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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-25
(45)【発行日】2022-06-02
(54)【発明の名称】内視鏡
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/00 20060101AFI20220526BHJP
   G02B 23/26 20060101ALI20220526BHJP
   G02B 13/04 20060101ALN20220526BHJP
   G02B 15/15 20060101ALN20220526BHJP
【FI】
A61B1/00 731
A61B1/00 735
G02B23/26 B
G02B23/26 C
G02B13/04 D
G02B15/15
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020554615
(86)(22)【出願日】2018-10-29
(86)【国際出願番号】 JP2018040112
(87)【国際公開番号】W WO2020089967
(87)【国際公開日】2020-05-07
【審査請求日】2021-04-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123962
【弁理士】
【氏名又は名称】斎藤 圭介
(72)【発明者】
【氏名】片倉 正弘
【審査官】永田 浩司
(56)【参考文献】
【文献】特許第5989290(JP,B1)
【文献】特許第5593004(JP,B2)
【文献】特開2004-313523(JP,A)
【文献】米国特許第5774212(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00
G02B 23/00
G02B 13/00
G02B 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の照明光学系と、
対物光学系と、
光路分割部材と、を備え、
前記光路分割部材は、第1の光路と第2の光路を形成する光学素子を有し、
前記第1の光路の光路長は、前記第2の光路の光路長と異なり、
前記複数の照明光学系から、物体に照明光が照射され、
前記対物光学系は、最も物体側に位置する物体側入射面を有し、
前記複数の照明光学系の各々は、最も物体側に位置する物体側出射面を有し、
前記物体側出射面の各々は、前記物体側入射面よりも像側に位置し、
前記対物光学系は、光軸方向に移動するレンズを有し、
前記レンズを移動させることによって、拡大観察と通常観察とが切り替え可能であり、
以下の条件式(1)、(2)、(3)を満足することを特徴とする内視鏡。
2.0<Dmin/OPLdiff<50 (1)
0.1<Dmin 2 /(OPLdiff×Dfocus)<30 (2)
1.01<ω(wide)/ω(tele)<5.0 (3)
ここで、
Dminは、奥まり量のうち、最小となる奥まり量であり、前記奥まり量は、前記物体側入射面から前記物体側出射面までの光軸方向の距離、
OPLdiffは、前記第1の光路の光路長と前記第2の光路の光路長との差、
Dfocusは、前記レンズの移動量、
ω(wide)は、通常観察状態における前記対物光学系の画角、
ω(tele)は、拡大観察状態における前記対物光学系の画角、
である。
【請求項2】
以下の条件式(4)を満足することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
0.2<Dave 2 /(OPLdiff×Dfocus)<50 (4)
ここで、
Daveは、奥まり量の平均であり、前記奥まり量は、前記物体側入射面から前記物体側出射面までの光軸方向の距離、
OPLdiffは、前記第1の光路の光路長と前記第2の光路の光路長との差、
Dfocusは、前記レンズの移動量、
である。
【請求項3】
以下の条件式(5)を満足することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
0.3<Dmax 2 /(OPLdiff×Dfocus)<80 (5)
ここで、
Dmaxは、奥まり量のうち、最大となる奥まり量であり、前記奥まり量は、前記物体側入射面から前記物体側出射面までの光軸方向の距離、
OPLdiffは、前記第1の光路の光路長と前記第2の光路の光路長との差、
Dfocusは、前記レンズの移動量、
である。
【請求項4】
前記照明光の光量と射出角度は、前記複数の照明光学系の全てで、略同一であることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
【請求項5】
3つの前記照明光学系を有することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は内視鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の照明光学系を備えた内視鏡が知られている。照明光学系を複数用いることで、視野を均一な明るさで照明できる。
【0003】
特許文献1には、第1の照明光学系と第2の照明光学系とを備えた内視鏡が開示されている。光照射角と出射光量は、第1の照明光学系と第2の照明光学系とで異なる。この内視鏡の照明光学系では、照明角度の調整と光量の制限とができる。そのため、この内視鏡は、照明ムラを少なくするという点で優れている。
【0004】
特許文献2には、3つの照明光学系を備えた内視鏡が開示されている。3つの照明光学系では、最先端部のレンズ面の各々は、観察光学系の最先端のレンズ面よりも基端側に位置している。照明光学系が3次元的に配置されているため、照明ムラを低減することが容易である。
【0005】
特許文献3には、対物光学系と光路分割手段とを備えた内視鏡システムが開示されている。光路分割手段によって、ピントの異なる2つの光学像が形成される。2つの光学像から、被写界深度の深い画像が得られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特許第5075658号公報
【文献】特許第5989290号公報
【文献】特許第5593004号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1では、照明光学系の最先端のレンズ面が、対物光学系の最先端のレンズ面よりも基端側に配置されていない。すなわち、照明光学系のレイアウトが最適化されているとは言えない。そのため、照明ムラを十分に低減できていない。
【0008】
特許文献2では、被写界深度が狭い場合は、照明ムラを十分低減できる。しかしながら、被写界深度が広くなると、照明ムラを十分に低減できない。
【0009】
特許文献3では、2つの照明光学系が用いられている。しかしながら、照明光学系の最先端のレンズ面の位置と、対物光学系の最先端のレンズ面の位置との関係については、開示されていない。
【0010】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであって、ムラの少ない照明が可能で、被写界深度の広い画像が取得できる内視鏡を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の少なくとも幾つかの実施形態に係る内視鏡は、
複数の照明光学系と、
対物光学系と、
光路分割部材と、を備え、
光路分割部材は、第1の光路と第2の光路を形成する光学素子を有し、
第1の光路の光路長は、第2の光路の光路長と異なり、
複数の照明光学系から、物体に照明光が照射され、
対物光学系は、最も物体側に位置する物体側入射面を有し、
複数の照明光学系の各々は、最も物体側に位置する物体側出射面を有し、
物体側出射面の各々は、物体側入射面よりも像側に位置し、
対物光学系は、光軸方向に移動するレンズを有し、
レンズを移動させることによって、拡大観察と通常観察とが切り替え可能であり、
以下の条件式(1)、(2)、(3)を満足することを特徴とする。
2.0<Dmin/OPLdiff<50 (1)
0.1<Dmin 2 /(OPLdiff×Dfocus)<30 (2)
1.01<ω(wide)/ω(tele)<5.0 (3)
ここで、
Dminは、奥まり量のうち、最小となる奥まり量であり、奥まり量は、物体側入射面から物体側出射面までの光軸方向の距離、
OPLdiffは、第1の光路の光路長と第2の光路の光路長との差、
Dfocusは、レンズの移動量、
ω(wide)は、通常観察状態における対物光学系の画角、
ω(tele)は、拡大観察状態における対物光学系の画角、
である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ムラの少ない照明が可能で、被写界深度の広い画像が取得できる内視鏡を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本実施形態の内視鏡を示す図である。
図2】本実施形態の内視鏡を示す図である。
図3】照明ムラの様子を示す図である。
図4】被写界深度の概要を示す図である。
図5】実施例1の対物光学系の断面図である。
図6】実施例1の対物光学系の収差図である。
図7】実施例2の用対物光学系の断面図である。
図8】実施例2の対物光学系の収差図である。
図9】実施例3の対物光学系の断面図である。
図10】実施例3の対物光学系の収差図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明にかかる内視鏡実施形態及び実施例を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態及び実施例によりこの発明が限定されるものではない。
【0015】
本実施形態の内視鏡は、複数の照明光学系と、対物光学系と、光路分割部材と、を備え、光路分割部材は、第1の光路と第2の光路を形成する光学素子を有し、第1の光路の光路長は、第2の光路の光路長と異なり、複数の照明光学系から、物体に照明光が照射され、対物光学系は、最も物体側に位置する物体側入射面を有し、複数の照明光学系の各々は、最も物体側に位置する物体側出射面を有し、物体側出射面の各々は、物体側入射面よりも像側に位置し、以下の条件式(1)を満足することを特徴とする。
2.0<Dmin/OPLdiff<50 (1)
ここで、
Dminは、奥まり量のうち、最小となる奥まり量であり、奥まり量は、物体側入射面から物体側出射面までの光軸方向の距離、
OPLdiffは、第1の光路の光路長と第2の光路の光路長との差、
である。
【0016】
本実施形態の内視鏡を図1図2に示す。図1は、内視鏡の先端部の正面図である。図2は、内視鏡の先端部の断面図である。断面図は、図1に示す線X-Xにおける断面図である。
【0017】
内視鏡1は、対物光学系2Aと、光路分割部材2Bと、複数の照明光学系3と、を備える。対物光学系2Aと光路分割部材2Bとで、対物ユニット2が形成されている。対物ユニット2と複数の照明光学系3は、挿入部の先端部4に配置されている。先端部4には、鉗子口5が形成されている。
【0018】
対物光学系2Aは、例えば、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、明るさ絞りと、正の屈折力を有する第3レンズ群と、を有する。
【0019】
第1レンズ群には、光学フィルタが配置されている。ただし、光学フィルタを配置する場所は、第1レンズ群に限られない。また、光学フィルタは配置されていなくても良い。
【0020】
光路分割部材2Bは、対物光学系2Aの像側に配置されている。光路分割部材2Bは、光学素子を有する。光学素子は、光学面を有する。光学面では、入射光が、反射光と透過光に分かれる。その結果、例えば、反射光の進行方向に第1の光路が形成され、透過光の進行方向に第2の光路が形成される。このように、光路分割部材2Bで、第1の光路と第2の光路が形成される。
【0021】
第1の光路には、第1の光学像が形成される。第2の光路には、第2の光学像が形成される。第1の光学像と第2の光学像は、同一平面上に形成される。ただし、対物ユニット2では、第1の光路の光路長は、第2の光路の光路長と異なる。そのため、2つの光学像が形成される平面と共役な物体位置は、第1の光路と第2の光路とで異なる。このように、対物ユニット2では、物体位置が異なる2つの光学像が形成される。
【0022】
第1の光学像と第2の光学像を撮像することで、第1の画像と第2の画像が得られる。第1の画像と第2の画像の各々には、ピントの合った領域と、ピントの合っていない領域が含まれている。そこで、ピントの合った領域だけを使って画像を合成する。このようにすることで、被写界深度が広がった画像を取得することができる。
【0023】
複数の照明光学系3は、照明光学系3Aと、照明光学系3Bと、照明光学系3Cと、を有する。照明光学系3A、照明光学系3B、及び照明光学系3Cは、対物ユニット2の周囲に設けられている。
【0024】
照明光学系3Aと照明光学系3Cは、各々、光ファイババンドル6と、レンズ群7と、を有する。図示されていないが、照明光学系3Bも、光ファイババンドル6と、レンズ群7と、を有する。
【0025】
光ファイババンドル6は、光源(不図示)からの照明光Lを、レンズ群7まで導光する。レンズ群7は、光ファイババンドル6の出射端に配置されている。レンズ群7によって、照明光が発散光として先端部4から射出される。照明光は、物体OBに照射される。
【0026】
照明光学系の数は、3つに限定されない。照明光学系の数は、2つ、または4つ以上であってもよい。
【0027】
対物光学系2Aは、物体側入射面Sobを有する。物体側入射面Sobは、対物光学系2Aにおいて最も物体側に位置している。
【0028】
照明光学系3Aは、物体側出射面SAillを有する。物体側出射面SAillは、照明光学系3Aおいて最も物体側に位置している。照明光学系3Bは、物体側出射面SBillを有する。物体側出射面SBillは、照明光学系3Bおいて最も物体側に位置している。照明光学系3Cは、物体側出射面SCillを有する。物体側出射面SCillは、照明光学系3Cおいて最も物体側に位置している。
【0029】
照明光学系3Aの光軸、照明光学系3Bの光軸、及び照明光学系3Cの光軸は、対物光学系2Aの光軸と略平行である。また、物体側入射面Sob、物体側出射面SAill、物体側出射面SBill、及び物体側出射面SCillは平面で、各面の法線は略平行である。よって、照明光Lの出射方向と対物光学系2Aにおける観察方向とが、略平行になる。
【0030】
照明光学系3Aからは、照明光LAが射出される。照明光学系3Cからは、照明光LCが射出される。照明光LAの一部と照明光LCの一部とによって、観察光学系3の視野Fが照明される。図示はしないが、照明光学系3Bからも、照明光が射出される。照明光学系3Bから射出された照明光の一部も、視野Fを照明する
【0031】
視野Fは、3方向から照明される。視野Fにおける照度分布は、照明光学系3Aからの照明光LA、照明光学系3Bからの照明光、及び照明光学系3Cからの照明光LCの足し合わせたものとなる。
【0032】
図2に示すように、内視鏡1では、物体側出射面SAillと物体側出射面SCillは、物体側入射面Sobよりも像側に位置している。また、図2では、照明光学系3Bは図示されていないが、矢印Pで示す位置が物体側出射面SBillの位置である。よって、物体側出射面SBillも、物体側入射面Sobよりも像側に位置している。
【0033】
物体側出射面SAillは、物体側出射面SCillよりも像側に位置している。また、物体側出射面SBillは、物体側出射面SAillよりも像側に位置している。この様に、物体側入射面から物体側出射面までの距離(以下、「奥まり量」という)は、各照明光学系で異なる。内視鏡1では、奥まり量の関係は、以下のようになっている。
Db<Da<Dc
ここで、
Daは、物体側入射面Sobから物体側出射面SAillまでの距離、
Dbは、物体側入射面Sobから物体側出射面SBillまでの距離、
Dcは、物体側入射面Sobから物体側出射面SCillまでの距離、
である。
【0034】
上述のように、本実施形態の内視鏡では、被写界深度が広がった画像を取得することができる。これは、対物ユニット2が、第1の光路と第2の光路とを有すると共に、第1の光路の光路長と第2の光路の光路長との間に差を有しているからである。
【0035】
第1の光路の光路長と第2の光路の光路長の差(以下、「光路長差」という)を大きくすればするほど、被写界深度が広がる。被写界深度が広がると、被写界深度における遠点の位置は、対物ユニット2から遠ざかる。また、被写界深度における近点の位置は、対物ユニット2に近づく。
【0036】
照明ムラの様子を図3に示す。図3には、被写界深度が広がる前の近点の位置POB1と、被写界深度が広がった後の近点の位置POB2が示されている。また、参考として、近点の位置POB3が示されている。近点の位置POB3は、近点の位置POB2よりも対物ユニット2の近くに位置している。
【0037】
照明光学系3Aから射出された照明光LAの照明範囲は、照明光学系から物体までの距離に応じて変化する。照明光学系3Bと照明光学系3Cについても、同様である。
【0038】
物体位置が位置POB1の場合、位置POB1では、照明光LAの一部と照明光LCの一部とが重なっている。2つの照明光が重なっている範囲が、太線で示されている。2つの照明光が重なっている範囲は、視野Fと略一致している。この場合、視野Fでの照明ムラは少ない。
【0039】
物体位置が位置POB2の場合、位置POB2でも、照明光LAの一部と照明光LCの一部とが重なっている。2つの照明光が重なっている範囲が、太線で示されている。2つの照明光が重なっている範囲は、視野Fの一部に限られている。
【0040】
この場合、2つの照明光が重なっている範囲と、2つの照明光が重なっていない範囲とで、照明光の明るさに違いが生じる。そのため、位置POB1における照明と比べると、位置POB2における照明の方が、照明ムラが大きく目立つ。
【0041】
物体位置が位置POB3の場合、近点の位置POB3では、照明光LAと照明光LBとが重ならなくなってしまう。2つの照明光が照射されない範囲が、太線で示されている。この場合、視野Fの一部で照明されないため、観察に支障が生じる。
【0042】
このように、被写界深度が広がると、特に近点の位置で、照明ムラが目立つようになる。
【0043】
物体側入射面Sobは、最も物体側に位置している。そのため、例えば、物体側入射面Sobと物体側出射面SAillとの間には、段差が生じる。段差が大きいほど、段差の側面4aの長さも長くなる。そのため、像側に向かって、物体側出射面SAillが物体側入射面Sobから遠ざかると、照明光の一部が側面4aで遮られてしまうようになる。
【0044】
この場合、近点の位置だけでなく、遠点の位置でも照明ムラが目立つようになる。よって、被写界深度が広がった画像が取得できる装置では、光路長差と奥まり量とが、適切に設定されていることが重要になる。
【0045】
このようなことから、本実施形態の内視鏡は、条件式(1)を満足する。条件式(1)は、奥まり量の最小(以下「最小奥まり量」という)と光路長差に関する条件式である。
【0046】
条件式(1)を満足することで、光路長差と最小奥まり量との関係を適切にすることができる。そのため、被写界深度が広がった画像を取得する場合であっても、照明ムラを十分に低減することが可能になる。
【0047】
値が条件式(1)の下限値を下回る場合、最小奥まり量が小さくなりすぎる。そのため、照明ムラが顕著に発生してしまう。
【0048】
最小奥まり量がゼロの場合では、物体側出射面SAillの位置が、物体側入射面Sobの位置と一致している。そのためには、例えば、物体側出射面SAill 物体側に移動させれば良い。ただし、物体側出射面SAillが物体側に移動すると、位置POB1と位置POB2では、2つの照明光が重なっている範囲が減少する。また、位置POB3では、2つの照明光が照射されない範囲が増大する。
【0049】
値が条件式(1)の上限値を上回る場合、最小奥まり量が大きくなりすぎる。この場合、照明光の一部が側面4aで遮られる。そのため、照明光の一部は先端部から射出されなくなる。その結果、照度ムラが顕著に発生してしまう。
【0050】
条件式(1)に代えて、以下の条件式(1’)を満足することが好ましい。
2.5≦Dmin/OPLdiff≦30 (1’)
条件式(1)に代えて、以下の条件式(1’’)を満足することが好ましい。
2.8≦Dmin/OPLdiff≦10 (1’’)
【0051】
被写界深度が広がった画像の取得では、撮像素子が用いられる。2つの光学像は、一つの撮像素子で撮像することが好ましい。このようにすると、撮像素子が一つですむため、コストを低減できる。
【0052】
本実施形態の内視鏡では、対物光学系は、光軸方向に移動するレンズを有し、レンズを移動させることによって、拡大観察と通常観察とが切り替え可能であり、以下の条件式(2)、(3)を満足することが好ましい。
0.1<Dmin/(OPLdiff×Dfocus)<30 (2)
1.01<ω(wide)/ω(tele)<5.0 (3)
ここで、
Dminは、奥まり量のうち、最小となる奥まり量であり、奥まり量は、物体側入射面から物体側出射面までの光軸方向の距離、
OPLdiffは、第1の光路の光路長と第2の光路の光路長との差、
Dfocusは、レンズの移動量、
ω(wide)は、通常観察状態における対物光学系の画角、
ω(tele)は、拡大観察状態における対物光学系の画角、
である。
【0053】
被写界深度の概要を図4に示す。(a)は第1光学系における被写界深度、(b)は第2光学系における被写界深度、(c)は第3光学系における被写界深度、(d)は第4光学系における被写界深度を示している。
【0054】
位置Fnorは、通常観察における合焦位置である。位置Fmagは、拡大観察における合焦位置である。拡大観察における物体の位置は、通常観察における物体位置よりも光学系に近い。拡大観察では、顕微鏡観察のように、高い倍率で物体を観察することができる。
【0055】
各光学系の違いは、以下の通りである。
レンズの移動 光路分割部材
第1光学系 なし なし
第2光学系 なし あり
第3光学系 あり なし
第4光学系 あり あり
【0056】
第1光学系では、通常観察ができる。第1光学系は、光路分割部材を備えていない。そのため、被写界深度が広がった画像は取得できない。第1光学系における被写界深度は、位置DFNfaから位置DFNneまでの範囲である。
【0057】
第2光学系では、通常観察ができる。第2光学系は、光路分割部材を備えている。そのため、被写界深度が広がった画像を取得できる。
【0058】
第1の光路における被写界深度は、位置DFN1faから位置DFN1neまでの範囲である。第2の光路における被写界深度は、位置DFN2faから位置DFN2neまでの範囲である。よって、第2光学系における被写界深度は、位置DFN1faから位置DFN2neまでの範囲である。
【0059】
第3光学系では、通常観察と拡大観察とができる。第3光学系は、光路分割部材を備えていない。そのため、通常観察と拡大観察のどちらにおいても、被写界深度が広がった画像は取得できない。
【0060】
通常観察における被写界深度は、位置DFNfaから位置DFNneまでの範囲である。拡大観察における被写界深度は、位置DFMfaから位置DFMneまでの範囲である。
【0061】
第4光学系では、通常観察と拡大観察とができる。第4光学系は、光路分割部材を備えている。そのため、通常観察と拡大観察のどちらにおいても、被写界深度が広がった画像が取得できる。
【0062】
通常観察では、第1の光路における被写界深度は、位置DFN1faから位置DFN1neまでの範囲である。第2の光路における被写界深度は、位置DFN2faから位置DFN2neまでの範囲である。よって、通常観察における被写界深度は、位置DFN1faから位置DFN2neまでの範囲である。
【0063】
拡大観察では、第1の光路における被写界深度は、位置DFM1faから位置DFM1neまでの範囲である。第2の光路における被写界深度は、位置DFM2faから位置DFM2neまでの範囲である。よって、拡大観察における被写界深度は、位置DFM1faから位置DFM2neまでの範囲である。
【0064】
第3光学系における位置DFMneと、第4光学系における位置DFM2neは、被写界深度における近点の位置である。(c)と(d)を比較して分かるように、位置DFM2neは、位置DFMneよりも、光学系の近くに位置している。
【0065】
上述のように、近点の位置が先端部に近づくにつれて、照明ムラが目立つようになる。そのため、通常観察と拡大観察とができる光学系では、光路長差と奥まり量とが適切に設定されていることに加えて、レンズの移動量が適切に設定されていることが重要になる。
【0066】
条件式(2)は、最小奥まり量、光路長差、及びレンズの移動量に関する条件式である。条件式(2)を満足することで、最小奥まり量、光路長差、及びレンズの移動量の関係を適切にすることができる。そのため、拡大観察において被写界深度が広がった画像を取得する場合であっても、照明ムラを十分に低減することが可能になる。
【0067】
拡大観察では、近点の位置が、先端部に近くなる。条件式(2)を満足することで、拡大観察における近点の位置でも、ムラの少ない照明ができる。
【0068】
値が条件式(2)の下限値を下回る場合、最小奥まり量が小さくなりすぎる。そのため、照明ムラが顕著に発生してしまう。値が条件式(2)の上限値を上回る場合、最小奥まり量が大きくなりすぎる。そのため、照明ムラが顕著に発生してしまう。照明ムラの発生原因については、条件式(1)に関する技術的意義で説明したとおりである。
【0069】
条件式(3)は、拡大観察と通常観察での画角の変化を規定する条件式である。条件式を(3)を満足することで、適切な画角変化が生じる。拡大観察における視野の広さを、通常観察における視野の広さと異ならせつつ、拡大観察時の照明ムラを低減できる。
【0070】
拡大観察の特徴は、通常観察に比べて詳細な観察ができることである。条件式(3)の下限値を下回る場合、レンズが移動しても、画角変化がほとんど生じない。そのため、拡大観察の特徴を生かすことができない。
【0071】
値が条件式(3)の上限値を上回る場合、レンズの移動による画角の変化が大きくなりすぎる。この場合、拡大観察における画角が著しく小さくなる。拡大観察をするためには、通常観察で、観察したい部位と視野の中心との位置合わせを行う。拡大観察における画角が著しく小さいと、通常観察での位置合わせに時間がかかる。そのため、スムーズな観察が困難になる。
【0072】
条件式(2)に代えて、以下の条件式(2’)を満足することが好ましい。
0.5<Dmin/(OPLdiff×Dfocus)<10 (2’)
条件式(2)に代えて、以下の条件式(2’’)を満足することが好ましい。
1.0<Dmin/(OPLdiff×Dfocus)<6.5 (2’’)
【0073】
条件式(3)に代えて、以下の条件式(3’)を満足することが好ましい。
1.02<ω(wide)/ω(tele)<2.0 (3’)
条件式(3)に代えて、以下の条件式(3’’)を満足することが好ましい。
1.03<ω(wide)/ω(tele)<1.1 (3’’)
【0074】
本実施形態の内視鏡は、以下の条件式(4)を満足することが好ましい。
0.2<Dave/(OPLdiff×Dfocus)<50 (4)
ここで、
Daveは、奥まり量の平均であり、奥まり量は、物体側入射面から物体側出射面までの光軸方向の距離、
OPLdiffは、第1の光路の光路長と第2の光路の光路長との差、
Dfocusは、レンズの移動量、
である。
【0075】
条件式(4)は、奥まり量の平均、光路長差、及びレンズの移動量に関する条件式である。条件式(4)を満足することで、奥まり量の平均、光路長差、及びレンズの移動量の関係を適切にすることができる。そのため、拡大観察において被写界深度が広がった画像を取得する場合であっても、照明ムラを十分に低減することが可能になる。
【0076】
値が条件式(4)の下限値を下回る場合、奥まり量の平均が小さくなりすぎる。そのため、照明ムラが顕著に発生してしまう。値が条件式(4)の上限値を上回る場合、奥まり量の平均が大きくなりすぎる。そのため、照明ムラが顕著に発生してしまう。照明ムラの発生原因については、条件式(1)に関する技術的意義で説明したとおりである。
【0077】
条件式(4)に代えて、以下の条件式(4’)を満足することが好ましい。
0.6<Dave/(OPLdiff×Dfocus)<20 (4’)
条件式(4)に代えて、以下の条件式(4’’)を満足することが好ましい。
1.5<Dave/(OPLdiff×Dfocus)<7.0 (4’’)
【0078】
本実施形態の内視鏡は、以下の条件式(5)を満足することが好ましい。
0.3<Dmax/(OPLdiff×Dfocus)<80 (5)
ここで、
Dmaxは、奥まり量のうち、最大となる奥まり量であり、奥まり量は、物体側入射面から物体側出射面までの光軸方向の距離、
OPLdiffは、第1の光路の光路長と第2の光路の光路長との差、
Dfocusは、レンズの移動量、
である。
【0079】
条件式(5)は、奥まり量の最大(以下、「最大奥まり量」という)、光路長差、及びレンズの移動量に関する条件式である。条件式(5)を満足することで、最大の奥まり量、光路長差、及びレンズの移動量の関係を適切にすることができる。そのため、拡大観察において被写界深度が広がった画像を取得する場合であっても、照明ムラを十分に低減することが可能になる。
【0080】
値が条件式(5)の下限値を下回る場合、最大奥まり量が小さくなりすぎる。そのため照明ムラが顕著に発生してしまう。値が条件式(5)の上限値を上回る場合、最大奥まり量が大きくなりすぎる。そのため、照明ムラが顕著に発生してしまう。照明ムラの発生原因については、条件式(1)に関する技術的意義で説明したとおりである。
【0081】
条件式(5)に代えて、以下の条件式(5’)を満足することが好ましい。
1.0<Dmax/(OPLdiff×Dfocus)<60 (5’)
条件式(5)に代えて、以下の条件式(5’’)を満足することが好ましい。
4.0<Dmax/(OPLdiff×Dfocus)<40 (5’’)
【0082】
本実施形態の内視鏡では、照明光の光量と射出角度は、複数の照明光学系の全てで、略同一であることが好ましい。
【0083】
本実施形態の内視鏡は、複数の照明光学系を有する。本実施形態の内視鏡では、各照明光学系から射出される光量と射出角を、略同一にしている。このようにすることで、製造コストを抑制することができる。
【0084】
本実施形態の内視鏡は、3つの照明光学系を有することが好ましい。
【0085】
照明光学系の数を3つにすると、先端部の径が大きくなることを抑制しつつ、照明ムラを低減することができる。
【0086】
以下に、本実施形態の内視鏡に用いられる対物光学系の実施例を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
【0087】
各実施例のレンズ断面図について説明する。(a)は通常観察状態における断面図、(b)は拡大観察状態における断面図である。
【0088】
第1レンズ群はG1、第2レンズ群はG2、第3レンズ群はG3、開口絞りはS、像面(撮像面)はIで示してある。平行平板はF1で示してある。
【0089】
平行平板F1は特定の波長、例えば、YAGレーザのレーザ光(波長1060nmの光)、半導体レーザのレーザ光(波長810nmの光)、あるいは近赤外領域の波長の光をカットするためのフィルタである。
【0090】
各実施例の収差図について説明する。(a)、(b)、(c)、及び(d)は、それぞれ、通常観察状態における収差図である。(a)は球面収差(SA)、(b)は非点収差(AS)、(c)は歪曲収差(DT)、(d)倍率色収差(CC)を示している。
【0091】
(e)、(f)、(g)、及び(h)は、それぞれ、拡大観察状態における収差図である。(e)は球面収差(SA)、(f)は非点収差(AS)、(g)は歪曲収差(DT)、(h)は倍率色収差(CC)を示している。
【0092】
各収差図において、横軸は収差量を表している。球面収差、非点収差、及び倍率収差については、収差量の単位はmmである。また、歪曲収差については、収差量の単位は%である。また、FNOはFナンバー、ωは半画角で、単位は°(度)である。また、収差曲線の波長の単位はnmである。
【0093】
(実施例1)
実施例1の対物光学系は、物体側から順に、負屈折力の第1レンズ群G1と、正屈折力の第2レンズ群G2と、正屈折力の第3レンズ群G3と、を有する。
【0094】
第1レンズ群G1は、平凹負レンズL1と、両凹負レンズL2と、凸平正レンズL3と、を有する。ここで、両凹負レンズL2と凸平正レンズL3とが接合されている。
【0095】
第2レンズ群G2は、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL4を有する。
【0096】
第3レンズ群G3は、両凸正レンズL5と、像側に凸面を向けた負メニスカスレンズL6と、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズL7と、両凸正レンズL8と、像側に凸面を向けた負メニスカスレンズL9と、を有する。ここで、両凸正レンズL5と負メニスカスレンズL6とが接合されている。両凸正レンズL8と負メニスカスレンズL9とが接合されている。
【0097】
通常観察から拡大観察への切り替え時、第2レンズ群G2が像側に移動する。
【0098】
平凹負レンズL1と両凹負レンズL2との間に、平行平板F1(光学フィルタ)が配置されている。第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間に、開口絞りSが配置されている。
【0099】
(実施例2)
実施例2の対物光学系は、物体側から順に、負屈折力の第1レンズ群G1と、正屈折力の第2レンズ群G2と、正屈折力の第3レンズ群G3と、を有する。
【0100】
第1レンズ群G1は、平凹負レンズL1と、両凹負レンズL2と、凸平正レンズL3と、を有する。ここで、両凹負レンズL2と凸平正レンズL3とが接合されている。
【0101】
第2レンズ群G2は、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL4を有する。
【0102】
第3レンズ群G3は、両凸正レンズL5と、像側に凸面を向けた負メニスカスレンズL6と、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズL7と、両凸正レンズL8と、像側に凸面を向けた負メニスカスレンズL9と、を有する。ここで、両凸正レンズL5と負メニスカスレンズL6とが接合されている。両凸正レンズL8と負メニスカスレンズL9とが接合されている。
【0103】
通常観察から拡大観察への切り替え時、第2レンズ群G2が像側に移動する。
【0104】
平凹負レンズL1と両凹負レンズL2との間に、平行平板F1(光学フィルタ)が配置されている。第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間に、開口絞りSが配置されている。
【0105】
(実施例3)
実施例3の対物光学系は、物体側から順に、負屈折力の第1レンズ群G1と、正屈折力の第2レンズ群G2と、正屈折力の第3レンズ群G3と、を有する。
【0106】
第1レンズ群G1は、平凹負レンズL1と、両凹負レンズL2と、凸平正レンズL3と、を有する。ここで、両凹負レンズL2と凸平正レンズL3とが接合されている。
【0107】
第2レンズ群G2は、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL4を有する。
【0108】
第3レンズ群G3は、両凸正レンズL5と、像側に凸面を向けた負メニスカスレンズL6と、両凸正レンズL7と、両凸正レンズL8と、像側に凸面を向けた負メニスカスレンズL9と、を有する。ここで、両凸正レンズL5と負メニスカスレンズL6とが接合されている。両凸正レンズL8と負メニスカスレンズL9とが接合されている。
【0109】
通常観察から拡大観察への切り替え時、第2レンズ群G2が像側に移動する。
【0110】
平凹負レンズL1と両凹負レンズL2との間に、平行平板F1(光学フィルタ)が配置されている。第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間に、開口絞りSが配置されている。
【0111】
以下に、上記各実施例の数値データを示す。面データにおいて、rは各レンズ面の曲率半径、dは各レンズ面間の間隔、ndは各レンズのd線の屈折率、νdは各レンズのアッベ数である。絞りは開口絞りである。
【0112】
各種データにおいて、fはd線における焦点距離、FnoはFナンバー、ωは半画角、fbはバックフォーカス、LTLは全長である。全長は、レンズ最前面からレンズ最終面までの距離にバックフォーカスを加えたものである。バックフォーカスは、レンズ最終面から近軸像面までの距離を空気換算して表したものである。
【0113】
数値実施例1
単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd
1 ∞ 0.52 1.88300 40.76
2 1.756 1.61
3 ∞ 0.59 1.52100 65.12
4 ∞ 1.12
5 -7.847 0.44 1.88300 40.76
6 2.604 2.21 1.84666 23.78
7 ∞ d7
8 2.132 0.78 1.48749 70.23
9 2.217 d9
10(絞り) ∞ 0.07
11 4.230 1.15 1.67270 32.10
12 -1.724 0.44 2.00330 28.27
13 -7.952 0.04
14 -70.606 0.81 1.69895 30.13
15 -3.332 0.04
16 7.886 0.99 1.48749 70.23
17 -3.344 0.44 1.95906 17.47
18 -11.310 fb
撮像面 ∞

各種データ
通常観察状態 拡大観察状態
f 1.00 1.00
FNO. 3.57 3.53
2ω 158.56 151.28
fb(in air) 4.78 4.70
LTL(in air) 18.30 18.22
d7 0.48 1.25
d9 1.75 0.99

各群焦点距離
f1=-1.20 f2=28.29 f3=3.55
【0114】
数値実施例2
単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd
1 ∞ 0.52 1.88300 40.76
2 1.790 1.74
3 ∞ 0.59 1.52100 65.12
4 ∞ 1.12
5 -7.773 0.44 1.88300 40.76
6 2.611 2.22 1.84666 23.78
7 ∞ d7
8 2.141 0.74 1.48749 70.23
9 2.227 d9
10(絞り) ∞ 0.07
11 4.313 1.16 1.67270 32.10
12 -1.731 0.44 2.00330 28.27
13 -7.595 0.04
14 -55.368 0.82 1.69895 30.13
15 -3.350 0.04
16 7.811 0.99 1.48749 70.23
17 -3.406 0.44 1.95906 17.47
18 -12.287 fb
撮像面 ∞

各種データ
通常観察状態 拡大観察状態
f 1.00 1.00
FNO. 3.57 3.53
2ω 161.16 151.53
fb(in air) 4.80 4.72
LTL(in air) 18.46 18.39
d7 0.48 1.26
d9 1.76 0.99

各群焦点距離
f1=-1.20 f2=29.53 f3=3.57
【0115】
数値実施例3
単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd
1 ∞ 0.52 1.88300 40.76
2 1.770 1.85
3 ∞ 0.59 1.52100 65.12
4 ∞ 1.12
5 -8.674 0.52 1.88300 40.76
6 2.018 1.71 1.84666 23.78
7 ∞ d7
8 2.127 0.88 1.48749 70.23
9 2.212 d9
10(絞り) ∞ 0.07
11 4.378 1.15 1.63854 55.38
12 -1.665 0.44 1.88300 40.76
13 -9.226 0.04
14 197.416 0.81 1.69895 30.13
15 -3.827 0.04
16 8.514 0.99 1.48749 70.23
17 -4.078 0.44 1.95906 17.47
18 -10.722 fb
撮像面 ∞

各種データ
通常観察状態 拡大観察状態
f 1.00 1.00
FNO. 3.57 3.53
2ω 161.27 149.52
fb(in air) 4.77 4.69
LTL(in air) 18.18 18.10
d7 0.48 1.25
d9 1.75 0.99

各群焦点距離
f1=-1.21 f2=25.60 f3=3.53
【0116】
以下、各実施例における条件式の数値を示す。
条件式 実施例1 実施例2 実施例3
(1) 2.800 10.000 3.333
(2) 1.021 6.486 4.352
(3) 1.048 1.064 1.079
(4) 3.255 12.712 5.266
(5) 6.750 37.359 7.355
【0117】
以下に、要素値を示す。
実施例1 実施例2 実施例3
Dmin 0.28 0.5 1
OPLdiff 0.1 0.05 0.3
Dfocus 0.768 0.7709 0.766
Dave 0.5 0.7 1.1
Dmax 0.72 1.2 1.3
ω(wide) 79.278 80.582 80.634
ω(tele) 75.642 75.766 74.762
【0118】
以上、本発明の種々の実施形態について説明したが、本発明は、これらの実施形態のみに限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で、これら実施形態の構成を適宜組合せて構成した実施形態も本発明の範疇となるものである。
【産業上の利用可能性】
【0119】
本発明は、ムラの少ない照明が可能で、被写界深度の広い画像が取得できる内視鏡に有用である。
【符号の説明】
【0120】
1 内視鏡
2 対物ユニット
2A 対物光学系
2B 光路分割部材
3 複数の照明光学系
3A、3B、3C 照明光学系
4 先端部
4a 側面
5 鉗子口
6 光ファイババンドル
7 レンズ群
OB 物体
ob 物体側入射面
SAill、SBill、SCill 物体側出射面
F 視野
L、LA、LC 照明光
P 物体側出射面SBillの位置
OB1、POB2、POB3 近点の位置
4a 側面
nor 位置通常観察における合焦位置
mag 位置拡大観察における合焦位置
DFNfa、DFNne、DFN1fa、DFN1ne、DFN2fa、DFN2ne、DFMfa、DFMne、DFM1fa、DFM1ne、DFM2fa、DFM2ne 被写界深度の範囲を示す位置
G1 第1レンズ群
G2 第2レンズ群
G3 第3レンズ群
L1~L9 レンズ
S 開口絞り
F1 平行平板(光学フィルタ)
I 像面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10