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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-25
(45)【発行日】2022-06-02
(54)【発明の名称】宅配商品トラック配送システム
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/137 20060101AFI20220526BHJP
【FI】
B65G1/137 A
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020187734
(22)【出願日】2020-11-11
(65)【公開番号】P2022077087
(43)【公開日】2022-05-23
【審査請求日】2020-11-11
(73)【特許権者】
【識別番号】513016954
【氏名又は名称】JB-Create株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100069420
【弁理士】
【氏名又は名称】奈良 武
(72)【発明者】
【氏名】山岸 十郎
【審査官】小川 悟史
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-223091(JP,A)
【文献】特開2008-030929(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0180113(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/137
B65G 61/00
G06Q 10/00
G06Q 50/00
B62D 33/00
B62B 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配送センターより配送トラックを介して個別配送先に宅配商品を配送する宅配商品トラック配送システムにおいて、
最終宅配拠点にて前記宅配商品を配送コース別に仕分けするコース別仕分け工程と、
前記コース別仕分け工程にて仕分け後の宅配商品をラック棚の配列スペースに載置しつつ配列移載する前記宅配商品のラック棚配列移載工程と、
前記宅配商品のラック棚配列移載工程における前記宅配商品のランダムなスキャンとラック棚配列移載のロケーションコードをスキャンするスキャン工程と、
前記宅配商品のラック棚配列移載工程とスキャン工程後のラック棚を配送トラックに積み込むラック棚積み込み工程と、
前記配送トラックに積み込みしたラック棚よりドライバーが端末に表示される前記スキャン工程におけるロケーションコードを介してラック棚の配列移載の宅配商品中より該当する個別配送先の宅配商品を取り出すことができるように構成するとともに、前記構成から成る配送センターにより配送トラックを介して個別配送先に宅配商品を配送する宅配商品配送システムにおいて、
前記コース別仕分け工程とラック棚配列移載工程は、
前記宅配商品の搬送ラインを介して仕分け台のスロープに移送される宅配商品をランダムにスキャンし、かつ当該スキャン後の宅配商品を作業者の背部に配設されているラック移動台車の上側に積載されているラック棚の載置棚の配列スペースに載置しつつ移載する構成から成り、
前記スキャン工程は、
前記コース別仕分け工程とラック棚配列移載工程における、前記作業者の宅配商品をランダムにスキャン用カメラにてスキャンする宅配商品の情報スキャンに加えて、前記各宅配商品を載置したラック棚の載置棚の配列スペースに備える配列スペースコードをスキャンするスキャンと、
さらに当該スキャンに加えて前記配列スペースの載置棚の載置棚コードをスキャンするスキャン工程から成るとともに、
前記各スキャンに加えて、前記配列載置の宅配商品のロケーションコードをスキャンし、
前記各スキャン情報はドライバーの端末に情報配信提供することができるように構成し、
前記ラック棚積み込み工程は、
前記コース別仕分け工程とラック棚配列移載工程とスキャン工程完了後の各ラック棚をラック移動台車を介して宅配トラックに荷積することにより構成したことを特徴とする宅配商品トラック配送システム。
【請求項2】
前記ラック棚は、複数段の前記宅配商品の配列載置する載置棚を設けるとともに、ステンレスパイプ等の軽量材料にて形成した軽量ラック棚により構成したことを特徴とする請求項1記載の宅配商品トラック荷積み、取り出しシステム。
【請求項3】
前記ラック棚は、前記宅配商品の配列載置スペース毎のスペースコードとラック棚毎の棚番コードを設けることにより構成したことを特徴とする請求項1又は2記載の宅配商品トラック配送システム。
【請求項4】
前記ラック棚は、ラック移動台車に対して複数載置して移動することができるように構成するとともに、
前記ラック棚への宅配商品のラック棚配列移載工程と前記宅配トラックへのラック棚積み込み工程の各作業の作業性を向上することができるように構成したことを特徴とする請求項1乃至3記載の宅配商品トラック配送システム。
【請求項5】
前記ラック棚は、宅配トラックとしての軽トラックに対して片面2ラック積載しつつ荷台の左右のサイド開き扉か、あるいは跳ね上げ扉を介して荷台両サイドから荷台に積み込みできるように構成したことを特徴とする請求項1乃至4記載の宅配商品トラック配送システム。
【請求項6】
前記ラック棚は、宅配トラックとしての荷台に最大片面3ラック両面6ラック積載しつつ荷台後部より積み込みできるように構成したことを特徴とする請求項1乃至4記載の宅配商品トラック配送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品を宅配するためのトラックの荷積みと、取出しをより効率的に行うための宅配商品トラック配送システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
拡大を続けているネットビジネスは、膨大な種類の商品の保管とピッキング、仕分け荷合わせ、ラスト1マイルと言われる宅配という難しい物流技術が要求される。
【0003】
特に宅配商品はNetで注文を受け、物流センターでピッキングされて各エリアの配達センターへ向けて大型トラックによって幹線輸送と言われる輸送が行われ、地域の拠点配達センターから最終宅配を行うために中・小型トラックに商品が積み替えられて個別宅へ宅配される仕組みが一般的である。
【0004】
物流センターにおいて商品を効率的にピッキングしたり保管したりするシステムは、すでに出願人が特許文献1~3によって提案しているように生産性を高めたシステムが存在する。
【0005】
尚、物流センターの商品すべては基本的にバーコードによってネットワーク管理されているのが現況である。
【0006】
また、前記特許文献1~3以外には、特許文献4および5が提案されている。
【0007】
特許文献4は箱型の収納室において、多くの荷物を安定して積み込めると共に荷積みや荷降ろしが容易な台車及び荷積荷降方法を提供する。
【0008】
箱型の収納室内に配置されるとともに、荷物が積載されたパレットが載せられる枠状の板部材と、前記板部材の下に回転可能に取付けられた走行輪と、前記板部材の端部に下側に向かって延びるように設けられた補強板と、を備える台車の上に、運送対象とされた荷物が積載されたパレットを前記収納室の外側からフォークリフトで載せる第1ステップと、前記パレットが載せられた前記台車を前記収納室の奥側へ移動させ該台車が移動しないように固定する第2ステップと、前記第1ステップと前記第2ステップとを繰り返して、前記収納室内へ前記荷物を荷積みする第3ステップと、前記収納室の入口側にある前記台車の固定を解除し該台車の上に積載されたパレットを前記収納室の外側からフォークリフトで荷降ろしする第4ステップと、前記収納室の奥側にある前記台車を入口側へ移動させ、該台車の上に積載されたパレットを前記収納室の外側からフォークリフトで荷降ろしする第5ステップと、前記第4ステップと前記第5 ステップとを繰り返して、前記収納室内から運送対象とされた前記荷物を荷降ろしする第6ステップと、を有する荷積荷降方法である。
【0009】
特許文献5はサーバ装置と、前記サーバ装置とネットワークを介して相互に接続される第1クライアント装置と、前記サーバ装置とネットワークを介して相互に接続される第2クライアント装置とによって構成される宅配支援システムであって、前記第1クライアント装置は、複数の荷物が配達されている間、前記複数の荷物を配達するための車両の位置情報を前記サーバ装置に送信するように構成され、前記サーバ装置は、前記第1クライアント装置に、前記複数の荷物を配達するための第1ルートを送信し、前記複数の荷物のうちの第1の荷物の配達予定時刻に基づいたタイミングで、前記第1の荷物に関連付けられたアカウントの第2クライアント装置に対して、前記配達予定時刻における前記第1の荷物の受け取り可否に関する問合せを送信するように構成され、前記第2クライアント装置は、前記サーバ装置から前記問合せを受信し、前記第2クライアント装置を使用するユーザによる操作に応じて、前記第1の荷物の受け取り可否に関する情報を前記サーバ装置に送信するように構成され、前記サーバ装置は、さらに、前記車両の位置情報を受信し、前記第2クライアント装置から、前記第1の荷物を前記配達予定時刻に受け取ることができないことを示す回答を受信した場合、前記受信された車両の位置情報と前記第1の荷物を除く前記複数の荷物に関する情報とに基づいて、前記第1 の荷物を除く前記複数の荷物を配達するための第2ルートを前記第1 クライアント装置に送信するように構成される宅配支援システムでる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】特開2019-218147号
【文献】特開2020-121859号
【文献】特許第6608023号
【文献】特開2017-154883号
【文献】特開2020-45086号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
配達センターから宅配商品を配送する際には、配送順路や時間帯指定、商品の大きさなどを考慮して商品を積み込まなければ配送の効率を上げることはできない。そのため配送ドライバーは1回の積込ごとに積み込み順序や商品の大小など組み合わせを自身で組み立て、場合によっては配送途中に改めて商品の積みなおしを行うという非常に煩雑な作業を強いられている。
【0012】
宅配の最終拠点では、物流センターからの荷物が到着すると、宅配コース(ドライバー)別にまず荷物が仕分けされる。ドライバーは、コース別に仕分けされた商品を、あらかじめ配送順に整理された配送伝票を元に、山積みされた荷物の中から、改装逆順に荷物を探しトラックに積む作業が行われる。
【0013】
しかしながら、そこには伝票を元に荷札の名前を探す作業であり小さい文字を見ながらの作業となり、時間もかかり生産性は決して高いとはいえない。荷物を探し見つけたとしても、それをトラックに積む作業がある。荷物が少なければ問題がないが、繁忙期など荷物が多い場合、例えば100軒~200軒分の荷物を積むとなると、商品の上に重ねて積まざるを得ない。配送先に到着して、トラックの荷台の中で積み重なった荷物の中から該当荷物を探し出すのも、一苦労であり、時間もかかる。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、上述した特許文献1~5には解消することのできない問題点を解決するためになされたものである。コース別に仕分けられた商品を、トラックに積む前に、まずは軽量ラックに商品を積んで、そのままトラックに積み込むシステムである。
【0015】
本発明では、特に宅配商品の積み込み・荷降ろしの効率化、ドライバーの負担軽減を行うためのトラックの宅配商品積込取出しシステムを提供することを目的とする。
【0016】
コース別に仕分けられた荷物を、配送順に関係なく手に取り、ハンディ端末で荷札バーコードをスキャンし、軽量ラックの適当なロケーションに入れ、ロケーションバーコードをスキャンする。この作業は、荷物を探すという作業がなく単に商品をスキャンするだけであり、誰でも簡単に作業を早くすることができる。
【0017】
軽量ラックに荷物が一杯になれば、台車に載せトラックまで運ぶ。トラックには台車と荷台の高さを合わせておけば、軽量ラックは押し込むだけで簡単に移載することができる。
【0018】
このようにして、軽トラックであれば軽量ラックが4台、宅配トラックであれば6台のラックを積むことができる。
【0019】
よって本発明の請求項1は、配送センターより配送トラックを介して個別配送先に宅配商品を配送する宅配商品トラック配送システムにおいて、最終宅配拠点にて前記宅配商品を配送コース別に仕分けするコース別仕分け工程と、前記コース別仕分け工程にて仕分け後の宅配商品をラック棚の配列スペースに載置しつつ配列移載する前記宅配商品のラック棚配列移載工程と、前記宅配商品のラック棚配列移載工程における前記宅配商品のランダムなスキャンとラック棚配列移載のロケーションコードをスキャンするスキャン工程と、前記宅配商品のラック棚配列移載工程とスキャン工程後のラック棚を配送トラックに積み込むラック棚積み込み工程と、前記配送トラックに積み込みしたラック棚よりドライバーが端末に表示される前記スキャン工程におけるロケーションコードを介してラック棚の配列移載の宅配商品中より該当する個別配送先の宅配商品を取り出すことができるように構成するとともに、前記構成から成る配送センターにより配送トラックを介して個別配送先に宅配商品を配送する宅配商品配送システムにおいて、前記コース別仕分け工程とラック棚配列移載工程は、前記宅配商品の搬送ラインを介して仕分け台のスロープに移送される宅配商品をランダムにスキャンし、かつ当該スキャン後の宅配商品を作業者の背部に配設されているラック移動台車の上側に積載されているラック棚の載置棚の配列スペースに載置しつつ移載する構成から成り、前記スキャン工程は、前記コース別仕分け工程とラック棚配列移載工程における、前記作業者の宅配商品をランダムにスキャン用カメラにてスキャンする宅配商品の情報スキャンに加えて、前記各宅配商品を載置したラック棚の載置棚の配列スペースに備える配列スペースコードをスキャンするスキャンと、さらに当該スキャンに加えて前記配列スペースの載置棚の載置棚コードをスキャンするスキャン工程から成るとともに、前記各スキャンに加えて、前記配列載置の宅配商品のロケーションコードをスキャンし、前記各スキャン情報はドライバーの端末に情報配信提供することができるように構成し、前記ラック棚積み込み工程は、前記コース別仕分け工程とラック棚配列移載工程とスキャン工程完了後の各ラック棚をラック移動台車を介して宅配トラックに荷積することにより構成したことを特徴とするものである。
【0020】
請求項2は請求項1記載の発明において、前記ラック棚は、複数段の前記宅配商品の配列載置する載置棚を設けるとともに、ステンレスパイプ等の軽量材料にて形成した軽量ラック棚により構成したことを特徴とする。
【0021】
請求項3は請求項1又は2記載の発明において、前記ラック棚は、前記宅配商品の配列載置スペース毎のスペースコードとラック棚毎の棚番コードを設けることにより構成したことを特徴とする。
【0022】
請求項4は請求項1乃至3記載の発明において、前記ラック棚は、ラック移動台車に対して複数載置して移動することができるように構成するとともに、前記ラック棚への宅配商品のラック棚配列移載工程と前記宅配トラックへのラック棚積み込み工程の各作業の作業性を向上することができるように構成したことを特徴とする。
【0023】
請求項5は請求項1乃至4記載の発明において、前記ラック棚は、宅配トラックとしての軽トラックに対して片面2ラック積載しつつ荷台の左右のサイド開き扉か、あるいは跳ね上げ扉を介して荷台両サイドから荷台に積み込みできるように構成したことを特徴とする。
【0024】
請求項6は請求項1乃至4記載の発明において、前記ラック棚は、宅配トラックとしての荷台に最大片面3ラック両面6ラック積載しつつ荷台後部より積み込みできるように構成したことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、これまで多くの荷物の中から、配送逆順に荷物を探す作業がなくなり、ランダムにスキャンをしてラックに積む作業となり、トラックに積み込む作業が楽に早くなる。また、配送先に着いてから、荷室の荷物は、ハンディ端末に表示される、軽量ラックのロケーションNO.を元に取りだすだけであり、ここでも荷物を探す作業がなくなり時間短縮が図られる。
【0026】
また、軽量ラックに荷物を積んで、そのままトラックの荷室に入れることにより、形状がさまざまで小物の宅配荷物を棚に整理した状態で積むことができ、積載効率も向上する。棚のない状態で、多くの商品を積む場合、どうしても、商品を重ねて積むことになり該当の荷物を探し、取り出す作業は困難となる。ラックの棚に荷物が積んであり、またロケーションもわかっているとなると、荷物を探す作業も、取り出す作業も、格段に楽になる。
【0027】
図にあるように、軽トラックの場合は、軽量ラックをトラック側面から積み、取り出すときも側面の扉を開け、荷室に入ることなく簡単に取り出すことができる。また扉は、引き戸タイプや、持上げ扉タイプを選択できる。
【0028】
配送順については、このシステムでは、コース別に分けられた荷物を、とにかくスキャンしてラックに積むのが最初に行う作業となる、ラックに積み終えたら、スキャンデーターを、送信し拠点サーバもしくは本体のコンピューターで、最適配送順を計算し端末にロードすることができる。
【0029】
ドライバーは配送順を考えることなく、端末の指示で配送を行い、配送先では端末の指示で、荷室のラックから指示ロケーションから商品を素早く取り出し、お届けすることになる。端末に受領サインをもらう仕組みを開発すれば、実に楽で速く、簡単でペーパーレスな宅配業務が完成する。
【0030】
人手確保が難しく、過重労働の宅配現場作業は、この仕組みにより、物探しの精神的につらい作業から解放され、宅配作業生産性を、かなり向上することが可能となる。
【0031】
また、物量が多い場合は、宅配車が出発した後、拠点内でコース別に別の担当者が軽量ラックにスキャンして荷物を積んでおけば、ドライバーが配送終了後拠点に帰れば、空のラックを下ろし、すでにラックに積んである荷物をラックごと車に積めば、即配送に出発できる。ドライバーの、荷物探しや、積み込みなど煩雑な仕事を省くことができ、配送の生産性が格段に向上することになる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1図1(a)は宅配商品のコース別仕分けと宅配商品のスキャンとラック棚移載および棚番スキャンのスキャン工程を示す説明図、図1(b)は、ラック棚移載および棚番スキャン工程後のラック棚の宅配軽トラックの荷台積み込み工程を示す説明図。(実施例1)
図2図2は本発明の実施例1に使用するラック棚を移動台車に積載した状態を示す側面図。
図3図3(a)は宅配商品のコース別仕分けと宅配商品のスキャンとラック棚移載および棚番スキャンのスキャン工程を示す説明図。図3(b)はラック棚移載および棚番スキャン工程後のラック棚の宅配トラックの荷台積み込み工程を示す説明図。(実施例2)
【発明を実施するための形態】
【0033】
いかに実施の形態について図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0034】
図1は本発明の実施例1を示す説明図で、図1(a)は本発明の宅配トラックの積み込み、取り出しの宅配商品トラック配送システムにおける前段の宅配商品のコース別仕分け工程と、該コース別仕分け工程後の宅配商品のラック棚への配列移載工程とその際の各宅配商品別のスキャンとラック棚への配列移載のロードスキャンコードのスキャン工程を示し、図1(b)は前記工程後のラック棚の宅配軽トラックへの積み込み、取り出し工程を示すものである。
【0035】
しかして、図1(a)において宅配商品1は、宅配商品1の搬送ライン2を介して仕分け3のスロープ3aに移送されるので、これを作業者がランダムにてスキャンしつつ、スキャン後の宅配商品1を作業者の背部に配設されているラック移動台車4の上側に積載されるラック棚5の載置棚5aの配列スペース6に載置しつつ移載する。
【0036】
また、前記作業者は宅配商品1ランダムスキャン(スキャン用カメラ等による宅配商品1の情報スキャンを含む)するのに加えてラック棚5の載置棚5aの配列スペース6に載置した各宅配商品1の配列スペース6に備える配列スペースコード(不図示)のスキャンおよび載置棚5aの載置棚コード(不図示)のスキャンに加えて配列載置の宅配商品1のロケーションコードをスキャンし、これらのスキャン情報をドライバーの端末に情報配信提供することができるように構成するものである。
【0037】
尚、図示のラック移動台車4には片側3ラック棚5を積載した状態を示し、各ラック棚5の載置棚5aの各載置棚5aの配列スペース6には、例えば配達商品1の大きさに対応した配列載置をすることにした場合、第1の載置棚5aには5個、第2には3個、第3には2個とすると各3段の配列スペース6の合計は30個になり、これが4ラックとなれば合計120個の宅配商品の積み込みが可能となる。
【0038】
この様にして、前記ラック棚5については必要な配列スペース6を備える載置棚5aを設計したラック棚5の形成を整えるとともに図示の構成から成るラック棚5を後述の宅配トラックとしての軽トラックの荷台スペースに対応した設計をしつつ実施するものである。
【0039】
また、ラック棚5はステンレスパイプ等の軽量材料により軽量に形成することにより実施することが好適である。
【0040】
尚、図中の10はラック棚5に装着した宅配商品1の脱落防止用のゴムバンドである。
【0041】
よって、図1(a)の宅配商品1のコース別仕分け並びにラック棚5への配列移載作業と前記ラック棚5に対する宅配商品1のスキャン工程を完了した後の各ラック棚5は、図1(b)に示すようにラック移動台車4により作業者が軽トラックから成る宅配トラック7に荷積みするものである。
【0042】
かかるラック棚5の荷積み工程においては、図示の宅配トラック7には、荷台8の両サイドに備える跳ね上げ式のサイド扉9を跳ね上げて開き、当該サイド扉9側の荷台サイド8aに3ラックを積載するラック棚5を2列積み込む。
【0043】
そして反対側の荷台サイド8bにも同様の方法でラック棚5の積み込みを行うものである。
【0044】
尚、同トラック7の荷台スペースの中央部8cには大型の宅配商品の積み込みが可能となる。
また、前記サイド扉9については開き扉(不図示)により実施することも必要に応じて対応することが可能である。
【0045】
以上の説明から宅配商品1の宅配トラック7への積み込み作業は、前記各工程作業により最終宅配拠点にてコース別に仕分けされた宅配商品1をランダムにスキャンして軽量ラック棚5に配列移載しロケーションコードのスキャンを完了する。
【0046】
また軽量ラック棚5への宅配商品1の荷積みが完了した同ラック棚5を宅配トラック7への荷積みを行い、同宅配トラック7のドライバーを介して積み込み後のラック棚5の各宅配商品1は配送先において前記情報システムを介してドライバーの端末にラック棚5のロケーションが表示されるので各宅配商品1の配列載置コードにより該当の配送先の該当宅配商品1を前記ロケーションの棚ロケにより、配列載置場所を容易に確認でき目的の宅配商品1を取り出すことができるものである。
【0047】
すなわち、宅配ドライバーは宅配作業において荷物を探す手間が軽減されつつ宅配をすることができるものである。
【実施例2】
【0048】
図3は本発明の実施例2を示すもので、当該実施例2の場合には実施例1における宅配トラック7が軽トラックによる実施例を示したがこれを普通のトラックを使用した宅配トラック12による実施例を示すものである。
【0049】
図3(a)のコース別仕分け工程、ラック棚5に対する宅配商品1の配列移載工程と宅配商品1のランダムなスキャン工程に加えるラック棚5におけるラック棚コード、配列スペースコード、ロケーションコード等の情報収集に必要なスキャン工程の実施構成の説明は、実施例1の図1(a)と同様である。
【0050】
図3(b)の宅配トラック12に対する荷積み工程の実施例に加えて宅配先における宅配商品1の取り出し作業についての実施も、図1(b)の宅配トラック7による場合の実施例と同様である。
【0051】
尚、図示の宅配トラック12の荷台13に対するラック棚5はサイド片側において最大片側6ラックを積載することが可能であるとともにラック棚5の各載置棚5aについては、その大きさを適宜設計し得るもので各大きさサイズを異なる設計とした場合を図示している。
【0052】
尚、宅配トラック12の場合は最大6ラックの積載を可能とするが、1ラックに宅配商品1を35個配列載置するとすれば合計210個が宅配トラック12に積み込みできる構成となる。
【0053】
よって、図3の実施例2の場合にも、宅配作業における宅配商品のトラック荷積み、取り出しシステムの実施を遂行することができ、かつ宅配作業におけるドライバーによる荷物の探し作業を軽減することができる。
【0054】
尚、前記実施例1,2の実施における宅配商品のスキャンに加えてラック棚5に対する宅配商品のラック棚5のラック棚コード、載置棚コードおよび配列載置のロケーションコード等、トラック7,12に積み込み後の目的宅配商品1の取り出し、探し出し作業の実施に必要な情報スキャン技術については実施例中のスキャンにおいて公知の必要なスキャン方法を適用した実施が可能である。
【符号の説明】
【0055】
1 宅配商品
2 搬送ライン
3 仕分台
3a スロープ
4 ラック移動台車
5 ラック棚
5a 載置棚
6 配列スペース
7、12 宅配トラック
8,13 荷台
8a、8b 荷台サイド
8c 荷台スペースの中央部
9 扉
10 脱落防止用のゴムバンド
図1
図2
図3