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特許7079796容器を製造するためのプリフォームのセット、容器、および方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-25
(45)【発行日】2022-06-02
(54)【発明の名称】容器を製造するためのプリフォームのセット、容器、および方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 49/22 20060101AFI20220526BHJP
   B29C 49/06 20060101ALI20220526BHJP
   B65D 83/62 20060101ALI20220526BHJP
   B65D 1/00 20060101ALI20220526BHJP
【FI】
B29C49/22
B29C49/06
B65D83/62
B65D1/00 120
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019568178
(86)(22)【出願日】2018-06-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-07-30
(86)【国際出願番号】 IT2018050102
(87)【国際公開番号】W WO2018225109
(87)【国際公開日】2018-12-13
【審査請求日】2021-04-09
(31)【優先権主張番号】102017000061379
(32)【優先日】2017-06-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】519433986
【氏名又は名称】コビ、エマヌエラ
【氏名又は名称原語表記】COVI,Emanuela
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】コビ、エマヌエラ
【審査官】関口 貴夫
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0210524(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0266620(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0236806(US,A1)
【文献】特開2019-130915(JP,A)
【文献】特開平10-180853(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 49/00-49/80
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料用容器(10)を製造するためのプリフォームのセットであって、前記セットは、前記飲料用容器(10)の外部ケグ(12)および内部バッグ(14)をそれぞれ形成することを各々目的とした外部プリフォーム(112)および内部プリフォーム(114)を備え、前記内部プリフォーム(114)は、前記外部プリフォーム(112)とともに中空空間(13)を画定するために、前記外部プリフォーム(112)に内部で関連付けられており、
前記外部プリフォーム(112)および前記内部プリフォーム(114)は、前記外部プリフォーム(112)と前記内部プリフォーム(114)とを互いに対して所望の相互位置において軸線(X)に沿って少なくとも軸線方向に固定するのに適した、それぞれの結合部材(32)を有し、
それぞれの前記結合部材(32)は、密閉された方法で前記中空空間(13)を外部環境から分離することを可能にし、
前記結合部材(32)は前記外部プリフォーム(112)および前記内部プリフォーム(114)の間に機械的シールを規定しており、
前記内部プリフォーム(114)は、前記結合部材(32)によって得られた機械的シール区域より下方で首部(28)に沿って展開するスリット(22a)を少なくとも有しており、
前記スリット(22a)に対応して、前記内部プリフォーム(114)は、動作時に、前記内部プリフォーム(114)の内部容積を前記中空空間(13)に接続する少なくとも1つの貫通孔(40)を備えることを特徴とする、
プリフォームのセット。
【請求項2】
前記結合部材(32)は干渉による機械的結合を行い、かつ前記外部プリフォーム(112)と前記内部プリフォーム(114)とを結合するために、それぞれの首部(22,28)に対応して配置されている、
請求項1に記載のプリフォームのセット。
【請求項3】
前記結合部材(32)は、
前記外部プリフォーム(112)および前記内部プリフォーム(114)のうちのいずれか一方の首部(22,28)上に形成されて凹部および突出部が設けられた第1形状部(34)と、
前記外部プリフォーム(112)および前記内部プリフォーム(114)のうちの他方の前記首部(28,22)の表面上に形成されて前記第1形状部(34)の凹部および突出部に嵌まり合う凹部および突出部が設けられた第2形状部分(36)と
を備える、請求項1または2に記載のプリフォームのセット。
【請求項4】
開口部(26)に対応して、前記内部プリフォーム(114)は、外側に向かって半径方向に突出した環状部(30)を備え、
前記環状部(30)は、前記内部プリフォーム(114)が前記外部プリフォーム(112)内に挿入されて配置されるときに、前記外部プリフォーム(112)の首部(22)の上縁部の上に載って配置されるように適合されている、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のプリフォームのセット。
【請求項5】
前記外部プリフォーム(112)の首部(22)と、前記内部プリフォーム(114)の首部(28)とは、それらの間に非一様部分を有する前記中空空間(13)の少なくとも一部(13a)を画定するように適合されている、
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のプリフォームのセット。
【請求項6】
外部ケグ(12)と、
前記外部ケグ(12)に内部で関連付けられた内部バッグ(14)であって、前記外部ケグ(12)および前記内部バッグ(14)は間に中空空間(13)を画定した外部プリフォーム(112)または内部プリフォーム(114)から得られる、前記内部バッグ(14)と
を備える飲料用容器であって、前記飲料用容器はさらに、前記外部ケグ(12)および前記内部バッグ(14)に結合されて飲料用容器を閉鎖する閉鎖装置(16)を備え、
前記外部ケグ(12)および前記内部バッグ(4)は、前記外部ケグ(12)および前記内部バッグ(14)を互いに所望の相互位置において軸線(X)に沿って少なくとも軸線方向に固定するのに適したそれぞれの結合部材(32)を有し、
それぞれの前記結合部材(32)は、密閉された方法で前記中空空間(13)を外部環境から分離することを可能にしており、
前記結合部材(32)は前記外部プリフォーム(112)および前記内部プリフォーム(114)の間に機械的シールを規定しており、
前記内部プリフォーム(114)は、前記結合部材(32)によって得られた機械的シール区域より下方で首部(28)に沿って展開するスリット(22a)を少なくとも有しており、
前記スリット(22a)に対応して、前記内部プリフォーム(114)は、動作時に、前記内部プリフォーム(114)の内部容積を前記中空空間(13)に接続する少なくとも1つの貫通孔(40)を備えることを特徴とする、
飲料用容器。
【請求項7】
前記結合部材(32)は、
前記外部プリフォーム(112)または前記内部プリフォーム(114)のうちのいずれか一方の首部(22,28)上に形成されて凹部および突出部が設けられた第1形状部(34)と、
前記外部プリフォーム(112)および前記内部プリフォーム(114)のうちの他方の前記首部(28,22)の表面上に形成されて前記第1形状部(34)の凹部および突出部に嵌まり合う凹部および突出部が設けられた第2形状部分(36)と
を備える、請求項に記載の飲料用容器。
【請求項8】
飲料用容器(10)を製造するための方法であって、前記飲料用容器(10)は外部ケグ(12)および内部バッグ(14)を有し、前記方法は、
内部プリフォーム(114)を外部プリフォーム(112)に挿入し、それらを互いに機械的に結合して、組立セット(110)を規定し、前記外部プリフォーム(112)および前記内部プリフォーム(114)上に形成されたそれぞれの結合部材(32)を互いに結合させて、前記外部プリフォーム(112)および前記内部プリフォーム(114)の間に機械的シールを規定するとともに、同時に前記外部プリフォーム(112)および前記内部プリフォーム(114)の間の中空空間(13)の流体シールを行う工程と、
前記組立セット(110)をブロー装置に給送する工程と、
前記飲料用容器(10)を形成するために、前記内部プリフォーム(114)を変形させ、同時に前記外部プリフォーム(112)を変形させて、所定の容積および構造のうちの少なくとも一方を有する内部バッグ(14)および外部ケグ(12)を得るように、圧力下にある空気または流体を前記内部プリフォーム(114)に導入する工程と
圧力下にある空気または流体の導入中に、前記中空空間(13)内に存在する空気を、前記内部プリフォーム(114)内に形成された貫通孔(40)を介して退出させる工程と、
を提供することを特徴とする、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料用容器、およびプリフォームを用いて飲料用容器を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
大量の炭酸または非炭酸飲料は、一般に、特定の分野でケグとも称される、典型的には5リットル以上、または30リットル以上もの容積を有した金属製容器で消費場所に配送される。
【0003】
一般に、これらの容器は、飲料を冷却するための装置、カートリッジ、または二酸化炭素供給器を備えることができ、飲料を冷却し、かつ飲料を容器から供給するように構成された供給装置に関連付けられる。
【0004】
金属製容器は、通常、「回収」方式で用いられており、そのため容器は飲料で充填され、配給業者によって消費者に配給された後に回収され、飲料で再充填される前に洗浄および衛生化操作に供される。
【0005】
金属製容器の1つの不都合は、それらの容器が満杯状態および空状態の双方において一定の嵩を有することであり、これは一方では十分な満杯の予備容器を有するために、他方では返却しなければならない空容器を積んでおくために適当な専用空間を有する必要性を伴う。
【0006】
金属製容器の別の不都合は、それらの容器が重いということであり、そのため金属製容器は内部に収容された飲料のそれに相当な重量を追加する。これは、空の容器をその都度交換するために、満杯の容器をそれらの目的地に持っていくために運搬される負荷が高いことと、また関係する作業者にとってそれらの容器を移動させることが困難であることとの双方を伴う。
【0007】
別の不都合は、飲料の抽出は、少なくとも飲料が炭酸入りである場合、一般に飲料に圧力下で二酸化炭素(CO2)を導入することによって行われることである。これにより二酸化炭素はビールと相互作用し、その結果、ビールは飽和状態に達する傾向にあり、泡が形成され、従って飲料を抽出することが困難になり得る。
【0008】
更に、金属製容器は、それらの製造と、新たに使用するたびごとに繰り返されなければならないメンテナンスおよび衛生操作との双方において高いコストを有する。
輸送される総重量の低減を可能にする、少なくとも部分的に可撓性の軽量プラスチック材料製の容器も知られている。これらの容器は、容器すなわち硬質の外部バッグと、容器すなわち軟質の内部バッグとを備え、2つすなわち内部容器と外部容器はともに首部に対応して接合されている。
【0009】
プラスチック容器は、一般に、プリフォーム、すなわち一方が他方の内側に挿入され、かつ内部容器および外部容器をそれぞれ画定するのに適した2つのプリフォームをブローする(blowing)ことによって製造される。
【0010】
2つすなわち外部プリフォームと内部容器とを製造することを提供する解決策が知られており、飲料は内部容器に導入される。
2つのプリフォームを用いた解決策も知られており、この解決策では、飲料が内部容器と外部容器との間に導入されることで、内部容器を空にして内部容器を「潰れた」状態に縮小させ、また飲料は、内部容器に空気を導入して、内部容器を拡張させ、よって飲料の供給を確定することにより供給される。
【0011】
この解決策は、例えば、内側に内部バッグが挿入される外部容器を備えた容器アセンブリについて説明している特許文献1に記載されている。内部バッグは、内部バッグ自体の内側における流体のための圧力空間と、内部バッグと外部容器との間における飲料のための空間とを画定する。内部バッグは外部容器によって部分的に支持されているが、内部バッグは内部バッグと外部容器との安全かつ確実な固定(clamping)を保証するものではなく、またさらに容器アセンブリは複雑で特殊な供給装置を必要とする。
【0012】
飲料が内部容器に収容される解決策も知られており、飲料の供給は、外部容器と内部容器との間に加圧空気を導入することで、内部容器を圧縮して潰れさせ、従って加圧された飲料の供給をもたらすことによって行われる。
【0013】
特許文献2は、内部容器および外部容器を備えた容器について記載している。内部容器は、外部容器の内側に完全に挿入されて、外部容器の肩部によって部分的に支持される。しかしながら、肩部は、単に内部容器の軸線方向の移動を防止するに過ぎず、内部容器と外部容器との安定した接続を保証しておらず、従って、容器の互いの固定を決定するためには他の装置が必要である。
【0014】
特許文献3は、容器の内部容積を大気に流体が流れるように接続する(以下「流体接続」と記載)口部とともに、内部バッグおよび外部バッグを有する容器について記載している。容器はまた、内部バッグと外部バッグとの間の界面を大気に流体接続する少なくとも1つの界面開口部も備える。
【0015】
特許文献4は、外部容器と、飲料を収容するのに適当な内部容器とを備えた容器について記載している。内部容器は可撓性であり、従って使用中に圧縮可能である。内部容器および外部容器は首領域に対応して互いに接続されている。外部容器はまた、内部容器を挿入することができる第1開口部と、外部容器と内部容器との間に加圧ガスを導入するために加圧装置に接続され得る、第1開口部に対向した第2開口部とを備える。容器の構造は、部品点数が多い、複雑で特殊な供給システムを必要とする。更に、内部容器および外部容器の構造は効率的な相互の固定を保証するようなものではない。
【0016】
更に、最新技術において既知のプラスチック材料から製造された容器は、一方では外部容器と内部容器との間のシールを保証しなければならず、また他方では少なくとも、飲料の供給および通過のための回路と、空気の通過およびまた飲料自体の供給のために提供される流体の通過の双方のための回路とを提供しなければならない、複雑な閉鎖および供給システムを必要とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【文献】国際公開第2016/079248号
【文献】国際公開第2014/077681号
【文献】国際公開第2008/129012号
【文献】国際公開第2014/081294号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明の1つの目的は、最新技術において既知のものに対して改善された容器を製造するためのプリフォームのアセンブリおよび対応する飲料用容器を提供することにある。
本発明の1つの目的は、互いに対して確実かつ効果的に固定することができるプリフォームを提供することにある。
【0019】
本発明の1つの目的は、軽量であり、従って簡単で努力を要さない方法で作業者が移動させることができる飲料用容器を提供することにある。
別の目的は、場合により再生することができ、かつどのような場合でも、供給を終了した状態において簡単な方法で、かつ限られたコストで処分できる、すなわち洗浄および衛生化操作を提供する必要がない、「使い捨て」飲料用容器を提供することにある。
【0020】
別の目的は、完全に空になると少なくとも部分的に変形して、その全体的な嵩を低減することができる飲料用容器を提供することにある。
別の目的は、市場にあるものとは異なる特殊な装置を提供する必要なく、飲料の退出を可能にし、かつ既知の供給装置との適合性のある簡素化されたシステムを組み込んだ飲料用容器を提供することにある。
【0021】
本発明の別の目的は、飲料用容器を得るために適当なプリフォームを簡単かつ効果的な方法で提供することにある。
別の目的は、高い生産率を可能にする飲料用容器を生産する方法を完成することにある。
【0022】
本出願人は、最新技術の不都合を克服し、これらおよび他の目的および利点を得るために、本発明を考案し、試験し、具体化した。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明は、独立請求項において述べられ、かつ特徴付けられており、一方、従属請求項は、本発明の他の特徴、または主要な発明の概念に対する変形例について記述している。
上記の目的に従って、一般に「ケグ」と呼ばれる飲料用容器が提供される。
【0024】
本発明による容器は、外部ケグと、外部ケグ内に配置され、かつ飲料を収容するのに適した内部バッグと、容器を閉鎖するためにそれらの外部ケグおよび内部バッグに結合される閉鎖装置とを備える。
【0025】
可能な実施形態に従うと、閉鎖装置は、飲料を提供するための既知の種類の装置に関連付けられ得る。
いくつかの実施形態によれば、容器に収容される飲料は、炭酸飲料、例えばビール、発泡性ワイン、もしくはノンアルコール飲料、または非炭酸飲料、例えば一般的にワイン、またはその他であり得る。
【0026】
いくつかの実施形態によれば、外部ケグは、それほど変形可能ではなく、かつ内圧に対して耐性を有して、それらの容器の構造を画定し、一方、内部バッグは好ましくは圧縮可能である。
【0027】
いくつかの実施形態によれば、外部ケグおよび内部バッグはプラスチック材料から製造されている。
好ましくは、外部ケグおよび内部バッグは、場合によりそれらに収容された飲料の官能的性質を保つために遮断性を増大する添加剤によって修飾されたポリマー材料、例えばPETから製造されている。
【0028】
いくつかの実施形態によれば、外部ケグおよび内部バッグは、それぞれ外部プリフォームおよび内部プリフォームをブローすることにより得られる。
内部プリフォームおよび外部プリフォームは、それらを所望の相互位置において固定するのに適したそれぞれの結合部材を有し、それらの結合部材は、実質的に単一体のセットを規定するように内部プリフォームおよび外部プリフォームを接続し、同時に、最初は2つのプリフォーム間、次に同心の外部ケグと内部バッグとの間における中空空間の液圧シールおよびエアロリックシール(aerolic seal)を得る。
【0029】
内部プリフォームおよび/または外部プリフォームの内側は、2つの対面する表面間の安定した付着を防止する被覆もしくは内張り手段またはその他を提供することができる。
本発明のいくつかの実施形態によれば、内部プリフォームと外部プリフォームとの間には、相互固定および対応する流体シールを改善する機械的シール手段が存在する。
【0030】
プリフォームの相互固定は、プリフォームをブロー装置(blowing machine)に対して移動させ、整合させ、給送する操作を容易にし、従って容器を製造する操作を簡素化することを可能にする。
【0031】
他の実施形態によれば、内部プリフォームは、二つの機能を備えた空気のための通路手段を有する。一方では、空気のための通路手段は、容器のブロー工程(blowing step)中における2つのプリフォームの展開を制御するように機能し、他方では、それらの通路手段は、内部プリフォームと外部プリフォームとの間の中空空間内に存在する空気が退出するために用いられる。
【0032】
加えて、内部プリフォームの口部の構造は、最終的な容器を得るためにそれに協働する構成要素を簡素化することを可能にし、同時にそれらのシールを保証するようなものである。
【0033】
さらに、プリフォームの(従って容器の外部ケグおよび内部バッグの)それぞれの外表面および内表面の構造は、容器自体の流体シールおよび機械的シールを保証すると同時に既知の供給装置を直接使用できるようにする簡素化された閉鎖装置を取り付けることを可能にする。
【0034】
加えて、内部プリフォームの口部の構造は、おそらく新たな飲料を充填するために、製造されたばかりの、または本出願の他の可能な変形例によれば使用後の、容器の内部洗浄を簡素化することを可能にする。
【0035】
本発明はまた、飲料用容器を製造する方法に関する。この方法は、内部プリフォームを外部プリフォーム内に挿入して、内部プリフォームおよび外部プリフォームを互いに機械的に結合させ、それらの間に機械的シールを規定し、2つの結合されたプリフォームによって形成された組立セットをブロー装置へ給送して、互いに挿入された外部ケグと内部バッグとを備えた容器を得ることを提供する。
【0036】
この方法はまた、内部プリフォームを変形させ、同時に外部プリフォームを変形させて、画定された容積および/または構造を備えた外部ケグを得るために、圧力下にある空気または流体を内部プリフォームに給送し、内部プリフォームと外部プリフォームとの間に画定された中空空間の内側の空気を、内部プリフォーム内に形成された孔を介して外部へ退出させることを提供する。
【0037】
容器を製造する方法はまた、内部バッグに飲料を導入し、最後に閉鎖装置によって容器を閉鎖してシールすることも提供する。
本発明のこれらおよび他の特性は、添付図面に関連した非限定的な例として与えられた、いくつかの実施形態の以下の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】本願に記載する実施形態に従った飲料用容器の部分断面概略図。
図2図1の容器を製造するためのプリフォームの断面概略図。
図3図2のプリフォーム同士間の結合区域の拡大詳細図。
図4】閉鎖状態にある、図1の飲料用容器の拡大詳細図。
図5】供給装置に関連付けられた、図1の飲料用容器の拡大詳細図。
【発明を実施するための形態】
【0039】
理解を容易にするために、可能な場合には、図面中の同一の共通要素を識別するために同一の参照番号を用いた。一実施形態の要素および特性は、それ以上明らかにすることなく、他の実施形態に好都合に組み込まれ得ることが理解される。
【0040】
これより、1つ以上の例が添付図面に示されている本発明の様々な実施形態について詳細に言及する。各例は本発明の実例として与えられており、本発明の限定事項であるとは理解されないものとする。例えば、図示または記載された特性は、それらは一実施形態の一部であるので、他の実施形態に採用されて、または他の実施形態に関連して、別の実施形態を生じることができる。本発明はそのような変更および変形例をすべて含むものとすることが理解される。
【0041】
図1に関連して本願に記載される実施形態は、特定の分野では「ケグ」とも称される、大量の飲料を配給するために一般に用いられる種類の飲料用容器10に関する。
いくつかの実施形態によれば、そのような容器によって一般に配給される飲料は、炭酸飲料、例えばビール、発泡性ワイン、もしくはノンアルコール飲料、または非炭酸飲料、例えばワイン、または他の種類の飲料であり得る。
【0042】
容器10は、外部ケグ12、外部ケグ12の内側に配置され、かつ飲料を収容するのに適した内部バッグ14、および容器10を閉鎖するのに適した閉鎖装置16を備える。
いくつかの実施形態によれば、外部ケグ12は、容器10自体の支持構造物として作用することができ、かつ外部ケグ12がそれほど変形可能ではないため、場合により容器10に自己支持特性を与えるのに適し得る。
【0043】
他の実施形態によれば、内部バッグ14は、好ましくは可撓性であり、かつ圧縮可能であり、また内部に収容された飲料の供給を誘発するために圧縮され得る。
内部バッグ14と外部ケグ12とは、例えば圧縮空気のような加圧ガスによって充填されるように配置された中空空間13によって分離されており、加圧ガスのおかげで、内部バッグ14を押し潰れさせ、よって飲料を流出させることができる。
【0044】
外部ケグ12は内部バッグ14よりも大きな剛性を有し、従って加圧ガスが中空空間13内に導入されるとき、外部ケグ12は、その形状を維持し、内部バッグ14に対して作用して内部バッグ14を押し潰して圧縮する加圧ガスに対する対照物(contrast)として機能する傾向にある。
【0045】
可能な実施形態によれば、外部ケグ12および内部バッグ14は、それぞれのプリフォーム112,114のブローおよびそれぞれの塑性変形によって得られる。
図2を用いて説明される実施形態によれば、外部プリフォーム112が提供され、内部プリフォーム114は、外部プリフォーム112に挿入されて、ブロー装置に給送され得る組立セット110を形成するのに適している。
【0046】
いくつかの実施形態によれば、外部プリフォーム112は管状に形成された外部収容部または本体18を有し、本体18は、第1閉鎖端部と、首部分22に対応する、第1開口部20を備えた第2端部とを有する。
【0047】
内部バッグ14は、第1閉鎖端部と、首部分28に対応して第2開口部26を備えた第2端部とを有する内部収容部24を備える。
いくつかの実施形態によれば、収容部18,24はブロー工程中に拡張し、所望量の、例えば数リットルから数十リットルの飲料を収容するのに適した外部ケグ12および内部バッグ14が得られるまで、それらの容積を相当に増大する。他方で、首部分22,28は、ブロー操作の間、実質的に不変なままであり、それらの形状および構造を実質的に不変に維持する。
【0048】
いくつかの実施形態によれば、内部バッグ14および外部ケグ12は、例えばブロー工程中に形成される同形の結合器によって、底部に対応して、互いにつなぎ留められる(anchored)ことが提供され得る。
【0049】
いくつかの実施形態によれば、外部プリフォーム112および/または内部プリフォーム114は、ポリマー材料から製造することができる。
いくつかの実施形態によれば、内部プリフォーム114および外部プリフォーム112は、同一材料から製造することができる。
【0050】
可能な変形例によれば、2つのプリフォーム114,112は、異なる材料から製造することができる。
いくつかの実施形態によれば、プリフォーム112,114の少なくとも一方はポリエチレンテレフタラート(PET)から製造される。
【0051】
可能な変形例によれば、プリフォーム112,114の双方は、特別にまたは場合により再生された種類のものから生成されたPETから製造され、よって容器10の処分および再利用を簡単にする。
【0052】
可能な変形例によれば、少なくとも内部プリフォーム114は、内部バッグ14に収容された飲料の官能的性質を保つためにその遮断性を増大する添加剤によって修飾されたPETから製造することができる。
【0053】
いくつかの実施形態によれば、外部プリフォーム112は、内部プリフォーム114の内部厚さS2よりも大きな外部厚さS1を有することで、容器10を偶発的な衝撃に対してより堅牢で、耐性を有するようにすることができる。
【0054】
いくつかの実施形態によれば、外部厚さS1は約3mm~約9mmの間に含まれ得る。このように、ブロー操作後、外部ケグ12に決定的な剛性を与えるのに十分な最終壁厚を有する外部ケグ12を得ることが可能である。
【0055】
他の実施形態によれば、厚さS2は2mm~約5mmの間に含まれ得る。このように、ブロー操作後、それを容易に圧縮可能かつ変形可能にするような厚さを有する内部バッグ14を得ることが可能である。
【0056】
可能な変形例によれば、2つのプリフォーム112,114の厚さは同一であり得る。
いくつかの実施形態によれば、外部プリフォーム112および内部プリフォーム114はそれらの広がり(development)全体に沿って一定の厚さS1,S2を有することが提供され得る。
【0057】
可能な変形例によれば、外部プリフォーム112および内部プリフォーム114の厚さS1,S2は可変であり、例えば収容部18,24と首部22,28との間で異なることが提供され得る。
【0058】
いくつかの実施形態によれば、外部プリフォーム112は、外部プリフォーム112の長手方向軸線Xを横断する方向に延び、首部22の全周に沿って展開する環状縁部19を備える。
【0059】
環状縁部19は、外部プリフォーム112、および場合により組立セット110を、例えばそれらをブロー装置に給送するために、取り扱ったり、または操作したりすることを容易にする。
【0060】
環状縁部19は、いくつかの実施形態によれば、理想的には首部分22を収容部18から分離する。
いくつかの実施形態によれば、首部22の外表面上には、噛み合いねじ切り部33が設けられた閉鎖要素16に結合して容器10の閉鎖を保証するのに適したねじ山付き周方向領域23が存在する。
【0061】
他の実施形態によれば、外部プリフォーム112の首部22は、収容部18よりわずかに大きな直径を備え、かつ内部プリフォーム114の首部28のためのハウジング区画25を画定する上方部分21を有する。
【0062】
いくつかの実施形態に従うと、内部プリフォーム114の内部首部28に協働する外部プリフォーム112の外部首部22の構造は、空気または他の流体のための非直線状通路を画定する。
【0063】
通路は、場合により中空空間13の内側から外側に向かって、またはそれぞれの収容部18,24から首部分22,28に向かって増大する非一様部分を有することができる。
いくつかの実施形態によれば、内部プリフォーム114は、首部28に対応して、収容部24よりも大きな直径を備え、かつ内部プリフォーム114の内側に面した肩部29を画定する上方部分27を備える。
【0064】
いくつかの実施形態によれば、肩部29は内部プリフォーム114の全周に沿って展開する。
例えば図2および図3に関連して説明される実施形態に従うと、肩部29は、例えば、それぞれの首部22,28の形状および寸法を安定に保つためにブロー操作中に使用可能な支持要素31に対する当接縁として作用することができる。
【0065】
例えば図5に関連して説明される他の実施形態によれば、容器10が使用中であるときに、肩部29はまた供給装置90に協働して、供給装置90の正しい配置を保証するのに適当な当接を規定することができる。
【0066】
いくつかの実施形態によれば、内部プリフォーム114は、第2開口部26に対応して、突出環状部30を備える。突出環状部30は、内部プリフォーム114が外部プリフォーム112に挿入されると、内部プリフォーム114のための当接縁を規定することができ、それ自身を外部プリフォーム112の上縁部上に配置する。
【0067】
突出部30は、具体的には、内部プリフォーム114が外部プリフォーム112の上かつ部分的に外側に載ったままとなるように、内部プリフォーム114を外部プリフォーム112内に配置することを可能にするように構成されている。
【0068】
いくつかの実施形態によれば、環状部30は、内部プリフォーム114の長手方向軸線Xに直交する平面上に延在する。
他の実施形態によれば、環状部30は外部プリフォーム112の首部22の上縁部に付着するのに適しており、閉鎖装置16が容器10に適用されると、内部プリフォーム114を所望の位置に押し出す。
【0069】
いくつかの実施形態によれば、内部プリフォーム114および外部プリフォーム112は、それらを互いに対して所望の相互位置で固定して単一体の組立セット110を実質的に規定するのに適したそれぞれの結合部材32を備える。
【0070】
これは、プリフォーム112,114をブロー装置に対して移動させ、整合させ、給送する操作を容易にし、よって容器10を製造する操作を簡素化することを可能にする。
いくつかの実施形態によれば、結合部材32は機械的干渉結合手段、または同形結合手段であり得る。
【0071】
可能な解決法に従うと、結合部材32は、一部は外部プリフォーム112の内表面上に形成されており、一部は内部プリフォーム114の外表面上に形成されている。
いくつかの実施形態によれば、結合部材32は、例えば、外部プリフォーム112の首部22の内表面上において、ねじ山もしくは刻みを付けられた、またはともかく凹部(hollows)および突出部が設けられた、第1形状部34を備えることができる。
【0072】
第1形状部34は、外部プリフォーム112の上縁部、または第1開口部20に対応して、または近接して配置され得る。
結合部材32はまた、例えば、内部プリフォーム114の首部28の外表面上において、ねじ山もしくは刻みを付けられた、またはともかく凹部および突出部が設けられた、第2形状部36も備えることができる。
【0073】
いくつかの実施形態によれば、第2形状部36は、突出部30の下にある外部プリフォーム112の上縁部に対応して、または近接して配置され得る。
他の実施形態によれば、第1形状部34および/または第2形状部分36はそれぞれの首部22,28の全周上に延在する。
【0074】
他の実施形態によれば、形状部分34,36は、外部プリフォーム112の上縁部上に載った突出部30とともに、組立セット110を得ることを可能にする2つのプリフォーム112,114の間に機械的シールを規定するように配置されている。
【0075】
このように、内部プリフォーム114は、外部プリフォーム112内であれば任意の位置で挿入されることが可能であり、それらのプリフォーム間に特定の相対的な向きを提供する必要なく、それぞれの首部22,28に対応して外部プリフォーム112に安定して結合され得る。
【0076】
他の実施形態によれば、組立セット110内の少なくともそれぞれの収容部18,24は互いから離間されて、それらの間に中空空間13を画定することができる。
他の実施形態に従うと、内部プリフォーム114の首部28は、結合部材32によって画定された機械的シールの区域から、直径が狭くなる所まで、すなわち上方部分27の端部まで延びる少なくとも1つのスリット22aを有する。
【0077】
スリット22aは、中空空間13および外部プリフォーム112の首部22に面した内部プリフォーム114の首部28の表面上に形成されている。
他の実施形態によれば、内部プリフォーム114は、内部首部28に対応して、内部プリフォーム114の内部容積を中空空間13に接続する少なくとも1つの貫通孔40またはオリフィスを備える。
【0078】
いくつかの実施形態によれば、少なくとも1つの貫通孔40は長手方向軸線Xに対して半径方向に展開する。
他の実施形態によれば、少なくとも1つの貫通孔40は長手方向軸線Xに直交する方向に展開する。
【0079】
可能な様々な実施形態によれば、少なくとも1つの貫通孔40は長手方向軸線Xに対して傾斜方向に展開する。
いくつかの実施形態によれば、首部28の周囲に沿って離間した2つ以上の貫通孔40が存在する。
【0080】
いくつかの実施形態によれば、1つ以上の貫通孔40は、結合部材32より下、すなわち2つのプリフォーム112,114の間の機械的シールより下に配置されている。
いくつかの実施形態によれば、貫通孔40は、中空空間13内に存在する空気がブロー操作中に逃げることを可能にすることで、内部プリフォーム114と外部プリフォーム112との完全な付着を保証し、かつ外部ケグ12と内部バッグ14との間に任意の不均一性(disuniformity)が生じるのを防止する、すなわち、プリフォーム112,114が不正確に変形するのを防止する。
【0081】
他の実施形態によれば、ブロー工程が完了して、外部ケグ12および内部バッグ14が得られたら、内部バッグ14は飲料で充填され、最後に、閉鎖装置16が被せられて容器10を閉鎖する(図1および図4)。
【0082】
いくつかの実施形態によれば、閉鎖装置16は、外部ケグ12および内部バッグ14の双方に結合するのに適した蓋51を備え得る。
いくつかの実施形態によれば、蓋51は、互いに結合した外部ケグ12および内部バッグ14の首部22,28を挿入することができる環状空洞51aを画定するような方法で形成されている。
【0083】
いくつかの実施形態によれば、環状空洞51aは、ねじ山付き領域33が内部に形成され、かつ外部首部22のねじ山付き領域に結合するのに適した外縁部53と、外縁部53にほぼ平行に内側に向かって突出し、かつ内部バッグ14の第2開口部26内に挿入されるのに適した環状フラップ55との間に画定されている。
【0084】
いくつかの実施形態によれば、環状フラップ55および内部首部28は、それらの間に機械的シールを規定することを可能にする、嵌め合い機械的干渉手段57を備える。このように、蓋51が挿入され、外部ケグ12および内部バッグ14にねじ込まれると、蓋51は、外部ケグ12と内部バッグ14との間の機械的シールおよびまた容器10自体の流体シールの双方を規定し、よって全体的な気密シール、従って内部に収容された飲料の完全性を保証する。
【0085】
蓋51はまた、図5に見られるように、供給工程中に供給装置90の一部を受容する外部空洞86を画定する。
飲料は、外部空洞86を通過して、容器10、より具体的には内部バッグ14に進入したり、またはそれらから退出したりすることができる。
【0086】
他の実施形態によれば、閉鎖装置16はまた、外部空洞86内に配置された被覆要素またはストッパー88を備えることもできる。被覆要素またはストッパー88は、容器10の閉鎖状態において蓋51をシールし、一般に、ほこり、液体または汚れが蓋に接触するのを防止し、よってその内側に収容された飲料を可能な汚染から保護する。
【0087】
閉鎖装置16はまた、既知の種類の供給装置90(図5を参照)に協働して内部バッグ14に収容された飲料の供給を可能にし得る弁ユニット50を備えるか、または弁ユニット50に関連付けられ得る。
【0088】
弁ユニット50は蓋51に接続されるか、または蓋51によって支持され得る。
一実施形態において、蓋51および弁ユニット50は同一材料から製造することができる。具体的には、蓋51および弁ユニット50はプラスチック材料、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)から製造することができる。これにより容器10は完全に再利用可能となる。
【0089】
弁ユニット50は、蓋51に取り付けられるように構成された支持要素52を備える。
いくつかの実施形態によれば、支持要素52は蓋51に対して可動であり、弁ユニット50の非使用の構成(図4)および使用の構成(図5)をそれぞれ規定する。
【0090】
具体的には、非使用の構成では、支持要素52は、容器10の気密閉鎖を規定するために、蓋51に少なくとも部分的に接触して配置され、一方、使用の構成では、支持要素52は、貫通孔40と容器10の外部との間に空気のための通路を画定するために、蓋51から少なくとも部分的に離間されている。
【0091】
いくつかの実施形態によれば、支持要素52は、支持要素52を閉鎖装置16に対して、具体的には蓋51に対して、簡単かつ迅速に取り付けることを可能にする取り付け手段78を備える。
【0092】
一実施形態において、取り付け手段78は、蓋51上に形成された嵌め合い環状凹部84に挿入されるのに適した環状突起80を備える。
いくつかの実施形態によれば、環状凹部84は、環状フラップ55と、環状フラップ55に対してほぼ同心に延びる第2環状フラップ55’とによって画定される。
【0093】
支持要素52はまた、飲料が容器10、具体的には内部バッグ14に進入したり、またはそれらから退出したりするために通過することができる少なくとも1つの通路開口部54(図4により良好に図示)を備える。
【0094】
他の実施形態によれば、支持要素52は突出唇部70を備えることができる。突出唇部70は、肩29の下にある内部バッグ14の首部28に挿入され、干渉により首部28の内側に固定されて留まるのに適しており、閉鎖装置16と内部バッグ14との間に別の機械的シールを規定する。
【0095】
他の実施形態に従うと、突出唇部70の上方において、弁ユニット50は、供給装置90の挿入中に肩29上に載り、容器10内における供給装置90の正しい配置を規定するのに適した突出環状縁部72を備えることができる。
【0096】
プリフォーム112,114の、従って外部ケグ12および内部バッグ14の特定の構造に組み合わされた閉鎖装置16は、既知の装置と比較して、大幅に簡素化された弁ユニットを用いることを可能にする。
【0097】
本発明はまた、飲料用容器を製造する方法にも関する。この方法は、内部プリフォーム114を外部プリフォーム112に挿入して、組立セット110を規定することと、組立セット110をブロー装置に給送することと、単一のブロー操作によって内部バッグ14および外部ケグ12の双方を得るために、内部プリフォーム114を拡張して変形させ、かつその結果として外部プリフォームを変形させるように、内部プリフォーム114に加圧空気を導入することとを提供する。
【0098】
本発明の一実施形態によれば、上記の方法は、内部プリフォーム114を外部プリフォーム112に、結合部材32によって首部22,28に対応して機械的に結合し、よってそれぞれのプリフォーム112,114の間における非常に安定した機械的接続と、同時に機械的シールとを保証することを提供する。
【0099】
他の実施形態によれば、上記の方法は、2つのプリフォーム112,114の間に、それらの組み立てを容易にするために、食品用途用のシリコーン物質を適用することを提供することができる。
【0100】
他の実施形態によれば、ブロー操作中に、上記の方法は内部プリフォーム114と外部プリフォーム112との間の中空空間13内に位置する空気を、内部プリフォーム114内に存在する貫通孔40を介して、中空空間13自体の外部に流れさせることを提供する。
【0101】
飲料用容器10を製造するための方法はまた、内部バッグ114に飲料を導入し、続いて内部バッグ114および外部プリフォーム112を閉鎖装置16によって閉鎖してシールすることを提供する。他の実施形態に従うと、上記の方法は、突出環状フラップ55を内部バッグ14の第2開口部26に挿入し、外縁部53を外部ケグ12の外側に配置し、続いて当該外縁部53を外部ケグ12にねじ込むことによって、閉鎖装置16を被せることを提供する。
【0102】
これまで説明した飲料用容器、並びに容器を製造するためのプリフォームおよび方法に対して、本開示の分野および範囲から逸脱することなく、一部の変更および/または追加を行うことができることは明らかである。
【0103】
また、本発明はいくつかの特定の例に関して説明されているが、当業者は、特許請求の範囲において述べられている特性を有し、従ってすべて特許請求の範囲によって定義される保護の範囲内に入る飲料用容器、並びに容器を製造するためのプリフォームおよび方法の他の多くの均等な形態を確実に得ることができることも明らかである。
図1
図2
図3
図4
図5