(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-25
(45)【発行日】2022-06-02
(54)【発明の名称】分配装置への補充計画の方法と装置
(51)【国際特許分類】
A01B 69/00 20060101AFI20220526BHJP
A01C 7/08 20060101ALI20220526BHJP
G06Q 50/02 20120101ALI20220526BHJP
【FI】
A01B69/00 303Z
A01C7/08 G
A01C7/08 Z
A01B69/00 303M
G06Q50/02
(21)【出願番号】P 2020551392
(86)(22)【出願日】2019-03-13
(86)【国際出願番号】 US2019022023
(87)【国際公開番号】W WO2019182829
(87)【国際公開日】2019-09-26
【審査請求日】2022-03-10
(32)【優先日】2018-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】505315742
【氏名又は名称】トプコン ポジショニング システムズ, インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100096884
【氏名又は名称】末成 幹生
(72)【発明者】
【氏名】クルバータンズ,ケヴィン
(72)【発明者】
【氏名】バンプ,ジェローム,エー.
【審査官】磯田 真美
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-009027(JP,A)
【文献】特開2005-176741(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0084851(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0278277(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0084711(US,A1)
【文献】国際公開第2017/205218(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01B 69/00 - 69/08
A01C 7/00 - 7/20
G06Q 50/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
農業分配装置の計画経路上において、前記農業分配装置の収納キャリア内の材料が使い尽くされるであろう時間と位置を決定し、
前記時間と前記位置に基いて複数のアクセス点から一つを選択し、
前記選択されたアクセス点は、前記計画経路の一部分および移動式収納装置がアクセス可能な領域を包含し、
前記選択されたアクセス点にて会合する前記農業分配装置と
前記移動式収納装置の補充時間を決定し、
前記計画経路および前記農業分配装置の適用速度に基づいて、前記移動式収納装置から前記農業分配装置へ移されるべき材料の量を決定し、
前記選択されたアクセス点の識別情報
、前記補充時間
および前記移されるべき材料の量を前記農業分配装置および前記移動式収納装置に送信
する農業分配装置の補充計画方法であって、
前記農業分配装置は、前記移動式収納装置が提供を行う複数の農業分配装置のうちの一つであり、
前記複数のアクセス点から一つを選択することと補充時間を決定することは、前記移動式収納装置の利用可能状況に基づいて行われる
ことを特徴とする農業分配装置の補充計画方法。
【請求項2】
前記選択されたアクセス点は、前記農業分配装置の前記計画経路上に位置することを特徴とする請求項1に記載の農業分配装置の補充計画方法。
【請求項3】
前記選択されたアクセス点は、前記計画経路の開始点と前記農業分配装置の前記収納キャリア内の材料が使い尽くされるであろう前記位置との間に位置することを特徴とする請求項1に記載の農業分配装置の補充計画方法。
【請求項4】
前記農業分配装置の収納キャリア内の材料が使い尽くされるであろう前記時間と前記位置を決定することは、前記農業分配装置内の材料量、前記計画経路、前記農業分配装置の
前記適用速度、および前記農業分配装置の速度に基づいて行われることを特徴とする請求項1に記載の農業分配装置の補充計画方法。
【請求項5】
さらに、
前記農業分配装置内の前記材料量を表すデータを前記農業分配装置から受信し、
前記農業分配装置の前記適用速度を表すデータを前記農業分配装置から受信し、
前記農業分配装置の前記速度を表すデータを前記農業分配装置から受信する
ことを特徴とする請求項
4に記載の農業分配装置の補充計画方法。
【請求項6】
前記農業分配装置内の前記材料量は、材料の体積または材料の重量のどちらかに基づくことを特徴とする請求項
4に記載の農業分配装置の補充計画方法。
【請求項7】
前記農業分配装置の前記適用速度および速度は、前記計画経路上で変化することを特徴とする請求項
4に記載の農業分配装置の補充計画方法。
【請求項8】
前記計画経路は、使用者によって特定されることを特徴とする請求項1に記載の農業分配装置の補充計画方法。
【請求項9】
プロセッサと、
コンピュータプログラム命令を格納するメモリ
を備えた装置であって、
前記コンピュータプログラム命令は、前記プロセッサで実行されることで前記プロセッサに動作をさせるものであり、
前記動作は、
農業分配装置の計画経路上において、前記農業分配装置の収納キャリア内の材料が使い尽くされるであろう時間と位置を決定し、
前記時間と前記位置に基いて複数のアクセス点から一つを選択し、
前記選択されたアクセス点は、前記計画経路の一部分および移動式収納装置がアクセス可能な領域を包含し、
前記選択されたアクセス点にて会合する前記農業分配装置と
前記移動式収納装置の補充時間を決定し、
前記計画経路および前記農業分配装置の適用速度に基づいて、前記移動式収納装置から前記農業分配装置へ移されるべき材料の量を決定し、
前記選択されたアクセス点の識別情報
、前記補充時間
および前記移されるべき材料の量を前記農業分配装置および前記移動式収納装置に送信
する農業分配装置の補充計画方法であって、
前記農業分配装置は、前記移動式収納装置が提供を行う複数の農業分配装置のうちの一つであり、
前記複数のアクセス点から一つを選択することと補充時間を決定することは、前記移動式収納装置の利用可能状況に基づいて行われる
ことを特徴とする装置。
【請求項10】
前記選択されたアクセス点は、前記農業分配装置の前記計画経路上に位置することを特徴とする請求項
9に記載の装置。
【請求項11】
前記選択されたアクセス点は、前記計画経路の開始点と前記農業分配装置の前記収納キャリア内の材料が使い尽くされるであろう前記位置との間に位置することを特徴とする請求項
9に記載の装置。
【請求項12】
前記農業分配装置の収納キャリア内の材料が使い尽くされるであろう前記時間と前記位置を決定することは、前記農業分配装置内の材料量、前記計画経路、前記農業分配装置の
前記適用速度、および前記農業分配装置の速度に基づいて行われることを特徴とする請求項
9に記載の装置。
【請求項13】
コンピュータプログラム命令を格納する、コンピュータに読み込み可能な媒体であって、
前記コンピュータプログラム命令は、プロセッサで実行されることで前記プロセッサに動作をさせるものであり、
前記動作は、
農業分配装置の計画経路上において、前記農業分配装置の収納キャリア内の材料が使い尽くされるであろう時間と位置を決定し、
前記時間と前記位置に基いて複数のアクセス点から一つを選択し、
前記選択されたアクセス点は、前記計画経路の一部分および移動式収納装置がアクセス可能な領域を包含し、
前記選択されたアクセス点にて会合する前記農業分配装置と
前記移動式収納装置の補充時間を決定し、
前記計画経路および前記農業分配装置の適用速度に基づいて、前記移動式収納装置から前記農業分配装置へ移されるべき材料の量を決定し、
前記選択されたアクセス点の識別情報
、前記補充時間
および前記移されるべき材料の量を前記農業分配装置および前記移動式収納装置に送信
する農業分配装置の補充計画方法であって、
前記農業分配装置は、前記移動式収納装置が提供を行う複数の農業分配装置のうちの一つであり、
前記複数のアクセス点から一つを選択することと補充時間を決定することは、前記移動式収納装置の利用可能状況に基づいて行われる
ことを特徴とするコンピュータに読み込み可能な媒体。
【請求項14】
前記選択されたアクセス点は、前記農業分配装置の前記計画経路上に位置することを特徴とする請求項
13に記載のコンピュータに読み込み可能な媒体。
【請求項15】
前記選択されたアクセス点は、前記計画経路の開始点と前記農業分配装置の前記収納キャリア内の材料が尽きるであろう前記位置との間に位置することを特徴とする請求項
13に記載のコンピュータに読み込み可能な媒体。
【請求項16】
前記農業分配装置の収納キャリア内の材料が使い尽くされるであろう前記時間と前記位置を決定することは、前記農業分配装置内の材料量、前記計画経路、前記農業分配装置の
前記適用速度、および前記農業分配装置の速度に基づいて行われることを特徴とする請求項
13に記載のコンピュータに読み込み可能な媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互参照
本出願は、本明細書に援用する2018年3月23日出願の米国特許出願第15/934,401号の利益を主張し、その開示は、全て本願に含まれている。
【背景技術】
【0002】
本出願は、概して農業材料の適用に関し、特に、農業分配装置への補充計画に関する。
【0003】
種蒔き機等の農業分配装置は、所定の領域に蒔くための種等の農業材料を保持するための一または複数の収納キャリアを備えている。農業分配装置の収納キャリアは固定された体積を有し、収納キャリア内の材料が蒔かれて使い尽くされると補充することが要求される。農業分配装置の収納キャリアは、種搭載装置等の移動式収納装置から農業材料の補充を受けることができる。農業分配装置の収納キャリア内の材料が使い尽くされると、農業分配装置は、移動式収納装置のホッパーから材料の補充を受ける。
【0004】
補充のため、農業分配装置が移動式収納装置の所へ移動、あるいは逆に移動式収納装置が農業分配装置の所へ移動することができる。あるいは、農業分配装置と移動式収納装置の両方が補充のための所定の位置へ移動することもできる。しかしながら、空の農業分配装置が移動式収納装置からの補充を受けるための領域まで移動しなければならないとなると、材料を蒔くために消費することができるはずだった時間が失われる。また、農地上を移動する移動式収納装置によって、植物が植えられた農地等の領域が悪影響を受けるおそれもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
農業上の速度管理方法として知られる米国特許第9,338,938号では、植え付け、適用、収穫や同様の作業における農業的速度の自動管理が提供されている。一態様においては、農地の農作物へ肥料を適用する散布機の操作者が、散布機の経路上の所望の位置にて肥料が尽きるように求める。散布機の自動操縦は、散布機内の肥料の量、肥料の放出速度、および経路上の所望の位置までの時間を推定する。そこで自動操縦は、所望の位置において肥料が尽きるように、放出速度を調整する。好ましくないことに、放出速度の調節を行うと、農作物に与えられる肥料が多過ぎたり少な過ぎたりすることが起こり得る。
【課題を解決するための手段】
【0007】
農業分配装置に農業材料の補充を行うため、農業上の補充計画方法は、補充時間および移動式収納装置のアクセス点を決定する。過剰の時間が損失されないように、また、植物が植えられた農地等の領域に農業分配装置または移動式収納装置の動作によって悪影響が及ばないように、補充時間とアクセス点が選択される。
【0008】
本発明の方法の一実施形態においては、農業分配装置の予定経路上において、前記農業分配装置の収納キャリア内の農業材料が使い尽くされるであろう時間と位置を決定するステップが含まれる。分配装置内の農業材料の量、計画経路、および農業分配装置の適用速度に基づいて、収納キャリア内にある農業材料を農業分配装置がいつ使い尽くすか決定することができる。
【0009】
農業分配装置と移動式収納キャリアが会合すべき複数のアクセス点のうちの一つは、農業分配装置の収納キャリア内の材料が使い尽くされるであろう時間と位置に基づいて選択される。一実施形態においては、選択されたアクセス点は、計画経路の開始点と、農業分配装置の前記収納キャリア内の材料が使い尽くされるであろう位置との間に位置する。一実施形態においては、選択されたアクセス点は、農業分配装置の計画経路上に位置する。アクセス点は、計画経路の一部分および移動式収納装置がアクセス可能な領域を包含することができる。農業分配装置と移動式収納キャリアが選択されたアクセス点で会合しての補充時間が決定される。選択されたアクセス点の識別情報および補充時間は農業装置および移動式収納装置に送信される。
【0010】
農業分配装置の収納キャリア内にある農業材料の量および使用速度を表す農業分配装置からのデータは、農業分配装置から、移動式収納装置にも接続された計画用コンピュータに送信することができる。農業分配装置内にある農業材料の量は、農業材料の体積および重量に基づくことができる。
【0011】
移動式収納装置から農業分配装置へ移送すべき農業材料の量は、計画経路および農業分配装置の適用速度に基づいて決定することができる。一実施形態においては、農業分配装置および移動式収納装置がアクセス点にて会合した際の充填時間は、農業分配装置の計画経路に基づいて決定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図4】通信範囲内において計画用コンピュータと共に移動式収納装置および農業分配装置が配置された農場を示す。
【
図5】アクセス点に位置する移動式収納装置に接近する農業分配装置を示す。
【
図6】実施形態における農業分配装置の充填計画の方法のフローチャートを示す。
【
図7】計画用コンピュータおよび/または農業分配装置または移動式収納装置のためのコントローラを実行することができるコンピュータの高レベルブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
農業分配装置の補充計画の方法および装置は、植え付け機等の分配装置の収納キャリア内の材料量を検知する。また、農地等の領域に適用が要求される材料量も決定される。適用が要求される材料量が収納容器内の材料量より大きい場合、移動式収納装置(例えば種搭載機)から材料を補充するための時間と場所が決定される。農業分配装置の補充が生じる時間は、補充時間として参照される。農業分配装置の補充が生じる場所は、アクセス点として参照される。一実施形態においては、アクセス点は、農業分配装置が農業材料を適用する農地の部分や、移動式収納装置がアクセス可能な農地沿いの道路の部分といった農地外の部分を含む領域である。農業分配装置と移動式収納装置が会合する充填時間とアクセス点とは、計画コンピュータによって決定され、移動式収納装置および農業分配装置に送信される。
【0014】
図1は、ホッパー102および材料を移送するためのブーム104を備えた移動式収納装置100を示す。柔軟性を有する分配ノズル106がブーム104の放出側の端部に位置しており、それにより使用者は移動式収納装置100から放出される材料の向きを決めることができる。一実施形態においては、ホッパー102には、材料をホッパー102からブーム104の受容端部に流すことができる図示しない放出ドアが備えられている。ブーム104は、オーガー、コンベア、またはブーム104の受容端部からブーム104の放出端部へ材料を移動させるための他の装置のうち、一または複数を備えている。種搭載機等の移動式収納装置100は、種蒔き機等の農業分配装置といった他の装置に材料を充填または補充することに使用することができる。
【0015】
図2は、この例においては種蒔き機である農業分配装置200を示し、収納キャリア202、204と、複数の適用装置206A~206Lを備える。種蒔きのための種等の材料は、収納キャリア202、204に搭載され、適用装置206A~206Lを経由して農地等の表面に分配される。
【0016】
農業分配装置200および移動式収納装置100には、それらが現時点で運んでいる農業材料の量を決定するために測定装置が搭載されている。農業分配装置200はまた、材料の適用速度を測定するためにも搭載された測定装置を使用する。農業分配装置200には、領域全体あるいは領域の一部に農業材料を適用するために、農業材料が充填される。農業分配装置200が計画経路に沿って移動するにつれ、領域に材料が適用されていくので、材料は収納キャリア202、204から使い尽くされる。農業分配装置が領域の端部や側部に到達する前に収納キャリア202、204内にある農業材料を完全に使い尽くさない場合、材料適用工程効率が向上する。例えば、農業分配装置が農地の中間地点に位置している時に農業分配装置200の収納キャリア202、204内の農業材料が消費し尽された場合、農業分配装置は、移動式収納装置100から追加の農業材料を受け取れる場所まで移動しなければならない。材料を分配できない状態で農業分配装置200が移動することは時間と費用の浪費である。農業分配装置200に補充する場所としてアクセス点を利用することで、移動式収納装置100が農地上を移動する際に表面を打撃して農地に悪影響を与えたり農作物を傷めることが防止される。両装置にとっての不要な移動や農地を横切る移動の機会を減少させるため、アクセス点および補充時間を決定することができる。
【0017】
農業分配装置200の操作効率を向上させるため、農業分配装置が移動式収納装置100から材料の補充を受ける補充時間とアクセス点が決定される。一実施形態においては、補充のための補充時間とアクセス点は、いつ、どこで、そしてどの量の追加の農業材料を農業分配装置200に搭載することを要するのか等の情報に基づく。この情報は、移動式収納装置100および農業分配装置200を、決定された補充時間にて選択されたアクセス点に向かわせるのに利用することができる。
【0018】
アクセス点において移動式収納装置100から農業材料を農業分配装置200に搭載することが好ましい。一実施形態においては、
図3に示す計画コンピュータが、移動式収納装置100が農業分配装置200に材料を搭載するためのアクセス点と補充時間を統合する。単一の移動式収納装置によって複数の農業分配装置が稼働する場合、補充のために各農業分配装置がどこにいつ位置するべきかということに関する情報を計画コンピュータによって実行されるアルゴリズムに基づいて更新することは、装備の効率的な利用のための動作を統合するのに有用である。
【0019】
図3は、移動式収納装置100、農業分配装置200および計画コンピュータ300を備えた分配装置補充計画のためのシステムを示す。
図3に示すように、移動式収納装置100、農業分配装置200および計画コンピュータ300間の矢印は、装置およびコンピュータ間の通信を示す。一実施形態においては、移動式収納装置100、農業分配装置200および計画コンピュータ300は、無線通信周波数を使用した無線で通信を行う。一実施形態においては、移動式収納装置100と農業分配装置200のそれぞれに位置するセンサ105、205は、それぞれのコントローラ101、201と通信する。例えば、センサは、移動式収納装置100および/または農業分配装置201の材料の体積、重量、密度、種類、成熟度を検知し、それぞれのコントローラへデータを送信する。全地球的航法衛星システム(GNSS)受信機103、203もまた、それぞれのコントローラ101、201と通じている。移動式収納装置100および農業分配装置200のそれぞれのコントローラ101、201は、センサと位置のデータを計画コンピュータ300に送信することができる。一実施形態においては、センサと位置のデータは、コントローラ101、201によって収集され、計画コンピュータに定期的に送信される。コントローラ101、201はまた、センサと位置のデータを計画コンピュータに即時に送信することもできる。計画コンピュータ300は、センサと位置のデータを計画経路情報に連動させて使用し、一または複数の農業分配装置がいつどこで農業材料の補充を受ける必要があるか決定する。
【0020】
計画コンピュータ300は、移動式収納装置100および農業分配装置200から遠方に位置し、これらと通信する。一実施形態においては、計画コンピュータ300は、複数の移動式収納装置および農業分配装置が計画コンピュータ300と無線通信状態となるよう位置する。例えば、比較的大規模農場では、計画コンピュータは農場中央付近に位置し、農場内の異なる農地にある機械が計画コンピュータ300と通信可能とされる。一実施形態においては、農場の異なる領域に位置する一または複数の受信機は、機械からの情報を受信しその情報を計画コンピュータ300に送信することができる。
【0021】
図4は、アクセス道路414、416、418、420で区切られた4つの農地402A、402B、402C、402Dを含む領域400を示す。この例では、農地402A、402B、402C、402Dに農業分配装置200によって種が蒔かれる。この例では、農業分配装置200は農地402Dにすでに種を蒔き終え、現在農地402Bに種を蒔いている。横断経路422は、農業分配装置200がすでに移動した計画経路の一部分であり実線で示される。横断すべき経路424は、農業分配装置200がまだ移動していない計画経路の一部分であり破線で示される。矢印426は、農業分配装置200が計画経路の部分に沿って移動する方向を示す。農業分配装置200が農地402Bに種を蒔くことを完了できるほどの十分な種を有していないことが決定されている。農業分配装置200および移動式収納装置100からのデータに基づき、計画コンピュータ300は、農業分配装置200および移動式収納キャリア100がアクセス点404にて特定の補充時間にて会合するべきであると決定する。
【0022】
図5は、農業分配装置200に農業材料を積載することができるアクセス点404における移動式収納装置100を示す。
図5に示すアクセス点404は、アクセス点404、406、408および410の中から、農業分配装置200がいつどこで収納キャリア202、204内の農業材料を使い尽くすことが予測されるかに基づいて選択された。一実施形態においては、アクセス点は、農業分配装置200および移動式収納装置が収納キャリア202、204を補充するために位置する領域である。アクセス点は、農業分配装置200の計画経路に沿って位置させることができる。アクセス点は、農業分配装置200の計画経路および移動式収納装置100によるアクセス可能な領域の部分を包含することができ、それは農業分配装置200が稼働している農地に隣接するアクセス道路等である。
【0023】
収納キャリア202、204内の材料を使い尽くす際に農業分配装置200が位置すると予測されている場所は、計画コンピュータ300によって決定され、
図5で符号412と記載されたXとして特定される。一実施形態においては、農業分配装置200が収納キャリア202、204内の材料を使い尽くす場所は、収納キャリア202、204内の材料の量、農業分配装置200の適用速度、および農業分配装置の計画経路に基づく。計画経路とは、それに沿って農業分配装置200が移動する経路である。計画経路は、使用者が農業分配装置200のコントローラ201に入力した新たな経路とすることもできるし、計画コンピュータ300に格納されたすでに存在する計画経路とすることもできる。一実施形態においては、存在する計画経路は、コントローラ201からの位置データに基づく農業分配装置が横断した農地の過去の経路に基づき、生成される。
【0024】
例えば、収納キャリア202、204が10000ポンド(4536kg)の農業材料を有して農業分配装置が農業材料を1フィート(0.3048m)移動する毎に1ポンド(0.4536kg)適用する場合、農業分配装置は、10000フィート(3048m)移動した後に収納キャリア内の材料を使い尽くす。農業分配装置は、計画経路に沿って移動しているため、計画経路上のどこで収納キャリア202、204内の材料が使い尽くされるか決定することができる。
【0025】
収納キャリア202、204内の材料が使い尽くされる時間は、農業分配装置200が収納キャリア202、204内の農業材料を使い尽くすまでに移動することができる距離を農業分配装置の移動速度で割ることで求められる。例えば、10000フィート(3048m)を1フィート/秒(0.3048m/秒)の速度で割ると、10000秒(約167分)となる。
【0026】
アクセス点404は、例えば
図5で符号412を付した「X」で示す農業分配装置200が収納キャリア202、204内の材料を使い尽くす位置に基づき、アクセス点404、406、408、410から選択される。
図5に示すように、農業分配装置は、農地402Bの第5経路のほぼ中間において収納キャリア202、204内の農業材料を使い尽くすと予測される。このように、農業分配装置200は、アクセス点410に到達する前に補充することが必要である。アクセス点404は、農業分配装置が収納キャリア202、204内の農業材料を使い尽くす前に農業分配装置200が到着する計画経路に沿った最後のアクセス点である。このように、アクセス点404は、農業分配装置200および移動式収納装置100が収納キャリア202、204を補充するために会合する位置として選択される。移動式収納装置100は、移動式収納装置の経路428として示すようにアクセス道路414に沿ってアクセス点404に移動する。移動式収納装置100は、例えば農地402Bおよび/または更なる農地への種蒔きを完了するのに要求される量といった様々な因子に基づく量の種を農業分配装置200に搭載する。
【0027】
一実施形態においては、選択されたアクセス点において移動式収納装置100および農業分配装置200が会合しての補充時間は、農業分配装置200がいつ選択アクセス点に到達するかと、移動式収納装置100が利用可能かどうかとに基づいて決定される。例えば、計画経路に沿って位置し、農業分配装置200が収納キャリア202、204内の材料を使い尽くす位置の直前のアクセス点が選択され、農業分配装置200がその選択アクセス点に到達する時間が決定される。もし移動式収納装置100がその決定された時間において選択アクセス点で会合可能である場合は、その選択アクセス点と時間は許容可能である。もし移動式収納装置100がその決定された時間において会合不可能である場合は、その選択アクセス点より前に農業分配装置200が到達可能である計画経路上の他の代替アクセス点が決定され、農業分配装置200がその代替アクセス点に到達する代替時間が決定される。もし移動式収納装置100がその決定された代替時間において利用可能である場合は、その代替アクセス点とその代替時間が選択される。もし移動式収納装置100がその代替時間においても利用不可能である場合は、さらに他の代替アクセス点を選択するプロセスが、代替アクセス点と代替時間が選択されるまで上述のとおり継続される。
【0028】
図6は、一実施形態における分配装置補充計画方法のフローチャート
図600を示す。ステップ602において、農業分配装置200内の農業材料の量を表すデータが計画コンピュータ300に受信される。農業分配装置200内の農業材料の量は、農業分配装置200に位置するセンサ205を使用して決定される。一実施形態においては、農業分配装置に位置するセンサ205は、農業分配装置200内にある材料の体積および/または重量を決定することができる。ステップ604において、農業分配装置200の農業材料の適用速度を表すデータが計画コンピュータ300に受信される。適用速度は、1平方フィート(0.0929平方メートル)あたりの材料の重量や体積、農業分配装置200が移動した距離等、様々な単位で示される。なお、農業分配装置200の速度およびその適用速度は計画経路上で変化し得る。一実施形態においては、農業分配装置をいつ補充すべきかという計画をするに際して、変化する速度と適用速度は考慮に入れられる。
【0029】
一実施形態においては、農業分配装置200内の農業材料の量を表すデータおよび農業材料の適用速度を表すデータは、計画コンピュータ300によって即時に受信することができる。例えば、一実施形態においては、農業分配装置200内にある農業材料の体積および/または重量は、センサ205によって決定され、計画コンピュータ300に送信される。これにより、農業分配装置200内にある農業材料の体積および/または重量を計算させることができる。農業材料の体積および/または重量の即時または定期的な計算は、仮定を行う上で多大な利益をもたらす。例えば、即時または定期的な計算によれば、いつ農業分配装置が補充の必要があるかといった、いつ様々な出来事が起こるかをより正確に決定することができる。
【0030】
ステップ606において、計画コンピュータ300は、農業分配装置200の計画経路上においていつ農業分配装置200は収納キャリア202、204内の農業材料を使い尽くすかの時間と場所を決定する。一実施形態においては、農業分配装置200が農業材料を使い尽くす時間と場所を決定することは、農業分配装置200内の農業材料の量、農業分配装置200の計画経路、農業分配装置200の速度、および農業分配装置200の農業材料の適用速度に基づく。
【0031】
ステップ608において、複数のアクセス点404、406、408、410の中から例えば
図4および5のアクセス点404等のアクセス点が選択される。選択されたアクセス点は、収納キャリア202、204内の材料が使い尽される農業分配装置200の計画経路上の時間と位置に基づく。
【0032】
一実施形態においては、農業分配装置200が自身の収納キャリア202、204内の農業材料を使い尽くす前に到着するアクセス点として、特定のアクセス点が選択される。一実施形態においては、計画経路の開始点と、農業分配装置の収納キャリア内の材料が使い尽される位置との間に、選択アクセス点が位置する。選択された特定アクセス点はまた、移動式収納装置100が例えば現在移動中でないとか、他の分配装置に対して補充中でないといった、いつ利用可能になるかに基づいても選択される。
【0033】
ステップ610において、アクセス点404での移動式収納装置100および農業分配装置200の補充時間が決定される。一実施形態においては、補充時間は、農業分配装置200の計画経路、農業分配装置200の移動速度、および移動式収納装置100の利用可否に基づいて決定される。なお、移動式収納装置100および農業分配装置200は、異なる時間に到着してもよい。例えば、農業材料の移送のための準備時間を操作者に与えるために、移動式収納装置100は特定されたアクセス点に農業分配装置よりも早く到着することができる。農業分配装置200は、移動式収納装置100よりも早くアクセス点404に到着してもよい。
【0034】
ステップ612において、移動式収納装置100から農業分配装置200へ移送すべき農業材料の量が決定される。一実施形態においては、農業分配装置200へ移送すべき農業材料の量は、農業分配装置200の計画経路および適用速度に基づく。
【0035】
ステップ614において、アクセス点、補充時間、および移送すべき材料の量を表すデータは、計画コンピュータ300から移動式収納装置100および農業分配装置200に送信される。
【0036】
移動式収納装置100および農業分配装置200に搭載される種等の材料の仕様は、計画コンピュータ300によって特定され格納される。一実施形態においては、機械に搭載すべき材料と関連したバーコードが使用者によってスキャンされ、その情報が日付け/時間、位置等の付加的な関連情報と共に計画コンピュータ300に送信される。
【0037】
単一の移動式収納装置が複数の農業分配装置を支持することができる。一実施形態においては、それぞれの農業分配装置の充填はさらに、複数の農業分配装置に対して稼働中の移動式収納装置の利用可否に基づく。例えば、農業分配装置の補充は、それぞれの分配装置の位置、いつ各農業分配装置が種を切らすことが予測されるか、および移動式収納装置の位置と移動時間に基づいて優先順位付けおよび/または最適化をすることが可能である。
【0038】
移動式収納装置100から農業分配装置200への材料の移送は、記録することができる。一実施形態においては、農業分配装置200または移動式収納装置100の一方のコントローラへの使用者の入力は、計画コンピュータへ送信するべきデータを生じ、格納される。材料の分配もまた、移動式収納装置100または農業分配装置200から計画コンピュータ300へ自動的に送信されて格納されることができる。
【0039】
一実施形態においては、領域、適用される材料および計画経路を含む農地のデータは計画コンピュータ300によって格納される。農地のデータは、ほぼいつ分配装置の材料が切れるか決定するために使用される。一実施形態においては、実際の適用速度や実際の経路を含む材料の実際の適用に関するデータは、農業分配装置200から計画コンピュータ300に送信される。計画経路および適用速度と、実際の経路および適用速度との間の差異は、いつ補充が起こるかを計画するための時間や位置を修正することに利用することができる。
【0040】
一実施形態においては、計画コンピュータ300および移動式収納装置100および農業分配装置200に位置するコントローラ101、201は、コンピュータを使用して実行することができる。そのようなコンピュータの高レベルブロック図を
図7に示す。コンピュータ702は、該当する操作を定義するコンピュータプログラム命令を実行することによってコンピュータ702の全体の操作を制御するプロセッサ704を含む。コンピュータプログラム命令は、記憶装置712または磁気ディスク、CD-ROM等の他のコンピュータが可読な媒体に格納され、コンピュータプログラム命令の実行が要求されるときにメモリ710に読み出される。このようにして、
図6の方法のステップは、メモリ710および/または記憶装置712に格納されたコンピュータプログラム命令によって定義することができ、かつコンピュータプログラム命令を実行する計画コンピュータ300のプロセッサ704によりコントロールすることができる。例えば、コンピュータプログラム命令は、
図6の方法ステップにより定義されたアルゴリズムを行うために当該分野における当業者によってプログラムされた計画コンピュータ300上のコンピュータ実行可能なコードとして、実行することができる。したがって、コンピュータプログラム命令を実行することによって、計画コンピュータ300のプロセッサ704は、
図6の方法のステップで定義されたアルゴリズムを実行する。コントローラ101と201のプロセッサもまた、
図6の方法のステップによって定義されたアルゴリズムを実行するためのコンピュータプログラム命令を実行するように形成することができる。コンピュータ702は、ネットワークを介して他の装置と通信するための一または複数のネットワークインターフェース706も有する。コンピュータ702は、コンピュータ702と使用者との対話を可能にする例えばディスプレイ、キーボード、マウス、スピーカー、ボタン等の入出力装置708も含む。実際のコンピュータの実行には同様に他の要素も含むものであり、
図7は理解を助ける目的のためのそのようなコンピュータいくつかの要素の高レベルな描写であることは当該分野の当業者であれば認識されるであろう。
【0041】
上述の詳細な説明は、あらゆる点で理解を助けるためや例示のためであり、制約のためではないと理解されるべきであり、本願で開示する発明概念の範囲は、詳細な説明から決定されるものではなく、特許法で許容される全容にしたがって翻訳されるクレームから決定される。本願で開示され描写された実施形態は、発明概念の原則の描写に過ぎず、本分野の当業者であれば発明概念の範囲と本質から離れることなく種々の変形が実行されるであろう。当業者であれば、発明概念の範囲と本質から離れることなく種々の他の特徴の組み合わせを実行することができるであろう。