IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ペクラ ゲーエムベーハーの特許一覧

特許7079818エネルギーを分散供給する方法及び供給システム
<>
  • 特許-エネルギーを分散供給する方法及び供給システム 図1
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-25
(45)【発行日】2022-06-02
(54)【発明の名称】エネルギーを分散供給する方法及び供給システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/06 20120101AFI20220526BHJP
   H02J 3/38 20060101ALI20220526BHJP
【FI】
G06Q50/06
H02J3/38 110
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020122526
(22)【出願日】2020-07-17
(62)【分割の表示】P 2017531958の分割
【原出願日】2015-08-31
(65)【公開番号】P2020184370
(43)【公開日】2020-11-12
【審査請求日】2020-07-28
(31)【優先権主張番号】102014218031.7
(32)【優先日】2014-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】517078437
【氏名又は名称】ペクラ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110002343
【氏名又は名称】特許業務法人 東和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クラフト、 ペーター
【審査官】岸 健司
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-155714(JP,A)
【文献】特開2008-131841(JP,A)
【文献】特開2011-205858(JP,A)
【文献】特開2004-015882(JP,A)
【文献】特開2001-184406(JP,A)
【文献】特開2011-205728(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
H02J 3/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギーへのアクセスが限られた地域に配置された複数の分散型のエネルギー発生装置及び又はエネルギー供給装置(1)、エネルギー購入装置及び又はエネルギー消費装置(2)、エネルギー移動蓄電装置(3)、インターネットを介して通信可能な中央コンピュータ、及び、アプリケーションソフトウェアを有する電子デバイスを備え、前記エネルギー発生装置及び又はエネルギー供給装置(1)と前記エネルギー購入装置及び又はエネルギー消費装置(2)との間で、供給及び又は需要に応じて、エネルギー輸送手段としてエネルギー移動蓄電装置(3)のみにより、送電系統を全く使用することなく前記エネルギーを分散供給するシステムにおける前記エネルギーに関する情報を管理ないし監視する方法であって、
前記各エネルギー発生装置及び又はエネルギー供給装置(1)から、前記エネルギー購入装置及び又はエネルギー消費装置(2)への、前記エネルギーの割り当て、及び、前記エネルギーの供給及び又は需要に関する情報をインターネットを介して中央コンピュータで管理し、
前記中央コンピュータでの管理では、それぞれのエネルギー発生装置及び又はエネルギー供給装置(1)の電力の種類ごとに、かつ、エネルギー発生装置及び又はエネルギー供給装置(1)に対応する発電プラントの種類ごとに、画定された個々の輸送経路を介して対応する供給量を有する1つの場所から対応する需要量を有する所定の場所にエネルギーを輸送するように、エネルギーの割り当てが管理され、
電子デバイスにおけるアプリケーションソフトウェアが、対応する監視期間が経過する前にユーザとして登録されたエネルギー発生装置及び又はエネルギー供給装置(1)、及び、エネルギー購入装置及び又はエネルギー消費装置(2)に対して、インターネットを介してエネルギーを分散供給するシステムに必要な数値又はデータとして、それぞれ供給に関する数値又はデータ、及び、需要に関する数値又はデータを要求することにより、前記エネルギー購入装置及び又はエネルギー消費装置(2)による、エネルギー予約及び又はエネルギー発注の監視及び又はエネルギーに関する支払いが、当該数値又はデータを用いて前記電子デバイスにおけるアプリケーションソフトウェアにより行われることを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記移動蓄電装置(3)が、原動機付き車両に割り当てられることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記原動機付き車両が、乗用車、トラック、バス、オートバイ、列車、又はトレーラーであることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記原動機付き車両を電気駆動することを特徴とする、請求項2又は請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記エネルギー発生装置及び又はエネルギー供給装置(1)が、分散供給システムを形成することを特徴とする、請求項1乃至請求項4の一項に記載の方法。
【請求項6】
前記エネルギーが、太陽光、風力、水力発電、熱、地熱エネルギー、又はバイオマスなどの再生可能なエネルギーであって発電されることを特徴とする、請求項1乃至請求項5の一項に記載の方法。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の方法を実行し、前記エネルギーを分散供給するための供給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気エネルギー又は熱などのエネルギーを分散供給し、それによって複数の分散型エネルギー発生装置及び又はエネルギー供給装置をエネルギーへのアクセスが限られた地域に配置し、それによってエネルギーをエネルギー発生装置、エネルギー供給装置、エネルギー購入装置、及び又はエネルギー消費装置の間で、供給及び又は需要に応じて移動蓄電装置により、送電系統を全く使用することなく、輸送する方法に関するものである。
【0002】
更に、本発明は、電気エネルギー又は熱などのエネルギーを分散供給し、請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の方法を実行し、複数の分散型エネルギー発生装置及び又はエネルギー供給装置を、エネルギーへのアクセスが限られた地域に配置し、エネルギーをエネルギー発生装置、エネルギー供給装置、エネルギー購入装置及び又はエネルギー消費装置の間で、供給及び又は需要に応じて移動蓄電装置により、送電系統を全く使用することなく、輸送することができる供給システムに関するものである。
【0003】
この場合、電気エネルギーの形態のエネルギーを供給する一般的な供給方法及び供給システムは、例えば、ドイツにおいて使用される電力供給システムにより具体化されている。
この場合、電力は、異なる発生装置により、例えば、原子炉発電プラント、石炭燃焼発電プラント、或いは再生可能電力発電プラント、例えば、風力発電プラント、水力発電プラント、又は太陽光発電プラントで発生する。
これにより発生する電力は、貯蔵設備に送給され、消費装置に既知の送電系統を介して配電される。
このようにして、信頼性の高い電力供給は、電力供給システムに接続されるエネルギー消費装置により確保される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、電気エネルギーを供給する既知の供給方法及び供給システムでは、異なる種類の発電プラントで発生する全電力が給電され、結果的に異なる形で発生する電力が混合されるので、消費装置は、例えば、再生可能な電力を排他的に取得することができない。
最終的に、消費装置は、混合電力、所謂“グレー電力”を発注せざるを得ない。
これにより、発生する再生可能な電力の配電及び拡大が促進されなくなるが、その理由は、消費装置が、実際に再生可能な電力も発注しているかどうかを確信することができない場合が多く、従って、再生可能な電力の発注に関して、エネルギーへのアクセスが限られた範囲でしか発注ができなくなるからである。
【0005】
従って、本発明の目的は、エネルギーを供給すると、電力又はエネルギーの限られた種類に関する設定を、簡単に設計できる手段を用いて行うことができる方法だけでなく供給システムを提示することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、上記の目的は、請求項1に記載されたエネルギーを分散供給する供給方法、および、請求項7に記載されたエネルギーを分散供給する供給システムにより、達成される。
【発明の効果】
【0007】
本発明による供給方法で、エネルギーを既知の送電系統を使用しないでも供給することが可能である。
本発明による供給方法で、エネルギーの供給を、輸送システムを介して行うことができ、この輸送システムは、エネルギー発生装置、エネルギー供給装置、エネルギー購入装置、及び又はエネルギー消費装置の間で移動蓄電装置に基づいて、送電系統を全く使用することなく、運用される。
詳細には、エネルギーの分散供給を、分散型のエネルギー発生装置及び又はエネルギー供給装置を利用して行い、エネルギー発生装置及び又はエネルギー供給装置を分散してエネルギーへのアクセスが限られた地域に配置する。
エネルギーは、エネルギー発生装置、エネルギー供給装置、エネルギー購入装置、及び又はエネルギー消費装置の間で供給及び又は需要に応じて輸送される。
これに関連して、個々の輸送経路を画定して形成することができ、例えば、電力の種類をそれぞれのエネルギー発生装置及び又はエネルギー供給装置に基づいて、かつ、発電プラントの基本的な種類に基づいて設定することができる。
【0008】
従って、本発明による供給システムでは、エネルギーを分散供給すると、電力又はエネルギーの限られた種類に関する設定を、簡単に設計できる手段を用いて行うことができる。
【0009】
信頼性が非常に高く、非常に簡単であるエネルギー輸送を確保するために、移動蓄電装置を原動機付き車両に割り当てることができる。
このような原動機付き車両は、“power line(電力ライン)”として使用することができ、いわば、エネルギー発生装置、エネルギー供給装置、エネルギー購入装置、及び又はエネルギー消費装置からなる構成で使用することができる。
需要により異なるが、エネルギーは、対応する供給量を有する1つの場所から対応する需要量を有する所定の場所に輸送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】電気エネルギーを分散供給する供給システムの1つの実施形態の概略図
【発明を実施するための形態】
【0011】
実質的に、移動蓄電装置は、市販のバッテリとすることができる。
このようなバッテリは、様々な実施形態及びサイズで存在している。
【0012】
原動機付き車両は、乗用車、トラック、バス、オートバイ、列車、又はトレーラーとすることができる。
輸送用の原動機付き車両に関しては、どのような種類であってもよく、制限はない。
輸送用の原動機付き車両は、移動蓄電装置を所望の場所の間を輸送するのに適していればよい。
例えば、移動蓄電装置は、トレーラーの車体底面として設計することができる。
従って、トレーラーは、2つの機能、すなわち、輸送供給物資を輸送する機能とエネルギーを輸送する機能とを果たすことができる。
【0013】
有利な構造では、原動機付き車両を電気駆動することができる。
これに関連して、輸送される電気エネルギーは、輸送用車両を駆動するために少なくとも部分的に使用することもできる。
【0014】
多くの場合、エネルギー発生装置及び又はエネルギー供給装置は、現在要求されているエネルギーよりも多くのエネルギーを保有している。
この点に関して、エネルギー発生装置及び又はエネルギー供給装置に、エネルギーの蓄電装置を割り当てると有利であり、当該装置は、一時的な蓄電装置として、いわば、エネルギーを発生させるために、又は、エネルギーを保存するために、使用することができる。
このような蓄電装置は、移動蓄電装置または固定蓄電装置とすることができ、これらの蓄電装置は、その場で一時的に蓄電する、又は、その場で蓄電するためにのみ使用される。
【0015】
詳細には、エネルギー発生装置及び又はエネルギー供給装置は、分散型の供給システムを形成することができる。
このような分散型の供給システムは、エネルギーへのアクセスが限られた地域にエネルギーを供給することができる。
【0016】
特に有利な方法で、エネルギーを再生可能なエネルギーとすることができる。
これに関連して、環境保護に貢献する取り組みを効率的かつ確実に行うことができる。
詳細には、エネルギーは、太陽光、風力、水力発電、熱、地熱エネルギー、又はバイオマス、或いは他の形態のエネルギーにより、発電することができる。
これらの電力発生機構の全てについて言えば、化石燃料源の利用を無くすことができる。
既存のエネルギーをより確実に割り当てて、エネルギーをエネルギー購入装置及び又はエネルギー消費装置により確実に供給する場合、エネルギーに関する供給及び又は需要は、中央コンピュータで管理することができる。
これに関連して、本発明による供給システムがより効率的に動作することが確保される。
【0017】
更に、エネルギーを分散供給する高効率な方法及び高効率な供給システムに関連して、エネルギーに関する供給及び又は需要の監視は、インターネットを介して行うことができる。
この点に関して、エネルギー発生装置、エネルギー供給装置、エネルギー購入装置、及び又はエネルギー消費装置は、簡単な方法で、エネルギーに関する既存の供給及び又は需要の概要を把握することができる。
この概要は、対応する使用事例に活用することができる。
有利な方法で、この監視を登録済みユーザによってのみ行うことができる。
この点に関して、ユーザは、対応する監視期間が経過する前に、ユーザとして登録する必要がある。
この登録は、適切な料金で行うことができる。
供給及び又は需要を特に簡単な方法で監視するために、監視は、アプリケーションソフトウェアappを介して行うことができる。
【0018】
本発明による供給方法又は供給システムを効率的に使用する場合、エネルギー予約、エネルギー発注、及び又はエネルギーに関する支払いは、アプリケーションソフトウェアappを介して行うことができる。
この点に関して、上に説明した機能は、簡単かつ確実に実現される。
上に説明したアプリケーションソフトウェアは、任意の適切な電子デバイス上で、例えば、携帯電話上で実行することができる。
インターネットの他に、アナログ電話回線を介した融通を有用に行うこともできるが、その理由は、これらの回線が、従来の電力供給システム及びスマートグリッド[sic]を介して電力融通する現在の開発成果物と著しく異なり、テロリストによる攻撃又は太陽嵐もしくは他のリスクの影響を最小限にしか受けないからである。
更に、データ授受は、システムが絶対に必要な数値又はデータをそれぞれのエネルギー発生装置又はエネルギー消費装置に対して要求し、それ以上のことは要求しないように行われる必要がある。
どのような場合でも、例えば、住宅全体又は電気自動車全体へのアクセスが万が一発生することがある。
【0019】
実質的に、エネルギー又は電力を仮想的に融通するためのポータル、いわば、エネルギー又は電力の供給及び又は需要を仮想的に融通するためのポータルは、本発明による供給方法及び供給システムにより設置することができる。
これは、現地レベルで又は地域レベルで行えるので好ましく、これにより、電力消費又はエネルギー消費、及び電力発電及びエネルギー発電に関する行動を最適化することにもつながるはずである。
更に、これは、エネルギーの分散型のエネルギー発生装置及び又はエネルギー供給装置、及び、場合によっては、エネルギー発生装置及び又はエネルギー供給装置の蓄電装置又は電力蓄電装置を、例えば、電気自動車ユーザと適切に相互接続することにより、或いは他の電力消費装置と適切に相互接続することにより行うことができ、特に、電力を送電系統を介して融通する、又は、輸送する必要がない。
例えば、工場の従業員は、自家用車で自家発電した電力を高出力トレーラーに給電して、当該トレーラーを工場で運転することができ、任意であるが、電力の一部を廃棄することもできる。
【0020】
別の実施形態では、電気自動車の2人のユーザは、共に供給システムの登録済みユーザであり、かつ、各ユーザが、特定の蓄電装置を電気自動車の内部に有するが、2人のユーザは、電力又は電気エネルギーを途中でも異なる場所で融通し合うことができる、及び又は購入することができる。
この仮想電力供給システムのユーザの数が十分多い場合、現時点では極めて短い約120~300kmの電気自動車の走行距離を、近いうちに際限なく延ばすことができる。
最適な事例では、各システムユーザ自身又は都市住民は、例えば、エネルギー発電生活協同組合の会員、又は、この仮想電力供給システム内の他の形態の組織の会員であることを利用して、ユーザ自身が必要とする多くのエネルギーを正確に発電することになり、システムパートナーが近所に居る場合にユーザが必要とするエネルギーをいずれの場所でも利用することができる。
【0021】
エネルギーの供給及び又はエネルギーの需要は、ポータルを介して、その地域で又は広域に跨って、様々なユーザグループ、例えば、企業、一般市民などに対応して、生活協同組合、発電協会などのような特定のユーザグループとも連携して、一つにまとめることができる。
電力又はエネルギーは、完全に再生可能な方法で発生させることができる。
【0022】
本発明による供給方法及び供給システムのエネルギーは、実質的に融通し合うことができる。
これは、購入会社を、エネルギーを一方のパートナーから他方のパートナーに移送するために設ける必要がないことを意味する。
別の構成として、購入モデルを使用することもでき、この購入モデルでは、エネルギー購入又は電力購入は、事前設定可能な前払料金で行うことができる。
このエネルギー購入又は電力購入は、エネルギーを融通する際のエネルギーコスト又は電力コストがほぼゼロであるか、又は、極めて有利である場合に行うことができる。
【0023】
本発明によって供給システムが創出されて要求に一時的に応えることができる、又は実質的に完全無欠という訳ではないが応えることができる場合、電力又はエネルギーは、所定の種類の“バックアップ方法”を利用して、従来の供給システムに発注することができる。
これは、本発明による供給システムに由来する再生可能な電力又はエネルギーを殆ど利用することができない、又は、全く利用することができない場合に行うことができる。
しかしながら、供給システムに対するこの電力発注又はエネルギー発注は、再生可能な電力又は再生可能なエネルギーの認定発生装置及び又は認定供給装置に限定することができる。
この場合、これらの認定発生装置及び又は認定供給装置は、再生可能な電力又はエネルギーのみを確実に供給できるエネルギー発生装置及び又はエネルギー供給装置である。
再生可能な電力を実際に現時点で確実に貯蔵しておくことができるようにするために、殆ど唯一の可能性は、認定グリーン電力を、例えば、オーストリア製又はノールウェー製のエネルギー供給装置を介して発注することである。
このバックアップ事例では、電力は、市場メカニズムが働くので、普通、本発明により供給される電力と同程度の価格となり、市場は、本発明により分散供給される電力が確実に所定の選択肢になる手助けとなるはずである。
【0024】
本発明による供給方法及び供給システムの別の利点は、テロリストによる攻撃を受ける可能性がより低くなることであり、その理由は、攻撃を受けてしまう送電系統接続が無いからである。
この点に関して、本発明による供給システムは、高セキュリティレベルを表す。
【0025】
移動蓄電装置は、これらの移動蓄電装置の寸法に応じて、標準的なコンテナに有利な態様で適合させることができる。
この点に関して、大量の電気エネルギーの輸送が、簡単な方法で可能になる。
例えば、この点に関して、風力発電電力は、長い距離を経てエネルギー購入装置及び又はエネルギー消費装置に輸送することができる。
【0026】
適切な原動機付き車両は、モデル-キット-プラグ-インシステムを複数の電力蓄電装置に対応して、例えば、支持面上に有することができる。
【0027】
更に、例えば、ユーザ固有の電源を持たない電気自動車のユーザは、都市内を運転することができる。
しかしながら、電気自動車のユーザは、ユーザ固有の発電プラント、例えば、太陽光発電プラントを都市の郊外に、例えば、生活協同組合モデルとして、発電協会などとして有することにより、電気エネルギーを都市の内部に、移動蓄電装置を使用して輸送することができ、このような輸送を通勤交通の流れに逆らって正常に行うことができる。
その理由は、電力発生が、例えば、太陽光発電プラントを日中に利用することにより行われ、それに対応した通勤を都市内で、通勤交通が普通、都市から郊外に向かって流れる夕暮れ時でも行うことができるからである。
【0028】
更に、この新たな仮想形態の電力供給システム及び又はエネルギー供給システム、例えば、LaTherm蓄電装置を備える供給システムのような可能な仮想の熱供給システムでも、電力又はエネルギーの供給及び需要を非常に簡単に分散させて、又は地域分散させてバランスさせることができ、電力購入もそれぞれの地域において続くことになる。
【0029】
これは、単なるエネルギー供給を意味するのではない。
本発明は、仮想形態の供給システムそのものであり、かつ、電力の供給及び需要、より広い意味では、エネルギーの供給及び需要をバランスさせることであり、このバランスは、このプラットフォームを利用して、従来の電力の供給システム又は電力線の供給システムを用いることなく取られる。
【0030】
この供給システムの全ユーザが、電力又はエネルギーを簡単に確実に融通できるようにするため、多くの電気自動車及び電力蓄電装置に対応する測定方法及び又はインターフェースが提供され、供給システム内の電力蓄電装置を簡単に“見えなくする”ことができる。
【0031】
これまでの説明から、本発明の供給方法で構成して更に進展させる様々な可能性が存在する。
このため、請求項1に続く請求項と実施形態について、以下の説明を、図面に基づいて参照されたい。
図面に基づいた本実施形態の説明に関連して、より広い意味の構成と更なる進展についても説明される。
【0032】
図1は、電気エネルギーを分散供給する本発明による供給システムの1つの実施形態を概略図で示している。
【0033】
図1は、電気エネルギーを分散供給する供給システムの1つの実施形態を示している。
この場合、電気エネルギーの複数の分散型のエネルギー発生装置1が、エネルギーへのアクセスが限られた地域に配置される。
電気エネルギーは、電気エネルギーのエネルギー発生装置1とエネルギー消費装置2との間で、供給及び又は需要に応じて、送電系統を全く使用することなく、移動蓄電装置3により輸送することができる。
この点に関して、電力の限られた種類に関する設定を、簡単に設計できる手段を用いて行うことができる。
例えば、エネルギー発生装置1が、再生可能なエネルギーのみを発生させる状態を確保することができる。
次に、このエネルギーを供給及び又は需要に応じて、移動蓄電装置3によりエネルギー消費装置2に、又は、他のエネルギー発生装置1に輸送することができる。
例えば、エネルギーは、電気エネルギーに関する需要増が、エネルギー発生装置1において見込まれると、1つのエネルギー発生装置1から別のエネルギー発生装置1に輸送することができる。
更に、複数のエネルギー発生装置1が、同じエネルギー消費装置2に電気エネルギーを供給することもできる。
【0034】
移動蓄電装置3は、原動機付き車両によって搬送される。
これらのエネルギー発生装置1は、エネルギー発生装置1への分散供給システムを形成することにより電気エネルギーを分散供給する。
【0035】
電気エネルギーに関する供給及び又は需要は、ここでは、図示しない中央コンピュータで管理され、又は、多くの現地供給システムコンピュータ又は地域供給システムコンピュータで管理され、これらのコンピュータが、広域供給需要バランスを取り、それによって、複数の分散コンピュータの信頼性を単一の中央コンピュータよりも高くする。
電気エネルギーに関する供給及び又は需要の監視、及び、電気エネルギーの予約、発注、及び又は、電気エネルギーに関する支払いは、アプリケーションソフトウェアappにより行われる。
【0036】
本明細書の実施形態では、蓄電装置3を搬送する原動機付き車両が“電力ライン”を形成し、いわば、この電力ラインが、エネルギー発生装置1及び又はエネルギー消費装置2を電気エネルギーの輸送に際して互いに接続する。
【0037】
分散型のエネルギー発生装置1として、様々なシステムが適しており、例えば、農場、ショッピングセンター、自動車ディーラー、そして、民間住宅さえも適している。
しかしながら、上に挙げたものが、全てを網羅していると考えられない。
【0038】
本発明による供給方法及び供給システムの更に別の構成については、本明細書の概要説明文の繰り返し、及び、特許請求の範囲の繰り返しを避ける。
【0039】
最後に、上に説明してきた本発明の実施形態は、特許請求する教示を検討するために使用されるが、これらの実施形態に限定されない。
【符号の説明】
【0040】
1 ・・・エネルギー発生装置
2 ・・・エネルギー消費装置
3 ・・・エネルギー蓄電装置
図1