも水フィルタとしての使用中は、水の放出のみが行われる。一部の実施形態において、この放出側では、オプションとして、洗浄時に水が投入されてもよい。そのような洗浄は、オプションとして、バルブ及び/又はプラグを用いて水流を逆方向にすることによって、実施される。
【0075】
本発明の一部の実施形態において、透析器が、水が1つ又は2つの血液投入部を通じて投入されて、両方の透析液ポートを通じて放出される水フィルタとして構成される。
【0076】
本発明の一部の実施形態において、透析器が、水が1つ又は2つの血液投入部を通じて投入されて、一方の透析液ポートを通じて放出されて、他方の透析液ポートが塞がれている水フィルタとして構成される。
【0077】
本発明の一部の実施形態において、透析器が、約200μの粒子用のアドバンスメカニカルフィルタ(advance mechanical filter)を備えた水フィルタとして構成されてもよい。
【0078】
本発明の一部の実施形態において、透析器は、オプションとして、膜が高温耐性であることに基づいて、インライン蒸気滅菌(in line steam sterilize)されてもよい。
【0079】
本発明の一部の実施形態において、透析器は、オプションとして、医療用の仕様に合わせて製造されているが、一度も出荷されていない又は医療用として一度も使用されていない透析器であってもよい。
【0080】
透析器は、年間何百万もの患者を治療するために使用されるので、潜在的に豊富に入手できる。
【0081】
水フィルタとして透析器を使用する水フィルタは、潜在的に、使用済みの構成部品の再利用を可能にして、潜在的に医療廃棄物の処理を軽減する。
【0082】
水フィルタとして透析器を使用する水フィルタは、潜在的に汚染水のリサイクルを可能にして、その際、化学薬品を使用せず、潜在的に殆どエネルギ消費を必要とせず、潜在的に運用コストが低い。
【0083】
ここで図2を参照すると、この図は、本発明の一実施形態例に従って水フィルタとして使用される際の透析器の濾過効率を、種々の液体浄化フィルタと比較して、示すグラフである。
【0084】
図2には、血液からの血液老廃物の拡散用に設計された血液透析器の膜材料を通常のフィルタと比較した場合に、フィルタとして目的変更された血液透析器の性能が、ナノ濾過(nano-filtration)及び限外濾過(ultra-filtration)として分類される性能と重複する範囲内に入ることが例示されている。
【0085】
図2には、
種々の流体浄化フィルタによってブロックされる粒子の対数目盛りである第3の行203と、
第3の行203に記載されたサイズの粒子がどのように観察又は検出され得るかをリストアップした第1の行201と、
第3の行203に記載されたサイズを表す用語をリストアップした第2の行202と、
第3の行203に記載されたサイズを有する一般的な材料をリストアップした第4の行204と、
第3の行203に記載されたサイズを有する粒子をブロックするフィルタを分類するために使用される名称をリストアップした第5の行205と、
が示されている。
【0086】
第5の行205におけるブロック200は、フィルタとして使用する場合の透析器を用いて濾過し得るサイズの範囲を示している。
【0087】
ブロック200の位置は、液体フィルタとして使用される場合の透析器が限外濾過範囲の上限にあり且つナノ濾過範囲内に及ぶ性能を提供することを示している。留意すべき点として、透析器が、使用済みか未使用かにかかわらず、医療用途から廃棄される場合、当初意図された高価な用途から廃棄される高価な製品の低コストから得られる恩恵を受けて、優れた性能の水フィルタが低コストで製作され得る。
【0088】
[透析器を水パイプに接続するためのコネクタ]
透析器の投入及び放出ポートは、可撓性の医療用管の端部に接続するためのコネクタに嵌合するように成形されている。
【0089】
本発明の一部の実施形態において、プレスフィットコネクタ(press-fit connector)が、第1の側において図1A及び1Bに示されたポート103a、103bのような透析器の透析液ポートに接続するように、そして、第2の側において水パイプの壁面又は側面に接続するように、設けられている。
【0090】
一部の実施形態において、このプレスフィットコネクタは、オプションとして、可撓性材料で製作されており、透析器ポート上にまで伸びて、また、水パイプ壁のホール内にまで伸びることができ、このコネクタは、これらの透析器ポートと水パイプホールとで封止されている。
【0091】
一部の実施形態において、汚染水が毛細管膜の内側から毛細管膜の外側へと濾過され、従って、毛細管膜の外側に在るポートである透析液ポートは、水濾過システムのクリーン水パイプに接続している。
【0092】
本発明の一部の実施形態において、プレスフィットコネクタが、第1の側において図1A及び1Bに示されたポート102a、102bのような透析器の血液ポートに接続するように、そして、第2の側において水パイプに接続するように、設けられている。
【0093】
一部の実施形態において、汚染水が毛細管膜の内側から毛細管膜の外側へと濾過され、従って、毛細管膜の内側に在るポートである血液ポートは、水濾過システムの汚染水パイプに接続している。
【0094】
一部の実施形態において、プレスフィットコネクタ304は、透析器コネクタ303aのような透析器コネクタから水パイプ305への水流用の貫通空洞を備えている。プレスフィットコネクタ304は、透析器コネクタ303aのような透析器コネクタ上に勘合して、また、水パイプ305の側壁のホール内に嵌合するように設計されている。一部の実施形態において、プレスフィットコネクタ304は、パイプ305の側壁のホール内に圧着するために圧縮される。
【0095】
医療用管用の締付けコネクタに勘合するように成形された透析器の透析液ポート及び/又は血液ポートに勘合するように成形されたプレスフィットコネクタを提供することによって、潜在的に、透析器を使用する水濾過システムに下記の利点のうちの1つ又は複数の利点がもたらされる。
【0096】
・水パイプ上に透析器用の取り付けポイントが設けられる。
【0097】
・オプションとして、フレームに対する透析器の接続マウント数が低減される。
【0098】
・設置が容易である。
【0099】
・(フィルタについての)勘合が容易である。
【0100】
・潜在的にOリング又は追加のシールなしで使用される。
【0101】
・漏れが防止される。
【0102】
・接続部は、コンパクトで短く、約5mmから20mmから80mmである。
【0103】
・フィルタの取り外しが容易である。
【0104】
・0.2バールから10バールまでの高圧に耐える能力がある。
【0105】
ここで図3を参照すると、この図は、本発明の一実施形態例に従って透析器300をパイプ305に接続するコネクタ304の簡略化された線画の説明図である。
【0106】
図3には、血液投入/放出ポート302a、302bと透析液投入/放出ポート303a、 303bとを備えた透析器300と、毛細管膜管306の簡略化された線画の説明図とが示されている。
【0107】
また、図3には、少なくとも1つのポートを、図3の場合では透析液投入/放出ポート303aをパイプ305に接続するコネクタ304の一例も示されている。
【0108】
一部の実施形態において、コネクタ304はプレスフィットコネクタであり、これによって、透析器300の透析液投入/放出ポート303aをコネクタ304内に押し込むこと、及び/又は、コネクタ304をパイプ305内に押し込むことが可能になる。
【0109】
一部の実施形態において、プレスフィットコネクタ304は、パイプ305の側壁のホール内に圧着するために圧縮される。
【0110】
一部の実施形態において、透析液投入/放出ポート303a、 303bの一方、例えば、図3を参照すると、透析液投入/放出ポート303bが塞がれている。
【0111】
プレスフィットコネクタ305によって、潜在的に、接続用に使用されるその他の種々の方法及び装置に比べて幾つかの利点が得られる。これらの利点には、下記の一部の利点が含まれる。即ち、
・透析器300とパイプ305との間に機械的な接続機構が設けられるので、透析器300とパイプ305とが潜在的に互いに機械的に支持し合う。一部の実施形態において、透析器300は、潜在的にパイプ305に対して機械的支持を提供する。一部の実施形態において、パイプ305は、潜在的に透析器300に対して機械的支持を提供する。
【0112】
・透析器とパイプ(即ち、投入パイプ又は放出パイプ又は投入パイプと放出パイプの両方)との接続を簡単にすることによって、透析器の列を迅速に組み立てることができる。
【0113】
透析器がフィルタ、例えば水フィルタとして使用される場合には、少なくとも1つ、オプションとして2つの投入ポートと、少なくとも1つ、オプションとして2つの放出ポートがある。
【0114】
一部の実施形態において、毛細管透析器300である透析器300を用いて液体を毛細管の内側から外側へと供給することによって濾過し、従って、その液体は、血液投入/放出ポート302a、302bの一方又は両方のような血液投入/放出ポートから透析器に投入され、濾過済み液体が透析液投入/放出ポート303a、303bのような透析液投入/放出ポートから収集される。
【0115】
一部の実施形態において、毛細管透析器300である透析器300を用いて液体を毛細管の外側から供給することによって濾過し、従って、その液体は、透析液投入/放出ポート303a、303bの一方又は両方のような透析液投入/放出ポートから透析器に投入され、濾過済み液体が血液投入/放出ポート302a、302bのような血液投入/放出ポートから収集される。
【0116】
ここで図4を参照すると、この図は、本発明の一実施形態例に従って透析器をパイプに接続するコネクタの簡略化された線画の説明図である。
【0117】
図3では、単一のコネクタ304が透析器300をパイプ305に接続する場合が示されているが、図4では、一部の実施形態において、透析器のポートのうちの任意の1つ、任意の2つ、任意の3つ又は任意の4つのポートがコネクタによってパイプに接続され得ることが例示されている。
【0118】
図4には、血液投入/放出ポート402a、402bと透析液投入/放出ポート403a、403bとを備えた透析器400と、毛細管膜管406の簡略化された線画の説明図とが示されている。
【0119】
また、図4には、透析器ポートを液体投入及び/又は放出パイプに接続するコネクタ404a、404b、404c、404dの例も示されている。
【0120】
一部の実施形態において、コネクタ404a、404b、404c、404dのうちの1つ又は複数のコネクタはプレスフィットコネクタであってもよく、これによって、透析器のポートをコネクタ内に押し込むこと、及び/又は、コネクタをパイプ内に押し込むことが可能になる。プレスフィットコネクタ404a、404b、404c、404dによって、図3の説明の後に列挙された上述の利点のうちの1つ又は複数の利点が潜在的に得られる。
【0121】
次に、図5A~Dを参照すると、これらの図は、本発明の一実施形態例に従って透析器をパイプに接続するコネクタの簡略化された線画の説明図である。
【0122】
図5Aは、透析器501とプレスフィットコネクタ502の側面の説明図、及び、水パイプ503の断面図である。透析器501は透析器ポート504を備えており、この透析器ポート504の周囲にプレスフィットコネクタ502が勘合しており、また、このプレスフィットコネクタが水パイプ503のホール内に勘合している。
【0123】
図5Aは、透析器501のほんの一部分のみを側面図で示している。また、図5Aは、水パイプ503を断面図で表しており、水パイプ503の壁面を示している。一部の実施形態において、水パイプ503の断面は、図5A~Dに示されているように、円形である。一部の実施形態において、水パイプ503の断面は、その他のある形状、例えば、正方形、矩形又は楕円形の形状を有している。
【0124】
図5Bは、透析器501の断面図、プレスフィットコネクタ502の側面図、及び、水パイプ503の短い一部分の断面図である。透析器501は透析器ポート504を備えており、この透析器ポート504の周囲にプレスフィットコネクタ502が勘合しており、また、このプレスフィットコネクタが水パイプ503のホール内に勘合している。
【0125】
図5Bは、水パイプ503のほんの一部分のみを断面図で示している。
【0126】
図5Cは、図5Bにおいて線「A」として記された平面の断面の説明図である。
【0127】
図5Cは、透析器501、プレスフィットコネクタ502及び水パイプ503を示している。
【0128】
図5Cには図5Cの一部分の輪郭を描いた円「B」の図が含まれており、これが図5Dに拡大されて示されている。
【0129】
図5Dは、透析器501、プレスフィットコネクタ502及び水パイプ503における詳細を拡大図で示している。
【0130】
図5Dには、透析器501の透析液ポート501dの構造の一部の詳細が、即ち、透析液ポート501dの開口端部におけるテーパ501aと、透析液ポート501dの周縁の周りの切り欠き部501bと、が示されている。
【0131】
また、図5Dには、プレスフィットコネクタ502の構造の一部の詳細が、即ち、プレスフィットコネクタ502の第1の端部におけるテーパ状部分502aと、プレスフィットコネクタ502の第1の端部におけるフランジ502bと、プレスフィットコネクタ502の第2の端部におけるフランジ502cと、が示されている。
【0132】
フランジ502bは、オプションとして、透析液ポート501dを包囲するように成形されている。
【0133】
フランジ502cは、オプションとして、透析液ポート501dの周縁の周りの切り欠き部501bを包囲するように成形されている。
【0134】
一部の実施形態において、プレスフィットコネクタ502のフランジ502bとフランジ502cとの間の距離は、透析液ポート501dのテーパ501aと切り欠き部501bとの間の距離に、ほぼ等しいか、あるいは、正確に等しい。
【0135】
図5A~5Dは、実際に水パイプ503の内側に在る、透析器ポート501dの先端部、即ち、テーパ501aと透析器ポート501dの本体の一部分との実施形態を示しており、前に参照した図3と4は、コネクタによって水パイプに接続された、水パイプの外側における透析器ポートを示している。
【0136】
[逆洗によって透析器を洗浄する]
場合によっては、水フィルタを逆洗によって洗浄することがあり、即ち、水フィルタ内に大量のクリーンな水を逆流させることによって、目詰まりを起こしている水フィルタを洗浄してクリーンにすることがある。しかしながら、一般的な従来技術の水フィルタは、逆洗によって目詰まりを除く又はクリーンにするには、大量の水を必要とし、数個の水フィルタのクリーンな水が、1個の従来技術の水フィルタを逆洗するのに必要であり、即ち、多数の水フィルタのクリーンな水が、少数の従来技術の水フィルタを逆洗するのに必要である。
【0137】
また、水フィルタとして使用される透析器は、汚れたり、効率が悪くなったり、あるいは、目詰まりすることさえもあり得る。
【0138】
本発明の一部の実施形態において、第1の透析器の放出部からのクリーンな水が、第2の透析器の放出部に向けられて、第2の透析器内を逆方向に通過して、即ち、逆洗して流れるようにされ得る。そのような逆流は、潜在的に第2の透析器を洗浄する。第1の透析器からのクリーンな水は、第2の透析器のクリーンな側に流れ込み、クリーンでない水が第2の透析器のクリーンでない側を通過するように逆流する。
【0139】
血が毛細管膜の内側を流れるように設計されている透析器の毛細管膜は、特に滑らかで、汚れ難く、一般的な限外濾過フィルタよりも洗浄が容易である。
【0140】
本発明の一部の実施形態において、1個の透析器で、別の1個の透析器を逆洗によって洗浄するクリーンな水を十分に供給できる。
【0141】
一部の実施形態において、特に滑らかな毛細管膜で製造された第1のグループの透析器が、オプションとして、第2のグループの透析器からのクリーンな水の流れによって洗浄され、その際、第1のグループにおける透析器数は、第2のグループにおける透析器数よりも少なくなくてもよい。
【0142】
一部の実施形態において、特に滑らかな毛細管膜で製造された透析器は、オプションとして、1つ又は複数の透析器からのクリーンな水の流れによって洗浄され、その際、その1つ又は複数の透析器の有する総膜面積が、洗浄されている透析器の総膜面積に等しいか、あるいは、それどころか、それよりも小さくてもよい。
【0143】
ここで図6Aを参照すると、この図は、本発明の一実施形態例に従って水を濾過するために使用される第1の透析器及び第2の透析器の放出部からのクリーンな水の流路の簡略化された線画の説明図である。
【0144】
図6Aは、水を濾過するための一実施形態例を示している。水の投入601a、601bによって、水が透析器602a、602bに供給され、これらの透析器602a、602bが、その水を濾過して、濾過済み水の放出603a、603bを行う。これらの放出603a、603bは、濾過済み水を別々に個別の放出水603a、603bとして供給してもよく、一部の実施形態において、これらの放出水603a、603bは、1つの放出部604に接続されてもよい。一部の実施形態において、放出水603a、603bは、バルブ605を介して1つの放出部604に接続されてもよい。
【0145】
留意すべき点として、透析器が水フィルタとして使用される場合には、本発明の一部の実施形態例において、1つの透析器ポートが水投入用に使用されてもよく、また、本発明の一部の実施形態例において、2つの透析器ポートが水投入用に使用されてもよい。
【0146】
留意すべき点として、透析器が水フィルタとして使用される場合には、本発明の一部の実施形態例において、1つの透析器ポートが水放出用に使用されてもよく、また、本発明の一部の実施形態例において、2つの透析器ポートが水放出用に使用されてもよい。
【0147】
ここで図6Bを参照すると、この図は、本発明の一実施形態例に従って第2の透析器を逆洗によって洗浄するために使用される第1の透析器の放出部からのクリーンな水の流路の簡略化された線画の説明図である。
【0148】
図6Bは、第1の透析器からのクリーンな水で逆洗によって第2の透析器を洗浄するための一実施形態例を示している。水の投入601aによって水が第1の透析器602aに供給され、この透析器602aがその水を濾過して、濾過済み水の放出603aを行う。この濾過済み水は、バルブ605を介して第2の透析器602bの放出部603bに供給され、この第2の透析器602bを通過するように流れて、この第2の透析器602bを逆洗して洗浄し、水投入部606bを介してこの第2の透析器602bから出る。
【0149】
留意すべき点として、一部の実施形態において、第1の透析器602aが第2の透析器602bを逆洗するために使用されている時には、放出部604からは水が流れ出ない。
【0150】
留意すべき点として、第1の透析器が逆洗によって洗浄されている時には、本発明の一部の実施形態例において、1つの透析器ポートが水投入用に使用されてもよく、また、本発明の一部の実施形態例において、2つの透析器ポートが水投入用に使用されてもよい。
【0151】
留意すべき点として、透析器が逆洗によって洗浄されている時には、本発明の一部の実施形態例において、1つの透析器ポートが水放出用に使用されてもよく、また、本発明の一部の実施形態例において、2つの透析器ポートが水放出用に使用されてもよい。
【0152】
本発明の一部の実施形態において、水濾過用の透析器を備えた水濾過システムにおいて、透析器を洗浄する方法には、1つの第1の透析器のクリーン水放出部からのクリーンな水を1つの第2の透析器のクリーン水放出部に供給することによって、第2の透析器を逆洗することが含まれている。
【0153】
本発明の一部の実施形態において、クリーン水放出部からのクリーンな水を供給することには、第1のグループの透析器のクリーン水放出部からのクリーンな水を第2のグループの透析器のクリーン水放出部に供給することによって、この第2のグループの透析器を逆洗することが含まれている。
【0154】
一部の実施形態において、この第1のグループの透析器における透析器数は、この第2のグループの透析器における透析器数よりも大きくない。
【0155】
ここで図7Aを参照すると、この図は、本発明の一実施形態例に従って水を濾過するために使用される数個の透析器の放出部からのクリーンな水の流路の簡略化された線画の説明図である。
【0156】
図7Aは、水を濾過するための一実施形態例を示している。水の投入701a…701d…701k…701x…701zによって水が透析器702a…702d…702k…702x…702zに供給され、これらの透析器702a…702d…702k…702x…702zがその水を濾過して、濾過済み水の放出703a…703d…703k…703x…703zを行う。これらの放出703a…703d…703k…703x…703zは、濾過済み水を別々に個別の放出水703a…703d…703k…703x…703zとして供給してもよく、一部の実施形態において、これらの放出水703a…703d…703k…703x…703zは、1つ又は複数の放出部704に接続されてもよい。一部の実施形態において、これらの放出水703a…703d…703k…703x…703zは、1つ又は複数のバルブ705を介して1つ又は複数の放出部704に接続されてもよい。
【0157】
次に図7Bを参照すると、この図は、本発明の一実施形態例に従って第2のグループの透析器を逆洗によって洗浄するために使用される第1のグループの透析器の放出部からのクリーンな水の流路の簡略化された線画の説明図である。
【0158】
図7Bは、第1のグループの透析器からのクリーンな水で逆洗によって第2のグループの透析器を洗浄するための一実施形態例を示している。水の投入701a…701dによって水が第1のグループの透析器702a…702dに供給され、この第1のグループの透析器702a…702dがその水を濾過して、濾過済み水の放出703a…703dを行う。この濾過済み水は、バルブ705aを介して第2グループの透析器702k…702xの放出部703k…703xに供給され、この第2のグループの透析器702k…702xを通過するように流れて、この第2のグループの透析器702k…702xを逆洗して洗浄し、水投入部706k…706xを介してこの第2のグループの透析器702k…702xから出る。
【0159】
留意すべき点として、一部の実施形態において、第1のグループの透析器702a…702dが第2のグループの透析器702k…702xを逆洗するために使用されている時には、放出部704aからは水が流れ出ない。
【0160】
留意すべき点として、一部の実施形態において、第1のグループの透析器702a…702dが第2のグループの透析器702k…702xを逆洗するために使用されている時には、第3のグループの透析器702zから、オプションとして同じバルブ704aを通じて又は別の704bを通じて水が流れ出てもよい。
【0161】
次に図8を参照すると、この図は、本発明の一実施形態例による水濾過装置の簡略化された図式の説明図である。
【0162】
図8は、各々が40個の透析器を含む2つの透析器モジュール801a、801bを備えた水濾過装置800を示している。透析モジュール801a、801bの一方の逆洗が、時折、透析モジュール801a、801bの他方によって生成されたクリーンな水を使用して行われる。
【0163】
以下、水濾過装置800における逆洗を簡略的に説明する。
【0164】
水が水投入部802に供給される。一部の実施形態において、この水は3気圧の圧力で供給されるが、0.2~10気圧の範囲の圧力がオプションとして考えられる。
【0165】
一部の実施形態において、加圧ポンプ(図示せず)が、水濾過装置800の一部分として含まれており、水投入部802に投入される水に水圧を掛けている。
【0166】
一部の実施形態において、水投入部802に供給される水は、毎時43立方メートルの割合で供給されるが、毎時0.5~10000立方メートルの範囲の水供給の割合がオプションとして考えられる。
【0167】
供給された水は、透析器モジュール801a、801bを通じて濾過される。
【0168】
一部の実施形態において、透析器モジュール801a、801bはデッドエンド(dead-end)構成で動作し、その場合、水投入部802に供給された水は透析器モジュール801a、801bから出ない。
【0169】
濾過済み水は、オプションとして、水放出部803に供給される。
【0170】
一部の実施形態において、水放出部803は、オプションとして、濾過済み水を逆浸透(Reverse Osmosis)装置(図示せず)に供給するが、その理由は、濾過の程度が潜在的に十分に良好であるので、逆浸透装置に対して例えば脱塩用に追加の濾過を施す必要がないからである。
【0171】
一部の実施形態において、水は、また、オプションとして、塩素処理タンク804によって塩素処理される。一部の実施形態において、この塩素処理済み水は、オプションとして、SMBS投与装置(図示せず)によって中和される。
【0172】
一部の実施形態において、このSMBS投与装置(図示せず)は、オプションとして、レドックスコントローラ(Redox controller)(図示せず)によって制御される。
【0173】
一部の実施形態において、水濾過装置800は2つのスキッドを備えており、各々のスキッドは80個の透析器の3つのモジュールを備えている。
【0174】
一部の実施形態において、スキッドが濾過済み水を別のスキッドに逆洗用に供給する60秒の逆洗処理が、2時間毎に1回、行われる。
【0175】
一部の実施形態において、第1のスキッドが、水を濾過して、その濾過済み水を供給して、第2のスキッドを逆洗する。その後、第2のスキッドが、水を濾過して、その濾過済み水を供給して、第1のスキッドを逆洗する。
【0176】
一部の実施形態において、逆洗の頻度及び継続時間は、オプションとして調節可能であり、投入水における物理的及び/又は微生物学的な負荷によって決定される。一部の実施形態において、逆洗の頻度は、オプションとして、5分毎に1回から1週間毎に1回までの範囲内で選択されてもよい。一部の実施形態において、一般的な逆洗時間は、30秒から10分まで変動し得る。
【0177】
一部の実施形態において、逆洗は、非限定的な例として、1つの透析器又はグループの透析器の投入部における水圧を感知することによって、及び/又は、1つの透析器又はグループの透析器の投入部と放出部との間の水圧差を感知することによって、自動的に開始される。
【0178】
一部の実施形態において、逆洗は、逆洗水がクリーンであることを確認したオペレータによって手動で終了される。
【0179】
一部の実施形態において、逆洗は、逆洗水の透明度が特定の値よりも高い時に、及び/又は、バックウォータ(backwater)の不透明度が特定の値よりも低い時に、センサが終了信号を発することによって、自動的に終了される。
【0180】
一部の実施形態において、逆洗は、逆洗水に追加の圧力を加えることなく、実施される。
【0181】
一部の実施形態において、逆洗は、逆洗用のクリーンな水を溜めるための容器を設けることなく、非逆洗目的で水を濾過するために使用される水圧及び/又は流量に近似した又は等しい水圧及び/又は水の流量で稼働する1つ又は複数の透析器又は透析器グループからの逆洗用のクリーンな水を供給することに基づいて、実施される。
【0182】
一部の実施形態において、逆洗は、逆洗用のクリーンな水を溜めるための容器を使用せずに、所望の逆洗圧力を維持する増圧ポンプを使用して、実施される。一部の実施形態において、増圧ポンプが圧力を加えるように動作し、圧力リリーフバルブ(pressure relief valve)がオプションとして圧力を軽減する。
【0183】
一部の実施形態において、逆洗水は、オプションとして、0.4バールから6バールの範囲の圧力で供給される。
【0184】
オプションとして、逆洗用の水圧ポンプを使用しないで、及び/又は、逆洗用のクリーンな水を溜めるための容器を使用しないで、逆洗を実施するという上述の特徴によって、逆洗を行うためにそのような容器又は圧力供給源を必要とする一般的な限外濾過装置よりも優れているという利点が得られる。
【0185】
オプションとして、新たな別の水を使用しないで、即ち、逆洗用のクリーンな水を溜めるための容器を使用しないで逆洗を実施するという上述の特徴によって、潜在的に、そのような溜め容器を使用しており、非逆洗期間の全てにおいて水を留めているのでその溜め容器内の水を塩素処理する必要がある一般的な限外濾過装置よりも優れているという利点が得られる。
【0186】
一部の実施形態において、塩素処理済み水を、オプションとして、逆洗用に使用することによって、化学的強化逆洗(Chemically Enhanced Backwash)を実施する。
【0187】
本出願から生じた特許の有効期間中に、多数の関連する透析器が開発されるであろうが、この透析器という用語の適用範囲はそのような全ての新しい技術をも普遍的に(a priori)含むことを意図している。
【0188】
本明細書に使用される場合の「ほぼ(approximately)」及び「約(approximately)」という用語は、±25%を意味している。
【0189】
尚、「~を備えている(comprising)」、「~を含んでいる(including)」、「~を有する(having)」という語句とそれらの同語源の語句とは、「~を含むが、これには又はこれらには限定しない」という意味である。
【0190】
また、「~から構成されている(consisting of)」という語句は、「~を含み、これには又はこれらに限定する」という意味である。
【0191】
また、「本質的に~から構成されている(consisting essentially of)」という語句は、当該構成、方法又は構造物がその他の構成要素、ステップ及び/又は部分を含み得るという意味であり、但し、これは、上記その他の構成要素、ステップ及び/又は部分が、特許請求の範囲に記載された構成、方法又は構造物の基本的な且つ新規な特徴を実質的に変えない場合に限られる。
【0192】
ここで使用される単数形の「(a)」「(an)」及び「(the)」は、その前後の文脈で特に明確な断りのない限り、複数の意味も含んでいる。例えば、「装置(a unit)」又は「少なくとも1つの装置(at least one unit)」という語句は、それらの組み合わせも含めて、複数の装置を含み得る。
【0193】
また、「例(example)」及び「代表的な(exemplary)」という語は、本明細書においては、「一例、具体例あるいは実例として役立つ」という意味で使用されている。「例(example)」又は「代表的な(exemplary)」と記載された任意の実施形態は、必ずしも、その他の実施形態よりも好ましい又は有益であると解されるべきではなく、及び/又は、その他の実施形態から得られる特徴を組み込むことを排除している訳ではない。
【0194】
また、「オプションとして(optionally)」という語は、本明細書では、「実施形態によっては規定されることもあれば、規定されないこともある」という意味で使用されている。本発明の任意の個別の実施形態には、複数の「オプションとしての(optional)」特徴が、互いに対立・矛盾しなければ、含まれ得る。
【0195】
本願全体を通じて、本発明の種々の実施形態が、範囲形式で提示されているかもしれない。範囲形式での記載は、単に便宜上及び簡略化のためであり、本発明の適応範囲についての確固たる限定として解釈されるべきではないことを理解されたい。従って、範囲の記載は、その範囲内の個別の数値のみならず全ての使用可能な部分領域をも具体的に開示していると見なされるべきである。例えば、1から6までのような範囲の記載は、その範囲内の個別の数値、例えば、1、2、3、4、5及び6のみならず、例えば、1から3まで、1から4まで、1から5まで、2から4まで、2から6まで、3から6まで、などのような部分領域をも具体的に開示していると見なされるべきである。これは、その範囲の幅にかかわらず、当てはまる。
【0196】
本明細書において数値範囲が示された場合、それは、必ず、その示された範囲内の任意の引用数字(分数又は整数)を含むことを意味している。最初に示された数値「と」次に示された数値「との間の範囲」と、最初に示された数値「から」次に示された数値「までの範囲」とは、本明細書では互いに交換可能に使用されており、最初及び次に示された数値と、それら相互間の全ての分数及び整数と、を含むことを意味している。
【0197】
また、明瞭性のために別々の実施形態の文脈で記載された本発明の幾つかの特徴は単一の実施形態において組み合わされて規定されてもよいことを理解されたい。逆に、簡潔さのために単一の実施形態の文脈で記載された本発明の種々の特徴は、別々に、あるいは、任意の好適な部分的組み合わせで、あるいは、本発明のその他の任意の記載済み実施形態において好適に、規定されてもよい。種々の実施形態の文脈において記載された幾つかの特徴は、その実施形態がそれらの要素なしでは機能しない場合を除き、その実施形態の本質的な特徴であると解釈されるべきではない。
【0198】
また、本発明をその具体的な実施形態と共に説明したが、多くの代替形態、修正形態及び変形形態が当業者に容易に分かることは明白である。従って、ここに追記する特許請求の範囲の請求項の精神と広い適用範囲とから外れないような全ての代替形態、修正形態及び変形形態を包含することを意図している。
【0199】
本明細書において言及された全ての刊行物、特許及び特許出願は、あたかも、その個々の刊行物、特許又は特許出願が明確に且つ個別に示された上でここに参考として組み込まれた如くの場合と同じ程度にまで、本明細書中に、参考として、そのままここに組み込まれている。更に、本願におけるあらゆる参考文献の引用又は識別表示は、そのような参考文献が本発明の先行技術として利用可能であることの承認として解釈されるべきではない。また、欄の見出しが使用されている場合には、必ずしも、それらが限定的であると解釈すべきではない。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A
図6B
図7A
図7B
図8