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特許7079864ジェットポンプすべり継手を修理する方法および装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-25
(45)【発行日】2022-06-02
(54)【発明の名称】ジェットポンプすべり継手を修理する方法および装置
(51)【国際特許分類】
   F16L 55/18 20060101AFI20220526BHJP
   F16L 23/036 20060101ALI20220526BHJP
   F04F 5/44 20060101ALI20220526BHJP
   G21C 15/25 20060101ALI20220526BHJP
   G21C 15/243 20060101ALI20220526BHJP
【FI】
F16L55/18 Z
F16L23/036
F04F5/44 E
G21C15/25
G21C15/243 520A
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021015684
(22)【出願日】2021-02-03
(62)【分割の表示】P 2016223722の分割
【原出願日】2016-11-17
(65)【公開番号】P2021089291
(43)【公開日】2021-06-10
【審査請求日】2021-02-24
(31)【優先権主張番号】14/956,909
(32)【優先日】2015-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508177046
【氏名又は名称】ジーイー-ヒタチ・ニュークリア・エナジー・アメリカズ・エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】GE-HITACHI NUCLEAR ENERGY AMERICAS, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】特許業務法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】リー・ジョン・アンドレ
(72)【発明者】
【氏名】ジャック・トシオ・マツモト
【審査官】伊藤 紀史
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-141309(JP,A)
【文献】特開2012-141308(JP,A)
【文献】特開2012-058239(JP,A)
【文献】特開昭62-233792(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0108013(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0159790(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0219103(US,A1)
【文献】特表2015-532434(JP,A)
【文献】特開2010-242581(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G21C 15/243
F16L 55/18
F16L 23/036
F04F 5/44
G21C 15/25
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジェットポンプすべり継手を修理する方法であって、
ディフューザーのボアからインレットミキサーを取り除くことと、
損傷した金属を取り除くとともに実質的に滑らかな内表面を形成するように、前記ディフューザーの前記ボアの内表面を加工することと、
前記インレットミキサーから損傷した金属を取り除くとともに実質的に滑らかな外表面を形成するように、前記インレットミキサーの外表面を加工することと、
前記ディフューザーの前記ボアにブシュを挿入することと
を含み、
前記ブシュは、
上面にあって、クランプの把持部を受け入れるように構成された、溝の付いたフランジと、
前記ブシュの内側の底面の内部溝であって、前記ブシュの前記内部溝にシールが挿入される内部溝とを含む、方法。
【請求項2】
前記ブシュを通して前記ディフューザーの前記ボア内に前記インレットミキサーを挿入することをさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記シールが圧縮されるように、前記ディフューザーのカラーに前記ブシュを留めることをさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記留めることは、前記ブシュの前記上面の前記溝の付いたフランジに前記クランプの前記把持部を挿入することと、
前記ディフューザーの前記カラーに把持カラーを固定することとを含む、請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記ブシュと前記ディフューザーと前記インレットミキサーとの周りにすべり継手クランプを取り付けることをさらに含む、請求項1記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ジェットポンプすべり継手を修理する方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
沸騰水型原子炉は、すべり継手特徴部を有するジェットポンプを含む場合があり、ポンプを通る流れはすべり継手の外に漏れが生じる可能性がある。漏れは、インレットミキサーとディフューザーとの間のクリアランスに限定される。漏れは、振動を引き起こした漏れの流れをもたらす場合があり、これは、ジェットポンプの摩耗および劣化につながる。
【発明の概要】
【0003】
少なくとも1つの例示的な実施形態は、ジェットポンプすべり継手を修理する方法に関する。
【0004】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、ジェットポンプすべり継手を修理する方法は、ディフューザーのボアからインレットミキサーを取り除くことと、損傷した金属を取り除くとともに実質的に滑らかな内表面を形成するようにディフューザーのボアの内表面を加工することと、インレットミキサーから損傷した金属を取り除くとともに実質的に滑らかな外表面を形成するようにインレットミキサーの外表面を加工することと、ディフューザーのボアにブシュを挿入することとを含んでいる。ブシュは、上面に、溝の付いたフランジを含んでいる。溝の付いたフランジは、クランプの把持部を受け入れるように構成されている。ブシュは、ブシュの内側の底面に内部溝を含んでいる。ブシュの内部溝にシールが挿入されている。
【0005】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、この方法は、ブシュを通してディフューザーのボアにインレットミキサーを挿入することも含んでもよい。この方法は、シールが圧縮されるようにディフューザーのカラーにブシュを締めることも含んでもよい。この方法はまた、ブシュの上面の溝の付いたフランジにクランプの把持部を挿入することと、ディフューザーのカラーに把持カラーを固定することとを含んでもよい。
【0006】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、この方法は、ブシュとディフューザーとインレットミキサーとの周りにすべり継手クランプを取り付けることも含んでもよい。
【0007】
少なくとも1つの例示的な実施形態は、ジェットポンプすべり継手修理アセンブリーに関する。
【0008】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、ジェットポンプすべり継手修理アセンブリーは、少なくとも1つのクランプと、ディフューザーのボアに挿入されるとともにインレットミキサーの一部を囲むように構成されたブシュとを含んでいる。クランプは、把持表面および把持カラーを含んでいる。ブシュは、略円筒状の側壁を含んでいる。側壁は、インレットミキサーの一部を囲むように構成されている。ブシュは、側壁の上面に、溝の付いたフランジも含んでいる。溝の付いたフランジは、クランプの把持表面を受け入れるように構成されている。溝の付いたフランジの隣接した部分の間に、少なくとも1つの切欠きがある。少なくとも1つの切欠きは、すべり継手クランプの少なくとも一部を受け入れるように構成されている。ブシュは、側壁の内側の底面に溝も含んでいる。アセンブリーは、溝内にシールも含んでいる。シールは、可撓性で、金属材料で形成されている。シールは、少なくとも1つのクランプがブシュに係合するときに圧縮されるように構成されている。
【0009】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、アセンブリーは少なくとも2つのクランプを含んでいる。少なくとも2つのクランプは、少なくとも約2000ポンドの力をブシュに付加する。ブシュがディフューザーのボアに挿入されると、ブシュの溝の付いたフランジとディフューザーの上端との間に間隙が形成される。
【0010】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、把持表面が把持本体から延び、把持本体は、把持カラーに挿入されるように構成されている。把持本体は、把持カラーに対する把持本体の回転を低減するように、略正方形形状の断面を有している。少なくとも1つの例示的な実施形態では、把持本体は、把持カラーに対する把持本体の回転を低減するように、概して丸みのない断面を有している。
【0011】
少なくとも1つの例示的な実施形態はジェットポンプすべり継手に関する。
【0012】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、ジェットポンプすべり継手はディフューザーを含み、ディフューザーは、ディフューザーを貫通するように延びるボアを含んでいる。ボアの内表面は、実質的に滑らかな表面を有している。ジェットポンプすべり継手は、ボアに挿入されたブシュも含んでいる。ブシュは、略円筒状の側壁と、側壁の上面の溝の付いたフランジと、溝の付いたフランジの隣接した部分の間の少なくとも1つの切欠きと、側壁の内側の底面の溝とを含んでいる。溝の付いたフランジは、クランプの把持表面を受け入れるように構成されている。ジェットポンプすべり継手はまた、ブシュの溝に挿入されたシールと、ブシュおよびディフューザーのボアの側壁内に挿入されたインレットミキサーと、ディフューザーおよびブシュと係合した少なくとも1つのクランプとを含んでいる。少なくとも1つのクランプは、シールを圧縮するように構成されている。
【0013】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、シールは、可撓性の金属材料で形成されている。
【0014】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、少なくとも1つのクランプは、把持表面および把持カラーを含んでいる。把持表面は把持本体から延びている。把持本体は、把持カラーに対する把持本体の回転を低減するように、略正方形形状の断面を有している。
【0015】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、ジェットポンプすべり継手は、ブシュの溝の付いたフランジとディフューザーの上端との間に間隙も含むことができる。ジェットポンプすべり継手は、少なくとも部分的にディフューザーの周りを延びるすべり継手クランプと、インレットミキサーとを含むことができ、すべり継手クランプの少なくとも一部は、ブシュの少なくとも1つの切欠きの内部に位置する。
【0016】
本明細書の非限定的な実施形態の様々な特徴および利点は、添付の図面と併せて詳細な説明を検討すると、より明らかとなることができる。添付の図面は、図解の目的のために提供されるに過ぎず、特許請求の範囲を限定するように意図すべきではない。添付の図面は、明確に言及しない限り、縮尺通りに描かれているとみなすべきではない。明確化の目的のために、図面の様々な寸法を誇張した場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】少なくとも1つの例示的な実施形態に係るジェットポンプすべり継手修理アセンブリーの斜視図である。
図2】少なくとも1つの例示的な実施形態に係る図1のジェットポンプすべり継手修理アセンブリーの断面図である。
図3】少なくとも1つの例示的な実施形態に係るディフューザーカラーの断面図である。
図4】少なくとも1つの例示的な実施形態に係るインレットミキサーの側面図である。
図5】少なくとも1つの例示的な実施形態に係るブシュの斜視図である。
図6】少なくとも1つの例示的な実施形態に係る図5のブシュの一部の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
いくつかの詳細な例示的な実施形態が本明細書に開示される。しかし、本明細書に開示された特有の構造的および機能的詳細は、例示的な実施形態を記載する目的の典型であるに過ぎない。しかし、例示的な実施形態は、多くの代替的な形態で具体化することができ、本明細書で説明する例示的な実施形態のみに限定されるように解釈すべきではない。
【0019】
したがって、例示的な実施形態に様々な修正および代替的な形態が可能である一方、それらの例示的な実施形態が、図面における例によって示され、本明細書に詳細に記載されるであろう。しかし、例示的な実施形態を開示される特定の形態に限定する意図はないが、それとは反対に、例示的な実施形態は、例示的な実施形態の範囲内に属するあらゆる修正物、等価物、および代替物を保護すると理解すべきである。数字のようなものは、図面の記載を通して同様の要素を指す。
【0020】
ある要素または層が別の要素または層「の上にある」、別の要素または層「に接続される」、別の要素または層「に連結される」または別の要素または層「を保護する」と言及される場合、ある要素または層は直接的に、他の要素または層の上にあっても、他の要素または層に接続されても、他の要素または層に連結されても、または他の要素または層を保護してもよく、または、介在する要素または層が存在してもよいと理解すべきである。対照的に、ある要素が他の要素または層「の直接的に上にある」、他の要素または層「に直接接続される」、または他の要素または層「に直接連結される」と言及されるとき、介在する要素または層が存在しない。数字のようなものは、明細書を通して同様の要素を指す。本明細書で使用されるように、用語「および/または」は、関連して列挙された項目のうちの1つまたは複数の任意および全ての組み合わせを含む。
【0021】
第1、第2、第3等の用語は、本明細書では様々な要素、構成要素、領域、層、および/または区域を記載するために使用され得るが、これらの要素、構成要素、領域、層、および/または区域はこれらの用語によって限定されるべきではないと理解すべきである。これらの用語は、1つの要素、構成要素、領域、層、または区域を別の領域、層、または区域から区別するためにのみ使用される。したがって、以下で検討される第1の要素、構成要素、領域、層、または区域は、例示的な実施形態の教示から逸脱することなく、第2の要素、構成要素、領域、層、または区域と名付けることができる。
【0022】
空間的に相対的な用語(例えば、「真下」、「下」、「下方」、「上」「上方」等)は、図面に図解されるように、1つの要素または特徴の別の要素または特徴に対する関係を記載するのに記載を容易にするために本明細書では使用することができる。空間的に相対的な用語は、図面における向きを描写することに加えて、使用または運転中の装置の異なる向きを包含することを意図していると理解すべきである。例えば、図面において装置が向きを変えたら、他の要素または特徴の「下」または「真下」と記載された要素はそうすると、他の要素または特徴の「上」を向くことになる。したがって、用語「下」は、上および下の両方の向きを包含することができる。装置は他の方向を向く(90度または他の向きに回転する)ことができ、本明細書に使用される空間的に相対的な用語は、それに合うように解釈される。
【0023】
本明細書で使用される専門用語は、様々な例示的な実施形態を説明するためのみを目的とし、例示的な実施形態を限定することを意図していない。この明細書において使用される場合、単数の形態「ある」(「a」、「an」)および「その」(「the」)は、文脈が別途明確に指摘しない限り、複数の形態も含むことを意図している。用語「含む(includes)」、「含んでいる(including)」、「備える(comprises)」および/または「備えている(comprising)」は、この明細書において使用されるとき、述べられた特徴、整数、ステップ、動作、要素、および/または構成要素の存在を特定しているが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはそれらの群の存在または追加を排除していないことがさらに理解されるであろう。
【0024】
例示的な実施形態は、その理想化された実施形態(および中間構造)の模式的な図解である断面図を参照して本明細書に記載される。したがって、例えば製造技術および/または許容差の結果として図解の形状からの変形例を期待すべきである。したがって、例示的な実施形態は、本明細書に図解された領域の形状に限定して構成されるべきではないが、例えば製造に起因する形状の偏差を含むべきである。
【0025】
別途定義しない限り、本明細書で使用される全ての用語(技術用語および科学用語を含む)は、例示的な実施形態が属する当業者によって通常理解されるのと同じ意味を有する。通常使用される辞書で定義されるものを含む用語は、従来技術の文脈中のそれらの意味と矛盾のない意味を有するものとして解釈されるべきであることと、本明細書で明白に定義しない限り理想化されたまたは過度に形式化した意味に解釈されることはないであろうこととがさらに理解されるであろう。
【0026】
沸騰水型原子炉の運転中、ジェットポンプのすべり継手は漏れを生じさせる場合がある。この漏れは振動をもたらす場合があり、これはジェットポンプの摩耗および劣化につながる。ジェットポンプすべり継手修理アセンブリーは、すべり継手を改善された運転条件に復旧させることができる。
【0027】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、ジェットポンプすべり継手修理アセンブリーは、既存のインレットミキサーおよび/またはディフューザーの連続した使用を可能にする。さらに、分解および追加的な機器を取り除くことなしに、修理を行うことができ、ブッシュを設置することが可能である。
【0028】
少なくとも1つの例示的な実施形態はジェットポンプすべり継手修理アセンブリーに関する。
【0029】
図1は、少なくとも1つの例示的な実施形態に係るジェットポンプすべり継手修理アセンブリーの斜視図である。
【0030】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、ジェットポンプすべり継手修理アセンブリー10はディフューザー17を含んでいる。ディフューザー17は、略円筒状のパイプであり、パイプを貫通するように延びるボアを含んでいる。ディフューザー17はまた、ディフューザー17の開口を囲むディフューザーカラー18と、ディフューザー17の外周囲の周りを延びる留め金具60とを含んでいる。ディフューザー17のボアにブシュ12が挿入されており、ブシュ12の上部がディフューザーカラー18から少なくとも部分的に延びるようになっている。ブシュ12も略円筒状であり、ディフューザーカラー18の内部にぴったりと合うような大きさ、および、そのような構成となっている。少なくとも1つの例示的な実施形態では、インレットミキサー22がブシュ12およびディフューザー17のボアに部分的に挿入されている。インレットミキサー22は、ブシュ12およびディフューザーカラー18の内径よりも小さい外径を有する略円筒状のパイプである。
【0031】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、ジェットポンプすべり継手修理アセンブリー10は少なくとも1つのクランプ14も含んでいる。ジェットポンプすべり継手修理アセンブリー10は2つ以上のクランプ(例えば、3つのクランプ、4つのクランプ、5つのクランプ、または6つのクランプ)を含んでもよい。少なくとも1つの例示的な実施形態では、クランプ14は、把持表面40および把持カラー42を含んでいる。把持表面40は把持本体45から延び、略L字形状であってもよい。把持本体45の形状は、ディフューザー17の外表面に対してしっかりと合うように調節することができる。把持本体45の厚さは、把持本体45の長さに沿って変化してもよい。別の例示的な実施形態では、把持本体45は、その長さに沿って実質的に均一な厚さを有している。ボルト44は、把持本体45を把持カラー42に固定している。把持本体45は、略正方形の断面を有してもよく、同様に略正方形の断面を有する把持カラー42のボアに受け入れられてもよい。把持本体45および把持カラーのボアの正方形の断面は、固定部45の回転を実質的に防止および/または低減する。
【0032】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、シール20(図2および図6に示されている)を圧縮するように、少なくとも約2000ポンドの力がシール20に付加される。ジェットポンプすべり継手修理アセンブリー10は4つのクランプ14を含んでもよく、各クランプはシール20に少なくとも約500ポンドの力を付加する。
【0033】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、把持カラー42は、ディフューザー17の留め金具60に固定されている。クランプ14の把持表面40は、ブシュ12の溝の付いたフランジ32に係合している。クランプ14はボルト44によって締め付けられて、図6に示されるとともに以下で検討されるように、ブシュ12の内表面のシール溝50内に保持されたシール20を圧縮する。
【0034】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、ひとたびクランプ14が適所に置かれると、すべり継手クランプ16がすべり継手の周りに位置して、すべり継手をさらに固定する。すべり継手クランプ16の複数の部分は、ブシュ12の切欠き30の内部に嵌まる。すべり継手クランプ16は、少なくとも1つの例示的な実施形態に係るジェットポンプすべり継手修理アセンブリー10を付加する前のすべり継手において使用される既存のすべり継手クランプであってもよい。
【0035】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、ブシュ12およびクランプ14はステンレス鋼から形成されている。ジェットポンプの多くの構成要素もステンレス鋼で形成されているので、ひとたびすべり継手が修理されると、ステンレス鋼の使用が熱膨張の懸念を低減する。
【0036】
図2は、少なくとも1つの例示的な実施形態に係る図1のジェットポンプすべり継手修理アセンブリーの断面図である。
【0037】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、図2に示されるように、ジェットポンプすべり継手修理アセンブリー10は図1と概して同じであるが、クランプ14がブシュ12および留め金具60に固定された後に、シール20がブシュ12のシール溝50内で部分的に圧縮されるように示されている。
【0038】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、シール20は可撓性の金属材料で形成されている。シール20は、ジェットポンプ(図示せず)の運転中にディフューザー17とブシュ12との間の漏れを防止および/または低減するのを促進する。インレットミキサー22とブシュ12との間の漏れは、可能な程度にインレットミキサーとブシュとの間の間隙を低減する精密加工によって制御される。
【0039】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、ディフューザー17のボアにブシュ12が挿入されると、ブシュ12の溝の付いたフランジ32とディフューザー17の上端との間に間隙70が形成される。ひとたび少なくとも1つのクランプ14が完全に固定されると、間隙70は大きさが小さくなるおよび/または消える。したがって、ブシュ12とディフューザー17の上端との間の間隙70は、シール20の完全な圧縮が達成される視覚的保証を可能にする。シール溝50は、ディフューザーカラー18内に形成された肩部内でブシュ12が底に達すると、シール20が完全な圧縮を達成するような大きさになっている。間隙70が閉じると、シール20は完全には圧縮することはできない。
【0040】
図3は、少なくとも1つの例示的な実施形態に係るディフューザーカラーの拡大断面図である。
【0041】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、図3に示されるように、ディフューザーのディフューザーカラー18の内表面19は、実質的に滑らかで、清潔で、略円筒状の表面を形成するように加工することができる。漏れによって生じる振動の間、ディフューザーカラーの内表面は損傷する場合がある。したがって、ディフューザーカラー18の内表面19を加工することにより、すべり継手を修理できるように、ディフューザーカラー18の損傷した部分を取り除くことができる。
【0042】
図4は、少なくとも1つの例示的な実施形態に係るインレットミキサーの側面図である。
【0043】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、図4に示されるように、インレットミキサー22の外表面24は、清潔で概して丸まった表面を形成するように加工できる。この加工は、外表面24の損傷した部分を取り除いて、漏れを防止および/または低減するのを促進する。
【0044】
図5は、少なくとも1つの例示的な実施形態に係るブシュの斜視図である。
【0045】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、図5に示されるように、ブシュ12は、略円筒状の側壁31を含んでいる。側壁31は、上述の図1および図2に示されるように、インレットミキサーの一部を囲むように構成されている。溝の付いたフランジ32は、側壁31の上面に形成されている。溝の付いたフランジ32は、クランプ14の把持表面40を受け入れるような大きさ、および、そのような構成となっている。
【0046】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、ブシュ12は、溝の付いたフランジ32の隣接した部分の間に少なくとも1つの切欠き30を含んでいる。少なくとも1つの切欠き30は、すべり継手クランプ16の複数の部分と、ディフューザー17の上部に取り付けられた特徴部とに関するクリアランスを提供するような大きさ、および、そのような構成となっている。ディフューザーは、ディフューザーカラー内にインレットミキサーを装填するのを促進する耳部を含むことができる。切欠き30は、耳部とブシュ12との干渉を低減および/または防止する。すべり継手クランプ16は、修理費用を低減するようにすべり継手クランプ16の周りに設けられた元々のクランプであってもよい。
【0047】
図6は、少なくとも1つの例示的な実施形態に係る図5のブシュの一部の拡大断面図である。
【0048】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、図6に示されるように、ブシュ12は、側壁31の内側の底面にシール溝50も含んでいる。
【0049】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、溝の付いたフランジ32は、クランプ14の把持部40を受け入れるように、略U字形状の断面を有している。把持部40は、溝の付いたフランジ32内に把持部40を入れ子にするように、略U字形状の輪郭を有することができる。
【0050】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、ブシュ12とシール20と少なくとも1つのクランプ14とは、すべり継手の修理用の修理キットとして販売および/または包装することができる。
【0051】
少なくとも1つの例示的な実施形態は、ジェットポンプすべり継手を修理する方法に関する。
【0052】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、ジェットポンプすべり継手を修理する方法は、ディフューザーのボアから損傷したインレットミキサーを取り除くことを含む。この方法はまた、損傷した金属を取り除くとともに実質的に滑らかな内表面を形成するようにディフューザーのボアの内表面を加工することと、インレットミキサーから損傷した金属を取り除くとともに実質的に滑らかな外表面を形成するようにインレットミキサーの外表面を加工することとを含む。この方法は、ディフューザーのボアにブシュを挿入することも含むことができる。ブシュは、上面に溝の付いたフランジを含んでいる。溝の付いたフランジは、クランプの把持部を受け入れるように構成されている。ブシュは、ブシュの内側の底面に内部溝も含んでいる。シールは、ブシュの内部溝に挿入されている。
【0053】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、この方法は、ブシュを通してディフューザーのボア内にインレットミキサーを挿入することも含むことができる。この方法は、シールが圧縮されるように、ブシュをディフューザーのカラーに留めることも含むことができる。この方法はまた、ブシュの上面の溝の付いたフランジにクランプの把持部を挿入することと、把持カラーをディフューザーのカラーに固定することとを含むことができる。
【0054】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、この方法は、ブシュとディフューザーとインレットミキサーとの周りにすべり継手クランプを取り付けることも含むことができる。
【0055】
実施形態の前述の記載は、図解および説明の目的のために提供されたものである。それは、徹底したものとするか、または、開示を限定することを意図していない。特定の実施形態の個々の要素または特徴は、その特定の実施形態に概して限定していないが、特に示され、または、記載されなければ、適用は交換可能であり、選択された実施形態に使用することができる。同じことも多くの方法で変更可能である。そのような変更は開示から逸脱するものとみなすべきではなく、全てのそのような修正は、開示の範囲内に含まれることが意図されている。
【符号の説明】
【0056】
10 ジェットポンプすべり継手修理アセンブリー
12 ブシュ
14 クランプ
16 すべり継手クランプ
17 ディフューザー
20 シール
22 インレットミキサー
24 外表面
30 切欠き
31 側壁
32 溝の付いたフランジ
40 把持部
42 把持カラー
45 把持本体
70 間隙
図1
図2
図3
図4
図5
図6